JP2011185121A - エンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クランクケース35の下方側に接続されて、潤滑油を貯留する油溜室42を有するオイルパン41と、油溜室42内の潤滑油を吸い込み前記エンジンEの内部のオイル通路に送る吸込み部47と、クランクケース35と前記オイルパン41との接続領域で、該オイルパン41の上面に前記吸込み部47が通過する孔部11を有するバッフルプレート10と、を備えるエンジンである。そして、バッフルプレート10の孔部11の周縁部に、クランクケース35の側に向って立ち上がるように折り曲げられた立上がり部13が形成されている。
【選択図】 図3
Description
したがって、潤滑油の液面の低下による空気の吸い込みが回避され、空気混入によるオイルポンプの効率低下等を防止できる。
(第1実施形態)
まず、本発明にかかる第1実施形態について、図1〜図7を参照しながら詳細に説明する。本実施形態は、鞍乗り型車両である自動二輪車に適応したものについて以下説明する。
先ず、本実施形態を適用した自動二輪車の全体構成について簡単に説明する。自動二輪車1は、図1に示すように、その車体フレームFが、前輪WFを軸支するフロントフォーク25を操向可能に支承するヘッドパイプ26と、このヘッドパイプ26から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム27と、両メインフレーム27の後部に連設されて下方に延びる左右一対のピボットプレート28とを有しており、ピボットプレート28に前端が揺動可能に支承されるスイングアーム29の後部に後輪WRが軸支される。しかもピボットプレート28の下部およびスイングアーム29の前部間にはリンク30が設けられ、ピボットプレート28の上部およびリンク30間にはクッションユニット31が設けられる。
パワーユニットPが備えるエンジンE(図2参照)におけるエンジン本体33もしくは車体フレームFには、サイドスタンド34が取付けられており、本実施形態では、車体フレームFにおける左側のピボットプレート28の下部にサイドスタンド34が取付けられる。したがって、サイドスタンド34を立てて駐車したときに自動二輪車は左側に傾斜した状態となる。なお、図1においては、車両の前方,後方,上方,下方をそれぞれFr,Rr,U,Dにて示す。
なお、オイルパン41は、その周縁部分に形成された挿通穴41b(図4参照)を挿通するボルト51によって下部ケース半体35bに締結されている。また、バッフルプレート10は、オイルパン41内に設けられたリブ等に螺合するボルト52(図4参照)により、オイルパン41の上部を覆うようにして固定されている。
上記したオイルポンプ49は、エンジンEの駆動により作動することにより、潤滑油Lが、ストレーナ47の吸い込み口47aから吸い上げられる。吸い上げられた潤滑油Lは、パイプ47bを介してクランクケース35内に供給されて適宜油通路を経てオイルフィルタに送り込まれる。
なお、オイルフィルを経た潤滑油Lは所定の油通路を介して変速機(例えばメインシャフト、カウンタシャフト、クラッチ機構等へ、また、油通路から適宜分岐するメインギャラリを経てエンジンのクランクシャフト、ピストン、カムシャフト等へ供給される。
そして、潤滑作用を終えた潤滑油Lは、クランクケース下方に戻されてオイルパン41内の油溜室42に貯留され、再び上記のような経路を経て循環される。
この立上がり部13は、車両の前方(Fr)に対して孔部11の縁部12のうち後方縁部12aが立ち上がるような構成となっている。そしてこの立上がり部13は、図3に示されているように、パイプ47bに接近して立ち上がっている。
また、この立上がり部13は、車両の前方(Fr)の側面13aがオイルパン41の内方に向くように所定の角度θを有する傾斜構造を備えている。このような傾斜構造によって、後述する作用が生じて潤滑油Lの流出抑制効果を発揮することができる。
バッフルプレート10は、その立上がり部13の幅Wが、例えば80mmから200mm程度、高さHは例えば5mmから30mm程度に設定されている。これにより、潤滑油Lの流出効果を良好に発揮することができる。
また、バッフルプレート10は、孔部11よりも車両の前方(Fr)には、小さい小孔15が多数形成されている。この小孔15は、バッフルプレート10上の潤滑油を油溜室42内に戻すことができる。
自動二輪車1が例えば停車中から急発進したり、また走行中に急加速したときの状況について説明する。
この急加速等が発生すると、オイルパン41内に貯留されている潤滑油Lは、その慣性によってオイルパン41の後方(車両の後方(Rr))に相対的に移動する。これによって、潤滑油Lは液面Lsが上方に大きく揺れて、オイルパン41の上方に流れ出すような動きが発生することがある。
また、歯車列50の位置(図3参照)からも分かるように、前掲の作用によりオイルパン41から歯車列50に向かって潤滑油Lが溢れ出ないので、歯車列50によって潤滑油Lが泡立てられることがなく、泡立てられた潤滑油Lがオイルパン41内に戻されることが回避される。
一方、バッフルプレート10上にある潤滑油であって例えば不測の事態で該プレート上に溢れたものや循環されてきた潤滑油L0については、潤滑油戻し孔部16によって流路が確保されているので、オイルパン41の油溜室42内に戻すことができる。
本発明にかかる第2実施形態について、図8を参照して説明する。
なお、以下説明する第2実施形態においては、図8に示す立上がり部の構造のみが前述の第1実施形態と相違する構成であるので、第1実施形態と同じ構成要素については図示を省略するとともに同符号を付して説明を省略する。なお、図8は、立上がり部23を示すバッフルプレート20の部分拡大横断面を示している。
以下、本実施形態におけるバッフルプレート20の作用について説明する。
自動二輪車1が例えば急加速したとき、オイルパン41の油溜室42内に貯留されている潤滑油Lは,その慣性によってオイルパン41の後方(Rr)に移動する。これによって、潤滑油Lは液面Lsが上方に大きく揺れて、油溜室42の上方に流れ出すような動きが発生する。この流れを、模試的に記載すると、図8の矢印L8にて示すように、前記実施形態と同様に、バッフルプレート20に向かった潤滑油Lの流れが生じることとなる。
なお、この湾曲面23aの湾曲率については、特に限定するものではなく、立上がり部23の傾斜や高さHを考慮して適宜設定することができる。
また、第1実施形態および第2実施形態における構造は、車両の急加速時に対応する構造について説明したが、これに限定されるものではなく、車両の減速時に同様な効果を発揮できる構造にも採用できる。さらには車両の左右の揺れによって潤滑油がオイルパン外に出るような動きにも適応できるものである。
すなわち、車両減速の際に対応する構造では、孔部11において、車両の進行方向(Fr)の前方側の縁部に後ろ側に向いてオイルパン内方に傾斜した立上がり部を設ける構成とすればよい。また車両の左右の揺れに対応する構造としては、孔部11の左右両側にも、左右側に向いてオイルパン内方に傾斜した立上がり部を設ける構成とすればよい。さらにまた、潤滑油戻し孔部のラビリンス構造についても、減速時の対応構造としては、鍔部が図7に示した向きとは反対向きに車両前方(Fr)に向かって張出すように構成すればよい。また更に、小孔15についてもラビリンス構造を適用してもよい。
11 孔部
13,23 立上がり部
13a 立上がり部の側面
23a 立上がり部の湾曲面
35 クランクケース
41 オイルパン
42 油溜室
47 ストレーナ(吸込み部)
E エンジン
L 潤滑油
Claims (7)
- エンジン(E)のクランクケース(35)の下方側に接続されて、潤滑油(L)を貯留する油溜室(42)を有するオイルパン(41)と、
前記油溜室(42)内の潤滑油(L)を吸い込み前記エンジン(E)の内部のオイル通路に送る吸込み部(47)と、
前記クランクケース(35)と前記オイルパン(41)との接続領域で、該オイルパン(41)の上面に前記吸込み部(47)が通過する孔部(11)を有するバッフルプレート(10)と、を備えるエンジンであって、
前記バッフルプレート(10)の前記孔部(11)の周縁部(12)に、前記クランクケース(35)の側に向って立ち上がるように折り曲げられた立上がり部(13)が形成されたことを特徴とするエンジン(E)。 - 前記立上がり部(13)は、車両の前進方向に対して前記孔部(11)の後方縁部(12a)に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のエンジン(E)。
- 前記立上がり部(13)は、車両の前進方向の面が前記オイルパン(41)の内方に向くように傾斜して設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン(E)。
- 前記立上がり部(23)は、その横断面形状が車両の前進方向の面を凹ますような湾曲面(23a)に構成されたことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のエンジン(E)。
- 前記バッフルプレート(10)には、前記立上がり部(13)の近傍には、該バッフルプレート(10)上の潤滑油を前記オイルパン(41)の中に戻す潤滑油戻し孔部(16)が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のエンジン(E)。
- 前記潤滑油戻し孔部(16)はラビリンス構造(18)になっていることを特徴とする請求項5に記載のエンジン(E)。
- 前記潤滑油戻し孔部(16)のラビリンス構造(18)は、オイルパン(41)内方に張出す突出部(16b)とバッフルプレート面に沿って延びる鍔部(16a)とからなり、該潤滑油戻し孔部(16)のオイルパン側の開口(16c)がバッフルプレート面の下方で車両後ろ向きに開口されていることを特徴とする請求項6に記載のエンジン(E)。
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