JP6184970B2 - 摺動部品 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば、メカニカルシール、軸受、その他、摺動部に適した摺動部品に関する。特に、摺動面に流体を介在させて摩擦を低減させるとともに、摺動面から流体が漏洩するのを防止する必要のある密封環または軸受などの摺動部品に関する。
摺動部品の一例である、メカニカルシールにおいて、密封性を長期的に維持させるためには、「密封」と「潤滑」という相反する条件を両立させなければならない。特に、近年においては、環境対策などのために、被密封流体の漏れ防止を図りつつ、機械的損失を低減させるべく、より一層、低摩擦化の要求が高まっている。低摩擦化の手法としては、回転により摺動面間に動圧を発生させ、液膜を介在させた状態で摺動する、いわゆる流体潤滑状態とすることにより達成できる。しかしながら、この場合、摺動面間に正圧が発生するため、流体が正圧部分から摺動面外へ流出する。軸受でいう側方漏れであり、シールの場合の漏れに該当する。
液体シールにおいては、気体より粘度が大きいため、平面同士であっても面の微小なうねりや粗さの凹凸等により動圧効果が得られる。このため、密封性能を優先した構造を採用することが多い。一方、密封と潤滑を両立させるために、漏れた液体を高圧側に引き戻す、ポンピング効果を有した機構もいくつか考案されている。たとえば、特許文献1には、回転リングの軸封面に流体を高圧室側へ移送するらせん溝が円周方向に複数設けられた発明が開示されている。
また、摺動部品に関する発明として、摺動面の被密封流体側に形成された吸込手段により、摺動面に被密封流体を導入し、この導入した被密封流体を摺動面に形成された径方向外周側及び径方向内周側の2つのディンプル部にダム部を介して被密封流体を蓄積すると同時に径方向内周側のディンプル部においてポンピングさせることにより、2つのディンプル部より径方向内周側に位置するシール面から被密封流体が漏洩するのを防止するようにした発明が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の発明では、シールなどの摺動面の内・外周に圧力差がある場合、圧力に対抗したポンピング作用が必要となり、圧力の大きさによっては流体を押し戻すことができない場合がある。このため、圧力差が小さい場合には漏れを防止することは可能であるが、圧力差が大きい場合には漏れ量は多くならざるを得ないという問題があった。
特開平8−277941号公報(第5頁、図6) 特開2005−180652号公報
一般的なメカニカルシールのように、2部品の各摺動面が平滑面で構成される場合、摺動面間には、被密封流体による膜だけでなく、流体中に発生したキャビテーションによる相が形成されることが知られている(Hamilton,Walowit,Allen : A. S. M. E. Paper No. 65−Lub−11(1965)参照)。すなわち、摺動面間には、液体(被密封流体)により構成される相(以下、液相と称する)と、気体により構成される相(以下、気相と称する)が形成される。
また、図1に示すように、摺動面Sに形成されたディンプルなどの窪み部分10には、キャビテーションに伴う筋状の流体の流れ20が生じることが一般的に知られている。
本発明は、摺動面に形成されたディンプルなどの窪み部分(本明細書においては「ディンプル」という。)内に発生するキャビテーションに伴う筋状の流体の流れを制御することにより、摺動面の内・外周の差圧の大きさに関係することなく漏れを防止できる摺動部品を提供することを目的とするものである。
〔原理〕
本発明者は、メカニカルシール等の摺動面におけるディンプルの流体潤滑作用に関する研究を行う中で、図2に示すように、摺動面に形成されたディンプルの底面に方向性をもった筋状の突起30を設置すると、ディンプル10内に発生するキャビテーション領域の筋状の流体の流れ20の方向を変更または制御することができるという知見を得た。これは、キャビテーション内部は液体と比較し粘性の十分に小さい気体で満たされるため、流動性がよく、キャビテーション内部の圧力は一定となり、摺動面の内・外周の差圧に関係することなく、キャビテーション内部の筋状流れが制御されると考えられるものである。
すなわち、ディンプル10の底面に方向性をもった筋状の突起30が存在する場合、筋状の突起30のエッジ部分40が幾何学的な障壁として気液界面に作用し、筋状の流体の流れ20が筋状の突起30上を通過する移動を妨げ、この結果、筋状の流体の流れ20は筋状の突起30のエッジ部分40に沿って一定程度移動し、キャビテーション内部の筋状流れが制御されると考えられるものである。
〔手段〕
上記目的を達成するため本発明の摺動部品は、第1に、一対の摺動部品の互いに相対摺動する一方側の摺動面にディンプルが設けられ、前記ディンプル内のキャビテーション形成領域には方向性を備えた筋状の突起が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、ディンプル内に発生するキャビテーションに伴う筋状の流体の流れを制御することができ、摺動面の内・外周の差圧の大きさに関係することなく漏れを防止できる。詳述すると、キャビテーション内部は液体と比較し粘性の十分に小さい気体で満たされるため、流動性がよく、キャビテーション内部の圧力は一定となり、摺動面の内・外周の差圧に関係することなく、キャビテーション内部の筋状流れが制御され、ディンプル内に方向性を備えた筋状の突起が存在する場合、該突起のエッジ部分が幾何学的な障壁として気液界面に作用し、筋状の流体の流れが突起上を通過する移動を妨げ、この結果、筋状の流体の流れは突起のエッジ部分に沿って一定程度移動するため、キャビテーション内部の筋状流れが制御され、漏れが防止されるものである。
また、本発明の摺動部品は、第2に、第1の特徴において、前記キャビテーション形成領域の少なくとも低圧流体側には前記方向性を備えた筋状の突起が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、方向性を備えた筋状の突起による筋状の流体の流れの制御は少なくともディンプルの低圧流体側では行われるので、低圧流体側への漏洩を防止することができる。
また、本発明の摺動部品は、第3に、第1または第2の特徴において、前記ディンプル内のキャビテーション形成領域以外の箇所には少なくとも高圧流体側に連通する連通溝が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、ディンプルの下流側の正圧が開放されるため、上流側の圧力が低下し、上流側においてキャビテーションが発生され易くなり、キャビテーション形成領域がディンプルの下流側の近くまで形成されることになり、キャビテーション形成領域による筋状の流体の流れの方向をより一層制御することが可能になる。また、正圧領域に流れ込んだ流体を高圧流体側に戻すことができる。
また、本発明の摺動部品は、第4に、第1または第2の特徴において、前記ディンプル内のキャビテーション形成領域に設けられる前記方向性を備えた筋状の突起は、その方向が前記ディンプルの摺動方向の中心を境に当該摺動面の摺動方向に対して対称となるように形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、相手側摺動面の回転方向が正逆の両方向の場合でも、当該摺動部品を交換をすることなく対応できる。
本発明は、以下のような優れた効果を奏する。
(1)一対の摺動部品の互いに相対摺動する一方側の摺動面にディンプルが設けられ、ディンプル内のキャビテーション形成領域には方向性を備えた筋状の突起が設けられていることにより、ディンプル内に発生するキャビテーションに伴う筋状の流体の流れを制御することができ、摺動面の内・外周の差圧の大きさに関係することなく漏れを防止できる。
(2)キャビテーション形成領域の少なくとも低圧流体側には方向性を備えた筋状の突起が設けられていることにより、該突起による筋状の流体の流れの制御は少なくともディンプルの低圧流体側では行われるので、低圧流体側への漏洩を防止することができる。
(3)ディンプル内のキャビテーション形成領域以外の箇所には少なくとも高圧流体側に連通する連通溝が設けられていることにより、ディンプルの下流側の正圧が開放されるため、上流側の圧力が低下し、上流側においてキャビテーションが発生され易くなり、キャビテーション形成領域がディンプルの下流側の近くまで形成されることになり、キャビテーション形成領域による筋状の流体の流れの方向をより一層制御することが可能になる。また、正圧領域に流れ込んだ流体を高圧流体側に戻すことができる。
(4)ディンプル内のキャビテーション形成領域に設けられる方向性を備えた筋状の突起は、その方向がディンプルの摺動方向の中心を境に当該摺動面の摺動方向に対して対称となるように形成されていることにより、相手側摺動面の回転方向が正逆の両方向の場合でも、当該摺動部品を交換をすることなく対応できる。
摺動面に形成されたディンプルに生じるキャビテーションに伴う筋状の流体の流れを説明する図である。 摺動面に形成されたディンプルの底面に方向性をもった筋状の突起を設置すると、ディンプル内に発生するキャビテーション領域の筋状の流体の流れの方向が変更されることを説明する図である。 本発明の実施例に係るメカニカルシールの一例を示す縦断面図である。 本発明の実施例1に係る摺動部品の摺動面を示したものであって、(a)はディンプルの形状が四辺形の場合を、また、(b)はディンプルの形状が円形の場合を示している。 (a)はディンプルの下流側の狭まり隙間(段差)からなる正圧発生機構を、(b)はディンプルの上流側の拡がり隙間(段差)からなる負圧発生機構を、説明するための図である。 本発明の実施例1に係り、ディンプルのキャビテーション形成領域の底面に方向性を備えた筋状の突起が設けられた場合の一例を示す要部の平面図である。 本発明の実施例2に係り、ディンプルのキャビテーション形成領域以外の箇所に高圧流体側等に連通する連通溝が設けられた場合の一例を示す要部の平面図である。 本発明の実施例3に係り、ディンプルのキャビテーション形成領域に設けられる方向性を備えた筋状の突起がディンプルの摺動方向の中心を境に当該摺動面の摺動方向に対して対称となるように形成された場合の一例を示す要部の平面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置などは、特に明示的な記載がない限り、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図3ないし図6を参照して、本発明の実施例1に係る摺動部品について説明する。
なお、本実施例においては、メカニカルシールを構成する部品が摺動部品である場合を例にして説明する。
図3は、メカニカルシールの一例を示す縦断面図であって、摺動面の外周から内周方向に向かって漏れようとする高圧流体側の被密封流体を密封する形式のインサイド形式のものであり、高圧流体側のポンプインペラ(図示省略)を駆動させる回転軸1側にスリーブ2を介してこの回転軸1と一体的に回転可能な状態に設けられた円環状の回転環3と、ポンプのハウジング4に非回転状態かつ軸方向移動可能な状態で設けられた円環状の固定環5とが、この固定環5を軸方向に付勢するコイルドウェーブスプリング6及びベローズ7によって、ラッピング等によって鏡面仕上げされた摺動面S同士で密接摺動するようになっている。すなわち、このメカニカルシールは、回転環3と固定環5との互いの摺動面Sにおいて、被密封流体が回転軸1の外周から大気側へ流出するのを防止するものである。
図4は、本発明の実施例1に係る摺動部品の摺動面を示したもので、図3の固定環5の摺動面にディンプルが形成された場合を例にして説明する。
図4(a)において、摺動面Sには四辺形のディンプル10が周方向に複数設けられている。ディンプル10は、高圧流体側及び低圧流体側とは連通しておらず、また、各ディンプル10は相互に独立して設けられている。ディンプル10の数、面積及び深さは、固定環5の直径及び面幅並びに高圧流体側と低圧流体側との差圧等の条件により最適な値に設定されるが、面積が大きく、深さの浅いディンプルの方が流体潤滑作用及び液膜形成の点で好ましい。
なお、図4(a)では、ディンプル10の形状は、内径側及び外径側の2つの片が固定環5の中心を中心とする円弧状をなし、周方向の上流側及び下流側の2つの片が直線である場合を示しているが、長方形、正方形、多角形でもよく、特に限定されない。
図4(b)には、ディンプル11が円形状の場合が示され、周方向に複数設けられている。図4(a)と同じく、ディンプル11は、高圧流体側及び低圧流体側とは連通しておらず、また、各ディンプル11は相互に独立して設けられている。ディンプル11は、径が大きく浅いものが好ましいが、ディンプル11の大きさ及び深さは、流体の粘度や作動させる速度や膜厚に依存するものであり、種々の条件を総合的に考慮して設計的に決定されるものであるため、一律に規定することは難しい。
ここで、図5を参照しながら、本発明におけるディンプルを設けた場合の正圧発生機構及び負圧発生機構について説明する。
図5(a)において、矢印で示すように、固定環5に対して回転環3が反時計方向に回転移動するが、固定環5の摺動面Sにディンプル10、11が形成されていると、該ディンプル10、11の下流側には狭まり隙間(段差)12が存在する。相対する回転環3の摺動面は平坦である。
回転環3が矢印で示す方向に相対移動すると、回転環3及び固定環5の摺動面間に介在する流体が、その粘性によって、回転環3の移動方向に追随移動しようとするため、その際、狭まり隙間(段差)12の存在によって破線で示すような動圧(正圧)が発生される。
図5(b)においては、矢印で示すように、固定環5に対して回転環3は反時計方向に回転移動するが、固定環5の摺動面Sには、ディンプル10、11が形成されていると、ディンプル10、11の上流側には拡がり隙間(段差)13が存在する。相対する回転環3の摺動面は平坦である。
回転環3が矢印で示す方向に相対移動すると、回転環3及び固定環5の摺動面間に介在する流体が、その粘性によって、回転環3の移動方向に追随移動しようとするため、その際、拡がり隙間(段差)13の存在によって破線で示すような動圧(負圧)が発生される。
このため、ディンプル10、11内の上流側には負圧が発生し、下流側には正圧が発生することになる。そして、上流側の負圧発生領域にはキャビテーションが発生する。
図6は、ディンプルのキャビテーション形成領域の底面に方向性を備えた筋状の突起が設けられた場合の一例を示す要部の平面図である。
固定環5の摺動面Sには四辺形のディンプル10が周方向に複数設けられ、ディンプル10は、高圧流体側及び低圧流体側とは連通しておらず、また、各ディンプル10は相互に独立して設けられている。
固定環5に対して相手側摺動面(回転環3の摺動面)が反時計方向に回転移動すると、ディンプル10の上流側にはキャビテーションが発生し、符号14で示すキャビテーション領域が形成される(以下、「キャビテーション形成領域14」という。)。そして、ディンプル10内のキャビテーション形成領域14には方向性を備えた筋状の突起15が設けられている。該方向性を備えた筋状の突起15の設けられる範囲は、キャビテーション形成領域14の全部でも一部でもよい。また、方向性を備えた筋状の突起15はディンプル10の底部に形成されるものであり、その幅及び高さは、特に限定されないが、先の課題を解決するための手段の(原理)の欄において説明したように、方向性を備えた筋状の突起15のエッジ部分が幾何学的な障壁として気液界面に作用し、筋状の流体の流れが方向性を備えた筋状の突起15上を通過する移動を妨げられるものであればよい。
また、筋状の突起15の方向性は、流体をどのように制御するかにより決められるものであり、図6においては、ディンプル10内の流体を高圧流体側に押し戻し、低圧流体側に漏洩させないようにするため、内径側から外径側に向かって反時計方向に傾斜している。先に説明したように、キャビテーション内部は液体と比較し粘性の十分に小さい気体で満たされ、流動性がよく、キャビテーション内部の圧力は一定となり、摺動面Sの内・外周の差圧に関係することなく、筋状の流れが制御されるものであるので、筋状の突起15が図6に示すような方向性を持った場合、キャビテーション形成領域14に設けられた筋状の突起15により、ディンプル10内の筋状の流体の流れは上流側の最初の筋状の突起15のエッジ部分に沿って一定程度移動し、次に、2番目の筋状の突起15のエッジ部分に沿って一定程度移動することを順次繰り返し、二重線で示すように、高圧流体側に押し戻されるように制御される。
なお、方向性を備えた筋状の突起15のピッチpは設計的に最適な値に設定されればよく、特に限定されない。
方向性を備えた筋状の突起15は、図6(a)に示されるものでは、ディンプル10内のキャビテーション形成領域14の低圧流体側から高圧流体側の径方向の全域に設けられているのに対し、図6(b)に示されるものでは、低圧流体側にのみ設けられている。図6(a)では、方向性を備えた筋状の突起15による筋状の流体の流れの制御はディンプル10の低圧流体側から高圧流体側の径方向の全域で行われるが、図6(b)では、方向性を備えた筋状の突起15による筋状の流体の流れの制御はディンプル10の低圧流体側で行われる。低圧流体側と高圧流体側との差圧が大きい場合には、図6(a)に示されるような方向性を備えた筋状の突起15が低圧流体側から高圧流体側の径方向の全域に設けられるものが望ましいが、低圧流体側と高圧流体側との差圧が小さい場合には、図6(b)に示されるような方向性を備えた筋状の突起15が低圧流体側にのみ設けられるものでも漏洩を防止できる。
なお、方向性を備えた筋状の突起15は、低圧流体側にのみ設けられる場合に限らず、高圧流体側にのみ、あるいは、径方向の中央にだけ設けられてもよく、要するに、差圧などの大きさに応じて、方向性を備えた筋状の突起15を設ける部分を適宜選択すればよい。
図7は、本発明の実施例2に係り、ディンプルのキャビテーション形成領域以外の箇所に高圧流体側等に連通する連通溝が設けられた場合の一例を示す要部の平面図である。
なお、図7において、実施例1の符号と同じ符号は実施例1と同じ部材を示しており、重複する説明は省略する。
図7(a)において、ディンプル10内の上流側においてはキャビテーション形成領域14が、またそれ以外の箇所、すなわち、下流側においては動圧が発生し、正圧領域16が形成されている。そして、正圧領域16には高圧流体側に連通する連通溝17が設けられている。連通溝17の深さはディンプル10の窪み深さと同じかそれ以上の深さである。また、連通溝17の幅は正圧を開放するために十分なものである。
ディンプル10の下流側の正圧領域16に、高圧流体側に連通する連通溝17が設けられると、ディンプル10の下流側の正圧が開放されるため、上流側の圧力が低下し、上流側においてキャビテーションが発生され易くなる。そのため、キャビテーション形成領域14がディンプル10の下流側の近くまで形成されることになり、キャビテーション形成領域14による筋状の流体の流れの方向をより一層制御することが可能になる。また、正圧領域16に流れ込んだ流体を高圧流体側に戻すことができる。
図7(b)では、正圧領域16には高圧流体側に連通する連通溝18が設けられている。この連通溝18は、正圧領域16の他、キャビテーション形成領域14の下流側の一部分とも連通している。このため、ディンプル10の下流側の正圧がより一層開放され、キャビテーション形成領域14による筋状の流体の流れの方向をより一層制御することができる。また、キャビテーション形成領域14の下流側の近くまで流れ込んだ流体及び正圧領域16に流れ込んだ流体を高圧流体側に戻すことができる。
図7(c)では、正圧領域16には高圧流体側に連通する連通溝17及び低圧流体側に連通する連通溝19が設けられている。このため、ディンプル10の下流側の正圧が低圧側の圧力近くまで開放されることになり、キャビテーション形成領域14による筋状の流体の流れの方向をより一層制御することができる。
なお、正圧領域16に流れ込んだ流体は低圧流体側に流され易いため、シール装置に本例を適用した場合、漏洩につながり好ましくないと考えられるが、軸受などの場合には多少の漏れは許容されるものであり、潤滑性能の向上にが見込まれるため、軸受を含む摺動部品全般においては適用可能である。
図8は、本発明の実施例3に係り、ディンプルのキャビテーション形成領域に設けられる方向性を備えた筋状の突起がディンプルの摺動方向の中心を境に当該摺動面の摺動方向に対して対称となるように形成された場合の一例を示す要部の平面図である。
なお、図8において、実施例1の符号と同じ符号は実施例1と同じ部材を示しており、重複する説明は省略する。
実施例1及び2に示した摺動部品では、回転方向が一方向の場合にしか適用できないが、実施例3では、回転方向が両方向の場合にも適用可能とするものである。
図8において、ディンプル10内のキャビテーション形成領域に設けられる方向性を備えた筋状の突起15、15’は、その方向がディンプル10の摺動方向の中心を通る半径線O−Oを境に当該摺動面の摺動方向に対して対称となるように形成されている。図6及び図7では、キャビテーション形成領域14はディンプル10の上流側から半分以上に亘って形成されるように設定されているが、図8(a)では、キャビテーション形成領域14はディンプル10の上流側の半分程度しか形成されないように設定され、相手摺動面の回転方向が時計方向に逆転した場合でも、キャビテーション形成領域14はディンプル10の上流側の半分程度に形成されるように設定されている。例えば、ディンプル10の周方向の長さを大きくするとか、ディンプル10の深さを浅くして負圧発生領域を周方向に短く形成するように設定するのも1つの手法である。また、図8(b)に示すように、キャビテーション形成領域14が半径線O−Oより下流側に延長して形成されたとしても、上流側において外径方向に制御された筋状の流体の流れは下流側の反対の方向性を持った筋状の突起15’の上を通ることがないため、筋状の流体の流れの制御に影響はなく、所望の制御ができる。
図8の場合、ディンプル10の上流側の約半分ではキャビテーション形成領域14が形成され、下流側の約半分では正圧領域16が形成されることになり、キャビテーション形成領域14における方向性を備えた筋状の突起15は流体の筋状の流れを高圧流体側に向かうように作用するが、正圧領域16における方向性を備えた筋状の突起15’は流体の筋状の流れを低圧流体側に向かう方向に作用するため、漏洩につながりやすいことが考えられる。しかし、本例の場合、キャビテーション形成領域14において流体は高圧流体側に向かうように制御され、正圧領域16に流れ込む流体の量は少なく、圧力も大きくならないことから、万一、一部の流体が低圧流体側に向かうとしても低圧流体側に至る過程で摺動面Sでシールされるので、漏洩の恐れはない。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、摺動部品をメカニカルシール装置における一対の回転用密封環及び固定用密封環のいずれかに用いる例について説明したが、円筒状摺動面の軸方向一方側に潤滑油を密封しながら回転軸と摺動する軸受の摺動部品として利用することも可能である。
また、例えば、前記実施例では、外周側に高圧の被密封流体が存在する場合について説明したが、内周側が高圧流体の場合にも適用でき、その場合、方向性を備えた筋状の突起の方向を逆に配設すればよい。
また、例えば、前記実施例では、ディンプルの形状が四辺形の場合について主として説明したが、ディンプルの形状は四辺形に限らず、円形、楕円形、多角形でもよい。
1 回転軸
2 スリーブ
3 回転環
4 ハウジング
5 固定環
6 コイルドウェーブスプリング
7 ベローズ
10 ディンプル
11 ディンプル
12 狭まり隙間(段差)
13 拡がり隙間(段差)
14 キャビテーション形成領域
15 方向性を備えた筋状の突起
16 正圧領域
17 連通溝
18 連通溝
19 連通溝

Claims (3)

  1. 一対の摺動部品の互いに相対摺動する一方側の摺動面にディンプルが設けられ、前記ディンプル内の上流側においてのみ、低圧流体側から高圧流体側に向かって傾斜した筋状の突起が設けられていることを特徴とする摺動部品。
  2. 前記筋状の突起は、前記ディンプル内の少なくとも低圧流体側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の摺動部品。
  3. 前記ディンプル内の下流側には少なくとも高圧流体側に連通する連通溝が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の摺動部品。
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