JP2002228106A - 旋回燃焼器 - Google Patents

旋回燃焼器

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JP2002228106A
JP2002228106A JP2001025623A JP2001025623A JP2002228106A JP 2002228106 A JP2002228106 A JP 2002228106A JP 2001025623 A JP2001025623 A JP 2001025623A JP 2001025623 A JP2001025623 A JP 2001025623A JP 2002228106 A JP2002228106 A JP 2002228106A
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combustor
combustion
gas
swirl
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Hayashi Sha
林 謝
Toshio Watanabe
俊雄 渡辺
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Noritz Corp
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Noritz Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回燃焼器を改良し、安定した状態で燃焼さ
せることが出来、且つ未燃焼成分の排出を抑制出来る旋
回燃焼器を提供する。 【解決手段】 旋回燃焼器1は、一面が開口した円筒状
の燃焼室2を持つ。燃焼室2は、内部がストレート形状
の円筒形であり、一端が開放され内壁で囲まれた凹状の
燃焼室を有する。そして燃焼室の中心部にセラミックを
素材とする占居物3が配されている。占居物3は、筆形
あるいは略円錐形で、底面が燃焼室2の底面上にあり、
頂点が燃焼室2の下流側を向いている。また占居物3は
中心軸が燃焼室2の中心軸と略一致した状態で直立して
いる。占居物3の位置は、旋回流の中心部に相当し、旋
回流によって生じる負圧領域の大部分を占める部位であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼器に関するも
のであり、特に燃焼室内に予め空気と燃料を混合した混
合ガスを噴射して旋回流を発生させる旋回燃焼器に関す
るものである。本発明の燃焼器は、給湯器やボイラーと
いった熱源を要するあらゆる装置に活用できる。
【0002】
【従来の技術】高い空間発熱率を有する燃焼手段の一つ
として、旋回燃焼器が知られている(特許第28638
41号)。
【0003】旋回燃焼器とは、筒状の燃焼室を使用し、
この燃焼室内に空気と燃料との混合ガスを噴射して内部
に旋回流を発生させるものである。
【0004】図22は、従来技術の旋回燃焼器101の
概念図である。図23は、図22の旋回燃焼器101の
内部の旋回流の状態を説明する説明図である。図24
は、図22の旋回燃焼器101の内部の圧力分布を示す
説明図である。
【0005】旋回燃焼器101では、円筒形の燃焼室1
02を使用し、この燃焼室102に対して接線方向に空
気と燃料との混合ガスを噴射する。この混合ガスは、燃
焼室102内で旋回流を形成する。燃焼室102内で
は、円筒状の旋回火炎が発生する。また既燃焼ガスは、
旋回しながら開口103から外部に排出される。
【0006】旋回燃焼器は、開口から大気中に直接的に
混合ガスを噴射させる通常の燃焼方式に比べて、格段に
高い空間発熱率を発揮する。そのため給湯器等の装置の
小形化が可能である。また旋回燃焼器は、強い旋回流を
利用して燃焼を行うので、燃料を希薄な状態で燃焼させ
ることができる。そのため火炎の温度を低下させること
が可能であり、排出されるNOx(窒素酸化物)の低減
が可能である。さらに通常の燃焼器に比べて燃焼量絞り
比(T.D.R)を広くとることができるという利点が
ある。
【0007】一方、旋回燃焼器は、未燃焼成分が排出さ
れ易いという問題があった。またNOxの発生を、抑制
するためには、燃料をなるべく希薄状態で燃焼させる必
要があるが、希薄状態での燃焼は火炎が不安定になり、
消炎する危険性が大きくなる。旋回燃焼器の火炎安定化
のためには、燃焼室内に熱容量の大きい耐火物よりなる
火炎安定のための赤熱体を設けたり、燃焼安定性の高い
過濃混合ガス(燃料ガスと空気の混合気で対理論空気比
が1以下の混合気)を火炎の近傍に供給して保炎する等
の改良がなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来技術
の火炎安定のための赤熱体は、それらが有する大きな保
熱能力に基づく未燃ガスに対する再着火源としての作用
のみが考慮されており、不安定に流動する旋回燃焼にお
いては、火炎安定の効果は十分ではない。さらに、その
様な赤熱体は、燃焼室内にあって常時、高温の雰囲気に
曝されるため、高耐熱性の高価な材質が要求され、また
その様な高耐熱性材料は一般に脆い性状であるため、長
期間の燃焼時の振動に対する耐久性が普通の耐熱性材料
より劣る問題がある。またその様な赤熱体の設置や、過
濃混合気の火炎への供給によっても、未燃焼成分が排出
され易い問題は解決されない。
【0009】かかる現状に鑑み、本発明では、旋回燃焼
器において、安定した状態で燃焼させることが出来、且
つ未燃焼成分の排出を抑制出来る旋回燃焼器の提供を課
題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そして上記した課題を解
決するために、本発明者らは旋回燃焼器101を試作
し、燃焼の状況を調べ、火炎が不安定になる原因を追求
した結果、火炎が不安定になる原因は、燃焼室の半径方
向に圧力勾配があり、燃焼室の周壁から中心に向かって
圧力が急激に減少していることにあることが判明した。
図24は、試作の旋回燃焼器101による燃焼試験の結
果から、燃焼室の中心軸O−Oを含む平面での火炎構造
と半径方向の圧力変化を示す。
【0011】図24を参照して説明すると、旋回燃焼器
101内部の燃焼場に旋回流が存在するため、中心部に
圧力低下領域(図中の斜線で示す)が形成される。燃焼
室内の圧力は、ある半径断面において、中心に向かう程
に減少している。燃焼室の接線方向からの予混合気の流
入速度を増大させて行くと、圧力低下領域は中心軸から
外側へ向かって拡大し、ついには旋回火炎面まで広が
る。この時、旋回火炎面は中心軸方向への圧力勾配の影
響を受けて、中心軸方向へ移動する。従って、旋回火炎
面の直径は次第に小さくなり、予混合気の流入速度があ
る値以上になると、保炎不能となって消炎し、燃焼器は
失火してしまう。
【0012】本発明は、上記の知見に基づき、旋回燃焼
器において、燃焼室の半径方向の圧力勾配を小さくする
ことによる火炎安定を図ることを基本とし、その様な火
炎安定の下でさらに未燃成分の減少を可能とするもので
ある。
【0013】そしてこれらの思想に基づいて完成された
請求項1に記載の発明は、一端が開放され内壁で囲まれ
た凹状の燃焼室を有し、当該燃焼室の内壁から燃焼室内
に空気と燃料との混合ガスを噴射し、燃焼室に混合ガス
又は燃焼ガスの旋回流を発生させる旋回燃焼器におい
て、前記旋回流の中心部に、旋回流によって生じる負圧
領域の一部または全部を占める占居物が設けられている
ことを特徴とする旋回燃焼器である。
【0014】本発明の旋回燃焼器では、燃焼室内の旋回
流の中心部に、旋回流によって生じる負圧領域の一部ま
たは全部を占める占居物が設けられているので、燃焼室
の半径方向の圧力勾配を小さくすることが出来、旋回火
炎面が燃焼室内で半径方向の圧力勾配の影響で収縮する
ことが防止されて旋回火炎が安定する。
【0015】また本発明者らの研究によると、燃焼ガス
等の流速の軸方向成分の増大が消炎の原因の一つである
ことが判明した。即ち旋回燃焼器101内部において、
予混合の流れは旋回しながら旋回火炎面に入り、そこで
燃焼ガスとなつて燃焼室内に流れるが、中心線を通る平
面において、旋回火炎面での流速Vは軸方向速度成分V
z と半径方向成分Vr で表すことが出来る。そして軸方
向速度成分Vz が大きいほどその付近の火炎の伸長によ
る消炎が起こりやすい。この燃焼では燃焼室底面から下
流へ行くほど大きくなり、下流側において消炎してしま
う傾向にあった。
【0016】この知見に基づく請求項2に記載の発明
は、一端が開放され内壁で囲まれた凹状の燃焼室を有
し、当該燃焼室の内壁から燃焼室内に空気と燃料との混
合ガスを噴射し、燃焼室に混合ガス又は燃焼ガスの旋回
流を発生させる旋回燃焼器において、燃焼室の内壁から
内側に向かって突出する絞り部が設けられていることを
特徴とする旋回燃焼器である。
【0017】本発明の旋回燃焼器では燃焼室の内壁から
内側に向かって突出する絞り部が設けられている。その
ため本構成の絞り部により、燃焼室内のガスの流れ方向
が燃焼室の中心軸方向へシフトされ、燃焼室内のガスの
軸方向の流速(Vz )が減少し、火炎が安定する。
【0018】また請求項3に記載の発明は、一端が開放
され内壁で囲まれた凹状の燃焼室を有し、当該燃焼室の
内壁から燃焼室内に空気と燃料との混合ガスを噴射し、
燃焼室に混合ガス又は燃焼ガスの旋回流を発生させる旋
回燃焼器において、燃焼室出口の下流に拡径部を設けた
ことを特徴とする旋回燃焼器である。
【0019】本発明の旋回燃焼器では、旋回火炎が焼室
出口の下流において半径方向に広がることにより、旋回
火炎の外側にある未燃成分を含む燃焼ガスの燃焼が促進
されて未燃成分が減少する。
【0020】さらに請求項4に記載の発明は、拡径部と
燃焼室出口との間の周面に、前記混合ガスよりも燃料濃
度の高い濃混合ガスを供給するための濃ガス供給部を設
け、旋回火炎面と燃焼室内面との間に、前記濃混合ガス
を供給することを特徴とする請求項3に記載の旋回燃焼
器である。
【0021】本発明では、安定性の高い濃混合ガスの火
炎により旋回火炎面と燃焼室内面との間に存在する未燃
成分を含む燃焼ガスが着火され、この火炎と燃焼室から
の当初の旋回火炎(希薄火炎)とが、焼室出口の下流の
拡径部において半径方向に広がりながら、急速に混合し
て未燃成分燃焼が促進される。
【0022】さらに請求項5に記載の発明は、濃ガス供
給部は、燃焼室出口との間の全周面に独立して設けられ
た複数の開口からなることを特徴とする請求項4に記載
の旋回燃焼器である。
【0023】本発明では、濃ガス供給部を燃焼室出口と
の間の全周面に独立して設けられた複数の開口からなる
構成とすることにより、均一に濃混合ガスを供給出来
る。従って、本発明によると濃混合ガスによる保炎効果
をより高めることができる。即ち少量の濃混合ガス使用
で未燃成分減少効果を図ることが出来るので、燃焼器全
体の平均燃料濃度が低下し、燃焼ガス全体の平均温度が
低下し、NOx減少効果がより大きくなる。
【0024】また請求項6に記載の発明は、前記旋回流
の中心部に、旋回流によって生じる負圧領域の一部また
は全部を占める占居物が設けられていることを特徴とす
る請求項2乃至5のいずれかに記載の旋回燃焼器であ
る。
【0025】本発明の旋回燃焼器では、請求項1と同様
に燃焼室内の旋回流の中心部に、旋回流によって生じる
負圧領域の一部または全部を占める占居物が設けられて
いるので、燃焼室の半径方向の圧力勾配を小さくするこ
とが出来、旋回火炎面が燃焼室内で半径方向の圧力勾配
の影響で収縮することが防止されて旋回火炎が安定す
る。
【0026】また請求項7に記載の発明は、一端が開放
され内壁で囲まれた凹状の燃焼室を有し、当該燃焼室の
内壁から燃焼室内に空気と燃料との混合ガスを噴射し、
燃焼室に混合ガス又は燃焼ガスの旋回流を発生させる旋
回燃焼器において、前記旋回流の中心部に、旋回流によ
って生じる負圧領域の一部または全部を占める占居物が
設けられ、占拠物の形状は、径が下流へ行くほど小さく
なっていて、側面の一部が半径方向に凹んでいるネック
部を有する略円錐形であり、占居物の内部に冷媒が流れ
る空間が設けられ、当該空間は、冷媒の供給と排出のた
めの外部と繋がる2以上の通路を備えており、さらに、
燃焼室の内壁から内側に向かって突出する絞り部が設け
られ、燃焼室出口の下流に拡径部を設けられ、拡径部と
燃焼室出口との間の周面に、前記混合ガスよりも燃料濃
度の高い濃混合ガスを供給するための、個別に設けられ
た複数の開口からなる濃ガス供給部を設け、旋回火炎面
と燃焼室内面との間に、前記濃混合ガスを供給すること
を特徴とする旋回燃焼器である。
【0027】また請求項8に記載の発明は、占居物は、
下流へ行くほど大きさが小さくなっていることを特徴と
する請求項1,6のいずれかに記載の旋回燃焼器であ
る。
【0028】即ち本発明者らが行った実験によると、燃
焼室内のガスは下流に行くほどガスの流速Vの軸方向成
分Vz が増大し、燃焼室の下流へ行くに従って火炎の不
安定度が増し、ある流速以上で消炎することが分かっ
た。そこでこの対策として、占居物の大きさを下流へ行
くほど小さいものとした。その結果、燃焼室内の中心軸
と直交する断面積が下流へ向かうに連れて増大し、燃焼
室内のガスの軸方向の流速が一定に近くなり、火炎は安
定に保たれる。
【0029】さらに、請求項9に記載の発明は、占居物
は、側面の一部が周状に凹んだネック部を有することを
特徴とする請求項1,6,8のいずれかに記載の旋回燃
焼器である。
【0030】本発明の旋回燃焼器では、占居物は、側面
の一部が周状に凹んだネック部を有する。そのため占居
物のネック部の周りに安定な旋回流が形成されやすくな
り、火炎がさらに安定化される。
【0031】また請求項10に記載の発明は、占居物の
内部に冷媒が通過することを特徴とする請求項1,6,
8,9のいずれかに記載の旋回燃焼器である。
【0032】本発明では、占居物の内部に冷媒を通過さ
せたことにより、燃焼室の高温雰囲気に曝される占居物
が冷却される。そのため占拠物の耐久性が向上すると共
にNOxを減少させる効果も期待できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下さらに本発明の実施形態につ
いて説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態におけ
る旋回燃焼器の概念図である。図2は、図1の旋回燃焼
器の内部の旋回流の状態及び圧力分布を説明する説明図
である。図3は、本発明の第1実施形態における旋回燃
焼器と従来技術の旋回燃焼器における混合ガス量と空気
過剰率に対して完全燃焼が可能な領域を示すグラフであ
る。図4、図5は、本発明の第1実施形態における旋回
燃焼器の変形例を示す概念図である。また図6は、本発
明の第1実施形態における旋回燃焼器の他の変形例を示
す概念図である。図7は、図6の旋回燃焼器の内部の旋
回流の状態及び圧力分布を説明する説明図である。
【0034】本実施形態の旋回燃焼器1は、一面が開口
した円筒状の燃焼室2を持つ。燃焼室2は、内部がスト
レート形状の円筒形であり、一端が開放され内壁で囲ま
れた凹状の燃焼室を有する。そして燃焼室の中心部にセ
ラミックを素材とする占居物3が配されている。占居物
3は、筆形あるいは略円錐形で、底面が燃焼室2の底面
上にあり、頂点が燃焼室2の下流側を向いている。また
占居物3は中心軸が燃焼室2の中心軸と略一致した状態
で直立している。占居物3の位置は、旋回流の中心部に
相当し、旋回流によって生じる負圧領域の大部分を占め
る部位である。
【0035】占居物3の略円錐の稜線は外に向かって緩
やかな凸となった曲線で、底面と平行する断面積は下流
に向かって減少率を増しながら減少している。即ち占居
物3は下流へ行くほど直径が縮小し、大きさが小さくな
っている。占居物3の材質は、本実施形態ではセラミッ
クを採用しているが、他の素材を採用することもでき
る。ただし占居物3の材質としては、耐火性が優れ、保
熱能力が大きいものが好ましい。
【0036】本実施形態の旋回燃焼器1では、前記した
従来技術の旋回燃焼器101と同様に、円筒形の燃焼室
2を使用し、この燃焼室2に対して接線方向に空気と燃
料との混合ガスを噴射する。この混合ガスは、燃焼室2
内で旋回流を形成する。燃焼室2内では、円筒状の旋回
火炎が発生する。また燃焼ガスは、旋回しながら開口4
から外部に排出される。
【0037】ここで実施形態の旋回燃焼器1では、旋回
流の中心であって従来の構成であれば負圧領域となるで
あろう部位に占居物3が設けられている。そのため本実
施形態の旋回燃焼器1では、旋回流の中心の負圧領域が
消失し、または減少する。従って燃焼室2内の中心部分
の圧力低下が緩和され、半径方向の圧力勾配は、図2に
示すように平坦に近づく。そのため従来技術で問題とな
った様な旋回火炎の中心側への過度な移動が無くなり、
安定して燃焼する。
【0038】また燃焼時においては、燃焼室2内の全体
のガスは、下流に行くに従い、燃焼反応の進行と、それ
に伴う温度上昇のために体積流量が増大する。しかしな
がら、本実施形態の旋回燃焼器1では、燃焼室2の中心
部に、下流に行くほど断面積が小さくなる略円錐形の占
居物3が設けられているので、燃焼室2の空間から占居
物3を除いたガスの流れる空間の半径方向の断面積は、
下流に行くほど増大している。従って本実施形態の旋回
燃焼器1では、ガスの体積増大が、ガス流路の拡大によ
って相殺され、燃焼室2内の全体のガスの線速度は、一
定値に近づく。このため火炎面がさらに安定する。
【0039】前記した様に、旋回燃焼器の火炎が不安定
である原因の一つとして燃焼室2内の半径方向の圧力勾
配の存在が挙げられるが、本実施形態の旋回燃焼器1で
は、負圧が発生するであろう部位に、下流に行くほど断
面積が小さくなる略円錐形の占居物3を設ける工夫によ
り、燃焼室2内の半径方向の圧力勾配が平坦化された結
果、燃焼時の火炎安定度が、従来技術の旋回燃焼器より
も向上した。また混合ガス量(燃料と空気)と空気過剰
率に対して完全燃焼が可能な領域について、本実施例の
旋回燃焼器1と従来技術の旋回燃焼器101との比較は
図3のグラフの様であり、本実施例の旋回燃焼器1は燃
焼時の火炎安定度向上によって、従来技術の旋回燃焼器
101より、完全燃焼が可能な領域が拡張されている。
これにより、本実施形態の旋回燃焼器1は、従来技術
の旋回燃焼器101よりも希薄な混合ガスの燃焼が可能
になり、燃焼ガスの温度が低下することによりNOxの
減少が図られる。
【0040】本発明の占居物3の概略の形状は前記の様
であるが、さらに詳しくは、以下の様に、燃焼室2と占
居物3の寸法関係において、次の関係を満足することが
望ましい。即ち、燃焼室2の高さH、直径(内径)D、
占居物3の高さZ、最大直径Sdmax とすると、以下
の関係にあることが推奨される。 0.25H≦Z<1.5H 0.25D≦Sdmax <D
【0041】即ち占居物3の高さZが、燃焼室2の高さ
Hの0.25倍より低い場合は、燃焼室2内の下流部分
において占居物3の影響が効果的に発揮されず、1.5
倍より高い場合は、占居物3の上部が燃焼室2の上方に
はみ出し過ぎるため、占居物3の固定が困難になる。ま
た、燃焼室2の下流側にはみ出した部分は、燃焼室2内
の火炎に与える影響が小さいので、1.5倍以上は無駄
である。占居物3の最大直径Sdmax が燃焼室2の直径
Dの0.25倍以下の場合は、燃焼室2の断面積の下流
に向かっての増大が不足のため、燃焼ガスの下流に向か
っての速度増大を満足に抑制できないので、火炎の安定
効果が小さい。占居物3の最大直径Sdmax が過大の場
合は、火炎および燃焼ガスの流れに過大な抵抗が生じて
燃焼が全般的に阻害される。
【0042】上記した実施形態では、占居物3の中心軸
と燃焼室2の中心軸を一致させたが、必ずしも占居物3
の中心軸と燃焼室2の中心軸を一致させる必要はない。
例えば混合ガスの噴射方向等によっては旋回流の中心が
燃焼室2の中心軸から離れる場合があり、このような場
合には、占居物3の位置を燃焼室2のから離して旋回流
の中心に近づけるべきである。
【0043】また上記した実施形態では、占居物3の形
状として略円錐形のものを開示した。占居物3の形状と
しては、前記した略円錐形以外の形状として図4(a)
の様な円柱形状、同(b)の様な円錐台形状、さらに図
5(a)の様な根元側が円柱形であって先端側が円錐台
となった形状や、同(b)の様な円柱が同心状に重なっ
た形状であって先端側が細くなった形状が挙げられる。
ただし占居物3の形状として望ましい要素は、下流へ行
くほど大きさが小さくなっていることである。また占居
物3の形状は、中心対称体や回転体、あるいはこれらに
近い多角形であることが望ましい。
【0044】また占居物3をさらに変形した例として図
6,7に示す形状が挙げられる。図6,7に示す旋回燃
焼器21は、前記した第旋回燃焼器1と比較して、占居
物23の形状のみが異なる。即ち、占居物23の形状
は、図6、7の様に底面および径(直径)方向の断面は
円であって、底面のやや上方の側面の一部分が中心軸方
向に窪んだネック部23aとなっており、ネック部23
aの上方は最大径部23bから半径が連続的に減少して
頂点に至っていて、概観は筆先の様である。即ち占居物
23は、側面の一部が周状に凹んだネック部23bを有
する。ネック部23bは占居物23の全周に渡って連続
し、環状に繋がっている。
【0045】旋回燃焼器21によると、燃焼室22内の
半径方向の圧力勾配は図7に示した様に、平滑化する。
そのため、本実施形態の旋回燃焼器21も燃焼時の火炎
安定度が、従来技術の旋回燃焼器101よりも向上す
る。
【0046】さらに、本実施形態の旋回燃焼器21は、
占居物23の底面のやや上方の側面の一部分が中心軸方
向に窪んだネック部23aとなっているので、ネック部
23aの周りに安定な旋回流が形成されやすくなり、火
炎がさらに安定化される。即ち本実施形態の旋回燃焼器
21では、燃焼室22の底部近傍に他の部分よりも断面
積の広い領域が形成され、当該部位で安定した旋回流が
形成される。
【0047】占居物23のネック部23aの最小直径S
min は占居物23の強度上の問題から、占居物23の
最大直径Sdmax の0.25倍以上であることが望まし
い。即ち次式の関係にあることが推奨される。 Sdmin ≧0.25Sdmax
【0048】(第2実施形態)次に本発明の第2の実施
形態について説明する。なお以下の実施形態の構成中、
先の実施形態と同一の部材は、同一の番号を付して重複
した説明を省略する。図8は、本発明の第2実施形態に
おける旋回燃焼器の概念図である。図9は、図8の旋回
燃焼器と、図1の旋回燃焼器の内部の温度分布を説明す
る説明図である。図10は、空気過剰率に対する生成N
Oxの関係を、本実施形態と従来技術の旋回燃焼器につ
いて比較したグラフである。
【0049】本実施形態の旋回燃焼器31は、占居物の
耐久性の向上と、より一層のNOx低減効果を目的とし
て開発されたものである。即ち、前記第1実施形態の図
1に示した旋回燃焼器1の中心断面A−Aにおける温度
分布は図9(b)の通りであり、燃焼室2の内壁面近傍
においては未燃焼状態の混合気が存在するために低温で
あるが、旋回火炎面から内側の領域は燃焼ガスが存在す
る領域であり、極めて高温である。そのため当該高温領
域でNOxが発生する。また占居物は、高温領域に設置
されているので高温に晒され、耐久性に不安が生じる。
そこで本実施形態では、占居物の内部に冷媒を通過さ
せ、占居物の保護と、雰囲気温度低下によるNOx低減
を図った。
【0050】即ち本実施形態の旋回燃焼器31は、図1
に示した旋回燃焼器1と比較して、占居物33の構造が
のみが異なる(ただし占居物の形状は同一である)。本
実施形態の旋回燃焼器31は、燃焼室32の中心部に設
けられた略円錐形の占居物33の内部に図8、7の様
に、冷却管35が設けられている。冷却管35は入り口
35aがポンプまたは送風機(いずれも図示せず)に繋
がっており、出口35bは燃焼室32の底部から下流に
向かって突出している。
【0051】そしてポンプ又は送風機からの通水や外部
空気が入り口35aより供給され、冷却管35内を流れ
る間に、占居物33と熱交換して占居物33が冷却され
るので、占居物33の耐久性が増す。また冷却管35に
通風する場合においては、加熱された空気を、出口35
bより排出し、燃焼室32の底面から下流に向かって噴
射され、燃焼室32内の燃焼ガスを冷却することによ
り、燃焼ガス中のNOxの生成を抑制することも可能で
ある。
【0052】本実施形態の旋回燃焼器31の燃焼室32
内のある半径断面における半径方向の温度分布は図9
(a)に示されているが、これを、冷却管のない占居物
3を有する第1実施形態の旋回燃焼器1における温度分
布(図9b)と比較すると、本実施形態による占居物3
3の冷却効果と燃焼室32内の燃焼ガスの冷却効果は明
らかである。また図10に示した様に、従来技術よりも
燃焼ガス中のNOxが低減される。
【0053】(第3実施形態)次に本発明の第3の実施
形態について説明する。図11は、本発明の第3実施形
態における旋回燃焼器41の概念図である。図12は、
図11の旋回燃焼器41と図1の旋回燃焼器1の内部の
速度ベクトルを説明する説明図である。図13は、本発
明の第3実施形態の絞り板の一例の断面図(a)、およ
び他の一例の断面図(b)である。
【0054】本実施形態の旋回燃焼器41は、前記した
実施形態をさらに改良したものであり、燃焼ガスの流速
の軸方向成分を半径方向に転換し、保炎効果を高めるも
のである。即ち図12(b)の様に、第1実施形態の旋
回燃焼器1の内部においては、予混合の流れは旋回しな
がら旋回火炎面に入り、そこで燃焼ガスとなって燃焼室
2内に流れるが、旋回火炎面での流速Vは軸方向速度成
分Vz と半径方向成分Vrで表すことが出来る。そして
軸方向速度成分Vz が大きいほどその付近の火炎の伸長
による消炎が起こりやすい。そこで本実施形態では、燃
焼室41の開口近傍に絞り板46を設け、流速Vの軸方
向速度成分Vz を減らした。
【0055】即ち本実施形態の旋回燃焼器41は、燃焼
室42の一面が開口し、内部がストレート形状の円筒形
であり、その中心部にセラミックを素材とする略円錐形
の占居物43が配されている点で前記した図1の実施形
態の旋回燃焼器と同一である。本実施形態の旋回燃焼器
41には上記の構成に加えて、燃焼室42の出口に、内
径が燃焼室42の直径より小さい中空円板状の絞り板4
6が設けられている。絞り板46の素材はセラミックま
たは、その他の耐火材料である。旋回燃焼器41の使用
方法は第1実施形態の旋回燃焼器1と同様なので割愛す
る。旋回燃焼器41及び1の内部の状態は図12
(a),(b)に示した様に、火炎面における流速Vお
よび、その軸方向成分Vz 、半径方向成分Vr に注目す
ると、本実施形態旋回燃焼器41では、絞り板46のな
い第1実施形態の旋回燃焼器1の内部の状態(図12
(b)参照)と比較すると、火炎面における流速Vは不
変であるが、旋回燃焼器41では速度のベクトルが絞り
板46によって、燃焼室42の中心軸方向に曲げられて
軸方向成分Vz が減少し、半径方向成分Vrが増加して
いる(図12(a)参照)。
【0056】先述した様に、旋回燃焼器では、火炎面に
おける流速Vの軸方向成分Vz の増大に従って火炎の不
安定さが増大し、ある値以上で消炎してしまう傾向にあ
るが、本実施形態では、絞り板46によって、火炎面に
おける流速Vのベクトルが燃焼室42の中心軸方向に曲
げられて軸方向成分Vz が減少し、火炎の安定度が向上
される。また本発明者らの実験によると、絞り板46を
挿入することにより騒音の低減が認められた。ここにお
いて、絞り板46の内径Odは燃焼室42の直径(内
径)Dの0.5倍以上が望ましい。即ち次式の関係にあ
ることが推奨される。 Od≧0.5D
【0057】ここで絞り板46の内径Odが0.5D未
満の場合は、燃焼ガスの流れに過大な抵抗が生じて燃焼
が全般的に阻害される。尚、本実施の形態では、占居物
43が配された燃焼室42に加えて絞り板46を設けて
いるが、占居物43が配されない燃焼室を有する旋回燃
焼器においても、絞り板46の上記の効果は発揮される
ので、従来技術の旋回燃焼器101に絞り板のみを設け
た構成も可能である。また絞り板46の形状は内側が必
ずしも円である必要はなく、図13(b)の様な歯車型
の形状でも良い、この場合は絞り板46の望ましい内径
は図13(b)に示した平均の内径Odavは、次式の関
係にあることが推奨される。 Odav≧0.5D
【0058】(第4実施形態)次に本発明の第4の実施
形態について説明する。図14は、本発明の第4実施形
態における旋回燃焼器の概念図である。図15は、図1
4の旋回燃焼器の内部を説明する正面断面概念図(a)
および平面概念図(b)である。図16は、本発明の第
4実施形態における旋回燃焼器と従来技術の旋回燃焼器
の、入力と空気過剰率に対して完全燃焼が可能な領域を
示すグラフである。図17は、本発明の第4実施形態に
おける旋回燃焼器の過濃ガス供給孔を説明する要部拡大
斜視図である。
【0059】本実施形態の旋回燃焼装置は、図1に示し
た構成をさらに改良し、未燃焼成分の排出を抑えたもの
である。即ち本実施形態の旋回燃焼器51は、燃焼室5
2の一面が開口し、内部がストレート形状の円筒形であ
り、その中心部にセラミックを素材とする略円錐形の占
居物53が配されている点で前記した図1の実施形態の
旋回燃焼器と同一である。
【0060】旋回燃焼器51には上記の構成に加えて、
燃焼室52の出口(上端)から上方(下流側)が、内径
が拡がり角αでテーパー状に拡大する拡径部57となっ
ており、さらに、拡径部57と燃焼室52の出口の間に
全周に亘る溝状の過濃ガス供給孔58が設けられてい
る。過濃ガス供給孔58は、溝の深さ方向が、燃焼室5
2の円筒面に対して、角度β(吹き出し角β)をなして
設けられている。即ち過濃ガス供給孔58は燃焼室52
の出口部分を環状に取り巻く空隙を有し、当該空隙は図
15(b)の様に断面積が次第に小さくなっている。ま
た過濃ガス供給孔58の開口部は、図17の様にスリッ
ト状であり、燃焼室52の出口部分の大部分を環状に取
り巻く。
【0061】さらに、濃ガス供給孔58の奥は複数の過
濃ガス供給管59に繋がっている。過濃ガス供給管59
は、濃ガス供給孔58が形成している円周の接線方向に
取り付けられている。旋回燃焼器51は、第1実施形態
の旋回燃焼器1と同様に燃焼室52に対して接線方向に
空気比が1以上の燃料との混合ガス(希薄混合ガス)を
噴射する。そしてこの混合ガスは、旋回流を形成する。
【0062】そして燃焼室52内では、円筒状の旋回火
炎(希薄火炎A)が発生する。また燃焼ガスは、旋回し
ながら開口54から外部に排出される。さらに旋回燃焼
器51では、過濃ガス供給管59より空気比が1以下の
燃料との混合ガス(過濃混合ガス)が過濃ガス供給孔5
8に供給される。過濃混合ガスは、過濃ガス供給孔58
の内部で旋回流を形成し、過濃ガス供給孔58の先端周
面から燃焼室52の出口の全周に亘って吹き出し角βで
供給される。過濃混合ガスは、燃焼室52の出口におい
て燃焼ガスの熱により着火して、図15(a)の様に過
濃火炎Bを発生する。一方、燃焼室52よりの希薄火炎
Aは、拡径部57において、火炎面が急速に外側に拡が
り、過濃火炎Bと混合しつつ合体する。これにより、燃
焼室52からの希薄火炎Aの周囲にある未燃ガスCも着
火して燃焼し、最終的に開口54から排出される燃焼ガ
ス中の未燃成分が減少する。
【0063】この様に、本実施例の旋回燃焼器52で
は、従来技術の旋回燃焼器101との比較はもとより、
出口拡大部57と過濃ガス供給孔58のない第1実施形
態の旋回燃焼器1と比較しても、燃焼入力を増大させ
て、未燃成分の少ない安定燃焼が可能になる。その結
果、旋回燃焼器52における安定燃焼領域は図16の様
に従来技術の旋回燃焼器101のものよりも広いものと
なる。
【0064】ここにおいて、燃焼室52の円筒の直径
(内径)をDとすると、拡径部57の下端部の直径K
d、拡径部57の上記の拡がり角α、および過濃ガス供
給孔58の吹き出し角βは下記の範囲とすることが好ま
しい。 Kd<1.5D α<60° 45°<β<135°
【0065】即ち拡径部57の下端部の直径Kdが燃焼
室52の円筒の直径(内径)Dの1.5倍以上である場
合は、過濃ガス供給孔58の先端面が燃焼室出口の先端
部52aから隔たり過ぎるので、過濃火炎Bが燃焼室5
2からの希薄火炎Aと接し難くなる。また拡径部57の
上記の拡がり角αが60°以上では、燃焼室52からの
希薄火炎Aの火炎が急激に外側に拡大しすぎて希薄火炎
Aの燃焼が不安定となる。また、過濃ガス供給孔58の
吹き出し角βについては、45°以下では、過濃火炎B
の吹き出し方向と燃焼室52からの希薄火炎Aの流れ方
向の交わり角度が小さすぎるため、希薄火炎Aと過濃火
炎Bが接近し難くなる。吹き出し角βが135°以上で
は、過濃火炎Bの吹き出し方向が燃焼室52の上流に向
き過ぎるため、希薄火炎Aを乱して余分な燃焼騒音を生
じる。
【0066】本実施形態の旋回燃焼器51では、図17
の様な、全周に亘る段状に分かれた複数の溝からなる過
濃ガス供給孔58が採用されており、燃焼室52からの
希薄火炎Aへの過濃混合ガスの分散が均一になり、火炎
安定化と未燃成分減少の効果がより向上するが、より簡
単な構成として、過濃ガス供給孔58は全周に亘る単一
の溝であってもよい。
【0067】また過濃ガス供給孔の変形例として独立し
た開口を有するものも推奨される。以下、過濃ガス供給
孔の変形例について説明するる
【0068】図18は、本発明の第4実施形態の他の変
形例における旋回燃焼器の概念図である。図19は、図
18の旋回燃焼器の内部を説明する正面断面概念図
(a)および平面概念図(b)である。図20は、本発
明の第4実施形態の他の変形例における旋回燃焼器の過
濃ガス供給孔を説明する要部拡大斜視図である。本実施
形態の旋回燃焼器51の構成は、過濃ガス供給孔58お
よび過濃ガス供給管手段(図示せず)以外は第4実施形
態と同じであるので重複する説明は省略する。
【0069】旋回燃焼器51では、拡径部57と燃焼室
52の出口の間の周面部に図18の様な等間隔に多数の
独立した過濃ガス供給孔58が設けられている。過濃ガ
ス供給孔58は、先の実施形態と同様に、過濃ガス供給
手段(図示せず)に繋がっている。この様な供給手段は
適宜に設計された、図20の様な多数の小孔を設けた多
孔板を有する構成のものによっても良い。また、その様
な多孔板を第4実施形態の様な単一の溝からなる過濃ガ
ス供給孔の先端壁面に設けることにより、過濃ガス供給
手段と過濃ガス供給孔58を一体化することも可能であ
る。
【0070】本実施形態の旋回燃焼器51では、過濃ガ
ス供給孔58からの過濃混合ガスは開口から略等分量ず
つ燃焼室52出口からの希薄火炎Aに向かって供給さ
れ、図19(b)の様な複数の過濃火炎Bを形成し、希
薄火炎Aと過濃火炎Bが混合・合体することにより、燃
焼室52出口の下流の火炎の全体が安定化し、未燃ガス
の燃焼が促進され排出口54より排出される燃焼ガス中
の未燃成分が減少する。本実施形態の旋回燃焼器51
は、適正な燃焼に必要な過濃混合ガスの供給量が図15
に示した旋回燃焼器51よりも少なくて済むため、全体
の空気比をより少なく出来るので、燃焼ガス温度の低下
が図られることにより、NOxの低減効果がより大きく
なる効果がある。
【0071】なお、本実施の形態では、拡径部57と過
濃ガス供給孔58を合わせた構成としたのは、過濃火炎
Bと燃焼室52からの希薄火炎Aとの混合による、火炎
安定と未燃成分の減少効果を、過濃ガス供給孔58のみ
の構成より大きくするためである。
【0072】また旋回燃焼器51のから占居体53を除
いた構成の場合でも、従来技術より優れた本実施形態の
前記の効果は発揮される。一方、本実施形態の構成に、
前述した実施形態の様な絞り板を加えた構成も可能であ
る。この場合は、例えば、図21の様に燃焼室52の円
筒の上部に絞り板56を設け、さらにその下部または上
部(図示せず)に過濃ガス供給孔58を挟む拡径部57
を設ける構成とすることが出来る。この様な構成では、
本実施形態の当初の構成における前記の効果に加えて、
絞り板56による、燃焼室62内の火炎面における流速
Vの軸方向成分Vz を減少させる効果が発揮され、旋回
燃焼器51の安定燃焼範囲がより広げられる。
【0073】さらに、占居体53の内部に第2実施形態
のような冷却管を設けた構成とすることにより、占居体
53が冷却されて耐久性が向上する効果と、燃焼室52
内の燃焼ガス温度が一層低下して、NOx生成がより抑
制される効果が発揮される。
【0074】
【発明の効果】以上説明した様に、請求項1,6に記載
の旋回燃焼器では、燃焼室の中心部に設けられた占居物
が、燃焼室の半径方向の圧力勾配を小さくすることによ
り、旋回火炎面が燃焼室内で半径方向の圧力勾配の影響
で収縮することが防止されて旋回火炎が安定する効果が
ある。
【0075】また、請求項2に記載の旋回燃焼器では、
燃焼室の出口に設けられた絞り部により、燃焼室内のガ
スの軸方向の流速が減少することにより、さらなる火炎
安定が図られる。
【0076】また、請求項3に記載の旋回燃焼器では、
燃焼室出口の下流に設けた拡径部により、旋回火炎が焼
室出口の下流において半径方向に広がり、旋回火炎の外
側にある未燃成分を含む燃焼ガスの燃焼が促進され、未
燃成分減少効果がある。
【0077】請求項4の発明では、拡径部と燃焼室出口
との間の周面に設けた濃ガス供給部から供給される濃混
合ガスによって形成される安定性の高い濃混合ガスの火
炎により、未燃成分を含む燃焼ガスの燃焼が促進される
ことにより、未燃成分減少効果がさらに大きくなる。
【0078】さらに請求項5の発明では、濃ガス供給部
は、個別に設けられた複数の開口を有するので、均一で
少量の濃混合ガスの供給による未燃成分減少効果を図る
ことが出来るので、燃焼器全体の平均燃料濃度が低下
し、燃焼ガス全体の平均温度が低下することにより、未
燃成分減少効果に加えて、NOx減少効果がより大きく
なる。
【0079】請求項7に記載の旋回燃焼器では、占居物
が、燃焼室の半径方向の圧力勾配を小さくして、旋回火
炎面が燃焼室内で半径方向の圧力勾配の影響で収縮する
ことが防止され、さらに、燃焼室内のガスの軸方向の流
速を一定に近くし、さらに、占居物側面のネック部の周
りに安定な旋回流が形成され易くなるので、占居物によ
る火炎の安定効果が大きい。また、占居物の内部に設け
た空間内の通路から供給・排出される冷媒との熱交換に
より、占居物が、冷却されて耐久性が増すとともに、熱
回収が図られる。さらに、燃焼室の出口に設けられた絞
り部により、燃焼室内のガスの軸方向の流速Vz が減少
することにより、さらなる火炎安定が図られる。さら
に、燃焼室出口の下流に設けた拡径部により、旋回火炎
が焼室出口の下流において半径方向に広がる作用と、複
数の隙間からなる濃ガス供給部から供給される濃混合ガ
スによって形成される安定性の高い濃混合ガスの火炎に
より、未燃成分を含む燃焼ガスの燃焼が促進される作用
により、未燃成分減少効果がさらに大きくなると同時
に、燃焼器全体の平均燃料濃度が低下し、燃焼ガス全体
の平均温度が低下することにより、NOx減少効果がよ
り大きくなる。
【0080】また請求項8に記載の旋回燃焼器では、占
居物は、下流へ行くほど直径が小さくなっている略円錐
形であるので、燃焼室内の中心軸と直交する断面積が下
流へ向かって増大するため、燃焼室内のガスの軸方向の
流速が一定に近くなり、火炎は安定に保たれる。
【0081】また請求項9に記載の旋回燃焼器では、側
面の一部が半径方向に凹んでいるネック部の周りに安定
な旋回流が形成されやすくなり、火炎がさらに安定化さ
れる。
【0082】また、請求項10に記載の旋回燃焼器で
は、占居物の内部に設けた空間に流れる冷媒により、燃
焼室内で高温雰囲気に曝される占居物は冷却されるため
耐久性が増す効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における旋回燃焼器の概
念図である。
【図2】図1の旋回燃焼器の内部の旋回流の状態及び圧
力分布を説明する説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態における旋回燃焼器と従
来技術の旋回燃焼器における混合ガス量と空気過剰率に
対して完全燃焼が可能な領域を示すグラフである。
【図4】本発明の第1実施形態における旋回燃焼器の変
形例を示す概念図である。
【図5】本発明の第1実施形態における旋回燃焼器の他
の変形例を示す概念図である。
【図6】本発明の第1実施形態における旋回燃焼器の更
に他の変形例を示す概念図である。
【図7】図6の旋回燃焼器の内部の旋回流の状態及び圧
力分布を説明する説明図である。
【図8】本発明の第2実施形態における旋回燃焼器の概
念図である。
【図9】図8の旋回燃焼器と、図1の旋回燃焼器の内部
の温度分布を説明する説明図である。
【図10】空気過剰率に対する生成NOxの関係を、本
実施形態と従来技術の旋回燃焼器について比較したグラ
フである。
【図11】本発明の第3実施形態における旋回燃焼器の
概念図である。
【図12】図11の旋回燃焼器と図1の旋回燃焼器の内
部の速度ベクトルを説明する説明図である。
【図13】本発明の第3実施形態の絞り板の一例の断面
図(a)、および他の一例の断面図(b)である。
【図14】本発明の第4実施形態における旋回燃焼器の
概念図である。
【図15】図14の旋回燃焼器の内部を説明する正面断
面概念図(a)および平面概念図(b)である。
【図16】本発明の第4実施形態における旋回燃焼器と
従来技術の旋回燃焼器の、入力と空気過剰率に対して完
全燃焼が可能な領域を示すグラフである。
【図17】本発明の第4実施形態における旋回燃焼器の
過濃ガス供給孔を説明する要部拡大斜視図である。
【図18】本発明の第4実施形態の変形例の旋回燃焼器
の内部を説明する説明図である。
【図19】本発明の第4実施形態の他の変形例における
旋回燃焼器の概念図である。
【図20】図19の旋回燃焼器の内部を説明する正面断
面概念図(a)および平面概念図(b)である。
【図21】本発明の第4実施形態の他の変形例における
旋回燃焼器の過濃ガス供給孔を説明する要部拡大斜視図
である。
【図22】従来技術の旋回燃焼器の概念図である。
【図23】図22の旋回燃焼器の内部の旋回流の状態を
説明する説明図である。
【図24】図22の旋回燃焼器の内部の圧力分布を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 旋回燃焼器 2 燃焼室 3 占居体 4 排出口 7 拡径部 35 冷却管 46 絞り板 56 絞り板 58 過濃ガス供給孔 59 過濃ガス供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K017 AA02 AA03 AA06 AB09 AC06 AD11 3K065 TA01 TA04 TC01 TC02 TE05 TJ02 TJ06 TJ07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が開放され内壁で囲まれた凹状の燃
    焼室を有し、当該燃焼室の内壁から燃焼室内に空気と燃
    料との混合ガスを噴射し、燃焼室に混合ガス又は燃焼ガ
    スの旋回流を発生させる旋回燃焼器において、前記旋回
    流の中心部に、旋回流によって生じる負圧領域の一部ま
    たは全部を占める占居物が設けられていることを特徴と
    する旋回燃焼器。
  2. 【請求項2】 一端が開放され内壁で囲まれた凹状の燃
    焼室を有し、当該燃焼室の内壁から燃焼室内に空気と燃
    料との混合ガスを噴射し、燃焼室に混合ガス又は燃焼ガ
    スの旋回流を発生させる旋回燃焼器において、燃焼室の
    内壁から内側に向かって突出する絞り部が設けられてい
    ることを特徴とする旋回燃焼器。
  3. 【請求項3】 一端が開放され内壁で囲まれた凹状の燃
    焼室を有し、当該燃焼室の内壁から燃焼室内に空気と燃
    料との混合ガスを噴射し、燃焼室に混合ガス又は燃焼ガ
    スの旋回流を発生させる旋回燃焼器において、燃焼室出
    口の下流に拡径部を設けたことを特徴とする旋回燃焼
    器。
  4. 【請求項4】 拡径部と燃焼室出口との間の周面に、前
    記混合ガスよりも燃料濃度の高い濃混合ガスを供給する
    ための濃ガス供給部を設け、旋回火炎面と燃焼室内面と
    の間に、前記濃混合ガスを供給することを特徴とする請
    求項3に記載の旋回燃焼器。
  5. 【請求項5】 濃ガス供給部は、燃焼室出口との間の全
    周面に独立して設けられた複数の開口からなることを特
    徴とする請求項4に記載の旋回燃焼器。
  6. 【請求項6】 前記旋回流の中心部に、旋回流によって
    生じる負圧領域の一部または全部を占める占居物が設け
    られていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか
    に記載の旋回燃焼器。
  7. 【請求項7】 一端が開放され内壁で囲まれた凹状の燃
    焼室を有し、当該燃焼室の内壁から燃焼室内に空気と燃
    料との混合ガスを噴射し、燃焼室に混合ガス又は燃焼ガ
    スの旋回流を発生させる旋回燃焼器において、前記旋回
    流の中心部に、旋回流によって生じる負圧領域の一部ま
    たは全部を占める占居物が設けられ、占拠物の形状は、
    径が下流へ行くほど小さくなっていて、側面の一部が半
    径方向に凹んでいるネック部を有する略円錐形であり、
    占居物の内部に冷媒が流れる空間が設けられ、当該空間
    は、冷媒の供給と排出のための外部と繋がる2以上の通
    路を備えており、さらに、燃焼室の内壁から内側に向か
    って突出する絞り部が設けられ、燃焼室出口の下流に拡
    径部を設けられ、拡径部と燃焼室出口との間の周面に、
    前記混合ガスよりも燃料濃度の高い濃混合ガスを供給す
    るための、個別に設けられた複数の開口からなる濃ガス
    供給部を設け、旋回火炎面と燃焼室内面との間に、前記
    濃混合ガスを供給することを特徴とする旋回燃焼器。
  8. 【請求項8】 占居物は、下流へ行くほど大きさが小さ
    くなっていることを特徴とする請求項1,6のいずれか
    に記載の旋回燃焼器。
  9. 【請求項9】 占居物は、側面の一部が周状に凹んだネ
    ック部を有することを特徴とする請求項1,6,8のい
    ずれかに記載の旋回燃焼器。
  10. 【請求項10】 占居物の内部に冷媒が通過することを
    特徴とする請求項1,6,8,9のいずれかに記載の旋
    回燃焼器。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010046634A (ja) * 2008-08-25 2010-03-04 Hitachi Ltd 反応装置及び反応プラント
JP2010210100A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Osaka Gas Co Ltd 管状火炎バーナ
JP2011179809A (ja) * 2010-02-05 2011-09-15 Osaka Gas Co Ltd 片端閉塞型管状火炎バーナ
JP2012063132A (ja) * 2011-11-18 2012-03-29 Jfe Steel Corp 管状火炎バーナおよびラジアントチューブ式加熱装置
JP2014085031A (ja) * 2012-10-19 2014-05-12 Osaka Gas Co Ltd 管状火炎バーナ及び燃焼装置

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