JP2011179913A - 採血管及び血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物 - Google Patents

採血管及び血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】採血後の血液中の血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値の変動を効果的に抑制することができ、血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値を高精度にかつ安定に測定することができ、しかも冷蔵保存といった煩雑な作業を省略し得る、血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用の採血管を得る。
【解決手段】血液中の血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値を測定するのに用いられる採血管であって、採血管本体と、採血管本体内に収容された薬剤とを備え、該薬剤が、マルトースと、フッ化物塩とを、pH調整用酸とを含み、pHが3.0〜6.5の範囲とされている液状薬剤/または、更に、乾燥した状態で収容されている採血管。
【選択図】なし

Description

本発明は、血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値を測定するのに用いられる採血管及び薬剤組成物に関し、より詳細には、解糖阻止剤を含む薬剤が収容されている採血管及び薬剤組成物に関する。
糖尿病などを診断するために、血液中のグルコース濃度すなわち血糖値及びヘモグロビンA1c値が測定されている。ところで、臨床現場においては、採血した後に、血液中の血糖値が大きく変動するという問題がある。そのため、解糖阻止剤を収容してなる採血管が広く用いられている。
上記解糖阻止剤としては、NaF、NaKなどのフッ化物塩が用いられている。しかしながら、採血後に血液をそのまま室温に放置すると、上記フッ化物塩による解糖阻止効果がでるまで2〜3時間を要する。そのため、血液中の赤血球等の細胞中に含まれている解糖酵素群により解糖反応が進行する。従って、上記フッ化物塩を解糖阻止剤として用いた場合、採血から2時間後に測定されるグルコース量は、採血直後のグルコース量の88〜91%程度であるとされている。すなわち、フッ化物塩を用いただけでは、採血直後のグルコース濃度の低下を十分に抑制することはできなかった。
他方、下記の特許文献1には、フッ化物やモノヨード酢酸塩などの解糖阻止剤に加えて、添加剤としてd−マンノースもしくはその誘導体を添加する方法が開示されている。
また、下記の特許文献2では、採取した血液に酸を加えることにより、血液のpHを5.0〜7.0の範囲となるように調整する方法が開示されている。試料の酸性度を上記のように調整することにより、解糖酵素による解糖反応を効果的に抑制することができるとされている。また、特許文献2では、上記のようにして酸性度を調整し、かつNaFを0.1〜0.5mg/mLの濃度となるように血液試料に添加すると、解糖阻止効果がより一層長時間持続することが記載されている。
特開昭63−500474号公報 特開昭61−258174号公報
上記のように、特許文献1では、添加剤としてd−マンノースを添加することにより、血糖値の低下を抑制することができるとされている。
しかしながら、d−マンノースが添加された血液を用い、ヘモグロビンA1c値を液体クロマトグラフィー装置で測定すると、不安定型ヘモグロビンA1cが生成されることがわかった。そのため、安定型ヘモグロビンA1cの測定値が高くなり、安定型ヘモグロビンA1c値を高精度に測定することができないことがわかった。
また、特許文献2に記載のように、酸を加えて血液試料の酸性度を調整する方法では、採血後、血液試料を1日間室温で保存すると、血糖値が約5%程度低下するという問題がある。従って、特許文献2に記載の方法を用いる場合、医療現場において、上記酸性度が
調整された血液試料を含む採血管を、直ちに冷蔵保存しなければならない。従って、多種多様な作業を強いられる医療現場における負担が大きい。
本発明の目的は、採血管を用いて採取した血液中の血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値の変動を効果的に抑制することができ、血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値を安定的に測定することができ、しかも採血直後に冷蔵保存といった煩雑な作業を行う必要がない、採血管及び薬剤組成物を提供することにある。
本発明に係る採血管は、血液中の血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値を測定するのに用いられる採血管であって、採血管本体と、採血管本体内に収容された薬剤とを備え、該薬剤が、マルトースと、フッ化物塩と、pH調整用酸とを含み、pHが3.0〜6.5の範囲とされている液状試薬で収容/または、更に、乾燥して収容されたものである。
また、本発明に係る採血管では、好ましくは、上記酸として、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、コハク酸及びリンゴ酸からなる群から選択された少なくとも1種の酸が用いられる。それによって、pHを確実に3.0〜6.5の範囲に調整することができ、しかも、血糖値やヘモグロビンA1c値をより安定にかつ高精度に測定することが可能となる。本発明の薬剤を上記酸により、pHを3.0〜6.5に調整する場合は、上記酸とその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)の比率を調節することで、調整したいpHに調整することができる。
本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物は、マルトースと、フッ化物塩と、pH調整用酸とを含み、pHが3.0〜6.5の範囲とされている液状試薬/または、更に、乾燥して収容されるものである。
本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物は、好ましくは、上記酸として、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、コハク酸及びリンゴ酸からなる群から選択された少なくとも1種の酸を含む。それによって、pHを3.0〜6.5の範囲に確実に調整することができる。しかも、血糖値やヘモグロビンA1c値をより安定にかつ高精度に測定することができる。本発明の血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物を上記酸により、pHを3.0〜6.5に調整する場合は、上記酸を添加する方法や上記酸とその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)の比率を調節することで、調整したいpHに調整することができる。
本発明に係る採血管及び血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物においては、好ましくは、上記薬剤は、採取される血液量1mLに対し、前記マルトースを1mg〜100mgの範囲で含有し、かつ上記フッ化物塩を0.1mg〜3.0mgの範囲で含むことが望ましい。その場合には、血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値の変化をより一層効果的に抑制することができる。
本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管及び薬剤組成物では、好ましくは、上記薬剤は、マルトース100重量部に対し、前記フッ化物塩を0.1〜300重量部含有する。マルトース及びフッ化物塩の配合割合がこの範囲内である場合には、血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値の変化をより一層効果的に抑制することができる。
本発明の採血管は、上記本発明の血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物を含む液状薬剤/または、更に、乾燥した薬剤を収容したもので、その収容方法は、例えば、液状試薬、粉体状試薬、顆粒状試薬、スプレー塗布、スプレー塗布後乾燥など
の公知の方法で実施できる。
本発明に係る採血管によれば、収容されている薬剤が、マルトースと、フッ化物塩と、pH調整用酸とを含有し、pHが3.0〜6.5の範囲に調整されているため、採血直後からの血糖値の低下やヘモグロビンA1c値の変動を効果的に抑制することができる。
また、本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物は、マルトースと、フッ化物塩と、pH調整用酸とを含有し、pHが3.0〜6.5の範囲とされているため、採血管などに収容し血液試料を添加した場合、血液試料添加直後からの血糖値の低下やヘモグロビンA1c値の変動を効果的に抑制することができる。
従って、本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管及び薬剤組成物用いた場合、採取後の血液試料を用い、しかも冷蔵保存などの煩雑な作業を行わずとも、正確な血糖値及びヘモグロビンA1c値を得ることが可能となる。従って、糖尿病診断の精度を効果的に高めることができる。また、臨床現場における作業の負担の軽減を図ることができる。
加えて、上記薬剤は、血液に対する溶解性に優れているため、薬剤濃度の偏りが少なく、溶血が生じ難い。さらに、採血後に不溶性の薬剤量も少なくなる。従って、薬剤濃度のばらつきが生じ難い。それによっても、血糖値やヘモグロビンA1c値の測定精度を高めることができる。
コントロールを用いた場合の採血直後の検体中のクロマトグラムを示す図である。 実施例1〜9で得られた室温で1日静置した後の検体のクロマトグラムを示す図である。 比較例4において室温で1日静置した後の検体の上記クロマトグラムを示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物)
本発明において、上記血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物は、マルトースと、フッ化物塩と、pH調整用酸とを含む。前述したように、フッ化物塩は、解糖阻止剤として知られている。しかしながら、フッ化物塩の解糖阻止効果が発現するには、2〜3時間の長時間を要する。従って、フッ化物塩を用いただけでは、採血直後の血液試料中のグルコース濃度の低下を抑制することはできない。
本願発明者らは、上記フッ化物塩による解糖阻止効果の不十分な点を行うべく鋭意検討した結果、フッ化物塩に加え、マルトースを併用すれば、血糖値及びヘモグロビンA1c値の採血直後からの変動を効果的に抑制し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物におけるマルトース含有量は採取される血液1mLに対し、1mg〜100mgであることが好ましく、より好ましくは5mg〜50mgの範囲であることが望ましい。マルトースの配合割合が、採取される血液1mLあたり1mg〜100mgの範囲とすることにより、血糖値の安定性をより一層高めることができ、かつ溶血を抑制することができる。
また、上記フッ化物塩としては、フッ化ナトリウムやフッ化カリウムなどを用いることができる。フッ化物塩をマルトースと併用することにより、血液中のグルコース濃度の低下を確実に抑制することができる。フッ化物塩の添加量は、採取される血液1mLに対し0.1mg〜3.0mgの範囲であることが好ましい。この範囲内であれば、血糖値の安定性をより一層高めることができる。フッ化物塩の添加量が0.1mg/mL(血液量)より少ないと、血糖値安定性が幾分に低くなることがある。また、フッ化物塩の添加量が3.0mg/mL(血液量)より多くなると、溶血が生じやすくなり、正確な血糖値を得ることができないおそれがある。
なお、本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物におけるマルトース及びフッ化物塩の含有割合は、上述した通り、採取される血液量に対して好ましい範囲が設定されるが、薬剤組成物自体におけるマルトースとフッ化物塩との配合比としては、マルトース100重量部に対し、フッ化物塩を0.1〜300重量部の範囲とすることが望ましく、より好ましくは、0.3〜150の範囲、更に、好ましくは、0.5〜100重量部とすることが望ましい。マルトースとフッ化物塩との配合割合が上記好ましい範囲内にある場合には、血糖値及びヘモグロビンA1c値の変動をより効果的に抑制することができる。
本発明において用いるpH調整用酸としては、pHを3.0〜6.5の範囲に調整し得る限り特に限定されるものではない。このようなpH調整用酸としては、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸などの有機酸が好適に用いられる。より好ましくは、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸及びリンゴ酸からなる群から選択された1種の酸が用いられる。本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物のpHを3.0〜6.5の範囲に調整する場合は、上記酸を添加する方法や上記酸とその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)の比率を調節することで、調整したいpHに調整することができる。
また、本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物は、上記マルトース、フッ化物塩及びpH調整用酸を含む液状試薬として用意されることが好ましい。この場合、液状試薬とするために、溶媒として水を用いることが望ましい。従って、好ましくは、上記マルトース、フッ化物塩及びpH値調整用酸を水に溶解することにより、上記液状試薬を調製することが望ましい。
本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物には、公知の血液抗凝固剤が添加されていてもよい。それによって、血液の凝固を防止し、血漿中のグルコース濃度すなわち、血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値を確実に測定することができる。このような血液抗凝固剤としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸金属塩(EDTA塩)、ヘパリンナトリウムなどのヘパリン塩、シュウ酸ナトリウムのようなシュウ酸塩、クエン酸ナトリウムのようなクエン酸塩などを挙げることができる。好ましくは、エチレンジアミンテトラ酢酸金属塩及びヘパリン塩を用いることが望ましく、それによって、血液の凝固をより確実に抑制することができる。
上記血液抗凝固剤を、本発明の薬剤、または、本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物に添加する際、本発明の薬剤および薬剤組成物の設定pHより、pHが変化する場合は、血液抗凝固剤を添加した後、目標となるpHになるように、本発明の薬剤及び薬剤組成物の組成・pHを設定するのが良い。
(採血管)
本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管は、採血管本体を
有する。この採血管本体内に、上記本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物が液状薬剤/または、更に、乾燥した状態で収容されている。上記採血管本体としては、特に限定されるわけではないが、有底であり、底部と反対側の端部に開口を有する円筒状の採血管本体が好適に用いられる。また、上記採血管本体の開口は、採血管本体内を液密封止し得る、より好ましくは気密封止し得る閉塞部材を備えていることが望ましい。このような閉塞部材としては、ゴム栓、ゴム栓の周囲に合成樹脂組成カバー部材が取り付けられた複合型栓体、アルミニウム箔のような金属箔に採血針を刺通させるゴム部材を積層してなるフィルム栓などを用いることができる。
好ましくは、上記採血管内は減圧されていることが望ましい。すなわち、上記閉塞部材により採血管本体を気密封止し、内部を減圧することが望ましい。それによって、いわゆる真空採血法により、採血管内に血液試料を速やかに導くことができる。減圧の程度は、採血量に応じて適宜設定すればよい。
採血管本体内に本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤を収容する態様は特に限定されるものではない。例えば、採血管本体内に本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物を収容する方法は、例えば、液状試薬、粉体状試薬、顆粒状試薬、スプレー塗布、スプレー塗布後乾燥などの公知の方法で実施できる。好ましくは、採血管本体内に本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物を均一にスプレー塗布することが望ましい。それによって、採血時に薬剤が血液試料に溶解しやすくなる。よって、採血後に薬剤を血液試料に均一に溶解する煩雑な転倒混和作業を軽減することができる。加えて、血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物の溶解性が高められる。従って、採血後の不溶薬剤量を少なくすることができる。よって、溶血をより確実に防止することができる。
また、本発明の採血管と本発明に係る血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物は、血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値を、精度良く測定できる測定方法として用いることができる。
次に、具体的な実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果を明らかにする。
(実施例1)
クエン酸9.40g、クエン酸3ナトリウム0.53g、フッ化ナトリウム(NaF)1g及びマルトース10gを水に完全に溶解し、100mL量の薬剤溶液を調製した。この薬剤組成物のpHは3.7であった。
次に、ポリエチレンテレフタレートからなる、内径10mm×長さ75mmの有底の採血管本体に、上記薬剤溶液40μLをエアロゾルスプレーノズルを用い、その内面に均一にスプレー塗布した。塗布された薬剤溶液が乾燥した後に、採血管本体の開口部にゴム栓を配置し、50mmHgの減圧下で減圧打栓した。このようにして、血液2mLを採取し得るように内部を減圧した。
(実施例2)
薬剤溶液の調製に際し、クエン酸8.93g、クエン酸3ナトリウム1.03g、フッ化ナトリウム(NaF)1g及びマルトース20gを水に完全に溶解し、100mLの薬剤溶液(pHは4.1)を調製したことを除いては、実施例1と同様にして血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管を得た。
(実施例3)
薬剤溶液の調製に際し、クエン酸7.68g、クエン酸3ナトリウム2.94g、フッ
化ナトリウム(NaF)1g及びマルトース20gを水に完全に溶解し、100mLの薬剤溶液(pHは4.6)を調製したことを除いては、実施例1と同様にして血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管を得た。
(実施例4)
薬剤溶液の調製に際し、クエン酸8.93g、クエン酸3ナトリウム1.03g、フッ化ナトリウム(NaF)4g及びマルトース20gを水に完全に溶解し、100mLの薬剤溶液(pHは5.1)を調製したことを除いては、実施例1と同様にして血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管を得た。
(実施例5)
薬剤溶液の調製に際し、クエン酸3.07g、クエン酸3ナトリウム10.00g、フッ化ナトリウム(NaF)4g及びマルトース20gを水に完全に溶解し、100mLの薬剤溶液(pHは5.8)を調製したことを除いては、実施例1と同様にして血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管を得た。
(実施例6)
薬剤溶液の調製に際し、クエン酸3.07g、クエン酸3ナトリウム10.00g、EDTA−2Kを1.00g、フッ化ナトリウム(NaF)4g及びマルトース20gを水に完全に溶解し、100mLの薬剤溶液(pHは5.5)を調製したことを除いては、実施例1と同様にして血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管を得た。
(実施例7)
薬剤溶液の調製に際し、クエン酸7.68g、クエン酸3ナトリウム2.94g、フッ化ナトリウム(NaF)2g及びマルトース10gを水に完全に溶解し、100mLの薬剤溶液(pHは4.5)を調製したことを除いては、実施例1と同様にして血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管を得た。
(実施例8)
薬剤溶液の調製に際し、EDTA−2Kを5.00g、コハク酸10.0g、フッ化ナトリウム(NaF)2g及びマルトース20gを水に完全に溶解し、100mLの薬剤溶液(pHは4.6)を調製したことを除いては、実施例1と同様にして血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管を得た。
(実施例9)
薬剤溶液の調製に際し、EDTA−2Kを5.00g、リンゴ酸10.0g、フッ化ナトリウム(NaF)2g及びマルトース20gを水に完全に溶解し、100mLの薬剤溶液(pHは4.6)を調製したことを除いては、実施例1と同様にして血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管を得た。
(比較例1)
薬剤溶液の調製に際し、クエン酸22.0gと、フッ化ナトリウム(NaF)1gと、マルトース20gとを水に完全に溶解し、100mLの薬剤組成物溶液(pHは2.7)を調製した以外は、実施例1と同様にして血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管を得た。
(比較例2)
薬剤溶液の調製に際し、クエン酸3ナトリウム22.0gと、フッ化ナトリウム(NaF)1gと、マルトース20gとを水に完全に溶解し、100mLの薬剤組成物溶液(pHは7.5)を調製した以外は、実施例1と同様にして血糖値及び/またはヘモグロビン
A1c値測定用採血管を得た。
(比較例3)
薬剤溶液の調製に際し、クエン酸8.93gと、クエン酸3ナトリウム1.03gと、フッ化ナトリウム(NaF)4gとを水に完全に溶解し、100mLの薬剤組成物溶液(pHは5.1)を調製した以外は、実施例1と同様にして血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管を得た。
(比較例4)
薬剤溶液の調製に際し、クエン酸8.93gと、クエン酸3ナトリウム1.03gと、フッ化ナトリウム(NaF)4gと、d−マンノース10gとを水に完全に溶解し、100mLの薬剤組成物溶液(pHは5.1)を調製した以外は、実施例1と同様にして血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管を得た。
(評価)
実施例1〜9及び比較例1〜4で作製した血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用採血管に、同一人から採血した。採血量は全て2mLとした。採血後、採血管を5回転倒混和し、血液と上記薬剤組成物とを十分に混和した。5回転倒混和後直ちに、各採血管内に収容されている血液試料の血糖値及びヘモグロビンA1c値を測定した。血糖値は、和光純薬社製、試薬L−タイプワコーを用い、日本電子社製自動分析装置、品番:6010を用いて測定した。また、ヘモグロビンA1c値は、アークレイ株式会社製、品番:アダムスA1cHA−8160を用いて測定した。
上記実施例1〜9及び比較例1〜4で得た採血管を5回転倒混和した後、別途、比較採血管を25℃の温度で1日間静置保存した。しかる後、再度、上記と同様にして血糖値及びヘモグロビンA1c値を測定した。
結果を下記の表1に示す。
Figure 2011179913
(実施例1〜9の結果について)
1)血糖値
血糖値の初期値は実施例1〜9のいずれにおいても120mg/dLであったのに対し、室温で1日静置した後の血糖値は、実施例1〜9において、115〜118mg/dLの範囲であった。従って、1日静置後の血糖値変動量は、5%以内であり、室温に保存した場合であっても、血糖値の安定性は良好であった。
2)ヘモグロビンA1c値について
採血直後のヘモグロビンA1c値は、実施例1〜9のいずれにおいても5.5%であり、かつ室温で1日静置した後においても全て5.5%と一定の値であった。従って、ヘモグロビンA1c値が変動せず、安定性が非常に高いことがわかる。
また、実施例1〜9の採血管を用いて採血した直後、及び室温で放置した1日後に採血管から取り出された全ての検体を、上記アダムスA1cHA−8160を用いて測定して得られたクロマトグラムは、ヘモグロビンA1c値測定用に一般的に用いられている市販の血液学検査用EDTA−2K入り採血管(積水化学社製、品番:4E4064、SPM−K0502EM−ムラサキ)で同一人から採血した直後の検体のクロマトグラムと同一であった。
(比較例1〜4の結果について)
1)血糖値
比較例1〜4では、採血直後の血糖値の初期値は、全て120mg/dLであった。しかしながら、室温で1日静置した後の採血管から取り出された検体中の血糖値は、比較例4を除いて、84〜110mg/dLであった。従って、比較例1〜3では、室温で1日静置した後の血糖値変動量は5%を超えていた。従って、室温保存では、血糖値の安定性が十分でないことがわかる。
2)ヘモグロビンA1c値
比較例1では、ヘモグロビンA1c値の採血直後の値は5.8であったのに対し、1日静置した後には、6.0%と高くなった。同様に、比較例4においても、採血直後の検体のヘモグロビンA1c値は5.6%であったのに対し、室温で1日放置した後には、5.7%と高くなった。従って、比較例1及び4では、ヘモグロビンA1c値の安定性が低いことがわかる。
また、比較例1では、薬剤溶液のpHが2.7と低いため、採血直後から血液試料が黒くなり、溶血がみられた。従って、ヘモグロビン変性により、ヘモグロビンA1c値の値が高くなったと考えられる。
比較例4で得られた検体について、アダムスA1cHA−8160(アークレイ社)で測定されたクロマトグラムは、ヘモグロビンA1c値測定用に一般的に用いられている市販の血液学検査用EDTA−2K入り採血管(積水化学社製、品番:4E4064、SPM−K0502EM−ムラサキ)を用いて得られた検体の測定結果のクロマトグラムと異なっていた。図3は、比較例4において室温で1日静置した後の検体の上記クロマトグラムを示す。図1は、コントロールとしての市販の血液学検査用EDTA−2K入り採血管(積水化学社製、品番:4E4064、SPM−K0502EM−ムラサキ)を用いた場合の採血直後の検体中のクロマトグラムを示す。また、図2は、実施例1〜9で得られた室温で1日静置した後の検体のクロマトグラムを示す。
図1及び図2と、図3とを対比すれば明らかなように、比較例で得られたクロマトグラムでは、不安定型ヘモグロビンA1cのピークが高くなっている。そのため、1日静置後のヘモグロビンA1c値が高くなったと考えられる。これは、d−マンノースがヘモグロビンに結合し、不安定型ヘモグロビンA1cが生成したためと推測される。

Claims (8)

  1. 血液中の血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値を測定するのに用いられる採血管であって、
    採血管本体と、採血管本体内に収容された薬剤とを備え、該薬剤が、マルトースと、フッ化物塩と、pH調整用酸とを含み、pHが3.0〜6.5の範囲とされている液状試薬を含有する/または、更に、乾燥して収容した採血管。
  2. 前記pH調整用酸が、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、コハク酸及びリンゴ酸からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1に記載の採血管。
  3. 採取される血液1mLに対し、前記薬剤において、マルトースの含有量が1mg〜100mg、フッ化物塩の含有量が0.1mg〜3.0mgの範囲にある、請求項1または2に記載の採血管。
  4. 前記薬剤は、マルトース100重量部に対し、前記フッ化物塩を0.1〜300重量部含む、請求項1または2に記載の採血管。
  5. 血液中の血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値を測定するための薬剤であって、マルトースと、フッ化物塩と、pH調整用酸とを含み、pHが3.0〜6.5の範囲とされている液状試薬を含有する/または、更に、乾燥して収容した血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物。
  6. 前記pH調整用酸が、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、コハク酸及びリンゴ酸からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項5に記載の血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物。
  7. 採取される血液1mLに対し、前記薬剤において、マルトース含有量が1mg〜100mg、フッ化物塩の含有量が0.1mg〜3.0mgの範囲にある、請求項5または6に記載の血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物。
  8. マルトース100重量部に対し、前記フッ化物塩を0.1〜300重量部含む、請求項5または6に記載の血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値測定用薬剤組成物。
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