JP2011179809A - 片端閉塞型管状火炎バーナ - Google Patents

片端閉塞型管状火炎バーナ Download PDF

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Abstract

【課題】片端閉塞型管状火炎バーナの閉塞側端部の過熱による変形、焼損を防止すると共に、バーナをコンパクトに構成する。
【解決手段】一端がエンドプレート40にて閉塞され、他端がフロントフランジ50に設けられた開口部にて開口された円筒状の燃焼室Nと、その円筒状の燃焼室Nの側面に管軸方向(Y方向)に沿って開口する空気用スリット22s及びガス用スリット32sとを備え、空気用スリット22sとガス用スリット32sとから燃焼室Nの側壁の接線方向に向けて、燃料ガスと空気とを各別に偏芯導入させて旋回燃焼させるように構成されている片端閉塞型管状火炎バーナの燃焼室Nにおける管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入する。これにより、火炎形成位置を上流に移動させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、一端が閉塞され他端が開口された円筒状の燃焼室の管軸方向に沿って開口されたスリットから前記燃焼室内に向けて、前記燃焼室に燃料ガス及び空気を、燃料ガスと空気との混合気を、又は、燃料ガスと空気と燃料ガス及び空気の混合気を偏芯導入させて旋回燃焼させる片端閉塞型管状火炎バーナに関する。
近年、外形のコンパクト化が可能であり、且つ、工業用、業務用、及び家庭用の燃焼機器に適用可能な、気体、液体、又は微粉状固体等の各種燃料を汎用的に燃焼させることのできる燃焼器として、片端閉塞型管状火炎バーナが利用されている。このような片端閉塞型管状火炎バーナは、一端が閉塞され他端が開口された円筒状の燃焼室の管軸方向に沿って開口されたスリットから前記燃焼室内に向けて、前記燃焼室に燃料ガス及び空気を夫々単独で、或いは燃料ガスと空気との混合気を、又は、燃料ガスと空気とを夫々単独に且つ燃料ガス及び空気の混合気を組み合せて偏芯導入させて旋回燃焼させるように構成されている。
かかる片端閉塞型管状火炎バーナでは、従来、火炎形成位置を調整する構成として、当該片端閉塞型管状火炎バーナの閉塞端にスペーサーを置き、燃焼量に応じてスペーサーの位置を移動させることで火炎形成位置を調整するように構成されたものがある。また、開放端を縮径することで、燃焼室下流部(開口側端部)の過熱焼損を防止するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3358527号公報
このような片端閉塞型管状火炎バーナの閉塞端近傍は、管軸方向上流側(閉塞端側)からの流れがないので、燃料ガスや空気を導入するスリットよりも管軸方向上流側(閉塞端側)の位置にも、可燃混合気が拡散して管状火炎が形成される。この火炎形成位置の管軸方向上流側の端部がどのような位置となるかを予め予測するには限界がある。そのため、このようなバーナの設計においては、閉塞側端部の過熱焼損を防止するために片端閉塞型管状火炎バーナの閉塞側端部近傍に予め比較的大きなスペースを備えておく必要があり、片端閉塞型管状火炎バーナの設計を困難にしていただけでなく、バーナが大型化する一因となっていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、片端閉塞型管状火炎バーナの閉塞側端部の過熱による変形、焼損を防止すると共に、バーナをコンパクトに構成することにある。
本発明の片端閉塞型管状火炎バーナは、一端が閉塞され他端が開口された円筒状の燃焼室の管軸方向に沿って開口されたスリットから前記燃焼室内に向けて、前記燃焼室に燃料ガス及び空気を、燃料ガスと空気との混合気を、又は、燃料ガスと空気と燃料ガス及び空気の混合気を偏芯導入させて旋回燃焼させるものであって、その特徴構成は、前記燃焼室における管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入する点にある。
すなわち、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入するものであるから、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部近傍は空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気で覆われ、その閉塞側端部近傍には火炎が形成されないものとなる。また、導入した空気又は希薄混合気の全体としての燃焼室管軸方向の流れにより、管状火炎は燃焼室における管軸方向の開口部側に押し流され、閉塞側端部内面から一定の距離をおいて形成される。これらの効果によって、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)は、過熱による変形及び焼損を防止できるものとなった。
従って、燃焼室の閉塞端側に閉塞側端部の過熱を防止するためのスペースを大きくとる必要がないものとなり、片端閉塞型管状火炎バーナの閉塞側端部(閉塞壁)の過熱による変形、焼損を防止すると共に、バーナをコンパクトに構成することができるものとなった。
本発明の片端閉塞型の管状火炎バーナの更なる特徴構成は、上述の特徴構成に加えて、前記閉塞側端部に導入する前記空気又は前記希薄混合気を、前記旋回燃焼の旋回方向と同一方向に導入する点にある。
すなわち、前記空気又は前記希薄混合気が、前記旋回燃焼の旋回方向と同一方向に導入されるものであるから、閉塞側端部内面に沿って、あるいはその近傍にこれら空気又は希薄混合気を導入すれば、その旋回燃焼の旋回方向と同一方向の旋回によって、閉塞側端部内面が空気又は希薄混合気に覆われるようになり、閉塞側端部の壁面の冷却と火炎の押し出し効果が同時に得られることとなる。
説明を加えると、管状火炎を管軸方向に押し出すためには、管軸方向閉塞側に空気又は希薄混合気を導入することが効果的である。一方で、管状火炎は完全に空間に浮いた火炎であり、どこにも足をつけずに燃焼しているため、ブラフボディ下流の逆流を保炎に利用するような一般のバーナ火炎と異なって、火炎形成位置は不定であって、容易に管軸方向の流れで押し流されてしまい、一般のバーナでのリフティング(飛び火、吹き消え)と同様の結果となる。従って、管状火炎を管軸方向にわずかに押し出して閉塞側端部の壁面から離脱させ、かつ閉塞側端部を冷却するためには、例えば、閉塞側端部の壁面を多孔質板で形成して、多孔質板を通じて空気等を導入する、というような方法を採用する必要がある。この場合、閉塞側端部の燃焼室外部側に空気供給管を接続する等、構造が複雑化し、閉塞側端部に点火プラグ、フレームロッド、あるいは覗き窓等を取付け難くなるといった不都合が発生する。
そこで、本特徴構成によれば、管状火炎形成のためのスリットの一部を用いて、あるいは別個に、燃焼室内面の周方向かつ火炎の旋回方向に空気又は希薄混合気を吹込むものとすることにより、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)の過熱による変形、焼損を防止できると共に、点火プラグ等の付属部品が閉塞壁に取付けられる場合にも、容易かつコンパクトにバーナを構成することができるものとなった。
本発明の片端閉塞型管状火炎バーナの更なる特徴構成は、上述の特徴構成に加えて、前記燃焼室における管軸方向の開口部近傍に導入される前記空気の単位面積当りの流量が、それよりも管軸方向の閉塞端側において前記燃焼室に導入する空気の単位面積当りの平均空気流量よりも大きく、又は、前記燃焼室における管軸方向の開口部近傍に導入される混合気の濃度が、前記燃焼室に導入する混合気の平均混合気濃度よりも低くなるように設定されている点にある。
上述のように、管状火炎は足をつけることなく燃焼室の空間に形成されるため、管軸方向のわずかな流れにも影響されて火炎形成位置が変化する。従って、閉塞側端部近傍即ち管軸方向の最上流部から上述のように空気等の流れを与えると火炎形成位置は管軸方向下流側に移動する。一方で、燃焼室の開放端近傍即ち管軸方向の最下流部からスリットを通過する空気等の流量よりも大きな流量を流すことで、管軸方向の流れに抵抗を付けると火炎形成位置は管軸方向上流側に移動する。つまり、燃焼室壁の過熱を避けるために導入する管軸方向上流での空気等の流量を大きくしたい場合には、管軸方向下流側に導入する空気等の流量も増加させて釣り合いを取らない限り、吹き飛びを防止して安定的な火炎を形成することができない。従って、火炎形成位置を予め予想することの困難な管状火炎を、所期位置に安定的に形成するためには、管軸方向上流側に付加する管軸方向の流れと管軸方向下流側に付加する管軸方向流れの抵抗(圧損)の釣り合いを取ればよい。
そこで、本特徴構成では、燃焼室における管軸方向の開口部近傍に導入される前記空気の単位面積当りの流量を、前記燃焼室に導入する平均空気流量よりも大きく、又は、前記燃焼室における管軸方向の開口部近傍に導入される濃度を、前記燃焼室に導入する平均混合気濃度よりも低くなるように設定することにより、燃焼室における管軸方向の開口部近傍に空気等の流れを付加することで火炎が管軸方向下流側に押し出される(リフティングする)ことを抑止することができる。よって、燃焼室の閉塞側端部(閉塞壁)の過熱による変形や焼損を防止することと、安定的な管状火炎を形成することとの両立が可能となった。
本発明の片端閉塞型管状火炎バーナの更なる特徴構成は、上述の特徴構成に加えて、前記燃焼室の開口部の面積が前記燃焼室の断面視における面積よりも小である点にある。
すなわち、前記開口部の面積が前記燃焼室の断面視における面積よりも小であるから、円筒状の前記燃焼室から下流に押し出す方向に対して、圧損を増大することができるものとなる。そして、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)の過熱を避けるために導入する管軸方向上流側での空気等の流量を大きくしたい場合には、燃焼室の開口部の径をより縮小すれば良いことになる。従って、管軸方向上流側に付加する管軸方向の流れと管軸方向下流側に付加する管軸方向流れの抵抗(圧損)の釣り合いを取ることができるものとなり、火炎が管軸方向下流側に押し出される(リフティングする)ことを抑止することができ、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)の過熱による変形や焼損を防止することと、安定的な管状火炎を形成することの両立が可能になる。
また、燃焼室の開口部を金属等で形成する場合には、縮径することでその部分の温度が上昇して、焼損の危険が生じる。この場合には、冷却用の空気を燃焼室内における管軸方向の開口部近傍に導入することが過熱防止対策の一つとなり得る。そこで、上述の特徴構成の如く、燃焼室における管軸方向の開口部近傍に導入される空気の流量や混合気の濃度を設定することで、火炎押し出しの抑止効果を得ることができるとともに、過熱防止対策を講じることもできることになる。
以上のように、燃焼室における管軸方向の開口部を縮径することあるいはそれに併用して燃焼室における管軸方向の開口部近傍に導入される空気の流量や混合気の濃度を設定することにより、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)の過熱による変形、焼損を防止することと、安定的な管状火炎を形成することとの両立が可能となった。
本発明の片端閉塞型管状火炎バーナの更なる特徴構成は、前記スリットにて前記燃焼室に偏芯導入される空気の導入範囲の上流側端部が、前記スリットにて前記燃焼室に偏芯導入される燃料ガスの導入範囲の上流側端部よりも燃焼室の管軸方向の上流側となるように設定されている点にある。
本特徴構成によれば、燃焼室における管軸方向において、空気の導入範囲の方が燃料ガスの導入範囲よりも閉塞側端部である上流側に広がった状態となり、スリットから導入させる空気を燃焼室における管軸方向の閉塞側端部近傍に存在させることができる。したがって、その閉塞側端部近傍での火炎の形成を適切に抑制することができ、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)での過熱による変形及び焼損を的確に防止できる。
本発明の片端閉塞型管状火炎バーナの更なる特徴構成は、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第1設定温度以上であると、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増加させる制御を行うように構成されている点にある。
図10は、燃料ガスの流量を一定とし、燃焼室に空気を供給する送風ファンの回転速度を低下させた場合において、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度、及び、空気比についての変化を示した実験結果である。実験1〜4では、燃料ガスの流量を11.4(L/min)の一定とし、送風ファンの回転速度を低下させた場合を示している。実験5〜8では、燃料ガスの流量を12(L/min)の一定とし、送風ファンの回転速度を低下させた場合を示している。実験9〜13では、燃料ガスの流量を11(L/min)の一定とし、送風ファンの回転速度を低下させた場合を示している。
この図10の表によれば、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度と空気比とを比較すると、実験1〜3、実験5〜7、実験9〜12では、温度が徐々に上昇しているとともに、空気比が徐々に低下している。そして、実験4、実験8、実験13において、温度が急激に上昇しているとともに、空気比が急激に低下している。これにより、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度と空気比との間には強い相関があることがわかる。そして、燃焼室の火炎が管軸方向の閉塞側端部に近接して位置している場合には、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が急激に上昇するとともに、燃焼が振動(揺動)して燃焼室圧が上昇する結果、空気流量が減少して空気比が急激に低下していると言える。
したがって、図10の表の実験結果から、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が急激に上昇している場合には、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接しており、例えば、目視では火炎が閉塞側端部に接触しているように見える状態にあると言える。逆に、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が急激に上昇していない場合には、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れた位置(例えば、燃焼室の管軸方向で燃焼室の中央部よりも開放端側)となっていると言える。
そこで、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その温度が急激に上昇しているか否かによって、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接している状態にあるのか、或いは、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れた位置(例えば、燃焼室の管軸方向で燃焼室の中央部よりも開放端側)となっている状態にあるのかを判別することができる。
本特徴構成によれば、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が予め設定した第1設定温度以上であると、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接している状態にあると判別して、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増加させる制御を行っている。この制御を行うことで、火炎形成位置を、燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接している状態から、燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れた位置(例えば、燃焼室の管軸方向で燃焼室の中央部よりも開放端側)とすることができるので、燃焼振動に伴う燃焼騒音の発生を抑制することができるとともに、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)での過熱による変形及び焼損を防止することができる。
本発明の片端閉塞型管状火炎バーナの更なる特徴構成は、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第2設定温度以上であると、前記燃焼室への燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うように構成されている点にある。
上述の特徴構成で述べた如く、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度によって、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接しているか或いは離れているかを判別することができる。そこで、本特徴構成によれば、燃焼振動に伴う燃焼騒音の発生を抑制するとともに、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)での過熱による変形及び焼損を防止するために、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が予め設定した第2設定温度以上であると、燃焼室への燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うようにしている。
本発明の片端閉塞型管状火炎バーナの更なる特徴構成は、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第3設定温度以上であると、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増加させ、その空気量又は希薄混合気量が上限値に達した場合に、前記燃焼室への燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うように構成されている点にある。
上述の特徴構成で述べた如く、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度によって、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接しているか或いは離れているかを判別することができる。そこで、本特徴構成によれば、燃焼振動に伴う燃焼騒音の発生を抑制するとともに、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)での過熱による変形及び焼損を防止するために、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が予め設定した第3設定温度以上であると、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増加させる制御を行っている。更に、本特徴構成によれば、空気量又は希薄混合気量を増加させるだけでなく、その空気量又は希薄混合気量が上限値に達した場合でも、燃焼室への燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うことで、燃焼騒音の発生の抑制、及び、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部での過熱による変形及び焼損を適切に防止することができる。
本発明の片端閉塞型管状火炎バーナの更なる特徴構成は、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した設定範囲内になるように、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増減させる制御を行うように構成されている点にある。
上述の特徴構成で述べた如く、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度によって、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接しているか或いは離れているかを判別することができる。そこで、本特徴構成によれば、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が予め設定した設定範囲内になるように、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増減させる制御を行うことで、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れている適切な状態に維持して、燃焼振動に伴う燃焼騒音の発生を抑制するとともに、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)での過熱による変形及び焼損を防止することができる。すなわち、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接している状態となると、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が設定範囲よりも高くなるので、空気量又は希薄混合気量を増加させて、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を設定範囲内として、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れている適切な状態とすることができる。逆に、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れ過ぎると、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が設定範囲よりも低くなるので、空気量又は希薄混合気量を減少させて、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を設定範囲内として、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れている適切な状態とすることができる。
本発明における管状火炎バーナの斜視図 図1におけるII−II断面図 図2におけるIII−III断面図 本発明における管状火炎バーナの組立斜視図 本発明におけるガス用スリット形成部材を示す図 本発明における空気用スリット形成部材を示す図 第2実施形態における管状火炎バーナの組立斜視図 第2実施形態における管状火炎バーナの縦断面図 第2実施形態における管状火炎バーナの概略構成を示す横断面での模式図 燃料ガスの流量を一定とし、燃焼室に空気を供給する送風ファンの回転速度を低下させた場合において、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度、及び、空気比についての変化を示した実験結果 第3実施形態における管状火炎バーナの概略構成を示す横断面での模式図 別実施形態に係るエアオリフィスを示す図
以下、図面に基づいて本発明に係る片端閉塞型管状火炎バーナの実施形態を説明する。
〔第1実施形態〕
本発明に係る片端閉塞型管状火炎バーナ1は、図1〜図3に示すように、一端がエンドプレート40(閉塞壁)にて閉塞され、他端がフロントフランジ50に設けられた開口部にて開口された円筒状の燃焼室Nと、その円筒状の燃焼室Nの側面に管軸方向(図中Y方向)に沿って開口する空気用スリット22s及びガス用スリット32sとを備えている。そして、空気用スリット22sとガス用スリット32sとから燃焼室Nの側壁の接線方向に向けて、燃料ガスと空気とを各別に偏芯導入させて旋回燃焼させるように構成されている。
ここで、燃焼室Nの管軸方向に沿う方向を、単に管軸方向(図中Y方向)と表現し、その管軸方向と直交する方向を管周方向(図中X方向)と表現する。また、形成される管状火炎においては、基端側となる燃焼室Nの閉塞側端部側を管軸方向上流側、火炎噴出側となる燃焼室Nの開放端側を管軸方向下流側と称する。
円筒状の燃焼室Nは、図4に示すように、空気用スリット形成部材22とガス用スリット形成部材32とを組み合せて取り付けることで形成されている。この実施形態では、2つの空気用スリット形成部材22と2つのガス用スリット形成部材32とを組み合わせている。そして、空気用スリット形成部材22とガス用スリット形成部材32とを組み合せることで形成された円筒状の燃焼室Nに対して、管軸方向の一端側にエンドプレート40を取り付け、他端側に開口部50hを備えるフロントフランジ50を取り付けることで、管軸方向の一端が閉塞され他端が開口された燃焼室Nが形成されている。エンドプレート40は、円板状に形成され、点火プラグ孔40aとフレームロッド孔40bとが離間状態で穿設されている。そして、燃焼室Nの外部と内部とを貫通して、図示しない点火プラグとフレームロッドとが取付けられるように構成されている。尚、フロントフランジ50は、バーナを熱利用機器に取付けるためのフランジを兼ねている。
この実施形態では、図示はしていないが、各部材をネジ止めによって固定するように構成している。しかしながら、取付け方法はそのような方法に限定されるものではなく、各部材に嵌合部と被嵌合部とを設け、嵌合取付けする形態や、嵌合取付けとネジ止めを複合的に用いる形態等、耐熱強度を損なわない限りにおいて各種の取付け方法が適用可能である。
以下、管軸方向において、エンドプレート40が取付けられる端部側を閉塞端側、フロントフランジ50が取付けられる端部側を開放端側と称し、エンドプレート40で閉塞される端部を閉塞側端部と称する。
また、空気用スリット形成部材22の燃焼室Nの径方向外側には、エアオリフィス21が嵌め込まれた状態でエアチャンバー20が取り付けられ、ガス用スリット形成部材32の燃焼室Nの径方向外側には、ガスオリフィス31が嵌め込まれた状態でガスチャンバー30が取り付けられている。図示は省略するが、エアチャンバー20には、空気を供給する供給管が接続されており、その供給管には送風ファン又はブロワ等が取付けられ、酸素含有気体としての外部空気を取り込んで空気供給管に圧送するように構成されている。なお、前記酸素含有気体は、燃料ガスを燃焼させる為の酸化剤として用いるものであり、外部空気以外の酸素含有気体を用いることも可能である。図示は省略するが、ガスチャンバー30には、燃料ガスを供給する供給管が接続されている。
燃焼室Nに噴出する空気については、図3に示すように、エアチャンバー20に導入された空気が、エアオリフィス21に設けられた貫通孔21hより空間22vに導かれ、空気用スリット22sを通して、円筒状の燃焼室Nの接線方向に噴出される。燃焼室Nに噴出する燃料ガスについては、ガスチャンバー30に導入された燃料ガスが、ガスオリフィス31に設けられた貫通孔31hより空間32vに導かれ、ガス用スリット32sを通して、円筒状の燃焼室Nの接線方向に噴出される。このようにして、燃焼室Nに燃料ガスと空気と各別に偏芯導入させて旋回燃焼させるように構成されている。
空気用スリット形成部材22及びガス用スリット形成部材32について説明する。
空気用スリット形成部材22は、図6に示すように、円筒状の燃焼室Nにおける周壁の1/4に対応する部分である周壁形成部分22aとそれ以外の直線状部分22bとを備えて構成されている。また、ガス用スリット形成部材32は、図5に示すように、円筒状の燃焼室Nにおける周壁の1/4に対応する部分である周壁形成部分32aとそれ以外の直線状部分32bとを備えて構成されている。そして、図3及び図4に示すように、対を成す各部材22、32が対向する状態で4つが組み合わされることによって、円筒状の燃焼室Nが形成されている。以下、空気用スリット形成部材22とガス用スリット形成部材32とを組み合せて燃焼室Nを形成した部材を、燃焼室形成部Mと称することがある。
図5に示すように、ガス用スリット形成部材32における周壁形成部分32aの周壁外方側の面にはガス導入路となる凹部が設けられ、ガス用スリット形成部材32における周壁形成部分32aの端部にはスリット形成凹部32cが設けられている。
また、図6に示すように、空気用スリット形成部材22における周壁形成部分22aの周壁外方側の面には、空気導入路となる凹部が設けられ、空気用スリット形成部材22における周壁形成部分22aの端部にはスリット形成凹部22cが設けられている。
スリット形成凹部22c及び32cは、図4に示すように空気用スリット形成部材22とガス用スリット形成部材32とを組み合せて燃焼室形成部Mを構成した際に、燃焼室Nとなる周壁面にその管軸方向に沿って開口する。すなわち、スリット形成凹部22cによって形成される開口が空気用スリット22sとなり、スリット形成凹部32cによって形成される開口がガス用スリット32sとなる。
尚、上記空気用スリット形成部材22、及びガス用スリット形成部材32の夫々は、例えば鋳造等によって一体形成して構成されている。そして、夫々のスリット形成凹部22c、及び32cは、その一体形成された空気用スリット形成部材22、ガス用スリット形成部材32の周壁形成部分22a、及び32aの端部を切削することで形成されると共に、未切削部分が管周方向に離間する状態で複数形成されている。この未切削部分は、空気用スリット形成部材22とガス用スリット形成部材32とを組み合せた状態において、空気用スリット22s及びガス用スリット32sの流体流路を複数の流路に分割する隔壁22k、32kとなる。
説明を加えると、図5に示すように、ガス用スリット形成部材32の周壁形成部分32aの周壁外方側の面から周壁内方側の面に連続する状態で、周壁形成部分32aの端部にスリット形成凹部32cを切削加工にて形成する。このとき、切削部分の幅をガス用スリット32sのスリット形成凹部32c切削深さの約10倍又はそれ以内とし、隣接する切削部分との間隔を約2mm又はそれ以下として、管軸方向と略直交する方向、つまり管周方向に流路が形成され、管軸方向に複数の隔壁32kが離間して並設される状態に形成する。また、この隔壁32kの周壁外方側及び周壁内方側の両端部は、その平面視において、図5(c)に示すように角部分が曲線状に形成されると共に、周壁内方側の端部は気体通流方向の上流側に引退した状態となっている。
また、図6に示すように、空気用スリット形成部材22の周壁形成部分22aの周壁外方側の面から周壁内方側の面に連続する状態で、周壁形成部分22aの端部にスリット形成凹部22cを切削加工にて形成する。このとき、ガス用スリット形成部材32と同様に、切削部分の幅を空気用スリット22sのスリット形成凹部22c切削深さの約10倍又はそれ以内とし、隣接する切削部分との間隔を約2mm又はそれ以下として、管軸方向と略直交する方向、つまり管周方向に流路が形成され、管軸方向に複数の隔壁22kが離間して並設される状態に形成する。また、この隔壁22kの周壁外方側及び周壁内方側の両端部は、その平面視において角部分が曲線状に形成されると共に、周壁内方側の端部は気体通流方向の上流側に引退した状態となっている。
尚、本実施形態では、上述のスリット形成凹部32cの切削深さは、隣接する切削部分との間隔、つまり隣接する隔壁32kの間隔の1/3程度とし、また、スリット形成凹部22cの切削深さは、隣接する切削部分との間隔、つまり隣接する隔壁22kの間隔の1/3程度としている。
尚、この隔壁22k又は32kは、空気用スリット22s又はガス用スリット32sから噴出する空気又は混合気を整流すると共に、後述するように、燃料ガス通路の一部を閉塞端及び開放端の冷却用の空気通路に利用する際に、燃料ガスと空気が混じり合うことを抑制するものである。
ガスオリフィス31は、図4に示すように板状に形成されている。そして、このガスオリフィス31におけるガス用スリット形成部材32の周壁形成部分32a側に、管軸方向に並ぶ状態で、且つガスオリフィス31の管軸方向における両端部からは離間してその中央部分寄りとなるように3つの貫通孔31hが等間隔に穿設されている。
ガスチャンバー30には、ガス導入空間が設けられ、そのガス導入空間には、管軸方向に離間して2つのガス供給用孔30a、30bが設けられている。そして、ガスチャンバー30はガスオリフィス31が嵌合する状態でガス用スリット形成部材32に取付け可能に構成されている。
従って、ガスチャンバー30のガス導入空間に導入された燃料ガスは、ガスオリフィス31の3つの貫通孔31hを介して、ガス用スリット形成部材32の周壁形成部分32aの周壁外方側の面、ガスオリフィス31、及び、空気用スリット形成部材22の直線状部分22bに囲まれる空間32vに導入されることとなる。なお、上述のように、貫通孔31hはガスオリフィス31の管軸方向における中央部寄りに設けられるものであり、燃料ガスの分布は燃焼室Nの中央部が高濃度になるような分布を意図している。
エアオリフィス21は、図4に示すように板状に形成されている。そして、このエアオリフィス21における空気用スリット形成部材22の周壁形成部分22a側に、管軸方向に並ぶ状態で4つの貫通孔21hが等間隔に離間して穿設されている。
エアチャンバー20には、空気導入空間が設けられ、その空気導入空間の側面側に空気供給用開口20aが備えられている。そして、エアチャンバー20はエアオリフィス21が嵌合する状態で空気用スリット形成部材22に取付け可能に構成されている。
従って、エアチャンバー20のガス導入空間に導入された空気は、エアオリフィス21に設けられた4つの貫通孔21hを介して、空気用スリット形成部材22の周壁形成部分22aの周壁外方側の面、エアオリフィス21、及び、ガス用スリット形成部材32の直線状部分32bに囲まれる空間22vに導入されることとなる。なお、上述のように、貫通孔21hはエアオリフィス21の管軸方向において均等に配置するように設けられるものであり、噴出する空気の量の分布は燃焼室Nの管軸方向に亘って均等となる。
以下、本発明に係る片端閉塞型管状火炎バーナの特徴構成について説明する。
図4に示すように、エアオリフィス21における空気用スリット形成部材22の直線状部分22b側には、ガス側貫通小孔21bが管軸方向における閉塞端側に位置し、ガス側貫通大孔21aが管軸方向における開放端側に位置するように穿設されている。そして、空気用スリット形成部材22には、その直線状部分22bにおいて、管軸方向に離間して2つの貫通孔22hが設けられている。この貫通孔22hは、エアオリフィス21のガス側貫通大孔21aとガス側貫通小孔21bとに夫々連通する位置に設けられている。尚、貫通孔22hの穴径は、夫々ガス側貫通大孔21a及びガス側貫通小孔21bの穴径と略同じ又は若干大きく形成されている。
エアチャンバー20の空気導入空間に導入された空気の一部は、エアオリフィス21に設けられたガス側貫通小孔21b及び空気用スリット形成部材22に設けられた貫通孔22hを通して空間32vの閉塞端側に噴出し、さらに、エアオリフィス21に設けられたガス側貫通大孔21a及び空気用スリット形成部材22に設けられた貫通孔22hを通して空間32vの開放端側に噴出する。そして、ガス側貫通小孔21b及び貫通孔22hを通して空間32vの閉塞端側に導入された空気は、空間32vで、ガスオリフィス31の3つの貫通孔31hを通して供給される燃料ガスと混合され、その混合気がガス用スリット32sを通して燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に円筒状の燃焼室Nの接線方向に噴出される。また、ガス側貫通大孔21a及び貫通孔22hを通して空間32vの開放端側に導入された空気は、空間32vで、ガスオリフィス31の3つの貫通孔31hを通して供給される燃料ガスと混合され、その混合気がガス用スリット32sを通して燃焼室Nの管軸方向の開放側端部に円筒状の燃焼室Nの接線方向に噴出される。
このようにして、本発明に係る片端閉塞型管状火炎バーナ1では、図2中A1にて示すように、エアチャンバー20の空気導入空間に導入された空気の一部を、ガス側貫通小孔21b、貫通孔22h、空間32v、ガス用スリット32sを通して燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入することで、燃焼室Nにおける管軸方向の閉塞側端部に空気を導入している。これにより、燃焼室Nの閉塞側端部内面近傍は空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気で覆われ、片端閉塞型管状火炎バーナ1の閉塞側端部(エンドプレート40近傍)には火炎が形成されないものとなる。また、導入した空気は全体としての燃焼室Nの管軸下流方向の流れにより、管状火炎は管軸方向下流側に押し流され、エンドプレート40内面から一定の距離を置いて形成されるようになる。これらの効果によって、エンドプレート40の過熱による変形、焼損を防止できる。そして、エンドプレート40の壁面には冷却のための構造物が必要でないため、点火プラグ、火炎検知センサー及び覗き窓等を通常の手法にて容易にエンドプレート40に取付けることができ、全体としてコンパクトなバーナを構成することに寄与することとなった。
そして、燃焼室Nにおける管軸方向の閉塞側端部に空気を導入するに当たり、燃焼室Nに空気及び燃料ガスを噴出させるための構成を利用して、エアオリフィス21にガス側貫通小孔21bを設ける及び空気用スリット形成部材22に貫通孔22hを設けるという簡易な構成により、燃焼室Nにおける管軸方向の閉塞側端部に空気を導入することができる。また、燃焼室Nにおける管軸方向の閉塞側端部に導入される空気は、空間32vにて燃料ガスと混合されて混合気として燃焼室Nに導入されることから、上記空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気は、旋回燃焼の旋回方向と同一方向に導入されることになる。
本発明に係る片端閉塞型管状火炎バーナ1では、図2中A2に示すように、エアチャンバー20の空気導入空間に導入された空気の一部を、ガス側貫通大孔21a、貫通孔22h、空間32v、ガス用スリット32sを通して燃焼室Nの管軸方向の開放側端部に導入することで、燃焼室Nの管軸方向の開口部50h近傍に導入される空気の単位面積当りの流量を、それよりも管軸方向の閉塞端側において燃焼室に導入する空気の単位面積当りの平均空気流量よりも大きくしている。これは、換言すると、燃焼室Nの管軸方向の開口部50h近傍に導入される混合気の濃度を、燃焼室Nに導入する混合気の平均混合気濃度よりも低くなるようにしているということである。
これにより、燃焼室Nの開放端近傍即ち最下流部からスリットを通過する空気等の流量よりも大きな流量を流す(又は燃焼室Nに導入する混合気の平均混合気濃度よりも低い濃度の混合気を導入する)ことで、管軸方向の流れに開口部50h側で抵抗を付けることができ、火炎形成位置を上流に移動させることができる。そして、エンドプレート40内面近傍、つまり閉塞側端部に導入する空気の管軸方向下流側への流れと、フロントフランジ50の開口部50h近傍における空気の管軸方向下流側への流れに対する抵抗との釣り合いを取ることができ、火炎の形成位置を所期位置に安定的に形成することができるものとなる。また、ガス側貫通大孔21aを通過して燃焼室Nに供給される空気が開放端側(フロントフランジ50の開口部50h近傍)の冷却用となる。
また、本発明に係る片端閉塞型管状火炎バーナ1では、フロントフランジ50に設けられる開口部50hの内径は、燃焼室Nの内径よりも小さい、つまり、開口部50hの面積は燃焼室Nの断面視における面積よりも小となるように構成されている。この開口部50hは、図2に示すようにその内径をr1とし、燃焼室Nの内径をr2としたとき、r1/r2が0.8〜0.9となるように、すなわち、開口部50hの内径が燃焼室Nの内径よりも10%〜20%小さくなるように構成されている。
これにより、燃焼室Nの開口部50hから管軸方向下流側に押し出す方向に対して、圧損を増大する。従って、管軸方向上流側に付加する管軸方向の流れがそのまま燃焼室Nから流出して火炎がリフティングすることを抑止することができ、燃焼室Nにおける管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)の過熱による変形や焼損を防止することと、安定的な管状火炎を形成することの両立が可能になる。
そして、フロントフランジ50を金属等で形成する場合には、上述の如く、開口部50hを縮径することでその部分の温度が上昇して、焼損の危険が生じるが、ガス側貫通大孔21aを通過して燃焼室Nに供給される空気が開放端側(フロントフランジ50の開口部50h近傍)の冷却用となり、火炎押し出しの抑止効果を得ることができるとともに、フロントフランジ50等の過熱防止対策を講じることもできることになる。よって、燃焼室Nにおける管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)の過熱による変形、焼損を防止することと、安定的な管状火炎を形成することとの両立が可能となった。
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、上記第1実施形態において、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部での過熱を防止するとともに、燃焼騒音の抑制を図るための制御を行う構成を追加した実施形態である。図7〜図9に基づいて、追加する構成を中心に説明し、その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、その説明は省略する。図7は、上記第1実施形態の図4と同様に、第2実施形態における管状火炎バーナの組立斜視図であり、図8は、上記第1実施形態の図2と同様に、第2実施形態における管状火炎バーナの縦断面図であり、図9は、第2実施形態における管状火炎バーナの概略構成を示す横断面での模式図である。
上記第1実施形態では、図5、及び、図6に示すように、空気用スリット形成部材22では、スリット形成凹部22cによって形成される開口が空気用スリット22sとなり、ガス用スリット形成部材32では、スリット形成凹部32cによって形成される開口がガス用スリット32sとなる。空気用スリット形成部材22とガス用スリット形成部材32とでは、スリット形成凹部22cの方がスリット形成凹部32cよりも燃焼室Nの管軸方向の閉塞端側(図5及び図6中下方側)に延設して形成されている。これにより、図8に示すように、空気用スリット22sにて燃焼室Nに偏芯導入される空気の導入範囲Paの上流側端部が、ガス用スリット32sにて燃焼室Nに偏芯導入される燃料ガスの導入範囲Pgの上流側端部よりも燃焼室Nの管軸方向の上流側(図8中Y方向の下方側)となっている。これにより、エアチャンバー20の空気導入空間に導入された空気の一部を、ガス側貫通小孔21b、貫通孔22h、空間32v、ガス用スリット32sを通してだけでなく、貫通孔21h、空間22v、空気用スリット22sを通しても、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入することができる。
この第2実施形態では、上記第1実施形態におけるエンドプレート40に代えて、図7及び図8に示すように、第1エンドプレート60と第2エンドプレート61とが設けられている。第1エンドプレート60は、その中央部に略円形状の貫通空間60aが形成された略矩形状に形成されている。第1エンドプレート60には、貫通空間60a内に突出させる状態で熱電対62、或いは、点火プラグや火炎検知センサー(図示省略)等の各種部材を設置させる設置部60bが貫通空間60aから外側に延設された溝状に形成されている。第2エンドプレート61は、第1エンドプレート60の貫通空間60aを閉塞するためのものであり、覗き窓等が取り付けられている。熱電対62が装着された第1エンドプレート60と第2エンドプレート61とを設置することで、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部には、第1エンドプレート60の貫通空間60aが燃焼室Nに連通する状態で燃焼室Nの管軸方向に突出するように設けられている。そして、熱電対62が貫通空間60aの温度を検出することで、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測している。
図10は、燃料ガスの流量を一定とし、燃焼室に空気を供給する送風ファンの回転速度を低下させた場合において、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度、及び、空気比についての変化を示した実験結果である。実験1〜4では、燃料ガスの流量を11.4(L/min)の一定とし、送風ファンの回転速度を低下させた場合を示している。実験5〜8では、燃料ガスの流量を12(L/min)の一定とし、送風ファンの回転速度を低下させた場合を示している。実験9〜13では、燃料ガスの流量を11(L/min)の一定とし、送風ファンの回転速度を低下させた場合を示している。
この図10の表によれば、実験1〜12では、送風ファンの回転速度の低下に伴って空気比も低下している。しかしながら、実験12と実験13とでは、送風ファンの回転速度を同一回転速度としているので、本来、送風ファンの回転速度が同一回転速度であれば、燃焼室に供給される空気の流量も一定となり、燃料ガスの流量が一定であることから、空気比も一定の値となるが、実験12と実験13とでは、空気比が低下していることが分かる。
それに対して、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度と空気比とを比較すると、実験1〜3、実験5〜7、実験9〜12では、温度が徐々に上昇しているとともに、空気比も徐々に低下している。そして、実験4、実験8、実験13において、温度が急激に上昇しているとともに、空気比も急激に低下している。これにより、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度と空気比との間には強い相関があることがわかる。そして、燃焼室の火炎が管軸方向の閉塞側端部に近接して位置している場合には、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が急激に上昇するとともに、燃焼が振動(揺動)して燃焼室圧が上昇する結果、空気流量が減少して空気比が急激に低下している。
上述の如く、図10の表の実験結果から、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が急激に上昇している場合には、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接しており、例えば、目視では火炎があたかも閉塞側端部に接触しているように見える状態にあった。逆に、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が急激に上昇していない場合には、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れた位置(例えば、燃焼室の管軸方向で燃焼室の中央部よりも開放端側)となっていた。
したがって、熱電対62によって、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その温度が急激に上昇しているか否かによって、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接している状態にあるのか、或いは、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れた位置(例えば、燃焼室の管軸方向で燃焼室の中央部よりも開放端側)となっている状態にあるのかを判別することができる。
そこで、この第2実施形態では、図9に示すように、空気供給量調整手段63、燃料ガス断続手段64、及び、制御手段65を備えて、熱電対62によって、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した設定温度(第3設定温度に相当する)以上であると、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量を増加させ、その空気量が上限値に達した場合に、燃焼室Nへの燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うように構成されている。ここで、設定温度(第3設定温度に相当する)については、実験等により、燃焼室の火炎が管軸方向の閉塞側端部に近接して位置している状態にあると判別できる温度に設定することができ、例えば、500〜600℃に設定することができる。また、空気量の増加については、熱電対62による計測温度が設定温度以上となるたびに、予め設定された増加設定量だけ、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量を増加させるようにしている。
このようにして、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が予め設定した設定温度以上であると、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量を増加させることにより、火炎形成位置を、燃焼室Nの管軸方向で閉塞側端部から離れた位置(例えば、燃焼室Nの管軸方向で燃焼室Nの中央部よりも開放端側)とすることができ、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部での過熱を防止するとともに、燃焼騒音の抑制を図ることができる。しかも、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量が上限値に達してしまい、空気量の増加では対応できない場合でも、燃焼室Nへの燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させることで、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部での過熱防止、及び、燃焼騒音の抑制を確実に図ることができる。
この第2実施形態では、空気供給量調整手段63が、エアチャンバー20に供給する空気の供給量を調整自在に構成されており、例えば、送風ファンや、エアチャンバー20に空気を供給する供給管での空気の流量を調整自在な流量調整弁によって、空気供給量調整手段63を構成することができる。そして、制御手段65が、送風ファンの回転速度や流量調整弁の開度を調整してエアチャンバー20への空気の供給量を増加させることで、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量だけでなく、燃焼室N全体に導入する空気量も増加させるようにしている。
燃料ガス断続手段64は、ガスチャンバー30に供給する燃料ガスを断続自在に構成されており、例えば、ガスチャンバー30に燃料ガスを供給する供給管を開閉自在な開閉弁によって、燃料ガス断続手段64を構成することができる。例えば、送風ファンの回転速度を調整してエアチャンバー20への空気の供給量を増加させている場合には、制御手段65が、その送風ファンの回転速度が上限値に達すると、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に供給する空気量が上限値に達したと判別して、開閉弁を閉弁してガスチャンバー30への燃料ガスの供給を停止することで、燃焼を停止させている。
〔第3実施形態〕
この第3実施形態は、上記第2実施形態において、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部での過熱を防止するとともに、燃焼騒音の抑制を図るための制御についての別実施形態である。その他の構成については、上記第1及び第2実施形態と同様であるので、制御の異なる点のみ説明する。
上記第2実施形態では、図9に示すように、熱電対62によって、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した設定温度以上であると、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量を増加させ、その空気量が上限値に達した場合に、燃焼室Nへの燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うように構成されている。
それに対して、この第3実施形態では、図11に示すように、空気供給量調整手段63、及び、制御手段65を備えて、熱電対62によって、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した設定範囲内となるように、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量を増減させる制御を行うように構成されている。ここで、設定範囲については、実験等により、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れた位置(例えば、燃焼室の管軸方向で燃焼室の中央部よりも開放端側)となっている状態にあると判別できる温度範囲に設定することができ、例えば、250〜300℃の範囲に設定することができる。
制御手段65は、熱電対62によって計測した計測温度が設定範囲よりも高くなる場合に、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量を増加させ、熱電対62によって計測した計測温度が設定範囲よりも低くなる場合に、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量を減少させるように、空気供給量調整手段63の作動を制御している。空気供給量調整手段63については、上記第2実施形態と同様に、送風ファンや、エアチャンバー20に空気を供給する供給管での空気の流量を調整自在な流量調整弁にて構成することができる。制御手段65が、送風ファンの回転速度や流量調整弁の開度を調整してエアチャンバー20への空気の供給量を調整することで、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に供給する空気量だけでなく、燃焼室N全体に導入する空気量も調整するようにしている。この第3実施形態では、燃料ガス断続手段64を省略することができる。
〔別実施形態〕
次に、本発明の管状火炎バーナの別実施形態を説明する。
(イ)上記第1〜第3実施形態では、燃焼室Nの閉塞端側に空気を導入するために、エアオリフィス21にガス側貫通小孔20bを設ける構成としたが、このような構成に限定されるものではなく、図12に示すように、ガス側貫通小孔20bに加えて、4つの貫通孔21hの更に閉塞端側に別途貫通孔21cを設ける構成としてもよい。
また、エアオリフィス21のガス側貫通小孔20bを設けず、貫通孔21cを設ける構成としてもよい。
(ロ)上記第1〜第3実施形態においては、燃焼室Nにおける管軸方向の閉塞端側に導入する空気又は開放端側に導入する空気は、燃料ガスと混合させた状態でガス用スリット32sより導入するものとしたが、このような構成に限定されるものではなく、燃焼室Nにおける管軸方向の閉塞端側に導入する空気又は開放端側に、空気用スリット22s又はガス用スリット32sとは独立した導入口を設けて、そこから所定量の空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を燃焼室Nに偏芯導入するように構成してもよい。
さらに、上記の構成に代えて、エンドプレート40や第1エンドプレート60に導入孔を設け、その導入孔より所定量の空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を、管軸方向の閉塞端側に向けて導入することも可能である。
ここで、燃焼限界濃度以下の希薄混合気を燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する場合には、第2及び第3実施形態では、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量に代えて、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する希薄混合気量を調整することになる。
(ハ)上記第1〜第3実施形態においては、空気用スリット22s、ガス用スリット32sから噴出する空気の導入量比率をエアオリフィス21にて調整するように構成したが、そのような形態に限定されるものではなく、例えば空気供給管を燃焼用空気供給管、燃焼室閉塞壁冷却用空気供給管、及び燃焼室開放端冷却用空気供給管の3つに分割し、夫々燃焼用空気、燃焼室閉塞壁冷却用空気、及び燃焼室開放端冷却用空気を供給するように構成してもよい。各空気量については、燃焼用空気は設定空気比から計算される量よりも少なめ、閉塞壁冷却用空気量は、火炎を壁から離れた位置に形成させ、かつ壁温度を所定の値以下に保つ最小量、燃焼室開放端冷却用空気量は、開放端材料の耐熱温度を下回り、同時に火炎を所定位置に保つような流量に設定する。燃焼の総括空気比は、これらの合計流量から定まるので、燃焼用空気供給管を通して供給する燃焼用空気量は、設定空気比から計算される空気量から、燃焼室N両端、つまり燃焼室閉塞壁冷却用空気供給管及び燃焼室開放端冷却用空気供給管から供給する空気量を減じたものとなる。
(ニ)上記第1〜第3実施形態においては、空気用スリット22s、及びガス用スリット32sはそれらを細分割する隔壁22k、及び32kを備えるように構成したが、そのような構成に限定されるものではなく、隔壁22k及び32kを備えない構成とすることも可能である。このとき、ガス用スリット32sにおける開放端側及び閉塞端側に、エアオリフィス21におけるガス側貫通大孔21a及びガス側貫通小孔21bに比例する量の空気が供給されるので、その量に応じて混合気が希薄化されることになる。
(ホ)上記第1〜第3実施形態においては、空気用スリット22sから空気を、ガス用スリット32sから燃料ガスと空気との混合気を各別に燃焼室Nに偏芯導入させて旋回燃焼させるように構成したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば空気と燃料ガスとを予め混合させた混合気のみを燃焼室Nに偏芯導入させて旋回燃焼させるようにしてもよい。この場合には、燃焼室Nにおける管軸方向の閉塞側端部に導入する混合気濃度を燃焼限界濃度以下とし、燃焼室Nの管軸方向の開口部50h近傍に導入される混合気の濃度を燃焼室Nに導入する平均混合気濃度よりも低くなるように設定する。
さらに、上記構成に限定されるものではなく、空気、燃料ガス、及びそれらの混合気を各別に燃焼室Nに偏芯導入させて旋回燃焼させるように構成してもよい。この場合には、燃焼室Nにおける管軸方向の閉塞側端部に空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入するように構成し、加えて、燃焼室Nの管軸方向の開口部50h近傍に導入される空気の単位面積当りの流量を、それよりも管軸方向の閉塞端側において燃焼室Nに導入する空気の単位面積当りの平均空気流量よりも大きくする、又は、燃焼室Nの管軸方向の開口部50h近傍に導入される混合気の濃度を燃焼室Nに導入する混合気の平均混合気濃度よりも低くなるように設定する。
(ヘ)上記第1〜第3実施形態においては、フロントフランジ50の開口部50hを円形に形成したが、開口部50hを円形以外の多角形状に形成してもよい。ただしこの場合にもその各頂点は、燃焼室Nの周壁よりも筒内方側に位置し、全体として開口部50hの面積が燃焼室Nの断面視における面積よりも小となるように構成するものとする。
(ト)上記第2実施形態では、焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量を増加させる制御と、その空気量が上限値に達した場合に、燃焼室Nへの燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御との両者を行うようにしているが、どちらか一方の制御だけを行うようにすることもできる。
すなわち、熱電対62によって、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第1設定温度以上であると、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量を増加させる制御を行うように構成することができる。ここで、第1設定温度については、上述の第3設定温度と同じ温度、又は、異なる温度とすることができる。
或いは、熱電対62によって、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第2設定温度以上であると、燃焼室Nへの燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うように構成することもできる。ここで、第2設定温度については、上述の第3設定温度と同じ温度、又は、異なる温度とすることができる。
(チ)上記第2及び第3実施形態では、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量を増加させる制御を行うに当たり、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量だけでなく、燃焼室N全体に導入する空気量も増加させるようにしているが、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量だけを増加させることもできる。
(リ)上記第2及び第3実施形態では、熱電対62によって、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測しているが、熱電対に代えて、ガスセンサー(例えば、CO2センサー又はO2センサー)を適応することも可能である。
本発明は、片端閉塞型管状火炎バーナにおける閉塞端壁の過熱による変形、焼損を効果的に抑制するものであり、バーナをコンパクトに構成することに寄与する。併せて、火炎形成位置を制御することができ、安定操業に有用である。
本発明によれば、片端閉塞型管状火炎バーナ全体を低温に保つことができるので、燃焼機器の筐体内部に電子部品等と共存させながらコンパクトに実装可能であり、業務用や家庭用の燃焼機器への適用に利用価値の高いものである。
20 エアチャンバー
20a 空気供給用開口
21 エアオリフィス
21a ガス側貫通大孔
21b ガス側貫通小孔
21h 貫通孔
22 空気用スリット形成部材
22h 貫通孔
22s 空気用スリット
32 ガス用スリット形成部材
32s ガス用スリット
40 エンドプレート
50 フロントフランジ
50h 開口部

Claims (9)

  1. 一端が閉塞され他端が開口された円筒状の燃焼室の管軸方向に沿って開口されたスリットから前記燃焼室内に向けて、前記燃焼室に燃料ガス及び空気を、燃料ガスと空気との混合気を、又は、燃料ガスと空気と燃料ガス及び空気の混合気を偏芯導入させて旋回燃焼させる片端閉塞型管状火炎バーナであって、
    前記燃焼室における管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入する片端閉塞型管状火炎バーナ。
  2. 前記閉塞側端部に導入する前記空気又は前記希薄混合気を、前記旋回燃焼の旋回方向と同一方向に導入する請求項1記載の片端閉塞型管状火炎バーナ。
  3. 前記燃焼室における管軸方向の開口部近傍に導入される前記空気の単位面積当りの流量が、それよりも管軸方向の閉塞端側において前記燃焼室に導入する空気の単位面積当りの平均空気流量よりも大きく、又は、前記燃焼室における管軸方向の開口部近傍に導入される混合気の濃度が、前記燃焼室に導入する混合気の平均混合気濃度よりも低くなるように設定されている請求項1又は2記載の片端閉塞型管状火炎バーナ。
  4. 前記燃焼室の開口部の面積が前記燃焼室の断面視における面積よりも小である請求項1〜3の何れか一項に記載の片端閉塞型管状火炎バーナ。
  5. 前記スリットにて前記燃焼室に偏芯導入される空気の導入範囲の上流側端部が、前記スリットにて前記燃焼室に偏芯導入される燃料ガスの導入範囲の上流側端部よりも燃焼室の管軸方向の上流側となるように設定されている請求項1〜4の何れか一項に記載の片端閉塞型管状火炎バーナ。
  6. 前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第1設定温度以上であると、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増加させる制御を行うように構成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の片端閉塞型管状火炎バーナ。
  7. 前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第2設定温度以上であると、前記燃焼室への燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うように構成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の片端閉塞型管状火炎バーナ。
  8. 前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第3設定温度以上であると、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増加させ、その空気量又は希薄混合気量が上限値に達した場合に、前記燃焼室への燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うように構成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の片端閉塞型管状火炎バーナ。
  9. 前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した設定範囲内になるように、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増減させる制御を行うように構成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の片端閉塞型管状火炎バーナ。
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