JP2011179514A - トルクコンバータ用のロックアップ装置 - Google Patents

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    • F16H2045/0294Single disk type lock-up clutch, i.e. using a single disc engaged between friction members

Abstract

【課題】設計の自由度が高いトルクコンバータ用のロックアップ装置を、提供することにある。
【解決手段】このロックアップ装置7は、入力回転部材71と、出力回転部材73と、弾性部材74と、サポート部材75とを備えている。弾性部材75は、入力回転部材71と出力回転部材73とを回転方向に弾性的に連結する。サポート部材75は、入力回転部材71と出力回転部材73とに対して相対回転可能に配置されている。サポート部材75は、弾性部材74を支持する支持部175と、弾性部材74に回転方向に係合する係合部275とを有している。ここでは、サポート部材75の支持部175が、弾性部材74の外周側を支持する外周側支持部175aを有している。そして、この外周側支持部175aの外周端は、回転方向に向かって係合部から離反するにつれて、曲率が連続的に小さくなっている。
【選択図】図5

Description

本発明は、ロックアップ装置、特に、トルクを伝達するとともに捩り振動を吸収・減衰するためのトルクコンバータのロックアップ装置に関する。
トルクコンバータには、トルクをフロントカバーからタービンに直接伝達するためのロックアップ装置が設けられている場合が多い。このロックアップ装置は、フロントカバーに摩擦連結可能なピストンと、ピストンに固定されるリティーニングプレートと、リティーニングプレートに支持される複数対のトーションスプリングと、複数のトーションスプリングを介して回転方向にピストンに弾性連結されるドリブンプレートと、ピストンとドリブンプレートとに対して相対回転可能に配置されたサポート部材とを、有している。なお、ここでは、ドリブンプレートはタービンに固定されている。(特許文献1を参照)
ここでは、ピストンは、フロントカバーとタービンとの間の空間を軸方向に分割しており、ピストンの外周部に環状に張られた摩擦フェーシングがフロントカバーの摩擦面に押し付けられると、フロントカバーのトルクがロックアップ装置に伝達される。すると、トルクがロックアップ装置からタービンへと伝達される。このときには、ロックアップ装置の外周部に配置された複数のトーションスプリングによって、エンジンから入力されるトルク変動が、吸収・減衰される。なお、このようにトルクコンバータが動作しているときには、複数のトーションスプリングは、サポート部材によって支持されている。
特開2002-089657
特許文献1に示されたロックアップ装置(以下、従来のロックアップ装置と呼ぶ)は、サポート部材を有している。このサポート部材には、直列に配置された一対のトーションスプリングの間に配置されるサポート用の爪部と、リティーニングプレート(ドライブ部材)を組み付けるための切り欠きが、形成されている。リティーニングプレートには、トーションスプリングの端部に当接しトーションスプリングを円周方向に圧縮するための圧縮用の爪部が、形成されている。この圧縮用の爪部を、サポート部材の切り欠きに挿入することにより、リティーニングプレートがサポート部材に組み付けられる。すると、一対のトーションスプリングの間にサポート用の爪部が配置された状態において、一対のトーションスプリングは、圧縮用の爪部によって円周方向に圧縮される。
このように、従来のロックアップ装置では、サポート部材に切り欠きを設けることにより、リティーニングプレートをサポート部材に容易に組み付けることができていた。しかしながら、従来のロックアップ装置では、一対のトーションスプリングが、遠心力の発生時に、サポート部材の切り欠きの部分に応力が集中してしまうおそれがあった。このため、従来の構成では、重量の重いトーションスプリングは、利用することが難しかった。特に、一対のトーションスプリングそれぞれの重量が異なる場合は、この影響が顕著に現れていた。
なお、ここで、あえて重量の重いトーションスプリングを、利用する場合は、サポート部材の板厚を大きくすることによって、この問題に対処することがあったが、この場合、ロックアップ装置の重量が重くなってしまうという問題が、新たに発生していた。
本発明の目的は、設計の自由度が高いトルクコンバータ用のロックアップ装置を、提供することにある。
本発明の別の目的は、トルクコンバータ用のロックアップ装置の軽量化を図ることにある。
請求項1に係るトルクコンバータ用のロックアップ装置は、トルクを伝達するとともに捩り振動を吸収・減衰するための装置である。このロックアップ装置は、入力回転部材と、出力回転部材と、弾性部材と、サポート部材とを備えている。弾性部材は、入力回転部材と出力回転部材とを回転方向に弾性的に連結するためのものであり、回転方向に直列に作用するように配置されている。サポート部材は、入力回転部材と出力回転部材とに対して相対回転可能に配置されている。サポート部材は、直列配置された弾性部材を支持する支持部と、支持部に一体に形成され、直列配置された弾性部材に回転方向に係合する係合部とを有している。ここでは、サポート部材の支持部が、直列配置された弾性部材の外周側を支持する外周側支持部を、有している。そして、この外周側支持部の外周端は、回転方向に向かって係合部から離反するにつれて、曲率が連続的に小さくなっている。また、外周側支持部の外周端は、外周側支持部の回転方向中央部において、平面形状に形成されている。
本ロックアップ装置では、エンジンのトルクが、入力回転部材から出力回転部材へと伝達される。このときに、捩り振動が発生した場合、サポート部材は、係合部で弾性部材に係合し、支持部で弾性部材を支持した状態において、捩り振動が弾性部材によって吸収・減衰される。
このようなロックアップ装置では、サポート部材の外周側支持部の外周端が係合部から回転方向に離反するにつれて、外周側支持部の外周端の曲率が連続的に小さくなっているので、弾性部材の動作中にサポート部材に発生し得る応力集中を、低減することができる。特に、本ロックアップ装置では、切り欠きのような不連続な部分をサポート部材に形成する必要がないので、従来のロックアップ装置と比較して、サポート部材に発生し得る応力集中を、大幅に低減することができる。このように、本ロックアップ装置では、サポート部材に発生し得る応力集中を、低減することができるので、弾性部材の様々な組み合わせで、ロックアップ装置を自由に設計することができる。
また、本ロックアップ装置では、サポート部材に発生し得る応力集中を低減することができるので、従来のロックアップ装置と比較して、サポート部材の板厚を薄くすることができる。これにより、ロックアップ装置の軽量化を図ることができる。
なお、本ロックアップ装置では、サポート部材の外周側支持部の外周端の曲率を小さくした部分から、ロックアップ装置を容易に組み立てることができる。すなわち、本ロックアップ装置では、従来のロックアップ装置のように組み立て用の切り欠きを形成しなくても、ロックアップ装置を容易に組み立てることができる。
詳細には、本トルクコンバータ用のロックアップ装置では、外周側支持部の外周端は、外周側支持部の回転方向中央部において、平面形状に形成されている。
この場合、外周側支持部の外周端が、外周側支持部の回転方向中央部において、平面形状に形成されているので、弾性部材の動作中にサポート部材に発生し得る応力集中を、確実に低減することができる。このように、本ロックアップ装置では、サポート部材に発生し得る応力集中を、低減することができるので、弾性部材の様々な組み合わせで、ロックアップ装置を自由に設計することができる。また、このロックアップ装置では、上述した他の効果も得ることができる。
なお、サポート部材を成型した後には、型を抜く必要があるが、外周側支持部の外周端を、外周側支持部の回転方向中央部において、平面形状に形成しておくことによって、サポート部材から型を容易に抜くことができる。
請求項に係るトルクコンバータ用のロックアップ装置では、請求項1の装置において、サポート部材の支持部が、弾性部材の側面を支持する側面支持部を、さらに有している。この側面支持部は、入力回転部材と弾性部材との間に配置されている。
この場合、側面支持部が、入力回転部材と弾性部材との間に配置されているので、側面支持部が座屈しづらくなり、サポート部材の強度を向上することができる。このため、本ロックアップ装置では、弾性部材の様々な組み合わせで、ロックアップ装置を自由に設計することができる。また、本ロックアップ装置では、従来のロックアップ装置と比較して、サポート部材の板厚を薄くすることができる。これにより、ロックアップ装置の軽量化を図ることができる。また、このロックアップ装置では、上述した他の効果も得ることができる。
請求項に係るトルクコンバータ用のロックアップ装置では、請求項1又は2の装置において、サポート部材の支持部が、弾性部材の内周側から離反する方向に延びる内周側延長部を、さらに有している。この内周側延長部は、側面支持部から弾性部材側に向けて湾曲し、弾性部材の内周側から離反する方向に延びる部分である。
この場合、側面支持部から弾性部材側に向けて湾曲した部分によって、内周側延長部が座屈しづらくなり、サポート部材の強度を向上することができる。また、内周側延長部は、弾性部材の内周側から離反する方向に延びているので、サポート部材の半径方向の曲げ剛性を、増大することができる。このため、本ロックアップ装置では、弾性部材の様々な組み合わせで、ロックアップ装置を自由に設計することができる。また、本ロックアップ装置では、従来のロックアップ装置と比較して、サポート部材の板厚を薄くすることができる。これにより、ロックアップ装置の軽量化を図ることができる。また、このロックアップ装置では、上述した他の効果も得ることができる。
請求項に係るトルクコンバータ用のロックアップ装置では、請求項1からのいずれかの装置において、サポート部材の係合部が、湾曲部と、回転方向において弾性部材に係止され湾曲部の両端部を内方に折り曲げた係止部とを有している、
この場合、サポート部材の係合部には、湾曲部の両端部を内方に折り曲げた係止部が形成されているので、この係止部を弾性部材は確実に係止することができる。また、係止部は、湾曲部の両端部を内方に折り曲げることにより形成されているので、係止部が座屈しづらくなり、サポート部材の強度を向上することができる。そして、係止部の半径方向の曲げ剛性を、増大することができる。このため、本ロックアップ装置では、弾性部材の様々な組み合わせで、ロックアップ装置を自由に設計することができる。また、本ロックアップ装置では、従来のロックアップ装置と比較して、サポート部材の板厚を薄くすることができる。これにより、ロックアップ装置の軽量化を図ることができる。また、このロックアップ装置では、上述した他の効果も得ることができる。
本発明では、設計の自由度が高いトルクコンバータ用のロックアップ装置を、提供することができる。また、本発明では、トルクコンバータ用のロックアップ装置の軽量化を図ることができる。
本発明の一実施形態によるロックアップ装置を備えたトルクコンバータの断面部分図。 前記ロックアップ装置の正面部分図。 前記ロックアップ装置の正面図。 前記ロックアップ装置のスプリングホルダーの部分外観図。 前記スプリングホルダーの断面図。 前記ロックアップ装置のトリリニア型の捩り特性を示す図。 前記ロックアップ装置のトーションスプリング作動時のモデル図。
図1は、本発明の一実施形態としてのロックアップ装置が採用されたトルクコンバータ1の断面部分図である。図1の左側にはエンジン(図示せず)が配置され、図の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。図1に示すO−Oは、トルクコンバータ及びロックアップ装置の回転軸線である。図2はロックアップ装置の正面部分図である。図6は、一対の第1トーションスプリングおよび一対の第2トーションスプリングが作動したときのトリリニア型の捩り特性を示す図である。図7は、捩り特性の各段階で、一対の第1トーションスプリングおよび一対の第2トーションスプリングが作動したときのモデル図である。
[トルクコンバータの全体構成]
図1は、本発明の一実施形態が採用されたトルクコンバータ1の縦断面概略図である。トルクコンバータ1は、エンジンのクランクシャフト(図示しない)からトランスミッションの入力シャフト(図示しない)にトルクを伝達するための装置である。図1の左側に図示しないエンジンが配置され、図1の右側に図示しないトランスミッションが配置されている。図1に示すO−Oがトルクコンバータ1の回転軸である。また、矢印R1がトルクコンバータ1の回転方向駆動側を表しており、矢印R2がその反対側を表している(図3を参照)。
トルクコンバータ1は、主に、フレキシブルプレート(図示しない)とトルクコンバータ本体5とから構成されている。フレキシブルプレートは、円板状の薄い部材からなり、トルクを伝達するとともにクランクシャフトからトルクコンバータ本体5に伝達される曲げ振動を吸収するための部材である。したがって、フレキシブルプレートは、回転方向にはトルク伝達に十分な剛性を有しているが、曲げ方向には剛性が低くなっている。
トルクコンバータ本体5は、フロントカバー11と、3種の羽根車(インペラー21、タービン22、ステータ23)からなるトーラス形状の流体作動室6と、ロックアップ装置7とから構成されている。
フロントカバー11は、円板状の部材であり、フレキシブルプレートに近接して配置されている。フロントカバー11の内周端にはセンターボス16が設けられている。センターボス16は、軸方向に延びる円筒形状の部材であり、クランクシャフトの中心孔内に挿入されている。
フレキシブルプレートの内周部は複数のボルトによってクランクシャフトの先端面に固定されている。フロントカバー11の外周側には、円周方向に等間隔で複数のナット12が固定されている。このナット12内に螺合するボルトがフレキシブルプレートの外周部を、フロントカバー11に固定している。
フロントカバー11の外周部には、軸方向トランスミッション側に延びる外周側筒状部11aが形成されている。この外周側筒状部11aの先端にインペラー21のインペラーシェル26の外周縁が溶接によって固定されている。この結果、フロントカバー11とインペラー21とによって、内部に作動油が充填された流体室が形成されている。インペラー21は、主に、インペラーシェル26と、その内側に固定された複数のインペラーブレード27と、インペラーシェル26の内周部に固定されたインペラーハブ28とから構成されている。
タービン22は流体室内でインペラー21に対して軸方向に対向して配置されている。タービン22は、主に、タービンシェル30と、そのインペラー側の面に固定された複数のタービンブレード31と、タービンシェル30の内周縁に固定されたタービンハブ32とから構成されている。タービンシェル30とタービンハブ32とは複数のリベット33によって固定されている。
タービンハブ32の内周面には、入力シャフトに係合するスプラインが形成されている。これによりタービンハブ32は入力シャフトと一体回転するようになっている。
ステータ23は、タービン22からインペラー21に戻る作動油の流れを整流するための機構である。ステータ23は樹脂やアルミ合金等で鋳造により一体に製作された部材である。ステータ23はインペラー21の内周部とタービン22の内周部と間に配置されている。ステータ23は、主に、環状のステータシェル35と、シェル35の外周面に設けられた複数のステータブレード36とから構成されている。ステータシェル35はワンウェイクラッチ37を介して筒状の固定シャフト(図示しない)に支持されている。固定シャフトは入力シャフトの外周面とインペラーハブ28の内周面との間を延びている。
以上に述べた各羽根車21,22,23の各シェル26,30,35によって、流体室内にトーラス形状の流体作動室6が形成されている。なお、流体室内においてフロントカバー11と流体作動室6の間には環状の空間9が確保されている。
図に示すワンウェイクラッチ37はラチェットを用いた構造であるが、ローラやスプラグを用いた構造であってもよい。
フロントカバー11の内周部とタービンハブ32との軸方向間には第1スラストベアリング41が配置されている。この第1スラストベアリング41が設けられた部分において、半径方向に作動油が連通可能な第1ポート17が形成されている。第1ポート17は、入力シャフト内に設けられた油路と、第1油圧室A(後述)と、タービン22とフロントカバー11との間の空間内とを連通させている。また、タービンハブ32とステータ23の内周部(具体的にはワンウェイクラッチ37)との間にはスラストブッシュ42が配置されている。このスラストブッシュ42が配置された部分において、半径方向両側に作動油が連通可能な第2ポート18が形成されている。すなわち、第2ポート18は、入力シャフト及び固定シャフトの間の油路と、流体作動室6とを連通させている。さらに、ステータ23(具体的にはシェル35)とインペラー21(具体的にはインペラーハブ28)との軸方向間には第2スラストベアリング43が配置されている。この第2スラストベアリング43が配置された部分において、半径方向両側に作動油が連通可能な第3ポート19が形成されている。すなわち、第3ポート19は、固定シャフト及びインペラーハブ28との間の油路と、流体作動室6とを連通させている。なお、各油路は、図示しない油圧回路に接続されており、独立して第1〜第3ポート17〜19に作動油の供給・排出が可能となっている。
[ロックアップ装置の構造]
図1から図3に示すように、ロックアップ装置7は、タービン22とフロントカバー11との間の空間9に配置されており、必要に応じて両者を機械的に連結するための機構である。ロックアップ装置7は、フロントカバー11とタービン22との軸方向間の空間に配置されている。ロックアップ装置7は全体が円板状になっており、空間9を概ね軸方向に分割している。ここでは、フロントカバー11とロックアップ装置7との間の空間を第1油圧室Aとし、ロックアップ装置7とタービン22との間の空間を第2油圧室Bとする。
ロックアップ装置7は、クラッチ及び弾性連結機構の機能を有し、主に、ピストン71と、ドライブプレート72(リティーニングプレート)と、ドリブンプレート73と、複数のトーションスプリング74a,74b(第1トーションスプリング174、および第2トーションスプリング274)と、スプリングホルダー75とから構成されている。
なお、図3では、一対のトーションスプリング74a,74b、すなわち一対の第1トーションスプリング174a,174bおよび一対の第2トーションスプリング274a,274bとにのみ、符号を付している。
ピストン71は、クラッチ連結・遮断を行うための部材であり、さらには弾性連結機構としてのロックアップ装置7における入力部材として機能する。ピストン71は中心孔が形成された円板形状である。ピストン71は空間9を概ね軸方向に分割するように、空間9内の半径全体にわたって延びている。ピストン71の内周縁には、軸方向エンジン側に延びる内周側筒状部71bが形成されている。内周側筒状部71bはタービンハブ32のエンジン側の外周面によって回転方向及び軸方向に移動可能に支持されている。なお、ピストン71は、トランスミッション側のタービンハブ32に当接することで、軸方向トランスミッション側への移動が、制限されている。
さらに、タービンハブ32のエンジン側の外周面には内周側筒状部71bの内周面に当接する環状のシールリング32bが設けられている。これにより、ピストン71の内周縁において軸方向のシールがされている。さらに、ピストン71の外周側には摩擦連結部71cが形成されている。摩擦連結部71cは、半径方向に所定の長さを有する環状部分であり、軸方向両面が軸方向に対して垂直な面となっている平面形状である。摩擦連結部71cの軸方向エンジン側には環状の摩擦フェーシング76が張られている。このように、ピストン71とフロントカバー11の平坦な摩擦面とによって、ロックアップ装置7のクラッチが構成されている。なお、ピストン71の外周縁には軸方向に延びる筒状部等は形成されていない。
ドライブプレート72は、ピストン71の外周部の軸方向トランスミッション側に配置されている。ドライブプレート72は板金製の環状の部材である。ドライブプレート72は、固定部72aと、そこから外周側に延びるトルク伝達部72bとから構成されている。固定部72aはピストン71の軸方向トランスミッション側面に当接し、複数のかしめ71dによってピストン71に固定されている。トルク伝達部72bは固定部72aから外周側に延びている。より具体的には、トルク伝達部72bは、半径方向内側から外側に向かって、軸方向トランスミッション側に凸になるように滑らかに湾曲し、次に軸方向エンジン側に凸になるように滑らかに湾曲し、さらに軸方向トランスミッション側に延びている。また、固定部72aの外周部軸方向トランスミッション側には、複数の係合部72eが形成されている。係合部72eは、他の部分より軸方向トランスミッション側に突出した部分である。
複数のトルク伝達部72bの回転方向間はそれぞれがばね収容部72dとなっている。この実施形態では、ばね収容部72dは4箇所に形成されている。図3では、1箇所のばね収容部72dにのみ、符号を付している。
ばね収容部72d内には、円周方向に延びるコイルスプリングであるトーションスプリング74a,74bが収容されている。トーションスプリング74a,74bは、入力部材であるピストン71と、出力部材であるドリブンプレート73と回転方向に弾性的に連結するための部材である。トーションスプリング74a,74bは、第1トーションスプリング174a,174bおよび第2トーションスプリング274a,274bから構成されている。詳細には、各ばね収容部72dには、1対の第1トーションスプリング174a,174bが回転方向に直列に作用するように配置されている。また、複数の第1トーションスプリング274a,274bそれぞれの捩り剛性が、互いに同じになるように、第1トーションスプリング274a,274bは、形成されている。なお、ここでは、全体で合計8個の第1トーションスプリング174a,174bが、用いられている。
各ばね収容部72dに配置された1対の第1トーションスプリング174a,174bそれぞれの内周部には、第2トーションスプリング274a,274bが配置されている。具体的には、第2トーションスプリング274a,274bは、第1トーションスプリング174a,174bの内周部において回転方向に移動自在に配置されている。全体では、合計8個の第2トーションスプリング274a,274bが、用いられている。
なお、ここでは、各ばね収容部72dにおいて、回転方向R1側のトーションスプリングの符号を、「74a」、「174a」、および「274a」とし、回転方向R2側のトーションスプリングの符号を、「74b」、「174b」、および「274b」としている。
また、第2トーションスプリング274a,274bの長さが、第1トーションスプリング174a,174bの長さより短くなるように、第2トーションスプリング274a,274bは、形成されている。また、複数の第2トーションスプリング274a,274bそれぞれの長さが同じになるように、第2トーションスプリング274a,274bは、形成されている。
さらに、各対の第2トーションスプリング274a,274bのいずれか一方の捩り剛性と、各対の第2トーションスプリング274a,274bのいずれか他方の捩り剛性とが互いに異なるように、第2トーションスプリング274a,274bは、形成されている。たとえば、回転方向R1側の第2トーションスプリング274aの捩り剛性が、回転方向R2側の第2トーションスプリング274bの捩り剛性より小さくなるように、第2トーションスプリング274a,274bは、形成されている。
ここでは、第1トーションスプリング174aおよび第2トーションスプリング274aから構成される一組のトーションスプリングは、回転方向に並列に作用する。また、同様に、第1トーションスプリング174bおよび第2トーションスプリング274bから構成される一組のトーションスプリングは、回転方向に並列に作用する。そして、これら二組のトーションスプリングは、それぞれが回転方向に直列に作用する。
ドリブンプレート73は、トーションスプリング74a,74bからのトルクをタービン22に伝達するための部材である。ドリブンプレート73は、タービン22のタービンシェル30の外周側に設けられる。ドリブンプレート73は、主に、取り付け部73aと、複数の爪73bとから構成されている。取り付け部73aは、例えば溶接によってタービンシェル30に固定されている。複数の爪73bは、取り付け部73aの外周縁から軸方向エンジン側に折り曲げられている。爪73bは、ドリブンプレート72のトルク伝達部72bに対向しており、軸方向エンジン側に凸になるように湾曲したトルク伝達部72bに軸方向トランスミッション側から挿入されている。この状態において、爪73bは、各ばね収容部72dに配置された1対の第1トーションスプリング174a,174bの回転方向両端に当接している。
また、ドリブンプレート73には、ストッパー爪73bが形成されている。ストッパー爪73bは、取り付け部73aの内周縁から軸方向エンジン側に延びている。ストッパー爪73bは、隣接するドライブプレート72の係合部72eの間に、配置されている。これにより、ドライブプレート72とドリブンプレート73との相対回転が大きくなり、ストッパー爪73bが回転方向いずれかの係合部72eに当接すると、トーションスプリング74a,74b(174a,174b,274a,274b)の圧縮すなわちダンパー動作は、停止する。このように、ドライブプレート72の係合部72eと、ドリブンプレート73のストッパー爪73bとは、回転規制手段として機能する。言い換えると、回転規制手段は、ドライブプレート72の係合部72eと、ドリブンプレート73のストッパー爪73bとから構成されている。
スプリングホルダー75は、トーションスプリング74a,74bをサポートするためのサポート部材である。具体的には、スプリングホルダー75は、トーションスプリング74a,74bを半径方向に支持するための部材である。スプリングホルダー75は、ピストン71及びドリブンプレート73に対して相対回転可能に配置されている。また、スプリングホルダー75は、ドライブプレート72及びドリブンプレート73に対して相対回転可能に配置されている。
スプリングホルダー75は、図4および図5に示すように、主に、支持部175と係合部275とを有している。支持部175は、トーションスプリング74a,74bを支持する部分である。支持部175は、外周側支持部175aと、内周側延長部175bと、連結部(側面支持部)175cとを有している。
外周側支持部175aは、連結部175cの外周縁から軸方向トランスミッション側に延びる筒状の部分である。外周側支持部175aは、係合部275から回転方向に離反するにつれて、外周端の曲率が連続的に小さくなるように形成されている。そして、外周側支持部175aは、外周側支持部175aの回転方向中央部において、外周端が平面になるように形成されている。このことを言い換えると、外周側支持部175aは、係合部275から回転方向に離反するにつれて、外周側支持部175aの外周面から外周側支持部175aの外周端の先端までの半径方向距離dが、連続的に小さくなるように、形成されている。
たとえば、図5に示すように外周側支持部175aを回転方向に見た場合、外周側支持部175aの外周端は、係合部275から回転方向に離反するにつれて、曲率が連続的に小さくなっている(図5(b)〜図5(c)を参照)。そして、外周側支持部175aの外周端は、外周側支持部175aの回転方向中央部において、平面形状に形成されている(図5(d)を参照)。なお、図5(b)、図5(c)、および図5(d)それぞれは、図4のV2断面、図4のV3断面、図4のV4断面に対応している。
このような外周側支持部175aは、第1トーションスプリング174a,174bの外周側に近接して配置されており、第1トーションスプリング174a,174bの外周側を支持する。また、外周側支持部175aは、ドライブプレート72のトルク伝達部72bの筒状部分より外周側に配置されている。さらに、また、外周側支持部175aは、ドリブンプレート73の爪73bよりさらに外周側に配置されている。
内周側延長部175bは、第1トーションスプリング174a,174bの内周側から半径方向内方に延びる部分である。詳細には、内周側延長部175bは、連結部175cの内周縁から第1トーションスプリング174a,174b側に向けて湾曲し、第1トーションスプリング174a,174bの内周側から離反する方向に延びる部分である。言い換えると、内周側延長部175bは、連結部175cの内周縁から軸方向トランスミッション側に湾曲し入力シャフト側に延びる部分である。
内周側延長部175bは、ピストン71とドライブプレート72との間に配置されている。言い換えると、内周側延長部175bすなわちスプリングホルダー75の内周側は、ピストン71とドライブプレート72とによって、位置決めされている。詳細には、ドライブプレート72のエンジン側の突起72cが、スプリングホルダー75の内周面、たとえば内周側延長部175bの先端部175dに嵌合(インロー接合)されている。このようにして、スプリングホルダー75は、ピストン71とドライブプレート72との間において位置決めされる。
連結部175cは、概ね円板状の部分であり、ピストン71の摩擦連結部71cの軸方向トランスミッション側に当接して配置されている。また、連結部175cは、ピストン71と、第1トーションスプリング174a,174bとの軸方向間に配置されている。また、連結部175cは、ピストン71とドライブプレート72との軸方向間に配置されている。詳細には、連結部175cは、ピストン71の摩擦連結部71cとドライブプレート72のトルク伝達部72bとの軸方向間に配置されている。また、連結部175cは、ピストン71とドリブンプレート73との軸方向間に配置されている。詳細には、連結部175cは、ピストン71とドリブンプレート73の爪73bとの軸方向間に配置されている。
このような構造によって、スプリングホルダー75は、遠心力によって半径方向外側に移動するトーションスプリング74a,74bを支持することができる。
係合部275は、第1トーションスプリング174a,174bに回転方向で係合する部分である。係合部275は、支持部175に一体に形成されている。係合部275は、湾曲部275aと係止部275b,275cとを、有している。
湾曲部275aは、隣接する外周側支持部175aと隣接する連結部175cとを連結する部分である。湾曲部275aは、外周側支持部175aおよび連結部175cに一体に形成されている。
係止部275b,275cは、回転方向において、第1トーションスプリング174a,174bを係止する部分である。係止部275b,275cは、湾曲部275aの両端部を内方に折り曲げ加工することによって形成される。たとえば、係止部275bは、湾曲部275aの外周端を軸方向エンジン側に折り曲げられた爪部分である。また、係止部275cは、湾曲部275aの内周端を軸方向トランスミッション側に切り起こされた爪部分である。これら係止部275b,275cは、各ばね収容部72d内の1対の第1トーションスプリング174a,174bの回転方向間に配置されている。
このようなスプリングホルダー75は、縦断面において軸方向片側が開いたC字形状となっている。また、スプリングホルダー75は、中間フロート体として機能している。ここでは、係合部275たとえば係止部275b,275cを介して、第1トーションスプリング174a,174bからスプリングホルダー75へと、トルクが伝達される。なお、第2トーションスプリング274a,274bが圧縮された場合、第1トーションスプリング174a,174bだけでなく、第2トーションスプリング274a,274bからも、スプリングホルダー75は、トルク伝達を受ける。
[トルクコンバータの動作]
エンジン始動直後には、第1ポート17及び第3ポート19からトルクコンバータ本体5内に作動油が供給され、第2ポート18から作動油が排出される。第1ポート17から供給された作動油は第1油圧室Aを外周側に流れ、第2油圧室Bを通過して流体作動室6内に流れ込む。このため、第1油圧室Aと第2油圧室Bとの油圧差によってピストン71は軸方向エンジン側に移動している。すなわち摩擦フェーシング76はフロントカバー11から離れ、ロックアップが解除されている。このようにロックアップ解除されているときには、フロントカバー11とタービン22との間のトルク伝達は、インペラー21とタービン22との間の流体駆動によって行われている。
[ロックアップ装置の動作]
トルクコンバータ1の速度比が上がり、入力シャフトが一定の回転数に達すると、第1ポート17から第1油圧室Aの作動油が排出される。この結果、第1油圧室Aと第2油圧室Bとの油圧差によって、ピストン71がフロントカバー11側に移動させられ、摩擦フェーシング76がフロントカバー11の平坦な摩擦面に押し付けられる。この結果、フロントカバー11のトルクは、ピストン71から、ドライブプレート72及びトーションスプリング74a,74bを介して、ドリブンプレート73に伝達される。さらに、トルクは、ドリブンプレート73からタービン22に伝達される。すなわち、フロントカバー11が機械的にタービン22に連結され、フロントカバー11のトルクがタービン22を介して直接入力シャフトに出力される。
なお、以上のように捩り振動が入力されてトーションスプリング74a,74bが圧縮を繰り返す際には、遠心力によってトーションスプリング74a,74bは半径方向外側に移動し、スプリングホルダー75の外周側支持部175aにおいて摺動する。しかし、スプリングホルダー75は、トーションスプリング74a,74bとともに回転方向に移動する部材であるため、両部材間での摺動抵抗は大幅に低減し、捩り振動減衰性能は十分に発揮される。
[ロックアップ装置の捩り振動減衰特性]
以上に述べたロックアップ連結状態において、ロックアップ装置7は、トルクを伝達するとともにフロントカバー11から入力される捩り振動を吸収・減衰する。具体的には、図6に示すように、フロントカバー11からロックアップ装置7に捩り振動が入力され、ドライブプレート72とドリブンプレート73との間の捩り角度θが生じると、第1トーションスプリング174a,174bが、ドライブプレート72とドリブンプレート73との間で回転方向に圧縮される。この状態を、第1の圧縮状態J1と呼ぶ。具体的には、第1トーションスプリング174a,174bは、ドライブプレート72のトルク伝達部72bとドリブンプレート73の爪73bとの間で回転方向に圧縮される。このとき、スプリングホルダー75は、トーションスプリング74a,74bによって圧縮方向に移動し、ドライブプレート72及びドリブンプレート73と相対回転する。
この状態において捩り角度θが大きくなると、各対の2つの第2トーションスプリング274a,274bが、ドライブプレート72とドリブンプレート73とに当接する。この状態が、図6における第1屈曲点P1に相当する。すると、各対の第1トーションスプリング174a,174bおよび各対の第2トーションスプリング274a,274bが、ドライブプレート72とドリブンプレート73との間で回転方向に圧縮される。この状態を、第2の圧縮状態J2と呼ぶ。具体的には、第1トーションスプリング174a,174bおよび第2トーションスプリング274a,274bは、ドライブプレート72のトルク伝達部72bとドリブンプレート73の爪73bとの間で回転方向に圧縮される。このとき、スプリングホルダー75は、トーションスプリング74a,74bによって圧縮方向に移動し、ドライブプレート72及びドリブンプレート73と相対回転する。
この状態において捩り角度θがさらに大きくなると、各対の2つの第2トーションスプリング274a,274bのいずれか一方、すなわち捩り剛性が低い方の第2トーションスプリング274aが、線間密着する。この状態が、図6における第2屈曲点P2に相当する。ここで、捩り剛性が低い方の第2トーションスプリング274aが、線間密着すると、線間密着した第2トーションスプリング274aだけでなく、この第2トーションスプリング274aを内周部に有する第1トーションスプリング174aも、圧縮不能になる。すると、各対の2つの第2トーションスプリング274a,274bのいずれか他方、すなわち捩り剛性が高い方の第2トーションスプリング274bと、この第2トーションスプリング274bを内周部に有する各対の第1トーションスプリング174bとが、ドライブプレート72とドリブンプレート73との間で回転方向に圧縮される。この状態を、第3の圧縮状態J3と呼ぶ。具体的には、第1トーションスプリング174bおよび第2トーションスプリング274bは、ドライブプレート72のトルク伝達部72bとドリブンプレート73の爪73bとの間で回転方向に圧縮される。このとき、スプリングホルダー75は、トーションスプリング74a,74bによって圧縮方向に移動し、ドライブプレート72及びドリブンプレート73と相対回転する。
この状態において捩り角度θがさらに大きくなると、最終的には、ドリブンプレート73のストッパー爪73bが、ドライブプレート72の係合部72eに当接する。この状態が、図6における第3屈曲点P3の状態に相当する。すると、動作中の各対の第1トーションスプリング174bと、動作中の各対の第2トーションスプリング274bとの圧縮が、停止する。この状態を、圧縮停止状態P3と呼ぶ。すなわち、トーションスプリング74a,74b(174a,174b,274a,274b)のダンパー動作が、停止する。
上記のように、トーションスプリング74a,74b(174a,174b,274a,274b)が動作する場合の捩り特性を、以下に説明する。なお、説明を容易にするために、ここでは、一対のトーションスプリング74a,74b(174a,174b,274a,274b)の捩り特性用いて、説明を行う。
図6および図7に示すように、第1の圧縮状態J1では、直列に配置された2つの第1トーションスプリング174a,174bの捩り剛性N11(=1/{(1/K1+1/K1)}=1/(2/K1))が、系の捩り剛性N1として設定される。すると、この系の捩り剛性N1に基づいて、捩り特性の第1勾配D1が、設定される。次に、第2の圧縮状態J2では、並列に配置された一組の第1トーションスプリング174aおよび第2トーションスプリング274aの捩り剛性N21(=K1+K2)と、並列に配置されたもう一組の第1トーションスプリング174bおよび第2トーションスプリング274bの捩り剛性N22(=K1+K2’;K2<K2’)との合成により、系の捩り剛性N2(=1/(1/N21+1/N22)=1/〔1/{1/(K1+K2)}+1/{1/(K1+K2’)}〕)が設定される。すると、この系の捩り剛性N2に基づいて、捩り特性の第2勾配D2が、設定される。続いて、第2トーションスプリング274aが線間密着し、第2の圧縮状態J2から第3の圧縮状態J3へと移行すると、並列に配置された一組の第1トーションスプリング174bおよび第2トーションスプリング274bの捩り剛性N33(=K1+K2’)が、系の捩り剛性N3として設定される。すると、この系の捩り剛性N3に基づいて、捩り特性の第3勾配D3が、設定される。このようにして、トリリニア型の捩り特性が、設定される。
最後に、第3の圧縮状態J3から圧縮停止状態P3へと移行すると、捩り特性の捩り角度θは、最大捩り角度θに達する。捩り角度θが最大捩り角度θに達したときのトルクは、捩り特性における最大トルクになる。
ここに示した捩り特性は、一対の第1トーションスプリング174a,174b、およびこれら一対の第1トーションスプリングの内周部に配置される一対の第2トーションスプリング274a,274bの捩り特性である。このため、ロックアップ装置7全体としての捩り特性、すなわち複数対の第1トーションスプリング174a,174b、および複数対の第2トーションスプリング274a,274bの捩り特性は、ここに示した捩り特性に設定される。
[捩り振動減衰特性の有利な効果]
本ロックアップ装置7では、捩り特性を、多段すなわちトリリニア型に設定することができる。このように捩り特性をトリリニア型に設定することにより、捩り角度θに応じて変化する捩り剛性N1,N2,N3を、急激に変更することなく、徐々に大きくなるように、設定することができる。特に、1段目の捩り剛性N1を小さく設定することができるので、捩り角度θが小さい場合に発生し得る振動を、抑制することができる。
詳細には、本ロックアップ装置7では、捩り特性をトリリニア型に設定することにより、捩り特性をバイリニア型に設定する場合と比較して、捩り剛性の比、たとえば、第1捩り剛性に対する第2捩り剛性の比(N2/N1)、および第2捩り剛性に対する第3捩り剛性(N3/N2)を小さく設定することができる。これにより、捩り特性における各屈曲点を越えるときに発生する振動を、抑制することができる。
また、本ロックアップ装置7では、各対の第1トーションスプリング174a,174bのいずれか一方の第1トーションスプリングと、この第1トーションスプリングの内周部に配置された第2トーションスプリング274a,274bとの、少なくともいずれか一方のトーションスプリングを、圧縮不能にすることによって、3段目の捩り剛性を形成するので、ロックアップ装置の大きさを変更することなく、トリリニア型の捩り特性を設定することができる。
また、本ロックアップ装置7では、各対の片側の第2トーションスプリング274a,274bの線間密着によって、トリリニア型の捩り特性を設定することができる。このように、本ロックアップ装置7では、第1トーションスプリング174a,174bおよび第2トーションスプリング274a,274bの形状(トーションスプリングの全長や線間距離等)と、第1トーションスプリング174a,174bおよび第2トーションスプリング274a,274bの捩り剛性とを変更するだけで、トリリニア型の捩り特性を容易に設定することができる。
また、本ロックアップ装置7では、複数の第1トーションスプリング174a,174bそれぞれの捩り剛性を同じに設定し、複数の第1トーションスプリング174a,174bそれぞれの内周部に配置された第2トーションスプリング274a,274bの捩り剛性を第1トーションスプリング174a,174bの捩り剛性より小さく設定することにより、第2トーションスプリング274a,274bが捩り特性に寄与したときの捩り剛性を、穏やかに変更することができる。すなわち、捩り剛性が急激に変化しない多段特性を、形成することができる。
さらに、本ロックアップ装置7では、回転規制手段72e、73cによって、3段目の捩り特性の上限が、設定される。このように、回転規制手段72e、73cによって3段目の捩り特性の上限を設定することにより、捩り角度θが所定の大きさ以上になったときに、トルクを、入力側から出力側へと確実に伝達することができる。
[スプリングホルダーの有利な効果]
本スプリングホルダー75では、外周側支持部175aの外周端が係合部から回転方向に離反するにつれて、外周側支持部175aの外周端の曲率が連続的に小さくなっているので、遠心力の発生に伴いスプリングホルダー75に発生し得る応力集中を、低減することができる。特に、外周側支持部175aの回転方向中央部においては、外周側支持部175aの外周端が平面形状に形成されているので、遠心力の発生に伴いスプリングホルダー75に発生し得る応力集中を、確実に低減することができる。
また、本スプリングホルダー75では、スプリングホルダー75の外周側支持部175aの外周端の曲率の小さい部分や、外周側支持部175aの回転方向中央部の平面部分から、ロックアップ装置7を容易に組み立てることができる。
また、本スプリングホルダー75では、連結部175cが、ピストン71と、トーションスプリング74a,74bとの軸方向間に配置されているので、連結部175cが座屈しづらくなり、スプリングホルダー75の強度を向上することができる。
また、本スプリングホルダー75では、内周側延長部175bが、連結部175cからトーションスプリング74a,74b側に向けて湾曲した部分によって、座屈しづらくなり、スプリングホルダー75の強度を向上することができる。また、内周側延長部175bは、トーションスプリング74a,74bの内周側から離反する方向に延びているので、スプリングホルダー75の半径方向の曲げ剛性を、増大することができる。
さらに、本スプリングホルダー75では、スプリングホルダー75の係合部275には、湾曲部275aの両端部を内方に折り曲げた係止部275b,275cが形成されているので、この係止部275b,275cをトーションスプリング74a,74bは確実に係止することができる。また、係止部275b,275cは、湾曲部275aの両端部を内方に折り曲げることにより形成されているので、係止部275b,275cが座屈しづらくなり、スプリングホルダー75の強度を向上することができる。そして、係止部275b,275cの半径方向の曲げ剛性を、増大することができる。
[他の実施形態]
(a)前記実施形態では、第2トーションスプリング274aの線間密着によって、第2の圧縮状態J2から第3の圧縮状態J3へと移行する場合の例を示したが、このような圧縮状態の移行は、第1トーションスプリング174a,174bの線間密着によっても実現することができる。たとえば、対をなす第1トーションスプリング174a,174bのいずれか一方の捩り剛性と、対をなす第1トーションスプリング174a,174bのいずれか他方の捩り剛性とを、異なる剛性に設定する。そして、第2の圧縮状態J2において、対をなす第1トーションスプリング174a,174bのいずれか一方に線間密着を発生させることにより、圧縮状態を、第2の圧縮状態J2から第3の圧縮状態J3へと移行することができる。すなわち、捩り特性の第3勾配D3を設定することができる。このようにしても、トリリニア型の捩り特性を、設定することができる。
本発明は、トルクを伝達するとともに捩り振動を吸収・減衰するためのトルクコンバータのロックアップ装置に、利用可能である。
7 ロックアップ装置
71 ピストン
72 ドライブプレート
73 ドリブンプレート
74,74a,74b トーションスプリング
174,174a,174b 第1トーションスプリング
274,274a,274b 第2トーションスプリング
75 スプリングホルダー
175 支持部
175a 外周側支持部
175c 側面支持部
175b 内周側延長部
275 係合部
275a 湾曲部
275b,275c 係止部
72e,73c 回転規制手段
D1 捩り特性の第1勾配
D2 捩り特性の第2勾配
D3 捩り特性の第3勾配

Claims (5)

  1. トルクを伝達するとともに捩り振動を吸収・減衰するためのトルクコンバータのロックアップ装置であって、
    入力回転部材と、
    出力回転部材と、
    前記入力回転部材と前記出力回転部材とを回転方向に弾性的に連結するための弾性部材と、
    前記弾性部材を支持する支持部と、前記支持部に一体に形成され前記弾性部材に回転方向に係合する係合部とを有し、前記入力回転部材と前記出力回転部材とに対して相対回転可能に配置されたサポート部材と、
    を備え、
    前記支持部は、前記弾性部材の外周側を支持する外周側支持部を有し、前記外周側支持部の外周端は、回転方向に前記係合部から離反するにつれて、曲率が連続的に小さくなっている、
    トルクコンバータのロックアップ装置。
  2. 前記外周側支持部の外周端は、前記外周側支持部の回転方向中央部において、平面形状に形成されている、
    請求項1に記載のトルクコンバータのロックアップ装置。
  3. 前記支持部は、前記弾性部材の側面を支持する側面支持部を、さらに有し、前記側面支持部は、前記入力回転部材と前記弾性部材との間に配置される、
    請求項1又は2に記載のトルクコンバータのロックアップ装置。
  4. 前記支持部は、前記弾性部材の内周側から離反する方向に延びる内周側延長部を、さらに有し、前記内周側延長部は、前記側面支持部から前記弾性部材側に向けて湾曲し、前記弾性部材の内周側から離反する方向に延びている、
    請求項1から3のいずれかに記載のトルクコンバータのロックアップ装置。
  5. 前記係合部は、湾曲部と、回転方向において前記弾性部材に係止され前記湾曲部の両端部を内方に折り曲げた係止部とを有している、
    請求項1から4のいずれかに記載のトルクコンバータのロックアップ装置。


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