JP5592675B2 - パール調外観容器 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂材料からなるパール調の外観を有する容器に関する。
通常、シャンプー、リンス、化粧品等は、樹脂製容器に充填されて販売されている。樹脂製容器においては、高級感を持たせるために、パール顔料が配合されてパール調の外観にされることがある。
パール調外観の容器としては、例えば、特許文献1に、パール顔料を含有する透明の合成樹脂からなる外層と、着色顔料を含有する不透明な合成樹脂からなる内層とを備えた多層容器が開示されている。
また、特許文献2に、低密度ポリエチレンを含有する透明なポリプロピレンからなる外層と、パール顔料を含有するポリプロピレンからなる中間層と、ポリプロピレンからなる内層とを備えた多層容器が開示されている。
また、特許文献3に、エチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂からなる外層と、パール顔料を含有するポリエチレンからなる中間層と、着色顔料を含有するポリエチレンからなる内層とを備えた多層容器が開示されている。
特開昭49−76676号公報 特開平5−8354号公報 特開平8−309836号公報
しかしながら、特許文献1,2,3に記載の容器において、パール顔料によるパール調の外観と耐衝撃性とのバランスを良くするためには、各層に使用する樹脂材料を異なるものとする必要があった。そのため、使用する樹脂材料の管理が煩雑になる傾向にあった。
そこで、本発明は、使用する樹脂材料の種類が少なくても良好なパール調外観と高い耐衝撃性を有するパール調外観容器を提供することを目的とする。
最外層と内層とからなる積層体により形成された容器であって、
前記最外層が、ポリプロピレン系樹脂材料90〜99.9質量%と、パール顔料0.1〜10質量%とを含有し、
前記最外層より内側に配置された内層が、ポリプロピレン系樹脂材料及び着色顔料を含有し、前記内層における着色顔料の含有割合が0.1〜10質量%であり、
前記最外層と内層に含まれるポリプロピレン系樹脂材料が共に、反応器内でホモポリプロピレンあるいはエチレン−プロピレンランダム共重合体の存在下、エチレン・αオレフィン共重合体ゴムを重合して得た反応ブレンド型ポリプロピレンであって、下記(a)〜(c)の条件を満たすポリプロピレン系樹脂材料であることを特徴とするパール調外観容器。
(a)メルトフローレート(温度230℃、荷重21.6N)が0.1g/10分〜5g/10分である。
(b)5℃で測定したアイゾット衝撃強度が10kJ/m以上である。
(c)1mm厚で測定した全光線透過率が20%以上である。
[2]最外層と、内層と、これらの層の間に形成された中間層とからなる積層体により形成された容器であって、
最外層が、ポリプロピレン系樹脂材料90〜99.9質量%と、パール顔料0.1〜10質量%とを含有し、
前記内層が、ポリプロピレン系樹脂材料及び着色顔料を含有し、前記内層における着色顔料の含有割合が0.1〜10質量%であり、
前記最外層と内層に含まれるポリプロピレン系樹脂材料が共に、反応器内でホモポリプロピレンあるいはエチレン−プロピレンランダム共重合体の存在下、エチレン・αオレフィン共重合体ゴムを重合して得た反応ブレンド型ポリプロピレンであって、下記(a)〜(c)の条件を満たすポリプロピレン系樹脂材料であることを特徴とするパール調外観容器。
(a)メルトフローレート(温度230℃、荷重21.6N)が0.1g/10分〜5g/10分である。
(b)5℃で測定したアイゾット衝撃強度が10kJ/m 以上である。
(c)1mm厚で測定した全光線透過率が20%以上である。
本発明のパール調外観容器は、使用する樹脂材料が少ないにもかかわらず、良好なパール外観と高い耐衝撃性を有する。
本発明のパール調外観容器の一実施形態例を示す断面図である。
本発明のパール調外観容器(以下、「容器」と略す。)の一実施形態例について説明する。
図1に、本実施形態例の容器を示す。本実施形態例の容器1は、外層11および内層12とからなる積層体10によって成形されたものであり、内容物が充填される円筒状の胴部20と、胴部20より直径が小さく、胴部20から内容物を注ぎだす口部30とを有している。
外層11は、ポリプロピレン系樹脂材料とパール顔料とを含有し、容器1の外観を良好にするための層である。
外層11の厚さは100〜500μmであることが好ましい。外層11の厚さがこの範囲であれば、パール調の外観と内層12の基底色がバランスよく鮮明に得られる。
外層11に含まれるポリプロピレン系樹脂材料は、反応器内でホモポリプロピレンあるいはエチレン−プロピレンランダム共重合体の存在下、エチレン・αオレフィン共重合体ゴムを重合して得た反応ブレンド型ポリプロピレンである。ここで、αオレフィンは炭素数3〜10のものである。また、エチレン・αオレフィン共重合体ゴムは、重合して得ると同時に、あらかじめ重合して得たものを反応器内に添加しても構わない。
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂が下記(a)〜(c)の条件を満たす。
(a)メルトフローレート(以下、「MFR」という。)が0.1〜5g/10分である。ここで、MFRは、JIS K 7210に準拠し、温度230℃、荷重21.6Nの条件で測定した値である。MFRが0.1g/10分未満であると、成形性が不充分になり、容器の製造が困難になり、5g/10分を超えると、粘度が低くなりすぎて、かえって成形性が損なわれる。
MFRは、好ましくは0.3g/10分以上である。また好ましくは3.5g/10分以下、より好ましくは2.5g/10分以下である。
(b)5℃で測定したアイゾット衝撃強度が10kJ/m以上である。ここで、アイゾット衝撃強度は、ノッチ加工された、幅12.7mm×厚さ4.0mm×長さ64mmの試験片を用い、JIS K 7110に準拠して5℃で測定された値である。5℃で測定したアイゾット衝撃強度が10kJ/m未満であると、耐衝撃性が損なわれる。
5℃で測定したアイゾット衝撃強度は、好ましくは20kJ/m以上、より好ましくは 40kJ/m以上である。
(c)1mm厚の試験片で測定した全光線透過率が20%以上である。ここで、全光線透過率は、JIS K 7105に準拠して測定した値である。1mm厚の試験片で測定した全光線透過率が20%未満のポリプロピレン系樹脂は、従来のブロック共重合体のものである。従来のブロック共重合体においては、入射した光が散乱し、パール顔料や着色剤から発する光が少なくなるため、パール調の外観が得られにくくなる。
全光線透過率は、好ましくは 25%以上、より好ましくは 30%以上である。
上記の条件(a)〜(c)を全て満たすためには、例えば、反応ブレンド型ポリプロピレンとして、ポリプロピレンのマトリックスに、分散相であるエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムが、微細に分散しているか、あるいは引き伸ばされた状態で分散しているものを用いればよい。
外層11におけるポリプロピレン系樹脂材料の含有量は、外層11全体の質量を100質量%とした際の90〜99.9質量%であり、97〜99.9質量%であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂の含有量が90質量%未満であると耐衝撃性が損なわれ、99.9質量%を超えると、パール顔料の含有量が少なくなるため、パール調の外観が得られなくなる。
パール顔料としては、例えば、天然または合成雲母、天然または合成雲母に酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物をコートしたパールマイカ、金属酸化物の皮膜層の厚みを変化させ基材と皮膜の屈折率差を利用し、反射光の干渉を発色に利用する干渉マイカ、酸化鉄などの有色酸化物で被覆した着色マイカ、ガラスフレークなどが挙げられる。
外層11におけるパール顔料の含有量は、外層11全体の質量を100質量%とした際の0.1〜10質量%であり、0.2〜3質量%であることが好ましい。パール顔料の含有量が0.1質量%未満であると、パール調の外観が得られなくなり、10質量%を超えると、耐衝撃性が損なわれる。
外層11は、任意成分として、例えば、他の熱可塑性樹脂を含有してもよい。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン又はα−オレフィン単独重合体、エチレンまたは炭素数3〜10のα−オレフィンの共重合体、これらの混合物、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、石油樹脂などが挙げられる。
エチレン又はα−オレフィン単独重合体としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−1−ペンテン、ポリ−1−ヘキセン、ポリ(3−メチル−1−ペンテン)、ポリ(3−メチル−1−ブテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ−1−ヘキセン、ポリ−1−ヘプテン、ポリ−1−オクテン、ポリ−1−デセン、ポリスチレンが挙げられる。
外層11における他の熱可塑性樹脂の含有量は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。他の熱可塑性樹脂の含有量が10質量%以下であれば、容器の座屈強度と耐衝撃性のバランス低下を防止できる。
外層11が他の熱可塑性樹脂が含有する場合の含有量の下限値は1質量%以上であることが好ましい。
また、外層11は、任意成分として、例えば、酸化防止剤、塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、内部滑剤、外部滑剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、発泡剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物等の添加剤を含有してもよい。
内層12は、外層11を補強すると共に、容器1の基底色を表現する層である。
内層12は、上記ポリプロピレン系樹脂材料と着色顔料とを含有することが好ましい。内層12が上記ポリプロピレン系樹脂材料と着色顔料とを含有すれば、外層11のパール調の外観を際立たせるように発色させることが容易になる。
ここで、着色顔料としては、例えば、(黒)カーボンブラック、鉄黒、(白)酸化チタン、亜鉛華、リトボン、鉛白、(青)紺青、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーRS、ファーストスカイブルーレーキ、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、(赤)弁柄、鉛炭、モリブデンレッド、カドミウムレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、リソールレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッド、チオインジゴレッド、アリザリンレッド、キナクリドンレッド、ローダミンレーキ、オレンジレーキ、ベンズイミダゾロンレッド、ピラゾロンレッド、縮合アゾレッド、ペリレンレッド、パーマネントカーミンFB、キナクリドンマゼンダ、(黄)黄鉛、カドミウムイエロー、チタンイエロー、鉄黄、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、ファーストイエロー、フラボンスロンイエロー、ナフトールイエロー、キノリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、HRイエロー、縮合アゾイエロー、(緑)クロムグリーン、酸化クロム、ギネグリーン、スピネルグリーン、フタロシアニングリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーン、アッシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、(橙)クロムオレンジ、カドミウムオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、(茶)亜鉛フェライト、(紫)マンガン紫、コバルト紫、紫弁柄、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレットなどが挙げられる。
内層12が着色顔料を含有する場合には、ポリプロピレン系樹脂材料の含有量は90〜99.9質量%であることが好ましい(すなわち、着色顔料の含有量が0.1〜10質量%であることが好ましい。)。内層12のポリプロピレン系樹脂材料の含有量が90質量%以下であれば、外層11の補強効果が低下し、99.9質量%以上であれば、基底色が充分に得られない。
内層12が着色顔料を含有しない場合でも、外観と耐衝撃性向上の点から、内層12には上記ポリプロピレン系樹脂材料を含有することが好ましい。
また、内層12には、外層11と同様に、他の熱可塑性樹脂もしくは添加剤が含まれてもよい。
容器1は、外層11用の樹脂組成物と、内層12用の樹脂組成物を調製し、それらを成形することにより得られる。
外層11用の樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂材料とパール顔料と必要に応じて他の熱可塑性樹脂、添加剤を混合することによって製造される。パール顔料は、工業的な観点から、マスターバッチにされてポリプロピレン系樹脂材料と混合されることが好ましい。マスターバッチはパール顔料に希釈用樹脂が配合されて作製される。希釈用樹脂としては、上記他の熱可塑性樹脂が挙げられる。
混合方法としては、ヘンシェルミキサー、タンブラーおよびリボンミキサー等の混合機を使用してドライブレンドする方法、押出混合機、ニーダーおよびバンバリー等の混合機を用いて溶融しながら混合する方法が挙げられる。溶融する場合の溶融温度は160〜350℃であることが好ましく、170〜260℃であることがより好ましい。
内層12が着色顔料を含有する場合には、内層12用の樹脂組成物も、外層11用の樹脂組成物と同様に、ポリプロピレン系樹脂材料と着色顔料と必要に応じて他の熱可塑性樹脂、添加剤を混合することによって製造される。着色顔料は、マスターバッチにされてポリプロピレン系樹脂材料と混合されることが好ましい。
容器1の成形方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、まず、射出成形や押出成形によりパリソンを成形した後、このパリソンをブロー成形する方法、押出成形機を用いてシート状に成形した後、このシートを真空成形する方法が好ましい。
容器1は、MFR、アイゾット衝撃強度および全光線透過率が特定範囲にある反応ブレンド型ポリプロピレンにパール顔料を配合した外層11を有するため、耐衝撃性に優れる上に、良好なパール調の外観が得られる。良好なパール調外観が得られる理由は明らかではないが、反応ブレンド型ポリプロピレンでは、エチレン・αオレフィン共重合体ゴムでの入射光の散乱が少なく、パール顔料に光が到達しやすいためと思われる。
しかも、容器1では、上記ポリプロピレン系樹脂材料を外層11と内層12に使用することで、他の樹脂材料を使用しなくても、良好なパール調外観と高い耐衝撃性を得ることができる。
なお、本発明の容器は上記実施形態例に限定されず、例えば、外層と内層の間に中間層を備えても良い。中間層としては、例えば、ガス透過性が小さいガスバリア層を採用することができる。また中間層にパール顔料を配合しても構わない。
また、外層よりもさらに外側に、耐擦傷性を確保するための保護層を備えてもよい。
また、容器の形状については、図1に示す形状に限らず、各種形状を採用することができる。
以上説明した本発明の容器は、良好なパール調の外観が得られていることから、高級感が求められるもの(例えば、化粧品等)を充填する容器に適している。
(実施例1)
ポリプロピレン系樹脂(反応ブレンド型ポリプロピレン、サンアロマー社製PP2240)と、パール顔料マスターバッチ(東京インキ社製PPM 1AK358 PEARL#111)とを、パール顔料の含有量が1.5質量%になるように、配合した。これにより得られた混合物を、押出機を用い、210℃で溶融混練して、第1の容器用樹脂組成物を得た。
また、ポリプロピレン系樹脂(反応ブレンド型ポリプロピレン、サンアロマー社製PP2240)と、赤色着色顔料マスターバッチ(東京インキ社製PPM 4AK689 RED#31)とを、着色顔料の含有量が3.0質量%になるように、配合した。これにより得られた混合物を、押出機を用い、210℃で溶融混練して、第2の容器用樹脂組成物を得た。
[容器の成形法]
ブロー成形(成形温度:210℃、成形機:日本製鋼所JB105型中空成形機)により、外層と内層との積層体からなる製品質量24g(内容積215ml)の容器を作製した。その際、外層は第1の容器用樹脂組成物から構成し、厚さを280μmとし、内層は第2の容器用樹脂組成物から構成し、厚さを1100μmとした。
(比較例1)
外層および内層に含まれるポリプロピレン系樹脂を、ブロック共重合型ポリプロピレン(サンアロマー社製PB370A)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、容器を得た。
(比較例2)
外層および内層に含まれるポリプロピレン系樹脂を、ブロック共重合型ポリプロピレン(サンアロマー社製PB363W)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、容器を得た。
(比較例3)
外層および内層に含まれるポリプロピレン系樹脂を、ランダム共重合型ポリプロピレン(サンアロマー社製PS320M)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、容器を得た。
実施例1および比較例1〜3で使用したポリプロピレン系樹脂のMFR、アイゾット衝撃強度、全光線透過率を表1に示す。なお、MFR、アイゾット衝撃強度、全光線透過率の測定方法は以下の通りである。
[アイゾット衝撃強度]
アイゾット衝撃強度は、ポリプロピレン系樹脂を射出成形して(成形温度:250℃、成形機:ファナック社製100B)、幅12.7mm×厚さ4.0mm×長さ64mmの成形品を作製し、さらに、この成形品をノッチが形成されるように加工して試験片を得た。この試験片を用い、JIS K 7110に準拠し、5℃の環境下でアイゾット衝撃強度を測定した。
[全光線透過率]
全光線透過率は熱プレス成形(成形温度:230℃、成形機:庄司鉄工36トン熱プレス)して、幅150mm×長さ200mm×厚さ1.0mmのシートを作製し、幅50mm×長さ50mm×厚さ1.0mmに加工して試験片を得た。この試験片を用い、JIS K 7105に準拠して測定した。
Figure 0005592675
得られた容器について耐衝撃性の評価としての容器落下強度、および外観を以下のように評価した。評価結果を表2に示す。
[容器落下強度]
容器に215mlの水を満水になるまで注ぎ、蓋をした。これを5℃の温度下で、1.2mの高さから底面(垂直方向)、胴部(水平方向)から交互に落下させ、容器が破裂するまで繰り返した。ただし、最大繰り返し数を20回とした。表2には、途中で破裂した場合はその回数を、破裂がない場合は20(破裂なし)と記載した。
[外観]
パール調の外観について、ランダム共重合型ポリプロピレン材料を基準にして3段階で評価した。(○:ランダム共重合型ポリプロピレン同等以上、△:○と×の中間、×:ランダム共重合型ポリプロピレンに劣る。)
Figure 0005592675
MFRが0.5〜5g/10分、アイゾット衝撃強度が10kJ/m以上、全光線透過率が20%以上の反応ブレンド型ポリプロピレンを外層および内層に含有する実施例1の容器は、耐衝撃性に優れ、良好なパール調の外観が得られた。
ブロック共重合型で全光線透過率が20%未満のポリプロピレン系樹脂を外層および内層に含有する比較例1の容器は、パール調の外観が充分に得られなかった。
ブロック共重合型で全光線透過率が20%未満のポリプロピレン系樹脂を外層に含有する比較例2の容器は、前記の比較例1に比較して良好ではあったが、パール調の外観が充分に得られなかった。
ランダム共重合型で5℃アイゾット衝撃強度が10kJ/m未満のポリプロピレン系樹脂を外層および内層に含有する比較例3の容器は、容器落下強度が充分に得られなかった。
1 容器
10 積層体
11 外層
12 内層
20 胴部
30 口部

Claims (2)

  1. 最外層と内層とからなる積層体により形成された容器であって、
    前記最外層が、ポリプロピレン系樹脂材料90〜99.9質量%と、パール顔料0.1〜10質量%とを含有し、
    前記最外層より内側に配置された内層が、ポリプロピレン系樹脂材料及び着色顔料を含有し、前記内層における着色顔料の含有割合が0.1〜10質量%であり、
    前記最外層と内層に含まれるポリプロピレン系樹脂材料が共に、反応器内でホモポリプロピレンあるいはエチレン−プロピレンランダム共重合体の存在下、エチレン・αオレフィン共重合体ゴムを重合して得た反応ブレンド型ポリプロピレンであって、下記(a)〜(c)の条件を満たすポリプロピレン系樹脂材料であることを特徴とするパール調外観容器。
    (a)メルトフローレート(温度230℃、荷重21.6N)が0.1g/10分〜5g/10分である。
    (b)5℃で測定したアイゾット衝撃強度が10kJ/m以上である。
    (c)1mm厚で測定した全光線透過率が20%以上である。
  2. 最外層と、内層と、これらの層の間に形成された中間層とからなる積層体により形成された容器であって、
    最外層が、ポリプロピレン系樹脂材料90〜99.9質量%と、パール顔料0.1〜10質量%とを含有し、
    前記内層が、ポリプロピレン系樹脂材料及び着色顔料を含有し、前記内層における着色顔料の含有割合が0.1〜10質量%であり、
    前記最外層と内層に含まれるポリプロピレン系樹脂材料が共に、反応器内でホモポリプロピレンあるいはエチレン−プロピレンランダム共重合体の存在下、エチレン・αオレフィン共重合体ゴムを重合して得た反応ブレンド型ポリプロピレンであって、下記(a)〜(c)の条件を満たすポリプロピレン系樹脂材料であることを特徴とするパール調外観容器。
    (a)メルトフローレート(温度230℃、荷重21.6N)が0.1g/10分〜5g/10分である。
    (b)5℃で測定したアイゾット衝撃強度が10kJ/m 以上である。
    (c)1mm厚で測定した全光線透過率が20%以上である。
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