JP4342879B2 - 4サイクルエンジンのオイル溜め構造 - Google Patents

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本発明は、自動二輪車のような車両に搭載される4サイクルエンジンに好適に用いることができるオイルストレーナに関するものである。
従来、自動二輪車のオイル溜め構造の一例として、エンジン下部のオイルパンに設けた凹部にオイルストレーナを収納し、凹部周辺の高いオイルパン内底面に前記凹部にオイルを導くガイドフィンを設けて、急減速時や急加速時に前記内底面上のオイルを凹部に戻して、オイルストレーナによるオイルの吸い上げを円滑に行わせるものがある(特許文献1参照)。しかしながら、この構成では、オイルパンに前記凹部およびガイドフィンを形成するので、オイルパンの重量が大きくなる。
従来の他の例として、図9(a)に示すように、オイルパン50のオイル溜め凹部51内にオイルストレーナ52が載置され、オイル溜め凹部51内におけるオイルストレーナ52の前後位置(図の上下位置)に、オイル溜め凹部51内でのオイルの流動を抑制するための前側縦壁53および後側縦壁54が設けられた構成を有している。前、後側縦壁53,54は、車体の急減速時や急加速時にオイル溜め凹部51内のオイルの前方または後方への急激な流動を抑制して、図9(b)に示すオイルストレーナ52の下端のオイル吸込口52aの近傍箇所に十分なオイル量を確保するために設けられたものである。
前記オイルパン50内のオイルは、オイルポンプ(図示せず)の駆動によりオイルストレーナ52のオイル吸込口52aから吸い上げられてエンジンの各潤滑箇所に供給されるが、このオイルを循環させるためのオイル通路には、油圧を一定値以下に保つためのリリーフバルブが設けられている。このリリーフバルブは、図示を省略しているが、オイルパン50に一体形成されたバルブ受け部に抜け止め状態に保持され、かつ、リリーフバルブに設けられたた係止爪をクランクケースの突起に係合して回り止めされる。
特開平9−256830号公報
しかしながら、前、後側縦壁53,54は、一定の高さが必要なのに対し、オイルパン50に一体成形により形成されているため、成形金型の型抜きの関係から、オイル溜め凹部51の底面との間に隙間を設けることができないので、高さ寸法が大きくなり、それに伴って強度上、厚さも大きくなり、その結果、オイルパン50の重量が大きくなっている。また、図9(a)の前,後側縦壁53,54は、オイル溜め凹部51の底面との間に隙間を設けることができないために、オイル溜め凹部51のいずれか一方側の内壁との間に、オイルストレーナ52のオイル吸込口52aにオイルを導入するための間隙57,58を設けた形状とする必要ある。そのため、オイルストレーナ52の前後は迷路構造になり、前側縦壁53と後側縦壁54の間、つまりオイルストレーナ52が設置される吸上げ空間55内に存在するオイルは、急加速時に前側の間隙57から吸上げ空間55に流入するよりも多くの量のオイルが、吸上げ空間55から後側の間隙58を通って後方へ流出し、他方、急減速時には、後側の間隙58から吸上げ空間55に流入するよりも多くの量のオイルが、吸上げ空間55から前側の間隙57を通って前方へ流出するため、オイルストレーナ52のオイル吸込口52a付近にオイル不足が生じる場合がある。
また、オイルパン50に一体形成されるバルブ受け部は、エンジンケースの下部との間でリリーフバルブを保持するために、オイル溜め凹部51の底面から上方に大きく突出した形状となり、やはりオイルパンの重量を増大させる。
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、オイルパンを含むオイル溜め構造の全体重量を軽量化できる4サイクルエンジンのストレーナと、これを備えたオイル溜め構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明に係るエンジンのオイル溜め構造は、エンジン下部に配置されるオイルパンと、前記オイルパン内のオイルを吸い込むオイルストレーナとを備え、前記オイルパンには、下方へ突出して前後方向に延びるオイル溜め凹部が形成され、オイルフィルタを収納するストレーナ本体に、前記オイルのオイルパン内での移動を抑制する抑止構造体と、前記ストレーナ本体の内部に連通してその下面から下方向に延設した吸込用筒部とが設けられ、前記吸込用筒部の下端に形成されるオイル吸込口が、前記オイル溜め凹部内に配置され、前記抑止構造体は、前記オイル吸込口の近傍に配置され、前記オイル溜め凹部を前後方向に仕切っている。
この構成によれば、従来のオイルパンに一体形成されていた抑止構造体をオイルストレーナに設けることから、抑止構造体とオイルパンの内底面との間に隙間を設けておくことで、抑止構造体の上下寸法をオイルパンに設ける場合よりも小さくすることが可能となるので、オイルパンを含むオイル溜め構造の全体重量を軽量化することができる。この抑止構造体は、例えば、樹脂などのストレーナ本体に一体形成したり、金属製のストレーナ本体に溶接で接合することができる。また、抑止構造体は、従来のオイルパンに一体形成する場合のように、いずれか一方の内壁との間にオイル流動用の間隙を設けた迷路構造とする必要がなく、オイルパンの内底面との間にオイル流動用の隙間を設ければよいから、迷路構造とは異なり、急加速またはや急減速時にもストレーナのオイル吸込口周辺に十分なオイル量を確保できる。
本発明において、前記抑止構造体は、エンジンの左右方向に延びるほぼ鉛直な前後一対の縦壁を有し、前記前後一対の縦壁は、前記オイル吸込口に対し前後位置に配置されていることが好ましい。この構成によれば、縦壁は、エンジンの左右方向に延びており、かつオイル吸込口に対し前側および後側の近傍箇所にそれぞれ配置されているので、急減速時または急加速時に、オイル吸込口周辺から前後方向に向け急激に流動しようとするオイルをせき止めるように機能するから、オイル吸込口周辺に十分なオイル量を確保することができる。
本発明において、前記抑止構造体は、前記一対の縦壁の一方の上端部から前記ストレーナ本体まで水平に延びる横壁と、この横壁および前記ストレーナ本体と前記一対の縦壁の他方の上端部とを連結する水平に延びた複数の連結壁を有していることが好ましい。この構成によれば、急加速時または急減速時にオイルが急激に流動しようとして油面が上下動するのを横壁が効果的に抑制するので、オイル吸込口周辺に十分なオイル量を確保することができる。
本発明において、前記ストレーナ本体に、オイル通路のリリーフバルブを保持するバルブ受け部が一体に設けられていることが好ましい。この構成によれば、オイルパンにバルブ受け部を一体形成する従来のオイル溜め構造とは異なり、バルブ受け部を、オイルパンの底面から上方に離間してエンジンケースの近接位置に配置できるから、バルブ受け部の上下寸法が小さくなるので、オイルパンを含むオイル溜め構造全体の軽量化を図ることができる
本発明において、前記オイル吸込口が、前記抑止構造体の下端よりも下方に位置していることが好ましい。
本発明に係るエンジンは、本発明に係るオイル溜め構造を備え、前記オイルパンは、前記オイル溜め凹部の左右方向の一側部または両側部に浅底部を有し、前記浅底部の下方に前記エンジンの排気管が配置されている。
以上のとおり、本発明によれば、オイルの急激な流動を抑制する抑止構造体、またはリリーフバルブを保持するバルブ受け部を小形化できるので、オイルパンを含むオイル溜め構造の全体重量を軽量化することができる。
図1は本発明の一実施形態のオイルストレーナを用いて構成された4サイルエンジンを示す側面図でありこの実施形態では自動二輪車に搭載される4サイクルエンジンを例示してある。同図において、車体フレームFRに搭載されたエンジンEは、クランク軸CSが車体左右方向に延びる並列4気筒4サイクルエンジンであり、そのエンジンEのクランクケースCR、シリンダケースCYおよびギヤケース(ミッションケース)CEが、エンジンケースECを形成している。このエンジンケースECは上下二つ割りのケースアッパC1とケースロワC2とから構成され、ケースアッパC1のシリンダケースCYの上面にシリンダヘッド41が連結され、シリンダヘッド41の上面に、動弁室を形成するヘッドカバー42が装着されている。ケースロワC2、つまりクランクケースCRの下面には、潤滑用のオイルを貯留するオイルパン1が連結されており、オイルパン1の内部には、本発明の一実施形態に係るオイルストレーナ2が装着されている。オイルパン1の前面には、オイル貯留量を増しながら油面を下げるためのサブタンク15が装着されている。これらエンジンケースEC、シリンダヘッド41、ヘッドカバー42およびオイルパン1がエンジン本体40を形成している。
図2は前記オイルストレーナ2の斜視図であり、このオイルストレーナ2は、後述するオイルポンプの駆動によりオイルパン1内のオイルを吸い込んで濾過するものであって、樹脂により形成されている。このオイルストレーナ2は、オイルフィルタ3を収納したフィルタ本体4と、このフィルタ本体4の内部に連通してこれの下面から鉛直方向に向け延設された吸込用筒部7と、フィルタ本体4に連設されてオイルパン1内でのオイルの移動を抑制する抑止構造体8と、オイル出口部9と、後述するリリーフバルブを保持するバルブ受け部10とを一体に備えている。吸込用筒部7の下端にはオイル吸込口7aが開口している。オイルストレーナ2は上下二つ割りであり、フィルタ本体4の部分に分割面4aが設定されている。
前記抑止構造体8は、ほぼ鉛直な前後一対の縦壁11,12と、一方の縦壁11の上端からストレーナ本体4まで水平に延びる横壁13と、この横壁13と他方の縦壁12の上端部とを連結する水平に延びた連結壁16と、他方の縦壁12の上端部とストレーナ本体4とを連結する水平に延びた一対の連結壁17,18とを備えている。前記横壁13は、図1のオイルパン1のクランクケースCRに対する合わせ面1aとほぼ平行に延びており、図2の3つの連結壁16,17,18は、図1の合わせ面1aに対しほぼ直交する方向に延びている。
図3は、オイルストレーナ2をオイルパン1内に装着した状態の平面図であり、図の下方がエンジンEの前方Fで、かつ、図の上方が後方Rである。同図に示すように、3つの連結壁16,17,18は前後方向に延びており、両側の連結壁16,18が、オイル吸込口7aに対し図3の左右両側に位置している。一対の縦壁11,12は、エンジンEの軸心方向、つまり図1のクランク軸CSの軸心方向である左右方向に延びる状態で、オイル吸込口7aに対し前後位置に配置されている。
オイルパン1は上方から見て概ね長方形の形状を有しており、図4の右側部分(自動二輪車の左側部分)には、下方へ突出して前後方向に延びる深底部からなるオイル溜め凹部19が形成されている。オイル溜め凹部19よりも左側部分は、オイル溜め凹部19よりも浅い浅底部20になっている。この浅底部20の下方にはエンジンEの排気管Pが配置されている。図3に示す浅底部20には、合わせ面1aからオイル溜め凹部19側に向かって延びる複数のフィン21が形成されている。図1のクランクケースCRおよびギヤケースGE内から図3の浅粗部20上に落下して回収されたオイルは、各フィン21に沿いながら浅底部20上を流動して、オイル導入面23を経てオイル溜め凹部19内に導かれる。
図4に示すように、吸込用筒部7の下端のオイル吸込口7aは、オイル溜め凹部19の内底面19aに対し、オイルOLを吸い込むのに必要な間隙を存して上方に位置している。オイルパン1のオイル溜め凹部(深底部)19は、内底面19aから右側部分が右上がりの急斜面22になっているとともに、内底面19aから左側部分が、湾曲形状の前記オイル導入面23となっており、このオイル導入面23が浅底部20に連続する形状になっている。これに対し、オイルストレーナ2の前記縦壁11は、左右に分割された一対の分割壁11a,11bからなり、一方の分割壁11aがオイル導入面23に沿った形状の外縁を有し、他方の分割壁11bが急斜面22に沿った外縁を有している。
縦壁11の両分割壁11a,11bは吸込用筒部7に接続されており、この縦壁11と吸込用筒部7とにより、オイル溜め凹部19内のオイル60の前後方向への流動をせき止めるように作用する。縦壁11の下端とオイル溜め凹部19の内底面19aとの間には、オイル60を流動させる流動路24が形成されている。この実施形態では、縦壁11の下端よりも吸込用筒部7の下端(オイル吸込口7a)の方が低いので、前記流動部24は、吸込用筒部7の下端面とオイル溜め凹部19の内底面19aとの間に形成されていることになる。なお、図4において、符号61はオイル60の油面を示す。
図5に示すように、オイルストレーナ2は、吸込用筒部7をオイルパン1のオイル溜め凹部19内に嵌入するとともに、ストレーナ本体4の下面から突出した台座部26を浅底部20上に載置した状態で,オイルパン1に装着されている。また、オイルストレーナ2は、その台座部26が浅底部20上に突設された突部27に当接して、オイルパン1内での移動が規制されている。
前記縦壁12の下部は、オイル溜め凹部19の左右の内壁面間に嵌まり込む外形に形成されて、オイル溜め凹部19内のオイル60の前後方向への流動をせき止めるように作用する。縦壁12の下端とオイル溜め凹部19の内底面19aとの間には、オイル60を流動させる流動路29が形成されている。オイルストレーナ2の縦壁12は、オイルパン1のオイル導入面23に対応した湾曲形状の外縁を有している。
図6は図3のVI−VI線断面図であり、同図に示すように、オイルストレーナ2の上部に設けられているオイル出口部9とバルブ受け部10とは、上方斜め前方に向かって同一方向に開口している。一方、オイル溜め凹部19の後壁内には、オイルパン1の合わせ面1aに開口されて前側斜め下方に向け傾斜するブリーザ戻し通路下流部30が、鋳抜きまたは機械加工により形成されており、このブリーザ戻し通路下流部30の下端に開口したオイル出口30aが、オイルストレーナ2の隣接する一対の縦壁11,12の間の吸上げ室35に臨むように配置されている。
前記ブリーザ戻し通路下流部30の上流側の通路は図1に示されている。図1において、ギヤケースGE内のトランスミッション室の上部に、オイルを含む雰囲気からオイルを分離するブリーザ室31が設けられ、エンジンケースECの後壁内に、ブリーザ室31で分離されたオイルを自然落下でオイルパン1に向けて導出するブリーザ戻し通路32が形成されている。オイルパン1がエンジンケースECに連結されたときに、オイルパン1のブリーザ戻し通路下流部30がエンジンケースECのブリーザ戻し通路32の下端に連通される。なお、ヘッドカバー42のブリーザ室43はエアークリーナ(図示せず)のクリーナエレメントの下流側に連通されている。
図7に示すように、オイルストレーナ2のオイル出口部9は、エンジンケースEC内に設けられたオイル通路33の下部のオイル導入部34に嵌合して接続されている。オイル通路33におけるオイル導入部34の近傍箇所には、クランク軸CS(図1)に連動するトロコイド式のオイルポンプ37が装着されている。オイルストレーナ2のバルブ受け部10にはリリーフバルブ38が嵌合状態で保持されているとともに、リリーフバルブ38は、オイル通路33から分岐したオイル抽出部39にねじ結合されて、リリーフ通路36に接続されている。
図8に示すように、オイル出口部9はゴムダンパ44を介在してシールした状態でオイル導入部34に接続されている。リリーフバルブ38は、これの下端部分とバルブ受け部10との間にゴムダンパ47を介在して液密にシールした状態で、バルブ受け部10に保持されている。バルブ受け部10におけるゴムダンパ47よりも上方側部分とリリーフバルブ38の外周面との間には、環状のオイル溜め空間48が形成されている。リリーフバルブ38は、オイル通路33内のオイル圧力を一定値以下に保つものであり、オイル抽出部39内のオイル圧力がバルブスプリング38aのばね圧力よりも上昇した場合に、ピストン38bがオイル圧力によりバルブスプリング38aの付勢力に抗して押し下げられ、これにより、オイル排出孔38cをリリーフ通路36に連通させて、オイル通路33内の余分なオイルをオイル排出孔38cからオイル溜め空間48に排出する。このオイル溜め空間48内に溜められているオイルは、ピストン38bの作動時の振動音を消音する機能を持つ。
つぎに、上記構成において、図7のオイルポンプ37が作動すると、オイルパン1のオイル溜め凹部19内のオイル60が、オイル吸込口7aから吸込用筒部7内に吸い込まれたのち、ストレーナ本体4内のオイルフィルタ3により濾過されて異物を除去され、オイル出口部9からオイル導入部34内に入り、クランク軸CS(図1)やトランスミッション(図示せず)などの各潤滑箇所へ供給される。潤滑を終えたオイル60は図4のオイルパン1の浅底部20上に落下したのちに、オイル溜め凹部19内に流動して戻るように循環する。
前記エンジンEを搭載した自動二輪車の急加速時には、オイル溜め凹部19内のオイル60が後方Rに向け急激に流動しようとし、一方、自動二輪車の急減速時には、オイル溜め凹部19内のオイルが前方Fに向け急激に流動しようとする。このとき、抑止構造体8における前後一対の縦壁11,12が、オイル吸込口7aに対し前側および後側の近傍箇所でオイル60の流動をせき止める。そのため、オイル吸込口7a周辺には十分なオイル量を確保することができる。
また、自動二輪車の急旋回時には、図4に示すオイル溜め凹部19内のオイル60が左右方向に激しく流動してオイル溜め凹部19から浅底部20上に乗り上げようとするが、このとき、抑止構造体8の3つの連結壁16,17,18が、上述のオイルの左右方向の流動を抑制するとともに、横壁13がオイル溜め凹部19内のオイルの上方への飛び出しを阻止するので、この場合においても、オイル吸込口7a周辺に十分なオイル量を確保することができる。このような横壁13および連結壁16,17,18(図2に明示)は、オイルパン1に流動抑止壁を一体形成した従来の抑止構造では設けることができないものである。
縦壁11,12は、オイルストレーナ2に設けられていることから、従来のようにオイルパンに設ける場合と比較して、下部の隙間である図7の流動路24,29の分だけ、上下寸法を小さくすることができ、これに伴って、所要の強度を維持しながら厚さも小さくできるのに加えて、抑止構造体8を有するオイルストレーナ2が樹脂による一体形成品であることから、このオイルストレーナ2とオイルパン1からなるオル溜め構造の全体重量が軽量化される。オイルストレーナ2は、別部品で形成した金属製の抑止構造体8を金属製のストレーナ本体4に溶接のような手段で接合して一体化する構成としても、従来よりも上下寸法および厚さを小さくできる分だけ、軽量化できる。
また、ブリーザ戻し通路31(図1)を通って戻ってきたオイルを、図6に示したように、一対の縦壁11,12の間の、オイル量の変動、つまり油面61の変動が少ない吸上げ室35内に導くようにしたので、ブリーザ戻し通路下流部30のオイル出口30aは、オイル60内に常に浸漬された状態に維持できるから、油面61よりも上方からオイル60を戻す場合のような泡立ちがなくなって、オイル60内へのエア噛みを防止することが可能となる。
さらに、ブリーザ戻し通路下流部30はオイルパン1の壁に形成されているから、従来のブリーザ戻し通路を形成していたゴムパイプが不要となり、部品点数の削減に伴う組立性の向上、軽量化およびコスト低減が実現される。
また、図7に示したように、オイルストレーナ2には、リリーフバルブ38を保持するバルブ受け部10が一体に設けられているので、オイルパンにバルブ受け部を一体形成する従来のオイル溜め構造とは異なり、バルブ受け部10を、オイル溜め凹部19の内底面19aから上方に離間してエンジンケースECの近接位置に配置できるから、バルブ受け部10の上下寸法が小さくなるので、オイルパン1とオイルストレーナ2とを含むオイル溜め構造全体のさらなる軽量化を図ることができる。
しかも、前記オイルストレーナ2には、オイル出口部9とバルブ受け部9とが上方に向かって同一方向に開口した配置で一体形成されているので、オイルパン1をエンジンケースECの下部に連結するときに、オイル出口部9がエンジンケースEC下部のオイル導入部34に嵌合され、かつ、バルブ受け部10が、エンジンケースEC下部のオイル抽出部39にリリーフバルブ38を介して嵌合されるので、オイルストレーナ2の水平面内での回り止めがなされる。したがって、従来のオイルストレーナに設けられてエンジンケースの突起に係合されていた回り止め用爪が不要となり、オイルストレーナ2の組立性がさらに向上する。
本発明の一実施形態のオイルストレーナを用いた4サイルエンジンを示す側面図である。 同オイルストレーナを示す斜視図である。 同オイルストレーナが装着されたオイルパンを示す平面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図3のV −V 線断面図である。 図3のVI−VI線断面図である。 同オイルストレーナの側面図である。 図7の一部分を示す縦断面図である。 (a)は従来のオイル溜め構造を示す概略平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
符号の説明
E エンジン
1 オイルパン
2 オイルストレーナ
3 オイルフィルタ
4 ストレーナ本体
8 抑止構造体
9 オイル出口部
10 バルブ受け部
11,12 縦壁
13 横壁
16,17,18 連結壁
24,29 流動路
30 ブリーザ戻し通路の下流部
30a ブリーザ戻し通路の出口
32 ブリーザ戻し通路
33 オイル通路
38 リリーフバルブ

Claims (6)

  1. エンジン下部に配置されるオイルパンと、前記オイルパン内のオイルを吸い込むオイルストレーナとを備え、
    前記オイルパンには、下方へ突出して前後方向に延びるオイル溜め凹部が形成され、
    オイルフィルタを収納するストレーナ本体に、前記オイルのオイルパン内での移動を抑制する抑止構造体と、前記ストレーナ本体の内部に連通してその下面から下方向に延設した吸込用筒部とが設けられ、
    前記吸込用筒部の下端に形成されるオイル吸込口が、前記オイル溜め凹部内に配置され、
    前記抑止構造体は、前記オイル吸込口の近傍に配置され、前記オイル溜め凹部を前後方向に仕切っているエンジンのオイル溜め構造。
  2. 請求項1において、前記抑止構造体は、エンジンの左右方向に延びるほぼ鉛直な前後一対の縦壁を有し、
    前記前後一対の縦壁は、前記オイル吸込口に対し前後位置に配置されているエンジンのオイル溜め構造
  3. 請求項2において、前記抑止構造体は、前記一対の縦壁の一方の上端部から前記ストレーナ本体まで水平に延びる横壁と、この横壁および前記ストレーナ本体と前記一対の縦壁の他方の上端部とを連結する水平に延びた複数の連結壁を有しているエンジンのオイル溜め構造
  4. 請求項1,2または3において、前記ストレーナ本体に、オイル通路のリリーフバルブを保持するバルブ受け部が一体に設けられているエンジンのオイル溜め構造
  5. 請求項1から4のいずれか一項において、前記オイル吸込口が、前記抑止構造体の下端よりも下方に位置しているエンジンのオイル溜め構造。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のオイル溜め構造を備え、
    前記オイルパンは、前記オイル溜め凹部の左右方向の一側部または両側部に浅底部を有し、
    前記浅底部の下方に前記エンジンの排気管が配置されているエンジン。
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