JP2011179044A - ニッケル微粉及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子部品材料用として好適な分散性に優れた均一なニッケル微粉と、還元温度の変動の影響を抑制して品質の変動が少なく生産性が高いニッケル微粉の製造方法を提供する。
【解決手段】 酸化ニッケル粉の造粒体を還元性雰囲気中で還元してニッケル微粉を製造する方法であって、酸化ニッケル粉の造粒体を積層し、積層物中の造粒体間の空隙に還元性ガスを流通させ、積層物内に流通させる還元性ガスの流量を、積層物中の空隙の総容積を還元性ガスが流通する積層物の直線距離で除した値である平均流通面積で除して求めた平均ガス速度が、0.005m/s以上となるように還元性ガスを維持し、酸化ニッケル粉の造粒体を還元する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ニッケル微粉及びその製造方法に関するものである。詳しくは、電子部品用の材料として好適な、粒子径が小さく分散性に優れたニッケル微粉とその粒子を均一に生産性良く製造する方法に関する。
1.0μm以下の粒子径を有するニッケル微粉は、積層セラミックコンデンサ等の電子部品の導電体形成用材料として広く使用されている。ニッケル微粉を積層型の導電体形成材料として使用した場合、性能を向上させるためには積層数を増加させることが有効な手段となるが、積層数の増加は電子部品の大型化の原因となるため、これを防ぐためには一層あたりの厚みを薄くする必要がある。電極層を薄層化する場合、その材料となるニッケル微粉には、粒子径が小さいこととともに高い分散性が要求される。例えば、多数の粒子が凝集したニッケル微粉を使用した場合には、形成される電極の厚みがばらつき、容量の低下や短絡等の原因となる。したがって、電子部品材料用のニッケル微粉に関しては、ニッケル微粉の分散性の確保が重要な課題となる。
電子部品材料用として一般に用いられる粒子径1.0μm以下のニッケル微粉は、気相還元法、湿式還元法、噴霧熱分解法、蒸発凝集法等の技術により製造されている。しかしながら、電子部品の小型化や高容量化に伴い、従来よりも粒子径が小さく、かつ、分散性が優れた粒子への要求が大きくなると、それぞれ以下のような欠点が顕在化し、その改善が求められている。
すなわち、気相還元法、噴霧熱分解法、蒸発凝集法に代表される気相粒子合成法においては、分散性に優れた粒子を製造するためには、粒子の生成密度を小さく制御する必要があり製造コストが大きくなってしまう問題がある。一方で、生産性を重視した場合には、連結粒子や粗大粒子の発生が起こりやすく、これを除去するためには分級操作を繰り返す必要が生じるため、やはりコストの増大という問題が発生する。
また、湿式還元法によるニッケル微粉の製造は、粒子径が微細で分散性に優れた粒子の製造方法として適している。しかしながら、湿式還元法によりニッケル微粉を製造する場合、多量の還元剤を用いるとともに表面に分散剤等を吸着させる方法が一般的であり、不純物含有量の増加や製造時に発生する廃液の処理コストが増大する等の問題がある。
一方で、複雑な設備を必要とせず、比較的低コストであるニッケル微粉の製造方法として酸化物粉末還元法がある。この方法は、湿式中和法によりニッケル塩を中和して水酸化ニッケルを晶析し、得られた水酸化ニッケルをそのまま用いるか、あるいは熱処理により酸化物へ変換した後、水素等の還元性ガス雰囲気下で還元処理することによりニッケル微粉を製造する方法である。
この酸化物粉末還元法を利用した粒径が1μm以下のニッケル微粉を得るための技術として、例えば特許文献1には以下の技術が開示されている。すなわち、特許文献1には、40〜80℃の範囲で可能な限り一定温度に保持されたスラリーに、含ニッケル溶液を連続的に添加しつつ、かつスラリーpH値を8.0〜9.5の範囲で可能な限り一定に保持するようにしてアルカリ溶液を添加し、水酸化ニッケルを生成させる。次いで、そのスラリーを濾過水洗し、乾燥させて水酸化ニッケルを得て、その後400〜500℃の温度で水素ガスを用いて加熱還元することによってニッケル粉を得る方法が開示されている。しかしながら、この特許文献1に開示の方法では、還元時に生成したニッケル粉が凝集又は焼結し、分散性に優れたニッケル粉が得られないという問題がある。
この解決策として、例えば特許文献2には、還元時のニッケル粉の凝集又は焼結を防止し、分散性を改善するために、ニッケル化合物と焼結防止剤の混合物を還元する方法が開示されている。すなわち、特許文献2には、ニッケル水溶液にアルカリ金属化合物を添加して中和反応に付し、ニッケル化合物と焼結防止剤を含むスラリーを形成するスラリー調整工程と、得られるスラリーを乾燥して、ニッケル化合物と焼結防止剤の混合物を生成する乾燥工程と、得られる混合物を水素還元に付し、金属ニッケル粒子を含む還元生成物を形成する還元工程と、その還元生成物を水溶液に浸出し、金属ニッケル粒子を得る湿式処理工程とを含むニッケル粉末の製造方法が開示されている。しかしながら、この方法で製造されるニッケル粉末は、平均粒径が0.1μm未満と微細であるため、電子部品用材料としては用途が限定されてしまうという問題がある。そしてさらに、多量に含まれる焼結防止剤を洗浄する必要があり、コスト的にも安価とはいえないという問題がある。
また、金属化合物を還元して得られる金属粉の凝集又は焼結を防止する方法として、例えば特許文献3には、金属化合物を造粒し、その造粒物を還元する方法が開示されている。すなわち、特許文献3には、鉄化合物粉末の造粒物をガス流通可能な構造の搬送容器に載置し、その搬送容器を加熱還元反応炉に搬送して、鉄化合物粉末の造粒物を還元性ガスの存在下で加熱還元する金属磁性粉の製造方法が開示されている。この方法によれば、鉄化合物粉末の形骸粒子の形状変化や形骸粒子間の焼結がない金属磁性粉末を、工業的に有利に製造することができるとされている。しかしながら、この方法をニッケル微粉に適用した場合、ニッケル酸化物粉末の還元時には、鉄化合物粉末の還元とは異なり粉末形状が大きく変化することから、鉄化合物粉末と同様の方法が適用できるかは不明である。
さらに、これらの方法は、いずれも還元反応によりニッケル微粉が形成される過程における粒子の焼結を制御し、目的とする微細なニッケル微粉を得る方法である。したがって、これらの技術の効果を十分に発揮させるためには、化学反応を均一に制御することが重要となる。
すなわち、反応速度のバラツキが大きい場合には、先に還元されたニッケル粒子が過度の熱処理を受けることになり、結果として焼結による粗大粒子が発生してしまう可能性が高くなる。また、後から還元された粒子は還元が不十分な状態となりやすいために先に還元されたニッケル粒子とは物性のバラツキが大きくなる。このような反応速度のバラツキを抑えるために、例えば静置式還元処理の場合では原料を充填する厚みを薄くする必要があり、処理量を増加する場合にはそれに合わせた大型の還元炉が必要になる等の問題があり、その結果酸化物粉末還元法の低コスト性を十分に発揮できない可能性がある。また、処理量を増加した場合には、処理中の原料の温度が不均一になりやすく、温度が不均一になると反応速度が不均一となってニッケル微粉の品質も不均一となる。温度を均一にするためには非常に厳密な温度管理が必要となるが、通常の還元炉では困難である。
このように、現状においては、電子部品材料用として分散性が十分に確保されたニッケル微粉を均一に製造することと、高い生産性で製造することとを両立するのは困難であった。
特開2003−213310号公報 特開2000−212609号公報 特開平10−280013号公報
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑み、電子部品材料用として好適な分散性に優れた均一なニッケル微粉と、還元温度の変動の影響を抑制して品質の変動が少なく生産性が高いニッケル微粉の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために、複雑な設備を必要とせず、コスト低減が期待できる酸化物粉末還元法に着目し、電子部品材料用として好適な分散性に優れたニッケル微粉を、品質の変動が少なく生産性高く製造する製造方法について鋭意検討を重ねた。その結果、酸化ニッケル粉の造粒体を用いて酸化ニッケル粉を還元する際に、造粒体間の空隙を流通する還元性ガス量が還元の均一性に大きな影響を及ぼすこと、及びその還元性ガス量を特定量以上に維持することで品質の変動を抑制して多量の酸化ニッケル粉を還元し、分散性に優れたニッケル微粉を得ることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係るニッケル微粉の製造方法は、酸化ニッケル粉の造粒体を還元性雰囲気中で還元してニッケル微粉を製造する方法であって、上記酸化ニッケル粉の造粒体を積層し、積層物中の造粒体間の空隙に還元性ガスを流通させ、上記積層物内に流通させる上記還元性ガスの流量を、該積層物中の空隙の総容積を該還元性ガスが流通する該積層物の直線距離で除した値である平均流通面積で除して求めた平均ガス速度が0.005m/s以上となるように上記還元性ガスを維持し、上記酸化ニッケル粉の造粒体を還元することを特徴とする。
ここで、還元性ガスを流通させるに際しては、上記酸化ニッケルの造粒体の積層物をガス透過性物によって保持することが好ましい。
また、その還元性ガスは、酸化ニッケル粉の造粒体の積層物の下方から流入させ、積層物の上方から反応後のガスを排出させて流通させることが好ましい。さらに、その還元性ガスは、水素を含むガスであることが好ましい。
また、還元時における温度が、350〜450℃であることが好ましい。さらに、還元性ガスを加熱して流通させることが好ましい。
またさらに、酸化ニッケル粉の造粒体の含有水分率が、5質量%以下であることが好ましい。
また、本実施の形態に係るニッケル微粉は、上述した製造方法で得られたニッケル微粉であり、酸素含有量が1質量%以下であり、かつレーザー散乱法で測定した積算粒度分布90%の粒径(D90)が1μm以下であることを特徴とする。
本発明に係るニッケル微粉の製造方法によれば、還元温度の変動の影響を抑制し高い生産性で、品質の変動が少なく分散性に優れたニッケル微粉を得ることができる。また、得られるニッケル微粉は、分散性に優れ電子部品材料用として好適なニッケル微粉であり、その工業的価値は極めて大きい。
以下に、本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法について詳細に説明する。
本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法は、酸化ニッケル粉の造粒体を還元性雰囲気中で還元してニッケル微粉を製造する方法であって、酸化ニッケル粉の造粒体を積層し、積層物中の造粒体間の空隙に還元性ガスを流通させる。そして、その還元性ガスが、積層物内に流通させる還元性ガスの流量を、積層物中の空隙の総容積を還元性ガスが流通する積層物の直線距離で除した値である平均(ガス)流通面積で除して求めた平均ガス速度が0.005m/s以上となるように維持して、酸化ニッケル粉の造粒体を還元することを特徴とする。なお、平均(ガス)流通面積とは、積層物中の空隙の総容積(造粒体の総重量を見掛け密度で除して求めた総体積を積層物の体積から差し引いた値)を、還元性ガスが積層物中を流通する直線距離(積層物の高さ)で除することによって求めたものである。
ここで、特に、本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法においては、上述のように、酸化ニッケル粉の造粒体を還元するに際して、積層物中の造粒体間の空隙に流通させる還元性ガスを、平均ガス速度で0.005m/s以上に維持する。すなわち、このニッケル微粉の製造方法では、酸化ニッケル粉の造粒体を積層して還元性ガスとの有効接触面積を増加させるとともに、造粒体間の空隙に流通させる還元ガスの流速を制御する。これにより、酸化ニッケル粉全体で一様に反応を開始させて還元反応の進行を均一に制御することができ、得られるニッケル微粉の特性の変動を抑制して、特性を均一にすることができる。
さらに具体的に、本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法を、従来の酸化物粉末還元法と比較しながら詳細に説明する。
従来の酸化物粉末還元法は、湿式中和法により、ニッケル塩を中和して水酸化ニッケルを晶析し、得られた水酸化ニッケルをそのまま用いるか、あるいは酸化焙焼により酸化物へ変換した後、水素等の還元ガス雰囲気下で還元処理することによりニッケル微粉を製造するものであった。これらの従来の製造方法では、還元時に生成したニッケル粉が凝集又は焼結してしまい、分散性に優れたニッケル粉が得られないという問題点があった。
ここで、ニッケル微粉は、酸化ニッケル粉が還元されて生成するが、このとき、酸化ニッケル粉の形骸を残したまま金属化されてニッケル微粉が生成されることはない。換言すると、酸化ニッケル粉は、表面から還元されて微細なニッケル粒子の生成を伴いながらニッケル微粉となる。そのため、このように還元して得られたニッケル微粉では、生成されたニッケル微粉の表面の活性が高くなり、形骸を残したまま金属化される他の金属粉の場合と比べると、粒子同士の凝集又は焼結が生じやすい状態となる。さらに、還元時の雰囲気中に水蒸気が多く存在すると、酸化ニッケル粉の還元ガスとの接触の妨げとなるばかりか、水蒸気が持つ金属粒子を凝集又は焼結させる作用がより大きなものとなる。
したがって、還元時に、発生する水蒸気量を抑制するとともに、発生した水蒸気を系外に排出することが重要となる。このとき、ガスの流通を改善し水蒸気を系外に排出するという観点から、ロータリーキルン等を用いて酸化ニッケル粉を流動させながら還元する方法が有効とも考えられる。しかしながら、酸化ニッケル粉を還元する場合には、酸化ニッケル粉と還元で得られるニッケル微粉の流動性の違いが大きいためニッケル微粉が偏在化しやすく、凝集又は焼結したニッケル微粉になりやすい。このため、静置式で還元する方法によって、ガスの流通を改善し水蒸気を系外に排出する手段を採用することが好ましい。
静置式で還元する方法として、従来行われているようにして酸化ニッケル粉をコウ鉢等の耐熱容器に積層した場合には、ニッケル粉粒子の空隙が狭いため還元性ガスとの有効接触面は酸化ニッケル粉積層物の露出面のみとなる。中心部分の酸化ニッケル粉は、還元性ガスが露出面から拡散することで還元反応が起こるため、ガスの流通を改善し水蒸気を系外に排出するためには、酸化ニッケル粉の厚みをできるだけ薄くする必要がある。このように、積層する酸化ニッケル粉の層厚を薄くすることにより、ガスの流通と水蒸気の排出を改善することは可能であるが、生産性が著しく低下してしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法では、酸化ニッケル粉の造粒体を積層し、積層物中の酸化ニッケル粉の造粒体間に形成された空隙に還元性ガスを流通させるようにし、さらに所定の流速で還元性ガスを流通させるようにしている。このような本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法によれば、還元反応によって生成する水蒸気等の副生成物を効率良く除去して分散性を高めることができるとともに、酸化ニッケル粉全体の還元状態が均一になりやすく、粉末原料をそのまま用いる場合よりも多くの酸化ニッケル粉を均一に還元することができる。
具体的には、還元時に発生する水蒸気が、得られるニッケル微粉の分散性に大きく影響することから、発生した水蒸気を効率的に排出するとともに水蒸気の発生量を抑制することが、分散性に優れたニッケル微粉を得るため効果的となる。すなわち、酸化ニッケル粉を還元する場合、上述したように、生成されるニッケル微粉の表面の活性が高く粒子同士の凝集又は焼結が生じやすいので、造粒体にすることにより雰囲気ガス中の水蒸気の排出を容易にするのみではなく、発生する水蒸気量自体を抑制することが必要となる。上述した本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法によれば、酸化ニッケル粉を造粒体とし、造粒体を積層して空隙を形成させて還元性ガスを流通させるとともに、その還元性ガスを所定の流速で流通させているので、水蒸気等の副生成ガスを効率良く除去することができ、ニッケル微粉の分散性を高めることができる。このニッケル微粉の製造方法では、さらに、水酸化ニッケルを完全に酸化焙焼することによって得られた酸化ニッケル粉を造粒体とし、その造粒体を十分に乾燥させた後に還元処理を施すことがより好ましい。これにより、より分散性に優れたニッケル微粉を高い生産性で製造することができる。
また、酸化ニッケル粉の造粒体を還元性ガス雰囲気中で還元させるのみでは、還元性ガスの流通と排出が雰囲気の対流のみによって行われるため、積層物の層厚を厚くして処理量を増加させると、その内部と雰囲気に露出した外面部において還元性ガスとの接触及び水蒸気の排出に差が生じ、還元反応の進行を均一に制御するには不十分となる。これに対して、上述した本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法によれば、造粒体間に形成された空隙を介して還元性ガスを流通させるとともに、その還元性ガスを所定の流速で流通させてようにしているため、還元反応を均一に制御することができ、還元性ガスとの接触及び水蒸気の排出を十分に行わせることができる。
さらに、このニッケル微粉の製造方法では、水酸化ニッケル粉を完全に酸化焙焼するとともに還元前の造粒体を十分に乾燥して含有水分を除去することによって、発生する水蒸気量自体をより一層抑制することができる。このため、還元処理できる酸化ニッケル粉の量を大幅に増加させても、還元反応の進行を均一に制御することができる。またさらに、生成したニッケル粒子の焼結を抑制することができ、連結粒子や粗大粒子の生成を抑制することができる。
積層した酸化ニッケル粉の造粒体間に形成された空隙を流通させる還元性ガスは、積層物中を流通させる還元性ガスの流量を平均(ガス)流通面積で除した平均ガス速度で0.005m/s以上、好ましくは0.01m/s以上、より好ましくは0.02m/s以上の流速として、その流速を維持して積層物中を流通させる。この所定の流速の還元性ガスを酸化ニッケルの造粒体間に形成された空隙を介して流通させて還元処理を施すことにより、未反応水酸化ニッケルの還元を阻害するとともに、生成したニッケル粒子の焼結を促進する水蒸気等の副生成ガスを効率よく排出することができる。また、還元性ガスを積層物内部にも十分に供給することができ、還元性ガスと積層物内部の造粒体との接触を十分に行わせることができる。
ここで、上述したように、平均(ガス)流通面積は、積層物中の空隙の総容積、すなわち造粒体の総重量を見掛け密度で除して求めた総体積を積層物の体積から差し引いた値を、還元性ガスが流通する積層物の直線距離、すなわち積層物の高さで除することによって求めたものである。具体的に、例えば造粒体を円柱状に積層して下方から上方にガスを流通させた場合、円柱の体積から造粒体の総体積を差し引いて空隙の総容積を求め、さらに円柱の高さで除することにより、平均(ガス)流通面積を求めることができる。
平均ガス速度が0.005m/s未満では、積層物内部における水蒸気等の副生成ガスの排出及び還元性ガスとの接触が十分でなく、還元反応の進行を均一に制御することができない。また、生成したニッケル粒子の焼結が促進されて、粗大粒子が生じる。一方、平均ガス速度の上限は、特に限定されるものではないが、例えば平均ガス速度が0.2m/sより速くなり過ぎると、造粒体の温度が低下して還元反応が十分に行われない場合がある。
また、本実施の形態に係るニッケル粉の製造方法においては、還元性ガスを予め加熱した後、造粒体に流通させることが好ましい。これにより、還元反応をより均一に進行させることができ、得られるニッケル微粉の特性を均一にすることが可能となる。すなわち、還元性ガスを加熱しない場合には、還元性ガスに冷却されることにより、造粒体の温度の不均一になり、還元反応の進行が不均一になることがある。
以下では、さらに本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法を工程毎に説明する。本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法は、酸化ニッケル粉の造粒体を還元性雰囲気中で還元してニッケル微粉を製造する方法であり、ニッケル塩を中和して水酸化ニッケルを晶析して水酸化ニッケルを得られる中和晶析工程と、水酸化ニッケルを非還元性雰囲気下に焙焼して酸化ニッケル粉を生成させる酸化焙焼工程と、酸化ニッケル粉の造粒体を得る造粒工程と、酸化ニッケル粉の造粒体を還元してニッケル微粉得る還元工程とを有するものである。そして、還元工程において、積層した酸化ニッケル粉の造粒体間に形成された空隙を介して流通する還元性ガス流量を制御することによって、高い生産性で、分散性に優れ、かつ均一なニッケル微粉を製造することを可能にするものである。
(1)中和晶析工程
中和晶析工程では、ニッケル塩水溶液をアルカリ水溶液で中和して水酸化ニッケル沈澱を生成させ水酸化ニッケル粉を得る。
ニッケル塩水溶液としては、特に限定されるものではなく、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニッケル有機酸塩等の水溶性ニッケル塩を含む水溶液が用いられる。その中で特に、廃水処理の容易さ等の環境への影響とコストの観点から、塩化ニッケル塩水溶液を用いることが好ましい。
また、ニッケル塩水溶液としては、適宜、還元時の融着抑制剤となるマグネシウム等の周期表第2属元素を含有させることができる。これにより、より一層分散性に優れたニッケル微粉を製造することができる。
水酸化ニッケル沈殿を生成させる方法としては、特に限定されるものではなく、周知の方法を用いることができ、例えばニッケル塩水溶液とアルカリとの中和反応においてpHを一定に保持させるようにすることで、沈殿生成速度を一定に保つことができる。これにより、均一な沈殿を生成させることができる。
中和晶析工程におけるpH条件としては、特に限定されるものではないが、pH7.0〜9.5とすることが好ましく、pH8.0〜9.0とすることがより好ましい。pHが7.0未満であると、ニッケル塩の中和が十分に行われない場合がある。一方、pHが9.5を超えると、微細なコロイド状の水酸化ニッケル粒子を形成し、固液分離が非常に困難となるとともに、次工程の酸化焙焼で酸化ニッケル粉が凝集又は焼結し、最終的に得られるニッケル微粉の分散性が十分でない場合がある。
中和反応においては、特に限定されるものではないが、十分に攪拌されている反応槽内に、ニッケル塩水溶液とアルカリ水溶液とをダブルジェット方式で添加しながら中和生成させる。これにより、均一な特性の水酸化ニッケルを得ることができる。ここで、反応槽内に予め入れておく液としては、純水を用いることができるが、中和生成に一度使用したろ液をアルカリで所定のpHに調整して用いることがより好ましい。
アルカリ水溶液としては、特に限定されるものではなく、例えば水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等の水酸化アルカリ金属の水溶液を用いることができる。特に、入手し易さやコスト等の観点から水酸化ナトリウム水溶液を用いることがより好ましい。なお、アルカリ水溶液に代って、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性を示す化合物を直接用いることもできるが、沈殿が不均一にならないようにすることが好ましい。
生成された水酸化ニッケル沈澱は、ろ過により脱水し、ろ過ケーキを得ることにより回収される。
ここで、ろ過操作としては、十分に残留塩素濃度を下げることができる手段を用いることが好ましい。具体的には、例えば以下の方法等が挙げられる。
(A)数回のろ過・レパルプ洗浄を繰返す。
(B)クロスフロー方式のろ過により、残留塩素濃度を下げながらスラリー濃度を上げていく。
(C)硫酸等の酸を用いて洗浄し、得られた水酸化ニッケル沈澱のゲルを解消しながら残留塩素濃度を下げる。
この中で、硫酸等の酸を用いて、得られた水酸化ニッケル沈澱のゲルを解消しながら洗浄する上記(C)方法によりろ過操作を行うことが、水酸化ニッケル沈澱に残留する塩素を効率よく低減させることができるという観点からより好ましい。この方法においては、特に、生成した水酸化ニッケル沈澱を、濃度0.0004〜0.0015mol/Lの硫酸、又は硫酸塩水溶液で洗浄した後、さらに水洗することが好ましい。ここで、硫酸又は硫酸塩水溶液の濃度が、0.0004mol/L未満では洗浄効果が十分に得られず、一方で0.0015mol/Lを超えると洗浄効果の改善が得られないばかりか、残留するイオウ濃度が高くなり過ぎ、得られるニッケル微粉が電子材料に適さなくなる可能性がある。
また、上記(C)のろ過操作方法において、洗浄時の液の温度としては常温で可能であるが、洗浄効果を高めるため加熱してもよい。
また、水酸化ニッケル沈澱に対する硫酸又は硫酸塩水溶液の添加量としては、特に限定されるものではなく、残留塩素が十分に低減できる量とすればよい。特に、水酸化ニッケル沈澱を良好に分散させる観点から、硫酸又は硫酸塩水溶液中の水酸化ニッケル粉の濃度を100g/L程度とすることが好ましい。また、洗浄時間としては、特に限定されるものではなく、洗浄条件により残留塩素濃度が十分に低減される洗浄時間とすればよい。また、洗浄に用いる装置としては、特に限定されるものではなく、水洗と同様の装置を用いることができる。
さらに、上記(C)のろ過操作方法において、予め硫酸又は硫酸塩の濃度を調整した水溶液を準備し、その水溶液中に撹拌しながら水酸化ニッケル沈澱を添加することが好ましい。なお、水酸化ニッケル沈澱の代わりに、一旦乾燥して得た水酸化ニッケル粉を添加してもよいが、含水したままのケーキ状のものを使用することにより、処理の均一化及び効率化が図られ、工程の短縮化を実現することができる。
ここで、均一な処理のためには、まず、水酸化ニッケルのろ過ケーキに、少量の水を加えてスラリー状にした後、添加後に所定の濃度となるように、調整した硫酸又は硫酸塩水溶液を攪拌しながら、一度に添加することが好ましい。
水酸化ニッケルのケーキの水分含有率としては、特に限定されるものではないが、10〜40質量%とすることが好ましく、30質量%程度にすることがより好ましい。水分含有率が10質量%未満では、均一に水溶液中に分散し難く洗浄の効率が悪くなり、また水分含有率を下げるためにより厳密な脱水処理が必要となる等の制約がある。一方、水分含有率が40質量%を超えると、水酸化ニッケルのハンドリング性が悪く、均一な処理を妨げる場合があり、また一定量の水酸化ニッケルを得るために必要な処理量が増加してしまう。
このような中和晶析工程において得られた洗浄後の水酸化ニッケル沈澱は、大気乾燥、真空乾燥等の方法により乾燥させる。これにより、残留塩素濃度が十分に低下した水酸化ニッケル粉を生成することができる。
(2)酸化焙焼工程
酸化焙焼工程では、上述した中和晶析工程で得られた水酸化ニッケル粉を非還元性雰囲気下において焙焼し、酸化ニッケル粉を生成させる。
酸化焙焼における焙焼方法としては、特に限定されるものではなく、静置式焙焼炉、転動炉、バーナー炉、搬送式連続炉、流動焙焼炉等の焙焼炉を用いて行うことができる。ここで、目的とする分散性に優れ、かつ均一なニッケル微粉を生成するためには、この酸化焙焼工程において、特性が均一で十分に酸化ニッケル形態に変換された酸化ニッケル粉を生成することが好ましい。すなわち、酸化ニッケル形態への変換が不十分であると、水酸化ニッケルが残留して、後工程の還元工程において水酸化ニッケルの分解による水蒸気が発生し、ニッケル粒子間の凝集又は焼結が生じて、分散性に優れたニッケル微粉が得られないことがある。
焙焼の条件としては、特に限定されるものではなく、目的とするニッケル微粉の粒子径等の特性が得られるように、焙焼炉の特性に応じて任意に設定することができるが、均一な処理を行うためにはガス気流中で行うことが好ましい。
焙焼の雰囲気としては、非還元性雰囲気下であればよく、雰囲気ガスとしては、不活性ガス又は酸化性ガスが用いられる。その中で、特に、空気を用いることがコスト及び取り扱いやすさ等の観点から好ましい。
焙焼温度としては、特に限定されるものではなく、十分に酸化ニッケル形態に変換することができる温度とする。具体的に、一般的な静置式で焙焼する炉の場合には、350〜550℃とすることが好ましく、400〜500℃とすることがより好ましい。焙焼温度が350℃未満では、酸化ニッケル形態への変換が十分でなく水酸化ニッケルが残留することがある。一方、焙焼温度が550℃を超えると、酸化ニッケル粉の凝集又は焼結が起こり、還元処理によって得られるニッケル微粉の粒子が粗大化するとともに、分散性が十分でなくなる場合がある。
焙焼時間としては、特に限定されるものではなく、焙焼温度、処理量、用いる装置等を考慮して、水酸化ニッケル粉が十分に酸化ニッケル形態に変換され、かつ水酸化ニッケル粉の形骸を残すことができる条件とすることが好ましい。
(3)造粒工程
造粒工程では、上述した焙焼工程で得られた酸化ニッケル粉を成型して乾燥させ、酸化ニッケル粉の造粒体を生成する。
本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法では、この造粒工程において、水素等の還元性ガスと原料の酸化ニッケル粉との接触界面を大きくし、反応により発生する水蒸気等の副生成ガスの排出と還元性ガスの流通が効率的に行われるように、酸化ニッケル粉の造粒体を積層し、造粒体間において空隙を形成させる。このようにして造粒体間に空隙を形成させることにより、上述のように後工程の還元工程での還元反応を均一に進行させることができる。そして、その還元工程を経て得られるニッケル微粉の分散性を向上させることができ、そのニッケル微粉の特性を均一にすることができる。また、このようにして造粒しない場合と比べて、ニッケル微粉の生産性を大幅に向上させることができる。
このように、還元性ガスと酸化ニッケル粉との接触界面を大きくして、反応により発生する水蒸気等の副生成ガスの排出と還元性ガスの流通が行われる造粒体間の空隙を確保するにあたっては、酸化ニッケル粉の造粒体の特性を適切に調整することが好ましい。すなわち、酸化ニッケル粉の造粒に際しては、個々の造粒体の密度及び大きさを調整するとともに、酸化ニッケル粉のバラツキを極力抑え、かつ、原料酸化ニッケル粉の粒径、微細構造等の変化を避けることが好ましい。
より具体的に、造粒方法としては、湿式方法が適しており、例えば酸化ニッケル粉と溶媒とを混合してスラリー化し、得られたスラリーを成型して造粒体を得る方法が好ましい。ここで、酸化ニッケル粉と溶媒とを、成型に適した粘度等の特性が得られるように混合してスラリー化する。
酸化ニッケル粉と混合させる溶媒としては、特に限定されるものではなく、任意の溶媒が用いられ、樹脂等のバインダー成分を添加することもできるが、次工程の還元反応への影響を考慮すると、純水を用いることが好ましい。なお、溶媒として有機溶媒を用いた場合には、後工程の還元工程において炭素等が残留することを防止する観点から、還元工程の前に予め十分に炭素等を除去しておくことが好ましい。または、次工程での還元処理前に適切な条件、例えば300〜400℃の温度の大気雰囲気中において熱処理する工程を追加するようにしてもよい。
スラリー化処理に際しては、一般的な混練機又は攪拌機を用いることができ、例えば規模や特性に応じて、二軸スクリューニーダー、自転公転式攪拌機等を用いて任意の方法で処理することができる。また、造粒する際には、一般的な成型機を用いることができ、例えば一軸押出成型機、ロールプレス機等を使用することができる。
造粒体の形状としては、特に限定されるものではなく、造粒体の強度、あるいはガスとの均一な反応のため、球形、回転楕円体又は円筒形の何れかであることが好ましい。すなわち、角張った形状では、取り扱い時に破壊されやすく、発塵の原因となる場合があるとともに、ガスとの接触界面とガスの流通経路の確保が十分でない場合がある。
造粒体の寸法としては、特に限定されるものではないが、乾燥後において、球形の場合には直径が2〜10mmであることが好ましく、回転楕円形の場合には直径が2〜10mmで回転軸長さが2〜50mmであることが好ましく、また円筒形の場合には直径が2〜10mmで長さが2〜50mmであることが好ましい。乾燥後の造粒体の直径が10mmを超えると、還元反応時に造粒体の内部と外部の反応が不均一になることにより、特性のバラツキが生じることがある。一方、乾燥後の造粒体の直径が2mm未満では、後工程での還元反応に際して、還元性ガスが造粒体間を十分な流速で流れず、造粒の効果が得られないことがある。また、回転楕円体又は円筒形の場合、長さが上述した寸法の範囲外であると、還元工程での還元処理における取り扱いに際して、造粒体が崩れ、発塵の原因となる。
造粒体の見掛け密度としては、特に限定されるものではないが、後工程での還元反応を造粒体全体で均一化させる観点から、乾燥後において1〜3g/cmであることが好ましい。造粒体の見掛け密度が3g/cmを超えると、還元反応に際して造粒体の中心部と外周部の反応が不均一になることにより、特性のバラツキが生じることがある。また、造粒体の見掛け密度を大きくするために成型時に過度の圧縮力を加えると、酸化ニッケル粉の粒径、微細構造等の特性を変化させてしまい、目的とするニッケル微粉が得られなくなる。一方、造粒体の見掛け密度が1g/cm未満では、造粒体に十分な強度が得られず、造粒体が崩壊する可能性がある。また、造粒効果が十分に得られないことがあり、さらに崩壊によって発塵する可能性がある。
なお、造粒体の寸法及び見掛け密度を乾燥後の数値で規定するのは、上述した造粒方法によって一定条件で造粒した場合、乾燥前後での造粒体の寸法及び見掛け密度の変化は安定していることから、溶媒量、形状、造粒圧力等を考慮した、少量試料での造粒を行って造粒条件を決定することにより、乾燥後の寸法及び見掛け密度を上述した範囲内に容易に制御することができるからである。
成型後の造粒体は、十分に乾燥させることが好ましい。この造流工程にて十分に乾燥させた造粒体に対して、次の還元工程にて還元処理を施すことによって、均一な特性で、分散性に優れたニッケル微粉を得ることができる。すなわち、造粒体の乾燥が十分でない場合には、還元処理中に水蒸気が発生し、生成するニッケル微粉の凝集又は焼結が促進され、分散性に優れたニッケル微粉が得られなくなる。
乾燥後の造粒体の含有水分率としては、特に限定されるものではないが、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましい。含有水分率が5質量%を超えると、水蒸気の発生による影響で、分散性に優れたニッケル微粉が得られない場合がある。
乾燥の方法としては、特に限定されるものではなく、一般的な静置式乾燥機を用いてもよく、また振動式乾燥機を用いてもよい。ただし、振動式乾燥機を用いる場合には、成型体の崩壊に注意する必要があり、成型体の強度や形状について適切な条件を設定する必要がある。
乾燥の温度及び時間としては、特に限定されるものではなく、通常の条件が選択される。例えば、乾燥温度は、60〜200℃とすることが好ましい。なお、乾燥温度が高すぎる場合には、造粒体の崩壊を引き起こす場合がある。また、乾燥時間としては、乾燥温度及び処理量を考慮して、十分に乾燥できる時間とすればよい。
(4)還元工程
還元工程では、上述した造粒工程を経て乾燥された酸化ニッケル粉の造粒体を還元ガス雰囲気中において還元し、ニッケル微粉を生成する。
本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法では、上で詳述したように、この還元工程にて、造粒工程にて形成された、酸化ニッケル粉の造粒体からなる積層物中の造粒体間の空隙に、還元性ガスを流通させて還元する。そして、その還元性ガスは、積層物中を流通させる還元性ガスの流量を、積層物中の空隙の総容積を還元性ガスが積層物中を流通する直線距離で除した値である平均流通面積で除して求めた平均ガス速度が、0.005m/s以上となるように維持され、酸化ニッケル粉の造粒体を還元する。
この還元工程においては、造粒体間の空隙で必要な平均ガス速度を得るためにガス透過性物を用いて造粒体を保持して、その造粒体間の空隙に強制的に還元性ガスを流すことが好ましい。すなわち、造粒体を金属や磁性材等のガスが流通しない物質で保持した場合、保持した面からは造粒体間の空隙に還元性ガスが十分に導入されず、必要な平均ガス速度が得られないことがある。一方で、ガス透過性物で造粒体を保持することによって、ガス透過性物をガスが流通して造粒体間の空隙において、適切な平均ガス速度が確保され、造粒体間の空隙への還元性ガスの流通と副生成ガスの排出が十分に行われるようになる。そして、これにより、積層物の内部と外面での還元状態の差をより少なくすることができ、多量の酸化ニッケル粉をさらに均一に処理することができる。
十分かつ適切な平均ガス速度を得るためには、還元性ガスが流入する面と排出される面のいずれか一面をガス透過性物によって保持し、他の一面は保持しない積層状態とする、あるいは他の一面もガス透過性物にて保持することが好ましい。さらに、還元性ガスの流入面及び排出面以外の面は、ガスが流通しない物質で保持することが特に好ましい。これにより、造粒体間の各空隙において平均ガス速度を均一化させることができ、造粒体間の空隙で平均ガス速度をより正確に制御することができる。
ガス透過性物としては、特に限定されるものではないが、網あるいは多孔質材等を用いることが好ましい。多孔質材としては、空孔が対向面で貫通しているハニカム構造を持つものがより好ましい。これらの材料を用いることにより、還元性ガスを抵抗なく、十分な平均ガス速度で流通させることができる。
本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法においては、この還元工程において、還元性ガスの流入面及び排出面を対向面とすることが好ましい。このように対向面とすることで、積層物内の空隙におけるガス流を均一にすることができ、酸化ニッケル粉の還元状態をより均一にすることができる。
また、保持した造粒体の積層物の下面を還元性ガスの流入面とし、積層物の上面を排出面とすることがより好ましい。積層物の下面側から還元性ガスを流入させ、積層物の上面側から反応後のガスを排出させることにより、反応により発生する水蒸気等の副生成ガスを効率良く除去することができる。すなわち、水蒸気等の副生成ガスは、流入した還元性ガスより温度が高いために上方へと排出されるが、積層物の上面側から下面側へ還元性ガスを流す場合や横方向へ流す場合では、水蒸気等の副生成ガスの流れる方向と還元性ガスの流れる方向が異なるため、水蒸気等の副生成ガスを効率良く除去することが困難となる。一方で、積層物の下面側から還元性ガスを流し、その上面側から反応後のガスを排出する場合には、水蒸気等の副生成ガスの流れる方向と還元性ガスの流れる方向が同じであることから、副生成ガスを効率良く除去することができる。
還元工程において流通させる還元性ガスとしては、特に限定されるものではないが、水素もしくは水素含有ガスであることが好ましい。水素ガスは、反応時に水(水蒸気)を生成するのみであって不純物が混入するおそれもなく、水素自体の有害性や毒性も確認されていないことから還元性ガスとして安全に使用することができる。一方、他の還元性ガスとしては、一酸化炭素、炭化水素等の炭素含有ガスも考えられるが、ニッケル微粉への炭素等の不純物が混入するおそれがあるために好ましくなく、中毒症状等を十分に考慮することが必要となる。
ここで、水素含有ガスとしては、窒素等の不活性ガスとの混合ガス雰囲気とすることが好ましく、その場合、水素含有量は10〜50容量%とすることが好ましい。水素含有量が10容量%未満では、還元反応速度が遅くなり、ニッケル微粉の凝集又は連結が発生する。一方、水素含有量が50容量%を超えると、反応が急激に進行して水蒸気発生量が高くなるため、やはりニッケル微粉の凝集又は連結が発生する原因となる。
還元工程における還元温度としては、特に限定されるものではなく、1μm以下の粒子径のニッケル微粉を得るためには、350〜450℃とすることが好ましい。還元温度が高いほど、また還元時間を長く設定するほど、粒子径は大きくなる傾向がある。そして特に、電子部品材料用としてより好ましい平均粒径である、0.5μm以下のニッケル微粉を得るためには、還元温度としては、390〜430℃とすることがより好ましい。還元温度が350℃未満では、温度が低すぎるために未還元の酸化ニッケル粉が残りやすく、還元温度が450℃より高い場合には、温度が高すぎるためにニッケル微粉同士の焼結が促進され粗大粒子が増加しやすくなる。一方、0.5μm以下のニッケル微粉を得るのに適した、350〜450℃を還元温度とすることによって、粗大粒子が少なく、分散性が十分に確保されたニッケル微粉を均一に製造することができる。
還元工程における還元処理の時間としては、特に限定されるものではなく、還元温度及び処理量により、目的とするニッケル微粉の粒径に応じて適宜設定すればよいが、可能な限り短時間とすることが好ましい。
還元工程で用いる処理の方法としては、特に限定されるものではなく、例えば還元炉内に置かれた耐熱性の開放型容器に造粒体を積層して行うことができる。還元炉としては、特に限定されるものではないが、静置式還元炉が好ましく、例えばバッチ式雰囲気焼成炉、搬送式連続炉等が用いられる。なお、キルン方式等の流動床式還元炉では、酸化ニッケル造粒体を崩壊させる可能性があるという観点から、静置式還元炉とすることがより好ましい。
また、上述した以外の還元工程における処理条件としては、目的とする粒子径等に応じて適宜設定することができる。
また、還元後の造粒体は、容易に分散させてニッケル微粉を得ることができるが、分散性をより向上させるために、還元後に解砕工程を備えることが好ましい。ここで、解砕方法としては、特に限定されるものではなく、通常の方法が用いられるが、振動篩、ジェットミル等が好ましく用いられる。
本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法では、上述したような還元工程を経ることにより、分散性に優れて、電子部品用の材料として好適なニッケル微粉を製造することができる。具体的には、製造条件を最適に設定することにより、酸素含有量が1質量%以下であり、かつレーザー散乱法で測定される積算粒度分布90%の粒径(D90)が1μm以下の均一なニッケル微粉が得られる。
また、本実施の形態に係るニッケル微粉の製造方法は、湿式法により製造した水酸化ニッケルを還元処理するため、複雑な工程を備えておらず、さらに処理量を増加した場合でも、品質のバラツキが少ない均一なニッケル微粉を製造することができ、その製造コストも低く抑えることができる。
以下に、本発明を適用した実施例、及びその比較例について説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、本実施例及び比較例で用いている比表面積、ニッケル微粉の分散性、酸素含有量、造粒体の寸法、見掛け密度及び含有水分率の評価は、以下の方法によって行った。
(a)比表面積:窒素ガス吸着によるBET一点法により測定した。
(b)ニッケル微粉の分散性:レーザー光回折・散乱型粒度分布測定により、粒度分布を測定し、一次粒子の小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が50%となる粒径(D50)、90%となる粒径(D90)を求め、分散状態の指標とした。
(c)酸素含有量(質量%):不活性ガス融解−赤外線吸収法により測定した。なお、この値を還元状態の指標とした。
(d)造粒体の寸法:マイクロメーターを用いて、径と長さを計測した。
(e)造粒体の見掛け密度:造粒体の寸法の測定結果をもとに、形状を円筒形あるいは球形として計算した造粒体の体積で重量を除して見掛け密度を求め、造粒体10点の測定結果の平均値を用いた。
(f)含有水分率:加熱乾燥方式測定器(エー・アンド・デイ社製 MX−50)を用いて、120℃までの加熱における重量減少分から求めた。
<実施例1>
(1)中和晶析工程
還元時の融着抑制剤となるマグネシウムを0.04g/L含んだニッケル濃度60g/Lの塩化ニッケル水溶液と、24質量%の水酸化ナトリウム水溶液をpH=8.3となるように調整しながら連続的に添加することで水酸化ニッケルの沈殿を生成させた。その後、ろ過と30分の純水レパルプを3回繰り返して水分含有率30質量%の水酸化ニッケルろ過ケーキを得た。さらに、得られたろ過ケーキ3kgに少量の水を加えた後、先に加えた水との合計で0.0015mol/Lの硫酸となるように濃度調整した硫酸10Lを加え、30分間攪拌して水酸化ニッケルろ過ケーキを洗浄した。洗浄後にろ過し、再度、純水でレパルプ洗浄し、乾燥して水酸化ニッケル粉を得た。
(2)酸化焙焼工程
中和晶析工程で得られた水酸化ニッケル粉30kgを300gずつアルミナ製コウ鉢に装入し、搬送式連続焼成炉により焙焼して酸化ニッケル粉を得た。焙焼条件として、一加熱帯あたり27L/minの流量で、空気を導入しながら480℃で2時間酸化焙焼した。
(3)造粒工程
上記酸化焙焼工程で得られた酸化ニッケル粉120gに純水42mlを添加し、自転・公転式混合機により混合し、粘土状のスラリーを得た。この操作を繰り返し、酸化ニッケルの純水スラリーを4kg作製し、一軸造粒機(アキラ機工製、AX−75型)を用いて造粒成形した後、静置式乾燥器により120℃で乾燥して酸化ニッケル造粒体を得た。ここで、成型には直径が4mmのスクリーンを使用した。
得られた円筒形の造粒体の乾燥後における寸法は、直径が約3.8mmで長さが約5mmから約20mmであった。また、その見掛け密度は2.2g/cmであり、含有水分率は2質量%であった。造粒体を約5mmの長さに揃えて原料とした。
(4)還元工程
縦型管状炉に設置した内径φ43mmのアルミナ管内の加熱ゾーン中心部分の位置にガスが流通可能なハニカムレンガをアルミナ管内面との隙間がないように固定し、その上に150メッシュのニッケル網を敷き、ニッケル網の上に、造粒工程で得られた造粒体40gを積層した。造粒体は、アルミナ管内径と同一径で高さが約22mmとなった。
次に、積層した酸化ニッケル粉の造粒体の下面側から還元性ガスとして30容量%水素−窒素混合ガスを1.0リットル/分の流量で流しながら加熱して酸化ニッケル粉を還元した。造粒体は、アルミナ管内に充填され積層されているので、水素−窒素混合ガスは全て造粒体間の空隙間を流れ、還元性ガス流量をガス流通面積で除した平均ガス速度は0.027m/sとなる。
ここで、還元処理は、昇温速度と保持温度を以下の3条件で行い、各条件によって得られるニッケル微粉の特性を比較した。
(i)室温から340℃までは約8℃/min、340℃〜390℃までは約2.5℃/minの速度で昇温し、390℃で90分間保持した後、室温まで炉冷した。
(ii)室温から350℃までは約8℃/min、350℃〜400℃までは約2.5℃/minの速度で昇温し、400℃で90分間保持した後、室温まで炉冷した。
(iii)室温から380℃までは約8℃/min、380℃〜430℃までは約2.5℃/minの速度で昇温し、430℃で90分間保持した後、室温まで炉冷した。
還元処理後、乳鉢にて解砕を行ってニッケル微粉を得た。得られたニッケル微粉について、それぞれ比表面積、D50、D90、酸素含有量を測定した。得られた結果を表1にまとめて示す。
<実施例2>
積層した造粒体の重量を60gとしたこと、積層した造粒体の高さが33mmとなったこと、水素−窒素混合ガスの流量を1.5リットル/分としたこと以外は、実施例1と同様にしてニッケル微粉を得るとともに評価した。造粒体間の空隙間を流れる還元性ガス流量をガス流通面積で除した平均ガス速度は0.04m/sとなる。得られた結果を表1にまとめて示す。
<比較例1>
ハニカムレンガ上に敷いたニッケル網の上に、ニッケル網で作成したφ35mmの筒を内径φ43mmのアルミナ管内のほぼ中央に設置し、そのニッケル網の筒内に造粒体を充填して積層したこと以外は、実施例1と同様にしてニッケル微粉を得るとともに評価した。40gの造粒体の積層物は、外径φ35mmで高さは35mmであった。水素−窒素混合ガスの大部分は、抵抗が少ない積層物とアルミナ管内壁の間を流れることから、造粒体間の空隙間を流れる還元性ガスの平均ガス速度は0.002m/sとなる。得られた結果を表1にまとめて示す。
<比較例2>
造粒を行わず粉末のままで積層したこと以外は、比較例1と同様にしてニッケル微粉を得るとともに評価した。なお、還元処理は上記(ii)の条件で行った。得られた結果を表1にまとめて示す。
Figure 2011179044
表1の結果に示されるように、本発明を適用してニッケル微粉の製造を行った実施例1では、還元時の保持温度を390〜430℃としたいずれの条件においても、酸素含有量が1質量%以下であり、かつD90が1μm以下の電子部品用の材料として好適なニッケル微粉が得られていることがわかる。すなわち、還元時の保持温度を390℃と低くした場合でも、ニッケル微粉の酸素含有量が1質量%であることから十分に還元できていると判断することができる。また、還元時の保持温度を430℃と高くした場合でも、D90が1μm以下のニッケル微粉が得られており、還元時のニッケル粒子間の焼結が抑制できていることがわかる。
また、平均ガス速度を0.04m/sとした実施例2においても、還元時の保持温度を400℃とした条件で酸素含有量が1質量%以下であり、かつD90が1μm以下の、電子部品用の材料として好適なニッケル微粉を得ることができた。
一方、比較例1は、還元時の保持温度を400℃とした場合では、D90が1μm以下のニッケル微粉が得られているが、還元時の保持温度を390℃と低くした場合には、酸素含有量が1.2%まで増加していることから還元が不十分であることがわかる。また、還元時の保持温度を430℃と高くした場合では、D90が1.15μmまで増加していることから、還元時の焼結による粗大粒の発生が抑制できていないことがわかる。すなわち、比較例1においても、分散性に優れたニッケル微粉が得られるものの、適正な還元温度範囲が400℃付近のみと狭く、品質に対して還元温度の影響を受けやすく、工業的規模の生産において還元温度が変動する場合には、均一で分散性に優れたニッケル微粉を得ることは困難であることがわかる。
また、造粒しなかった比較例2では、還元時の保持温度を400℃とした場合でも、D90が1.06μmまで増加しており、還元時の焼結による粗大粒の発生が抑制できていなかった。粉末の酸化ニッケルを用いて還元を行った場合には、造粒した酸化ニッケルを用いて還元を行う場合より焼結が促進しやすいために、ニッケル微粉の分散性が低下しやすくなることがわかる。
以上の結果より、本発明に係るニッケル微粉の製造方法によれば、積層した酸化ニッケル造粒体間の空隙に還元性ガスを流すことにより、効率よく還元性ガスの供給することが可能になるとともに、反応により生成する水蒸気等の副生成ガスの除去が可能となり、粒子の焼結による粗大粒子の発生を抑制できることがわかる。したがって、分散性に優れたニッケル微粉が得られる温度範囲が広く、還元条件の変動に影響を受けずに分散性に優れた均一なニッケル微粉が得られることがわかる。すなわち、還元条件の変動が起きやすい大量生産時においても、品質の変動が少なく、分散性に優れたニッケル微粉を高い生産性で得ることが可能であるといえる。
本発明に係るニッケル微粉の製造方法によれば、大量生産時にも、分散性に優れた品質が均一なニッケル微粉を低コストで得ることができる。そして、得られたニッケル微粉は、電子部品材料として好適であり、特に配線材料、電極材料等として好適であり、ペーストとしても安定して用いることができる。

Claims (8)

  1. 酸化ニッケル粉の造粒体を還元性雰囲気中で還元してニッケル微粉を製造する方法であって、
    上記酸化ニッケル粉の造粒体を積層し、積層物中の造粒体間の空隙に還元性ガスを流通させ、
    上記積層物内に流通させる上記還元性ガスの流量を、該積層物中の空隙の総容積を該還元性ガスが流通する該積層物の直線距離で除した値である平均流通面積で除して求めた平均ガス速度が、0.005m/s以上となるように上記還元性ガスを維持し、上記酸化ニッケル粉の造粒体を還元することを特徴とするニッケル微粉の製造方法。
  2. 上記積層物をガス透過性物によって保持して上記還元性ガスを流通させることを特徴とする請求項1記載のニッケル微粉の製造方法。
  3. 上記還元性ガスを、上記積層物の下方から流入させ、該積層物の上方から反応後のガスを排出させて流通させることを特徴とする請求項1又は2記載のニッケル微粉の製造方法。
  4. 上記還元性ガスは、水素を含むガスであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のニッケル微粉の製造方法。
  5. 還元時の温度は、350〜450℃であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のニッケル微粉の製造方法。
  6. 上記還元性ガスを加熱して流通させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載のニッケル微粉の製造方法。
  7. 上記酸化ニッケル粉の造粒体の含有水分率が、5質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載のニッケル微粉の製造方法。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項記載のニッケル微粉の製造方法により得られたニッケル微粉であって、酸素含有量が1質量%以下であり、かつレーザー散乱法で測定した積算粒度分布90%の粒径(D90)が1μm以下であることを特徴とするニッケル微粉。
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