JP2008208855A - トルクコンバータのロックアップダンパ装置 - Google Patents

トルクコンバータのロックアップダンパ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 トルクコンバータ内に収容され、タービンランナとピストンとを弾性的に連結し、上記ピストンが係合したロックアップ状態において、エンジンのトルク変動を吸収するロックアップダンパ装置の提供。
【解決手段】 ロックアップダンパ装置10は複数本のダンパスプリング8,8・・、9,9・・を備え、内径側に配置したダンパスプリング8,8・・と外径側に配置したダンパスプリング9,9・・を、間に第2セパレータ16を介在して直列状態で配列し、エンジンの回転数の低い速度領域であってもピストン4がフロントカバー6に係合してロックアップ状態とすることが出来る。
【選択図】 図1

Description

本発明はトルクコンバータのロックアップダンパ装置であって、異なる半径上に配列した複数のダンパスプリングをセパレータを介して直列状態で連結したロックアップダンパ装置に関するものである。
トルクコンバータとは周知の通りエンジンの動力を、作動流体を媒体としてトランスミッションへ伝えることが出来る一種の継手であり、エンジンによって回されるポンプインペラ、そして該ポンプインペラの回転により送り出される作動流体の動きを受けて回るタービンランナ、さらにタービンランナから出た作動流体の向きを変えてポンプインペラへ導くステータから構成されている。
そこで、これらポンプインペラ、タービンランナ、及びステータには複数枚のブレードが所定の角度をもって一定間隔で配列されている。トルクコンバータ内に封入されている作動流体は、ポンプインペラからその各ブレードを介して外周方向へ送り出され、トルクコンバータのケース内壁を伝い、タービンランナのブレードに当って該タービンランナをポンプインペラと同方向に回す働きをする。又タービンランナに当たってから送り出される作動流体は、ステータのブレードに当たってポンプインペラの回転を助長する方向に流れ方向が変えられ、再び内周からポンプインペラに流入する。
図12は従来のトルクコンバータの断面を示している。同図の(イ)はポンプインペラ、(ロ)はタービンランナ、(ハ)はステータ、そして(ニ)はピストンをそれぞれ示し、これらはトルクコンバータ外殻(ホ)内に収容されている。そこでエンジンからの動力を得てフロントカバー(ヘ)が回転し、該フロントカバー(ヘ)と一体となっているポンプインペラ(イ)が回転し、その結果、作動流体を媒介としてタービンランナ(ロ)が回る。
そしてタービンランナ(ロ)のタービンハブ(ト)には軸(図示なし)が嵌って、タービンランナ(ロ)の回転をトランスミッション(図示なし)へ伝達することが出来る。トルクコンバータは一種の流体クラッチである為、ポンプインペラ(イ)の回転速度が低い場合には、タービンランナ(ロ)の回転を停止することが出来(車を停止することが出来)、しかしポンプインペラ(イ)の回転速度が高くなるに従ってタービンランナ(ロ)は回り始め、さらに高速になるにつれてタービンランナ(ロ)の速度はポンプインペラ(イ)の回転速度に近づく。しかし作動流体を媒介としているトルクコンバータでは、タービンランナ(ロ)の回転速度はポンプインペラ(イ)と同一速度にはなり得ない。
そこで、同図にも示しているようにトルクコンバータ外殻(ホ)内にはピストン(ニ)が設けられていて、タービンランナ(ロ)の回転速度が所定の領域を越えた場合には、該ピストン(ニ)が軸方向に移動してフロントカバー(ヘ)に係合するように作動する。ピストン外周には摩擦材(チ)が取り付けられている為に、該ピストン(ニ)は滑ることなくフロントカバー(ヘ)と同一速度で回転することが出来る。そしてこのピストン(ニ)はタービンランナ(ロ)と連結していて、タービンランナ(ロ)はピストン(ニ)によって直接回されることになり、エンジンからの動力をトランスミッションへ、流体を介することによるロスを伴うことなくほぼ100%の高効率で伝達することが出来る。
このように、タービンランナ(ロ)の回転速度が高くなって、ある条件になった時に、ピストン(ニ)はフロントカバー(ヘ)に係合するが、しかし係合前は、タービンランナ(ロ)とフロントカバー(ヘ)の回転速度は完全に同一ではない為に、ピストン(ニ)がフロントカバー(ヘ)に係合することで、速度差に基づく衝撃が発生する。この係合時の衝撃を緩和し、一方では係合後にエンジンのトルク変動を伝えない為にピストン(ニ)とタービンランナ(ロ)との間にはダンパスプリング(リ)、(リ)…、を備えたロックアップダンパ(ヌ)が取り付けられている。
したがって、タービンランナ(ロ)と共に同一速度で回転しているピストン(ニ)が僅かに速いフロントカバー(ホ)に係合する際、ピストン(ニ)の速度は瞬間的に高くなってタービンランナ(ロ)をより速く回そうとするトルクが作用する。この衝撃的トルクをダンパスプリング(リ)、(リ)…が圧縮変形して吸収するように構成されている。ピストン(ニ)はタービンランナ(ロ)のタービンハブ(ト)に同軸を成して取り付けられているが、ダンパスプリング(リ)、(リ)・・の圧縮変形によって上記タービンランナ(ロ)と位相差を生じることが出来る構造となっている。
従来において、ロックアップダンパの構造は色々知られているが、例えば特開平10−169714号に係る「ダンパー機構」は、広い捩れ角特性確保の為に中間部材を介して直列に連結された複数の弾性部材(ダンパスプリング)を外周部に配置したダンパー機構で、中間部材を含む弾性部材の連結部分の移動を規制し、ダンパー特性を安定させることを目的としている。
そこで、該ロックアップダンパ機構は、リティニングプレートと、ドリブン部材と、外周部において直列に配置されるコイルスプリングと、中間部材と、中間部材の軸方向の移動を規制する押さえプレートとを備えている。コイルスプリングは、リティニングプレートとドリブン部材とを弾性的に連結する。この場合、中間部材は、リティニングプレート及びドリブン部材に対して相対回転可能で、コイルスプリング間に配置される中間支持部と、中間支持部の径方向外側への移動を規制する環状の連結部とを有している。
図13は従来のロックアップダンパ(ヌ)を示す具体例である。このロックアップダンパ(ヌ)は中間部材(ル)を備えてダンパスプリング(リ)、(リ)を直列状態で取付けている。すなわち、ピストン側バネ押え(オ)とタービン側バネ受け(ワ)、(カ)を有し、ピストン側バネ押え(オ)はタービン側バネ受け(ワ)、(カ)にて挟まれている。
そして、タービン側バネ受け(ワ)、(カ)に形成したバネ収容空間(ヨ)に2本のダンパスプリング(リ)、(リ)が収容され、両ダンパスプリング(リ)、(リ)の間には中間部材(ル)の中間支持部(タ)が介在していて、ダンパスプリング(リ)、(リ)は直列状態にある。そして、中間支持部(タ)を介在して直列状態にある2本のダンパスプリング(リ)、(リ)と隣り合う2本のダンパスプリング(リ)、(リ)の間にはリング状のピストン側バネ押え(オ)の内側へ突出したバネ押え部(レ)が介在している。
ところで、ピストン(ニ)がフロントカバー(ヘ)に係合する場合、該ピストン(ニ)の回転速度が瞬間的に高くなり、その結果、該ピストン(ニ)と外周にて係合しているピストン側バネ押え(オ)の回転速度も高くなり、直列状態にあるダンパスプリング(リ)、(リ)は適度に圧縮変形する。この圧縮変形によってピストン(ニ)がフロントカバー(ヘ)に係合する際の衝撃トルクが緩和される。
上記ダンパスプリング(リ)、(リ)・・を直列状態に配列することで、大きな圧縮変形を実現することが出来る為に、比較的小さな衝撃トルクを吸収することが出来る。しかし、従来のロックアップダンパ装置は図13のように2本のダンパスプリング(リ)、(リ)を直列した配列形態であり、同一半径上にこれ以上の本数のダンパスプリング(リ)、(リ)・・を配列することは困難である。
特開平10−169714号に係る「ダンパー機構」
このように従来のトルクコンバータにおいて、ロックアップダンパのダンパスプリングを直列状態で連結しているが、更に多くの本数のダンパスプリングを直列するにはスペース上の問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点であり、多数のダンパスプリングを直列状態で連結することで、より低いエンジン回転数においてピストンがフロントカバーに係合してロックアップ状態にすることが出来るロックアップダンパ装置を提供する。
本発明が対象とするトルクコンバータのロックアップダンパ装置は、ダンパスプリングを直列状態に連結することで、ピストンがフロントカバーに係合する際の衝撃トルクを効率よく緩和するように捩れ角度を拡大することが出来る。しかも、ダンパスプリングは同一半径上での直列形態でなく、異なる半径上に配列したダンパスプリングを直列している。
内径側には複数のダンパスプリングが対を成して直列し、この対を成したダンパスプリングの組みを複数個所に配置し、同じく外径側にも複数のダンパスプリングが対を成して直列し、この対を成したダンパスプリングの組みを複数個所に配置している。ところで、内径側に配置した複数のダンパスプリングを直列するために中間支持部となる第1セパレータを回転自在に取付け、同じく外径側に配置した複数のダンパスプリングを直列するための中間支持部となる第2セパレータを回転自在に取付けている。
更に、内径側のダンパスプリングと外径側のダンパスプリングを直列するために第3セパレータを回転自在に取付けている。そして、ピストンには入力側プレートが固定されてダンパスプリングを拘束し、一方タービン側には出力側ディスクが取着されて、上記内径側ダンパスプリング又は外径側ダンパスプリングと連結している。ただし、本発明は内径側ダンパスプリングの配列形態及び外径側ダンパスプリングの配列形態は限定しないこととし、又入力側に配置したダンパスプリングとピストンとの連結構造及び出力側に配置したダンパスプリングとタービンランナとの連結構造は限定しないことにする。
本発明が対象とするロックアップダンパ装置はダンパスプリングを直列状態で配列している為に、ピストンがフロントカバーに係合する際に大きく伸縮変形することができ、衝撃を抑制する効果が大きい。特に、本発明では内径側と外径側に夫々ダンパスプリングを配置すると共に、これらのスプリングを直列状態で配列している為にバネ係数は小さくなって、比較的小さな衝撃トルクも吸収することが出来る。
その為に、エンジンの回転数が低い速度領域であってもピストンをフロントカバーに係合させてロックアップ状態とすることが可能と成り、ひいては燃費の向上に結び付く。従来の直列形態ではダンパスプリングのバネ係数が大きくて、エンジンの回転数が低い領域でロックアップ状態とするならば、ダンパスプリングの圧縮変形量が小さくてタービン側へ大きな衝撃トルクとしてダイレクトに伝わる。
そして、本発明では、内径側と外径側のダンパスプリングを直列に配置することで、バネ係数は小さくなって衝撃トルクを受けた際の圧縮変形量は拡大するが、ダンパスプリング内に補助ダンパスプリングを収容することで変形量がある領域を超えた場合のバネ係数を大きくすることが出来、又ストッパーを設けることでピストンとタービンランナとの相対回転角を規制している。
図1は本発明のロックアップダンパ装置を備えたトルクコンバータを表している断面図である。基本的な構造は前記図1に示している従来のトルクコンバータと共通しており、同図の1はポンプインペラ、2はタービンランナ、3はステータ、そして4はピストンをそれぞれ示し、これらはトルクコンバータ外殻5内に収容されている。エンジンからの動力を得てフロントカバー6が回転し、該フロントカバー6と一体となっているポンプインペラ1が回転し、その結果、作動流体を媒介としてタービンランナ2が回る。
そしてタービンランナ2のタービンハブ7には軸(図示なし)が嵌って、タービンランナ2の回転をトランスミッション(図示なし)へ伝達することが出来る。
そして、トルクコンバータ外殻5内に設けているピストン4はタービンランナ2の回転速度が所定の領域を越えた場合には軸方向に移動してフロントカバー6に係合し、該ピストン4は滑ることなくフロントカバー6と同一速度で回転することが出来る。そしてこのピストン4はタービンランナ2と連結していて、タービンランナ2はピストン4によって直接回されることになる。
このように、タービンランナ2の回転速度が高くなって、ある条件になった時に、ピストン4はフロントカバー6に係合するが、しかし係合前は、タービンランナ2とフロントカバー6の回転速度は完全に同一ではない為に、ピストン4がフロントカバー6に係合することで、速度差に基づく衝撃が発生する。この係合時の衝撃を緩和し、一方では係合後にエンジンのトルク変動を伝えない為にピストン4とタービンランナ2との間にはダンパスプリング8,8・・、及びダンパスプリング9,9・・を備えたロックアップダンパ装置10が取り付けられている。
本発明はこのロックアップダンパ装置に特徴があり、特にダンパスプリング8,8・・、及びダンパスプリング9,9・・の配列形態に特徴を有している。タービンランナ2と共に同一速度で回転しているピストン4が僅かに速いフロントカバー6に係合する際、ピストン4の速度は瞬間的に高くなってタービンランナ2をより速く回そうとするトルクが作用する。この衝撃的トルクをダンパスプリング8,8・・、及びダンパスプリング9,9・・が圧縮変形して吸収するように構成されている。
図1に示すように、該ロックアップダンパ装置10は内径側にダンパスプリング8,8・・が配置され、外径側にはダンパスプリング9,9・・が配置されている為に、衝撃トルクを吸収・緩和する能力が向上している。すなわち、比較的小さな衝撃トルクを吸収できるように構成している。
図2はロックアップダンパ装置の正面図を示す実施例であり、ピストン4には円盤状のプレート11がリベット12,12・・を介して固定され、該プレート11の3箇所にはバネ収容部13,13,13を設け、これらバネ収容部13,13・・には内径側のダンパスプリング8,8・・がピストン4との間に収容されている。そして、1つのバネ収容部13には2本のダンパスプリング8,8が収容され、両ダンパスプリング8,8の間には第1中間支持部14が介在して直列状態で配列している。その為に、プレート11とピストン4の間には上記第1中間支持部14,14・・を形成した第1セパレータ15が回転出来るように取付けられている。
又、プレート11とピストン4の間には第2セパレータ16が回転可能に取付けられている。プレート11はピストン4との間にスペーサ17を介在してリベット止めされていることで、上記第2セパレータ16の回転は保障されている。そして、ピストン4にリベット止めされているプレート11の外周と第2セパレータとの間には第2バネ収容部18,18・・が設けられ、1つの第2バネ収容部18には2本のダンパスプリング9,9が収容されている。
2本のダンパスプリング9,9は間に第2中間支持部19が介在して直列状態で配列しているが、その為に、ピストン4の内周には第2中間支持部19,19・・を形成した第3セパレータ20が回転出来るように取付けられている。本発明のロックアップダンパ装置10は内径側に2本のダンパスプリング8,8を直列して第1バネ収容部13に収容し、外径側にも2本のダンパスプリング9,9を直列して第2バネ収容部18に収容している。そして、直列状態にある内径側のダンパスプリング8,8と直列状態にある外径側のダンパスプリング9,9を直列状態で連結している。
上記第2セパレータ16は内径側のダンパスプリング8,8と外径側のダンパスプリング9,9を直列状態に連結することが出来る。図3はロックアップダンパ装置10の内部構造を示している実施例である。そして図4はロックアップダンパ装置10を構成するプレート11を表している。該プレート11は中央に穴を有し、その周りに第1バネ収容部13,13,13を3箇所に設け、外周にはダンパスプリング9,9・・のバネ受け21,21,21を形成している。
図5は第1セパレータ15を単独で表しているが、リング状の第1セパレータ15の内周には第1中間支持部14,14,14を3箇所に設けている。この第1中間支持部14は第1バネ収容部13に収容された2本のダンパスプリング8,8の間に介在して直列に配列する。そこで、ピストン4に固定されたプレート11がタービン2に対して速く回転するならば、第1バネ収容部13に収容されたダンパスプリング8,8は圧縮変形し、それに伴って間に介在する第1中間支持部14が移動し、第1セパレータ15は回転することが出来る。
そして、第1中間支持部14を介して直列した2本のダンパスプリング8,8は第2セパレータ16に設けているバネ受け22に一方端が当り、ピストン4と共にプレート11が回転するならば、2本のダンパスプリング8,8は圧縮変形して上記バネ受け22を押圧する。その結果、ピストン4とプレート11の間に取付けられている第2セパレータ16は回転することが出来る。
図6は第2セパレータ16を単独で表している実施例である。第2セパレータ16は概略リング体を成し、内周には上記バネ受け22,22,22が3箇所に設けられ、該バネ受け22,22,22と同じ位置の外周側にはバネ押え23,23,23を設けている。外径側のダンパスプリング9,9・・は第2セパレータ16の外輪24と前記プレート11の外周に設けたバネ受け21との間に形成される第2バネ収容部18,18・・に収容され、バネ押え23,23の間には2本のダンパスプリング9,9が直列に配置されている。そして、上記外輪24には第2バネ収容部18,18・・に収容されたダンパスプリング9,9・・が、タービンランナ2の側へ移動しないようにガイド部32,32・・を形成している。
図7は第3セパレータ20を示している実施例であり、リング体の第3セパレータ20には内周の3箇所に第2中間支持部19,19,19を設けている。
この第3セパレータ20の内径側にダンパスプリング9,9・・が配置され、そして内周に設けた第2中間支持部19,19,19は上記第2バネ収容部18,18,18に2本が対を成して収容された上記ダンパスプリング9,9・・の間に介在することで、ダンパスプリング9,9・・は直列に連結される。
そこで、内径側のダンパスプリング8,8・・が圧縮変形してバネ受け22,22・・が押圧され、その結果、第2セパレータ16が回転するならば、第2セパレータのバネ押え23,23・・に押されて外径側のダンパスプリング9,9・・は圧縮変形する。そして、上記ダンパスプリング9,9・・の圧縮・移動に伴ってタービンランナ2と共にタービンハブ7に取付けられている出力側ディスク31の外周に設けているバネ受け25,25・・を押圧することになる。図8は出力側ディスクの具体例である。
ここで、ダンパスプリング9,9・・は第3セパレータ20の内径側に配置されて、圧縮変形と共に第3セパレータ20は回転する。その為にダンパスプリング9,9・・は第3セパレータ20との摩擦滑りが少なく、ダンパスプリング9,9・・のヒステリシスを抑制できる。
図14はダンパスプリング(リ)、(リ)・・がピストン(ニ)の内周面に接した状態で配置されている従来のトルクコンバータを示している。このようにダンパスプリング(リ)、(リ)・・がピストン内周面に接していることで、中間支持部(タ)を介して直列する場合、ダンパスプリング(リ)、(リ)・・の圧縮変形に伴い中間部材(ル)が回転し、各ダンパスプリング(リ)、(リ)・・はピストン(ニ)の内周面との間に摩擦滑りを発生する。
ところが、本発明ではダンパスプリング9,9・・の外径側には第3セパレータ20が存在している。そして、第3セパレータ20の内側に第2中間支持部19,19・・が設けられて、上記ダンパスプリング9,9・・を直列状態で連結していることから、第3セパレータ20の回転に伴うダンパスプリング9,9・・との摩擦滑りは発生しない。
バネ受け25,25・・は第2セパレータ16に形成しているバネ押え23,23・・と同じ位置に設けられ、第2バネ収容部18,18・・に2本が対を成して収容されているダンパスプリング9,9・・の両端は出力側ディスク31のバネ受け25,25・・に当っている。そして、出力側ディスク31の内径側にはストッパー26,26,26が3箇所に設けられている。このストッパー26,26,26には図4に示すプレート11の内径側に形成している当り片27,27,27が当接する。
すなわち、ダンパスプリング8,8・・、及びダンパスプリング9,9・・が大きく変形する場合には。プレート11の当り片27,27・・が出力側ディスク31のストッパー26,26・・に当って停止する。又、外径側に配置したダンパスプリング9,9・・の内径部には補助ダンパスプリング28,28・・が嵌って組み合わされており、ダンパスプリング9,9・・の圧縮変形が大きくなれば、第2セパレータ16のバネ押え23,23・・は補助ダンパスプリング28、28・・に当る。
該補助ダンパスプリング28,28・・はバネ係数が大きくて、バネ押え23,23・・が当るならば、第2セパレータ16の回転を抑えるように働く。上記ストッパー26,26・・には補助ダンパスプリング28,28・・がある程度圧縮変形したところでプレート11の当り片27,27・・が当接して回転が阻止される。
図9は本発明に係るロックアップダンパ装置10を備えたトルクコンバータの他の実施例である。前記図1のトルクコンバータとほぼ同じ構造であるが、出力側ディスクの形態を異にしている。図9の出力側ディスク29はタービンランナ2の外周に取着されており、ストッパー30がタービンハブ7に固定されている。図10は上記出力側ディスク29を単独で表し、図11はストッパー30を示している。
本発明のロックアップダンパ装置を備えたトルクコンバータ。 本発明に係るロックアップダンパ装置の正面図。 ロックアップダンパ装置の内部構造。 ロックアップダンパ装置を構成するプレート。 ロックアップ装置を構成する第1セパレータ。 ロックアップダンパ装置を構成する第2セパレータ。 ロックアップダンパ装置を構成する第3セパレータ。 タービンハブに固定される出力側ディスク。 本発明に係るロックアップダンパ装置を備えたトルクコンバータ。 タービンランナ外周に取着される出力側ディスク。 ロックアップダンパ装置を構成するストッパー。 従来のトルクコンバータ。 従来のロックアップダンパ装置。 従来のトルクコンバータ。
符号の説明
1 ポンプインペラ
2 タービンランナ
3 ステータ
4 ピストン
5 トルクコンバータ外殻
6 フロントカバー
7 タービンハブ
8 ダンパスプリング
9 ダンパスプリング
10 ロックアップダンパ装置
11 プレート
12 リベット
13 第1バネ収容部
14 第1中間支持部
15 第1セパレータ
16 第2セパレータ
17 スペーサ
18 第2バネ収容部
19 第2中間支持部
20 第3セパレータ
21 バネ受け
22 バネ受け
23 バネ押え
24 外輪
25 バネ受け
26 ストッパー
27 当り片
28 補助ダンパスプリング
29 出力側ディスク
30 ストッパー
31 出力側ディスク
32 ガイド部

Claims (7)

  1. トルクコンバータ内に収容され、タービンランナとピストンとを弾性的に連結し、上記ピストンが係合したロックアップ状態において、エンジンのトルク変動を吸収するロックアップダンパ装置において、該ロックアップダンパ装置は複数本のダンパスプリングを備え、内径側に配置したダンパスプリングと外径側に配置したダンパスプリングを、間にセパレータを介在して直列状態で配列したことを特徴とするトルクコンバータのロックアップダンパ装置。
  2. トルクコンバータ内に収容され、タービンランナとピストンとを弾性的に連結し、上記ピストンが係合したロックアップ状態において、エンジンのトルク変動を吸収するロックアップダンパ装置において、該ロックアップダンパ装置は複数本のダンパスプリングを備え、内径側の複数個所に設けたバネ収容部に収容されると共に回転可能に取付けられるセパレータに設けた中間支持部を間にして対を成している複数のダンパスプリングを直列し、又外径側の複数個所に設けたバネ収容部に収容されると共に回転可能に取付けられる別のセパレータに設けた中間支持部を間にして対を成している複数のダンパスプリングを直列し、これら内径側のダンパスプリングと外径側のダンパスプリングをさらに別のセパレータにて直列状態で連結し、入力側のダンパスプリングをピストンに連結し、出力側のダンパスプリングをタービンランナ側と連結したことを特徴とするトルクコンバータのロックアップダンパ装置。
  3. ダンパスプリングの内径部にバネ係数の大きな補助ダンパスプリングを嵌めた請求項2記載のトルクコンバータのロックアップダンパ装置。
  4. 外径側のダンパスプリングを第3セパレータの内径側に配列し、第2中間支持部を間に介在して直列した請求項2、又は請求項3記載のトルクコンバータのロックアップダンパ装置。
  5. 外径側ダンパスプリングがタービンランナ側へ移動しないように第2セパレータの外周にガイド部を形成した請求項2、請求項3、又は請求項4記載のトルクコンバータのロックアップダンパ装置。
  6. 第3セパレータはピストンと第2セパレータによって軸方向移動が規制されている請求項2、請求項3、請求項4、又は請求項5記載のトルクコンバータのロックアップダンパ装置。
  7. 第1セパレータ及び第2セパレータは、ピストンとプレートによって軸方向移動が規制されている請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、又は請求項6記載のトルクコンバータのロックアップダンパ装置。
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