JP2011186056A - 防眩性フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生産性がよく、かつ防眩性と低反射性の両機能を有する防眩性フィルムの製造法を提供する。
【解決手段】
互いに非相溶である少なくとも2種類の樹脂材料を1種類の溶媒に溶解させた第1の塗布液と、少なくとも1種類の樹脂材料と1種類の樹脂材料用の良溶媒と1種類の樹脂材料用の貧溶媒とを溶媒として含む第2の塗布液とを調製し、連続走行する支持体10上に第1の塗布液と第2の塗布液をこの順で塗布する。塗布工程で形成された第1の塗布層12と第2の塗布層14とを乾燥により相分離させ、第1の塗布層12を2種類の樹脂材料12A、12Bを相分離させた防眩層20とし、第2の塗布層14を、空隙22Bを有し、防眩層20より屈折率の低い低屈折率層22とすることにより防眩性フィルムを製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は防眩性フィルムの製造方法において、特に、各種ディスプレイの表面に用いられる防眩性フィルムの製造方法に関する。
一般に陰極管ディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどの各種ディスプレイにおいて、室内の蛍光灯や外部の太陽光などがディスプレイに映りこむと、その反射光によってディスプレイが見づらくなるという問題点がある。この問題を解決するため、映りこんだ光源の光を散乱させる目的で、防眩性フィルムをディスプレイ表面に貼ることで視認性を向上させている。
このような防眩性フィルムとしては、種々のものが提案されている。例えば、下記の特許文献1には、樹脂ビーズなどの粒子を用いて表面に凹凸形状を作成し、光を散乱させる方法が開示されている。また特許文献2には、粒子を用いず、樹脂のスピノーダル分解を利用して表面凹凸を形成する方法が開示されている。
また、表面に低屈折率層を形成し、反射率を低減する方法が提案されている。例えば、特許文献3には、無機材料を気相法で形成する方法、特許文献4には、フッ素系のオーバーコート層を形成する方法が開示されている。
特許文献5には、1回塗布することで、防眩層と低屈折率層を形成する方法として、粒子で防眩層を発現し、屈折率が低く表面に偏在しやすいポリマーであるフルオロアルキルシラン化合物を同時に塗布することで、逐次塗布により生産性が悪化することを防止している。特許文献6は、サイズの異なる粒子の自己組織性を利用した表面の凹凸構造制御により防眩性と低反射性を両立させている。また、特許文献7には、下層の粘度を高くすることで、同時重層によって防眩層の上に低屈折率層を形成する方法が開示されている。
特許文献8では、多孔性シリカを用いることで低屈折率層を実現している。また、特許文献9では、鎖状のシリカと加水分解基含有シラン化合物を2相分離することで空隙を作り低屈折率層を形成している。
特開平6−18706号公報 特開2004−126495号公報 特開平7−325203号公報 特開2004−306328号公報 特開2002−196116号公報 特開2008−15527号公報 特開2007−233185号公報 特開2005−15309号公報 特開2007−78816号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような樹脂粒子を用いる防眩性フィルムでは、径の均一な粒子を用いる必要があり、コスト的にも不利であった。また、特許文献2に記載されているような相分離を利用した防眩性フィルムは、蒸発時の条件などによりフィルム内の構造が容易に変形してしまうため、安定的に製造することが困難であった。さらに、これらの表面に凹凸をつけただけの防眩姓フィルムは、表面の乱反射が強く、フィルム表面が白化するという問題があった。
特許文献3、4に記載されている方法は、上記のフィルムが白化する問題は解決することはできたが、特許文献3の方法は生産性が悪く、コスト的に問題があった。また、特許文献4に記載の方法は、防眩層を付与した後に、低屈折率層を塗布する必要があり、逐次で多層を形成しているため、生産性が悪かった。さらに、同時重層塗布を行うと、各層が互いに拡散混合してしまい、低屈折率層が表面に均一に形成されないという問題があった。
また、特許文献5に記載の方法は、表面に偏在したフルオロアルキルシラン系の化合物の層は充分に下層と屈折率差がついていないため、反射機能が不十分であるという問題があった。特許文献6に記載のフィルムは、無機粒子を大量に使用する必要があるため、コスト的に高くなる問題があった。特許文献7に記載の方法では、下層の粘度が低いと粒子が容易に内部に移動して拡散混合してしまうため、高い粘性を示す増粘剤を用いる必要があった。しかし、層混合は防ぐことができるが、塗布速度が下がり生産性が悪化していた。
特許文献8に記載の方法では、多孔性シリカを作製するためにはシリカ粒子を加工する工程が必要になり、そのためコスト増加や製造速度のダウンにつながっていた。特許文献9に記載の方法では、化学反応を利用した相分離であるために空隙ができるまで20〜60分の時間を必要とするため、工業的な大量生産には適さないという欠点を有していた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、生産性がよく、かつ防眩性と低反射性を両立させる防眩性フィルムの方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の防眩性フィルムの製造方法は、互いに非相溶である少なくとも2種類の樹脂材料を1種類の溶媒に溶解させた第1の塗布液と、少なくとも1種類の樹脂材料と前記1種類の樹脂材料用の良溶媒と前記1種類の樹脂材料用の貧溶媒とを溶媒として含む第2の塗布液とを調製する工程と、連続走行する支持体上に前記第1の塗布液と前記第2の塗布液をこの順で塗布する工程と、前記塗布工程で形成された第1の塗布層と第2の塗布層とを乾燥により相分離させ、前記第1の塗布層を前記2種類の樹脂材料を相分離させた防眩層とし、前記第2の塗布層を、空隙を有し前記防眩層より屈折率の低い低屈折率層とする工程を含むことを特徴とする。
支持体上に防眩層形成用の第1の塗布液と低屈折率層形成用の第2の塗布液を塗布し、第1の塗布層と第2の塗布層を乾燥させて相分離を起こさせる。それにより、第1の塗布層を防眩層に、第2の塗布層を低屈折率層にする。低屈折率層について、溶媒と溶質の相互作用を利用した相分離によって空隙を形成できるので、低屈折率層を効率よく形成することができる。
ここで、支持体上に第1の塗布液と第2の塗布液を塗布する工程とは、第1の塗布液と第2の塗布液の間に乾燥工程を含まないこと意味する。したがって、同時重層塗布、逐次(ウエット・オン・ウエット)による塗布が含まれる。
本発明の防眩性フィルムの製造方法は、前記発明において、前記第2の塗布液に含まれる前記良溶媒は沸点が110℃未満であることが好ましい。沸点110℃未満の良溶媒を使用することで、強度の高い低屈折率層を得ることができる。これは沸点110℃以上の良溶媒を使用すると、第2の塗布層の乾燥時間が長くなる。そのため空隙が層の表面側で大きくなり、低屈折率層の強度が低くなるからである。
本発明の防眩性フィルムの製造方法は、前記発明において、前記第1の塗布液と前記第2の塗布液の溶質と溶媒の比率を調整し、前記第1の塗布層の相分離を前記第2の塗布層の相分離後に開始させることが好ましい。本発明の防眩性フィルムの製造方法は、前記発明において、前記第1の塗布層の相分離を前記第2の塗布層のスピノーダル分解開始後に開始させることが好ましい。
第1の塗布層の相分離の開始を第2の塗布層の相分離の開始よりも遅くすることにより、第2の塗布層に含まれる成分が第1の塗布層に取り込まれるのを防止することができる。したがって、所望の屈折率を有する低屈折率層を得ることができる。
特に、第2の塗布層の相分離を第1の塗布層のスピノーダル分解開始前に開始することにより、第2の塗布層に含まれる成分が第1の塗布層に取り込まれるのを確実に防止することができる。第2の塗布層がスピノーダル分解を開始すると、良溶媒と貧溶媒の相分離構造が固体化される。したがって、第1の塗布層が相分離を開始しても、第2の塗布層の成分が第1の塗布層に巻き込まれるのを確実に防止することができる。
相分離の進行過程は、バイノーダルの期間の後、スピノーダルの期間を経て行われる。バイノーダルとは、2つの樹脂の相分離が進行している状態のことをいう。スピノーダルとは、バイノーダルの期間で分離した構造が固定化される期間のことをいう。スピノーダルの期間では、2つの樹脂の相分離は進行せず、そのままの構造状態で固定化される。本発明において、「相分離」とは、バイノーダルとスピノーダルの両方を含む過程全体のことをいい、「スピノーダル分解」とは、スピノーダル期間内で構造が固定化されていることをいう。
本発明の防眩性フィルムの製造方法は、前記発明において、前記空隙は1000nm以下の大きさを有することが好ましい。空隙の大きさを上述の範囲とすることにより、所望の屈折率と強度を得ることができる。
本発明の防眩性フィルムの製造方法は、前記発明において、前記第1の塗布液に含まれる前記樹脂材料が熱可塑性樹脂であることが好ましい。
本発明の防眩性フィルムの製造方法は、前記発明において、前記第1の塗布液は1〜50cPの粘度を有することが好ましい。
本発明によれば、生産性がよく、かつ防眩性と低反射性の両機能を有する防眩性フィルムの製造法を提供することができる。
防眩性フィルムの製造方法の一例を示す概念図。 防眩性フィルムの製造方法の他の例を示す概念図。 実施例の結果を示す表図である。 実施例の結果を示す表図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を含む範囲を意味する。
以下、添付図面に従って、本発明に係る防眩性フィルムの製造方法の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、防眩性フィルムの製造方法の一例を説明する概念図である。本実施の形態では、連続走行する支持体10上に、防眩層形成用の第1の塗布液と、低屈折率層形成用の第2の塗布液を塗布することにより、支持体10上に第1の塗布層12と第2の塗布層14が形成される(図1(A))。
第1の塗布層12は、互いに非相溶である2種類の樹脂材料と2種類の樹脂材料を溶解する1種類の溶媒を含む。第2の塗布層14は、1種類の樹脂材料と、樹脂材料用の良溶媒と樹脂材料用の貧溶媒の両者を含む溶媒を含む。
次に、第1の塗布層12と第2の塗布層14を乾燥風により乾燥する。第1の塗布層12では、互いに非相溶である樹脂材料12Aと樹脂材料12Bが相分離を開始する。また、第2の塗布層14では、相溶性の悪い良溶媒14Aと貧溶媒14Bが分離を開始する(図1(B))。ここで、第2の塗布層14に含まれる樹脂材料は良溶媒14Aに多く溶けている。一方、貧溶媒14Bにはほとんど溶けていない。つまり、貧溶媒14Bが凝集している領域には、樹脂材料は存在しない。
さらに乾燥を進めると第1の塗布層と第2の塗布層の溶媒が全て蒸発し、防眩層20と低屈折率層22が形成される。第1の塗布層の領域では相分離により凹凸が形成され、防眩層20が形成される。第2の塗布層の領域では、良溶媒に含まれていた樹脂材料22Aが残る。一方、貧溶媒が蒸発すると樹脂材料が存在しないので空隙22Bが形成される。第2の塗布層は、樹脂材料22Aと空隙22Bを有する低屈折率層22となる(図1(C))。
乾燥工程においては、第1の塗布層の相分離の開始が、第2の塗布層の相分離の開始より遅くなることが好ましい。第2の塗布層に含まれる成分が、第1の塗布層中に取り込まれるのを防止することができる。
第1の塗布液と第2の塗布液の含まれる成分の比率を、つまり、それぞれの塗布液中の溶質の比率や溶媒の比率を調整することで、それぞれの相分離の開始を調整することができる。例えば、第2の塗布液について、予め溶質の比率をできるだけ相分離の起こりやすい比率にしたり溶媒の比率を下げたりして、相分離の開始時間を早くすることができる。第1の塗布液について、予め溶質の比率をできるだけ相分離の起こりにくい比率にしたり溶媒の比率を上げたりして、相分離の始まる時間を遅くすることができる。
図2は、防眩性フィルムの製造方法の他の例を説明する概念図である。図1と同様の構成には同一の符号を付し説明を省略する場合がある。
本実施の形態では、連続走行する支持体10上に、防眩層形成用の第1の塗布液と、低屈折率層形成用の第2の塗布液を塗布することにより、支持体10上に第1の塗布層12と第2の塗布層14が形成される(図2(A))。
次に、第1の塗布層12と第2の塗布層14を乾燥風により乾燥する。第1の塗布液、及び/又は第2の塗布液について、溶質と溶媒の比率が調整されている。その結果、第1の塗布層の相分離が、第2の塗布層のスピノーダル分解の開始より遅く開始する。第2の塗布層14において、良溶媒14Aと貧溶媒14Bが相分離を開始する(図2(B))。
次いで、第1の塗布層12中で、互いに非相溶である樹脂材料12Aと樹脂材料12Bが相分離を開始する。これにより凹凸が形成される(図2(C))。
さらに乾燥を進めると第1の塗布層と第2の塗布層の溶媒が全て蒸発し、防眩層20と低屈折率層22が形成される。第1の塗布層の領域では相分離により凹凸が形成され、防眩層20が形成される。第2の塗布層は、樹脂材料22Aと空隙22Bを有する低屈折率層22となる(図2(D))。
第2の塗布層のスピノーダル分解を開始させた後に、第1の塗布層の相分離を行うことにより、第1の塗布層が相分離を開始する際、すでに、第2の塗布層は流動しにくい状態にある。その結果、第1の塗布層中に第2の塗布層の成分が取り込まれるのを確実に防止することができる。
なお、防眩層形成用の第1の塗布液に含まれる溶媒の沸点をTa(℃)、低屈折率層形成用の第2の塗布液に含まれる良溶媒の沸点をTb(℃)とすると、Ta−Tb≦10(℃)であることが好ましい。上層の第2の塗布層が乾燥する前に、下層の第1の塗布層を乾燥させることができるからである。仮に、Ta−Tb>10(℃)とすると、下層の第1の塗布層が乾燥する前に上層の第2の塗布層が乾燥して硬膜化するおそれがある。このような状況では第1の塗布層の乾燥が阻害される場合がある。
[第1の塗布液:防眩層形成用塗布液]
下層として塗布される防眩層形成用塗布液は互いに非相溶である少なくとも2種類の樹脂材料を少なくとも1種類の溶媒に溶解することで調整される。
<樹脂材料>
樹脂材料としては、互いに非相溶である少なくとも2種類の樹脂材料であれば、特に限定されず用いることができるが、通常、熱可塑性樹脂が使用される。
熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂(脂環式オレフィン系樹脂を含む)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(2,6−キシレノールの重合体など)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)、ゴム又はエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなど)などが例示できる。これらの熱可塑性樹脂は、二種以上組み合わせて使用できる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル系単量体の単独又は共重合体、(メタ)アクリル系単量体と共重合性単量体との共重合体などが使用できる。(メタ)アクリル系単量体には、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸C1−10アルキル;(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリール;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロニトリル;トリシクロデカンなどの脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートなどが例示できる。共重合性単量体には、前記スチレン系単量体、ビニルエステル系単量体、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸などが例示できる。これらの単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(MS樹脂など)などが挙げられる。好ましい(メタ)アクリル系樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキル、特にメタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%程度)とするメタクリル酸メチル系樹脂が挙げられる。
好ましい熱可塑性樹脂としては、通常、非結晶性であり、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶な樹脂が使用される。特に、成形性又は製膜性、透明性や耐候性の高い樹脂、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類など)などが好ましい。特に、熱可塑性樹脂として、セルロース誘導体が好ましい。セルロース誘導体は、半合成高分子であり、他の樹脂や硬化剤と溶解挙動が異なるため、非常に良好な相分離性を有する。
また、硬化後の耐擦傷性の観点から、例えば、互いに非相溶なポリマーのうち一方のポリマーとして、硬化反応に関与する官能基(硬化剤と反応可能な官能基)を有するポリマーを用いることもできる。このような官能基としては、縮合性又は反応性官能基(例えば、ヒドロキシル基、酸無水物基、カルボキシル基、アミノ基又はイミノ基、エポキシ基、グリシジル基、イソシアネート基など)、重合性官能基(例えば、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、アリルなどのC2−6アルケニル基、エチニル、プロピニル、ブチニルなどのC2−6アルキニル基、ビニリデンなどのC2−6アルケニリデン基、又はこれらの重合性官能基を有する官能基((メタ)アクリロイル基など)等)等が挙げられる。
ポリマーのガラス転移温度は、例えば、−50℃〜230℃、好ましくは0〜200℃程度の範囲から選択できる。ポリマーの重量平均分子量は、例えば、1000000以下、好ましくは1000〜500000程度の範囲から選択できる。
2種類のポリマーの組み合わせは、特に制限されないが、加工温度付近で互いに非相溶で、相分離し易い2種類のポリマーを組み合わせることが好ましい。
例えば、ポリマーにセルロース誘導体(例えば、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル類)を用いた場合、他のポリマーは、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体など)、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂(ノルボルネンを単量体とする重合体など)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂(前記ポリC2−4アルキレンアリレート系コポリエステルなど)などであってもよい。
また、樹脂材料としては、上記少なくとも2種類の樹脂材料に硬化性化合物を添加し、硬化させたものでもよい。硬化性化合物としては、熱線や活性エネルギー線(紫外線や電子線など)等により反応する官能基を有する化合物であり、熱や活性エネルギー線などにより硬化又は架橋して樹脂(特に硬化又は架橋樹脂)を形成可能な種々の硬化性化合物が使用できる。
硬化性化合物としては、例えば、熱硬化性化合物又は樹脂[エポキシ基、イソシアネート基、アルコキシシリル基、シラノール基、重合性基(ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基など)などを有する低分子量化合物(又はプレポリマー、例えば、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂などの低分子量樹脂など)]、活性光線(紫外線など)により硬化可能な光硬化性化合物(光硬化性モノマー、オリゴマー、プレポリマーなどの紫外線硬化性化合物など)などが例示でき、光硬化性化合物は、EB(電子線)硬化性化合物などであってもよい。なお、光硬化性モノマー、オリゴマーや低分子量であってもよい光硬化性樹脂などの光硬化性化合物を、単に「光硬化性樹脂」という場合がある。硬化性化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
光硬化性化合物は、通常、光硬化性基、例えば、重合性基(ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基など)や感光性基(シンナモイル基など)を有しており、特に重合性基を有する光硬化性化合物(例えば、単量体、オリゴマー(又は樹脂、特に低分子量樹脂))が好ましい。
重合性基を有する光硬化性化合物のうち、単量体としては、例えば、単官能性単量体[(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル系単量体、例えば、アルキル(メタ)アクリレート(メチル(メタ)アクリレートなどのC1−6アルキル(メタ)アクリレートなど)、シクロアルキル(メタ)アクリレート、橋架環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート(イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなど)、グリシジル(メタ)アクリレート;酢酸ビニルなどのビニルエステル、ビニルピロリドンなどのビニル系単量体など]、少なくとも2つの重合性不飽和結合を有する多官能性単量体[エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレートなどの橋架環式炭化水素基を有するジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの3〜6程度の重合性不飽和結合を有する多官能性単量体]が例示できる。
硬化性化合物は、その種類に応じて、硬化剤と組み合わせて用いてもよい。例えば、光硬化性化合物は光重合開始剤と組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類又はプロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、アシルホスフィンオキシド類等を使用できる。光重合開始剤の含有量は、硬化性化合物に対して0.1〜20重量部程度とすることができる。
なお、複数のポリマーの相分離性は、それぞれ双方の成分に対する良溶媒を用いて均一溶液を調製し、溶媒を徐々に蒸発させる過程で、残存固形分が白濁するか否かを目視にて確認することにより簡便に判定できる。
これらの複数のポリマーは、相分離の進行に伴って共連続相構造を形成し、更に相分離が進行すると、連続相が自らの表面張力により非連続化し、液滴相構造(球状、真球状、円盤状や楕円体状等の独立相の海島構造)となる。
これらの相分離の制御は、用いるポリマーの種類や組み合わせ、質量比を調整することにより行うことができる。ポリマーの種類は互いに非相溶であればよく、防眩層を形成する際は、上記非相溶の2種類以上のポリマーを共通の良溶媒に溶解させた溶液を使用することが好ましい。ポリマーの質量比については、まず非相溶のポリマー2種類と、該ポリマーの共通溶媒とによる三角相図を作成し、スピノーダル分解を起こす線(スピノーダル線)を通過するような乾燥過程を経るように制御すればよい。このようなスピノーダル線は、例えば、文献(CORNELL UNIVERSITY PRESS,「Scalling Concepts in Polymer Physics」,p.94−96)に基づいて求めることができる。
<溶媒>
本実施形態の相分離は、塗布液中の溶媒を蒸発させることにより行うことができる。即ち、溶媒は互いに非相溶のポリマーを溶解するだけでなく、乾燥速度を調整する役割も有する。
使用される溶媒としては、用いるポリマー、硬化性化合物等の種類及び溶解性に応じて選択でき、混合溶媒の場合、少なくとも1種類は固形分(複数のポリマー及び硬化性化合物、反応開始剤、その他添加剤)を均一に溶解できる溶媒であればよい。そのような溶媒としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)などが例示できる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
また、塗布液を支持体に塗布する場合、支持体の種類に応じて、支持体を溶解や侵食、又は膨潤させない溶媒を選択してもよい。例えば、支持体としてトリアセチルセルロースフィルムを用いる場合、塗布液の溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、イソプロパノール、トルエン等を好ましく使用できる。
塗布液の粘度は、1〜50cP程度とすることができる。
[第2の塗布液:低屈折率層形成用塗布液]
上層として塗布される低屈折率形成用塗布液は、少なくとも1種類の樹脂材料を、少なくとも1種類の良溶媒と少なくとも1種類の貧溶媒に溶解することで調整される。
<樹脂材料>
樹脂材料としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレングリコール、PMMAなどを使用することができる。
<溶媒>
使用できる溶媒としては、用いるポリマー、硬化性化合物等の種類及び溶解性に応じて選択でき、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、アルカン類(ノナンなど)などが例示できる。
以上に挙げた溶媒から、樹脂材料が溶解しやすい良溶媒と樹脂材料を溶解しにくい貧溶媒をそれぞれ少なくとも1種類は選択し混合することで、低屈折率形成用塗布液の溶媒とすることができる。
<支持体>
支持体としては、光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。支持体の屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。また、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムの材料の例には、セルロースエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンなどが挙げられる。
<他の層>
本発明の防眩性フィルムの製造方法により製造された防眩性フィルムには、さらに、ハードコート層、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層や保護層などを設けてもよい。
(ハードコート層)
ハードコート層は、防眩性フィルムに物理強度を付与するために、支持体に設ける。ハードコート層は、光及び/又は熱の硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。
硬化性官能基としては、光重合成官能基が好ましく、又加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。これらの化合物の具体例としては、粒子表面が表面処理剤で処理されること(例えば、シランカップリング剤など:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908号公報、アニオン性化合物あるいは有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報など)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造とすること(:特開2001−166104号公報など)、特定の分散剤使用(例、特開平11−153703号公報、特許番号US6210858B1、特開2002−2776069号公報など)などが挙げられる。ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、WO0/46617号公報などの記載のものが挙げられる。
ハードコート層の膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜7μmである。ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また、JIS K5400に従うテーパー試験で、試験前後の試験片の磨耗量が少ないほど好ましい。
(前方散乱層)
前方散乱層は、液晶表示装置に適用した場合の、上下左右方向に視角を傾斜させたときの視野角改良効果を付与するために設ける。上記ハードコート層中に屈折率の異なる微粒子を分散することで、ハードコート機能と兼ねることもできる。例えば、前方散乱係数を特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子の相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107523号公報などが挙げられる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[実施例1]
(第1の塗布液:防眩層形成用塗布液)
下記組成物を82質量部のメチルエチルケトン(MEK)に溶解して第1の塗布液を調製した。
・セルロースアセテートプロピオネート(CAP) 2.1質量部
・アクリル樹脂 15.9質量部
(第2の塗布液:低屈折率層形成用塗布液)
下記組成物を溶解、混合して、第2の塗布液を調製した。
・PMMA 0.6質量部
・ノナン(PMMAの貧溶媒) 1.0質量部
・クロロホルム(PMMAの良溶媒) 98.4質量部
(防眩層及び低屈折率層の形成)
連続走行する支持体上に第1の塗布液と第2の塗布液をこの順で塗布し、支持体上に第1の塗布層と第2の塗布層を形成する。乾燥風をあてて第1の塗布層と第2の塗布層を乾燥させ、相分離を起こさせた。第1の塗布層内に相分離を起こさせ、防眩層を形成した。第2の塗布層内に空隙を形成し、低屈折率層を形成した。
(評価)
このようにして得られた防眩性フィルムを所定サイズに切り取り、防眩性及びギラツキを評価した。防眩性は、蛍光灯の反射像のボケの程度を目視観察し、以下の基準で評価した。
◎…蛍光灯の輪郭がわからない。
○…よく見ると蛍光灯の輪郭らしいものが見える。
△…蛍光灯がぼけているが、輪郭は識別できる。
×…蛍光灯がほとんどぼけない。
白化は、得られたフィルムを液晶ディスプレイに貼り付け、見栄えを評価した。
また、膜面を指で押し強度に問題が無いかを、以下の基準で評価した。
○…指で強く押しても構造が崩れない
×…指で強く押すと構造が崩れる
以上の評価から、得られた防眩性フィルムが製品として使用可能かを判別した。
◎…製品として高品質なレベル
○…製品としては問題ないレベル
×…製品として使用できないレベル
[比較例1]
ノナンを添加せず第2の塗布液を調整した以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
[比較例2]
PMMAを添加せず第2の塗布液を調整した以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例2]
第2の塗布液のPMMAとノナンとクロロホルムの重量比率を1.0:0.6:98.4としたこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例3]
第2の塗布液のPMMAとノナンとクロロホルムの重量比率を1.0:0.5:98.4としたこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例4]
第1の塗布液のセルロースアセテートプロピオネートとアクリル樹脂とMEKの重量比率を2.3:15.7:82としたこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例5]
第1の塗布液のセルロースアセテートプロピオネートとアクリル樹脂とMEKの重量比率を3.5:14.5:82としたこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例6]
第1の塗布液のセルロースアセテートプロピオネートとアクリル樹脂とMEKの重量比率を4:14:82としたこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例7]
第2の塗布液のPMMAとノナンとクロロホルムの重量比率を0.6:1.0:94としたこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例8]
第2の塗布液のPMMAとノナンとクロロホルムの重量比率を0.6:1.0:88としたこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例9]
第2の塗布液のPMMAとノナンとクロロホルムの重量比率を0.6:1.0:84としたこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例10]
第1の塗布液のセルロースアセテートプロピオネートとアクリル樹脂とMEKの重量比率を2.1:15.9:80としたこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例11]
第1の塗布液のセルロースアセテートプロピオネートとアクリル樹脂とMEKの重量比率を2.1:15.9:78としたこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例12]
第1の塗布液のセルロースアセテートプロピオネートとアクリル樹脂とMEKの重量比率を2.1:15.9:76としたこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例13]
第1の塗布液を以下のように調製したこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
(第1の塗布液:防眩層形成用塗布液)
下記組成物を82質量部のメチルエチルケトンに溶解して塗布液を調製した。
・セルロースアセテートプロピオネート 1.5質量部
・ポリスチレン 16.5質量部
[比較例3]
ノナンを添加せず第2の塗布液を調整した以外は実施例13と同様に防眩性フィルムを作製した。
[比較例4]
PMMAを添加せず第2の塗布液を調整した以外は実施例13と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例14]
第2の塗布液のPMMAとノナンとクロロホルムの重量比率を1.0:0.6:98.4としたこと以外は実施例13と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例15]
第2の塗布液のPMMAとノナンとクロロホルムの重量比率を1.0:0.5:98.4としたこと以外は実施例13と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例16]
第1の塗布液のセルロースアセテートプロピオネートとポリスチレンとMEKの重量比率を1.8:16.2:82としたこと以外は実施例13と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例17]
第1の塗布液のセルロースアセテートプロピオネートとポリスチレンとMEKの重量比率を2.0:16.0:82としたこと以外は実施例13と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例18]
第1の塗布液のセルロースアセテートプロピオネートとポリスチレンとMEKの重量比率を2.2:15.8:82としたこと以外は実施例13と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例19]
第2の塗布液のPMMAとノナンとクロロホルムの重量比率を0.6:1.0:94としたこと以外は実施例13と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例20]
第2の塗布液のPMMAとノナンとクロロホルムの重量比率を0.6:1.0:88としたこと以外は実施例13と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例21]
第2の塗布液のPMMAとノナンとクロロホルムの重量比率を0.6:1.0:84としたこと以外は実施例13と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例22]
第1の塗布液のセルロースアセテートプロピオネートとポリスチレンとMEKの重量比率を1.5:16.5:80としたこと以外は実施例13と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例23]
第1の塗布液のセルロースアセテートプロピオネートとポリスチレンとMEKの重量比率を1.5:16.5:78としたこと以外は実施例13と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例24]
第1の塗布液のセルロースアセテートプロピオネートとポリスチレンとMEKの重量比率を1.5:16.5:76としたこと以外は実施例13と同様に防眩性フィルムを作製した。
[実施例25]
第2の塗布液を以下のように調製したこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
(第2の塗布液:低屈折率層形成用塗布液)
下記組成物を溶解、混合して、第2の塗布液を調製した。
・PMMA 0.6質量部
・ノナン(PMMAの貧溶媒) 1.0質量部
・1−4ジオキサン(PMMAの良溶媒) 98.4質量部
[実施例26]
第2の塗布液を以下のように調製したこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
(第2の塗布液:低屈折率層形成用塗布液)
下記組成物を溶解、混合して、第2の塗布液を調製した。
・PMMA 0.6質量部
・ノナン(PMMAの貧溶媒) 1.0質量部
・MEK(PMMAの良溶媒) 98.4質量部
[実施例27]
第2の塗布液を以下のように調製したこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
(第2の塗布液:低屈折率層形成用塗布液)
下記組成物を溶解、混合して、第2の塗布液を調製した。
・PMMA 0.6質量部
・ノナン(PMMAの貧溶媒) 1.0質量部
・THF:テトラヒドロフラン(PMMAの良溶媒) 98.4質量部
[実施例28]
第2の塗布液を以下のように調製したこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
(第2の塗布液:低屈折率層形成用塗布液)
下記組成物を溶解、混合して、第2の塗布液を調製した。
・PMMA 0.6質量部
・ノナン(PMMAの貧溶媒) 1.0質量部
・トルエン(PMMAの良溶媒) 98.4質量部
[実施例29]
第2の塗布液を以下のように調製したこと以外は実施例1と同様に防眩性フィルムを作製した。
(第2の塗布液:低屈折率層形成用塗布液)
・PMMA 0.6質量部
・ノナン(PMMAの貧溶媒) 1.0質量部
・クロロベンゼン(PMMAの良溶媒) 98.4質量部
<評価結果>
図3及び図4の表図は、実施例と比較例の製造条件と評価結果をまとめたものである。表図にしたがえば、樹脂材料、良溶媒、及び貧溶媒の全てを含む実施例1−29は評価において△以上の評価結果を得た。実施例1−29の最初に相分離を開始する層について、第2の塗布層、同時、第1の塗布層の順で良い結果が得られた。最初に相分離を開始する層が第2の塗布層である実施例について、第1の塗布層の相分離開始が第2の塗布層のスピノーダル分解開始後である方が良好な結果が得られた。第2の塗布層の成分が第1の塗布層中に取り込まれないからと考えられる。表図から、第1の塗布層の相分離の開始、及び第2の塗布層の相分離の開始は、第1の塗布液及び第1の塗布液の溶媒と溶質の比率を調整することにより、制御される。
相分離を利用して低屈折率層を形成することで塗布から1分以内に膜を形成でき、かつ第1の塗布層と第2の塗布層を同時に塗布することで1回の塗布乾燥工程で膜を製造でき、従来の方法に比べて大幅に生産性が向上した。
10…支持体、12…第1の塗布層、12A、12B…樹脂材料、14…第2の塗布層、14A…良溶媒、14B…貧溶媒、20…防眩層、22…低屈折率層、22A…樹脂材料22B…空隙

Claims (7)

  1. 互いに非相溶である少なくとも2種類の樹脂材料を1種類の溶媒に溶解させた第1の塗布液と、少なくとも1種類の樹脂材料と前記1種類の樹脂材料用の良溶媒と前記1種類の樹脂材料用の貧溶媒とを溶媒として含む第2の塗布液とを調製する工程と、
    連続走行する支持体上に前記第1の塗布液と前記第2の塗布液をこの順で塗布する工程と、
    前記塗布工程で形成された第1の塗布層と第2の塗布層とを乾燥により相分離させ、前記第1の塗布層を前記2種類の樹脂材料を相分離させた防眩層とし、前記第2の塗布層を、空隙を有し前記防眩層より屈折率の低い低屈折率層とする工程を含む防眩性フィルムの製造方法。
  2. 請求項1記載の防眩性フィルムの製造方法において、前記第2の塗布液に含まれる前記良溶媒は沸点が110℃未満である防眩性フィルムの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の防眩性フィルムの製造方法において、前記第1の塗布液と前記第2の塗布液の溶質と溶媒の比率を調整し、前記第1の塗布層の相分離を前記第2の塗布層の相分離後に開始させる防眩性フィルムの製造方法。
  4. 請求項3記載の防眩性フィルムの製造方法において、前記第1の塗布層の相分離を前記第2の塗布層のスピノーダル分解開始後に開始させる防眩性フィルムの製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか記載の防眩性フィルムの製造方法において、前記空隙は1000nm以下の大きさを有する防眩性フィルムの製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか記載の防眩性フィルムの製造方法において、前記第1の塗布液に含まれる前記樹脂材料が熱可塑性樹脂である防眩性フィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れか記載の防眩性フィルムの製造方法において、前記第1の塗布液は1〜50cPの粘度を有する防眩性フィルムの製造方法。
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