JP2019002821A - 採血管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開口を有する上端と有底を有する下端とを長手方向に有する筒状体と上端の開口を塞ぐ栓とを備え、筒状体の内部空間に、無機リン酸及びアデノシンリン酸からなる群より選択される1種以上を含有する、血液中の血糖値及び/又はHbA1cを測定するための採血管。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には、採血管を用いて採取した血液中の血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値の変動を効果的に抑制することができ、血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値を安定的に測定することができ、しかも採血直後に冷蔵保存といった煩雑な作業を行う必要がない、採血管及び薬剤組成物を提供することを目的として、血液中の血糖値及び/またはヘモグロビンA1c値を測定するのに用いられる採血管であって、採血管本体と、採血管本体内に収容された薬剤とを備え、該薬剤が、マルトースと、フッ化物塩と、pH調整用酸とを含み、pHが3.0〜6.5の範囲とされている液状試薬を含有する/または、更に、乾燥して収容した採血管が開示されている。
(1)
開口を有する上端と有底を有する下端とを長手方向に有する筒状体と、
前記上端の開口を塞ぐ栓と、を備え、
前記筒状体の内部空間に、無機リン酸及びアデノシンリン酸、並びにこれらの塩からなる群より選択される1種以上を含有する、血液中の血糖値及び/又はHbA1cを測定するための採血管。
(2)
無機リン酸としてリン酸を含有する、(1)に記載の採血管。
(3)
採取される血液1mLに対して、無機リン酸を1〜5μLの範囲で含有する、(1)又は(2)に記載の採血管。
(4)
ATP、ADP、及びAMP、並びにこれらの塩からなる群より選択される1種以上のアデノシンリン酸を含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の採血管。
(5)
採取される血液1mLに対して、アデノシンリン酸又はその塩を1〜100mgの範囲で含有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の採血管。
(6)
フッ化塩をさらに含有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の採血管。
かにする。
本発明の採血管は、開口を有する上端と有底を有する下端とを長手方向に有する筒状体と、上端の開口を塞ぐ栓とを備える。また、筒状体の内部空間に、無機リン酸及びアデノシンリン酸、並びにこれらの塩からなる群より選択される1種以上(以下、「無機リン酸等」ともいう。)を含有する。
開口を有する上端と有底を有する下端とは、筒状体の長手方向の両端部であり、採血管の使用時に、上端は地面に対して下端よりも上部に位置して、開口から血液を採取し、下端は地面に対して上端よりも下部に位置し、採取された血液を有底で受け止める。また、筒状体は、その断面が環状であることが好ましい。断面が環状とは、断面が円形又は略円形であればよい。
筒状体の内部空間に無機リン酸等を含有させるためには、例えば上端の開口から溶液とした無機リン酸等を添加すればよく、その後に溶液中の溶媒を乾燥させれば、固体状の形態で筒状体の内部に含有させることができる。無機リン酸等は、取扱い性の観点から、水溶液とすることが好ましい。
ATPの塩としては、二ナトリウム塩であることが好適である。
本発明の採血管は、血液中の血糖値及び/又はHbA1c(Hemoglobin A1c)を測定するために用いられ、採血後の初期段階(例えば、採血後4時間経過後)における血糖値の低下を抑制することのできる以外にも、HbA1cの変動も抑制することができる。また、血糖値の正誤差等の誤差が生じることも抑制し、優れた精度で測定可能である。
採血管:血糖測定に用いられている積水メディカル株式会社のインセパック(登録商標)II血糖検査用採血管(453557: 12.7×75.6mm EDTA-2K+NaF)を使用した(以下、「血糖検査用採血管」という。)。
血清用採血管:積水メディカル株式会社のインセパック(登録商標)II-D高速凝固タイプ採血管(473470: 12.7×75.6mm 高速凝固促進剤・分離剤入り)を使用し、解糖が始まらないよう採血後5分以内に遠心を行い、その上清(血清)を用いることで解糖を行う血球と分離した。その血清を比較対照(測定機器自体の状態変化による血糖変動がないことを確認する指標)として使用した。
血算用採血管:ニプロ株式会社の血液学検査(EK)〈EDTA-2K〉用採血管(NP-EK0255-2: 12.8×75mm EDTA-2K顆粒)を使用し解糖阻止剤(無機リン酸、アデノシンリン酸、マンノース、クエン酸、モノヨード酢酸等の解糖系を阻止する作用を有する物質)を含まない場合の比較対照として使用した。
ヘパリン採血管:テルモ株式会社のベノジェクトII真空採血管 ヘパリン用採血管(VP-H050K: 13.2×78mm ヘパリンナトリウム)を使用し解糖阻止剤を含まない場合の比較対照として使用した。
自家製採血管:東洋器材科学株式会社のYSチューブ7号(14910)に自家製で調製した下記の各種添加溶液(EDTA-2K添加溶液、フッ化ナトリウム(NaF)添加溶液、マンノース添加溶液、クエン酸添加溶液、リン酸添加溶液、モノヨード酢酸添加溶液、ATP添加溶液)を下記実験で示す種類及び量で添加し、使用した。
EDTA-2K添加溶液:添加用として和光純薬工業 EDTA-2K (340-01511)を使用し、EDTA-2K 110mgを精製水1mLに添加した溶液を調製した。
マンノース添加溶液:添加用として和光純薬工業 D-マンノース (130-00872)を使用し、D-マンノース 110mgを精製水1mLに添加した溶液を調製した。
クエン酸添加溶液:武藤化学株式会社3.2%クエン酸溶液(86231)を使用した。
リン酸添加溶液:添加用として和光純薬工業 リン酸 (164-02176)を使用し、精製水で10倍に希釈に添加した溶液を調製した。
モノヨード酢酸添加溶液:添加用として和光純薬工業 ヨード酢酸 (91-00492)を使用し、モノヨード酢酸110mgを精製水1mLに添加した溶液を調製した。
ATP-2Na添加溶液:添加用としてオリエンタル酵母工業株式会社 アデノシン-5'-三りん酸二ナトリウム(309-50513)を使用し、ATP-2Na 250mgに対し精製水1mLに添加した溶液を調製した。
ADP-1K添加溶液:添加用として和光純薬工業 アデノシン 5'-二リン酸一カリウム (303-50751)を使用し、ADP-1K 50mgを精製水1mLに添加した溶液を調製した。
AMP添加溶液:添加用として和光純薬工業 アデノシン 5'-一リン酸(303-50491)を使用し、AMP 50mgを精製水1mLに添加した溶液を調製した。
NADH添加溶液:添加用として和光純薬工業 β-ジホスホピリジンヌクレオチド二ナトリウム (046-16231)を使用し、NADH 110mgを精製水1mLに添加した溶液を作成した。
アデノシン添加溶液:添加用として和光純薬工業 アデノシン (015-24591)を使用し、アデノシン 110mgを精製水1mLに添加した溶液を調製した。
グアノシン添加溶液:添加用として東京化学工業 グアノシン (015-12303)を使用し、グアノシン 110mgを精製水1mLに添加した溶液を調製した。
シトシン添加溶液:添加用として和光純薬工業 シトシン (015-12303)を使用し、シトシン 110mgを精製水1mLに添加した溶液を調製した。
シチジン添加溶液:添加用として和光純薬工業 シチジン (035-23231)を使用し、シチジン 110mgを精製水1mLに添加した溶液を調製した。
ヒドロキシウレア添加溶液:添加用として和光純薬工業 ヒドロキシ尿素 (085-06653)を使用し、ヒドロキシウレア 110mgを精製水1mLに添加した溶液を調製した。
血糖の測定にはアークレイ株式会社 アダムス グルコース GA-1171を使用した。
血清に関しては採血後5分以内に遠心分離して、その上清(血清)を別のスピッツに移したものを検体として継時的に血糖値を測定した(解糖を行う血球は除去した血清を室温放置した。)。
血清以外の採血管に関しては、遠心分離して血球と上清(血漿)とを分け、分けた上清(血漿)を血糖値の測定に用いた。また測定後には速やかに上清(血漿)と血球との混和を行い、全血に戻してから採血管に添加し、室温に放置した。
以下、参考例1及び比較例1〜2における各採血管は、下記のように準備し、室温放置下での各経過時間における血糖値を測定した。
参考例1(血清用採血管):血清用採血管に生理食塩水200μLと全血2mLを添加し、血球を除去した血清を用いた
比較例1 (血算用採血管):血算用採血管に生理食塩水200μLと全血2mLを添加
比較例2 (ヘパリン採血管):ヘパリン採血管に生理食塩水200μLと全血2mLを添加
参考例1の血清に関しては採血後5分以内に遠心分離して、その上清(血清)を別のスピッツに移したものを検体として継時的に血糖値を測定した(解糖を行う血球は除去した血清を室温放置した。)。
比較例1〜2は血糖値の測定後は速やかに混和を行い上清(血漿)と血球層を混ぜ全血に戻してから採血管に添加し、室温に放置した。
解糖阻止剤の入っていない比較例1〜2の採血管では血糖値は継時的に減少し、明らかに解糖が進んでいることが確認された。
以下、比較例3〜13における各採血管は、下記のように準備し、室温放置下での各経過時間における血糖値を測定した。
参考例2(血清用採血管):血清用採血管に生理食塩水200μLと全血2mLを添加し、血球を除去した血清を用いた
比較例3 (血糖検査用採血管):血糖検査用採血管に生理食塩水200μLと全血2mLを添加
比較例4 (自家製採血管):自家製採血管に生理食塩水180μL、EDTA-2K添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
比較例5 (マンノース2.2mg):自家製採血管に生理食塩水160μL、マンノース添加溶液20μL、EDTA-2K添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
比較例6 (マンノース4.4mg):自家製採血管に生理食塩水140μL、マンノース添加溶液40μL、EDTA-2K添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
比較例7 (マンノース6.6mg):自家製採血管に生理食塩水120μL、マンノース添加溶液60μL、EDTA-2K添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
比較例8 (マンノース8.8mg):自家製採血管に生理食塩水100μL、マンノース添加溶液80μL、EDTA-2K添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
比較例9 (マンノース11mg):自家製採血管に生理食塩水80μL、マンノース添加溶液100μL、EDTA-2K添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
比較例10 (モノヨード酢酸11mg):自家製採血管に生理食塩水80μL、モノヨード酢酸添加溶液100μL、EDTA-2K添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
比較例11 (モノヨード酢酸16.5mg):自家製採血管にモノヨード酢酸添加溶液150μL、EDTA-2K添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
比較例12 (クエン酸2.56mg):自家製採血管に生理食塩水100μL、クエン酸添加溶液80μL、EDTA-2K添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
比較例13 (クエン酸5.12mg):自家製採血管に生理食塩水20μL、クエン酸添加溶液160μL 、EDTA-2K添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
解糖阻止剤D-マンノースは添加量に従い血糖値に正誤差が認められ、さらに継時的な血糖値の低下も確認された(比較例5〜9)。ここで、「正誤差」とは、血糖値が真の値よりも大きい値として測定されることを意味する。例えば本実験における採血直後(経過時間0時間)の真の値が112 mg/dLであるとすれば、D-マンノースの添加量が大きい比較例7〜9における採血直後の測定値は+4 mg/dLの誤差を確認できる。
モノヨード酢酸は激しい溶血が確認され、モノヨード酢酸による酸性化の影響から血球の破壊が確認された。また、解糖阻止効果も血糖検査用採血管とほぼ同等であった。
クエン酸添加の採血管(比較例12〜13)において溶血は認められなかったが、解糖阻止効果も認められなかった。
以下、参考例3〜9における各採血管は、下記のように準備し、室温放置下での各経過時間における血糖値を測定した。
参考例3 (血算用採血管):血算用採血管に生理食塩水200μLと全血2mLを添加
参考例4 (NADH):血算用採血管に生理食塩水180μL、NADH添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
参考例5 (アデノシン):血算用採血管に生理食塩水180μL、アデノシン添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
参考例6 (グアノシン):血算用採血管に生理食塩水180μL、グアノシン添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
参考例7 (シトシン):血算用採血管に生理食塩水180μL、シトシン添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
参考例8 (シチジン):血算用採血管に生理食塩水180μL、シチジン添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
参考例9 (ヒドロキシウレア):血算用採血管に生理食塩水180μL、ヒドロキシウレア添加溶液20μLおよび全血2mLを添加
以下、比較例14及び実施例1〜3における各採血管は、下記のように準備し、室温放置下での各経過時間における血糖値を測定した。
比較例14 (血糖検査用採血管):血糖検査用採血管に生理食塩水200μLと全血2mLを添加
実施例1 (リン酸4μL):血糖検査用採血管に生理食塩水160μL、リン酸添加溶液(10倍したリン酸)40μLおよび全血2mLを添加
実施例2 (リン酸6μL):血糖検査用採血管に生理食塩水140μL、リン酸添加溶液(10倍したリン酸)60μLおよび全血2mLを添加
実施例3 (リン酸8μL):血糖検査用採血管に生理食塩水160μL、リン酸添加溶液(10倍したリン酸)80μLおよび全血2mLを添加
以下、比較例15及び実施例4〜9における各採血管は、下記のように準備し、室温放置下での各経過時間における血糖値を測定した。
比較例15 (血糖検査用採血管):血糖検査用採血管に生理食塩水200μLと全血2mLを添加
実施例4 (リン酸2μL, EDTA-2K ):血糖検査用採血管に生理食塩水140μL、リン酸添加溶液(10倍したリン酸)20μL、EDTA-2K添加溶液40μLおよび全血2mLを添加
実施例5 (リン酸4μL, EDTA-2K ):血糖検査用採血管に生理食塩水120μL、リン酸添加溶液(10倍したリン酸)40μL、EDTA-2K添加溶液40μLおよび全血2mLを添加
実施例6 (リン酸6μL, EDTA-2K ):血糖検査用採血管に生理食塩水100μL、リン酸添加溶液(10倍したリン酸)60μL、EDTA-2K添加溶液40μLおよび全血2mLを添加
実施例7 (リン酸8μL, EDTA-2K ):血糖検査用採血管に生理食塩水80μL、リン酸添加溶液(10倍したリン酸)80μL、EDTA-2K添加溶液40μLおよび全血2mLを添加
実施例8 (ATP-2Na 12.5mg):血糖検査用採血管に生理食塩水150μL、ATP-2Na添加溶液50μLおよび全血2mLを添加
実施例9 (ATP-2Na 25mg):血糖検査用採血管に生理食塩水100μL、ATP-2Na添加溶液100μLおよび全血2mLを添加
ATP-2Naは濃度依存的に解糖阻止効果が見られた上に溶血も認めなかった。
以下、実施例10〜13における各採血管は、下記のように準備し、室温放置下での各経過時間における血糖値を測定した。
実施例10 (ATP-2Na 25mg):血糖検査用採血管に生理食塩水100μL、ATP-2Na添加溶液100μLおよび全血2mLを添加
実施例11 (ATP-2Na 31.25mg):血糖検査用採血管に生理食塩水75μL、ATP-2Na添加溶液125μLおよび全血2mLを添加
実施例12 (ATP-2Na 37.5mg):血糖検査用採血管に生理食塩水50μL、ATP-2Na添加溶液150μLおよび全血2mLを添加
実施例13 (ATP-2Na 50mg):血糖検査用採血管にATP-2Na添加溶液200μLおよび全血2mLを添加
以下、比較例16〜17及び実施例14〜19における各採血管は、下記のように準備し、室温放置下での各経過時間における血糖値を測定した。
比較例16 (血算検査用採血管):血算検査用採血管に生理食塩水200μLおよび全血2mLを添加
実施例14 (AMP 10mg):血算検査用採血管にAMP添加溶液200μLおよび全血2mLを添加
実施例15 (ADP-1K 10mg):血算検査用採血管にADP-1K添加溶液200μLおよび全血2mLを添加
実施例16 (ATP-2Na 50mg):血算検査用採血管にATP-2Na添加溶液200μLおよび全血2mLを添加
比較例17 (血算検査用採血管):血糖検査用採血管に生理食塩水200μLおよび全血2mLを添加
実施例17 (AMP 10mg):血糖検査用採血管にAMP添加溶液200μLおよび全血2mLを添加
実施例18 (ADP-1K 10mg):血糖検査用採血管にADP-1K添加溶液200μLおよび全血2mLを添加
実施例19 (ATP-2Na 50mg):血糖検査用採血管にATP-2Na添加溶液200μLおよび全血2mLを添加
解糖阻止の効力はATP-2Na、ADP-1K、AMPの順で強かった。
血糖用採血管に含まれるフッ化ナトリウムの存在下では、よりATP-2Na、ADP-1K、AMPの解糖阻止効果が強くなることが確認された。
溶血はいずれの採血管(比較例16〜17、実施例14〜19)においても少なくとも8時間後までは認めなかった。
8時間以降は従来からの血糖測定に用いられている血糖用採血管(比較例17、実施例17〜19)でわずかに確認されたが、比較例17の採血管と比べATP-2Na、ADP-1K、AMPの添加された採血管における溶血は軽減されていた。特にATP-2Na添加(実施例19)では12時間まで溶血は起こらなかった。
24時間後に測定したHbA1cはいずれの採血管でも正常の範囲であり、対照と比較したパターン上の差も認められなかった。
以下、比較例18〜19及び実施例20〜23における各採血管は、下記のように準備し、室温放置下での各経過時間におけるHbA1cを測定した。
比較例18 (血糖検査用採血管):血糖検査用採血管に全血2mLを添加
比較例19 (血糖検査用採血管):血糖検査用採血管に生理食塩水200μLと全血2mLを添加
実施例20 (リン酸2μL):血糖検査用採血管に生理食塩水100μL、リン酸添加溶液(10倍したリン酸)20μL、EDTA-2K添加溶液80μLおよび全血2mLを添加
実施例21 (リン酸4μL):血糖検査用採血管に生理食塩水100μL、リン酸添加溶液(10倍したリン酸)40μL、EDTA-2K添加溶液60μLおよび全血2mLを添加
実施例22 (ATP-2Na 25mg):血糖検査用採血管に生理食塩水100μL、ATP-2Na添加溶液100μLおよび全血2mLを添加
実施例23 (ATP-2Na 50mg):血糖検査用採血管にATP-2Na添加溶液200μLおよび全血2mLを添加
上記の比較例18〜19及び実施例20〜23の採血管中の検体を東ソー株式会社 自動グリコヘモグロビン分析計 HLC-723G9にてHbA1cを測定した。結果を下記にまとめた。
リン酸及びATP-2Naの添加は従来の採血管と比較して溶血を認めず、24時間までの放置後でもパターンや測定値への影響は認められなかった。
Claims (6)
- 開口を有する上端と有底を有する下端とを長手方向に有する筒状体と、
前記上端の開口を塞ぐ栓と、を備え、
前記筒状体の内部空間に、無機リン酸及びアデノシンリン酸並びにこれらの塩からなる群より選択される1種以上を含有する、血液中の血糖値及び/又はHbA1cを測定するための採血管。 - 無機リン酸としてリン酸を含有する、請求項1に記載の採血管。
- 採取される血液1mLに対して、無機リン酸を1〜5μLの範囲で含有する、請求項1又は2に記載の採血管。
- ATP、ADP、及びAMP並びにこれらの塩からなる群より選択される1種以上のアデノシンリン酸を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の採血管。
- 採取される血液1mLに対して、アデノシンリン酸又はその塩を1〜100mgの範囲で含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の採血管。
- フッ化塩をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の採血管。
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