JP2011184819A - 熱処理装置、並びに炭素繊維の製造方法 - Google Patents

熱処理装置、並びに炭素繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被処理物の生産速度の向上に伴う設備コスト、設置スペースの増大や、蓄熱を惹起することなく、被処理物の生産性を可及的に向上させることが可能な熱処理装置を提供すること。
【解決手段】被処理物を連続的に熱処理する熱処理室と、前記被処理物が該熱処理室内を水平方向に折り返しながら複数段に渡って通過するように、該熱処理室のそれぞれの段の入り側及び出側に配置された転回手段とを有する熱処理装置において、該転回手段が水平方向に並設された複数のローラーからなり、該複数のローラーは、前記熱処理室壁に近い方から、ローラーの半径が小さいものから順に複数個並設されている熱処理装置。かかる熱処理装置を、炭素繊維の製造において、前駆体繊維の耐炎化熱処理装置(耐炎化炉)に用いると、高生産性で、従って低価格で耐炎化繊維を得ることができ、結果的に、炭素繊維の製造コストの低減に寄与する。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維あるいはシート状物等の被処理物を連続的に熱処理する熱処理装置に関し、とりわけ、炭素繊維の製造工程の1つであるポリアクリロニトリル繊維束(ストランド)の耐炎化工程において用いられる耐炎化熱処理装置と、それを用いた耐炎化繊維の製造方法に関する。
近年、炭素繊維、特にポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維は、各種のマトリックス樹脂と複合化され、得られる炭素繊維強化複合材料(CFRP)は、その高い比強度・比弾性率を利用して、航空機や自動車などの構造材料や、テニスラケット、ゴルフシャフト、釣竿などの一般産業用途などに広く利用されている。
従来、PAN系炭素繊維を製造する方法としては、数十〜数百本のPAN繊維束をシート状に引き揃え、200〜300℃の酸化性雰囲気中で加熱処理(酸化処理又は耐炎化処理)し耐炎化繊維を得、更に300℃〜800℃の不活性雰囲気中及び800〜1500℃の不活性雰囲気中で炭素化処理をして、炭素繊維を得ることが一般的である。そして、耐炎化工程では効率良く熱処理を行うため、ローラーなどの転回手段を用いて順次折り返しながら熱処理を行う熱処理装置を用いることが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
一方、炭素繊維の生産性を向上させるためには、生産速度を上げるか、若しくは繊維束の投入本数を増やす方法が効率の良い手段である。しかし、生産速度を上げる方法では、実質的に設備長が長くなり設備コスト、設置スペースが増大し、結果として、製造コストを下げることは困難となる。投入本数を増やす方法では、溝ロール等のピッチを狭めることによって可能であるが、ピッチを狭めることにより繊維束の扁平性を妨げる結果となり、焼成ムラ、糸撚りの発生、蓄熱による発火の原因となる場合がある。
特開2008−115481号公報
本発明の課題は、被処理物の生産速度の向上に伴う設備コスト、設置スペースの増大や、蓄熱を惹起することなく、被処理物の生産性を可及的に向上させることが可能な熱処理装置を提供することにある。
そして、とりわり、本発明の課題は、炭素繊維の製造において、生産速度の向上に伴う設備コスト、設置スペースの増大や、投入本数の増大に伴う焼成ムラ、糸撚りの発生、蓄熱を惹起することなく、炭素繊維の生産性を可及的に向上させることが可能な熱処理装置を提供することにある。
本発明者は、炭素繊維の生産性の向上に関する問題を解決するために、種々検討した結果、耐炎化工程で使用される熱処理装置について、ローラーの径やローラーの配置に工夫を凝らすことによって、繊維束の投入ピッチを狭めることなく投入密度を増やすことのできる熱処理装置を知見し本発明に到達した。そして、更に、かかる熱処理装置は、各種繊維やシート状物等の被処理物の、広く乾燥を含む熱処理や炭素繊維の炭素化工程のための装置にも適用できることを知見し本発明を完成した。
前記課題は、本発明の下記の各態様によって達成される。
本発明の第1の態様は、被処理物を連続的に熱処理する熱処理室と、前記被処理物が該熱処理室内を水平方向に折り返しながら複数段に渡って通過するように、該熱処理室のそれぞれの段の入り側及び出側に配置された転回手段とを有する熱処理装置において、該転回手段が水平方向に並設された複数のローラーからなり、該複数のローラーは、前記熱処理室壁に近い方から、ローラーの半径が小さいものから順に複数個並設されていることを特徴とする熱処理装置である。
本発明の第2の態様は、複数本の炭素繊維前駆体ストランドを耐炎化熱処理する熱処理室と、該ストランドが熱処理室内を水平方向に折り返しながら数段に渡って通過するように、該熱処理室のそれぞれの段の入り側及び出側に配置された転回手段とを有する耐炎化熱処理装置において、該転回手段が水平方向に並設された複数のローラーからなり、該複数のローラーは、前記熱処理室壁に近い方から、ローラーの半径が小さいものから順に複数個並設されていることを特徴とする耐炎化熱処理装置である。
そして、本発明の他の態様は、前記第2の態様の耐炎化熱処理装置を用いて、複数本の炭素繊維前駆体ストランドを同時に、熱処理室内を水平方向に折り返し通過させることによって、前記ストランドを耐炎化熱処理することを特徴とする耐炎化繊維の製造方法である。
本発明の熱処理装置は、装置のサイズを変更することなく被処理物の投入密度を上げることができる。従って、本発明の熱処理装置を用いることで、その結果、品質、品位、安全性を下げることなく生産性だけを向上させることができる。そして、本発明のポリアクリロニトリル繊維を耐炎化する際の耐炎化熱処理装置(耐炎化炉)を用いると、高生産性で、従って低価格で耐炎化繊維を得ることができ、得られた耐炎化繊維を炭素化処理することにより、炭素繊維自体の更なる高性能化、低製造コスト化、また取扱性に優れる高品質化などが可能となる。
本発明の実施形態に係る熱処理装置の概略図である。 従来の一般的な熱処理装置の概略図である。
本発明の熱処理装置は、被処理物を連続的に熱処理する熱処理室と、前記被処理物が該熱処理室内を水平方向に折り返しながら複数段に渡って通過するように、該熱処理室のそれぞれの段の入り側及び出側に配置された転回手段とを有する熱処理装置であって、該転回手段が水平方向に並設された複数のローラーからなり、該複数のローラーは、前記熱処理室壁に近い方から、ローラーの半径が小さいものから順に複数個並設されているものである。なお、本発明においては、被処理物が熱処理室内を水平方向に折り返しながら複数段に渡って通過するようになっているのであるから、「熱処理室のそれぞれの段の入り側及び出側に配置された転回手段」の意味・内容において、1段目の出側に配置された転回手段は、第2段目の入り側に配置された転回手段と併用されるものであり、第2段目の出側に配置された転回手段は、第3段目の入り側に配置された転回手段と併用されているものを意味する(以下各段において同様)。
本発明の熱処理装置について、その概要を図面に基づいて説明する。先ず、分かりやすくするために、転回手段として2個のローラーを並設した場合で説明する。
図2は、従来公知の熱処理装置の断面図であり、被処理物は転回手段(ローラー)(21a〜21h)を順に折り返され熱処理される構造となっている。これに対し、本発明の熱処理装置の一例の断面図は、図1に示したようなものである。図1のものも、被処理物は転回手段、即ち、第1ローラー列11a〜11hと第2ローラー列12a〜12hによって順に折り返され熱処理される構造となっている。図1から分かるように、本発明の熱処理装置は、2層の被処理物を同時に処理するために2個の大小異なるローラー列を有しており、熱処理室壁に近い第1ローラー列(11a〜11h)は、遠い位置の第2ローラー列(12a〜12h)より径が小さいローラーにより構成されており、第1の被処理物5と第2の被処理物6が干渉・交錯することなく熱処理することができ、熱処理装置のサイズを変更することなく被処理物の投入密度を上げることができるのである。
前記態様の熱処理装置において、熱処理室壁に被処理物の出入り口を有し、連続的に走行する被処理物をローラーにて折り返し熱処理を行い、熱処理室壁に近傍な位置に第1ローラー列、熱処理室壁に対して第1ローラー列より次に遠い位置に第2ローラー列が配設され、第1ローラーの径をd1、第2ローラーの径をd2とするとき、d2>d1の関係を満足しており、更には熱処理を行う第1被処理物、第1被処理物に対して平行面上を走行する第2被処理物が、第1列のローラーと第2列のローラーを介して順次交互に折り返され、第1被処理物と第2被処理物が2層構成で熱処理される。
転回手段としてn個のローラーを並設した場合で説明する。この場合には、ローラー列が熱処理室壁の両側にそれぞれ3列以上並設され、熱処理室壁に近傍な列を第1ローラー列、第1ローラー列より次に遠い位置に第2ローラー列、最も外側の列を第nローラー列とし、それぞれのローラーの径を順にd1、d2・・・dnとするとき、dn>dn−1>・・・d3>d2>d1の関係を満足する。nが大きくなるほど被処理物の投入密度をさらに上げることができる。しかし、nが大きくなるほど第1列のローラーの径が小さくなり、ローラー剛性の低下が懸念されるので、nは2〜5が好ましい。より好ましくは2又は3である。
前記熱処理装置において、熱処理の第1段目の入り側のローラーを径を小さい方からR11、R12、R13、・・・R1nとし、第2段目の入り側(又は第1段目の出側)のローラーの径を小さい方からR21、R22、R23、・・・R2nとし、第3段目の入り側(又は第2段目の出側)のローラーの径を小さい方からR31、R32、R33、・・・R3nとし、第4段目の入り側(又は第3段目の出側)のローラーの径を小さい方からR41、R42、R43、・・・R4n、以下順次、・・・第m段目の入り側(又は第m−1段目の出側)のローラーの径を小さい方からRm1、Rm2、Rm3、・・・Rmnとするとき、被処理物を、R11とR2n、R2nとR31、R31とR4n、・・・R1nとR21、R21とR3n、R3nとR41・・・との間で折り返すことにより、被処理物が互いに接触することなく熱処理室内を通過させることができる。
本発明の熱処理装置においては、折り返しの転回手段、即ち、ローラーは固定ローラーであってもよいが、好ましくは、回転ローラーである。ローラーの径は、2列のローラーの場合、ロール径d1=300〜400mm、ロール径d2=350〜450mmの範囲にあるものであり、かつd1>d2であるものである。また、熱処理物の各層が接近しすぎると品質に影響を与える可能性があるため、d2−d1≧50mmであることが好ましい。
本発明の熱処理装置は、とりわけ、ポリアクリロニトリル繊維の耐炎化熱処理装置として使用するのが好ましい。この場合において、炭素繊維前駆体ストランド(ポリアクリロニトリル繊維の束)が、0.03〜0.07texの単糸が3,000〜100,000本収束した実質的に撚りのないポリアクリロニトリル繊維束であるものが好ましい。
本発明において、炭素繊維の製造方法に用いられるポリアクリロニトリル(PAN)繊維としては、従来公知のPAN繊維(共重合体を含む)が何ら制限なく使用できる。例えば、アクリロニトリルを90重量%以上、好ましくは95重量%以上含有する単量体を単独又は共重合した紡糸溶液を紡糸して、炭素繊維原料(前駆体繊維)とする。紡糸方法としては、湿式又は乾湿式紡糸方法いずれの方法も用いることができるが、複合材料とする場合のマトリックス樹脂とのアンカー効果による接着性を考慮すると、表面にひだを有する湿式紡糸方法がより好ましい。また、凝固した後は、水洗・乾燥・延伸して炭素繊維原料とすることが好ましい。共重合する単量体としては、アクリル酸メチル、イタコン酸、メタクリルメチル、アクリル酸等が好ましい。
このようにして得られる前駆体繊維を、本発明の熱処理装置を用い、耐炎化繊維の製造法に従って耐炎化処理して耐炎化繊維を得ることができる。そして、この耐炎化繊維を炭素化(必要に応じて、いわゆる黒鉛化処理することも含む)することによって非常に高い生産効率で炭素繊維を得ることができる。
用いられるPAN繊維としては、原糸束が、3,000〜100,000本の単糸からなる実質的に撚りのないポリアクリロニトリル繊維束を使用するのが好ましい。原糸束が3,000本以下の繊維束の場合は、生産性向上のみを考慮すると、本発明が有効であるが、ローラーへの巻き付きなどによる繊維束の品質安定化が難しいことや、もともと繊維の原単価が著しく高いことから、あまりコストメリットを得られない。一方、原糸束が100,000本以上の繊維束の場合は、耐炎化工程で蓄熱による切断トラブルが多く、また、生産工程への投入本数が著しく減少するため、本発明における効果が殆ど得られないので好ましくない。
通常の耐炎化処理は、例えば、加熱空気等の酸化性雰囲気中200〜280℃、好ましくは、240〜250℃の温度範囲内で行われる。前駆体繊維の耐炎化処理は、通常、雰囲気ガス循環式の加熱炉で、前駆体繊維を、供給ローラーと引き取りローラー間に複数回、所定の荷重をかけて延伸又は収縮させながら通過させることによって行われる。そして、通常、前駆体繊維は繊維束(ストランド)状態で処理されるので、ストランドはできるだけ収束された状態にあるのが、工程の安定性のために好ましい。特に、フィラメント数が20,000本以上の太いストランドの場合には、適当な油剤を付与してストランドの収束性を維持することが好ましい。
耐炎化繊維を炭素化して炭素繊維を得る場合、通常、以下に説明するような炭素化処理が行われる。第一炭素化処理では、耐炎化繊維を、不活性雰囲気中で、第一炭素化工程において、300〜900℃、好ましくは、500〜800℃の温度範囲内で、1.03〜1.07の延伸倍率で一次延伸処理し、次いで0.9〜1.01の延伸倍率で二次延伸処理して、繊維密度1.4〜1.7g/cmの第一炭素化処理繊維を得る。
次いで、上記第一炭素化処理繊維を、不活性雰囲気中で、第二炭素化工程において800〜2100℃、好ましくは、1000〜1450℃の温度範囲内で、同工程を一次処理と二次処理とに分けて延伸処理して、第二炭素化処理繊維を得る。一次処理では、第一炭素化処理繊維の密度が一次処理中上昇し続ける範囲、同繊維の窒素含有量が10質量%以上の範囲で、同繊維を延伸処理するのが好ましい。二次処理においては、一次処理繊維の密度が変化しない又は低下する範囲で、同繊維を延伸処理するのが好ましい。第二炭素化処理繊維の伸度は2.0%以上、より好ましくは2.2%以上である。また、第二炭素化処理繊維の直径は、5〜6.5μmであるのが好ましい。また、これら焼成工程は、単一設備で連続して処理することも、数個の設備で連続して処理することも可能であり、特に限定されるものではない。更に、必要に応じて、第三炭素化処理において、上記第二炭素化処理繊維を1500〜2500℃、好ましくは、1550〜1900℃で更に炭素化又は黒鉛化処理される。
上記第三炭素化処理繊維は、引き続いて表面処理を施こされる。表面処理には気相、液相処理も用いることができるが、工程管理の簡便さと生産性を高める点から、電解処理による表面処理が好ましい。また電解処理に使用される電解液は、従来の公知のものを使用することができ、硝酸、硝酸アンモニウム、硫酸、硫酸アンモニウム、水酸化ナトリウム等を用いることができ、無機酸、有機酸及びアルカリ問わず、特に限定されるものではない。
上記表面処理繊維は、引き続いてサイジング処理を施こされる。サイジング方法は、従来の公知の方法で行うことができ、サイジング剤は、用途に即して適宜組成を変更して使用し、均一付着させた後に、乾燥することが好ましい。
本発明を以下の実施例及び比較例により具体的に説明する。
[実施例1、比較例1]
アクリロニトリル95重量%/アクリル酸メチル4重量%/イタコン酸1 重量%よりなる共重合体紡糸原液を、常法により湿式紡糸し、水洗・オイリング・乾燥後、トータル延伸倍率が14倍になるようにスチーム延伸を行い、1733texの繊度を有するフィラメント数24
,000 の炭素繊維前駆体繊維(PAN繊維)を得た。かくして得られた炭素繊維前駆体ストランドを後述する製造工程で、図1(実施例)と図2(比較例)に示したような熱処理装置を用いて処理し、本発明の耐炎化繊維を得た。
このとき熱処理装置の転回手段には回転ローラーを用い、材質として機械構造用炭素鋼(S45C)を用い、表面をRa=3.5nmにバフ研磨を行ったものである。また、図2に示したような従来の転回手段を用いた熱処理装置のローラー径は、d3=400mmであった。図1に示したような本発明の転回手段を用いた熱処理装置では、炭素繊維前駆体ストランドは、第1転回手段(第1ローラー列)と第2転回手段(第2ローラー列)を交互に行き来し、2層構成で熱処理される。この熱処理装置の第1転回手段のローラー径はd2=300mmであり、第2転回手段のローラー径はd1=400mmであった。
前記で得られた各種の耐炎化繊維を、通常の炭素化熱処理装置を用いて、常法に従って、窒素雰囲気中、炉内温度分布300〜580
℃、延伸倍率1.01倍で第一炭素化を行った後、1000〜1450℃の温度範囲内で第二炭素化を行った。更に、得られた第二炭素化繊維を、1400〜1850℃の温度範囲内で第三炭素化を行い、表面処理、サイジング処理を経た後、表1に示したような特徴を有する炭素繊維を得た。
表1より、本発明の転回手段を用いた熱処理装置にて加工した実施例1の場合には、従来の転回手段を用いた熱処理装置にて加工した比較例1に比較して、同じ生産速度の場合でも品質は変わらず、より生産性が高い(対応する生産性比が高い)炭素繊維が得られている。
なお、表1において生産性比とは、比較例1の投入本数を基準として、(実施例1の投入本数)÷(比較例1の投入本数)の値を求めたものである。従って生産性比が1以上であれば、生産性が向上したことになり、結果、生産性比分だけ生産量が増大することとなる。
Figure 2011184819
本発明の転回手段を用いた熱処理装置は、典型的には炭素繊維の製造工程、とりわけ、ポリアクリロニトリル繊維束の耐炎化工程で用いられる。しかし、本発明の転回手段を用いた熱処理装置は、その用途に限定されるものではなく、高生産性を目的とする各種繊維、シート状物等の熱処理工程において、品質を低下させることなく、高生産性を実現できる装置として有効に用いることができる。
1:熱処理装置
2:熱処理室
5:第1被処理物
6:第2被処理物
7:被処理物
11a〜11h:第1ローラー列
12a〜12h:第2ローラー列
21a〜21h:ローラー列
d1:第1ローラーの外径
d2:第2ローラーの外径
d3:ローラーの外径


Claims (4)

  1. 被処理物を連続的に熱処理する熱処理室と、前記被処理物が該熱処理室内を水平方向に折り返しながら複数段に渡って通過するように、該熱処理室のそれぞれの段の入り側及び出側に配置された転回手段とを有する熱処理装置において、該転回手段が水平方向に並設された複数のローラーからなり、該複数のローラーは、前記熱処理室壁に近い方から、ローラーの半径が小さいものから順に複数個並設されていることを特徴とする熱処理装置。
  2. 複数本の炭素繊維前駆体ストランドを耐炎化熱処理する熱処理室と、該ストランドが熱処理室内を水平方向に折り返しながら数段に渡って通過するように、該熱処理室のそれぞれの段の入り側及び出側に配置された転回手段とを有する耐炎化熱処理装置において、該転回手段が水平方向に並設された複数のローラーからなり、該複数のローラーは、前記熱処理室壁に近い方から、ローラーの半径が小さいものから順に複数個並設されていることを特徴とする耐炎化熱処理装置。
  3. 請求項2記載の耐炎化熱処理装置を用いて、複数本の炭素繊維前駆体ストランドを同時に、熱処理室内を水平方向に折り返し通過させることによって、前記ストランドを耐炎化熱処理することを特徴とする耐炎化繊維の製造方法。
  4. 炭素繊維前駆体ストランドが、0.03〜0.07texの単糸が3,000〜100,000本収束した実質的に撚りのないポリアクリロニトリル繊維束であることを特徴とする請求項3記載の耐炎化繊維の製造方法。
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