JP2011184094A - パール調外観容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のパール調外観容器1は、2層以上の層を有する積層体10により形成され、最外層11が、ポリプロピレン系樹脂材料90〜99.9質量%と、パール顔料0.1〜10質量%とを含有し、最外層11に含まれるポリプロピレン系樹脂材料が、反応器内でホモポリプロピレンあるいはエチレン−プロピレンランダム共重合体の存在下、エチレン・αオレフィン共重合体ゴムを重合して得た反応ブレンド型ポリプロピレンである。
【選択図】図1
Description
パール調外観の容器としては、例えば、特許文献1に、パール顔料を含有する透明の合成樹脂からなる外層と、着色顔料を含有する不透明な合成樹脂からなる内層とを備えた多層容器が開示されている。
また、特許文献2に、低密度ポリエチレンを含有する透明なポリプロピレンからなる外層と、パール顔料を含有するポリプロピレンからなる中間層と、ポリプロピレンからなる内層とを備えた多層容器が開示されている。
また、特許文献3に、エチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂からなる外層と、パール顔料を含有するポリエチレンからなる中間層と、着色顔料を含有するポリエチレンからなる内層とを備えた多層容器が開示されている。
そこで、本発明は、使用する樹脂材料の種類が少なくても良好なパール調外観と高い耐衝撃性を有するパール調外観容器を提供することを目的とする。
最外層が、ポリプロピレン系樹脂材料90〜99.9質量%と、パール顔料0.1〜10質量%とを含有し、
前記最外層に含まれるポリプロピレン系樹脂材料が、反応器内でホモポリプロピレンあるいはエチレン−プロピレンランダム共重合体の存在下、エチレン・αオレフィン共重合体ゴムを重合して得た反応ブレンド型ポリプロピレンであって、下記(a)〜(c)の条件を満たすポリプロピレン系樹脂材料であることを特徴とするパール調外観容器。
(a)メルトフローレート(温度230℃、荷重21.6N)が0.1g/10分〜5g/10分である。
(b)5℃で測定したアイゾット衝撃強度が10kJ/m2以上である。
(c)1mm厚で測定した全光線透過率が20%以上である。
[2]2層以上の層を有する積層体により形成された容器であって、
最外層が、ポリプロピレン系樹脂材料90〜99.9質量%と、パール顔料0.1〜10質量%とを含有し、
前記最外層より内側に配置された内層が、ポリプロピレン系樹脂材料を含有し、
前記最外層と内層に含まれるポリプロピレン系樹脂材料が共に、反応器内でホモポリプロピレンあるいはエチレン−プロピレンランダム共重合体の存在下、エチレン・αオレフィン共重合体ゴムを重合して得た反応ブレンド型ポリプロピレンであって、下記(a)〜(c)の条件を満たすポリプロピレン系樹脂材料であることを特徴とするパール調外観容器。
(a)メルトフローレート(温度230℃、荷重21.6N)が0.1g/10分〜5g/10分である。
(b)5℃で測定したアイゾット衝撃強度が10kJ/m2以上である。
(c)1mm厚で測定した全光線透過率が20%以上である。
[3]前記内層は、着色顔料を0.1〜10質量%含有することを特徴とする[2]に記載のパール調外観容器。
図1に、本実施形態例の容器を示す。本実施形態例の容器1は、外層11および内層12とからなる積層体10によって成形されたものであり、内容物が充填される円筒状の胴部20と、胴部20より直径が小さく、胴部20から内容物を注ぎだす口部30とを有している。
外層11の厚さは100〜500μmであることが好ましい。外層11の厚さがこの範囲であれば、パール調の外観と内層12の基底色がバランスよく鮮明に得られる。
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂が下記(a)〜(c)の条件を満たす。
MFRは、好ましくは0.3g/10分以上である。また好ましくは3.5g/10分以下、より好ましくは2.5g/10分以下である。
5℃で測定したアイゾット衝撃強度は、好ましくは20kJ/m2以上、より好ましくは 40kJ/m2以上である。
全光線透過率は、好ましくは 25%以上、より好ましくは 30%以上である。
エチレン又はα−オレフィン単独重合体としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−1−ペンテン、ポリ−1−ヘキセン、ポリ(3−メチル−1−ペンテン)、ポリ(3−メチル−1−ブテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ−1−ヘキセン、ポリ−1−ヘプテン、ポリ−1−オクテン、ポリ−1−デセン、ポリスチレンが挙げられる。
外層11が他の熱可塑性樹脂が含有する場合の含有量の下限値は1質量%以上であることが好ましい。
内層12は、上記ポリプロピレン系樹脂材料と着色顔料とを含有することが好ましい。内層12が上記ポリプロピレン系樹脂材料と着色顔料とを含有すれば、外層11のパール調の外観を際立たせるように発色させることが容易になる。
ここで、着色顔料としては、例えば、(黒)カーボンブラック、鉄黒、(白)酸化チタン、亜鉛華、リトボン、鉛白、(青)紺青、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーRS、ファーストスカイブルーレーキ、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、(赤)弁柄、鉛炭、モリブデンレッド、カドミウムレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、リソールレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッド、チオインジゴレッド、アリザリンレッド、キナクリドンレッド、ローダミンレーキ、オレンジレーキ、ベンズイミダゾロンレッド、ピラゾロンレッド、縮合アゾレッド、ペリレンレッド、パーマネントカーミンFB、キナクリドンマゼンダ、(黄)黄鉛、カドミウムイエロー、チタンイエロー、鉄黄、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、ファーストイエロー、フラボンスロンイエロー、ナフトールイエロー、キノリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、HRイエロー、縮合アゾイエロー、(緑)クロムグリーン、酸化クロム、ギネグリーン、スピネルグリーン、フタロシアニングリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーン、アッシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、(橙)クロムオレンジ、カドミウムオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、(茶)亜鉛フェライト、(紫)マンガン紫、コバルト紫、紫弁柄、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレットなどが挙げられる。
また、内層12には、外層11と同様に、他の熱可塑性樹脂もしくは添加剤が含まれてもよい。
外層11用の樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂材料とパール顔料と必要に応じて他の熱可塑性樹脂、添加剤を混合することによって製造される。パール顔料は、工業的な観点から、マスターバッチにされてポリプロピレン系樹脂材料と混合されることが好ましい。マスターバッチはパール顔料に希釈用樹脂が配合されて作製される。希釈用樹脂としては、上記他の熱可塑性樹脂が挙げられる。
混合方法としては、ヘンシェルミキサー、タンブラーおよびリボンミキサー等の混合機を使用してドライブレンドする方法、押出混合機、ニーダーおよびバンバリー等の混合機を用いて溶融しながら混合する方法が挙げられる。溶融する場合の溶融温度は160〜350℃であることが好ましく、170〜260℃であることがより好ましい。
内層12が着色顔料を含有する場合には、内層12用の樹脂組成物も、外層11用の樹脂組成物と同様に、ポリプロピレン系樹脂材料と着色顔料と必要に応じて他の熱可塑性樹脂、添加剤を混合することによって製造される。着色顔料は、マスターバッチにされてポリプロピレン系樹脂材料と混合されることが好ましい。
しかも、容器1では、上記ポリプロピレン系樹脂材料を外層11と内層12に使用することで、他の樹脂材料を使用しなくても、良好なパール調外観と高い耐衝撃性を得ることができる。
また、外層よりもさらに外側に、耐擦傷性を確保するための保護層を備えてもよい。
また、容器の形状については、図1に示す形状に限らず、各種形状を採用することができる。
ポリプロピレン系樹脂(反応ブレンド型ポリプロピレン、サンアロマー社製PP2240)と、パール顔料マスターバッチ(東京インキ社製PPM 1AK358 PEARL#111)とを、パール顔料の含有量が1.5質量%になるように、配合した。これにより得られた混合物を、押出機を用い、210℃で溶融混練して、第1の容器用樹脂組成物を得た。
また、ポリプロピレン系樹脂(反応ブレンド型ポリプロピレン、サンアロマー社製PP2240)と、赤色着色顔料マスターバッチ(東京インキ社製PPM 4AK689 RED#31)とを、着色顔料の含有量が3.0質量%になるように、配合した。これにより得られた混合物を、押出機を用い、210℃で溶融混練して、第2の容器用樹脂組成物を得た。
ブロー成形(成形温度:210℃、成形機:日本製鋼所JB105型中空成形機)により、外層と内層との積層体からなる製品質量24g(内容積215ml)の容器を作製した。その際、外層は第1の容器用樹脂組成物から構成し、厚さを280μmとし、内層は第2の容器用樹脂組成物から構成し、厚さを1100μmとした。
外層および内層に含まれるポリプロピレン系樹脂を、ブロック共重合型ポリプロピレン(サンアロマー社製PB370A)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、容器を得た。
外層および内層に含まれるポリプロピレン系樹脂を、ブロック共重合型ポリプロピレン(サンアロマー社製PB363W)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、容器を得た。
外層および内層に含まれるポリプロピレン系樹脂を、ランダム共重合型ポリプロピレン(サンアロマー社製PS320M)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、容器を得た。
[アイゾット衝撃強度]
アイゾット衝撃強度は、ポリプロピレン系樹脂を射出成形して(成形温度:250℃、成形機:ファナック社製100B)、幅12.7mm×厚さ4.0mm×長さ64mmの成形品を作製し、さらに、この成形品をノッチが形成されるように加工して試験片を得た。この試験片を用い、JIS K 7110に準拠し、5℃の環境下でアイゾット衝撃強度を測定した。
[全光線透過率]
全光線透過率は熱プレス成形(成形温度:230℃、成形機:庄司鉄工36トン熱プレス)して、幅150mm×長さ200mm×厚さ1.0mmのシートを作製し、幅50mm×長さ50mm×厚さ1.0mmに加工して試験片を得た。この試験片を用い、JIS K 7105に準拠して測定した。
[容器落下強度]
容器に215mlの水を満水になるまで注ぎ、蓋をした。これを5℃の温度下で、1.2mの高さから底面(垂直方向)、胴部(水平方向)から交互に落下させ、容器が破裂するまで繰り返した。ただし、最大繰り返し数を20回とした。表2には、途中で破裂した場合はその回数を、破裂がない場合は20(破裂なし)と記載した。
[外観]
パール調の外観について、ランダム共重合型ポリプロピレン材料を基準にして3段階で評価した。(○:ランダム共重合型ポリプロピレン同等以上、△:○と×の中間、×:ランダム共重合型ポリプロピレンに劣る。)
ブロック共重合型で全光線透過率が20%未満のポリプロピレン系樹脂を外層および内層に含有する比較例1の容器は、パール調の外観が充分に得られなかった。
ブロック共重合型で全光線透過率が20%未満のポリプロピレン系樹脂を外層に含有する比較例2の容器は、前記の比較例1に比較して良好ではあったが、パール調の外観が充分に得られなかった。
ランダム共重合型で5℃アイゾット衝撃強度が10kJ/m2未満のポリプロピレン系樹脂を外層および内層に含有する比較例3の容器は、容器落下強度が充分に得られなかった。
10 積層体
11 外層
12 内層
20 胴部
30 口部
Claims (3)
- 2層以上の層を有する積層体により形成された容器であって、
最外層が、ポリプロピレン系樹脂材料90〜99.9質量%と、パール顔料0.1〜10質量%とを含有し、
前記最外層に含まれるポリプロピレン系樹脂材料が、反応器内でホモポリプロピレンあるいはエチレン−プロピレンランダム共重合体の存在下、エチレン・αオレフィン共重合体ゴムを重合して得た反応ブレンド型ポリプロピレンであって、下記(a)〜(c)の条件を満たすポリプロピレン系樹脂材料であることを特徴とするパール調外観容器。
(a)メルトフローレート(温度230℃、荷重21.6N)が0.1g/10分〜5g/10分である。
(b)5℃で測定したアイゾット衝撃強度が10kJ/m2以上である。
(c)1mm厚で測定した全光線透過率が20%以上である。 - 2層以上の層を有する積層体により形成された容器であって、
最外層が、ポリプロピレン系樹脂材料90〜99.9質量%と、パール顔料0.1〜10質量%とを含有し、
前記最外層より内側に配置された内層が、ポリプロピレン系樹脂材料を含有し、
前記最外層と内層に含まれるポリプロピレン系樹脂材料が共に、反応器内でホモポリプロピレンあるいはエチレン−プロピレンランダム共重合体の存在下、エチレン・αオレフィン共重合体ゴムを重合して得た反応ブレンド型ポリプロピレンであって、下記(a)〜(c)の条件を満たすポリプロピレン系樹脂材料であることを特徴とするパール調外観容器。
(a)メルトフローレート(温度230℃、荷重21.6N)が0.1g/10分〜5g/10分である。
(b)5℃で測定したアイゾット衝撃強度が10kJ/m2以上である。
(c)1mm厚で測定した全光線透過率が20%以上である。 - 前記内層は、着色顔料を0.1〜10質量%含有することを特徴とする請求項2に記載のパール調外観容器。
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