JP5406637B2 - ガスコンロにおける乱流形成方法及びガスコンロにおける乱流形成装置 - Google Patents

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本発明は、ガス噴出用のノズル孔とそのノズル孔に燃焼ガスを供給するガス流動路を備えたガスノズルと、このガスノズルから噴出する燃料ガスとその燃料ガスが噴出されることによるエジェクター効果により吸引される燃焼用空気とを混合する混合部と、この混合部にて混合された混合気を燃焼させる火炎形成部とを有するガス燃焼部とが備えられ、前記ガスノズルにおける前記ガス流動路に燃料ガスの流れに乱れを生じさせる乱流形成体が備えられているガスコンロにおける乱流形成方法及び前記ガスコンロにおける乱流形成装置に関する。
上記ガスコンロは、ガスノズルから燃料ガスが噴出されることによるエジェクター効果により燃焼用空気としての燃焼用一次空気が吸引され、ガスノズルから噴出される燃料ガスと吸引した燃焼用一次空気とを混合部において混合させて混合気を生成して、火炎形成部に導くようになっており、火炎形成部では、混合気を一次燃焼させながら燃焼用二次空気を取り入れて二次燃焼を行わせる、いわゆるブンゼン燃焼を行うことになる。
また、上記ガスコンロにおいては、ガスノズルにおけるガス流動路に燃料ガスの流れに乱れを生じさせる乱流形成体が備えられているから、ガスノズルから噴出される燃料ガスの噴出速度が低下しても、乱流形成体を備えることにより、燃焼用空気の吸引比率(以下、空気吸引比率という)の低下を防止して良好に混合気を形成することができることになる。
そして、このようにガスノズルのガス流動路に燃料ガスの流れに乱れを生じさせる乱流形成体を備えさせるにあたり、従来では、乱流形成体とノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離が一定になる状態で乱流形成体がガスノズルに装着されていた(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、上記特許文献1においては、火力調節操作により小火力状態に調節されると、ガスノズルから噴出される燃料ガスの噴出速度が低下するが、乱流形成体を備えることにより、空気吸引比率の低下を防止して良好に混合気を形成することができるものであると記載されている。
特開平11−211028号公報
上述の如く、ガスノズルのガス流動路に乱流形成体を設けることにより、空気吸引比率の低下を抑制して混合気を形成することができる点について、本出願人による検討結果に基づいて以下に説明を加える。
ガスノズルから燃料ガスが噴出されると、燃料ガスが噴出されることによるエジェクター効果により燃焼用空気が吸引されて、燃料ガスと燃焼用空気とが混合部にて混合されながら火炎形成部に導かれるが、燃焼に適した良好な混合状態である良好混合気になる位置は、変更調節される火力の大きさの違いによって異なるものとなる。
図11(c)及び(d)には、乱流形成体を備えない場合についての混合部の内部における燃料ガスと燃焼用空気との混合状態を示しており、また、図11(a)及び(b)には、乱流形成体を備える場合の燃料ガスと燃焼用空気の混合状態を示している。
乱流形成体を備えない場合、及び、乱流形成体を備える場合のいずれにおいても、小火力に調節された場合(図11(b)及び(d))は、大火力に調節された場合(図11(a)及び(c))に比べて、混合部9内においてガスノズル10から離れた位置にて良好混合気が生成されることになる。つまり、燃料ガスの供給量が多いときは、燃料ガスの流速が大きいからレイノルズ数が大きく乱流に変化しやすいが、燃料ガスの供給量が少ないときは、燃料ガスの流速が小さいからレイノルズ数が小さく乱流に変化しにくく層流状態になり易いので、噴出される燃焼ガスと吸引される燃焼用空気との間で混合され難いものとなり、ガスノズルから離れた位置にて良好混合気が生成されるのである。
また、乱流形成体を備えない場合、及び、乱流形成体を備える場合について、良好混合気が生成される位置を比べると、乱流形成体を備えない場合の方が、乱流形成体を備える場合よりも、ガスノズル10から離れた位置にて良好混合気が生成されることになる。
したがって、大火力に調節している状態から急激に小火力に火力を変更調整したような場合において、乱流形成体を備えない場合においては、火炎形成部において吹き消えが発生する虞があるが、乱流形成体を備える場合には、その吹き消えの発生を抑制できる。
説明を加えると、大火力に調節している状態から急激に小火力に火力を変更調整したような場合において、大火力に調節している状態では大流量で燃料ガスが噴出されて、多量の燃焼用空気が吸引されており、しかも、ガスノズルから離れた位置にて良好混合気が生成されることになるので、ガスノズルの存在位置から良好混合気が生成される位置までの間に、燃料ガスと吸引された多量の燃焼用空気とが混合されない未混合状態の混合ガスが存在することになり、また、火力を小火力に変更調整した直後では、燃料ガスの噴出量が急激に少なくなるものの、大流量の燃料ガスによるエジェクター効果により吸引される多量の燃焼用空気が、慣性により引き続き流動する結果、小流量の燃料ガスとその少量の燃料ガスに対しては多すぎる燃焼用空気との希薄混合ガスも存在することになる。
つまり、大火力に調節している状態から急激に小火力に火力を変更調整した直後においては、未混合状態の混合ガスと希薄混合ガスとが、流動に伴って混合しながら、火炎形成部に流動することになる。
そして、乱流形成体を備えない場合には、ガスノズル10から離れた位置にて良好混合気が生成されるものであるため、未混合状態の混合ガスが多量に存在することになり、しかも、ガスノズル10から離れた位置にて良好混合気が生成されるということは、良好混合気の生成位置から火炎形成部までの距離が短いものであるため、多量の未混合状態の混合ガスと希薄混合ガスとが、十分に混合されずに、火炎形成部に流動することになり、火炎形成部において吹き消えが発生する虞がある。
これに対して、乱流形成体を備える場合には、ガスノズル10から近い位置に良好混合気が生成されるものであるため、未混合状態の混合ガスの存在量が少ないものとなり、しかも、ガスノズル10から近い位置にて良好混合気が生成されるということは、良好混合気の生成位置から火炎形成部までの距離が長いものであるため、少量の未混合状態の混合ガスと希薄混合ガスとが、十分に混合されながら、火炎形成部に流動することになり、火炎形成部における吹き消えの発生を抑制できるものとなる。
このように乱流形成体は、大火力に調節している状態から急激に小火力に火力を変更調整したような場合において火炎形成部における吹き消えの発生を抑制できるものとなるのであるが、その効果を高めるためには、つまり、ノズル孔から噴出される燃料ガスの流れを乱して乱流状態にさせて空気吸引比率を高めるためには、一般には、乱流形成体をノズル孔にできるだけ近づけた方がよいと考えることができる。
そして、従来の乱流形成体は、乱流形成体を前記ガス流動路上の一定位置に設けるものであるから、上記したような検討結果を考慮すると、乱流形成体をノズル孔にできるだけ近い位置になる一定位置に設置することが考えられる。
しかしながら、このように乱流形成体をノズル孔にできるだけ近い一定位置に設置すると、燃料ガスの種類あるいはガス燃焼量が異なる場合において、ガス燃焼量やガスの種類によっては、燃焼状態が不安定になることがあり、この点の改善が望まれていた。
つまり、ガスコンロとしては、火炎形成部が大径の調理用鍋等の大型の被加熱物に対応するような大径の火炎を形成する大火力用のガス燃焼部や、火炎形成部が小径の調理用鍋等の小型の被加熱物に対応するような小径の火炎を形成する小火力用のガス燃焼部を備えるガスコンロ等が存在するものとなり、そして、大火力用のガス燃焼部における最大ガス流動量は、小火力用のガス燃焼部における最大ガス流動量に比べて多いものとなる。
そして、このような最大ガス流動量が異なるガス燃焼部を備えるガスコンロに対して、乱流形成体をノズル孔にできるだけ近い一定位置に設置させると、ガス流動量が多い場合においてノズル孔を通して燃料ガスが通過する通過抵抗が大きくなり、適正な混合ガスを生成できなくなることがあり、改善が望まれていた。
ちなみに、乱流形成体の設置位置を、ガス流動量が多い場合に合わせて、ノズル孔から離れた一定位置に設けることが考えられるが、この場合、ガス流動量が少ない場合において、乱流効果が不足する虞がある。
また、ガスコンロに使用される燃料ガスとしては、例えばLPガスや都市ガス等、異なる種類の燃料ガスが用いられることがあるが、このように種類が異なる燃料ガスは単位ガス量当たりの発熱量が異なるものであり、発熱量の多い燃料ガスは発熱量の少ない燃料ガスよりもガスノズルからの噴出速度を大きくして、エジェクター効果を高める必要があるが、異なる種類の燃料ガスに対して乱流形成体を設置する位置を同じにすると、発熱量の多い燃料ガスについてはノズル孔を通して通過する通過抵抗が大きくなり過ぎることや、発熱量の少ない燃料ガスついては乱流効果が不足することに起因して、適正な混合ガスを生成できなくなることがあり、改善が望まれていた。
本発明の目的は、ガス燃焼部における最大ガス流動量が異なる場合であっても、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うことが可能となるガスコンロにおける乱流形成方法を提供する点にある。
本発明の他の目的は、使用される燃料ガスの種類が異なる場合であっても、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うことが可能となるガスコンロにおける乱流形成方法を提供する点にある。
本発明のさらに他の目的は、使用される燃料ガスの種類や火炎形成部における最大ガス流動量の違いにかかわらず、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うことが可能となるガスコンロにおける乱流形成装置を提供する点にある。
本発明に係るガスコンロにおける乱流形成方法は、ガス噴出用のノズル孔とそのノズル孔に燃焼ガスを供給するガス流動路を備えたガスノズルと、このガスノズルから噴出する燃料ガスとその燃料ガスが噴出されることによるエジェクター効果により吸引される燃焼用空気とを混合する混合部と、この混合部にて混合された混合気を燃焼させる火炎形成部とを有するガス燃焼部が備えられ、前記ガスノズルにおける前記ガス流動路に燃料ガスの流れに乱れを生じさせる乱流形成体が備えられているガスコンロにおける乱流形成方法であって、その第1特徴構成は、前記乱流形成体の前記ガス流動路上の設置位置を、前記ガス燃焼部における最大ガス流動量の違いに応じて異ならせる点にある。
すなわち、本発明の第1特徴構成によれば、前記乱流形成体の前記ガス流動路上の設置位置を、前記火炎形成部における最大ガス流動量の違いに応じて異ならせるのである。
つまり、ガスコンロとして、大径の調理用鍋等の大型の被加熱物に対応するような大径の火炎を形成する大火力用のガス燃焼部や、小径の調理用鍋等の小型の被加熱物に対応するような小径の火炎を形成する小火力用のガス燃焼部を備えるガスコンロ等、被加熱物の大きさの違いに対応した燃焼状態が得られるように複数種のガス燃焼部を備えるガスコンロが存在するが、大火力用のガス燃焼部は最大ガス流動量が多く、小火力用のガス燃焼部は、大火力用のガス燃焼部に比べて最大ガス流動量が少ないものであり、上記した複数種のガス燃焼部は、最大ガス流動量が互いに異なるものとなるが、このようなガス燃焼部における最大ガス流動量の違いに応じて、乱流形成体のガス流動路上の設置位置を異ならせるのである。
説明を加えると、ガスノズルにおいてノズル孔に燃料ガスを流動させるガス流動路に乱流形成体を備えさせると、燃料ガスの流れに乱れを生じさせてエジェクター効果により燃焼用空気を吸引するときの空気吸引比率を高めることができる(以下、これを乱流効果という)が、反面、乱流形成体により流れが乱れされた燃料ガスがノズル孔を通過するときの通過抵抗が大きくなるから、そのことが原因で、ガスノズルから噴出される燃料ガスの噴出速度を低下させて燃焼用空気を吸引するときの空気吸引比率が低下する(以下、これを減速逆効果という)。尚、一般には、ガス流動量を維持するためにノズル孔径は大きくすることが行われる。
そして、ガス流動路に乱流形成体を設置するにあたり、乱流形成体をノズル孔に近づけるほど乱流効果が高いものとなるが、それとは逆に、乱流形成体をノズル孔に近づけるほど減速逆効果は高いものとなり、しかも、その減速逆効果は、ガス流動量が多いほど大きくなる傾向となる。つまり、乱流形成体をノズル孔に近づけるほど、ノズル孔を通過する燃料ガスの流れの乱れが多くなるものとなり、それだけ燃料ガスがノズル孔を通過するときの通過抵抗が大きくなり、かつ、ガス流動量が多いほど、燃料ガスがノズル孔を通過するときの通過抵抗が大きくなるからである。
そこで、最大ガス流動量が少ないガス燃焼部においては、乱流形成体をノズル孔に近付けた位置に設置するようにして、乱流形成体による乱流効果を十分に発揮させるようにして、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うようにする。
これに対して、最大ガス流動量が多いガス燃焼部においては、乱流形成体をノズル孔から離れた位置に設置するようにして、減速逆効果を抑制するようにしながら乱流効果を発揮させるようにして、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うようにする。
従って、本発明の第1特徴構成によれば、ガス燃焼部における最大ガス流動量が異なる場合であっても、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うことが可能となるガスコンロにおける乱流形成方法を提供できるに至った。
本発明の第2特徴構成は、ガス噴出用のノズル孔とそのノズル孔に燃焼ガスを供給するガス流動路を備えたガスノズルと、このガスノズルから噴出する燃料ガスとその燃料ガスが噴出されることによるエジェクター効果により吸引される燃焼用空気とを混合する混合部と、この混合部にて混合された混合気を燃焼させる火炎形成部とが備えられ、前記ガスノズルにおける前記ガス流動路に燃料ガスの流れに乱れを生じさせる乱流形成体が備えられているガスコンロにおける乱流形成方法であって、前記乱流形成体の前記ガス流動路上の設置位置を、燃料ガスの種類の違いに応じて異ならせる点にある。
すなわち、本発明の第2特徴構成によれば、前記乱流形成体の前記ガス流動路上の設置位置を燃料ガスの種類の違いに応じて異ならせるのである。つまり、ガスコンロに使用される燃料ガスとしては、LPガスや都市ガス等があるが、このような使用される燃料ガスの種類に応じて、つまり、単位ガス量当たりの発熱量が異なる燃料ガスの種類に応じて、乱流形成体のガス流動路上の設置位置を異ならせるのである。
説明を加えると、ガスノズルにおいてノズル孔に燃料ガスを流動させるガス流動路に乱流形成体を備えさせると、燃料ガスの流れに乱れを生じさせてエジェクター効果により燃焼用空気を吸引するときの空気吸引比率を高めることができる(乱流効果)が、反面、ガス流動路に乱流形成体を備えることにより、乱流形成体により流れが乱れされた燃料ガスがノズル孔を通過するときの通過抵抗が大きくなるから、そのことが原因で、ガスノズルから噴出される燃料ガスの噴出速度を低下させて燃焼用空気を吸引するときの空気吸引比率が低下する(減速逆効果)。尚、一般には、ガス流動量を維持するためにノズル孔径は大きくすることが行われる。
そして、ガス流動路に乱流形成体を設置するにあたり、乱流形成体をノズル孔に近づけるほど乱流効果が高いものとなるが、それとは逆に、乱流形成体をノズル孔に近づけるほど減速逆効果は高いものになり、しかも、その減速逆効果は、ガス燃料のノズル孔からの噴出速度を速くすべく、ガス燃料の供給圧が高いほど、大きくなる傾向となる。つまり、乱流形成体をノズル孔に近づけるほど、ノズル孔を通過する燃料ガスの流れの乱れが多くなるものとなり、それだけ燃料ガスがノズル孔を通過するときの通過抵抗が大きいものになり、かつ、ガス燃料のノズル孔からの噴出速度を速くすべく、ガス燃料の供給圧が高いほど、燃料ガスがノズル孔を通過するときの通過抵抗が大きくなるからである。
ちなみに、ガスコンロに使用される燃料ガスの種類としては、例えば、LPガスや都市ガス等があるが、LPガスと都市ガスとを比較すると、LPガスは都市ガスに比べて燃料ガスの単位量当りの発熱量が高いので、ガス燃焼部での燃焼量すなわち火力が同じであっても、LPガスを用いる場合は都市ガスを用いる場合に比べて、ガスノズルから噴出させる燃焼ガスの流動量は少なくなるのであるが、同じ火力を得るためには、LPガスであっても都市ガスであっても必要とされる燃焼用空気の量は略同じである。そのため、LPガスを使用する場合には、都市ガスを使用するに比べて、燃料ガスの供給量が少ない割には多めの空気量が必要であるから、ノズル孔の内径を都市ガスより小さくして、かつ、その供給圧を都市ガスよりも高くすることで燃料ガスの噴出速度を高め、エジェクター効果を上げることがなされる。
そこで、ガスノズルから噴出される流動量が少ない割に必要とする燃焼用空気の量が多い、単位ガス量当たりの発熱量が多い燃料ガスを使用する場合には、乱流形成体をノズル孔から離れた位置に設置するようにすることにより、乱流形成体の設置位置からノズル孔までの間が離れているので、燃料ガスの乱流状態が少し収まった状態でノズル孔を通過することになり、ノズル孔を通過するときの通過抵抗の増加を少ないものにできる。その結果、乱流形成体による減速逆効果が低めになり噴出速度の低下を抑制することができるから、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うことが可能となる。
これに対して、ガスノズルから噴出される流動量が多い、単位ガス量当たりの発熱量が少ない燃料ガスを使用する場合には、単位ガス量当たりの発熱量が多い燃料ガスを使用する場合よりも、乱流形成体をノズル孔に近づけた状態で設置することにより、乱流効果を有効に発揮させるようにして、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うことが可能となる。
従って、本発明の第2特徴構成によれば、ガスコンロにおいて使用される燃料ガスの種類が異なる場合であっても、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うことが可能となるガスコンロにおける乱流形成方法を提供できるに至った。
本発明の第3特徴構成は、ガス噴出用のノズル孔とそのノズル孔に燃焼ガスを供給するガス流動路を備えたガスノズルと、このガスノズルから噴出する燃料ガスとその燃料ガスが噴出されることによるエジェクター効果により吸引される燃焼用空気とを混合する混合部と、この混合部にて混合された混合気を燃焼させる火炎形成部とが備えられ、前記ガスノズルにおける前記ガス流動路に燃料ガスの流れに乱れを生じさせる乱流形成体が備えられているガスコンロにおける乱流形成装置であって、前記ガスノズルとして、前記乱流形成体と前記ノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離が互いに異なる複数種のガスノズルが選択的に装着可能に構成されている点にある。
すなわち、本発明の第3特徴構成によれば、前記ガスノズルとして、前記乱流形成体と前記ノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離が互いに異なる複数種のガスノズルが選択的に装着可能に構成されている。
つまり、ガスコンロとして、火炎形成部が大径の調理用鍋等の大型の被加熱物に対応するような大径の火炎を形成する大火力用のガス燃焼部や、火炎形成部が小径の調理用鍋等の小型の被加熱物に対応するような小径の火炎を形成する小火力用のガス燃焼部を備えるガスコンロ等、被加熱物の大きさの違いに対応した燃焼状態が得られるように複数種のガ燃焼部を備えるガスコンロが存在することになり、又、ガスコンロにおいては、使用する燃料ガスの種類を異ならせる場合がある。
そして、第3特徴構成においては、最大ガス流動量が異なるガス燃焼部に応じて、乱流形成体とノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離が互いに異なる複数種のガスノズルのいずれかを選択して、装着する。
また、使用する燃料ガスの種類に応じて、乱流形成体とノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離が互いに異なる複数種のガスノズルのいずれかを選択して、装着する。
説明を加えると、ガスノズルにおいてノズル孔に燃料ガスを流動させるガス流動路に乱流形成体を備えることにより、燃料ガスの流れに乱れを生じさせてエジェクター効果により燃焼用空気を吸引するときの空気吸引比率を高めることができる(乱流効果)が、ガス流動路に乱流形成体を備えることにより、乱流形成体により流れが乱れされた燃料ガスがノズル孔を通過するときの通過抵抗が大きくなるから、そのことが原因で、ガスノズルから噴出される燃料ガスの噴出速度を低下させて燃焼用空気を吸引するときの空気吸引比率が低下する(減速逆効果)。尚、一般には、ガス流動量を維持するためにノズル孔径は大きくすることが行われる。
そして、ガス流動路に乱流形成体を設置するにあたり、乱流形成体をノズル孔に近づけるほど乱流効果が高いものとなるが、それとは逆に、乱流形成体をノズル孔に近づけるほど減速逆効果は高いものになる。つまり、乱流形成体をノズル孔に近づけるほど、ノズル孔を通過する燃料ガスの流れの乱れが多くなるものとなり、それだけ燃料ガスがノズル孔を通過するときの通過抵抗が大きいものになるからである。
しかも、その減速逆効果は、ガス流動量が多いほど大きくなる傾向となり、また、ガス燃料のノズル孔からの噴出速度を速くすべく、ガス燃料の供給圧が高いほど、大きくなる傾向となる。つまり、ガス流動量が多いほど、燃料ガスがノズル孔を通過するときの通過抵抗が大きくなり、また、ガス燃料のノズル孔からの噴出速度を速くすべく、ガス燃料の供給圧が高いほど、燃料ガスがノズル孔を通過するときの通過抵抗が大きくなるからである。
ちなみに、ガスコンロに使用される燃料ガスの種類としては、例えば、LPガスや都市ガス等があるが、LPガスと都市ガスとを比較すると、LPガスは都市ガスに比べて燃料ガスの単位量当りの発熱量が高いので、ガス燃焼部での燃焼量すなわち火力が同じであっても、LPガスを用いる場合は都市ガスを用いる場合に比べて、ガスノズルから噴出させる燃焼ガスの流動量は少なくなるのであるが、同じ火力を得るためには、LPガスであっても都市ガスであっても必要とされる燃焼用空気の量は略同じである。そのため、LPガスを使用する場合には、都市ガスを使用するに比べて、燃料ガスの供給量が少ない割には多めの空気量が必要であるから、ノズル孔の内径を都市ガスより小さくして、かつ、その供給圧を都市ガスよりも高くすることで燃料ガスの噴出速度を高め、エジェクター効果を上げることがなされる。
そこで、最大ガス流動量が少ないガス燃焼部においては、乱流形成体をノズル孔に近付けた位置に設置させたガスノズルを装着するようにして、乱流形成体による乱流効果を十分に発揮させるようにして、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うようにする。
これに対して、最大ガス流動量が多いガス燃焼部においては、乱流形成体をノズル孔から離れた位置に設置させたガスノズルを装着するようにして、減速逆効果を抑制するようにしながら乱流効果を発揮させて、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うようにする。
また、燃料ガスの種類として、ガスノズルから噴出される燃料ガスの流動量が少ない割に必要とする燃焼用空気の量が多い、単位ガス量当たりの発熱量が多い燃料ガスを使用する場合には、乱流形成体をノズル孔から離れた位置に設置させたガスノズルを装着することにより、乱流形成体の設置位置からノズル孔までの間が離れているので、燃料ガスの乱流状態が少し収まった状態でノズル孔を通過することになり、ノズル孔を通過するときの通過抵抗の増加を少ないものにできる。その結果、乱流形成体による減速逆効果が低めになり噴出速度の低下を抑制することができるから、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うようにできる。
これに対して、ガスノズルから噴出される流動量が多い、単位ガス量当たりの発熱量が少ない燃料ガスを使用する場合には、単位ガス量当たりの発熱量が多い燃料ガスを使用する場合よりも、乱流形成体をノズル孔に近づけた状態で備えるガスノズルを装着することにより、乱流効果を有効に発揮させるようにして、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うことが可能となる。
従って、本発明の第3特徴構成によれば、最大ガス流動量が異なるガス燃焼部を備えさせる場合や使用する燃料ガスの種類を異ならせる場合においても、適正な混合ガスを生成して良好な燃焼を行うことが可能となるガスコンロにおける乱流形成装置を提供できるに至った。
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成に加えて、前記複数種のガスノズルが、前記ガス流動路における前記ノズル孔のガス流動方向上流側に連なる箇所に、ガス流動方向下流側が前記ノズル孔の内径と同じ又は略同じ内径となり且つガス流動方向上流側ほど大径となる形態でガス流動方向に沿って漸次内径が変化するテーパ状のガス流動部を備え、且つ、前記乱流形成体と前記ノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離が小さいガスノズルほど前記テーパ状のガス流動部のテーパの角度を大きい角度に形成されている点にある。
すなわち、ガス流動路を通って供給される燃料ガスは、漸次内径が変化するテーパ状のガス流動部にて流路径が狭められて徐々に内部圧力が上昇して行きながらノズル孔に向けて流動案内されることになり、動圧が高められてノズル孔から勢いよく燃料ガスを噴出することになる。そして、前記乱流形成体と前記ノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離が小さいガスノズルほど前記テーパ状のガス流動部のテーパの角度を大きい角度に形成されているから、乱流形成体とノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離を短めに設定するときは、テーパ状のガス流動部のテーパの角度を大きい角度に形成したガスノズルを用いるようにし、又、乱流形成体とノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離を長めに設定するときは、テーパ状のガス流動部のテーパの角度を小さい角度に形成したガスノズルを用いるようにすると、乱流形成体をテーパ状のガス流動部におけるガス流動方向上流側の端部に位置させた状態で設置させることで、乱流形成体とノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離を適正な距離に設定することができる。
つまり、乱流形成体とノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離が互いに異なる複数種のガスノズルを選択的に装着するにあたり、テーパ状のガス流動部におけるガス流動方向上流側の端部を利用することで乱流形成体を位置決めして装着することができる。
従って、本発明の第4特徴構成によれば、第3特徴構成による作用効果に加えて、テーパ状のガス流動部におけるガス流動方向上流側の端部を利用して、特別な位置決め用の機構を設けることなく乱流形成体を適正な位置に位置決めすることが可能となる。
本発明の第5特徴構成は、第3特徴構成又は第4特徴構成に加えて、前記乱流形成体が、前記ガス流動路を横断する姿勢に配置されかつガス通過用開口が形成された円板状の底板部と、その底板部に連なりかつ前記ガス流動路に内嵌される筒状部とを備えた有底筒状に形成され、前記筒状部が、開放端側から前記底板部の存在側に向かう複数の切り込みにて周方向に沿って複数に分割され、かつ、自由状態では少なくとも開放端部側の外径が前記ガス流動路の内径よりも大きくなる縮径変形部を備えている点にある。
すなわち、有底筒状に形成された乱流形成体は、前記ガス流動路に設置される場合、円板状の底板部がガス流動路を横断する姿勢に配置される。そして、その底板部に連なる筒状部が、開放端側から底板部の存在側に向かう複数の切り込みにて周方向に沿って複数に分割され、かつ、自由状態では少なくとも開放端部側の外径がガス流動路の内径よりも大きくなる縮径変形部を備えているから、この筒状部は、縮径変形部が縮径変形した状態でガス流動路に内嵌されることになる。
縮径変形部は、自由状態では少なくとも開放端部側の外径がガス流動路の内径よりも大きくなるが、有底筒状に形成された乱流形成体をガス流動路に内嵌させて設置位置まで移動させたのちは、縮径変形部が縮径変形した状態でガス流動路に内嵌されることになるから、その縮径変形部がガス流動路の内面に径方向外方に係合することで制動力が発揮されて、ガス流動方向に移動することを阻止することができる。
従って、本発明の第5特徴構成によれば、第3特徴構成又は第4特徴構成による作用効果に加えて、特別な位置決め用の機構が不要でありながら、乱流形成体の位置ずれを阻止して、乱流形成体としての機能を良好に発揮する状態を維持することができる。
本発明の第6特徴構成は、第5特徴構成に加えて、前記乱流形成体が、前記筒状部を前記底板部よりもガス流動方向上流側に位置させる状態で前記ガス流動路に備えられている点にある。
すなわち、前記筒状部を前記底板部よりもガス流動方向上流側に位置させるから、底板部がノズル孔側に位置することになり、前記ガス流動路を横断する姿勢に配置されかつガス通過用開口が形成されて実質的に乱流形成機能を発揮することになる底板部を、ノズル孔に近づけた状態で設置させることができ、乱流形成体とノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離を短めに設定したガスノズルを得ることができる。
従って、本発明の第6特徴構成によれば、第5特徴構成による作用効果に加えて、乱流形成体とノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離を短めに設定したガスノズルを得ることができる。
本発明の第7特徴構成は、第5特徴構成に加えて、前記乱流形成体が、前記筒状部を前記底板部よりもガス流動方向下流側に位置させる状態で前記ガス流動路に備えられている点にある。
すなわち、前記筒状部を前記底板部よりもガス流動方向下流側に位置させるから、底板部がノズル孔とは反対側に位置することになり、前記ガス流動路を横断する姿勢に配置されかつガス通過用開口が形成されて実質的に乱流形成機能を発揮することになる底板部を、ノズル孔から遠ざけた状態で設置させることができ、乱流形成体とノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離を長めに設定したガスノズルを得ることができる。
従って、本発明の第6特徴構成によれば、第5特徴構成による作用効果に加えて、乱流形成体とノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離を長めに設定したガスノズルを得ることができる。
本発明の第8特徴構成は、第5特徴構成〜第7特徴構成のいずれかに加えて、前記底板部に形成される前記ガス通過用開口が、前記筒状部における前記底板部に連なる底部側部分にまで延びる状態で形成され、前記筒状部における前記ガス通過用開口が形成される底部側部分が、前記ガス流動路の内径よりも小径に設定されている点にある。
すなわち、前記底板部に形成される前記ガス通過用開口が前記筒状部における前記底板部に連なる底部側部分にまで延びる状態で形成されているから、例えば、金属の板材をプレス加工によって有底筒状に成形するような場合において、プレス加工を行う際に、材料となる板材が引っ張られてガス通過用開口が少し変形することがあってもガス通過用開口のガス流動方向視での開口面積が変化しないものとなる。このガス通過用開口のガス流動方向視での開口面積は、燃料ガスの流動抵抗に相当するものであるから、結果として、製作誤差に起因した燃料ガスの流動抵抗のバラツキを少なくすることが可能となる。
そして、前記筒状部における前記ガス通過用開口が形成される底部側部分が、前記ガス流動路の内径よりも小径に設定されているから、乱流形成体をガス流動路に挿入して設置すべき位置までガス流動路を移動させるときに、ガス通過用開口が形成される底部側部分の外周縁部がガス流動路の内面を削ってガス流動路の内面を傷つけたり切削屑等が発生する等の不利の無い状態で乱流形成体を設置させることができる。
従って、本発明の第8特徴構成によれば、第5特徴構成〜第7特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、製作誤差に起因した燃料ガスの流動抵抗のバラツキを少なくすることが可能となり、しかも、ガス流動路の内面を傷つけたり切削屑等が発生する等の不利の無い状態で乱流形成体を設置させることができる。
本発明の第9特徴構成は、第5特徴構成〜第8特徴構成のいずれかに加えて、前記ガス流動路における前記乱流形成体が備えられる部分の内径が、前記乱流形成体における自由状態での最大外径よりも小径となるように設定され、且つ、前記ガス流動路における前記乱流形成体が備えられる部分よりもガス流動方向上流側の部分の内径が、前記乱流形成体における自由状態での最大外径よりも大径に設定されている点にある。
すなわち、前記ガス流動路における前記乱流形成体が備えられる部分の内径が、前記乱流形成体における自由状態での最大外径よりも小径となるように設定されているから、乱流形成体が装着されたのちは、縮径変形部が弾性的にガス流動路の内面を径方向外方に押圧することで制動力が発揮され、ガス流動方向に移動することを阻止することができる。そして、前記ガス流動路における前記乱流形成体が備えられる部分よりもガス流動方向上流側の部分の内径が、前記乱流形成体における自由状態での最大外径よりも大径に設定されているから、乱流形成体をガスノズルに装着する際に、前記ガス流動路における前記乱流形成体が備えられる部分よりもガス流動方向上流側の部分を通して、乱流形成体を挿入させることにより、縮径変形部がガス流動路の内面に接触しない状態で乱流形成体を装着することができる。
従って、本発明の第9特徴構成によれば、第5特徴構成〜第8特徴構成のいずれかの作用効果に加えて、乱流形成体を装着したのちは、縮径変形部が弾性的にガス流動路の内面を径方向外方に押圧することで制動力が発揮され、ガス流動方向に移動することを阻止することができるものでありながら、乱流形成体を装着させるときは、縮径変形部によりガス流動路の内面を傷つけたり切削屑等が発生する等の不利の無い状態で乱流形成体を設置させることができる。
本発明の第1特徴構成は、第3特徴構成〜第特徴構成のいずれかに加えて、前記ガスノズルが、ガス供給用の導管の先端部に挿入した状態で前記導管をかしめることにより前記導管に固定されるように構成され、前記乱流形成体が、前記ガスノズルにおける前記導管がかしめられる位置よりもガス流動方向下流側に位置する箇所に備えられている点にある。
すなわち、ガスノズルはガス供給用の導管の先端部に挿入した状態で導管をかしめることにより導管に確実に固定されるので、容易に脱落することが無い状態で燃料ガスを噴出させる動作を長期にわたり実行することができるものとなり、しかも、乱流形成体が、ガスノズルにおける導管がかしめられる位置よりもガス流動方向下流側に位置する箇所に備えられているから、導管がかしめられることによりガスノズルも少し押圧されて変形することにより、乱流形成体が抜け外れることを防止して位置保持することができる。
従って、本発明の第1特徴構成によれば、第3特徴構成〜第特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、ガスノズルと導管とを固定するためのかしめ固定構造を有効に利用して、乱流形成体が抜け外れることを防止して位置保持することができる。
本発明の第1特徴構成は、第3特徴構成〜第1特徴構成のいずれかに加えて、前記ガス流動路の内面に、前記乱流形成体が接当してガス流動方向下流側に移動することを阻止する段差が形成されている点にある。
前記ガス流動路の内面に、前記乱流形成体が接当してガス流動方向下流側に移動することを阻止する段差が形成されているから、ガス流動路の内面に形成されている段差を利用して、この段差に乱流形成体が接当させた状態で位置保持させることにより、特別な位置決め用の部材を設けることなく、乱流形成体を適正な位置に設置させることが可能となる。
従って、本発明の第1特徴構成によれば、第3特徴構成〜第1特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、特別な位置決め用の部材を設けることなく、乱流形成体を適正な位置に設置させることが可能となる。
ガスコンロの平面図 コンロバーナの斜視図 コンロバーナの縦断面図 乱流形成体の斜視図 乱流形成体の断面図 ガスノズルの断面図 導管に接続した状態のガスノズルの断面図 ガスノズルの断面図 別実施形態の乱流形成体の斜視図 別実施形態のガスノズルの断面図 燃料ガスと燃焼用空気の混合状態を示す図
以下、本発明に係るガスコンロにおける乱流形成方法及びガスコンロにおける乱流形成装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ガスコンロは、ガス燃焼部としての3つのコンロバーナ1及び図示しないグリルを備えてビルトインタイプのガスコンロにて構成されている。
3つのコンロバーナ1は、大火力バーナ1a、標準バーナ1b、小バーナ1cにより構成されている。
以下、コンロバーナ1について説明するが、大火力バーナ1a、標準バーナ1b、小火力バーナ1cは基本的に同じ構造であるので、大火力バーナ1aを代表にしてコンロバーナ1の構成について説明し、必要に応じて、標準バーナ1b、小火力バーナ1cについても説明する。
このコンロバーナ1は、図2及び図3に示すように、バーナ本体2の上にバーナキャップ3が着脱自在に載置され、天板4の貫通孔5から天板4上に露出させてあり、バーナ本体2と天板4の貫通孔5との間に円環状のバーナリング6が介装され、バーナリング6と天板4との間、及び、バーナ本体2とバーナリング6との間がパッキンを介して水密構造で固定されており、天板4から煮汁等が下に落ちるのを防止している。
また、天板4には五徳7が貫通孔5を取り巻くようにして載置される。五徳7は、天板4に載置する環状の脚部7aと、この脚部7aの任意箇所から上方且つ中央方向に突設して鍋などの調理具を載置させる複数の爪部7bとで構成されており、脚部7aに設けた係止部を天板4に取付けたバーナリング6の被係止部に係止させるなどして周方向への廻り止めが為されて天板4上に載置される。また、以上に述べた大火力バーナ1aではなく、標準バーナ1bにおいて、後述するバーナカバー8に開口を形成して鍋底温度センサーSを前記開口を介して上方に臨ませて設置してある。この鍋底温度センサーSにてコンロバーナ1に鍋を設置したときの鍋底の温度を検出し、この検出した温度に応じてコンロバーナ1の燃焼の各種制御ができるようになる。
図2に示すように、バーナ本体2は略円環状に構成され、バーナ本体2の上には円環状をしたバーナキャップ3が載置される。バーナキャップ3はバーナ本体2と同様にADC12等のアルミダイキャスト成形品でその外径は約60mmとなっており、標準バーナ1bのバーナ本体2及びバーナキャップ3の外径も大火力バーナ1aと同様に約60mmであるが、小火力バーナ1cについてはこれよりも小径となっている。
図2及び図3に示すように、バーナ本体2は、混合部としての混合管9を一体に有するものであり、このバーナ本体2及び混合管9はADC12等のアルミダイキャスト成形品である。混合管9のガス入口側の開口を覆うように装着された支持板9aにて支持される状態で燃料ガスを吐出するガスノズル10が設けられている。支持板9aには、周方向に適宜間隔をあけて空気取り入れ口9bが形成され、ガスノズル10から燃料ガスを噴出させると、燃料ガスを噴出させることによるエジェクター効果により空気取り入れ口9bから燃焼用空気としての燃焼用一次空気が吸入されて、混合管9内で燃料ガスと燃焼用一次空気とが混合されて混合ガス(混合気)が生成されるようになっている。バーナ本体2は円環状に形成されており、バーナ本体2の内周側の空間(後述する上下開口部12)を通っても燃焼用の二次空気が供給されるようになっている。
このバーナ本体2には円環状のガス供給室11を設けてあり、このガス供給室11は混合管9に連通している。図2に示すように、ガス供給室11は、内部に上下開口部12を形成する内筒部13と、内筒部13の径外方向に所定の間隔をあけて重ねて配置した外筒部14と、内筒部13及び外筒部14の下端同士を連結する下面部15とで囲まれた上方に開口する円環状の空間部位である。このガス供給室11の下面部15には混合管9が連結する側の端部から反対側の端部に向けて徐々に上方に位置するような傾斜面が形成されている。つまり、バーナ本体2の上下開口部12はその下部において下方のみならず側方にも開口するように形成されている。
バーナキャップ3は、図2に示すように、中央に上下に開口した上下開口部12を有する円環状のブロック体であって、バーナキャップ3の下面の外周部がバーナ本体2に載置され、これによりガス供給室11が形成される。すなわち、バーナ本体2には円筒状をした内筒部13と外筒部14からなる円環状となり、バーナキャップ3の外周部をバーナ本体2に載置することにより、内筒部13及び外筒部14との間の上方が閉じられてガス供給室11となる。
バーナキャップ3の下面のバーナ本体2に載置される部分には、周方向に放射状に複数の炎口用溝16が形成され、バーナキャップ3をバーナ本体2に載置した際、炎口用溝16によって外側の大気と内側のガス供給室11とが連通し、ガス供給室11の混合ガスが炎口用溝16を通って外側へと流れるように構成されている。従って、炎口用溝16の外側の開口が混合ガスが燃焼する火炎形成部としての炎口17を構成することになる。
また、バーナキャップ3の上面にはバーナキャップ3に煮汁等が付着するのを防止するためのバーナカバー8が設置され、バーナ本体2には、点火動作を行う点火プラグ20及び着火状態を検出する熱電対21も設けられている。
図3に示すように、前記ガスノズル10は、位置固定状態で支持されるガス供給管41にネジの締め付けにより連結されており、ガス供給管41に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路22には、操作者の操作に基づいて燃料ガスの供給量を変更調節自在なガス量調節弁23が設けられ、コンロバーナにおける火力を変更調整することが可能に構成されている。
又、大火力バーナ1a、標準バーナ1b、小火力バーナ1cは、夫々、最大火力に調節された場合における燃料ガスの最大ガス流動量が互いに異なるものであり、その最大ガス流動量は、大火力バーナ1aが最も大きく、標準バーナ1bが、大火力バーナ1aの最大ガス流動量よりも小さい最大ガス流動量が設定され、さらに、小火力バーナ1cが、標準バーナ1bの最大ガス流動量よりも小さい最大ガス流動量が設定されている。また、最小火力に調節された場合におけるガス流動量も、大火力バーナ1a>標準バーナ1b>小火力バーナ1cの順に設定されている。ちなみに、このガスコンロでは、燃料ガスとして都市ガス(13A)が使用される構成となっている。
図6に示すように、前記ガスノズル10は、ガス噴出用のノズル孔24、そのノズル孔24に燃焼ガスを供給するガス流動路25を備えて構成される。
そして、このコンロバーナ1は、ガスノズル10におけるガス流動路25に燃料ガスの流れに乱れを生じさせる乱流形成体26が備えられ、この乱流形成体26が、ガス流動路25を横断する姿勢に配置されかつガス通過用開口27が形成された円板状の底板部28と、その底板部28に連なりかつガス流動路に内嵌される筒状部29とを備えた有底筒状に形成され、前記筒状部29が、開放端側から前記底板部28の存在側に向かう複数の切り込み30にて周方向に沿って複数に分割され、かつ、自由状態では少なくとも開放端部側の外径が前記ガス流動路25の内径よりも大きくなる縮径変形部Hを備えている。
又、前記乱流形成体26において、底板部28に形成されるガス通過用開口27が筒状部29における底板部28に連なる底部側部分29aにまで延びる状態で形成され、筒状部29におけるガス通過用開口27が形成される底部側部分29aがガス流動路25の内径D1よりも小径に設定されている。
さらに、前記乱流形成体26において、前記ガス通過用開口27が、前記底板部28における中心部を除いた部分に、周方向に間隔を隔てて形成される複数の開口部分27Aにて構成され、前記筒状部29に形成される前記複数の切り込み30の夫々が、その大部分を前記開口部分27Aの外周側縁部に対して周方向において異なる位置に位置させる状態に形成されている。
以下、前記乱流形成体26の具体的な構成について説明を加える。
図4及び図5に示すように、乱流形成体26は、円板状の底板部28とその底板部28に連なる筒状部29とを備えた有底筒状に形成されており、筒状部29は、開放端側から底板部28の存在側に向かう複数(図4に示す例では4個)の切り込み30にて周方向に沿って分割された4個の帯板状部分31が片持ち状に形成されるようになっており、これら4個の帯板状部分31は、図5に示すように、自由状態では、開放端部側の外径D2がガス流動路25の内径D1よりも大きくなるように径方向外方に広がる形状になっている。
そして、この乱流形成体26は、ガスノズル10のガス流動路25に内嵌される状態で設置されるから、ガス流動路25に設置された状態では、4個の帯板状部分31はガス流動路25の内面に接当して弾性変形するので、弾性的にガス流動路25の内面を径方向外方に押圧することで制動力が発揮されることになる。従って、4個の帯板状部分31が前記縮径変形部Hを構成することになる。
前記底板部28には、燃料ガスを通過させるためのガス通過用開口27が形成されるが、このガス通過用開口27は、図4に示すように、底板部28における中心部を除いた部分に、周方向に間隔を隔てて形成される複数(図4に示す例では2個)の開口部分27Aにて構成されている。そして、筒状部28に形成される複数(4個)の切り込み30の夫々が、その大部分を前記開口部分27Aの外周側縁部に対して周方向において異なる位置に位置させる状態に形成されている。
この乱流形成体26は、ステンレス製の板材を打ち抜き加工により4個の切り込み30及びガス通過用開口27(2つの開口部分27A)を形成し、且つ、プレス加工により有底筒状に成形することにより作成されるが、底板部28に形成されるガス通過用開口27が、筒状部29における底板部28に連なる底部側部分29aにまで延びる状態で形成されるので、プレス加工により底板部28と筒状部29とからなる有底筒状に成形する際に、ステンレス製の板材がプレス加工による折り曲げに伴って引っ張られてガス通過用開口27が少し変形することがあっても、ガス通過用開口27のガス流動方向視での開口面積が極力変化しないものとなる。その結果、燃料ガスが流動するときの流動抵抗のバラツキを少なくすることが可能となる。
図5に示すように、筒状部28におけるガス通過用開口27が形成される底部側部分29aが、前記ガス流動路25の内径D1よりも小径に設定されている。このように構成することで、乱流形成体26をガスノズル10のガス流動路25内に沿って内嵌させるべく差込み挿入させるときに、ガス通過用開口27が形成される底部側部分29aにおけるエッジ部Eが、ガス流動路25の内面より内側に位置するので、ガス流動路25の内面に摺接して傷付けたり切削屑を発生したりすることを回避できるものとなる。
前記ガスノズル10には、ガス流動路25におけるノズル孔24のガス流動方向上流側に連なる箇所に、ガス流動方向下流側がノズル孔24の内径と同じ又は略同じ内径となり且つガス流動方向上流側ほど大径となる形態でガス流動方向に沿って漸次内径が変化するテーパ状のガス流動部35が形成されている。このテーパ状のガス流動部35は、燃料ガスをガス流動路25から小径のノズル孔24に向けて滑らかに導くために設けられたものである。
前記ガスノズル10として、乱流形成体26とノズル孔24との間のガス流動方向に沿う距離が互いに異なる複数種のガスノズルのうちのいずれが選択的に装着される構成となっている。つまり、乱流形成体26のガス流動路25上の設置位置をガスバーナにおける最大ガス流動量の違いに応じて異ならせている。具体的には、大火力バーナ1a用のガスノズル10、標準バーナ1b用のガスノズル10、小火力バーナ1c用のガスノズル10として、互いに乱流形成体26のガス流動路25上の設置位置を異ならせたガスノズルを用いるのである。
つまり、本実施形態では、乱流形成体26のガス流動路25上の設置位置を、炎口17にて燃焼されるコンロバーナの最大ガス流動量の違いに応じて異ならせるガスコンロにおける乱流形成方法を採用している。
さらに、乱流形成体26のガス流動路25上の設置位置を異ならせるにあたり、ガスバーナの最大ガス流動量の違いに応じて、乱流形成体26とノズル孔24との間のガス流動方向に沿う距離が小さいガスノズルほどテーパ状のガス流動部のテーパの角度を大きい角度に形成されるガスノズルを用いるようにしている。
すなわち、図6に示すように、小火力バーナ用のガスノズル10として、図6(a)に示すように、テーパ状のガス流動部35のテーパの角度を大きな第1角度α1に設定し、且つ、乱流形成体26とノズル孔24との間のガス流動方向に沿う距離が最も小さい距離L1(例えば、1.75mm)に設定されたガスノズル10を使用している。又、標準バーナ用のガスノズル10として、図6(b)に示すように、テーパ状のガス流動部35のテーパの角度が第1角度α1よりも小さい第2角度α2に設定し、且つ、乱流形成体26とノズル孔24との間のガス流動方向に沿う距離が小火力バーナ用の前記距離L1よりも長い距離L2(例えば、5.7mm)となるガスノズル10を使用している。又、大火力バーナ用のガスノズル10として、図6(c)に示すように、テーパ状のガス流動部35のテーパの角度が第2角度α2よりも小さい第3角度α3に設定し、且つ、乱流形成体26とノズル孔24との間のガス流動方向に沿う距離が標準バーナ用のものの前記距離L2よりも長い距離L3(例えば、6.2mm)となるガスノズル10を使用している。
説明を加えると最大ガス流動量が少ないほど、ノズル孔24から噴出される燃料ガスが層流状態になり易いので、乱流形成体26をノズル孔24に近づけることにより、乱流効果を発揮し易いものとなる。一方、最大ガス流動量が多ければ、乱流形成体26をノズル孔24に近づけると、ノズル孔24を通過する燃料ガスの乱れが多くなり減速逆効果が強くなり過ぎるおそれがある。
そこで、最大ガス流動量が多い大火力バーナ1aは、標準バーナ1bに比べて乱流形成体26をノズル孔24から離れた位置に設置し、標準バーナ1bは小火力バーナ1cに比べて乱流形成体26をノズル孔24から離れた位置に設置すると、乱流効果により上昇する空気吸引比率の上昇量が減速逆効果により低下する空気吸引比率の低下量を上回る良好な乱流形成状態に設定し易いものになるのである。
これまでの説明では、燃料ガスとして都市ガスを使用するガスコンロについて説明したが、燃料ガスとしてLPガスを使用するガスコンロについては、都市ガスを使用するガスコンロに比べて、最大火力が同じコンロバーナ1について、乱流形成体26のガス流動路25上の設置位置をノズル孔24から遠ざける状態で異ならせるようにしている。
従って、本実施形態では、乱流形成体26のガス流動路25上の設置位置を、燃料ガスの種類の違いに応じて異ならせるガスコンロにおける乱流形成方法を採用している。
具体的に説明すると、図6(d)に、LPガスを使用するガスコンロにおける標準バーナ用のガスノズル10を示している。すなわち、テーパ状のガス流動部35のテーパの角度が第3角度α3と略同じ第4角度α4に設定し、且つ、乱流形成体26とノズル孔24との間のガス流動方向に沿う距離を、都市ガスを使用するガスコンロにおける標準バーナ1bの場合に比べて長い距離L4(例えば、11.0mm)に設定したガスノズル10を使用している。
尚、LPガスを使用するガスコンロにおける大火力バーナ及び小火力バーナについては、具体的な数値は例示しないが、標準バーナの場合と同様な比率で、乱流形成体26とノズル孔24との間のガス流動方向に沿う距離を変更させることになる。
そして、LPガスを使用するガスコンロでは、乱流形成体26とノズル孔24との間のガス流動方向に沿う距離が長くなるので、テーパ状のガス流動部35との間に筒状のスペーサ部材を備え、そのスペーサ部材の他端部に乱流形成体26を接当させて乱流形成体26の位置決めを行うようにしている。
又、LPガスを使用するガスコンロでは、都市ガスを使用する場合に比べて、単位体積当り(単位量当り)の発熱量が大きいが、同じ火力で燃焼させる場合には、燃焼用空気の必要量は都市ガスを使用する場合と略同じであるから、ノズル孔24の内径を都市ガスを使用する場合よりも小径にし、且つ、LPガスの供給圧を都市ガスよりも高くすることで燃料ガスの噴出速度を高めて、エジェクー効果による燃焼用空気の吸引比率を高めるようにしている。
さらに、図示はしないが、LPガスを使用するガスコンロにおいても、乱流形成体26のガス流動路25上の設置位置を異ならせるにあたり、最大ガス流動量の違いに応じて、乱流形成体26とノズル孔24との間のガス流動方向に沿う距離が小さいガスノズルほどテーパ状のガス流動部のテーパの角度を大きい角度に形成されるガスノズルを用いるようにしている。
この実施形態で示した乱流形成体とノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離について記載した数値は一例であって、本発明はこれらの数値に限定されるものではない。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する
(1)上記実施形態では、ガスノズル10がガス供給管41にネジの締め付けより連結される構成としたが、このような構成に代えて次のように構成するものでもよい。
すなわち、図7に示すように、ガスノズル10が、ガス供給用の導管32の先端部に挿入した状態で前記導管32をかしめることにより導管32に固定されるように構成され、乱流形成体26が、ガスノズル10における導管32がかしめられる位置よりもガス流動方向下流側に位置する箇所に備えられる構成である。
説明を加えると、金属製の導管32の先端部には、断面が略U字状に屈曲成形された環状の塑性変形部33が形成されており、黄銅からなるガスノズル10の基端側部分を導管32に挿入すると、塑性変形部33の先端縁部がガスノズル10の外周に形成された凹溝部34に嵌入して、ガスノズル10が導管32に対して抜け外れることを防止した状態で内嵌状態に取り付けられるようになっている。そして、ガスノズル10の基端側部分に対応する箇所において、導管32をかしめることにより、導管32にガスノズル10を固定するようになっている。そして、乱流形成体26は、ガスノズル10における導管32がかしめられる位置よりもガス流動方向下流側に位置する箇所に備えられている。
そして、前記乱流形成体26は、ガスノズル10が導管32に固定される前にガスノズル10に対して装着させることになる。つまり、筒状部29を底板部28よりもガス流動方向上流側に位置させる姿勢で、ノズル孔24とは反対側箇所から底板部28がテーパ状のガス流動部35のガス流動方向上流側端部に接当する位置まで挿入することにより、乱流形成体26をガスノズル10へ装着することができる。そして、乱流形成体26をガスノズル10に装着させたのちは、4個の帯板状部分31がガス流動路25の内面に対して径方向外方に係合することで制動力が発揮され、その位置で保持されることになる。
ちなみに、図7は、都市ガスを使用するガスコンロにおける標準バーナ用のガスノズル10を示しているが、大火力バーナ用のガスノズルや小火力バーナ用のガスノズルを装着する場合には、ガスノズルとして、乱流形成体26とノズル孔24との間のガス流動方向に沿う距離が異なるものが用いられることになる。
又、LPガスを使用するガスコンロにおいて、上述したように導管32をかしめてガスノズル10を固定する構成を採用する場合には、都市ガスに比べて、乱流形成体26とノズル孔24との間のガス流動方向に沿う距離を長く設定することになるので、ガスノズルとしては、ノズル孔から導管がかしめられることにより固定される位置までの間の距離が長くなるように設定された長めのガスノズルを用いることになる。この場合にも、勿論、乱流形成体26は、ガスノズル10における導管32がかしめられる位置よりもガス流動方向下流側に位置する箇所に備えられることになる。
(2)上記実施形態では、前記乱流形成体を、前記筒状部を前記底板部よりもガス流動方向上流側に位置させる状態で前記ガス流動路に備える構成としたが、同一の乱流形成体を、図8(a)に示すように、前記筒状部を前記底板部よりもガス流動方向上流側に位置させる状態で前記ガス流動路に備える状態と、図8(b)に示すように、前記乱流形成体26を、前記筒状部29を底板部28よりもガス流動方向下流側に位置させる状態で前記ガス流動路25に備える状態とに切り換えて使用するようにしてもよい。
図8に示される構成では、同じ構成の乱流形成体を用いて、乱流形成体とノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離を異ならせることが可能となる。
(3)上記実施形態では、前記乱流形成体として、前記筒状部に形成される前記複数の切り込みの夫々が、その大部分を前記開口部分の外周側縁部に対して周方向において異なる位置に位置させる状態に形成されている乱流形成体を例示したが、例えば、図9に示すように、前記筒状部29に形成される前記複数の切り込み30の夫々が、その全体を前記開口部分27Aの外周側縁部に対して周方向において異なる位置に位置させる状態に形成されるものでもよい。このように形成するものでは、乱流形成体26の強度がさらに向上し、変形等がより生じ難いものになる。
(4)上記実施形態では、前記ガスノズルにおける前記ガス流動路の直管路部分は、全ての領域で、前記乱流形成体における自由状態での最大外径よりも小径となるように設定されたものと例示したが、図10(c)、(d)に示すように、前記ガス流動路25における前記乱流形成体26が備えられる部分の内径D4が、前記乱流形成体26における自由状態での最大外径よりも小径となるように設定され、且つ、前記ガス流動路25における前記乱流形成体26が備えられる部分よりもガス流動方向上流側の部分の内径D5が、前記乱流形成体26における自由状態での最大外径よりも大径に設定される構成としてもよい。
この構成では、乱流形成体を装着するときに前記縮径変形部にて前記ガス流動路の内面が傷ついたり、切屑等が発生することを回避できる。
(5)上記実施形態では、前記乱流形成体が底板部と筒状部とを備えた有底筒状に形成され、自由状態では少なくとも開放端部側の外径がガス流動路の内径よりも大きくなる縮径変形部を備えるものを例示したが、有底筒状に形成される乱流形成体として、前記縮径変形部を備えずに、筒状部を単に円筒形状に形成する構成としてもよい。ちなみに、この構成では、筒状部の外形をガス流動路の内径と略同径にして摩擦保持により位置保持する構成としてもよい。
(6)上記実施形態では、都市ガスを使用するガスコンロの各ガスバーナにおいて、前記乱流形成体をテーパ状のガス流動部のガス流動方向上流側端部にて受止めてガス流動方向下流側に移動することを阻止するようにしたが、複数のガスバーナの夫々において、前記ガス流動路25の内面に形成した段差40にて前記乱流形成体26を受止めてガス流動方向下流側に移動することを阻止するようにしてもよい。
すなわち、図10(a)に示すように、前記乱流形成体26と前記ノズル孔24との間のガス流動方向に沿う距離が短い場合には、段差40に対して短いスペーサ41を介して乱流形成体26を受止める構成とし、図10(b)に示すように、前記乱流形成体26と前記ノズル孔24との間のガス流動方向に沿う距離が長い場合には、段差40に対して長いスペーサ42を介して乱流形成体26を受止める構成とするようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、ガス燃焼部としてのコンロバーナ1について説明したが、ガス燃焼部としてのグリルにおいても、ガス種の違いや最大ガス流動量の違いに応じて、乱流形成体のガス流動路上の設置位置を異ならせるようにしてもよい。
9 混合部
10 ガスノズル
17 火炎形成部
24 ノズル孔
25 ガス流動路
26 乱流形成体
27 ガス通過用開口
27A 開口部分
28 底板部
29 筒状部
30 切り込み
35 テーパ状のガス流動部
H 縮径変形部

Claims (11)

  1. ガス噴出用のノズル孔とそのノズル孔に燃焼ガスを供給するガス流動路を備えたガスノズルと、このガスノズルから噴出する燃料ガスとその燃料ガスが噴出されることによるエジェクター効果により吸引される燃焼用空気とを混合する混合部と、この混合部にて混合された混合気を燃焼させる火炎形成部とを有するガス燃焼部とが備えられ、前記ガスノズルにおける前記ガス流動路に燃料ガスの流れに乱れを生じさせる乱流形成体が備えられているガスコンロにおける乱流形成方法であって、
    前記乱流形成体の前記ガス流動路上の設置位置を、前記ガス燃焼部における最大ガス流動量の違いに応じて異ならせるガスコンロにおける乱流形成方法。
  2. ガス噴出用のノズル孔とそのノズル孔に燃焼ガスを供給するガス流動路を備えたガスノズルと、このガスノズルから噴出する燃料ガスとその燃料ガスが噴出されることによるエジェクター効果により吸引される燃焼用空気とを混合する混合部と、この混合部にて混合された混合気を燃焼させる火炎形成部とを有するガス燃焼部が備えられ、前記ガスノズルにおける前記ガス流動路に燃料ガスの流れに乱れを生じさせる乱流形成体が備えられているガスコンロにおける乱流形成方法であって、
    前記乱流形成体の前記ガス流動路上の設置位置を、燃料ガスの種類の違いに応じて異ならせるガスコンロにおける乱流形成方法。
  3. ガス噴出用のノズル孔とそのノズル孔に燃焼ガスを供給するガス流動路を備えたガスノズルと、このガスノズルから噴出する燃料ガスとその燃料ガスが噴出されることによるエジェクター効果により吸引される燃焼用空気とを混合する混合部と、この混合部にて混合された混合気を燃焼させる火炎形成部とを有するガス燃焼部とが備えられ、前記ガスノズルにおける前記ガス流動路に燃料ガスの流れに乱れを生じさせる乱流形成体が備えられているガスコンロにおける乱流形成装置であって、
    前記ガスノズルとして、前記乱流形成体と前記ノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離が互いに異なる複数種のガスノズルが選択的に装着可能に構成されているガスコンロにおける乱流形成装置。
  4. 前記複数種のガスノズルが、
    前記ガス流動路における前記ノズル孔のガス流動方向上流側に連なる箇所に、ガス流動方向下流側が前記ノズル孔の内径と同じ又は略同じ内径となり且つガス流動方向上流側ほど大径となる形態でガス流動方向に沿って漸次内径が変化するテーパ状のガス流動部を備え、且つ、前記乱流形成体と前記ノズル孔との間のガス流動方向に沿う距離が小さいガスノズルほど前記テーパ状のガス流動部のテーパの角度を大きい角度に形成されている請求項3記載のガスコンロにおける乱流形成装置。
  5. 前記乱流形成体が、前記ガス流動路を横断する姿勢に配置されかつガス通過用開口が形成された円板状の底板部と、その底板部に連なりかつ前記ガス流動路に内嵌される筒状部とを備えた有底筒状に形成され、
    前記筒状部が、開放端側から前記底板部の存在側に向かう複数の切り込みにて周方向に沿って複数に分割され、かつ、自由状態では少なくとも開放端部側の外径が前記ガス流動路の内径よりも大きくなる縮径変形部を備えている請求項3又は4記載のガスコンロにおける乱流形成装置。
  6. 前記乱流形成体が、前記筒状部を前記底板部よりもガス流動方向上流側に位置させる状態で前記ガス流動路に備えられている請求項5に記載のガスコンロにおける乱流形成装置。
  7. 前記乱流形成体が、前記筒状部を前記底板部よりもガス流動方向下流側に位置させる状態で前記ガス流動路に備えられている請求項5に記載のガスコンロにおける乱流形成装置。
  8. 前記底板部に形成される前記ガス通過用開口が、前記筒状部における前記底板部に連なる底部側部分にまで延びる状態で形成され、
    前記筒状部における前記ガス通過用開口が形成される底部側部分が、前記ガス流動路の内径よりも小径に設定されている請求項5〜7のいずれか1項に記載のガスコンロにおける乱流形成装置。
  9. 前記ガス流動路における前記乱流形成体が備えられる部分の内径が、前記乱流形成体における自由状態での最大外径よりも小径となるように設定され、且つ、前記ガス流動路における前記乱流形成体が備えられる部分よりもガス流動方向上流側の部分の内径が、前記乱流形成体における自由状態での最大外径よりも大径に設定されている請求項5〜8のいずれか1項に記載のガスコンロにおける乱流形成装置。
  10. 前記ガスノズルが、ガス供給用の導管の先端部に挿入した状態で前記導管をかしめることにより前記導管に固定されるように構成され、
    前記乱流形成体が、前記ガスノズルにおける前記導管がかしめられる位置よりもガス流動方向下流側に位置する箇所に備えられている請求項〜9のいずれか1項に記載のガスコンロにおける乱流形成装置。
  11. 前記ガス流動路の内面に、前記乱流形成体が接当してガス流動方向下流側に移動することを阻止する段差が形成されている請求項3〜10のいずれか1項に記載のガスコンロにおける乱流形成装置。
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