JPWO2018062027A1 - 防眩部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

効率的に製造することができる防眩部材の製造方法を提供する。
基板2と、基板2の上に設けられ、無機材料により構成された凹凸構造を有するアンチグレア層3と、アンチグレア層3の上に設けられ、中空シリカ粒子を含む反射防止層4とを有する防眩部材1を製造する方法であって、アンチグレア層3を形成するための第1のコーティング剤を基板2の上に塗布し、第1の塗膜を形成する工程と、第1の塗膜の上に、反射防止層4を形成するための第2のコーティング剤を塗布し、第2の塗膜を形成する工程と、第1の塗膜及び第2の塗膜を同時に加熱してアンチグレア層3及び反射防止層4を形成する工程とを備えることを特徴としている。

Description

本発明は、防眩部材の製造方法に関する。
各種機器(テレビ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、ナビゲーションシステム等)に備えられた画像表示装置(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等)においては、室内照明(蛍光灯等)、太陽光等の外光により反射像が表示面に映り込むことによって視認性が低下する。また、各種機器の操作の度に、画像表示装置の表面に指が触れるため、画像表示装置の表面に汚れが付着する。
外光による映り込みを抑える処理としては、アンチグレア処理または反射防止処理が知られている。
特許文献1〜3には、表示面に凹凸を形成し、外光を拡散反射させることで、反射像を不鮮明にするアンチグレア処理が開示されている。
特許文献4には、表示面に中空シリカ粒子層を形成し、外光の反射自体を抑える反射防止処理が開示されている。
画像表示装置の表面に汚れが付着することを抑制する処理としては、特許文献5に示すように、表示面にフッ素化合物を含む防汚層を形成する防汚処理が知られている。
そして、外光の映り込みを抑え、画像表示装置の表面に汚れが付着することを抑制するために、特許文献6に示すように、アンチグレア処理、反射防止処理、及び防汚処理を行った防眩部材が知られている。
特開2001−281405号公報 特開2001−305314号公報 特開2007−047722号公報 特開2001−233611号公報 国際公開第2014/199991号 国際公開第2014/034720号
一般に、アンチグレア処理、反射防止処理、及び防汚処理は別々に行われる。つまり、アンチグレア処理が完了した後に反射防止処理を行い、最後に防汚処理が行われる。そして、各処理工程は、加熱処理を含む。そのため、防眩部材が製造されるまでに、少なくとも3度の加熱処理が必要となる。よって、防眩部材の製造に多くの時間を要する。
本発明の目的は、効率的に製造することができる防眩部材の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の局面の防眩部材の製造方法は、基板と、基板の上に設けられ、無機材料により構成された凹凸構造を有するアンチグレア層と、アンチグレア層の上に設けられ、中空シリカ粒子を含む反射防止層とを有する防眩部材を製造する方法であって、アンチグレア層を形成するための第1のコーティング剤を基板の上に塗布し、第1の塗膜を形成する工程と、第1の塗膜の上に、反射防止層を形成するための第2のコーティング剤を塗布し、第2の塗膜を形成する工程と、第1の塗膜及び第2の塗膜を同時に加熱してアンチグレア層及び反射防止層を形成する工程とを備えることを特徴としている。
本発明の第1の局面の防眩部材の製造方法は、反射防止層の上に設けられる防汚層をさらに有する防眩部材を製造する方法であってもよい。この場合、第2の塗膜の上に、防汚層を形成するための第3のコーティング剤を塗布し、第3の塗膜を形成する工程をさらに備え、第1の塗膜及び第2の塗膜を同時に加熱する工程において、さらに第3の塗膜も同時に加熱してアンチグレア層、反射防止層及び防汚層を形成することが好ましい。
本発明の第2の局面の防眩部材の製造方法は、防眩基板と、防眩基板の上に設けられ、中空シリカ粒子を含む反射防止層と、反射防止層の上に設けられる防汚層とを有する防眩部材を製造する方法であって、防眩基板の上に、反射防止層を形成するための第2のコーティング剤を塗布し、第2の塗膜を形成する工程と、第2の塗膜の上に、防汚層を形成するための第3のコーティング剤を塗布し、第3の塗膜を形成する工程と、第2の塗膜及び第3の塗膜を同時に加熱して反射防止層及び防汚層を形成する工程とを備えることを特徴としている。
本発明の第3の局面の防眩部材の製造方法は、基板と、基板の上に設けられ、無機材料により構成された凹凸構造を有するアンチグレア層と、アンチグレア層の上に設けられる防汚層とを有する防眩部材を製造する方法であって、アンチグレア層を形成するための第1のコーティング剤を基板の上に塗布し、第1の塗膜を形成する工程と、第1の塗膜の上に、防汚層を形成するための第3のコーティング剤を塗布し、第3の塗膜を形成する工程と、第1の塗膜及び第3の塗膜を同時に加熱してアンチグレア層及び防汚層を形成する工程とを備えることを特徴としている。
本発明によれば、防眩部材を効率的に製造することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態の防眩部材を示す模式的断面図である。 図2は、図1に示す第1の実施形態の防眩部材を製造する方法の一例を説明するための模式的断面図である。 図3は、図1に示す第1の実施形態の防眩部材を製造する方法の他の例を説明するための模式的断面図である。 図4は、図1に示す第1の実施形態の防眩部材を製造する方法の他の例を説明するための模式的断面図である。 図5は、本発明の第2の実施形態の防眩部材を製造する方法の一例を説明するための模式的断面図である。 図6は、本発明の第2の実施形態の防眩部材を製造する方法の他の例を説明するための模式的断面図である。 図7は、図6に示す製造方法で得られる第2の実施形態の防眩部材を示す模式的断面図である。 図8は、本発明の第3の実施形態の防眩部材を示す模式的断面図である。 図9は、図8に示す第3の実施形態の防眩部材を製造する方法の一例を説明するための模式的断面図である。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の防眩部材を示す模式的断面図である。図1に示すように、本実施形態の防眩部材1は、基板2と、基板2の上に設けられるアンチグレア層3と、アンチグレア層3の上に設けられる反射防止層4と、反射防止層4の上に設けられる防汚層5とを有する。アンチグレア層3は、無機材料により構成された凹凸構造を有する。反射防止層4は、中空シリカ粒子を含む。そのため、反射防止層4は、反射防止機能を有する。基板2は、互いに対向する第1の主面2a及び第2の主面2bを有しており、アンチグレア層3は第1の主面2aの上に設けられている。
基板2の材料としては、ガラス、樹脂等の透明材料が挙げられ、後述する加熱工程時の耐熱性の点から、ガラスが好ましい。ガラスとしては、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。強化処理によって大きな応力が入りやすく、画像表示装置の視認側に配置される物品として好適である点から、アルミノシリケートガラスが好ましい。また、基板2は、風冷強化、化学強化等の強化処理がなされていることが好ましい。基材2は、アルミノシリケートガラスを化学強化することにより得られる化学強化アルミノシリケートガラスが特に好ましい。
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリメタクリル酸メチル等が挙げられる。
基板2の形状としては、板状、フィルム状等が挙げられる。近年、各種機器(テレビ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、カーナビゲーション等)において、画像表示装置の表示面が曲面とされたものが知られている。そのため、基板2は、画像表示装置の形状に合わせた湾曲形状であってもよい。
また、基板2は、基板本体の表面に機能層を有するものであってもよい。機能層としては、アンダーコート層、密着改善層、保護層、着色層等が挙げられる。
図2は、図1に示す第1の実施形態の防眩部材を製造する方法の一例を説明するための模式的断面図である。図2を参照して説明する製造方法は、本発明の第1の局面に従う製造方法であり、第1の塗膜を形成する工程と、第2の塗膜を形成する工程と、第3の塗膜を形成する工程とを備えている。以下、各工程について説明する。
<第1の塗膜の形成工程>
第1の塗膜は、アンチグレア層3を形成するための第1のコーティング剤を塗布することにより形成する。第1のコーティング剤は、例えば、マトリックス前駆体、及びマトリックス前駆体を溶解する第1の液状媒体を含んでいる。
(マトリックス前駆体)
マトリックス前駆体としては、シリカ前駆体、アルミナ前駆体、ジルコニア前駆体、チタニア前駆体等の無機前駆体が挙げられる。反応性を制御しやすい点から、シリカ前駆体が好ましい。
シリカ前駆体としては、ケイ素原子に結合した炭化水素基および加水分解性基を有するシラン化合物、シラン化合物の加水分解縮合物、シラザン化合物等が挙げられる。膜厚が厚くても防眩膜のクラックが充分に抑えられる点から、シラン化合物、およびその加水分解縮合物のいずれか一方または両方を少なくとも含むことが好ましい。
シラン化合物は、ケイ素原子に結合した炭化水素基および加水分解性基を有する。炭化水素基は、炭素原子間に−O−、−S−、−CO−および−NR’−(R’は水素原子または1価の炭化水素基である。)から選ばれる1つまたは2つ以上を組み合わせた基を有していてもよい。
炭化水素基は、1つのケイ素原子に結合した1価の炭化水素基であってもよく、2つのケイ素原子に結合した2価の炭化水素基であってもよい。1価の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられる。2価の炭化水素基としては、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基等が挙げられる。
加水分解性基としては、アルコキシ基、アシロキシ基、ケトオキシム基、アルケニルオキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、イソシアネート基、ハロゲン原子等が挙げられ、シラン化合物の安定性と加水分解のしやすさとのバランスの点から、アルコキシ基、イソシアネート基およびハロゲン原子(特に塩素原子)が好ましい。アルコキシ基としては、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基またはエトキシ基がより好ましい。
シラン化合物としては、アルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等)、アルキル基を有するアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等)、ビニル基を有するアルコキシシラン(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等)、エポキシ基を有するアルコキシシラン(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等)、アクリロイルオキシ基を有するアルコキシシラン(3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等)等が挙げられる。
防眩膜の各特性の点から、アルコキシシランおよびアルコキシシランの加水分解縮合物のいずれか一方または両方が好ましく、アルコキシシランの加水分解縮合物がより好ましい。
シラザン化合物は、その構造内にケイ素と窒素の結合(−SiN−)をもった化合物である。
シラザン化合物としては、低分子化合物でも高分子化合物(所定の繰り返し単位を有するポリマー)であってもよい。低分子系のシラザン化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジメチルアミノトリメチルシラン、トリシラザン、シクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメテルシクロトリシラザンなどが挙げられる。
アルミナ前駆体としては、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシドの加水分解縮合物、水溶性アルミニウム塩、アルミニウムキレート等が挙げられる。ジルコニア前駆体としては、ジルコニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドの加水分解縮合物等が挙げられる。チタニア前駆体としては、チタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解縮合物等が挙げられる。
(第1の液状媒体)
第1の液状媒体は、マトリックス前駆体を溶解する溶媒である。第1の液状媒体としては、たとえば、水、アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、エステル類、グリコールエーテル類、含窒素化合物、含硫黄化合物等が挙げられる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
エーテル類としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
セロソルブ類としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等が挙げられる。
エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられる。
グリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。
含窒素化合物としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
含硫黄化合物としては、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
第1の液状媒体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
マトリックス前駆体におけるシラン化合物等の加水分解に水が必要となるため、シラン化合物の加水分解後に液状媒体の置換を行わない限り、第1の液状媒体には少なくとも水が含まれる。第1の液状媒体は、水と他の液体との混合液であってもよい。他の液体としては、たとえば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、エステル類、グリコールエーテル類、含窒素化合物、含硫黄化合物等が挙げられる。他の液体のうち、マトリックス前駆体の溶媒としては、アルコール類が好ましく、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールが特に好ましい。
第1の液状媒体は、マトリックス前駆体の加水分解および縮合を促進する酸触媒を含んでもよい。酸触媒は、マトリックス前駆体の加水分解および縮合を促進し、塗膜を短時間で形成させる成分である。酸触媒は、マトリックス前駆体の溶液の調製の際に、原料(アルコキシシラン等)の加水分解、縮合のために添加されたものであってもよく、必須成分からなる塗布液を調製した後にさらに添加されたものであってもよい。酸触媒としては、無機酸(硝酸、硫酸、塩酸等)、有機酸(ギ酸、シュウ酸、酢酸、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢酸等)が挙げられる。
(第1のコーティング剤の塗布方法)
第1のコーティング剤の塗布方法としては、公知のウェットコート法(スプレーコート法、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スクリーンコート法、インクジェット法、フローコート法、グラビアコート法、バーコート法、フレキソコート法、スリットコート法、ロールコート法等)等が挙げられる。塗布方法としては、凹凸を形成しやすい点から、スプレーコート法が好ましい。
スプレーコート法に用いるノズルとしては、2流体ノズル、1流体ノズル等が挙げられる。
ノズルから吐出される第1のコーティング剤の液滴の粒径は、通常0.1〜100μmであり、1〜50μmが好ましい。液滴の粒径が1μm以上であれば、防眩効果が充分に発揮される凹凸を短時間で形成できる。液滴の粒径が100μm以下であれば、防眩効果が充分に発揮される適度な凹凸を形成しやすい。
第1のコーティング剤の液滴の粒径は、ノズルの種類、スプレー圧力、液量等により適宜調整できる。たとえば、2流体ノズルでは、スプレー圧力が高くなるほど液滴は小さくなり、また、液量が多くなるほど液滴は大きくなる。
液滴の粒径は、レーザ測定器によって測定されるザウター平均粒子径である。
アンチグレア層3の表面粗さは、一定の塗布条件下では、塗布時間、すなわちスプレー法によるコート面数(重ね塗り回数)によって調整できる。コート面数が多くなるほど、アンチグレア層3の表面粗さは大きくなり、その結果、光沢度は下がり反射像が不鮮明となり(防眩効果が高くなり)、ヘイズは大きくなる(解像度は低下する)。
<第2の塗膜の形成工程>
第2の塗膜は、反射防止層4を形成するための第2のコーティング剤を塗布することにより形成する。第2のコーティング剤は、例えば、中空シリカ粒子、及び中空シリカ粒子を分散させる第2の液状媒体を含んでいる。
(中空シリカ粒子)
中空シリカ粒子は、シリカからなる外殻の内部に空隙を有する粒子である。中空シリカ粒子としては、球状中空シリカ粒子、繊維状中空シリカ粒子、チューブ状中空シリカ粒子、シート状中空シリカ粒子等が挙げられる。繊維状中空シリカ粒子は、伸長方向の長さが、伸長方向に垂直な方向の長さに比べて大きい中空シリカ粒子である。繊維状中空シリカ粒子は、一次粒子であってもよく、複数の中空粒子が凝集した二次粒子であってもよい。
中空シリカ粒子は、他の金属を含んでいてもよい。他の金属としては、Al、Cu、Ce、Sn、Ti、Cr、Co、Fe、Mn、Ni、Zn等が挙げられる。他の金属は、Siとともに複合酸化物を形成していてもよい。
中空シリカ粒子の平均凝集粒子径は、5〜300nmが好ましく、10〜100nmがより好ましい。
中空シリカ粒子の平均凝集粒子径は、分散媒中における中空シリカ粒子の平均凝集粒子径であり、動的光散乱法で測定される。
球状中空シリカ粒子は、たとえば、コア−シェル粒子のコアを除去することによって製造される。
具体的には、下記の工程を経て製造される。
(a)分散媒中にて、コア微粒子の存在下にシリカ前駆体を加水分解して、コア微粒子表面にSiOを析出させ、コア−シェル粒子の分散液を得る工程。
(b)コア−シェル粒子のコア微粒子を溶解または分解し、球状中空シリカ粒子の分散液を得る工程。
工程(a):
コア微粒子としては、熱分解性有機微粒子(界面活性剤ミセル、水溶性有機ポリマー、スチレン樹脂、アクリル樹脂等)、酸溶解性無機微粒子(ZnO、NaAlO、CaCO、塩基性ZnCO等)、光溶解性無機微粒子(ZnS、CdS、ZnO等)などが挙げられる。
シリカ前駆体としては、マトリックス前駆体において説明したシリカ前駆体が挙げられる。
分散媒としては、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール等。)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸メチル等)、グリコールエーテル類(エチレングリコールモノアルキルエーテル等)、含窒素化合物類(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等)、含硫黄化合物類(ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。
分散媒は、シリカ前駆体の加水分解に水が必要であるため、分散媒100質量%中、5〜100質量%の水を含む。
分散媒のpHは、シリカ前駆体が三次元的に重合してシェルを形成しやすい点から、7以上が好ましく、8以上が好ましく、9〜10が特に好ましい。コア微粒子として酸溶解性無機微粒子を用いる場合は、該微粒子が溶解しないpH、すなわち8以上が好ましい。
工程(b):
コア微粒子が酸溶解性無機微粒子の場合、酸を添加することによってコア微粒子を溶解させ、除去することができる。酸としては、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸等)、有機酸(ギ酸、酢酸等)、酸性カチオン交換樹脂等が挙げられる。
コア微粒子が熱分解性有機微粒子の場合、加熱することによってコア微粒子を熱分解させ、除去することができる。
コア微粒子が光溶解性無機微粒子の場合、光を照射することによってコア微粒子を溶解させ、除去することができる。
(第2の液状媒体)
第2の液状媒体は、中空シリカ粒子を分散させる液体である。第2の液状媒体は、中空シリカ粒子を分散させて塗布することができるものであれば特に限定されない。例えば、上記の球状中空シリカ粒子製造工程において使用した分散媒をそのまま第2の液状媒体として使用してもよい。
なお、第2のコーティング剤には、バインダー成分が含まれていてもよい。このようなバインダー成分としては、第1のコーティング剤におけるマトリックス前駆体などが挙げられる。
(第2のコーティング剤の塗布方法)
第2のコーティング剤の塗布方法としては、第1のコーティング剤の塗布方法と同様の方法が挙げられる。塗布方法としては、均一に塗布しやすい点から、スプレーコート法が好ましい。
<第3の塗膜の形成工程>
第3の塗膜は、防汚層5を形成するための第3のコーティング剤を塗布することにより形成する。第3のコーティング剤は、例えば、防汚剤、及び防汚剤を溶解または分散させる第3の液状媒体を含んでいる。
(防汚剤)
防汚剤としては、フッ素含有化合物、光触媒化合物などの一般的な防汚剤を用いることができる。
(フッ素含有化合物)
フッ素含有化合物としては、アルコキシ基等を含むフッ素含有有機ケイ素化合物が挙げられる。
例えば、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OCH、CF(CF10Si(OCH、CF(CF12Si(OCH、CF(CF14Si(OCH、CF(CF16Si(OCH、CF(CF18Si(OCH、CF(CFSi(OC、CF(CFSi(OC、CF(CFSiCl、CF(CFSiCl、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OC、CF(CFSi(OC、CF(CFSiCl、CF(CFSiCl、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OC、CF(CFSi(OC、CF(CFSi(CH)(OCH、CF(CFSi(CH)(OCH、CF(CFSi(CH)Cl、CF(CFSi(CH)Cl、CF(CFSi(C)(OC、およびCF(CFSi(C)(OCなどが挙げられる。
フッ素含有有機ケイ素化合物としては、アミノ基を含有する化合物も好適である。
例えば、C19CONH(CHSi(OC、C19CONH(CHSiCl、C19CONH(CHSi(CH)Cl、C19CONH(CH)NH(CH)Si(OC、C19CONH(CHCONH(CH)Si(OC、C17SONH(CHCONH(CH)Si(OC、CO(CF(CF)CFO)−CF(CF)−CONH(CH)Si(OC、およびCO(CF(CF)CFO)m’−CF(CF)−CONH(CH)Si(OCH[ここで、m’は1以上の整数]などが挙げられる。
前記したフッ素含有有機ケイ素化合物の具体例としては、GE東芝シリコーン株式会社製TSL8233、TSL8257、ダイキン工業株式会社製オプツールDSX、信越化学工業株式会社製KY−130、KP−801などが挙げられる。
(光触媒化合物)
光触媒化合物は、汚れを付着しにくく、かつ自己洗浄作用を有する。
光触媒としては、特に限定されないが、例えば、以下の第1の成分を含む触媒を用いることができる。
(第1の成分)
第1の成分は、光照射により防汚層が親水化され、有機物を分解する性質を有している。
第1の成分としては、例えば、波長350〜500nmの光で作用する触媒を用いることができる。第1の成分の具体例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、又は酸化タングステンなどが挙げられる。酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、又はブルッカイト型酸化チタンなどが挙げられる。酸化タングステンとしては、結晶性酸化タングステンを用いてもよく、非晶質酸化タングステンを用いてもよい。これらの第1の成分として例示される成分は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
第1の成分としては、好ましくはアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、又はブルッカイト型酸化チタンを用いることができる。これらの酸化チタンは無毒であり、化学的安定性にもより一層優れている。
(第2の成分)
第1の成分以外にも、第2の成分を含んでもよい。第2の成分は、防汚層に親水性を与える。第1の成分の光触媒作用を発揮させるための光が十分に得られないとき、親水性を補助する機能を有する。また、第2の成分を用いることにより、第1の塗膜または第2の塗膜との密着性や、強度、耐久性、耐候性をより一層高めることができる。
第2の成分としては、例えば、シリカ、アルカリシリケート、又は無定形酸化チタンなどが挙げられる。アルカリシリケートとしては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムなどが挙げられる。これらの第2の成分として例示される成分は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
(第3の成分)
第1の成分以外にも、第3の成分を含んでもよい。第3の成分は、第1の成分よりも親水性が低く、第1の成分によって分解されない金属化合物である。なお、第3の成分は、含まれていなくともよい。もっとも、第3の成分が含まれる場合、自己洗浄作用をより一層高めることができる。
第3の成分としては、例えば、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Zr、Y、In、及びHfからなる群から選択された少なくとも1種の金属の酸化物、無機塩、又は有機塩などの化合物を用いることができる。これらの化合物は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
上記酸化物としては、例えば、Cr、MnO、Fe、CoO、NiO、CuO、Ga、ZrO、Y、In、又はHfOなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
上記無機塩としては、上記の金属のオキシ塩化物、ヒドロキシ塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、炭酸アンモニウム塩、炭酸ナトリウム塩、炭酸カリウム塩、又はリン酸ナトリウム塩などが挙げられる。
上記有機塩としては、上記金属のシュウ酸塩、プロピオン酸塩、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の加水分解物、又はキレート化合物などが挙げられる。金属アルコキシド類としては、炭素数1〜8程度のアルコキシル基が金属原子に結合した化合物が挙げられる。例えば、上記金属がZrの場合、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、又はジルコニウムテトラt−ブトキシド等が挙げられる。また、キレート化合物としては、例えば、β−ケトンエステル錯体、β−ジケトン錯体、エタノールアミン類錯体、又はジアルキレングリコール錯体等が挙げられる。
(第3の液状媒体)
防汚剤としてフッ素含有化合物を含む場合、第3の液状媒体としては、有機溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、フッ素含有有機ケイ素化合物の溶解性に優れるパーフルオロ基を有し、炭素数が4以上の有機化合物が好ましく、例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロオクタン、パーフルオロデカン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−4−メトキシブタン、パーフルオロ−4−エトキシブタン、メタキシレンヘキサフロライドを挙げることができる。また、パーフルオロエーテル油、クロロトリフルオロエチレンオリゴマー油を使用することができる。その他に、フロン225が挙げられる。これらの有機溶剤の1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
防汚剤として光触媒化合物を含む場合、第3の液状媒体としては、上記の光触媒化合物を溶解または分散させることのできる溶媒を用いることができる。
このような溶媒としては、例えば、水、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、又はニトロベンゼンが挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
(第3のコーティング剤の塗布方法)
第3のコーティング剤の塗布方法としては、第1のコーティング剤の塗布方法と同様の方法が挙げられる。塗布方法としては、均一に塗布しやすい点から、スプレーコート法が好ましい。
図2に示すように、基板2の第1の主面2aの上に、第1のコーティング剤を塗布することにより、第1の塗膜11を形成する。次に、第1の塗膜11の上に、第2のコーティング剤を塗布することにより、第2の塗膜12を形成する。次に、第2の塗膜12の上に、第3のコーティング剤を塗布することにより、第3の塗膜13を形成する。
次に、第1の塗膜11、第2の塗膜12及び第3の塗膜13を同時に加熱して、図1に示すアンチグレア層3、反射防止層4及び防汚層5を形成する。
加熱温度は、80〜250℃の範囲内であることが好ましく、100〜230℃の範囲内であることがより好ましい。この範囲内で加熱することにより、第1の塗膜11、第の塗膜12、及び第3の塗膜13に内に残存する加水分解性基の重縮合を促進させることができ、膜を緻密化させることができる。
本実施形態の上記製造方法によれば、第1の塗膜11、第2の塗膜12及び第3の塗膜13を同時に加熱して、アンチグレア層3、反射防止層4及び防汚層5を形成することができるので、防眩部材1を効率的に製造することができる。
図3及び図4は、図1に示す第1の実施形態の防眩部材を製造する方法の他の例を説明するための模式的断面図である。この製造方法では、図3に示すように、基板2の第1の主面2aの上に、第1の塗膜11及び第2の塗膜12を形成した後、第1の塗膜11及び第2の塗膜12を同時に加熱し、図4に示すように、基板2の第1の主面2aの上にアンチグレア層3及び反射防止層4を形成している。加熱温度は、上記と同様に、80〜250℃の範囲内であることが好ましく、100〜230℃の範囲内であることがより好ましい。次に、反射防止層4の上に、第3のコーティング剤を塗布することにより第3の塗膜13を形成し、第3の塗膜13を加熱することにより防汚層5を形成する。
なお、第3のコーティング剤として上述の光触媒化合物を用いる場合は、第3の塗膜13を、300℃以下の温度で加熱することにより防汚層5を形成することが望ましい。この場合、防汚層5の自己洗浄作用をより一層高めることができる。
以上のようにして、図1に示す防眩部材1を製造することができる。上記製造方法によっても、第1の塗膜11及び第2の塗膜12を同時に加熱して、アンチグレア層3及び反射防止層4を形成することができるので、防眩部材1を効率的に製造することができる。
なお、防汚層5を有しない防眩部材を製造する場合には、図3及び図4に示す製造方法で製造することができる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態の防眩部材を製造する方法の一例を説明するための模式的断面図である。図5に示す実施形態では、基板として、防眩基板20を用いている。防眩基板20は、互いに対向する第1の主面20a及び第2の主面20bを有している。防眩基板20の第1の主面20aには、凹凸構造が形成されることにより、アンチグレア機能が付与されている。凹凸構造は、例えば、エッチング処理等により物理的に形成することができる。また、他の方法でアンチグレア処理を施すことにより、凹凸構造を形成してもよい。
図5に示すように、防眩基板20の第1の主面20aの上に、第2のコーティング剤を塗布して第2の塗膜12を形成し、第2の塗膜12の上に第3のコーティング剤を塗布して第3の塗膜13を形成する。第2のコーティング剤及び第3のコーティング剤は、第1の実施形態と同様のものを用いることができる。次に、第2の塗膜12及び第3の塗膜13を同時に加熱し、反射防止層及び防汚層を形成する。このときの加熱温度は、80〜250℃の範囲内であることが好ましく、100〜230℃の範囲内であることがより好ましい。加熱方法として、70〜95℃で予備加熱した後、100〜230℃の範囲内の所定温度まで20〜60分かけて昇温し、所定温度を20〜60分保持し、30〜90分かけて70℃以下まで降温することが好ましい。これにより、剥離しにくい反射防止層及び防汚層を形成することができる。
図6は、本発明の第2の実施形態の防眩部材を製造する方法の他の例を説明するための模式的断面図である。図6に示す実施形態では、アンチグレア層3が形成された基板2を、防眩基板20として用いている。アンチグレア層3は、第1の実施形態と同様の第1のコーティング剤を塗布して第1の塗膜を形成し、第1の塗膜を第1の実施形態と同様の温度で加熱することにより形成することができる。
図6に示すように、防眩基板20の上に、第2のコーティング剤を塗布して第2の塗膜12を形成し、第2の塗膜12の上に第3のコーティング剤を塗布して第3の塗膜13を形成する。次に、第2の塗膜12及び第3の塗膜13を同時に加熱し、図7に示すように、反射防止層4及び防汚層5を形成する。
本実施形態の製造方法においては、第2の塗膜12及び第3の塗膜13を同時に加熱して、反射防止層4及び防汚層5を形成することができるので、防眩部材21を効率的に製造することができる。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態の防眩部材を示す模式的断面図である。図8に示すように、本実施形態の防眩部材31は、基板2の第1の主面2aの上に、アンチグレア層3が設けられており、アンチグレア層3の上に防汚層5が設けられている。
図9は、図8に示す第3の実施形態の防眩部材を製造する方法の一例を説明するための模式的断面図である。図9に示すように、基板2の上に、第1のコーティング剤を塗布して第1の塗膜11を形成し、第1の塗膜11の上に第3のコーティング剤を塗布して第3の塗膜13を形成する。第1のコーティング剤及び第3のコーティング剤は、第1の実施形態と同様のものを用いることができる。次に、第1の塗膜11及び第3の塗膜13を同時に加熱し、図8に示すように、アンチグレア層3及び防汚層5を形成する。このときの加熱温度は、第1の実施形態と同様の温度で加熱することができる。
本実施形態の製造方法においては、第1の塗膜11及び第3の塗膜13を同時に加熱して、アンチグレア層3及び防汚層5を形成することができるので、防眩部材31を効率的に製造することができる。
本実施形態の製造方法によれば、第1の塗膜11及び第3の塗膜13を同時に加熱しているので、第1の塗膜11及び第3の塗膜13に水酸基を有する化合物がそれぞれ含有されている場合、塗膜の界面においてそれぞれの塗膜の水酸基が互いに縮合されるため、アンチグレア層3と防汚層5の結合強度を高めることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<実施例1>
(第1のコーティング剤)
マトリックス前駆体としてオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)からなるシリカ前駆体を用い、第1の液状媒体として、硝酸水溶液、エタノール、イソプロパノールおよびメチルエチルケトンからなる混合物を用いた。そして、マトリックス前駆体と第1の液状媒体を均一になるまで撹拌することで、第1のコーティング剤を得た。
(第2のコーティング剤)
第2の液状媒体として、エタノール、イソプロパノールおよびメチルエチルケトンからなる混合アルコールを用いた。中空シリカ粒子と第2の液状媒体とを均一となるまで撹拌することで、第2のコーティング剤を得た。
(第3のコーティング剤)
第3のコーティング剤として、フッ素含有有機ケイ素化合物溶液(ダイキン工業社製 UF503:0.1質量%、3M社製Novec7200:99.9質量%)を用いた。
(第1の塗膜の形成工程)
基板であるガラス板(日本電気硝子社製、強化ガラス Dinorex(登録商標)、100mm×100mm)上に、第1のコーティング剤を下記の条件で、スプレー法にて塗布し、第1の塗膜を形成した。
ノズル:2流体方式
吐出量:4.6g/分
ノズル移動速度:19m/分
ノズル数:4個
ノズル配置間隔:3mm
(第2の塗膜の形成工程)
第1の塗膜の上に、第2のコーティング剤を下記の条件で、スプレー法にて塗布し、第2の塗膜を形成した。
ノズル:2流体方式
吐出量:5.4g/分
ノズル移動速度:40m/分
ノズル数:4個
ノズル配置間隔:10mm
(第3の塗膜の形成工程)
第2の塗膜の上に、第3のコーティング剤を下記の条件で、スプレー法にて塗布し、第3の塗膜を形成した。
ノズル:2流体方式
吐出量:3g/分
ノズル移動速度:40m/分
ノズル数:4個
ノズル配置間隔:5mm
第1の塗膜、第2の塗膜、及び第3の塗膜を、150℃のオーブンで30分間焼成して、アンチグレア層、反射防止層、及び防汚層をそれぞれ形成し、防眩部材を得た。
(ヘイズの測定)
JIS K7136−2000に基づいて、防眩部材のヘイズを、NDH−5000(日本電色社製)を用いて測定した。その結果、ヘイズは3.0であった。
(グロス値の測定)
JIS Z8741−1997に基づいて、防眩部材における入射角60°のグロス値を、Microgloss(60°)(BYK製)を用いて測定した。その結果、グロス値は109.9であった。
(反射率の測定)
アンチグレア層、反射防止層、及び防汚層が形成された側から、主面に対して垂直な光(波長380〜780nm)の反射率(正反射)を測定した。その結果、前記波長範囲内の最低反射率は0.04〜4.0%の範囲となった。
(水の接触角の測定)
防汚層の表面における水との接触角を測定した。その結果、接触角は110°であった。
1…防眩部材
2…基板
2a…第1の主面
2b…第2の主面
3…アンチグレア層
4…反射防止層
5…防汚層
11…第1の塗膜
12…第2の塗膜
13…第3の塗膜
20…防眩基板
20a…第1の主面
20b…第2の主面
21…防眩部材
31…防眩部材

Claims (4)

  1. 基板と、前記基板の上に設けられ、無機材料により構成された凹凸構造を有するアンチグレア層と、前記アンチグレア層の上に設けられ、中空シリカ粒子を含む反射防止層とを有する防眩部材を製造する方法であって、
    前記アンチグレア層を形成するための第1のコーティング剤を前記基板の上に塗布し、第1の塗膜を形成する工程と、
    前記第1の塗膜の上に、前記反射防止層を形成するための第2のコーティング剤を塗布し、第2の塗膜を形成する工程と、
    前記第1の塗膜及び前記第2の塗膜を同時に加熱して前記アンチグレア層及び前記反射防止層を形成する工程とを備える、防眩部材の製造方法。
  2. 前記反射防止層の上に設けられる防汚層をさらに有する防眩部材を製造する方法であって、
    前記第2の塗膜の上に、前記防汚層を形成するための第3のコーティング剤を塗布し、第3の塗膜を形成する工程をさらに備え、
    前記第1の塗膜及び前記第2の塗膜を同時に加熱する工程において、さらに前記第3の塗膜も同時に加熱して前記アンチグレア層、前記反射防止層及び前記防汚層を形成する、請求項1に記載の防眩部材の製造方法。
  3. 防眩基板と、前記防眩基板の上に設けられ、中空シリカ粒子を含む反射防止層と、前記反射防止層の上に設けられる防汚層とを有する防眩部材を製造する方法であって、
    前記防眩基板の上に、前記反射防止層を形成するための第2のコーティング剤を塗布し、第2の塗膜を形成する工程と、
    前記第2の塗膜の上に、前記防汚層を形成するための第3のコーティング剤を塗布し、第3の塗膜を形成する工程と、
    前記第2の塗膜及び前記第3の塗膜を同時に加熱して前記反射防止層及び前記防汚層を形成する工程とを備える、防眩部材の製造方法。
  4. 基板と、前記基板の上に設けられ、無機材料により構成された凹凸構造を有するアンチグレア層と、前記アンチグレア層の上に設けられる防汚層とを有する防眩部材を製造する方法であって、
    前記アンチグレア層を形成するための第1のコーティング剤を前記基板の上に塗布し、第1の塗膜を形成する工程と、
    前記第1の塗膜の上に、前記防汚層を形成するための第3のコーティング剤を塗布し、第3の塗膜を形成する工程と、
    前記第1の塗膜及び前記第3の塗膜を同時に加熱して前記アンチグレア層及び前記防汚層を形成する工程とを備える、防眩部材の製造方法。
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