JP2011185292A - 摺動部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動部に形成される、液体により構成される相及び気体により構成される相の安定化を図った摺動部品を提供する。
【解決手段】相対的に回転し、かつ平面状の端面同士が摺動する第1摺動部品100及び第2摺動部品のうちの一方を構成する第1摺動部品100において、前記2部品が相対的に回転する際に、該2部品の摺動部に回転中心の周りを周回するように形成される、液体により構成される相及び気体により構成される相のうち、気体により構成される相を位置決めせしめるように、摺動面に複数のディンプル101が配置されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばメカニカルシールに用いられる摺動部品に関する。
被密封流体の漏れを防止(抑制)する密封装置として、相対的に回転し、かつ平面状の端面同士が摺動するように構成された2部品からなる密封装置(例えば、メカニカルシール)が知られている。このような密封装置において、良好な密封状態を長期に亘って維持するためには、2部品における各摺動面間に、被密封流体による流体潤滑膜を形成させる必要がある。これにより、摩耗や面荒れなどを防止(抑制)することができる。このように、密封性を長期的に維持させるためには、「密封」と「潤滑」という、相反する条件を両立させなければならない。
特に、近年においては、環境対策などのために、被密封流体の漏れ防止を図りつつ、機械的損失を低減させるべく、より一層、低摩擦化の要求が高まってきている。
一般的なメカニカルシールのように、2部品の各摺動面が平滑面で構成される場合、摺動面間には、被密封流体による膜だけでなく、流体中に発生したキャビテーションによる相が形成されることが知られている(非特許文献1参照)。すなわち、摺動面間には、液体(被密封流体)により構成される相(以下、液相と称する)と、気体により構成される相(以下、気相と称する)が形成される。
摺動面間に形成されるこれらの相は、2部品の相対的な回転が定常的であるにもかかわらず、非常に不安定な挙動を示すことを確認している。気相を形成する要因であるキャビテーションは摺動表面の微小な凹凸により発生する。また、キャビテーションの発生する位置はランダムであり、発生後におけるキャビテーションの挙動は安定しない。そのため、液相と気相の2相の挙動が不安定になる。これについて、図21を参照して説明する。図21は一定速度で相対的に回転する2部品の摺動面間に形成される液相及び気相の挙動の一例を示したものである。
図中、網掛けの部分が液相であり、網掛けのない部分が気相である。また、図21において、(A)(B)(C)(D)は、2部品が一定速度で相対的に回転(2部品のうちの一方が回転し、他方は静止)している間の異なるタイミングの状態をそれぞれ示したものである。
この図から、時間経過に伴い、液相と気相の混在状態が複雑に変化することが分かる。また、瞬間的に、摺動面全体を気相が覆い、摺動面同士が直接接触したと考えられる摩擦係数の増加も確認された。このような現象は、平滑面により構成される摺動面においては、摺動面間の流体による膜(相)を保持し、安定させる機構や構造を有していないことが原因であると推測される。
また、摺動部品の潤滑性の向上を目的として、摺動面上に微小穴や窪みを施したものが知られている(特許文献1参照)。
図22は従来例に係る摺動部品の摺動面の一部を示す平面図である。図示のように、摺動部品500における摺動面に、複数のディンプル501が設けられている。これら複数のディンプル501の形状や配列によって流体力学的な動的潤滑膜(被密封流体による膜)が形成される。また、ディンプル501から潤滑液(被密封流体)が供給される。この
ように、従来、摺動部品500における摺動面に、複数のディンプル501を設けることによって、摺動面に潤滑液(被密封流体)による膜を安定的に形成させ、摺動摩耗の抑制効果の向上を狙っていた。
しかしながら、ディンプル等の微小穴によって、被密封流体を摺動面に供給し、被密封流体による膜の形成を助長するということは、反面、密封性能を低下させる結果を齎すことになる。そのため、シール本来の機能を損なう虞がある。シール性能を維持するためには、漏れ方向、すなわち摺動面における径方向への被密封流体の流れを遮断しなければならない。しかし、上記のような従来例に係る摺動部品は、そのような流れを遮断する機構や構造を備えていない。
特許第3026252号公報
Hamilton,Walowit,Allen : A. S. M. E. Paper No. 65−Lub−11(1965)
本発明の目的は、摺動部に形成される、液体により構成される相及び気体により構成される相の安定化を図った摺動部品を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の摺動部品は、
相対的に回転し、かつ平面状の端面同士が摺動する2部品のうちの一方を構成する摺動部品において、
前記2部品が相対的に回転する際に、該2部品の摺動部に回転中心の周りを周回するように形成される、液体により構成される相(以下、液相と称する)及び気体により構成される相(以下、気相と称する)のうち、気相を位置決めせしめるように、摺動面に複数のディンプルが配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、2部品の摺動部に、2部品の回転中心の周りを周回するように形成される液相及び気相のうち、気相が位置決めされる。これにより、位置決めされた気相は、液相の移動(位置決めされた気相を液体が通り抜ける移動)を阻止する機能を発揮する。従って、液相が、摺動部から消失してしまうことを抑制できる。そして、摺動面には液体による膜(潤滑膜)が安定的に形成され、摺動摩耗を抑制することができる。また、摺動部品がメカニカルシールなどの密封装置を構成する部品である場合には、被密封流体の漏れを抑制することができる。
前記複数のディンプルは、個々のディンプルにおける開口端縁に沿って設けられるエッジ部分がそれぞれ鋭い角度を持つ形状に設定されており、これらのディンプルは、回転方向に対して隣り合う2つのディンプルのうち回転方向の上流側のディンプルのエッジ部分に沿って形成される気体の膜が、摺動時に回転方向の下流側に形成する膜の範囲内に、前記2つのディンプルのうち回転方向の下流側のディンプルが存在する位置関係となるように配置されているとよい。
これにより、各ディンプルを繋ぐように、気体の膜が形成される。そのため、2部品の摺動部に、2部品の回転中心の周りを周回するように形成される液相及び気相のうち、気相が位置決めされる。
前記複数のディンプルは、前記2部品の回転中心に中心点を有する仮想円周上に並ぶように配置されているとよい。
これにより、気相が環状に位置決めされる。従って、この位置決めされた環状の気相が、液体の径方向への移動を阻止する機能を発揮する。
前記複数のディンプルは、前記2部品の回転中心に中心点を有する、径の異なる複数の仮想円周上に、それぞれ複数並ぶように配置されているとよい。
これにより、液相と気相が同心的に複数形成される。従って、摺動面に安定的に液体による膜が形成され、かつ液体の径方向への移動を抑制することができる。
前記複数のディンプルは、前記2部品の回転方向に周回する仮想的な渦巻き線上に並ぶように配置されているとよい。
これにより、気相が渦巻状に形成され、この形成された気相に沿って液相が形成される。また、回転方向に応じて、液体が渦巻き形状に沿って流れるポンピング作用を生じさせることができる。従って、摺動部品がメカニカルシールなどの密封装置を構成する部品である場合には、被密封流体を密封領域側に戻すようにポンピング作用を生じさせることで、密封性能をより高めることができる。
前記複数のディンプルは、摺動面のうち、内周側と外周側のうち液体が満たされている側とは反対側であって、摺動面の径方向の幅の3分の2以下の範囲の領域内に設けられるとよい。
すなわち、気相を保持する機能を有するディンプルを複数設けると、荷重支持領域が減少する。そのため、かかるディンプルを配置する領域を、摺動面のうち、液体が満たされている側とは反対側であって、摺動面の径方向の幅の3分の2以下の範囲の領域内とすることで、荷重支持領域を確保することが可能となる。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、摺動部に形成される、液体により構成される相及び気体により構成される相の安定化を図ることができる。
図1は本発明の実施例に係るメカニカルシールの使用状態を示す模式的断面図である。 図2は本発明の実施例1に係る摺動部品の平面図である。 図3は本発明の実施例1に係る摺動部品の一部拡大図である。 図4は本発明の実施例1に係る摺動部品における摺動面の様子を模式的に示す平面図である。 図5は本発明の実施例1に係る摺動部品における摺動面の様子を模式的に示す平面図である。 図6は本発明の実施例1に係る摺動部品における摺動面上の液相及び気相の挙動を示す拡大図である。 図7は本発明の実施例1に係る摺動部品における各部の寸法を説明する図である。 図8は本発明の実施例1に係る摺動部品におけるディンプルの寸法を説明する図である。 図9は評価試験の内容を示す表である。 図10は本発明の実施例1に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。 図11は本発明の実施例1に係る摺動部品における摺動面上の液相及び気相の挙動を示したものである。 図12は比較例1に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。 図13は本発明の実施例2に係る摺動部品の平面図である。 図14は本発明の実施例2に係る摺動部品の一部拡大図である。 図15は本発明の実施例2に係る摺動部品における摺動面の様子を模式的に示す平面図である。 図16は本発明の実施例2に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。 図17は本発明の実施例2に係る摺動部品における各部の寸法を説明する図である。 図18は実施例3に係る摺動部品の平面図である。 図19は実施例4に係る摺動部品の平面図である。 図20は各部分の寸法(パラメータ)を変更したサンプルを用いて試験を行った結果を示す表である。 図21は一定速度で相対的に回転する2部品の摺動面間に形成される液相及び気相の挙動の一例を示したものである。 図22は従来例に係る摺動部品の一部拡大図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1〜図12を参照して、本発明の実施例1に係る摺動部品について説明する。なお、本実施例においては、メカニカルシールを構成する部品が摺動部品である場合を例にして説明する。
<メカニカルシール>
図1を参照して、本発明の実施例に係る摺動部品が適用されるメカニカルシールについて説明する。図1は本発明の実施例に係るメカニカルシールの使用状態を示す模式的断面図である。
メカニカルシール10は、回転軸300と、回転軸300が挿通されるハウジング400との間の環状隙間に密封された液体(被密封流体)Mの漏れを防止するために設けられる。このメカニカルシール10は、ハウジング400の内周側に固定される環状の第1摺動部品100と、回転軸300に固定される環状の第2摺動部品200とから構成される。回転軸300の回転に伴って第2摺動部品200も回転するため、第1摺動部品100と第2摺動部品200は相対的に回転する。また、第1摺動部品100における図中右側
の平面状の端面と、第2摺動部品200における図中左側の端面が摺動するように構成されている。そして、これら端面同士の摺動部によって、密封された液体Mの漏れを防止している。
ここで、背景技術の中でも説明したように、第1摺動部品100における摺動面と第2摺動部品200における摺動面との間には、液体(被密封流体)により構成される相(以下、液相と称する)と、気体により構成される相(以下、気相と称する)が形成される。これは、摺動時に、液体中にキャビテーションが発生するためである。なお、キャビテーションは、主に雰囲気気体によって構成される気泡や、液体中に溶解していたものが析出された気体や、液体の蒸気などにより構成される。
本実施例に係るメカニカルシール10は、第1摺動部品100における摺動面と第2摺動部品200における摺動面との間に形成される液相と気相の挙動が安定的になる(径方向への移動が規制される)ように構成されている。以下、これについて、詳細に説明する。
<第1摺動部品>
図2及び図3を参照して、第1摺動部品100の構成について説明する。図2は本発明の実施例1に係る摺動部品(第1摺動部品)の平面図である。図3は本発明の実施例1に係る摺動部品(第1摺動部品)の一部拡大図である。なお、図3は図2中X部分の拡大図である。
第1摺動部品100における摺動面には、複数のディンプル101が設けられている。なお、ディンプル101は、例えば、市販されているレーザ加工機を用いて簡単に形成することができる。第1摺動部品100の材質については、特に限定されるものではないが、レーザ加工によってディンプル101を形成する場合には、レーザ加工に適した材料を用いるのがよい。また、ディンプル101の加工方法については、レーザ加工に限らず、フォトエッチング処理やサンドブラストなどを適用することもできる。
そして、本実施例においては、複数のディンプル101は、第1摺動部品100と第2摺動部品200との相対的な回転中心に中心点Oを有する、径の異なる複数の仮想円周C1,C2,C3,C4上に、それぞれ並ぶように配置されている。なお、第1摺動部品100と第2摺動部品200の相対的な回転中心は、第2摺動部品200の回転中心である、回転軸300の中心軸線上にある。また、各仮想円周上において、各ディンプル101は等間隔に並ぶように配置されている。
このように配置された複数のディンプル101によって、所定の条件下において、第1摺動部品100における摺動面と第2摺動部品200における摺動面との間に形成される液相と気相の挙動を安定させることができる。すなわち、気相を位置決めし、位置決めされた気相が、液相の径方向への移動を阻止する機能を発揮する。
複数のディンプル101によって、かかる機能を発揮させるメカニズムについては、以下に詳細に説明する。なお、ディンプル101の外形や大きさについては、気相を安定的に位置決めさせることができるものであれば、特に限定されるものではない。ディンプル101の形状の例としては、円,楕円,矩形を挙げることができる。
ただし、ディンプル101の形状は、その開口端縁に沿って設けられるエッジ部分に鋭い角度を持つ形状に設定される必要がある。これについては、下記のメカニズムの説明の中で、より詳細に説明する。なお、ディンプル101の深さについては、エッジ部分に鋭い角度を維持できるのであれば、特に限定されない。ただし、ディンプル101が深すぎ
ると、ディンプル101の内部容積が大きくなってしまう。これにより、気相を安定的に形成させるために必要な気体の量が多くなってしまうので、あまり深すぎないように適度な深さにするのが望ましい。
また、ディンプル101の回転方向の配置(回転方向に対して隣り合うディンプル101間の間隔)については、下記のメカニズムの説明の中で説明する。
<メカニズム>
図4及び図5を参照して、複数のディンプル101によって、気相を安定的に位置決めさせる機能が発揮するメカニズムについて説明する。なお、気相が位置決めされると、液体が気相を通り抜けることが阻止されるため、結果的に液相も位置決めされる。図4及び図5は本発明の実施例1に係る摺動部品(第1摺動部品)における摺動面の様子を模式的に示す平面図である。回転する前の状態では、ディンプル101内は気相となっており、回転により、その気相が周方向に流れて、図4に示すような状態となる。また、回転により発生したキャビテーションが加わり、図5に示すような状態となる。
ディンプル101の形状や大きさ(特にエッジ部分の形状)を所定の条件を満たすようにし、かつ、複数のディンプル101を所定の条件を満たすよう配置することによって、複数のディンプル101に沿って、気相を位置決めさせることができることが分かった。より具体的には、上記の通り、ディンプルが存在しない場合には、回転時において、摺動面は気相と液相の混在状態となる。一方、その開口端縁に沿って設けられたエッジ部分に鋭い角度を持つディンプル101が存在する場合、このエッジ部分が幾何学的な障壁として気液界面に作用し、液体がディンプル101上を通過する移動を妨げる。この結果、ディンプル配列上に気相が集約され、液相はディンプルのエッジ部分に沿って移動し、ディンプル配列上から排除される。この結果、ディンプル配列のエッジ部分に沿って気相を保持することが可能となることが分かった。
かかるメカニズムについて、以下に詳しく説明する。ただし、このメカニズムは、実際の観察に基づいて考察を加えた結果導き出されたものである。
幾何学的障壁として作用する鋭いエッジ部分を持ったディンプルを円周方向に連続して配置すると、ディンプル配列に沿って気相が形成され、液膜が分断される。図6は本実施例に係る摺動部品における摺動面上の液相及び気相の挙動を示したものである。この図6は、ディンプルが、その深さが50μm,径が200μmのものを用いて、試験を行ったときの実際の摺動面上の様子を示したものである。なお、試験は、後述する図9の上側に示す表の試験を行った。ここで、図6においては、図中左上の数字の小さなものから順に所定時間が経過した毎の摺動面の様子を示している。また、図中、ディンプル(円形部分)間の白い部分が気相に相当する。図示のように、摺動面の観察の結果、摺動面には気相と液相が安定的に形成され、被密封流体である液体の径方向への移動が抑制されることも確認できた。つまり、図6に示すように、ディンプルのエッジ部分により液相が抵抗を受け、排除された結果、ディンプル配列上に気相を形成すると考えられる。そして、最終的に、気相を保持したディンプル配列間に液相が拘束され、安定した気相と液相を保持することが確認できた。
なお、上記の通り、ディンプルのエッジ部分によって、液相は抵抗を受け排除されるため、ディンプルのエッジ部分に沿って気体の膜Fが形成される(図4参照)。
図5は、所望の回転速度で第2摺動部品200が一定の速度で回転している際の第1摺動部品100の摺動面の様子を模式的に示したものである。図中の矢印は、第2摺動部品200の回転方向を示している。
図示のように、仮想円周上に並ぶように配置されたディンプル101に沿って、それぞれ環状の気相K11、K12,K13が形成され、これら以外の部分には環状の液相E11,E12,E13,E14が形成された。そして、これらの気相K11,K12,K13及び液相E11,E12,E13,E14は挙動が安定しており、これらの相は径方向に移動してしまわないことを確認できた。
以上の観察結果から、一定条件下においては、各ディンプル101は、気相を保持する作用を有すると考えられる。そして、あるディンプルによって保持する気体の膜Fの領域内に、他のディンプルが存在するように複数のディンプルを配置させることで、複数のディンプルに沿って気相を位置決めすることができると考えられる。
これについて、図5中、隣り合う2つのディンプル101a,101bを例にして、より詳しく説明する。ディンプル101aは第2摺動部品200の回転方向の上流側に位置し、ディンプル101bは当該回転方向の下流側に位置する。上流側のディンプル101aのエッジ部分に沿って形成された気体の膜の範囲X内に、ディンプル101bが存在するように、これら2つのディンプル101a,101bは配置されている。従って、2つのディンプル101a,101bを繋ぐように、気相が形成される。
以上のことから、2部品の回転中心に中心点を有する仮想円周上に複数のディンプル101を等間隔に配置することで、環状の気相がディンプル101に沿って形成され、気相を位置決めすることができる。また、位置決めされた気相に沿って液相が保持されるため、液相も位置決めされる。
<本実施例の優れた点>
本実施例に係る摺動部品(第1摺動部品100)によれば、2部品(第1摺動部品100及び第2摺動部品200)の摺動部に、2部品の回転中心の周りを周回するように形成される液相E11,E12,E13,E14及び気相K11,K12,K13が位置決めされる。これにより、これらの位置決めされた相は、気液界面を安定して形成することにより、流体の径方向への移動を阻止する機能を発揮する。従って、液相が、摺動部から消失してしまうことを抑制でき、摺動面には安定的に液体による膜(潤滑膜)が形成され、摺動摩耗を抑制することができる。また、本実施例では、第1摺動部品100と第2摺動部品200によってメカニカルシール10を構成しており、被密封流体の漏れを抑制することができる。
<<ディンプルの寸法について>>
図7及び図8を参照して、ディンプルに関する寸法設定について説明する。上記のような機能を十分に発揮させるためには、ディンプルの寸法を適切に設定する必要がある。この点について、以下に説明する。
<<<径方向の寸法について>>>
摺動部品における摺動面の径方向の幅をWとし、ディンプルにおける摺動面の径方向の幅をDrとする。また、摺動部品に設けられたディンプルの径方向に並ぶ数をnとする(図7に示す例ではn=2)。このとき、Dr×n÷Wを0.15以上0.5以下に設定するとよい。何故なら、周方向に隣り合うディンプルを繋ぐように気相を形成させるためにはディンプルにおける径方向の幅を有る程度確保する必要がある。一方、摺動面の径方向の幅Wに対するディンプルの径方向の幅の占める割合が大き過ぎると、荷重支持領域や液相の保持幅が少なくなり過ぎてしまう。そこで、気相と液相(荷重支持領域にも相当)との割合が適度な割合となるように、上記のような関係を満たすようにすると良い。
<<<周方向に隣り合うディンプル同士の間隔について>>>
周方向に隣り合うディンプル同士の間隔をSとする。このとき、S÷Drを0以上10以下に設定するとよい。何故なら、周方向に隣り合うディンプルを繋ぐように気相を形成させるためには、周方向に隣り合うディンプル同士の間隔を狭くする必要がある。一方、狭い分には下限がないため、ディンプル同士が接していても良い。そこで、上記のような関係を満たすと良い。
<<<ディンプルの開口端縁に沿って設けられるエッジ部分について>>>
ディンプルにおける開口端縁に沿って設けられるエッジ部分(相手側の摺動面の回転方向の上流側のエッジ部分)の角度Eは130°以下に設定するとよい。何故なら、当該エッジ部分は、その角度が大きくなるほど、気液界面に対する幾何学的障壁作用が小さくなってしまうため、気相の保持能力を十分に発揮させる必要があるからである。
<<<ディンプルの深さについて>>>
ディンプルの深さPは、5μm以上50μm以下に設定するとよい。ディンプルの深さについては、気相と液相を保持する機能の観点からはあまり関連性はない。ただし、ディンプルが深すぎると、ディンプル内部に溜める気体の量が多くなりすぎるので、上限は50μm程度が適当である。また、レーザ加工によってディンプルを形成する場合、現在のレーザ加工技術によって、寸法精度を十分にするためには下限は5μm程度が適当である。
<<本実施例に係る摺動部品と比較例に係る摺動部品との評価試験結果>>
図9〜図12を参照して、本実施例に係る摺動部品と比較例に係る摺動部品との評価試験結果について説明する。
図9において、上側の2つの表は、摺動面の状態を観察すると同時に、摩擦係数の変化を測定する評価試験における端面形状緒元と試験条件を示したものである。より具体的には、固定側である第1摺動部品100としてSiC製のシールリングを用い、回転側である第2摺動部品200として、透過材であるオプティカルフラットを用いた。そして、透過材で構成された第2摺動部品200を介して摺動面の様子を観察すると共に、摩擦係数の変化を測定した。
本実施例に係る第1摺動部品100として、4つの仮想円周上に、それぞれ円周方向に360個のディンプル101が配置されたものを用いて試験を行った。また、各ディンプル101は、深さが50μm,径が70μmの円形のもので構成した。また、回転方向に隣り合うディンプル101の間隔は175μmとした。また、ディンプル101の開口端縁に沿って設けられたエッジ部分の角度(ディンプル側面と表面とのなす角度)は90°とした。このように構成された第1摺動部品100を用いて、第2摺動部品200を500rpmで回転させた場合の摩擦係数の経時変化を示したのが図10である。図10は本発明の実施例1に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。
この図から、摩擦係数は安定していることが分かる。また、図11は本発明の実施例1に係る摺動部品における摺動面上の液相及び気相の挙動を模式的に示したものである。なお、(A)(B)(C)(D)の順に所定時間が経過した毎の摺動面の様子を示している。図中、黒丸はディンプルを示し、網掛け部分は液相を示し、網掛けのない白い部分は気相を示している。図示のように、摺動面の観察の結果、摺動面には気相と液相が安定的に形成され、被密封流体である液体の径方向への移動が抑制されることも確認できた。
図9において、下側の2つの表は、シール性能を評価するための試験における端面形状緒元と試験条件を示したものである。ここでは、回転側である第2摺動部品200として
、SiC製の緻密材からなるものを用いている。この試験においては、被密封流体の漏洩量と試験後の第1摺動部品100の摩耗量を測定した。なお、このシール性能の評価試験に関しては、各部分の寸法(パラメータ)を種々変更したサンプルについて試験を行った。その結果は図20に示す。図20に示す表の結果において、漏れ量や摩耗量が多いものについては、数値の後に(NG)を付している。
この表から分かるように、Dr×n÷Wを0.1とした場合(サンプル1)及び0.7とした場合(サンプル6)には、漏れ量及び摩耗量共にNGであった。また、S÷Drを15とした場合(サンプル8)には漏れ量はNGであった。また、エッジの角度Eを150°にした場合(サンプル5)には漏れ量及び摩耗量共にNGであった。
また、比較例1として、ディンプルを設けていない第1摺動部品を用いて、上記と同じ試験を行った。なお、上記実施例1に係る第1摺動部品と比較例1に係る第1摺動部品との相違点は、ディンプルの有無のみである。
図12は比較例1に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。図12に示すように、比較例1の場合には、摩擦係数が安定せず、不安定であることが分かる。また、比較例1の場合には、気相と液相の挙動が不安定に移動する様子(図21と同様な不安定な挙動を示す様子)も確認できた。比較例1の場合には、気相と液相の挙動が不安定であり、液相である流体潤滑膜の幅の割合が時間経過と共に変化することで、摩擦係数が振動的に変化するものと考えられる。
また、図20に示す表から分かるように、ディンプルを設けない場合(サンプル12)には、漏れ量及び摩耗量共にNGであった。
(実施例2)
図13〜図17には、本発明の実施例2が示されている。上記実施例1では、複数のディンプルを仮想円周上に並ぶように配置する場合の構成について示した。本実施例では、複数のディンプルを仮想的な渦巻き線上に並ぶように配置する場合の構成について示す。複数のディンプルの配置以外の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については、適宜、その説明は省略する。
図13は本発明の実施例2に係る摺動部品(第1摺動部品)の平面図である。図14は本発明の実施例2に係る摺動部品(第1摺動部品)の一部拡大図である。なお、図14は図13中X部分の拡大図である。図15は本発明の実施例2に係る摺動部品(第1摺動部品)における摺動面の様子を模式的に示す平面図である。
本実施例においても、第1摺動部品110における摺動面には、複数のディンプル111が設けられている。そして、本実施例の場合には、複数のディンプル111は、2部品の回転方向に周回する仮想的な渦巻き線U上に並ぶように配置されている。
すなわち、上記の通り、一定条件下においては、ディンプルの開口端縁に沿って設けられるエッジ部分に沿って気相を保持する作用を有すると考えられる。そして、ディンプルの開口端縁に沿って設けられるエッジに沿って形成される膜はディンプルの径分の幅を持っている。従って、回転方向に隣り合う2つのディンプルにおいて、これらのディンプルが仮想円周上になくても、下流側のディンプルが上流側のディンプルが保持する膜の範囲内にあれば、2つのディンプルを繋ぐように、気相が形成されることが分かった。
この点について、図17を参照して、より詳細に説明する。図示のように、周方向に隣り合うディンプルにおいて、周方向に見た場合に重なっている領域(オーバーラップ領域
)の径方向の幅をTとする。このとき、T÷Drを0.5以上1以下にするとよい。何故なら、上記の幅Tを小さくすれば小さくするほど、周方向に隣り合うディンプルを繋ぐような気相が形成され難くなってしまうからである。なお、図20の表に示すように、T÷Drを0.3とした場合(サンプル10)には漏れ量がNGであった。
なお、ディンプルを、その開口端縁に沿って設けられるエッジ部分に鋭い角度を持つ形状にすることが重要であることに関しては、上記実施例1で説明した通りである。
以上のことから、仮想的な渦巻き線U上に、複数のディンプル111を配置することによって、これらのディンプル111に沿うように、渦巻状の気相K20及び液相E20を位置決めさせることができる(図15参照)。
従って、上記実施例1の場合と同様に、気相と液相を安定的に形成させることができる。そして、これらの位置決めされた相は、連続した気液界面を安定的に形成する。これにより、流体の移動(気体が液相を通り抜ける移動、及び液体が気相を通り抜ける移動)を阻止する機能を発揮する。従って、液相が、摺動部から消失してしまうことを抑制でき、摺動面には安定的に液体による膜(潤滑膜)が形成される。これにより、摺動摩耗を抑制することができる。また、本実施例においても、第1摺動部品110はメカニカルシールの構成部品であり、被密封流体の漏れを抑制することができる。
そして、本実施例の場合には、被密封流体である液体が、位置決めされた気相に沿うように移動するポンピング作用が生じることが分かった。すなわち、図15において、矢印Sは第2摺動部品200の回転方向を示しており、液相E20中の液体が回転方向に向かうように移動することが分かった。
従って、第2摺動部品200の相対的な回転方向と、被密封流体が密封されている領域が内周側であるか外周側であるかに応じて、複数のディンプル111が配置される仮想的な渦巻き線の渦の方向を設定することで、被密封流体を密封領域側に戻すことが可能となる。例えば、図15に示す例の場合には、外周側が密封領域であり、被密封流体である液体Mをポンピング作用によって、密封領域に戻すことが可能となる。
また、本実施例2に係る第1摺動部品110においても、上記実施例1の場合と同様の試験(右上表の回転数が500rpmではなく300rpmであること以外は、図8に示す表と同じ試験)を行った。本実施例2に係る第1摺動部品110として、1周につき360個のディンプル111を8本渦巻状に配置させたものを用いた。また、各ディンプル111は、深さが50μm,径が70μmの円形のもので構成した。また、回転方向に隣り合うディンプル101の間隔は175μmとした。また、ディンプル101のエッジ部分の角度(ディンプル側面と表面とのなす角度)は90°とした。このように構成された第1摺動部品110を用いて、第2摺動部品200を300rpmで回転させた場合の摩擦係数の経時変化を示したのが図16である。図16は本発明の実施例2に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。
この図から、摩擦係数は安定していることが分かる。また、摺動面の観察の結果、摺動面には気相と液相が安定的に形成されることも確認できた。また、本実施例の場合には、ディンプル111が配置されている仮想的な渦巻き線に沿って液体が移動することが確認できた。なお、回転方向を変えることで、液体の移動方向が変わることも確認できた。
(実施例3及び実施例4)
実施例1及び実施例2に示すディンプルは、上記の通り、ディンプル配列上に気相を形成するため、荷重支持能力を持たない。そのため、ディンプルの数を増やすほど、摺動面
における荷重支持領域が減少する。このことから、ディンプルの数を増やしすぎると、却って、面圧が増加する結果、潤滑膜(液体による膜)を保持可能な限界が低下してしまう。従って、ディンプルの数は、気相や液相の位置決めによって潤滑膜が安定的に形成され、かつ被密封流体の漏れ防止ができる範囲内で、極力少なくして、荷重支持領域を確保するのが望ましい。
例えば、図18や図19に示すように、上述した実施例1や実施例2に示した、気相を保持するディンプルが配置される領域を一定範囲に限定し、それ以外の領域を、荷重支持領域や流体力学的動圧発生作用を有するディンプルの配置領域とすることも好適である。ここで、気相を保持するディンプルが配置される領域は、摺動面のうち、内周側と外周側のうち液体が満たされている側とは反対側であって、摺動面の径方向の幅の3分の2以下の範囲の領域内にすることで、品質を満足する荷重支持能力が得られる。以下に示す実施例3,4の場合には、外周側に液体が満たされているため、気相を保持するディンプルが配置される領域は内周側に設けられている。なお、上記実施例1の中で説明した、径方向の寸法関係(Dr×n÷Wを0.15以上0.5以下に設定)に関して、以下の実施例3,4においては、気相を保持するディンプルが配置される領域の径方向の幅がWに相当する。
図18は実施例3に係る摺動部品(第1摺動部品)の平面図である。
上記実施例1及び実施例2においては、その開口端縁に沿って設けられるエッジ部分に鋭い角度を持ち、気相を保持するディンプルを摺動面のほぼ全領域に配置する場合を示した。これに対し、本実施例に係る第1摺動部品130の場合には、内周側の限定された領域130X(網掛けした領域)にのみ、気相を保持する複数のディンプルが配置されている。なお、ディンプルの配置に関しては、上述した実施例1の場合、及び実施例2の場合のいずれを適用してもよい。
そして、本実施例に係る第1摺動部品130の場合には、外周側の領域130Yは、平滑面(ディンプルなど、表面に凹凸がない面)によって構成されている。これにより、この外周側の領域130Yによって荷重を支持することができるため、摺動状態を安定化させることができる。
また、図19は実施例4に係る摺動部品(第1摺動部品)の平面図である。
本実施例に係る第1摺動部品140の場合には、実施例3の場合と同様に、内周側の限定された領域140X(網掛けした領域)にのみ、気相を保持する複数のディンプルが配置されている。なお、ディンプルの配置に関しては、上述した実施例1の場合、及び実施例2の場合のいずれを適用してもよい。
そして、本実施例に係る第1摺動部品140の場合には、外周側の領域140Yに、流体力学的動圧発生作用を発揮する複数のディンプル141を設けている。これにより、この外周側の領域140Yによって、荷重を支持しつつ、より一層摩擦力の低減を図ることが可能となる。
10 メカニカルシール
100 第1摺動部品
101 ディンプル
101a,101b ディンプル
110 第1摺動部品
111 ディンプル
130 第1摺動部品
140 第1摺動部品
141 ディンプル
200 第2摺動部品
300 回転軸
400 ハウジング
C1,C2,C3,C4 仮想円周
E11,E12,E13,E14 液相
E20 液相
K11,K12,K13 気相
K20 気相
M 液体
U 仮想的な渦巻き線

Claims (6)

  1. 相対的に回転し、かつ平面状の端面同士が摺動する2部品のうちの一方を構成する摺動部品において、
    前記2部品が相対的に回転する際に、該2部品の摺動部に回転中心の周りを周回するように形成される、液体により構成される相及び気体により構成される相のうち、気体により構成される相を位置決めせしめるように、摺動面に複数のディンプルが配置されていることを特徴とする摺動部品。
  2. 前記複数のディンプルは、個々のディンプルにおける開口端縁に沿って設けられるエッジ部分がそれぞれ鋭い角度を持つ形状に設定されており、これらのディンプルは、回転方向に対して隣り合う2つのディンプルのうち回転方向の上流側のディンプルのエッジ部分に沿って形成される気体の膜が、摺動時に回転方向の下流側に形成する膜の範囲内に、前記2つのディンプルのうち回転方向の下流側のディンプルが存在する位置関係となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の摺動部品。
  3. 前記複数のディンプルは、前記2部品の回転中心に中心点を有する仮想円周上に並ぶように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部品。
  4. 前記複数のディンプルは、前記2部品の回転中心に中心点を有する、径の異なる複数の仮想円周上に、それぞれ複数並ぶように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部品。
  5. 前記複数のディンプルは、前記2部品の回転方向に周回する仮想的な渦巻き線上に並ぶように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部品。
  6. 前記複数のディンプルは、摺動面のうち、内周側と外周側のうち液体が満たされている側とは反対側であって、摺動面の径方向の幅の3分の2以下の範囲の領域内に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の摺動部品。
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