JP2011185121A - エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルパン内に貯留されたエンジンオイルが車両の急加速によってもバッフルプレートの乗り越えを防止できるエンジンを提供する。
【解決手段】クランクケース35の下方側に接続されて、潤滑油を貯留する油溜室42を有するオイルパン41と、油溜室42内の潤滑油を吸い込み前記エンジンEの内部のオイル通路に送る吸込み部47と、クランクケース35と前記オイルパン41との接続領域で、該オイルパン41の上面に前記吸込み部47が通過する孔部11を有するバッフルプレート10と、を備えるエンジンである。そして、バッフルプレート10の孔部11の周縁部に、クランクケース35の側に向って立ち上がるように折り曲げられた立上がり部13が形成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、クランクケースの下方側に配置するオイルパンに設けるバッフルプレートの改良されたエンジンに関する。
自動車等の車両に搭載されるエンジンは、そのクランク室構造において、周知の如く、クランク軸の下方にエンジンオイルを貯留するオイルパンが配置されている。このオイルパンに貯留されているエンジンオイルは、クランク軸系やカム系に送給されて所定の摺動部分等を潤滑した後に、循環して再びオイルパンに回収され蓄えられる。
そして、通常、オイルパン内のエンジンオイルの液面レベルは、クランク軸系の回転軌跡の最下端よりも下方になるようにクランク軸の高さやオイルパン容量、さらにはオイル量等が適宜設定される。特許文献1には、エンジンにおいては、オイルパンガスケットをオイルパンとクランクケースとの接合面に沿ってオイルパン内方に適宜張出した突出部を備える構成が記載されており。このオイルパンガスケットがバッフルプレートの機能を有するものである。すなわち、クランク室側とオイルパン側とを適宜仕切ることによりオイルパンの性能を維持・向上させるものである。
特開平4−19311号公報
しかし、特許文献1に開示された構造であると、車両が急発進や急加速した場合に、オイルパン内に貯留されているエンジンオイルがオイルパン外に溢れ出てしまい、エンジン後方に配置されている変速機の歯車列にかかりオイル中に気泡が発生したり、さらには、オイルパン内のエンジンオイルの液面が低下して、該オイルを汲み上げるストレーナーの吸い込み口から空気が混入してしまうという問題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、オイルパン内に貯留されたエンジンオイルが車両の急加速等によっても該オイルパン外に溢れ出ることが抑制でき、また、オイル液面を良好に保つことできるエンジンを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジンのクランクケースの下方側に接続されて、潤滑油を貯留する油溜室を有するオイルパンと、前記油溜室内の潤滑油を吸い込み前記エンジンの内部のオイル通路に送る吸込み部と、前記クランクケースと前記オイルパンとの接続領域で、該オイルパンの上面に前記吸込み部が通過する孔部を有するバッフルプレートと、を備えるエンジンであって、前記バッフルプレートの前記孔部の周縁部に、前記クランクケースの側に向って立ち上がるように折り曲げられた立上がり部が形成されたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記立上がり部は、車両の前進方向に対して前記孔部の後方縁部に設けられたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の構成に加えて、前記立上がり部は、車両の前進方向の側面が前記オイルパンの内方に向くように傾斜して設けられたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れかに記載の構成に加えて、前記立上がり部は、その横断面形状が車両の前進方向の側面を凹ますような湾曲面に構成されたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れかに記載の構成に加えて、前記バッフルプレートには、前記立上がり部の近傍に、該バッフルプレート上の潤滑油を前記オイルパンの中に戻す潤滑油戻し孔部が設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の構成に加えて、前記潤滑油戻し孔部はラビリンス構造になっていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の構成に加えて、前記潤滑油戻し孔部のラビリンス構造は、オイルパン内方に張出す突出部とバッフルプレート面に沿って延びる鍔部とからなり、該潤滑油戻し孔部のオイルパン側の開口がバッフルプレート面の下方で車両の後ろ向きに開口されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明にかかるエンジンによれば、バッフルプレートの孔部の周縁部に、クランクケースの側に向って立ち上がるように折り曲げられた立上がり部があることで、車両が急加速や急減速等をしたときでも、オイルパン内の潤滑油が孔部からあふれ出ることが回避される。
したがって、潤滑油の液面の低下による空気の吸い込みが回避され、空気混入によるオイルポンプの効率低下等を防止できる。
請求項2に記載の発明にかかるエンジンによれば 立上がり部は、車両の前進方向に対して孔部の後方縁部に設けられたことで、車両が急加速前進のときのオイルパン内の潤滑油が孔部から溢れ出ることが回避される。したがって、オイルパンの直ぐ後方に配置された歯車列などにあふれ出た潤滑油に気泡が混入してオイルパンに戻るような事態が回避されるので、気泡混入によるオイルポンプの効率低下等を防止できる。
請求項3に記載の発明にかかるエンジンによれば、立上がり部は、車両の前進方向の側面がオイルパンの内方に向くように傾斜していることで、オイルパン内の潤滑油の戻し作用を効果的に発揮することができる。
請求項4に記載の発明にかかるエンジンによれば、立上がり部は、その横断面形状が車両の前進方向の側面を凹ますような湾曲面に構成されたことで、オイルパン内の潤滑油の戻し作用を、請求項3の場合よりも更に効果的に発揮することができる。
請求項5に記載の発明にかかるエンジンは、バッフルプレートには、立上がり部の近傍に、該バッフルプレート上の潤滑油をオイルパンの中に戻す潤滑油戻し孔部が設けられているので、立上がり部が形成されていることで、バッフルプレート上の潤滑油を、孔部からオイルパン内に戻すことが阻止されるが、その代わりに潤滑油戻し孔部によってオイルパン内に速やかに戻すことができる。
請求項6に記載の発明にかかるエンジンによれば、潤滑油戻し孔部はラビリンス構造になっているので、潤滑油戻し孔部からバッフルプレートの外に潤滑油が出難いようにできる。
請求項7に記載の発明にかかるエンジンは、潤滑油戻し孔部のラビリンス構造は、オイルパン内方に張出す突出部とバッフルプレート面に沿って延びる鍔部とからなり、該潤滑油戻し孔部のオイルパン側の開口がバッフルプレート面の下方で後ろ向きに開口されていることで、オイルパン内方で斜め前方下側から見た時に、潤滑油戻し孔部が鍔部によって実質的に塞がれているので、バッフルプレートの外に潤滑油が出にくいようにできる。
本発明の第1実施形態における自動二輪車の左側面図である。 図1に示す自動二輪車のパワーユニットの左側面図である。 本発明の第1実施形態におけるオイルパンの部分を示す要部拡大断面図である。 図3に示すバッフルプレートおよびオイルパン部分を上方から見た平面図である。 本発明の第1実施形態におけるバッフルプレートの斜視図である。 本発明の第1実施形態における立上がり部の作用を示すための拡大断面図であって、図4のA−A断面図である。 本発明の第1実施形態にラビリンス構造の拡大断面図である。 本発明の第2実施形態における立上がり部の作用を示すための拡大断面図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明にかかる第1実施形態について、図1〜図7を参照しながら詳細に説明する。本実施形態は、鞍乗り型車両である自動二輪車に適応したものについて以下説明する。
先ず、本実施形態を適用した自動二輪車の全体構成について簡単に説明する。自動二輪車1は、図1に示すように、その車体フレームFが、前輪WFを軸支するフロントフォーク25を操向可能に支承するヘッドパイプ26と、このヘッドパイプ26から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム27と、両メインフレーム27の後部に連設されて下方に延びる左右一対のピボットプレート28とを有しており、ピボットプレート28に前端が揺動可能に支承されるスイングアーム29の後部に後輪WRが軸支される。しかもピボットプレート28の下部およびスイングアーム29の前部間にはリンク30が設けられ、ピボットプレート28の上部およびリンク30間にはクッションユニット31が設けられる。
メインフレーム27およびピボットプレート28にはパワーユニットPが懸架されており、このパワーユニットPから出力される回転動力は前後に延びるドライブシャフト32を介して後輪WRに伝達される。
パワーユニットPが備えるエンジンE(図2参照)におけるエンジン本体33もしくは車体フレームFには、サイドスタンド34が取付けられており、本実施形態では、車体フレームFにおける左側のピボットプレート28の下部にサイドスタンド34が取付けられる。したがって、サイドスタンド34を立てて駐車したときに自動二輪車は左側に傾斜した状態となる。なお、図1においては、車両の前方,後方,上方,下方をそれぞれFr,Rr,U,Dにて示す。
図2において、エンジンEのエンジン本体33は、自動二輪車1への搭載状態で前方(Fr)に位置する前部バンクBFと、該前部バンクBFよりも後方(Rr)に位置する後部バンクBRとを有してV型の水冷式に構成されるものである。そして、この両バンクBF,BRに共通なクランクケース35に、自動二輪車の左右方向に沿うクランクシャフト36が回転自在に支承される。
クランクケース35は、上部ケース半体35aおよび下部ケース半体35bが結合されて成るものであり、V字形をなすようにして前部および後部シリンダブロックBF,BRが上部ケース半体35aに一体に形成され、クランクシャフト36の軸線は上部ケース半体35aおよび下部ケース半体35bの結合面37上に配置される。
前部バンクBFは、その構成を大別すると、前部シリンダブロック38Fと、該前部シリンダブロック38Fに結合される前部シリンダヘッド39Fと、前部シリンダヘッド39Fに結合される前部ヘッドカバー40Fとで構成される。後部バンクBRについても、その構成を大別すると、後部シリンダブロック38Rと、該後部シリンダブロック38Rに結合される後部シリンダヘッド39Rと、後部シリンダヘッド39Rに結合される後部ヘッドカバー40Rとで構成される。そして、クランクケース35の下部にはオイルパン41が結合される構成となっている。
本実施形態においては、前述のように、エンジンEのクランクケース35の下方側には、オイルパン41が設けられている。これは、図3に示すように、下部ケース半体35bとオイルパン41との間の接合面に略一致する面に沿ってバッフルプレート10が設けられている。
なお、オイルパン41は、その周縁部分に形成された挿通穴41b(図4参照)を挿通するボルト51によって下部ケース半体35bに締結されている。また、バッフルプレート10は、オイルパン41内に設けられたリブ等に螺合するボルト52(図4参照)により、オイルパン41の上部を覆うようにして固定されている。
したがって、オイルパン41は、バッフルプレート10によってクランクケース35側とは区別された空間が画成されて、潤滑油Lを貯留する油溜室42が形成される。この油溜室42内には、潤滑油Lを吸込み部であるストレーナ47が配置されている。また、このストレーナ47は、その上部にはパイプ47bが接続されている。このように、ストレーナ47を配置するためには、バッフルプレート10には、その略中央領域にストレーナ47の上部およびパイプ47bを挿通可能な孔部11が形成されて、クランクケース35側と連通可能に構成されている。
さらに、ストレーナ47は、その吸い込み口47aがオイルパン底部42aに接近して該底部に向けて開口するように構成されている。これにより、潤滑油Lはその油量が少なくなっても汲み上げられるようになっている。なお、ストレーナ47の上部に接続されたパイプ47bはその上部に配置されたオイルポンプ49に接続されている。また、オイルパン底部42aには複数の突条のフィン43が適宜間隔をあけてオイルパン上方に向いて設けられており、車両の揺れに伴う潤滑油Lの動きや液面Lsの揺れを抑制するように構成されている。
また、オイルポンプ49は、図示しない油通路を介してオイルフィルタに繋げられている。なお、オイルポンプ49は、周知のごとく、図示しないチェーン等を介してエンジンの駆動力が伝達されて駆動される。
このように構成された潤滑油供給機構の作動について簡単に説明する。
上記したオイルポンプ49は、エンジンEの駆動により作動することにより、潤滑油Lが、ストレーナ47の吸い込み口47aから吸い上げられる。吸い上げられた潤滑油Lは、パイプ47bを介してクランクケース35内に供給されて適宜油通路を経てオイルフィルタに送り込まれる。
なお、オイルフィルを経た潤滑油Lは所定の油通路を介して変速機(例えばメインシャフト、カウンタシャフト、クラッチ機構等へ、また、油通路から適宜分岐するメインギャラリを経てエンジンのクランクシャフト、ピストン、カムシャフト等へ供給される。
そして、潤滑作用を終えた潤滑油Lは、クランクケース下方に戻されてオイルパン41内の油溜室42に貯留され、再び上記のような経路を経て循環される。
本実施形態におけるバッフルプレート10は、図4および図5に示すように、その孔部11の縁部12において、クランクケース35側に向って立ち上がるように折り曲げられた立上がり部13が形成されている。
この立上がり部13は、車両の前方(Fr)に対して孔部11の縁部12のうち後方縁部12aが立ち上がるような構成となっている。そしてこの立上がり部13は、図3に示されているように、パイプ47bに接近して立ち上がっている。
また、この立上がり部13は、車両の前方(Fr)の側面13aがオイルパン41の内方に向くように所定の角度θを有する傾斜構造を備えている。このような傾斜構造によって、後述する作用が生じて潤滑油Lの流出抑制効果を発揮することができる。
バッフルプレート10は、その立上がり部13の幅Wが、例えば80mmから200mm程度、高さHは例えば5mmから30mm程度に設定されている。これにより、潤滑油Lの流出効果を良好に発揮することができる。
また、バッフルプレート10は、孔部11よりも車両の前方(Fr)には、小さい小孔15が多数形成されている。この小孔15は、バッフルプレート10上の潤滑油を油溜室42内に戻すことができる。
本実施形態におけるバッフルプレート10の作用について説明する。
自動二輪車1が例えば停車中から急発進したり、また走行中に急加速したときの状況について説明する。
この急加速等が発生すると、オイルパン41内に貯留されている潤滑油Lは、その慣性によってオイルパン41の後方(車両の後方(Rr))に相対的に移動する。これによって、潤滑油Lは液面Lsが上方に大きく揺れて、オイルパン41の上方に流れ出すような動きが発生することがある。
この流れ出すような動きを、模試的に記載すると、例えば油溜室42内の潤滑油Lの貯留量が多く液面Lsが高い位置にある場合は、図6の矢印にて示すように、潤滑油Lは孔部11から溢れ出すような方向(矢印L1方向)に移動して、バッフルプレート10に向かって直接当る流れが生じることとなる。この孔部11から溢れ出そうとする潤滑油Lは、立上がり部13の側面13aに当たり、該側面13aによってせき止められる。すなわち、潤滑油Lは側面13aにぶつかって該側面13aに沿って広がように移動し、オイルパン41内の方向(矢印L2方向)に誘導される潤滑油Lと、側面13aに沿って上方(矢印L3方向)に向かう潤滑油Lとに分かれる。しかし、上方(矢印L3方向)に向った潤滑油Lは、立上がり部13が大きい高さHをもって立ち上がっているので、それを乗り越えることが出来ずにオイルパン41内に戻される。
また、例えば潤滑油Lの貯留量が少なく液面Lsが低いレベルにある場合について説明する。この場合は、図6に示すように、潤滑油Lはオイルパンの後方壁面41aに一旦ぶつかって上方に向って溢れ出すような方向(矢印L5)や上方に向った方向(矢印L6)に移動する流れが生じると推測される。そして、潤滑油Lの一部は、孔部11から溢れ出そうするが、立上がり部13の側面13aによってせき止められてオイルパン41内に落下する。
このようにして、オイルパン41内の潤滑油Lがオイルパン41外に出ないので、潤滑油Lの液面Lsのレベルは直ぐに所定のレベルに維持される。したがって、ストレーナ47の吸い込み口47aから空気を吸い込むような事態を回避することができる。
また、歯車列50の位置(図3参照)からも分かるように、前掲の作用によりオイルパン41から歯車列50に向かって潤滑油Lが溢れ出ないので、歯車列50によって潤滑油Lが泡立てられることがなく、泡立てられた潤滑油Lがオイルパン41内に戻されることが回避される。
また、本実施形態においては、立上がり部13の後方側で歯車列50に接近した側には、該バッフルプレート10上の潤滑油をオイルパン41の中に戻す潤滑油戻し孔部16が設けられている。この潤滑油戻し孔部16は、通常の循環してきた潤滑油Lをオイルパン内に戻す機能だけでなく、立上がり部13を超えてバッフルプレート10上に溢れ出てしまった潤滑油Lをオイルパン内に迅速に戻すためのものである。すなわち、不測の事態で立上がり部13を超えて出た潤滑油Lが該立上がり部13によってオイルパン内にも戻り難くなっているが、該立上がり部13に沿って長く開口した潤滑油戻し孔部16による迅速に戻すことができる。
また、この潤滑油戻し孔部16は、図7に示すように、ラビリンス構造18になっている。このラビリンス構造18の潤滑油戻し孔部16は、オイルパン41の油溜室42側に張出す突出部16bとバッフルプレート面に沿って車両の後方(Rr)に延びる鍔部16aと有し、さらに該鍔部16aが潤滑油戻し孔縁部16dよりも車両後方側にのびている構造である。したがって、この潤滑油戻し孔部16は、鍔部16aが車両後方に向かって延びることで孔部を覆うようにし、かつオイルパン側の開口16cがバッフルプレート10の下方側で車両後方向きに開口している構造といえる。
このようなラビリンス構造18によれば、自動二輪車1が例えば急加速したとき、油溜室42内に貯留されている潤滑油Lは、例えば図7の矢印方向L7にて示すように、バッフルプレート10に向かって移動する潤滑油Lの流れが生じる。しかし、開口16aが車両後方(Rr)に向かって開口していることで、潤滑油戻し孔部16は鍔部16aにより実質的に閉じられていることとなり、この潤滑油Lは潤滑油戻し孔部16から溢れ出ることが防止される。
一方、バッフルプレート10上にある潤滑油であって例えば不測の事態で該プレート上に溢れたものや循環されてきた潤滑油L0については、潤滑油戻し孔部16によって流路が確保されているので、オイルパン41の油溜室42内に戻すことができる。
(第2実施形態)
本発明にかかる第2実施形態について、図8を参照して説明する。
なお、以下説明する第2実施形態においては、図8に示す立上がり部の構造のみが前述の第1実施形態と相違する構成であるので、第1実施形態と同じ構成要素については図示を省略するとともに同符号を付して説明を省略する。なお、図8は、立上がり部23を示すバッフルプレート20の部分拡大横断面を示している。
図8に示すバッフルプレート20は、その立上がり部23の横断面形状が車両の前方(Fr)の面を凹ますようななだらかな湾曲面23aに構成されていることが大きな特徴である。
以下、本実施形態におけるバッフルプレート20の作用について説明する。
自動二輪車1が例えば急加速したとき、オイルパン41の油溜室42内に貯留されている潤滑油Lは,その慣性によってオイルパン41の後方(Rr)に移動する。これによって、潤滑油Lは液面Lsが上方に大きく揺れて、油溜室42の上方に流れ出すような動きが発生する。この流れを、模試的に記載すると、図8の矢印L8にて示すように、前記実施形態と同様に、バッフルプレート20に向かった潤滑油Lの流れが生じることとなる。
この潤滑油Lはその移動により孔部11から溢れ出そうするが、立上がり部23が大きな高さHで立ち上がっていることで湾曲面23aに当たり、該湾曲側面13aによってせき止められる。このとき、潤滑油Lは湾曲面23aにぶつかって油溜室42内に直ぐに誘導される潤滑油L4と、湾曲面23aに沿って一旦上方に向かう潤滑油L5とに分かれるが、この上方に向った潤滑油L5が立上がり部23を乗り越えることが出来ずに油溜室42内に戻される。この潤滑油L5の勢いは、前記第1実施形態のときよりも大きい場合であっても、潤滑油L5を湾曲面23aの誘導により効果的にオイルパン内に戻す確率を高めることができる。したがって、前記第1実施形態の場合よりも、立上がり部23の高さHを小さくすることが可能である。
なお、この湾曲面23aの湾曲率については、特に限定するものではなく、立上がり部23の傾斜や高さHを考慮して適宜設定することができる。
以上、本発明の第1および第2実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態の構成に何ら限定されるものではなく、種々変更できるものである。例えば、バッフルプレートに設けた立上がり部の向きや数、さらには、潤滑油の戻し孔部の構造についても必要に応じて適宜変更可能であり、特に限定するものではない。
また、第1実施形態および第2実施形態における構造は、車両の急加速時に対応する構造について説明したが、これに限定されるものではなく、車両の減速時に同様な効果を発揮できる構造にも採用できる。さらには車両の左右の揺れによって潤滑油がオイルパン外に出るような動きにも適応できるものである。
すなわち、車両減速の際に対応する構造では、孔部11において、車両の進行方向(Fr)の前方側の縁部に後ろ側に向いてオイルパン内方に傾斜した立上がり部を設ける構成とすればよい。また車両の左右の揺れに対応する構造としては、孔部11の左右両側にも、左右側に向いてオイルパン内方に傾斜した立上がり部を設ける構成とすればよい。さらにまた、潤滑油戻し孔部のラビリンス構造についても、減速時の対応構造としては、鍔部が図7に示した向きとは反対向きに車両前方(Fr)に向かって張出すように構成すればよい。また更に、小孔15についてもラビリンス構造を適用してもよい。
10,20 バッフルプレート
11 孔部
13,23 立上がり部
13a 立上がり部の側面
23a 立上がり部の湾曲面
35 クランクケース
41 オイルパン
42 油溜室
47 ストレーナ(吸込み部)
E エンジン
L 潤滑油

Claims (7)

  1. エンジン(E)のクランクケース(35)の下方側に接続されて、潤滑油(L)を貯留する油溜室(42)を有するオイルパン(41)と、
    前記油溜室(42)内の潤滑油(L)を吸い込み前記エンジン(E)の内部のオイル通路に送る吸込み部(47)と、
    前記クランクケース(35)と前記オイルパン(41)との接続領域で、該オイルパン(41)の上面に前記吸込み部(47)が通過する孔部(11)を有するバッフルプレート(10)と、を備えるエンジンであって、
    前記バッフルプレート(10)の前記孔部(11)の周縁部(12)に、前記クランクケース(35)の側に向って立ち上がるように折り曲げられた立上がり部(13)が形成されたことを特徴とするエンジン(E)。
  2. 前記立上がり部(13)は、車両の前進方向に対して前記孔部(11)の後方縁部(12a)に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のエンジン(E)。
  3. 前記立上がり部(13)は、車両の前進方向の面が前記オイルパン(41)の内方に向くように傾斜して設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン(E)。
  4. 前記立上がり部(23)は、その横断面形状が車両の前進方向の面を凹ますような湾曲面(23a)に構成されたことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のエンジン(E)。
  5. 前記バッフルプレート(10)には、前記立上がり部(13)の近傍には、該バッフルプレート(10)上の潤滑油を前記オイルパン(41)の中に戻す潤滑油戻し孔部(16)が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のエンジン(E)。
  6. 前記潤滑油戻し孔部(16)はラビリンス構造(18)になっていることを特徴とする請求項5に記載のエンジン(E)。
  7. 前記潤滑油戻し孔部(16)のラビリンス構造(18)は、オイルパン(41)内方に張出す突出部(16b)とバッフルプレート面に沿って延びる鍔部(16a)とからなり、該潤滑油戻し孔部(16)のオイルパン側の開口(16c)がバッフルプレート面の下方で車両後ろ向きに開口されていることを特徴とする請求項6に記載のエンジン(E)。
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