JP2011186052A - 光学レンズ成形用型及びそれを用いた光学レンズの製造方法 - Google Patents

光学レンズ成形用型及びそれを用いた光学レンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接合作業が簡便で、かつ金属台座とガラス基材との接着が強固な、光学レンズ成形用型及びそれを用いた光学レンズの製造方法を提供する。
【解決手段】光学レンズの光学面を形成する成型面と該成型面の裏面に金属台座と対向する接合面とを有するガラス基材と、該ガラス基材の接合面と接合する面を有する該金属台座と、を具備する光学レンズ成形用型であって、該ガラス基材と該金属台座とが硫黄含有熱硬化性樹脂を含む接着剤で接合されていることを特徴とする光学レンズ成形用型及びそれを用いた光学レンズの製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は光学レンズ成形用型及びそれを用いた光学レンズの製造方法に関するものである。
従来、射出成形用型としてガラス製の型を用いたものが知られている。ガラス製の型は、超硬合金等からなる型と比較して、成形により滑らかで精度の高い光学面を形成することができる等の利点を有している。
ガラス型を成形する手法として、たとえば特許文献1に記載されている熱軟化成形法が挙げられる。特許文献1に記載の技術は、上面に光学面形状を有するガラス成形用型の上面にガラスプレートを配置した状態で加熱してプレートを軟化させ、プレートの上面側に成形型の光学面形状を転写させるという技術である。プレートの上面は非常に滑らかな曲面が形成され、累進屈折力レンズといった複雑な面形状の成形型にも適用できる。
ガラス製の型を使用している成形技術の一つとして、例えば、特許文献2が挙げられる。特許文献2には、熱間にて押圧成形したガラスよりなる成形用型本体と、この成形用型本体と線膨張係数が略等しい金属又はセラミックスからなる接合体(支持部材)を一体に構成した技術が開示されている。この特許文献2によれば、成形用型本体の成形面形成のための加熱及び押圧と同時に、当該成形用型本体と支持部材との接合も行うようにしており、成形用型本体における高精度な成形面の形成と、成形用型本体と支持部材との良好な接合強度とを同時に得ようとすることは困難であった。
そして、ガラスよりなる成形用型本体(ガラス基材)と金属又はセラミックスからなる支持部材(金属台座)とからなる成形用型においては、ガラス基材と金属台座との接合状態が良好でないと、高精度に成型することができないことや、光学レンズ等の成形品とガラス基材との離型ができないことがあった。
また、通常、ガラス基材と金属台座とは熱特性に差異があるという問題もあった。
また、特許文献3には、カーボン材(黒鉛材)が、ガラス状カーボン材に比べて非常に安価であるうえ、易加工性で、厚みがあり、加工形状の自由度が高く、型形状に加工し易いという利点があることに着目して、ガラスモールド成形用型のガラス状カーボン材からなる型本体と、カーボン材からなる母材とをカーボン系接着剤を介して貼着する技術が提案されている。しかし、型本体となる台座として高価なガラス状カーボン材を用いることは、依然として経済的ではなかった。
上記の問題点を解決すべく、特許文献4では、ガラスからなる成形用型基材と、金属からなる支持部材(金属台座)と、前記成形用型基材と前記支持部材との間に介在され、ガラス転移点及び線膨張率の異なる2種以上のガラスからなる多層構造の接合材と、を一体的に接合してなる成形用型が開示されている。この技術は、接合材として2種以上のガラス層を形成するものであり、支持部材と、ガラス型の接着は強固になり、また、熱膨張による損傷も少ないと考えられる。
しかしながら、支持部材(金属台座)とガラス基材の剥離が困難であり、また、複数の接合材を使用することに加え、接合作業時に厳密な温度管理が要求されるため、接合に手間がかかるという問題点があった。
再公表2005−115712号公報 特開平2−102136号公報 特開平8−34626号公報 特開2009−126005号公報
本発明は、このような状況下で、接合作業が簡便で、かつガラス基材と金属台座との接着が強固な、光学レンズ成形用型及びそれを用いた光学レンズの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、ガラス基材と金属台座との接着剤を改良することにより上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1] 光学レンズの光学面を形成する成型面と該成型面の裏面に金属台座と対向する接合面とを有するガラス基材と、該ガラス基材の接合面と接合する面を有する該金属台座と、を具備する光学レンズ成形用型であって、該ガラス基材と該金属台座とが硫黄含有熱硬化性樹脂を含む接着剤で接合されていることを特徴とする光学レンズ成形用型、
[2] 前記硫黄含有熱硬化性樹脂が、チオウレタン樹脂及びエピチオ系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂である上記[1]に記載の光学レンズ成形用型、
[3] 前記金属台座が、マルエージング鋼からなる上記[1]又は[2]に記載の光学レンズ成形用型、及び
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の光学レンズ成形用型を用いることを特徴とする光学レンズの製造方法である。
本発明により、接合作業が簡便で、かつ金属台座とガラス基材との接着が強固な、光学レンズ成形用型及びそれを用いた光学レンズの製造方法を提供することができる。
本発明の成形用型の一例を示す断面概略図である。 本発明の製造方法の一例を示す光学レンズ製造装置の部分断面概略図である。
本発明の光学レンズ成形用型は、光学レンズの光学面を形成する成型面と該成型面の裏面に金属台座と対向する接合面とを有するガラス基材と、該ガラス基材の接合面と接合する面を有する該金属台座と、を具備する光学レンズ成形用型であって、該ガラス基材と該金属台座とが硫黄含有熱硬化性樹脂を含む接着剤で接合されていることを特徴とする。
本明の光学レンズ成形用型を図1に基づき、説明する。図1は本発明の成形用型10の一例を示す断面概略図である。図1に示すように、ガラス基材11は、光学レンズの光学面を形成する成型面11aと成型面11aの裏面に金属台座12と対向する接合面11bとを有する。また、金属台座12は、ガラス基材11の接合面11bと接合する面を有する。ガラス基材11と金属台座12とは接着層13により接合されており、ガラス基材11と金属台座12と接着層13とが光学レンズ成形用型10を構成している。
本発明の光学レンズ成形用型10は、例えば、以下のように製造される。まず、金属台座12を位置決めのためガスケット20に挿入し、金属台座12の接合する面に硫黄含有熱硬化性樹脂を含む接着剤を塗布した後、ガラス基材11の接合面を重ね合わせる。ガラス基材11と金属台座12との接合面間に接着層13が形成され、両者が接合されて、光学レンズ成形用型10が得られる。
接着剤の硬化方法は、室温(25℃)でガラス基材11の装着後、120℃で2〜5時間加熱すると硬化が完了する。好ましくは、室温(25℃)でガラス基材11の装着後、その状態で、好ましくは10〜80時間、より好ましくは12〜80時間保管した後、好ましくは0.5〜5℃/分の速度、より好ましくは0.5〜4℃/分の速度、更に好ましくは0.5〜2℃/分の速度で昇温し、硬化温度120℃の場合であれば、好ましくは2〜5時間、より好ましくは2〜4時間加熱して硬化を完了する。室温にて緩やかに硬化を進行させることにより接着力が向上し、加熱と冷却による熱履歴に対する耐久性をより向上させることができる。
ガラス基材11の厚さは通常2〜10mmであり、好ましくは4〜8mmである。
接着層の厚さは、0.01〜100μmであり、通常は0.05〜50μmである。
ガラス基材11及び金属台座12の外径の大きさは、光学レンズの大きさに対応して選択される。
本発明の光学レンズ成形用型は、複数の接合材を用いて接合層を形成する必要がなく、1種類の接着剤を用いて接着層13を形成すれば良いので、接合作業が簡便となり、かつ強固な接着が得られる。
[ガラス基材]
本発明の光学レンズ成形用型を構成するガラス基材としては、特に限定されないが、耐熱性が高く、低い熱膨張率を有する点で、ホウケイ酸ガラスやソーダ石灰ガラスを用いることができる。
[金属台座]
発明の光学レンズ成形用型を構成する金属台座の材料は、特に限定されず、例えばマルエージング鋼、ベリリウム銅合金等が用いられる。これらの中で、マルエージング鋼は極めて硬質であり、かつ熱膨張率が非常に低いため好ましい。ガラス基材よりも熱膨張率が大きい金属からなる台座を組み合わせると、加熱接着工程においてガラス基材よりも大きく膨張した台座にガラス基材が接着することになる。室温に冷却すると、接着界面付近のガラス基材が加熱以前の形状に戻りきれず、それに伴って接着界面付近の金属台座にも変形が維持される。つまり、金属台座側の熱膨張率が大きい場合には、接着時の加熱により接着界面付近で変形が生じる。このような変形は、ガラス基板と金属台座の両者に緊張状態が継続し、接着界面が弱くなりやすい。台座素材にマルエージング鋼を使用すれば、120℃まで加熱しても金属台座の膨張がガラス基材よりも少ないのでガラス基板が自身の熱膨張を超えて変形することがない。結果、常時、接着界面付近の変形や歪みが防止される点で好ましい。
ここで、マルエージング鋼とは、INCO社によって開発されたNiを18〜25%含有する時効硬化型の超強力鋼であり、Ni、Co、Mo等の合金元素を30%程度含む特殊鋼である。マルエージング鋼としては、日立金属株式会社製、商品名「YAG300」、「YAG350」等が用いられる。
また、ベリリウム銅合金は、ベリリウムを0.15〜3%含む銅合金であり、通常、コバルトを0.3%程度加えたベリリウム1.9%程度のものが用いられる。
[硫黄含有熱硬化性樹脂]
本発明における硫黄含有熱硬化性樹脂とは、硫黄を含有する熱硬化性モノマーを反応して得られる樹脂である。この硫黄含有熱硬化性樹脂は、線膨張係数が低く、高温環境下にあっても安定性に優れる。また、ガラス基材との接着性(密着性)にも優れる。更に、硬化前のモノマー状態において、表面張力が低く接着対象面に液膜状に付着させることが可能であるため、極めて薄膜な接着層にすることが可能となる。
硫黄含有熱硬化性樹脂としては、チオウレタン樹脂及びエピチオ系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。ここで、チオウレタン樹脂とは、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応して得られる樹脂をいい、エピチオ系樹脂とは、エピチオ基を有する化合物を必須成分するレンズ原料モノマーを反応して得られる樹脂をいう。本発明においては、ガラス基材との接着性に極めて優れ、かつ経済性に優れる点からチオウレタン樹脂がより好ましい。
(チオウレタン樹脂)
本発明において好適に用いられるチオウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物として、m−キシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−2−メチル−1,3−ジチオラン、2−(1,1−ジイソシアナトメチル)チオフェン、3−(1,1−ジイソシアナトメチル)チオフェン、2−(2−チエニルチオ)−1,2−ジイソシアナトプロパン、2−(3−チエニルチオ)−1,2−ジイソシアナトプロパン、3−(2−チエニル)−1,5−ジイソシアナト−2,4−ジチアペンタン、3−(3−チエニル)−1,5−ジイソシアナト−2,4−ジチアペンタン、3−(2−チエニルチオ)−1,5−ジイソシアナト−2,4−ジチアペンタン、3−(3−チエニルチオ)−1,5−ジイソシアナト−2,4−ジチアペンタン、3−(2−チエニルチオメチル)−1,5−ジイソシアナト−2,4−ジチアペンタン、3−(3−チエニルチオメチル)−1,5−ジイソシアナト−2,4−ジチアペンタン、2,5−(ジイソシアナトメチル)チオフェン、2,3−(ジイソシアナトメチル)チオフェン、2,4−(ジイソシアナトメチル)チオフェン、3,4−(ジイソシアナトメチル)チオフェン、2,5−(ジイソシアナトメチルチオ)チオフェン、2,3−(ジイソシアナトメチルチオ)チオフェン、2,4−(ジイソシアナトメチルチオ)チオフェン及び3,4−(ジイソシアナトメチルチオ)チオフェンから選ばれる一種又は二種以上の化合物を用いることが好ましく、ポリチオール化合物として、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールチオグリコール酸エステル、トリメチロールプロパンメルカプトプロピオン酸エステル、トリメチロールプロパンチオグリコール酸エステル、メルカプトメチル−ジチア−オクタンジチオール、ビス(メルカプトメチル)−トリチア−ウンデカンジチオール、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,1,1−テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン及び2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンから選ばれる一種又は二種以上の化合物を用いることが好ましい。
市販のチオウレタン樹脂としては、例えば、三井化学株式会社製のMRシリーズ、商品名「MR−6」、「MR−7」、「MR−8」、「MR−10」、「MR−20」、「MR−1746」等が好適に挙げられる。
(エピチオ系樹脂)
また、本発明において好適に用いられるエピチオ系樹脂に用いられるエピチオ基を有する化合物として、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、又はビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド等が挙げられる。これらエピチオ基を有する化合物に、物性を損なわない範囲において、従来知られているポリイソシアネート化合物、ポリチオール化合物を加えても良い。
次に、本明の光学レンズの製造方法を図2に基づき、説明する。図2は、本発明の製造方法の一例を示す光学レンズ製造装置の部分断面概略図である。
図2に示すように、本発明に係る光学レンズ製造装置50には、第1の型51として本発明の成形用型10が装着され、それに対向して第2の型52が装着される。通常、本発明の成形用型10は第1の型51にのみ装着されるが、第1の型51及び第2の型52の双方に装着されても良い。
本発明の好ましい製造方法として、例えば射出圧縮成形方法が挙げられる。この射出圧縮成形方法を例に取って、以下に製造方法を説明する。
まず、光学レンズを形成するためのキャビティ30の大きさを設定し、ついで、そのキャビティ30内に溶融樹脂40を射出充填したのち、一対のキャビティ形成部材となる第1の型51と第2の型52との相対移動によりキャビティ30を縮小して溶融樹脂40を圧縮する。この時、その第1の型51と第2の型52の相対移動に同期して、ゲート開閉手段54により、ゲート53の開口を閉じる動作が行われることが好ましい。これにより、溶融樹脂40の射出完了後にはゲート53の開口が閉じられているから、冷却時において、溶融樹脂がゲート53から樹脂流路へ戻るのを防ぐことができる。第1の型51と第2の型52との相対移動は、第1の型51の移動手段55と第2の型51の移動手段56とで行われる。
なお、以上の射出圧縮成形方法において、ゲート53の開口を閉じる動作は、キャビティ30縮小時の一対のキャビティ形成部材である第1の型51と第2の型52の相対移動に直接連動させても良いが、キャビティ30縮小時の一対のキャビティ形成部材の相対移動とは別の駆動手段によって行っても良い。このようにすれば、溶融樹脂の射出完了後にゲートの開口を閉塞することができ、ゲートから樹脂流路へ樹脂が戻るのを確実に防止できる。
以上のようにして射出完了後溶融樹脂60を圧縮し、そのままの状態で溶融樹脂60を冷却した後、形成された光学レンズを光学レンズ製造装置70から取り出す。
本発明の光学レンズ製造方法は、上記の射出圧縮成形方法に限定されるものではない。
本発明の光学レンズ成形用型10を用いる光学レンズの製造方法においては、光学レンズ用樹脂として、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート等の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
本発明の光学レンズ成形用型10を光学レンズの製造に用いることにより、成形用型1個当たりの射出成形回数を向上することができ、光学レンズの生産性を向上することができる。また、金属台座としてマルエージング鋼を用いれば、接着加工において高温で硬化しても接着界面に変形や材料の緊張状態が生じないため、更に成形用型10の耐久性が向上して、成形用型1個当たりの射出成形回数を更に向上することができるので、光学レンズの生産性を著しく向上することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1及び2
第1表に示すガラス基材、金属台座及び接着剤を用いた。まず、金属台座の接合面に接着剤を塗布した後、その金属台座をガスケット内(直径:76.5mm)に装着し、金属台座の接合面にガラス基材を圧着してガスケット内に装着した。
次に、ガスケット内に装着されたガラス基材及び金属台座を室温(25℃)で71時間放置した後、1℃/分の速度で昇温し、120℃で3時間加熱し硬化を完了した。得られた光学レンズ成形用型は、実施例1及び2のいずれも接着界面が強固であった。
得られた光学レンズ成形用型を第2図に示す光学レンズ製造装置の第1の型として装着し、ポリカーボネート樹脂を溶融して上記の射出圧縮成形方法により光学レンズを製造し、光学レンズ成形用型の耐久性を評価した。実施例2の成形用型は、ポリカーボネート樹脂の通常の溶融温度250〜280℃より高い300℃で射出成形しても使用に十分耐え得るものであった。また、実施例1の成形用型は、1000回以上の射出成型加工を行っても金属台座とガラス基材の接着が維持することができた。実施例1の成形型は、実施例2と比較してガラス基材と金属台座の線膨張率がより近似しているので、実施例2より更に射出成形耐久性が高かった。
比較例1〜3
第1表に示すガラス基材、金属台座及び接着剤を用いて、実施例1と同様に金属台座に接着剤を塗布しガスケット内に装着した後ガラス基材を圧着してガスケット内に装着した。
次に、ガスケット内に装着されたガラス基材及び金属台座を室温(25℃)で16時間乾燥した後、90℃で1時間加熱脱水し、1℃/分の速度で昇温し、150℃で1時間加熱し硬化を完了した。
得られた比較例1〜3の光学レンズ成形用型を第2図に示す光学レンズ製造装置の第1の型として装着し、ポリカーボネート樹脂を溶融して上記の射出圧縮成形方法により光学レンズを製造したところ、いずれも数回の使用で接着層が部分的に剥離してしまい、到底、成形用型としての使用に耐え得ないものであった。
Figure 2011186052
(注)
1) ガラスモールド: SCHOTT DESAG AG製、商品名「CH−5555」[凸面R=112.1mm、凹面R=99.8mm、CT=5.0、線膨張率=8.4×10-6(1/℃)]
2) マルエージング鋼: 日立金属株式会社製、商品名「YAG300」[線膨張率=10.1×10-6(1/℃)]
3) ベリリウム銅合金: 日本ガイシ株式会社製、金型用合金、商品名「MC16」[線膨張率=17.9×10-6(1/℃)]
4) 真ちゅう: 銅/亜鉛=70/30(質量比)、[線膨張率=18.2×10-6(1/℃)]
5) チオウレタン樹脂: 三井化学製、商品名「MR−8」
[硬化物の線膨張率= 6.7×10-5(1/℃)]
6) 無機接着剤A: 東亜合成株式会社製、商品名「アロンセラミックC」[(主成分:シリカ)の白色ペースト、硬化物の線膨張率=13×10-6(1/℃)]
7) 無機接着剤B: 東亜合成株式会社製、商品名「アロンセラミックD」[(主成分:アルミナ)の白色ペースト、硬化物の線膨張率=8×10-6(1/℃)]
8) 無機接着剤C: 東亜合成株式会社製、商品名「アロンセラミックE」[(主成分:ジルコニア・シリカ)の白色ペースト、硬化物の線膨張率=4×10-6(1/℃)]
本発明の光学レンズ用成形型は、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート等の熱可塑性樹脂からなる、眼鏡用プラスチックレンズや各種光学機器のプラスチックレンズ等の各種光学レンズの製造に好適に用いられる。
10 光学レンズ成形用型
11 ガラス基材
11a 光学レンズの光学面を形成する成型面
11b 金属台座と対向する接合面
12 金属台座
13 接着層
20 ガスケット
30 キャビティ
40 溶融樹脂
50 光学レンズ製造装置
51 第1の型
52 第2の型
53 ゲート
54 ゲート開閉手段
55 第1の型の移動手段
56 第2の型の移動手段

Claims (4)

  1. 光学レンズの光学面を形成する成型面と該成型面の裏面に金属台座と対向する接合面とを有するガラス基材と、該ガラス基材の接合面と接合する面を有する該金属台座と、を具備する光学レンズ成形用型であって、該ガラス基材と該金属台座とが硫黄含有熱硬化性樹脂を含む接着剤で接合されていることを特徴とする光学レンズ成形用型。
  2. 前記硫黄含有熱硬化性樹脂が、チオウレタン樹脂及びエピチオ系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1に記載の光学レンズ成形用型。
  3. 前記金属台座が、マルエージング鋼からなる請求項1又は2に記載の光学レンズ成形用型。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学レンズ成形用型を用いることを特徴とする光学レンズの製造方法。
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