JP2011179612A - ワンウェイクラッチ - Google Patents

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伸哉 篠崎
Kenji Morita
健司 森田
Shinji Kamiya
真司 神谷
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Abstract

【課題】外輪及び内輪のロック解除状態からロック状態への動作、及び、外輪及び内輪のロック状態からロック解除状態への動作が迅速になされ、応答性のよいワンウェイクラッチを提供する。
【解決手段】このワンウェイクラッチ10は、外輪11、内輪12、ローラ13を有し、内輪12にカム面12aが設けられ、両輪が所定方向に相対回転するとき、ローラ13がカム面12上の挟圧部に移動して両輪をロックし、両輪が逆方向に相対回転するときローラ13がカム面12上の遊嵌部に移動してロック解除される。内輪12に支軸15を介して回動可能にかつ半径方向に所定距離だけ移動可能に支持され、ローラ13が回転可能に装着されたピボットアーム20と、ローラ13が挟圧部に移動するようにピボットアーム20を回動付勢するばね手段17と、ピボットアーム20を半径方向外方に付勢するセットスプリング30とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車の自動変速機やスタータモータ等に設けられ、駆動源からの回転力を所定の回転部材に任意に伝達するための、ワンウェイクラッチに関する。
例えば、自動車の自動変速機やスタータモータ等には、エンジンやモータ等の駆動源からの回転力を、所定の回転部材に伝達或いは伝達しないクラッチが設けられている。その中でも、駆動源の駆動部材が一方向に相対回転したときに所定の回転部材に係合ロックさせることにより、両者を一方向に連れ回りさせ、一方、同駆動部材が前記と逆方向に相対回転したときには所定の回転部材に係合させないことにより、両者をそれぞれフリーに回転させる、いわゆるワンウェイクラッチが用いられることがある。
従来のこの種のワンウェイクラッチとして、下記特許文献1には、内輪と、内輪の外周側を包囲する外輪と、外輪と内輪との間に配設されるローラと、前記ローラを周方向に押圧する弾性体とを備え、前記外輪の内周面と内輪の外周面とのいずれかにカム面を設けると共に、前記カム面に対してローラがかみこむ方向に公転回転するときに内輪と外輪との相対回転を規制し、隙間が大きい方向に公転回転するときにローラはその位置で自転空転して内輪と外輪との相対回転を許容するワンウェイクラッチが開示されている。その実施形態では、前記外輪の内周面に所定深さの凹部が設けられており、この凹部に、時計回りに沿って次第に深さが浅くなるカム面が形成されている。また、内輪と外輪との間に保持器が配置され、そのポケットに前記ローラが遊嵌されており、更に各ローラは、弾性体により前記カム面に当接するように周方向に沿って押圧されている。
そして、外輪と内輪とが所定方向(例えば外輪が内輪に対して反時計回りとなる方向)に相対回転すると、ローラが外輪内周のカム面に噛み込んで、外輪及び内輪がロックされて両者が一体回転し、一方、外輪と内輪とが上記と逆方向(例えば外輪が内輪に対して時計回りとなる方向)に相対回転すると、ローラがカム面から離れて、外輪及び内輪のロックが解除されて、それぞれフリー回転するようになっている。
特開2007−255604号公報
ところで、自動車の自動変速機等に用いられるワンウェイクラッチにおいては、外輪と内輪とがフリー回転状態から一体回転状態となり、一体回転状態からフリー回転状態となるときの応答性が良いこと、すなわち、外輪及び内輪のロック及びロック解除が迅速に行われることが望まれている。
しかし、引用文献1のようなワンウェイクラッチでは、ローラは弾性手段により周方向に押圧されているものの、径方向に対しては弾性手段による付勢力が働かないため、外輪と内輪とのロックが解除された状態で、外輪及び内輪がロックする方向に相対回転を始めても、カム面にローラが直ちに押圧されず、応答性が悪いというデメリットがあった。
したがって、本発明の目的は、外輪及び内輪のロック及びロック解除が迅速に行われるようにした応答性のよいワンウェイクラッチを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、外輪と、内輪と、それらの間に配置されたローラとを有し、前記内輪の外周には、前記外輪の内周に対する隙間が、前記ローラ径よりも大きい遊嵌部から、前記ローラ径よりも小さい挟圧部へと変化するカム面が設けられ、前記ローラは、前記カム面に配置されて、前記外輪と前記内輪とが所定方向に相対回転するとき、前記挟圧部に移動して前記外輪と前記内輪とをロックさせ、前記とは逆方向に相対回転するとき、前記遊嵌部に移動して前記外輪と前記内輪とのロックを解除するように構成されたワンウェイクラッチにおいて、前記内輪に支軸を介して一端を回動可能にかつ半径方向に所定距離だけ移動可能に支持され、他端に前記ローラが回転可能に装着されたピボットアームと、前記ローラが、前記カム面上の前記挟圧部に移動するように、前記ピボットアームを回動付勢する第1ばね手段と、前記ピボットアームと前記支軸との間に設けられ、該ピボットアームを半径方向外方に付勢する第2ばね手段とを備え、前記第2ばね手段は、ばね線材を曲げ加工して形成されており、前記ピボットアームに係合保持される係合部と、前記支軸に当接して、前記ピボットアームを前記支軸に対して半径方向外方に付勢する押圧部とを有していることを特徴とするワンウェイクラッチを提供する。
本発明の1つの態様においては、前記ピボットアームは、板材からなり、前記ローラが装着されるローラ装着部と、前記支軸が挿通される支軸挿通孔と、該支軸挿通孔と前記ローラ装着部との間に設けられた開口部とを有し、前記第2ばね手段は、1本のばね線材の中間部を屈曲させて、該中間部を前記ピボットアームの前記支軸挿通孔側の端部に係合させ、前記ばね線材の両端部を屈曲させて、前記ピボットアームの開口部を通してその裏面側に係合させ、前記ばね線材の並列部分を前記支軸の両側を通るようにそれぞれ外側にV字状に屈曲させて、その斜辺を前記支軸に当接させて前記押圧部としたもので構成されていることが好ましい。
本発明の別の態様においては、前記ピボットアームは、板材からなり、前記ローラが装着されるローラ装着部と、前記支軸が挿通される支軸挿通孔と、該支軸挿通孔の両側に設けられた開口部とを有し、前記第2ばね手段は、1本のばね線材を屈曲させて、その両端部を、前記ピボットアームの一側に設けられた前記開口部を通して、前記ピボットアームの一方の面側に挿出させ、前記支軸の両側を通し、更に前記ピボットアームの他側に設けられた開口部を通して、前記ピボットアームの他方の面側に戻すことにより、前記ピボットアームに係合保持されており、前記ばね線材の前記支軸の両側を通る部分を前記支軸に当接させて前記押圧部としたもので構成されていることが好ましい。
上記各態様において、前記ばね線材の押圧部は、無負荷状態でも、前記支軸を挟み付けるように締め代をもって取付けられていることが好ましい。
本発明によれば、前記ローラが、前記カム面上の前記挟圧部に移動するように、前記ピボットアームは、第1ばね手段によって回動付勢されている。そして、外輪と内輪とが所定方向に相対回転するとき、前記第1ばね手段によるピボットアームの付勢力と、前記第2ばね手段により外輪の内周に圧接されたローラの外輪に対する連れ回り力とにより、前記ローラが前記カム面上の前記挟圧部に速やかに移動し、前記外輪と前記内輪との隙間に前記ローラが挟み込まれて、前記外輪と前記内輪がロックされ、外輪と内輪とが一体回転する。
また、外輪と内輪とが前記とは反対方向に相対回転するとき、前記第2ばね手段により外輪の内周に圧接されたローラの外輪に対する連れ回り力によって、前記ローラが前記挟圧部から離れて、前記外輪と前記内輪とのロックが解除され、駆動輪の回転力が相手方に伝わらず、外輪と内輪とがフリー回転する。
このように、外輪と内輪とがロックされる方向に相対回転する場合も、外輪と内輪とがロック解除される方向に相対回転する場合も、第2ばね手段によってローラが常に外輪の内周に圧接されているので、ローラが外輪と連れ回りして、ロック及びロック解除の動作が迅速になされ、応答性のよいワンウェイクラッチを提供できる。
また、第2ばね手段は、1本のばね線材を曲げ加工して形成され、ピボットアームに係合保持される係合部と、支軸15に当接して、ピボットアームを支軸に対して半径方向外方に付勢する押圧部とを有するので、ピボットアームに係合保持させ、押圧部を支軸に圧接させて、ピボットアームを支軸に対して半径方向外方に付勢することができると共に、製造コストを低減することができる。
本発明のワンウェイクラッチの一実施形態を示しており、その要部分解斜視図である。 同ワンウェイクラッチを構成するセットスプリング(第2ばね手段)の斜視図である。 同ワンウェイクラッチにおいて、外輪及び内輪がロック状態とロック解除状態の中間位置にある状態の説明図である。 同ワンウェイクラッチにおいて、外輪及び内輪がロックされた状態の説明図である。 同ワンウェイクラッチにおいて、外輪及び内輪のロックが解除された状態の説明図である。 同ワンウェイクラッチのセットスプリングによる付勢方法を説明するもので、(a)は図5に示すロック解除状態での説明図、(b)は図4のロック状態での説明図である。 同ワンウェイクラッチの一例を示す正面図である。 本発明のワンウェイクラッチの他の実施形態を示しており、(a)は正面図、(b)は側面図である。
以下、図1〜7を参照して、本発明のワンウェイクラッチの一実施形態について説明する。
図7に示すように、この実施形態におけるワンウェイクラッチ10は、外輪11と、この外輪11の内側に同軸的に配置される内輪12と、外輪11及び内輪12間の隙間Sに配置される筒状のローラ13とを有している。前記内輪12の外周は、複数のカム面12aが周方向に沿って形成された多角形状をなしている。
図3に示すように、各カム面12aは、多角形の対応する1辺に設けられており、各辺のほぼ中間部Aにおける外輪と内輪との隙間S1は最も広くなっていて、各辺の端部Bにおける外輪と内輪との隙間S2は最も狭くなっている。そして、中間部Aから端部Bに向かうに従って外輪と内輪との隙間が狭くなっており、中間部A付近の隙間は、ローラ13の外径よりも広く、端部B付近の隙間はローラ13の外径よりも狭くなっている。すなわち、中間部A付近の、上記隙間がローラ13の外径よりも広い部分が、本発明の遊嵌部となしており、端部B付近の、上記隙間がローラ13の外径よりも狭い部分が、本発明の挟圧部をなしている。
前記ローラ13は、前記カム面12aに配置されて、外輪11と内輪12とが所定方向に相対回転するとき、挟圧部(端部B付近)に移動して、外輪11と内輪12とをロックさせる(図4参照)。一方、外輪11と内輪12とが上記とは逆方向に相対回転するとき、前記ローラ13は、遊嵌部(中間部A付近)に移動して、外輪11と内輪12とのロックを解除するように構成されている(図5参照)。
前記ローラ13は、ピボットアーム20に装着されている。図1に示すように、このピボットアーム20は、板材で形成され、前記ローラ13が装着される矩形枠状のローラ装着部21を有しており、その対向する短辺中央には、支持孔21a,21aがそれぞれ形成されている。このローラ装着部21内に前記ローラ13が配置され、ローラ軸14がローラ13の軸孔13a及び前記支持孔21a,21aに挿通され、その先端に留め具14aが装着されて、ピボットアーム20にローラ13が回転可能に装着されるようになっている。
前記ローラ装着部21の一方の長辺下面からは、板状のストッパ21bが突設されている。図5に示すように、このストッパ21bは、内輪12のカム面12aに当接して、ピボットアーム20の回動角度を規制する役割をなしている。
前記ローラ装着部21の各短辺中央からは、一対の支持片23,23がそれぞれ延出している。各支持片23の先端側中央には、前記内輪12に支持された支軸15が挿通される支軸挿通孔24が形成されている。図6に示すように、この支軸挿通孔24は、その内径が、支持片23の幅方向対しては支軸15の外径にほぼ適合し、支持片23の延出方向いに対しては支軸15の外径よりも大きくなるような長孔状をなしている。
そして、一対の支持片23,23の間に内輪12を配置し、支軸挿通孔24,24及び内輪12の図示しない軸孔に支軸15を挿通して、その先端に留め具15aを装着することにより、ピボットアーム20は、前記内輪12に対して、支軸15を介して回動可能にかつ半径方向に所定距離だけ移動可能に支持されるようになっている。すなわち、この実施形態におけるピボットアーム20は、図3に示すように、時計回り(X1方向)及び反時計回り(X2方向)に回動すると共に、半径方向外方(Y1方向)及び半径方向内方(Y2方向)にスライド移動するようになっている。
図1に示すように、前記支持片23の基部側であって、支軸挿通孔24とローラ装着部21との間には、支持片23の幅方向(長手方向に直交する方向)に幅広とされた矩形状の開口部25が形成されており、後述するセットスプリング30(本発明における第2ばね手段に相当)の両端部35が挿通される部分となっている。また、図6に示すように、各支持片23の先端部には、後述するセットスプリング30の中間部33が係合する、一対の係合凹部26,26が形成されている。更に、各支持片23の長手方向途中には、後述するねじりばね17(本発明における第1ばね手段に相当)の一端が係合するばね係合孔27が形成されている。
支軸挿通孔24,24に挿通される支軸15の両端部には、ねじりばね17,17がそれぞれ外装されている。この実施形態では、支持片23の表面側に配置される後述するセットスプリング30の、更に外側に配置されるようになっている(図1参照)。このねじりばね17の一端が前記係合孔27に係合し、他端が内輪12に係合して、前記ローラ13を、カム面12a上の隙間Sがローラ径よりも小さい部分、すなわち端部B付近の挟圧部に移動するように、ピボットアーム20を回動付勢している。このねじりばね17が、本発明における「第1ばね手段」をなしている。
そして、前記ピボットアーム20と前記支軸15との間には、ピボットアーム20を半径方向外方に付勢するセットスプリング30が設けられている。このセットスプリング30が、本発明における「第2ばね手段」をなしている。この実施形態におけるセットスプリング30は、ピボットアーム20の各支持片23の表面側にそれぞれ配置されるようになっている。
図2を参照して説明すると、この実施形態におけるセットスプリング30は、1本のばね線材を曲げ加工して形成されたもので、所定長さで伸びる両側部31,31と、この両側部31,31に対してほぼ直角に屈曲されて、略コ字状をなす中間部33とを有している。この中間部33が、前記ピボットアーム20の支持片先端部の係合凹部26,26に係合するようになっている(図1,3,6参照)。
また、セットスプリング30の両端部35,35は、両側部31,31の端部寄りの部分から、互いに離れるように外方に屈曲された後、前記中間部33と同じ方向にほぼ直角に屈曲され、更に、両側部31,31の延出方向に沿って屈曲されて形成されている。この両端部35,35は、前記ピボットアーム20の開口部25を通して、その裏面側周縁に係合するようになっている(図1参照)。この両端部35,35と、前記中間部33とが、ピボットアーム20にセットスプリング30を係合保持するための、本発明における「係合部」をなしている。
両側部31,31の、支軸15の両側を通る部分は、外側に傾斜した斜辺37a,37bを備え、V字状に屈曲した押圧部37,37をなしている。そして、セットスプリング30がピボットアーム20に係合保持されたとき、図6(a)に示すように、各押圧部37の斜辺37a,37aが、支軸挿通孔24の先端側周縁にほぼ沿って配置され、支軸15の下半部両側に僅かに撓み変形した状態で当接し、斜辺37b,37bが、支軸挿通孔24の基部内側に入り込んで、支軸挿通孔24に挿通された支軸15の上半部両側に、僅かに撓み変形した状態で弾性的に当接するようになっている。このように、セットスプリング30の両側部31,31の斜辺37a,37bによって、支軸15を若干の締め代をもって保持させることにより、支軸15に対しピボットアーム20をガタ付きなく取付けることができる。また、ローラ13が外輪11の内周面に当接した状態では、常に半径方向内向きのばね力が支軸15に作用するようにされており、支軸15からの半径方向外向きの反力により、ピボットアーム20が半径方向外方(図3のY1方向)に常時付勢されるようになっている。
ところで、ピボットアーム20の回動によって、支軸15の中心Cと、ローラ13が外輪11の内周面に当接する部分Dとの距離が僅かであるが変化する。例えばこの実施形態では、ピボットアーム20の支軸15の中心をカム面12aの中心から挟圧部側にずらすことにより、CとDとの距離は、ローラ13が挟圧部(端部B付近)に移動したロック状態にあるとき最も短く、ローラ13が挟圧部から離れて遊嵌部(中間部A付近)方向に移動するほど長くなるように設定されている。
しかしながら、上記CとDとの距離が長い場合には、図6(a)に示すように、セットスプリング30の押圧部37の斜辺37bが支軸挿通孔24の内側に入り込んで支軸15をピボットアーム20に対して大きく押し下げて、ピボットアーム20を半径方向外方に突出させるので、ローラ13を外輪11の内周に圧接させることができ、また、上記CとDとの距離が短い場合には、図6(b)に示すように、セットスプリング30の押圧部37の斜辺37bが外側に撓み変形して、支軸15が支軸挿通孔24の、内輪12の外径側に押し込まれて、ピボットアーム20が半径方向内方に押し下げられるので、ローラ13を外輪11の内周に圧接させた状態でも、ピボットアーム20の回動が可能となる。こうして、セットスプリング30により、ピボットアーム20の回動を許容しつつ、ローラ13を外輪11の内周に圧接させた状態を維持することができる。
なお、図7に示すように、この実施形態では、内輪12の外周に沿って、複数のカム面12aが多角形の一辺をなすように並んで形成されており、各カム面12aにローラ13を支持するピボットアーム20が取付けられている。ただし、カム面12aの形状は、周方向に向いた一端が遊嵌部をなし、他端が挟圧部をなす形状であればよく、上記のような形状に限定されるものではない。
次に、このワンウェイクラッチの作用効果について説明する。図3には、外輪11及び内輪12が、例えば共に停止していて、ロック状態とロック解除状態の中間位置にある状態が示されている。このとき、ねじりばね17(第1ばね手段)により、ローラ13がカム面12a上の隙間Sがローラ径よりも小さい挟圧部(端部B付近)に向けて移動する方向に、ピボットアーム20が回動付勢されていると共に、セットスプリング30(第2ばね手段)により、ピボットアーム20が半径方向外方に付勢されて、ローラ13が外輪11の内周及び内輪12の外周に圧接されている。
この状態で、図示しない駆動源から外輪又は内輪に回転力が作用し、図4に示すように、外輪11がX1方向に、かつ、内輪12がX2方向に相対回転すると、ねじりばね17によるピボットアーム20の回動付勢力と、セットスプリング30によるローラ13の外輪11に対する連れ回り力とにより、ローラ13が、カム面12a上の隙間Sがローラ径よりも小さい挟圧部(端部B付近)に速やかに移動する。その結果、ローラ13が外輪11の内周と内輪12のカム面12aとの間に挟み込まれて、外輪11と内輪12がロックされ、外輪11と内輪12とが一体回転する。例えば、外輪11が駆動源となっている場合には、外輪11と内輪12とは、一体にX1方向に回転することになり、内輪12が駆動源となっている場合には、外輪11と内輪12とは、一体にX2方向に回転することになる。
一方、上記とは逆に、図5に示すように、外輪11がX2方向に、かつ、内輪12がX1方向に相対回転すると、セットスプリング30により外輪11の内周に圧接されたローラ13の、外輪11に対する連れ回り力によって、ローラ13が挟圧部から離れて、外輪11と内輪12とのロックが解除され、外輪11と内輪12とがそれぞれフリーに回転する状態となる。例えば、外輪11が駆動源となって内輪12を一体にX1方向に回転させている状態で、外輪11の回転が停止又は速度低下し、内輪12が慣性力等によって外輪11よりも高速回転となった場合には、外輪11がX2方向に、かつ、内輪12がX1方向に相対回転する状態となるが、そのようなとき、内輪12は、外輪11から回転を規制されることなく、X1方向にフリー回転できることとなる。
なお、ローラ13の外輪11に対する連れ回り力等によって、ピボットアーム20が、ねじりばね17の付勢力に抗して反対方向(X2方向)に大きく回動した場合には、ストッパ21bがカム面12aに当接して、それ以上の回動が規制され、ローラ13によるロックが生じないようにされている。
以上のように、このワンウェイクラッチ10においては、セットスプリング30によって、ローラ13が常に外輪11の内周に圧接されているので、外輪11と内輪12との相対回転方向が切り替わったときに、ローラ13が外輪11と連れ回って、ロック及びロック解除の動作が迅速になされるため、応答性のよいワンウェイクラッチを提供できる。
また、前記セットスプリング30は、1本のばね線材を曲げ加工して形成され、ピボットアーム20に係合保持される係合部(中間部33及び両端部35,35)と、支軸15に当接して、ピボットアーム20を支軸15に対して半径方向外方に付勢する押圧部37とを有している。この態様によれば、セットスプリング30を係合部によってピボットアーム20に保持させると共に、その押圧部37を支軸15に圧接させて、ピボットアーム20を支軸15に対して半径方向外方に付勢することができる。また、セットスプリング30は、1本のばね線材を曲げ加工して形成されているので、製造コストを低減することができる。また、セットスプリング30のピボットアーム20への取付け部以外は、平面的な形状をなすので、ピボットアーム20の面に沿って設置でき、省スペース化を図ることができる。
更に、この実施形態では、前記セットスプリング30は、1本のばね線材の中間部33を屈曲させて、ピボットアーム20の支持片23の端部に係合させ、両端部35,35を、開口部25を通してその裏面側に係合させ、支軸15の両側を通る部分をそれぞれV字状に屈曲させて、その斜辺37a,37bを支軸15に当接させて押圧部37としたもので構成されている。この態様によれば、1本のばね線材の中間部33を屈曲させて、ピボットアーム20の支持片23の端部に係合させる構成としたことにより、その両側部31,31を、ピボットアーム20の半径方向に向くように配設することができるので、ばね線材を長くしてばね性を高めることができると共に、支軸15の両側を通る部分をそれぞれV字状に屈曲させて、その斜辺37a,37bを支軸15に当接させて押圧部37としたので、ピボットアーム20を半径方向外方に安定してばね付勢することができる。
図8には、本発明のワンウェイクラッチの他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態のワンウェイクラッチは、前記実施形態と比べて、セットスプリング及びそれを係合保持するピボットアームの形状が異なっている。この実施形態におけるピボットアーム20aは、支持片23の支軸挿通孔24の両側に、上下一対の縦長の開口部25a,25aがそれぞれ形成されており、計4つの開口部25aが形成されている(図8(a)参照)。各開口部25aの外側には、支持片23の表面側に向けて隆起した係合部28がそれぞれ設けられている(図8(b)参照)。
一方、セットスプリング30aは、1本のばね線材を屈曲して形成されたもので、所定長さで伸びる両側部31,31と、その間に配置された中間部33とを有し、略U字ピン状をなしている。両側部31,31のほぼ中央であって、支軸15の周囲を通る部分は、外側に向けて円弧状に屈曲して、押圧部38,38をなしている。
セットスプリング30aをピボットアーム20aに係合保持させる際には、その両端部35,35を、支持片23の裏面側から支軸挿通孔24の一側の開口部25a,25aにそれぞれ挿入して、支持片23の表面側から挿出し、更に、両端部35,35を、支軸挿通孔24の他側の開口部25a,25aに表面側から挿入して、支持片23の裏面側に配置する。そして、両端部35,35を、係合部28,28の裏面側にそれぞれ係合させると共に、両側部31,31の中間部33寄りの部分を、係合部28,28の裏面側にそれぞれ係合させることにより、ピボットアーム20aにセットスプリング30aが係合保持される。
この状態で、セットスプリング30aの一方の押圧部38が、支軸挿通孔24の先端側外周縁にほぼ沿って配置されて支軸15の上半部外周に弾性的に当接すると共に、他方の押圧部38が、支軸挿通孔24の基部内側に入り込んで支軸15の下半部外周に弾性的に当接し、無負荷状態でも支軸15を若干の締め代をもって保持するようにされている。また、ワンウェイクラッチ10内にセットされた状態では、ピボットアーム20aを半径方向外方に付勢するようになっている。
この実施形態によれば、セットスプリング30aのばね線材が、支軸15の周囲(中心側と外径側)を通る位置で、支軸15に当接して押圧部38をなしているので、ばね線材によって支軸15を半径方向に挟んで保持することができ、ピボットアーム20aを半径方向外方に効果的にばね付勢することができる。
10 ワンウェイクラッチ
11 外輪
12 内輪
12a カム面
13 ローラ
15 支軸
17 ねじりばね(第1ばね手段)
20,20a ピボットアーム
21 ローラ装着部
24 支軸挿通孔
25,25a 開口部
30,30a セットスプリング(第2ばね手段)
33 中間部
35,35 両端部
37,38 押圧部
37a,37b 斜辺

Claims (4)

  1. 外輪と、内輪と、それらの間に配置されたローラとを有し、前記内輪の外周には、前記外輪の内周に対する隙間が、前記ローラ径よりも大きい遊嵌部から、前記ローラ径よりも小さい挟圧部へと変化するカム面が設けられ、前記ローラは、前記カム面に配置されて、前記外輪と前記内輪とが所定方向に相対回転するとき、前記挟圧部に移動して前記外輪と前記内輪とをロックさせ、前記とは逆方向に相対回転するとき、前記遊嵌部に移動して前記外輪と前記内輪とのロックを解除するように構成されたワンウェイクラッチにおいて、
    前記内輪に支軸を介して一端を回動可能にかつ半径方向に所定距離だけ移動可能に支持され、他端に前記ローラが回転可能に装着されたピボットアームと、
    前記ローラが、前記カム面上の前記挟圧部に移動するように、前記ピボットアームを回動付勢する第1ばね手段と、
    前記ピボットアームと前記支軸との間に設けられ、該ピボットアームを半径方向外方に付勢する第2ばね手段とを備え、
    前記第2ばね手段は、ばね線材を曲げ加工して形成されており、前記ピボットアームに係合保持される係合部と、前記支軸に当接して、前記ピボットアームを前記支軸に対して半径方向外方に付勢する押圧部とを有していることを特徴とするワンウェイクラッチ。
  2. 前記ピボットアームは、板材からなり、前記ローラが装着されるローラ装着部と、前記支軸が挿通される支軸挿通孔と、該支軸挿通孔と前記ローラ装着部との間に設けられた開口部とを有し、前記第2ばね手段は、1本のばね線材の中間部を屈曲させて、該中間部を前記ピボットアームの前記支軸挿通孔側の端部に係合させ、前記ばね線材の両端部を屈曲させて、前記ピボットアームの開口部を通してその裏面側に係合させ、前記ばね線材の並列部分を前記支軸の両側を通るようにそれぞれ外側にV字状に屈曲させて、その斜辺を前記支軸に当接させて前記押圧部としたもので構成されている請求項1記載のワンウェイクラッチ。
  3. 前記ピボットアームは、板材からなり、前記ローラが装着されるローラ装着部と、前記支軸が挿通される支軸挿通孔と、該支軸挿通孔の両側に設けられた開口部とを有し、前記第2ばね手段は、1本のばね線材を屈曲させて、その両端部を、前記ピボットアームの一側に設けられた前記開口部を通して、前記ピボットアームの一方の面側に挿出させ、前記支軸の両側を通し、更に前記ピボットアームの他側に設けられた開口部を通して、前記ピボットアームの他方の面側に戻すことにより、前記ピボットアームに係合保持されており、前記ばね線材の前記支軸の両側を通る部分を前記支軸に当接させて前記押圧部としたもので構成されている請求項1記載のワンウェイクラッチ。
  4. 前記ばね線材の押圧部は、無負荷状態でも、前記支軸を挟み付けるように締め代をもって取付けられている請求項2又は3記載のワンウェイクラッチ。
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