JP2010133496A - 摺動部品 - Google Patents

摺動部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2010133496A
JP2010133496A JP2008310172A JP2008310172A JP2010133496A JP 2010133496 A JP2010133496 A JP 2010133496A JP 2008310172 A JP2008310172 A JP 2008310172A JP 2008310172 A JP2008310172 A JP 2008310172A JP 2010133496 A JP2010133496 A JP 2010133496A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sliding
dimples
sliding component
dimple
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008310172A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichiro Tokunaga
雄一郎 徳永
Takeshi Okada
岡田  健
Hideyuki Inoue
秀行 井上
Yuji Yamamoto
雄二 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eagle Industry Co Ltd
Original Assignee
Eagle Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eagle Industry Co Ltd filed Critical Eagle Industry Co Ltd
Priority to JP2008310172A priority Critical patent/JP2010133496A/ja
Publication of JP2010133496A publication Critical patent/JP2010133496A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Sealing (AREA)

Abstract

【課題】摺動部に形成される、液体により構成される相及び気体により構成される相の安定化を図った摺動部品を提供する。
【解決手段】相対的に回転し、かつ平面状の端面同士が摺動する第1摺動部品100及び第2摺動部品のうちの一方を構成する第1摺動部品100において、前記2部品が相対的に回転する際に、該2部品の摺動部に回転中心の周りを周回するように形成される、液体により構成される相及び気体により構成される相のうち、少なくともいずれか一方を位置決めせしめるように、摺動面に複数のディンプル101が配置されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばメカニカルシールに用いられる摺動部品に関するものである。
被密封流体の漏れを防止(抑制)する密封装置として、相対的に回転し、かつ平面状の端面同士が摺動するように構成された2部品からなるもの(例えば、メカニカルシール)が知られている。このような密封装置において、良好な密封状態を長期に亘って維持するためには、2部品における各摺動面間に、被密封流体による流体潤滑膜を形成させることで、摩耗や面荒れなどを防止(抑制)する必要がある。このように、密封性を長期的に維持させるためには、「密封」と「潤滑」という、相反する条件を両立させなければならない。
特に、近年においては、環境対策などのために、被密封流体の漏れ防止を図りつつ、機械的損失を低減させるべく、より一層、低摩擦化の要求が高まってきている。
一般的なメカニカルシールのように、2部品の各摺動面が平滑面で構成される場合、摺動面間には、被密封流体による膜だけでなく、流体中に発生したキャビテーションによる相が形成されることが知られている(非特許文献1参照)。すなわち、摺動面間には、液体(被密封流体)により構成される相(以下、液相と称する)と、気体により構成される相(以下、気相と称する)が形成される。
摺動面間に形成されるこれらの相は、2部品の相対的な回転が定常的であるにもかかわらず、非常に不安定な挙動を示すことを確認している。これについて、図24を参照して説明する。図24は一定速度で相対的に回転する2部品の摺動面間に形成される液相及び気相の挙動の一例を示したものである。
図中、E30で示す領域が液相であり、その他の領域が気相である。また、図24において、(A)(B)(C)は、2部品が一定速度で相対的に回転(2部品のうちの一方が回転し、他方は静止)している際に、異なるタイミングの状態を模式的に示したものである。なお、図中の矢印は一方の部品の回転方向を示している。
この図から、時間経過に伴い、液相と気相の混在状態が複雑に変化することが分かる。また、瞬間的に、摺動面全体を気相が覆い、摺動面同士が直接接触したと考えられる摩擦係数の増加も確認された。このような現象は、平滑面により構成される摺動面においては、摺動面間の流体による膜(相)を保持し、安定させる機構や構造を有していないことが原因であると推測される。
また、摺動部品の潤滑性の向上を目的として、摺動面上に微小穴や窪みを施したものが知られている(特許文献1参照)。
図15は従来例に係る摺動部品の摺動面の一部を示す平面図である。図示のように、摺動部品500における摺動面に、複数のディンプル501が設けられている。これら複数のディンプル501の形状や配列によって流体力学的な動的潤滑膜(被密封流体による膜)が形成され、また、ディンプル501から潤滑液(被密封流体)が供給される。このように、従来、摺動部品500における摺動面に、複数のディンプル501を設けることによって、摺動面に潤滑液(被密封流体)による膜を安定的に形成させ、摺動摩耗の抑制効果の向上を狙っていた。
しかしながら、ディンプル等の微小穴によって、被密封流体を摺動面に供給し、被密封流体による膜の形成を助長するということは、反面、密封性能を低下させる結果を齎すことになる。そのため、シール本来の機能を損なう虞がある。シール性能を維持するためには、漏れ方向、すなわち摺動面における径方向への被密封流体の流れを遮断しなければならない。しかし、上記のような従来例に係る摺動部品は、そのような流れを遮断する機構や構造を備えていない。
Hamilton,Walowit,Allen : A. S. M. E. Paper No. 65−Lub−11(1965) 特許第3026252号公報
本発明の目的は、摺動部に形成される、液体により構成される相及び気体により構成される相の安定化を図った摺動部品を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の摺動部品は、
相対的に回転し、かつ平面状の端面同士が摺動する2部品のうちの一方を構成する摺動部品において、
前記2部品が相対的に回転する際に、該2部品の摺動部に回転中心の周りを周回するように形成される、液体により構成される相(以下、液相と称する)及び気体により構成される相(以下、気相と称する)のうち、少なくともいずれか一方を位置決めせしめるように、摺動面に複数のディンプルが配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、2部品の摺動部に、2部品の回転中心の周りを周回するように形成される液相及び気相のうち、少なくともいずれか一方が位置決めされる。これにより、位置決めされた相は、流体の移動(位置決めされた液相を気体が通り抜ける移動、及び位置決めされた気相を液体が通り抜ける移動)を阻止する機能を発揮する。従って、液相が、摺動部から消失してしまうことを抑制でき、摺動面には安定的に液体による膜(潤滑膜)が形成され、摺動摩耗を抑制することができる。また、摺動部品がメカニカルシールなどの密封装置を構成する部品である場合には、被密封流体の漏れを抑制することができる。
前記複数のディンプルは、流体力学的動圧発生作用が生じない(本発明においては、当該動圧発生作用が全く生じない場合のほか、生じたとしても無視できる程度のものも含む)深さに設定されており、
これらのディンプルは、回転方向に対して隣り合う2つのディンプルのうち回転方向の上流側のディンプル内に静止時に封じ込められていた液体又は気体が、摺動時に回転方向の下流側に形成する膜の範囲内に、前記2つのディンプルのうち回転方向の下流側のディンプルが存在する位置関係となるように配置されているとよい。
これにより、各ディンプルを繋ぐように、液体又は気体の膜が形成されるので、2部品の摺動部に、2部品の回転中心の周りを周回するように形成される液相及び気相のうち、少なくともいずれか一方が位置決めされる。
前記複数のディンプルは、前記2部品の回転中心に中心点を有する仮想円周上に並ぶように配置されているとよい。
これにより、環状に、液相または気相が位置決めされる。従って、この位置決めされた環状の液相または気相が、流体の径方向への移動を阻止する機能を発揮する。
前記複数のディンプルは、前記2部品の回転中心に中心点を有する、径の異なる複数の仮想円周上に、それぞれ複数並ぶように配置されているとよい。
これにより、液相と気相が同心的に複数形成される。従って、摺動面に安定的に液体による膜が形成され、かつ液体の径方向への移動を抑制することができる。
前記複数のディンプルは、前記2部品の回転方向に周回する仮想的な渦巻き線上に並ぶように配置されているとよい。
これにより、渦巻状に、液相及び気相が形成される。また、回転方向に応じて、液体が渦巻き形状に沿って流れるポンピング作用を生じさせることができる。従って、摺動部品がメカニカルシールなどの密封装置を構成する部品である場合には、被密封流体を密封領域側に戻すようにポンピング作用を生じさせることで、密封性能をより高めることができる。
前記複数のディンプルは、摺動面のうちの限られた領域内に設けられるとよい。
すなわち、流体力学的動圧発生作用が生じないディンプルを複数設けると、荷重支持領域が減少するため、かかるディンプルを配置する領域を摺動面のうちの限られた領域とすることで、荷重支持領域を確保することが可能となる。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、摺動部に形成される、液体により構成される相及び気体により構成される相の安定化を図ることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1〜図16を参照して、本発明の実施例1に係る摺動部品について説明する。なお、本実施例においては、メカニカルシールを構成する部品が摺動部品である場合を例にして説明する。
<メカニカルシール>
図1を参照して、本発明の実施例に係る摺動部品が適用されるメカニカルシールについて説明する。図1は本発明の実施例に係るメカニカルシールの使用状態を示す模式的断面図である。
メカニカルシール10は、回転軸300と、回転軸300が挿通されるハウジング400との間の環状隙間に密封された液体(被密封流体)Mの漏れを防止するために設けられる。このメカニカルシール10は、ハウジング400の内周側に固定される環状の第1摺動部品100と、回転軸300に固定される環状の第2摺動部品200とから構成される
。回転軸300の回転に伴って第2摺動部品200も回転するため、第1摺動部品100と第2摺動部品200は相対的に回転する。また、第1摺動部品100における図中右側の平面状の端面と、第2摺動部品200における図中左側の端面が摺動するように構成されており、これら端面同士の摺動部によって、密封された液体Mの漏れを防止している。
ここで、背景技術の中でも説明したように、第1摺動部品100における摺動面と第2摺動部品200における摺動面との間には、液体(被密封流体)により構成される相(以下、液相と称する)と、気体により構成される相(以下、気相と称する)が形成される。これは、摺動時に、液体中にキャビテーションが発生するためである。なお、キャビテーションは、主に雰囲気気体によって構成される気泡や、液体中に溶解していたものが析出された気体や、液体の蒸気などにより構成される。
本実施例に係るメカニカルシール10は、第1摺動部品100における摺動面と第2摺動部品200における摺動面との間に形成される液相と気相の挙動が安定的になる(半径方向への移動が規制される)ように構成されている。以下、これについて、詳細に説明する。
<第1摺動部品>
図2及び図3を参照して、第1摺動部品100の構成について説明する。図2は本発明の実施例1に係る摺動部品(第1摺動部品)の平面図である。図3は本発明の実施例1に係る摺動部品(第1摺動部品)の一部拡大図である。なお、図3は図2中X部分の拡大図である。
第1摺動部品100における摺動面には、複数のディンプル101が設けられている。なお、ディンプル101は、例えば、市販されているレーザ加工機を用いて簡単に形成することができる。第1摺動部品100の材質については、特に限定されるものではないが、レーザ加工によってディンプル101を形成する場合には、レーザ加工に適した材料を用いるのがよい。また、ディンプル101の加工方法については、レーザ加工に限らず、フォトエッチング処理やサンドブラストなどを適用することもできる。
そして、本実施例においては、複数のディンプル101は、第1摺動部品100と第2摺動部品200との相対的な回転中心に中心点Oを有する、径の異なる複数の仮想円周C1,C2,C3,C4上に、それぞれ並ぶように配置されている。なお、第1摺動部品100と第2摺動部品200の相対的な回転中心は、第2摺動部品200の回転中心である、回転軸300の中心軸線上にある。また、各仮想円周上において、各ディンプル101は等間隔に並ぶように配置されている。
このように配置された複数のディンプル101によって、所定の条件下において、第1摺動部品100における摺動面と第2摺動部品200における摺動面との間に形成される液相と気相の挙動を安定させる(移動を規制する)ことができる。
複数のディンプル101によって、液相と気相の挙動が安定的になるメカニズムについては、以下に詳細に説明する。なお、ディンプル101の形状や大きさについては、液相及び気相の挙動を安定させることができるものであれば、特に限定されるものではない。ディンプル101の形状の例としては、円,楕円,矩形を挙げることができる。
ディンプル101の深さについては、その幾何学的形状に起因した流体力学的動圧発生作用が生じない程度(あるいは生じたとしても無視できる程度)に深いのが望ましい。これについては、上記のメカニズムに深く関わるものであり、メカニズムの説明の中で、より詳細に説明する。なお、ディンプル101の深さが深すぎると、ディンプル101の内
部容積が大きくなり、液相と気相を安定的に形成させるために必要な液体や気体の量が多くなってしまうので、あまり深すぎないように適度な深さにするのが望ましい。
また、ディンプル101の回転方向の配置(回転方向に対して隣り合うディンプル101間の間隔)については、上記のメカニズムに深く関わるものであり、メカニズムの説明の中で説明する。
<メカニズム>
図4及び図5を参照して、複数のディンプル101によって、液相と気相の挙動が安定的になるメカニズムについて説明する。図4及び図5は本発明の実施例1に係る摺動部品(第1摺動部品)における摺動面の様子を模式的に示す平面図である。
ディンプル101の形状や大きさ(特に深さ)を所定の条件を満たすようにし、かつ、複数のディンプル101を所定の条件を満たすよう配置することによって、複数のディンプル101に沿って、液相または気相を位置決めすることができることが分かった。より具体的には、回転前の状態で、ディンプル101に気泡が満たされていた場合には、ディンプル101に沿って気相を保持することができ、ディンプル101に液体(被密封流体)が満たされていた場合には、ディンプル101に沿って液相を保持することが可能であることが分かった。
かかるメカニズムについて、以下に詳しく説明する。ただし、このメカニズムは、実際の観察に基づいて考察を加えた結果導き出されたものである。
図4は、回転前の状態で、ディンプル101に気泡が満たされていた場合において、回転開始直後の第1摺動部品100の摺動面の様子を模式的に示したものである。図中の矢印は、第2摺動部品200の回転方向を示している。
図示のように、2部品が回転すると、ディンプル101内に満たされていた気泡によって、気体による膜Fを形成する。この膜Fは、ディンプル101から第2摺動部品200の回転方向の下流側に向かって尾を伸ばすように形成される。
図5は、所望の回転速度で第2摺動部品200が一定の速度で回転している際の第1摺動部品100の摺動面の様子を模式的に示したものである。図中の矢印は、第2摺動部品200の回転方向を示している。
図示のように、仮想円周上に並ぶように配置されたディンプル101に沿って、それぞれ環状の気相K11、K12,K13が形成され、これら以外の部分には環状の液相E11,E12,E13,E14が形成された。そして、これらの気相K11,K12,K13及び液相E11,E12,E13,E14は挙動が安定しており、これらの相は径方向に移動してしまわないことを確認できた。
また、回転前の状態で、ディンプル101に液体(被密封流体)が満たされていた場合には、仮想円周上に並ぶように配置されたディンプル101に沿って環状の液相が形成され、これら以外の部分には環状の気相が形成されることが確認できた。また、この場合も、気相と液相は挙動が安定しており、これらの相は径方向に移動してしまわないことが確認できた。
以上の観察結果から、一定条件下においては、各ディンプル101は、回転前にそれぞれ内部に満たされていた流体(気泡または液体)が形成する膜を保持する作用を有すると考えられる。そして、あるディンプルによって保持する膜の領域内に、他のディンプルが
存在するように複数のディンプルを配置させることで、複数のディンプルに沿って気相や液相を位置決めすることができると考えられる。
これについて、図5中、隣り合う2つのディンプル101a,101bを例にして、より詳しく説明する。ディンプル101aは回転方向の上流側に位置し、ディンプル101bは回転方向の下流側に位置する。上流側のディンプル101a内に静止時に封じ込められていた液体又は気体(ここでは気体(気泡))が、摺動時に回転方向の下流側に形成する膜の範囲X内に、ディンプル101bが存在する。従って、2つのディンプル101a,101bを繋ぐように、気相が形成される。
以上のことから、2部品の回転中心に中心点を有する仮想円周上に複数のディンプル101を等間隔に配置することで、環状の気相または液相がディンプル101に沿って形成され、気相または液相を位置決めすることができる。
ここで、ディンプルが、回転前にそれぞれ内部に満たされていた流体が形成する膜を保持する作用を持たせるためには、ディンプルによってはキャビテーションを形成することなく、ディンプルの部位に生じる圧力変動が小さいことが重要であると考えられる。すなわち、ディンプル101を、流体力学的動圧発生作用が生じない(生じたとしても無視できる程度のものも含む)ように構成することが重要であると考えられる。以下、この点について詳しく説明する。
<流体力学的動圧発生作用>
図6及び図7を参照して、流体力学的動圧発生作用について詳しく説明する。図6及び図7は流体力学的動圧発生作用について説明する説明図である。
<<摺動時にディンプルには圧力変動が生じる>>
平行な二面が流体を介して流体潤滑状態において摺動しているモデルを考える。このとき、二面のうち一方の面は固定面とする。また流体は非圧縮性のニュートン流体とし、定常状態で摺動しているとする。この二面間に摺動により生じる圧力分布は,下記の定常状態におけるReynolds方程式により計算できる(山本・兼田:トライボロジー,工学社 (1998) 72−74, ISBN4−8445−2146−2)。
式1
Figure 2010133496
なお、この式中、rは円筒座標系の半径方向座標であり、θは円筒座標系の円周方向座標であり、hは隙間高さであり、ηは流体粘度であり、pは圧力であり、ωは回転角速度である。
この式において、左辺は圧力分布を決定し、右辺はくさび作用を示している。このとき伸縮作用は生じないとし、またスクイズ作用は定常状態の仮定より考慮しない。
今、固定面側である第1摺動部品100にディンプル101を設けた場合、ディンプル101の部分には図6に示すような圧力変動が生じる。なお、図6中の矢印は第2摺動部品200の回転方向を示している。また、第1摺動部品100と第2摺動部品200の下部には、これらの摺動部分における圧力分布を示している。圧力分布を示す図におけるP0は大気圧である。
第1摺動部品100におけるディンプル101が設けられた付近においては、圧力変動が生じる。この圧力変動はくさび作用によるものである。すなわち、摺動面間の流体がディンプル101に差し掛かると、ディンプル101の入口(図6中A部)において隙間が拡大するため、負圧が発生する。次に、ディンプル101の出口(図6中B部)においては逆に隙間が狭まるため、正圧が発生する。
<<負圧部にキャビテーションが発生し、圧力分布の非対称性が生じることで、流体力学的動圧発生作用が得られる>>
平行二面間に設置されたディンプルの場合、ディンプル部における圧力分布の積分値はゼロとなり、このままではディンプルによる負荷能力の向上、つまり流体力学的動圧発生作用は得られないことになる。しかしながら、実際は、負圧が大気圧以下のある圧力になると、流体中に溶解している気体や流体自体の蒸気、あるいは気泡の巻き込み等によりキャビテーションが形成される(山本・兼田:トライボロジー, 理工学社 (1998) 8
4, ISBN4−8445−2146−2)。このとき、キャビテーション領域の圧力
は、キャビテーション発生圧力で均一となり、負圧はキャンセルされる。このキャビテーション発生によるディンプル部の圧力分布の非対称性により、ディンプル部の圧力分布の積分値が正の値となり、負荷能力が生じることとなる。
このように、ディンプルにより負荷能力を得るためには、ディンプルによる圧力変動(条件1)とキャビテーションの形成による圧力分布の非対称性(条件2)が必要である。その上で圧力分布の積分値が有意な負荷容量となること(条件3)、という3つの条件が必要となる。このキャビテーションが発生する圧力は、流体の種類や流体中に溶解している気体の量、流体の温度などにより変化する。鉱油においては−0.9気圧近くになるという報告がある(和泉・遠藤・森田:トライボロジー会議2006 春 東京 予稿集 2006−5, 281)。
<<圧力変動の絶対値はディンプル深さが深い程小さい>>
摺動によりディンプル部に発生する圧力の最大/最小値の絶対値の大きさは、ディンプルの形状や直径(隙間形状),ディンプルの配置,摺動速度,流体の粘度等により異なる。仮にディンプル形状を図1に示すようなSIN波とし、ディンプル深さのみを変化させたとき、発生する圧力の最大/最小値の絶対値は、ディンプル深さが深い程小さくなる(図7参照)。なお、図7において、d1,d2,d3はディンプル深さを変えたときのディンプルの表面に位置を示しており、その下部の圧力分布図において、d1,d2,d3は各ディンプルに対応する圧力分布を示している。また、圧力分布を示す図中、P0は大気圧を示し、P1はキャビテーション発生圧力を示している。
<<ディンプル深さが深いとキャビテーション圧力以下の負圧が生じず、流体力学的動圧発生作用が得られない>>
ディンプル深さが深いほど、発生する圧力の最大/最小値の絶対値が小さくなる。そのため、発生した負圧がキャビテーション発生圧力P1より高い場合、ディンプル部においては、キャビテーションは発生しない。その結果、ディンプル部の圧力分布の対称性が保持され、流体力学的動圧発生作用が得られない結果となる(図7中、d1)。つまり、上述した条件2が不成立となる。この場合は、確実に「流体力学的動圧発生作用が得られない」条件となる。
<<あるディンプルが「流体力学的動圧発生作用が生じる」ように設定されているかどうかを判断する方法>>
上述のように、ディンプルの「流体力学的動圧発生作用が生じる」条件として、3つの条件が必要となる。しかしながら、実際にはキャビテーション発生圧力が分からないため
、条件2の判断は難しい。また、条件3を厳密に計算するためには、まずキャビテーション発生圧力を仮に設定した上でキャビテーション領域がディンプルに対してどの程度の範囲となるのかを計算し、次に圧力分布を計算し、最後に負荷容量を計算する、という手順が必要となり、キャビテーション圧力の仮定が必要な上計算過程が煩雑である。
そこで、簡易的な方法として、キャビテーション圧力を最も負荷能力が得られやすい大気圧と仮定し、キャビテーション領域の境界条件として負圧部分をそのままキャビテーション圧力に置き換えるというGumbel(なお、「u」は正しくはウムラウト)の条件(Half−Sommerfeld条件)(山本・兼田:トライボロジー, 理工学社 (1998) 83, ISBN4−8445−2146−2)を適用し、条件3を判断する方法が一般的である。
この方法は、キャビテーション領域における流量の保存を考慮していないため、実際とは異なる条件である。このため、ディンプルの形状によっては、実際には流体力学的動圧発生作用が無視できるディンプル深さであっても、この判別方法により流体力学的動圧発生作用が生じる、という判別結果となる可能性もある。
従来技術において流体力学的動圧発生作用が生じるディンプルの理論付けとしては、上記の簡易的な方法を用いている報告が多い。
以上のように、ディンプル101を、流体力学的動圧発生作用が生じない(生じたとしても無視できる程度のものも含む)ように構成することで、ディンプルの部位に生じる圧力変動は小さくなる。これにより、ディンプルが、回転前にそれぞれ内部に満たされていた流体が形成する膜を保持する作用を持たせることができると考えられる。
<本実施例の優れた点>
本実施例に係る摺動部品(第1摺動部品100)によれば、2部品(第1摺動部品100及び第2摺動部品200)の摺動部に、2部品の回転中心の周りを周回するように形成される液相E11,E12,E13,E14及び気相K11,K12,K13が位置決めされる。これにより、これらの位置決めされた相は、気液界面を安定して形成することにより、流体の径方向への移動を阻止する機能を発揮する。従って、液相が、摺動部から消失してしまうことを抑制でき、摺動面には安定的に液体による膜(潤滑膜)が形成され、摺動摩耗を抑制することができる。また、本実施例では、第1摺動部品100と第2摺動部品200によってメカニカルシール10を構成しており、被密封流体の漏れを抑制することができる。
<<本実施例に係る摺動部品と比較例に係る摺動部品との評価試験結果>>
図8〜図16を参照して、本実施例に係る摺動部品と比較例に係る摺動部品との評価試験結果について説明する。
図8において、上側の2つの表は、摺動面の状態を観察すると同時に、摩擦係数の変化を測定する評価試験における端面形状緒元と試験条件を示したものである。より具体的には、固定側である第1摺動部品100としてSiC製のシールリングを用い、回転側である第2摺動部品200として、透過材であるオプティカルフラットを用いた。そして、透過材で構成された第2摺動部品200を介して摺動面の様子を観察すると共に、摩擦係数の変化を測定した。
本実施例に係る第1摺動部品100として、4つの仮想円周上に、それぞれ円周方向に360個のディンプル101が配置されたものを用いて試験を行った。また、各ディンプル101は、深さが40μm,径が70μmの円形のもので構成した。このように構成さ
れた第1摺動部品100を用いて、第2摺動部品200を500rpmで回転させた場合の摩擦係数の経時変化を示したのが図9である。なお、この図においては、ディンプル101に沿って気相が形成される場合の結果を示したものである。図9は本発明の実施例1に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。
この図から、摩擦係数は安定していることが分かる。また、図10は本発明の実施例1に係る摺動部品における摺動面上の液相及び気相の挙動を示したものである。なお、図中左上の数字の小さなものから順に所定時間が経過した毎の摺動面の様子を示している。このように、摺動面の観察の結果、摺動面には気相と液相が安定的に形成され、被密封流体である液体の径方向への移動が抑制されることも確認できた。
図8において、下側の2つの表は、シール性能を評価するための試験における端面形状緒元と試験条件を示したものである。ここでは、回転側である第2摺動部品200として、SiC製の緻密材からなるものを用いている。この試験においては、被密封流体の漏洩量と試験後の第1摺動部品100の摩耗量を測定した。その測定結果を示したのが、図11である。図11は本発明の実施例1に係る摺動部品におけるシール性能試験結果を示す表である。この結果、優れたシール性能が発揮され、かつ低摩耗を実現できることを確認できた。
また、本実施例に係る第1摺動部品100として、3つの仮想円周上に、それぞれ円周方向に360個のディンプル101が配置されたものを用いて、ディンプル101に沿って液相を形成させた場合においても、同様に試験を行った。なお、各ディンプル101は、上記の場合と同様に、深さが40μm,径が70μmの円形のもので構成した。このように構成された第1摺動部品100を用いて、第2摺動部品200を500rpmで回転させた場合の摩擦係数の経時変化を示したのが図12である。図12は本発明の実施例1に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。
この場合においても、摩擦係数は安定していることが分かる。また、上記の場合と同様に、摺動面の観察の結果、摺動面には気相と液相が安定的に形成され、被密封流体である液体の径方向への移動が抑制されることも確認できた。
また、比較例1として、ディンプルを設けていない第1摺動部品を用いて、上記と同じ試験を行った。なお、上記実施例1に係る第1摺動部品と比較例1に係る第1摺動部品との相違点は、ディンプルの有無のみである。
図13は比較例1に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。また、図14は比較例1に係る摺動部品におけるシール性能試験結果を示す表である。
図13に示すように、比較例1の場合には、摩擦係数が安定せず、不安定であることが分かる。また、比較例1の場合には、気相と液相の挙動が不安定に移動する様子も確認できた。比較例1の場合には、気相と液相の挙動が不安定であり、液相である流体潤滑膜の幅の割合が時間経過と共に変化することで、摩擦係数が振動的に変化するものと考えられる。また、図14から被密封流体の漏洩量や第1摺動部品の摩耗量も本実施例の場合と比べて劣ることが分かる。
また、比較例2として、図15に示す従来例に係る摺動部品についても、図8の下側の表に示す条件下で、シール性能を評価する試験を行った。なお、試験を行った摺動部品に設けられたディンプルは、短径(幅)が50μm、長径(長手方向の長さ)が200μm、深さが12μmに設定した。なお、図15中摺動方向は右から左方向である。その結果
を示したのが図16である。図16は比較例2に係る摺動部品におけるシール性能試験結果を示す表である。この結果から、本実施例の場合に比べて、シール性能が劣ることが分かる。
(実施例2)
図17〜図21には、本発明の実施例2が示されている。上記実施例1では、複数のディンプルを仮想円周上に並ぶように配置する場合の構成について示した。本実施例では、複数のディンプルを仮想的な渦巻き線上に並ぶように配置する場合の構成について示す。複数のディンプルの配置以外の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については、適宜、その説明は省略する。
図17は本発明の実施例2に係る摺動部品(第1摺動部品)の平面図である。図18は本発明の実施例2に係る摺動部品(第1摺動部品)の一部拡大図である。なお、図18は図17中X部分の拡大図である。図19は本発明の実施例2に係る摺動部品(第1摺動部品)における摺動面の様子を模式的に示す平面図である。
本実施例においても、第1摺動部品110における摺動面には、複数のディンプル111が設けられている。そして、本実施例の場合には、複数のディンプル111は、2部品の回転方向に周回する仮想的な渦巻き線U上に並ぶように配置されている。
すなわち、上記の通り、一定条件下においては、ディンプルによって、回転前にその内部に満たされていた流体(気泡または液体)が形成する膜を保持する作用を有すると考えられる。そして、この膜は回転方向の下流側に向かって尾を伸ばすように形成される。ここで、この膜はディンプルの径分の幅を持っている。従って、回転方向に隣り合う2つのディンプルにおいて、これらのディンプルが仮想円周上になくても、下流側のディンプルが上流側のディンプルが保持する膜の範囲内にあれば、2つのディンプルを繋ぐように、気相や液相が形成されることが分かった。なお、ディンプルを、流体力学的動圧発生作用が生じない(生じたとしても無視できる程度のものも含む)ように構成することが重要であることに関しては、上記実施例1で説明した通りである。
以上のことから、仮想的な渦巻き線U上に、複数のディンプル111を配置することによって、これらのディンプル111に沿うように、渦巻状の気相K20及び液相E20を位置決めさせることができる(図19参照)。
従って、上記実施例1の場合と同様に、気相と液相を安定的に形成させることができ、これらの位置決めされた相は、連続した気液界面を安定して形成することにより、流体の移動(気体が液相を通り抜ける移動、及び液体が気相を通り抜ける移動)を阻止する機能を発揮する。従って、液相が、摺動部から消失してしまうことを抑制でき、摺動面には安定的に液体による膜(潤滑膜)が形成され、摺動摩耗を抑制することができる。また、本実施例においても、第1摺動部品110はメカニカルシールの構成部品であり、被密封流体の漏れを抑制することができる。
そして、本実施例の場合には、被密封流体である液体が、位置決めされた気相に沿うように移動するポンピング作用が生じることが分かった。すなわち、図19において、矢印Sは第2摺動部品200の回転方向を示しており、液相E20中の液体が回転方向に向かうように移動することが分かった。
従って、第2摺動部品200の相対的な回転方向と、被密封流体が密封されている領域が内周側であるか外周側であるかに応じて、複数のディンプル111が配置される仮想的な渦巻き線の渦の方向を設定することで、被密封流体を密封領域側に戻すことが可能とな
る。例えば、図19に示す例の場合には、外周側が密封領域であり、被密封流体である液体Mをポンピング作用によって、密封領域に戻すことが可能となる。
また、本実施例2に係る第1摺動部品110においても、上記実施例1の場合と同様の試験(右上表の回転数が500rpmではなく300rpmであること以外は、図8に示す表と同じ試験)を行った。本実施例2に係る第1摺動部品110として、1周につき360個のディンプル111を8本渦巻状に配置させたものを用いた。また、各ディンプル111は、深さが40μm,径が70μmの円形のもので構成した。このように構成された第1摺動部品110を用いて、第2摺動部品200を300rpmで回転させた場合の摩擦係数の経時変化を示したのが図20である。なお、この図においては、ディンプル111に沿って気相が形成される場合の結果を示したものである。図20は本発明の実施例2に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。
この図から、摩擦係数は安定していることが分かる。また、摺動面の観察の結果、摺動面には気相と液相が安定的に形成さることも確認できた。また、本実施例の場合には、ディンプル111が配置されている仮想的な渦巻き線に沿って液体が移動することが確認できた。なお、回転方向を変えることで、液体の移動方向が変わることも確認できた。
また、図21は本発明の実施例2に係る摺動部品におけるシール性能試験結果を示す表である。この結果から、被密封流体の漏洩量に関しては、上記実施例1の場合よりも少なく、より一層、シール性能を高めることができることが分かった。
(実施例3及び実施例4)
実施例1及び実施例2に示すディンプルは、上記の通り、流体力学的動圧発生作用を有していない。そのため、ディンプルの数を増やすほど、摺動面における荷重支持領域が減少するため、ディンプルの数を増やしすぎると、却って、摩擦係数が増えてしまうこともある。従って、ディンプルの数は、気相や液相の位置決めによって潤滑膜が安定的に形成され、かつ被密封流体の漏れ防止ができる範囲内で、極力少なくして、荷重支持領域を確保するのが望ましい。
例えば、図22や図23に示すように、上述した実施例1や実施例2に示した流体力学的動圧発生作用を有していないディンプルが配置される領域を一定範囲に限定し、それ以外の領域を、荷重支持領域や流体力学的動圧発生作用を有するディンプルの配置領域とすることも好適である。
図22は実施例3に係る摺動部品(第1摺動部品)の平面図である。
上記実施例1及び実施例2においては、流体力学的動圧発生作用を有していないディンプルを摺動面のほぼ全領域に配置する場合を示した。これに対し、本実施例に係る第1摺動部品130の場合には、内周側の限定された領域130X(網掛けした領域)にのみ、流体力学的動圧発生作用を有していない複数のディンプルが配置されている。なお、ディンプルの配置に関しては、上述した実施例1の場合、及び実施例2の場合のいずれを適用してもよい。
そして、本実施例に係る第1摺動部品130の場合には、外周側の領域130Yは、平滑面(ディンプルなど、表面に凹凸がない面)によって構成されている。これにより、この外周側の領域130Yによって荷重を支持することができるため、摺動状態を安定化させることができる。
また、図23は実施例4に係る摺動部品(第1摺動部品)の平面図である。
本実施例に係る第1摺動部品140の場合には、実施例3の場合と同様に、内周側の限定された領域140X(網掛けした領域)にのみ、流体力学的動圧発生作用を有していない複数のディンプルが配置されている。なお、ディンプルの配置に関しては、上述した実施例1の場合、及び実施例2の場合のいずれを適用してもよい。
そして、本実施例に係る第1摺動部品140の場合には、外周側の領域140Yに、流体力学的動圧発生作用を有する複数のディンプル141を設けている。これにより、この外周側の領域140Yによって、荷重を支持しつつ、より一層摩擦力の低減を図ることが可能となる。
図1は本発明の実施例に係るメカニカルシールの使用状態を示す模式的断面図である。 図2は本発明の実施例1に係る摺動部品の平面図である。 図3は本発明の実施例1に係る摺動部品の一部拡大図である。 図4は本発明の実施例1に係る摺動部品における摺動面の様子を模式的に示す平面図である。 図5は本発明の実施例1に係る摺動部品における摺動面の様子を模式的に示す平面図である。 図6は流体力学的動圧発生作用について説明する説明図である。 図7は流体力学的動圧発生作用について説明する説明図である。 図8は評価試験の内容を示す表である。 図9は本発明の実施例1に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。 図10は本発明の実施例1に係る摺動部品における摺動面上の液相及び気相の挙動を示したものである。 図11は本発明の実施例1に係る摺動部品におけるシール性能試験結果を示す表である。 図12は本発明の実施例1に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。 図13は比較例1に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。 図14は比較例1に係る摺動部品におけるシール性能試験結果を示す表である。 図15は従来例に係る摺動部品の摺動面の一部を示す平面図である。 図16は比較例2に係る摺動部品におけるシール性能試験結果を示す表である。 図17は本発明の実施例2に係る摺動部品の平面図である。 図18は本発明の実施例2に係る摺動部品の一部拡大図である。 図19は本発明の実施例2に係る摺動部品における摺動面の様子を模式的に示す平面図である。 図20は本発明の実施例2に係る摺動部品における経過時間と摩擦係数の変化を示すグラフである。 図21は本発明の実施例2に係る摺動部品におけるシール性能試験結果を示す表である。 図22は実施例3に係る摺動部品の平面図である。 図23は実施例4に係る摺動部品の平面図である。 図24は一定速度で相対的に回転する2部品の摺動面間に形成される液相及び気相の挙動の一例を示したものである。
符号の説明
10 メカニカルシール
100 第1摺動部品
101 ディンプル
101a,101b ディンプル
110 第1摺動部品
111 ディンプル
130 第1摺動部品
140 第1摺動部品
141 ディンプル
200 第2摺動部品
300 回転軸
400 ハウジング
C1,C2,C3,C4 仮想円周
E11,E12,E13,E14 液相
E20 液相
K11,K12,K13 気相
K20 気相
M 液体
U 仮想的な渦巻き線

Claims (6)

  1. 相対的に回転し、かつ平面状の端面同士が摺動する2部品のうちの一方を構成する摺動部品において、
    前記2部品が相対的に回転する際に、該2部品の摺動部に回転中心の周りを周回するように形成される、液体により構成される相及び気体により構成される相のうち、少なくともいずれか一方を位置決めせしめるように、摺動面に複数のディンプルが配置されていることを特徴とする摺動部品。
  2. 前記複数のディンプルは、流体力学的動圧発生作用が生じない深さに設定されており、
    これらのディンプルは、回転方向に対して隣り合う2つのディンプルのうち回転方向の上流側のディンプル内に静止時に封じ込められていた液体又は気体が、摺動時に回転方向の下流側に形成する膜の範囲内に、前記2つのディンプルのうち回転方向の下流側のディンプルが存在する位置関係となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の摺動部品。
  3. 前記複数のディンプルは、前記2部品の回転中心に中心点を有する仮想円周上に並ぶように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部品。
  4. 前記複数のディンプルは、前記2部品の回転中心に中心点を有する、径の異なる複数の仮想円周上に、それぞれ複数並ぶように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部品。
  5. 前記複数のディンプルは、前記2部品の回転方向に周回する仮想的な渦巻き線上に並ぶように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部品。
  6. 前記複数のディンプルは、摺動面のうちの限られた領域内に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の摺動部品。
JP2008310172A 2008-12-04 2008-12-04 摺動部品 Withdrawn JP2010133496A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008310172A JP2010133496A (ja) 2008-12-04 2008-12-04 摺動部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008310172A JP2010133496A (ja) 2008-12-04 2008-12-04 摺動部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010133496A true JP2010133496A (ja) 2010-06-17

Family

ID=42344971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008310172A Withdrawn JP2010133496A (ja) 2008-12-04 2008-12-04 摺動部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010133496A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013031530A1 (ja) * 2011-09-03 2013-03-07 イーグル工業株式会社 摺動部品
WO2014050920A1 (ja) * 2012-09-29 2014-04-03 イーグル工業株式会社 摺動部品
JP2016014469A (ja) * 2014-06-10 2016-01-28 Nok株式会社 密封装置
JPWO2016203878A1 (ja) * 2015-06-15 2018-03-29 イーグル工業株式会社 摺動部品
WO2019009345A1 (ja) * 2017-07-07 2019-01-10 イーグル工業株式会社 摺動部材
WO2020027102A1 (ja) * 2018-08-01 2020-02-06 イーグル工業株式会社 摺動部品
WO2021205555A1 (ja) 2020-04-07 2021-10-14 イーグル工業株式会社 摺動部品
WO2021205556A1 (ja) 2020-04-07 2021-10-14 イーグル工業株式会社 摺動部品
WO2021205554A1 (ja) 2020-04-07 2021-10-14 イーグル工業株式会社 摺動部品
US11708911B2 (en) 2017-10-03 2023-07-25 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding component
US11815184B2 (en) 2018-11-30 2023-11-14 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding component
US11821462B2 (en) 2018-08-24 2023-11-21 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding member
US11821521B2 (en) 2018-12-21 2023-11-21 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding component
US11892081B2 (en) 2019-07-26 2024-02-06 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding component
US11933405B2 (en) 2019-02-14 2024-03-19 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding component

Cited By (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013031530A1 (ja) * 2011-09-03 2013-03-07 イーグル工業株式会社 摺動部品
JPWO2013031530A1 (ja) * 2011-09-03 2015-03-23 イーグル工業株式会社 摺動部品
US9494239B2 (en) 2011-09-03 2016-11-15 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding parts
WO2014050920A1 (ja) * 2012-09-29 2014-04-03 イーグル工業株式会社 摺動部品
JPWO2014050920A1 (ja) * 2012-09-29 2016-08-22 イーグル工業株式会社 摺動部品
US9777840B2 (en) 2012-09-29 2017-10-03 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding component
JP2016014469A (ja) * 2014-06-10 2016-01-28 Nok株式会社 密封装置
JPWO2016203878A1 (ja) * 2015-06-15 2018-03-29 イーグル工業株式会社 摺動部品
WO2019009345A1 (ja) * 2017-07-07 2019-01-10 イーグル工業株式会社 摺動部材
KR20200008160A (ko) * 2017-07-07 2020-01-23 이구루코교 가부시기가이샤 슬라이딩 부재
CN110770456B (zh) * 2017-07-07 2021-11-09 伊格尔工业股份有限公司 滑动部件
CN110770456A (zh) * 2017-07-07 2020-02-07 伊格尔工业股份有限公司 滑动部件
JPWO2019009345A1 (ja) * 2017-07-07 2020-05-07 イーグル工業株式会社 摺動部材
KR102302877B1 (ko) * 2017-07-07 2021-09-17 이구루코교 가부시기가이샤 슬라이딩 부재
JP7086489B2 (ja) 2017-07-07 2022-06-20 イーグル工業株式会社 摺動部品
US11248706B2 (en) 2017-07-07 2022-02-15 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding member
US11708911B2 (en) 2017-10-03 2023-07-25 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding component
US11608897B2 (en) 2018-08-01 2023-03-21 Eagle Industry Co., Ltd. Slide component
WO2020027102A1 (ja) * 2018-08-01 2020-02-06 イーグル工業株式会社 摺動部品
US11821462B2 (en) 2018-08-24 2023-11-21 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding member
US11815184B2 (en) 2018-11-30 2023-11-14 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding component
US11821521B2 (en) 2018-12-21 2023-11-21 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding component
US11933405B2 (en) 2019-02-14 2024-03-19 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding component
US11892081B2 (en) 2019-07-26 2024-02-06 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding component
KR20220137090A (ko) 2020-04-07 2022-10-11 이글 고오교 가부시키가이샤 슬라이딩 부품
KR20220137729A (ko) 2020-04-07 2022-10-12 이글 고오교 가부시키가이샤 슬라이딩 부품
KR20220137730A (ko) 2020-04-07 2022-10-12 이글 고오교 가부시키가이샤 슬라이딩 부품
WO2021205555A1 (ja) 2020-04-07 2021-10-14 イーグル工業株式会社 摺動部品
WO2021205556A1 (ja) 2020-04-07 2021-10-14 イーグル工業株式会社 摺動部品
WO2021205554A1 (ja) 2020-04-07 2021-10-14 イーグル工業株式会社 摺動部品
US11994216B2 (en) 2020-04-07 2024-05-28 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding component
US11994217B2 (en) 2020-04-07 2024-05-28 Eagle Industry Co., Ltd. Sliding component

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010133496A (ja) 摺動部品
JP5518527B2 (ja) 摺動部品
JP6184970B2 (ja) 摺動部品
US11708911B2 (en) Sliding component
KR20200092400A (ko) 슬라이딩 부품
JP6279474B2 (ja) 摺動部品
JP6800089B2 (ja) しゅう動部品の製造方法
JP5995967B2 (ja) 摺動部品
JPWO2018092742A1 (ja) しゅう動部品
US20190170257A1 (en) Sliding component
JPWO2020162351A1 (ja) 摺動部品
JPWO2014050920A1 (ja) 摺動部品
JP2015140916A (ja) シール構造、及び回転機械
JPWO2020166589A1 (ja) 摺動部品
US9970478B2 (en) Sliding parts
JP7313788B2 (ja) 摺動部品
JPWO2019221231A1 (ja) シールリング
JP2012117659A (ja) 自動補償静圧ジャーナル軸受
JP7374573B2 (ja) 摺動部品
CN106122482A (zh) 一种低泄漏非接触机械密封端面结构
WO2020162352A1 (ja) 摺動部品
JP2020041636A (ja) ダンパ軸受及びダンパ
EP3051188A1 (en) Sliding component
RU178526U1 (ru) Опора ротора газотурбинного двигателя
WO2020194381A1 (ja) 軸受装置及び回転装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20120207