JP2011178721A - 体臭抑制剤及びこれを配合した化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】体臭、特に加齢臭の抑制効果の即効性及び持続性において優れた体臭、特に加齢臭抑制剤を提供する。
【解決手段】ハイドロキシアパタイト及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、アルミナ(α型のものを除く)及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、水酸化マグネシウム、並びに酸化カルシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体からなる群より選択される少なくとも1種の体臭抑制効果を有する粉体を含む体臭抑制剤を提供する。また、前記体臭抑制剤を使用して、従来品より体臭、特に加齢臭の抑制効果の即効性及び持続性において優れている化粧料も提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、体臭、特に加齢臭抑制剤、詳しくは、ハイドロキシアパタイト及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、アルミナ(α型のものを除く)及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、水酸化マグネシウム、並びに酸化カルシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体からなる群より選択される少なくとも1種の体臭抑制効果を有する粉体を含む新規な体臭抑制剤、並びにこれを配合した化粧料等に関する。
従来、「臭い」ないし「匂い」は人の生活に種々の影響を与えて来た。多くの研究者によって、なぜ「臭い」ないし「匂い」を感じることが出来るのか、その機作はどうなっているのか等、様々な研究がなされ、「臭い」ないし「匂い」に関する主成分も解明され、様々な理論が展開されている。しかしながら、「臭い」ないし「匂い」に関する現象を矛盾なく説明でき、広く適用できるような完成された理論が確立されたとは、未だ言いがたい。
一般に、「臭い」は、類似する用語の「匂い」とは反対に、人にとってはあまり良い意味で使用されていない。このような「臭い」に関し、分泌された直後の汗は、強い臭気を発することはないが、汗に含まれている有機物が皮膚表面に存在する皮膚常在菌等によって分解され、臭気物質に変わることが知られている。腋臭や足臭を分析した結果、腋臭からはペラルゴン酸やカプリン酸等の低級脂肪酸が特異的に検出され、足臭からはイソ吉草酸が特異的に検出されており、これが体臭の原因となることが知られている。現在、これらの体臭の予防手段として、これらの臭いの基となる発汗を抑制する制汗剤、皮膚常在菌の増殖を抑制する抗菌剤、発生した体臭の基となる上記低級脂肪酸等の物質を抑制する消臭剤、体臭を他の香りでマスキングするマスキング剤(特許文献1及び2等参照)等が用いられている。
最近、腋臭、足臭、汗臭等とは質的に全く異なる臭いである「加齢臭」に注目が集まっている。この「加齢臭」は、一般に「中高年者(例えば40歳以上の者)の特有の臭い」と定義されている。また、この「加齢臭」の発生は、特に男性において顕著である。
一方、「加齢臭」は、従来から「体の各部分の匂い」の代表的な原因物質として認知されている上記低級脂肪酸を原因物質とする臭いではなく、オクテナールやノネナール等の不飽和アルデヒドが深く関わっている臭いであることが知られており、この「加齢臭」を抑制又は防止するため、これまでに多くの提案がされている(特許文献3〜6等参照)。
例えば、加齢臭の主な発生要因である不飽和アルデヒドの発生を、抗酸化剤や、リポキシゲナーゼ阻害剤、抗菌剤を用いることにより抑制することにより、加齢臭の発生も抑制され得るという報告がある(特許文献3〜5参照)。
また、加齢臭をマスキング及び/又はハーモナージュすることが可能な加齢臭抑制香料組成物が提案されている(特許文献6参照)
特開2007−223994号公報 特開平6−179610号公報 特開平11−286423号公報 特開平11−286424号公報 特開平11−286425号公報 特開平11−286428号公報
しかしながら、これまでに提案されている体臭抑制剤は、その体臭の抑制ないし防止効果の即効性及び持続性において不十分である。特に、「加齢臭」に関しては、その存在や発生の原因にオクテナールやノネナール等の特定の不飽和アルデヒドが深く関わっていることは知られているが、これまでに提案されている加齢臭抑制剤は、その加齢臭の抑制ないし防止効果の即効性及び持続性において不十分である。
そこで、本発明は、体臭、特に加齢臭の抑制効果の即効性及び持続性に優れた体臭、特に加齢臭抑制剤、それを配合した化粧料を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究を行った結果、ハイドロキシアパタイト及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、アルミナ(α型のものを除く)及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、水酸化マグネシウム、並びに酸化カルシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体からなる群より選択される少なくとも1種の粉体(体臭抑制効果を有する粉体)を含む体臭抑制剤が、体臭、特に加齢臭の抑制効果の即効性及び持続性において極めて優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明において、
ハイドロキシアパタイト及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、アルミナ(α型のものを除く)及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、水酸化マグネシウム、並びに酸化カルシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体からなる群より選択される少なくとも1種の体臭抑制効果を有する粉体を含むことに特徴を有する体臭抑制剤(以下、「本発明の体臭抑制剤」とも称する。)を提供することができる。
なお、本発明では、前記体臭として、加齢臭を選択することができる。
本発明では、前記体臭抑制効果を有する粉体は、γ型アルミナ、δ型アルミナ、θ型アルミナ、及びγ型,δ型,θ型アルミナの混合物、並びにハイドロキシアパタイト、ハイドロキシアパタイト−セリサイト複合体、及びハイドロキシアパタイト−超微粒子酸化亜鉛−セリサイト複合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、特にγ型アルミナ、δ型アルミナ、θ型アルミナ、及びγ型,δ型,θ型アルミナの混合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明では、前記体臭抑制効果を有する粉体(前記複合体を除く、ハイドロキシアパタイト、アルミナ(α型のものを除く)、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、及び酸化カルシウム)の粒子の粒子径を、平均粒子径で、0.01〜100μmとすることができる。
なお、本発明では、前記アルミナの粒子表面を炭酸水酸化アルミニウム(Al(OH)(CO/nHO)等の複塩(二種の単塩からなる化合物)の膜で被覆することができる。
本発明において、別の形態として、前記記載の体臭抑制剤を配合したことに特徴を有する化粧料(以下、「本発明の化粧料」とも称する。)を提供することができる。
本発明により、体臭、特に加齢臭の発生を効果的に抑制する薬剤、すなわち体臭、特に加齢臭抑制剤を提供することができる。更に、前記体臭抑制剤を使用して、化粧料を、容易かつ簡便に製造することができる。したがって、本発明は特に化粧料分野において、工業的に極めて有用である。
以下に、ハイドロキシアパタイト及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、アルミナ(α型のものを除く)及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、水酸化マグネシウム、並びに酸化カルシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体からなる群より選択される少なくとも1種の体臭抑制効果を有する粉体を含む体臭抑制剤、すなわち本発明の体臭抑制剤及びこれを配合した化粧料を中心に、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、これらに限定されることはない。
なお、本発明において、「超微粒子」とは、特に、平均粒子径で表して0.01〜0.09μm程度をいい、「微粒子」とは、特に、平均粒子径で表して1.0〜20μm程度をいう。また、この平均粒子径については、公知の方法、例えばレーザー回折・散乱法により容易に測定することができる。
(本発明の体臭抑制剤)
本発明の体臭抑制剤は、好ましくは加齢臭抑制剤であり、ハイドロキシアパタイト及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、アルミナ(α型のものを除く)及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、水酸化マグネシウム、並びに酸化カルシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体からなる群より選択される少なくとも1種の粉体(体臭抑制効果を有する粉体)を含む。
なお、本発明においては、上記体臭抑制効果を有する粉体(体臭抑制剤の有効成分として使用される粉体)については、使用感及び体臭抑制効果から、γ型アルミナ、δ型アルミナ、θ型アルミナ、及びγ型,δ型,θ型アルミナの混合物、並びにハイドロキシアパタイト、ハイドロキシアパタイト−セリサイト複合体、及びハイドロキシアパタイト−超微粒子酸化亜鉛−セリサイト複合体からなる群より選択されることが好ましい。特に、γ型アルミナ、δ型アルミナ、θ型アルミナ、及びγ型,δ型,θ型アルミナの混合物からなる群より選択されることが好ましい。
アルミナ(Al)については、例えばアルミナ水和物の熱処理過程において各種の形態のものが生成することが知られている。通常の化粧料に使用されている狭義の意味でのアルミナは、α型のものであるが、後述するように、α型のアルミナは体臭抑制効果が低いため、本発明においては選択されない。したがって、本発明において使用するアルミナは、α型のアルミナを除く、γ−、δ−、χ−、η−、ρ−、及びθ−型のアルミナ等から選択される。なお、前記アルミナについては、各種の形態のものを、単独で、又は混合して用いて行うことができる。
前記アルミナの粒子の形状については、不定形、針状、球状、板状、半球状が例示されるが、好ましい粒子の形状は球状又は板状である。
前記アルミナの粒子径については、通常化粧料において選択される範囲にあればよく、特に限定されないが、平均粒子径で表して、好ましくは0.01〜100μm程度、より好ましくは0.01〜50μm程度、更に好ましくは0.01〜30μm程度の範囲が選択される。
前記アルミナの比表面積については、特に限定されないが、好ましくは40〜350m/g程度、より好ましくは70〜200m/g程度、更に好ましくは80〜150m/g程度の範囲が選択される。なお、この比表面積については、公知の方法、例えばBET法により容易に測定することができる。
前記アルミナの細孔容積については、特に限定されないが、好ましくは0.1〜0.8cm/g程度、より好ましくは0.2〜0.6cm/g程度、更に好ましくは0.2〜0.4cm/g程度の範囲が選択される。なお、この細孔容積については、公知の方法、例えばガス吸着法や水銀圧入法により容易に測定することができる。
前記アルミナについては、通常の化粧料に用いられる粉体(選択されるアルミナと同一のものを除く)と複合体化して化粧料に配合することができる。アルミナの複合体として、例えば、超微粒子酸化亜鉛−γ−δ−θ−アルミナ複合体(超微粒子酸化亜鉛とγ型,δ型,θ型アルミナ混合物との複合体)、酸化マグネシウム−γ−アルミナ−PMMA複合体が挙げられる。なお、これらは、1種又は2種以上を適宜選択して組み合わせて用いることができる。
前記アルミナについては、その粒子表面を炭酸水酸化アルミニウム(Al(OH)(CO/nHO)等の複塩(二種の単塩からなる化合物)の膜で被覆されていてもよい。
前記アルミナの粒子表面を、前記複塩を用いて被覆(表面処理)するには、公知の方法により行えばよい。例えば、炭酸水酸化アルミニウムを用いて被覆(表面処理)するには、例えば、前記アルミナ(表面処理される前のもの)の粒子表面を、水酸化アルミニウムで直接処理しCO中で脱水処理して、行うことができる。このとき、COの濃度を任意に変化させて炭酸水酸化アルミニウム(膜)の被覆量を変化させることができる。なお、これらの被覆処理工程及び脱水処理工程自体については、従来既知の方法が採用できる。
前記アルミナ(表面処理される前のもの(粒子))に対する前記表面処理物質(炭酸水酸化アルミニウム)の量(被覆量)については、用いるアルミナ(表面処理される前のもの)の各粒子形状や平均粒子径に基づいて選択すればよく、特に限定されないが、表面処理する前の(表面処理すべき)アルミナに対して、好ましくは2〜80質量%程度、より好ましくは10〜50質量%程度、更に好ましくは20〜40質量%程度が選択される。
本発明において使用するハイドロキシアパタイト(hydroxyapatite(HAP))には特に制約は無い。例えば、Ca(POOH、Ca10(PO(OH)、Ca(POO、Ca10(PO等が挙げられる。
本発明において使用するハイドロキシアパタイトは、そのまま化粧料に配合することもでき、或いは通常の化粧料に用いられる粉体(ハイドロキシアパタイトを除く)と複合体化して配合することもできる。このような複合体として、例えば、ハイドロキシアパタイト−セリサイト複合体、ハイドロキシアパタイト−タルク複合体、ハイドロキシアパタイト−球状ナイロンパウダー複合体、ハイドロキシアパタイト−超微粒子酸化亜鉛−セリサイト複合体及びハイドロキシアパタイト−微粒子弁柄複合体が挙げられる。なお、これらは、1種又は2種以上を適宜選択して組み合わせて用いることができる。
本発明において使用する酸化亜鉛(ZnO)については、特に制限はなく、顔料級の粒子径を有する酸化亜鉛、微粒子の酸化亜鉛、及び超微粒子の酸化亜鉛の何れも使用することができるが、好ましくは、超微粒子の酸化亜鉛が選択される。
本発明において使用する酸化チタン(TiO)については、特に制限はなく、顔料級の粒子径を有する酸化チタン、微粒子の酸化チタン、及び超微粒子の酸化チタンの何れも使用することができるが、好ましくは、超微粒子の酸化チタンが選択される。なお、本発明において酸化チタンは、何れの結晶型のものであってもよいが、アナターゼ型又はルチル型の酸化チタンを選択することが好ましく、特に、アナターゼ型の酸化チタンを選択することが好ましい。
本発明において使用する酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、及び酸化カルシウム(CaO)については、特に限定されない。なお、本発明において、酸化マグネシウムは、通常の化粧料に用いられる粉体(酸化マグネシウムを除く)と複合体化して化粧料に配合することができ、また酸化カルシウムも、通常の化粧料に用いられる粉体(酸化カルシウムを除く)と複合体化して化粧料に配合することができる。酸化マグネシウムの複合体として、例えば、酸化マグネシウム−セリサイト複合体、酸化マグネシウム−タルク複合体、酸化マグネシウム−PMMA複合体、及び酸化マグネシウム−ナイロンパウダー複合体が挙げられ、酸化カルシウムの複合体として、例えば、酸化カルシウム−白雲母複合体が挙げられる。なお、これらは、1種又は2種以上を適宜選択して組み合わせて用いることができる。
本発明において体臭抑制剤の有効成分として使用される粉体(アルミナを除く)の粒子径(複合化する前のもの)は、何れも平均粒子径で表して、好ましくは0.01〜100μm程度の範囲であり、より好ましくは0.01〜50μm程度の範囲であり、更に好ましくは0.01〜30μm程度の範囲である。また、本発明において体臭抑制剤の有効成分として使用される粉体(アルミナを除く)の粒子の形状(複合化する前のもの)については、何れも不定形、針状、球状、板状、半球状等が例示されるが、好ましい粒子の形状は、肌に塗布したときの使用感から、球状又は板状である。
なお、前記したように、本発明において複合体化のために用いられる粉体は、通常の化粧料に用いられる粉体であればよい。このような粉体として、例えば粘土鉱物(合成物も含まれる。)、金属酸化物、有機粉体等が挙げられる。
前記粘土鉱物としては、カオリナイト、デッカイト、ナクライト、ハロイドサイト、アンチゴライト、クリソタイル等のカオリン族、パイロフィライト、モンモリロナイト、ノントロナイト、サボナイト、ヘクトライト、ベントナイト等のスメクタイト族、セリサイト、白雲母、黒雲母、リチア雲母、金雲母、合成雲母、合成セリサイト等のイライト族、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム等のケイ酸塩、タルク、蛇絞石等のマグネシウムシリケート族等やゼオライト(天然及び合成品を含む。)、その他トルマリン(電気石)等を挙げることができる。
前記金属酸化物としては、シリカ、酸化セリウム等の単一成分粉体や、硫酸バリウム等を挙げることができる。
前記有機粉体としては、例えばナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピンパウダー、ポリスチレンパウダー、酢酸ビニルパウダー、ポリメタアクリル酸エステルパウダー、ポリアクリルニトリルパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーン樹脂パウダー、シリコーンエラストマーパウダー、セルロースパウダー等を使用することができる。
前記通常の化粧料に用いられる粉体としては、複合体の形態にあるものを選択することもできる。例えば、複合酸化物として、シリカ−酸化チタン、シリカ−硫酸バリウム、シリカ−酸化亜鉛、シリカ−酸化チタン−シリカ、シリカ−酸化セリウム−シリカ等のマルチレイヤー複合体、酸化チタン−ガラスフレーク、酸化チタン−酸化セリウム−アルミナ−タルク、酸化チタン−酸化ジルコニウム−アルミナ−シリカ等の無機−無機の複合粉体、チタンマイカ、酸化チタン−硫酸バリウム、酸化チタン−タルク、オキシ塩化ビスマス−マイカ、オキシ塩化ビスマス、虹彩箔パール顔料等のパール顔料、酸化チタン内包PMMA、酸化亜鉛内包PMMA、酸化セリウム内包PMMA、染料内包ポリスチレン、有色顔料内包PMMA等の内包カプセル、ポリエチレン−酸化亜鉛、ポリエチレン−酸化チタン、ポリエチレン−水酸化アルミニウム、ポリエチレン−酸化チタン−PMMA等の有機−無機の複合粉体、ナイロン−セルロース等の有機−有機の複合粉体が挙げられる。
前記複合体化のために用いられる粉体の形状については、何れも不定形、球状、板状、半球状等が例示されるが、好ましい粒子の形状は、肌に塗布したときの使用感から、球状又は板状である。また、前記複合体化のために用いられる粉体の粒子径は、平均粒子径で表して、好ましくは0.1〜50μm程度の範囲であり、より好ましくは0.3〜20μm程度の範囲である。
本発明において体臭抑制剤の有効成分として使用される粉体、すなわちハイドロキシアパタイト及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、アルミナ(α型のものを除く)及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体、水酸化マグネシウム、並びに酸化カルシウム及びこれと通常の化粧料に用いられる粉体との複合体からなる群より選択される少なくとも1種については、公知の方法により製造したものを使用することができ、また、市販のものを使用することもできる。
本発明において体臭抑制剤の有効成分として使用される粉体については、その効果を損わない範囲で、通常化粧料に用いられる表面処理剤を用いて表面処理を施すことができる。前記表面処理方法としては、例えば、シリコーン処理、アクリルシリコーン処理、金属石ケン処理、レシチン処理、アミノ酸処理、フッ素処理(例えば、フッ素アクリレート/ポリアルキレングリコールの共重合体ポリマー処理等)、コラーゲン処理、エラスチン処理、水添レシチン処理、高級アルコール処理、高級脂肪酸処理、エステル処理、ワックスロウ処理、界面活性剤処理、保湿性処理並びに特開2001−72527号公報及び特開2002−80748号公報等に開示されている処理方法(二つの層を構成するよう表面処理剤で処理する方法(マイブリッド処理))から選択される一種又は二種以上を用いる方法を選択することができる。
本発明において体臭抑制剤の有効成分として使用される粉体は、従来の粉体や顔料の配合方法と同様の方法で分散体や化粧料に配合することができる。
本発明において、前記体臭抑制剤の有効成分として使用される粉体を分散媒に混合分散させる方法については、公知の方法を採用すればよく、特に限定されない。例えば、ヘンシェルミキサー、プロペラミキサー、ハイスピードミキサー、ディゾルバー、ホモジナイザー、湿式ジェットミル、コロイドミル、マスコロイダー、ビーズミル、サンドミル等の湿式混合分散機を使用して分散体を製造することができる。
本発明は、体臭抑制剤を提供するものである。ここで、体臭とは、皮膚表面に分泌された汗の成分(蛋白質、アミノ酸、脂質、ステロール類等)が皮膚常在菌により資化された場合、低級脂肪酸(ペラルゴン酸、カプリン酸、イソ吉草酸等)の代謝物を総合的にかもし出す臭気の体臭と、青臭さを帯びた脂くさい独特な中高年の体臭、つまり加齢臭がある。これは、皮脂中の脂肪酸の一種の9−ヘキサデセン酸が皮膚の過酸化脂質と常在菌によって分解、生成するノネナール(不飽和アルデヒド)に代表される物質を原因とすることが知られている。
本発明において体臭抑制剤の有効成分として使用される粉体は、体臭の原因物質として知られているアンモニア及びトリメチルアミン等、体臭で汗の分解に起因する酢酸、プロピオン酸及びイソ吉草酸等、体臭(特に汗臭)の原因物質として知られているオクタナール等の飽和アルデヒド、その他人体から発生する悪臭(腐敗臭、尿臭ないし糞便臭等)の原因物質として知られている硫化水素等、並びに加齢臭の原因物質として知られているノネナール及びオクテナール等の不飽和アルデヒドを、短時間で、及び/又は長期間吸着する能力が高い。したがって、本発明の体臭抑制剤は、体臭、特に加齢臭の抑制剤として優れている。
(化粧料以外の用途)
前記記載の体臭抑制剤(本発明の体臭抑制剤)については、化粧料のみならず医薬品及び医薬部外品にも適用可能である。また、前記記載の体臭抑制剤は、衣服に付着しがちな体臭(特に加齢臭)がその衣服等に付着して発生すること等を防ぐために使用することができる。例えば、衣服の洗濯仕上剤や衣服のコーティング剤に配合することができる。或いは前記記載の体臭抑制剤を布、紙等の繊維に配合し、このようにして得られた繊維を用いて衣服等の製品を製造することもできる。
(本発明の化粧料)
本発明の化粧料は、前記記載の体臭抑制剤(本発明の体臭抑制剤)を配合した化粧料である。即ち、当該体臭抑制剤は、前記記載のように調製することができる。
本発明の化粧料においては、前記体臭抑制剤を1種又は2種以上使用することができ、このような化粧料も当然本発明の化粧料に含まれる。
本発明において、化粧料の処方については特に困難は無く、従来から使用されている技術、特に、薬剤ないし粉体を化粧料に使用する技術(例えば、乳化等)に基づいて、目的とした化粧料を得ることができる。
本発明の体臭抑制剤を化粧料(化粧料用組成物)に配合する場合において、その配合量は特に限定されないが、化粧料全組成中に、好ましくは0.01〜85質量%程度、より好ましくは0.01〜70質量%程度、更に好ましくは0.1〜35質量%程度である。配合量が少なすぎると、目的とする体臭抑制効果が十分に得られにくくなる場合がある。また、配合量が多すぎると、必然的に他の成分を十分に配合しにくくなり、目的とする剤型に調製しにくくなる場合があり、更には配合量の増加に見合った体臭抑制効果が得られなくなる傾向がある。
本発明の化粧料には、更に、本発明の目的及び効果(体臭、特に加齢臭抑制効果等)を阻害しない範囲で通常の化粧料等に用いられる他の成分、例えば、液体油脂、固体油脂、液体又は固体の油脂、ロウ類、エステル油、炭化水素油、シリコーン、低級アルコール、ステロール、界面活性剤、保湿剤、金属イオン封鎖剤、中和剤、防腐剤、キレート剤、紫外線吸収剤、植物系高分子、微生物系高分子、動物系高分子、セルロース系高分子、アルギン酸系高分子、ビニル系高分子、アクリル系高分子、デンプン系高分子、水溶性高分子等の化粧料に使用可能な高分子、ゲル化剤、増粘剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌剤、各種の抽出液、薬剤等を適宜配合することができる。
また、本発明の化粧料には、更に、本発明の目的及び効果(体臭、特に加齢臭抑制効果等)を阻害しない範囲で前記本発明の体臭抑制剤以外の体臭抑制剤ないし吸着剤(例えば、炭等)を適宜配合することもできる。
前記各種の抽出液としては、ドクダミエキス、オウバクエキス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、キナエキス、ユキノシタエキス、クララエキス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サクラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、シコンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、スギナエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキス、ニンジンエキス、カロットエキス、マロニエエキス、モモエキス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグリマギクエキス、ハマメリス抽出液、月見草エキス、プラセンタエキス、オウゴンリキッド、アセンヤク、ソウハクヒ、シソエキス、ローズマリー、エイジツエキス、オーレン、カミツエキス、胸線抽出物、シルク抽出液等が挙げられる。
前記薬剤としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール、dl−トコフェロール、2−L−アスコルビン酸ジエステルカリウム、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール等のホルモン、アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸、アラントイン、グリチルレチン酸、アズレン等の抗炎症剤、アルブチン等の美白剤、タンニン酸等の収斂剤、L−メントール、カンフル等の清涼剤やイオウ、塩化リゾチーム、塩化ピリドキシン、γ−オリザノール等が挙げられる。なお、前記薬剤については、遊離の状態で使用することができる他、造塩可能なものは酸又は塩基の塩の型で、また、カルボン酸基を有するものはそのエステルの型で使用することができる。
更に、本発明の化粧料には、必要に応じて適当な香料、色素等を、本発明の目的及び効果(体臭、特に加齢臭抑制効果等)を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
本発明の化粧料の剤型については特に限定は無い。化粧料の剤型として、例えば、水溶液系、可溶化系、乳化系(油中水(W/O)エマルション、水中油(O/W)エマルション)、粉末系、油液系、ゲル系、軟膏系、エアゾール系(スプレー状)、水−油二層系、水−油−粉末三層系、固形状、ムース状、スティック状等の従来公知の剤型を選択することができる。
具体的には、洗顔料、クリーム、乳液、ジェル(アンダーメークアップジェル等)、ムース、エッセンス(スキンケアエッセンス等)、ロールオン、ロ−ション、パック(ゼリー状パック等)、マスク等の基礎化粧品、ファンデーション(ゲル状ファンデーション等)、口紅等のメークアップ品、芳香化粧品、毛髪品(整髪料、ヘアクリーム、ヘアーリンス、染毛剤、ヘアマスカラ等)、ボディー化粧品(ボディソープ、固形石鹸等)、化粧水型スプレーミスト等が例示される。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
[製造例1] 炭酸水酸化アルミニウム被覆アルミナの製造
精製水2.0Lにアルミナ(θ−Al(平均粒子径0.1μm、BET比表面積80m/g))160.0gを加え、均一分散させた。得られた分散液に、予め精製水800mlにAlCl・6HO 189.36gを溶解させて得た溶液を加え、均一分散させた。得られた分散液に、予め精製水600mlにNaOH 94.0gを溶解させて得た溶液を加えた。その後60分間撹拌を続け、pHが7になるように調整した後、濾過・水洗をした。完全に夾雑物が除去された時点で精製水を加え、CO雰囲気中で脱水処理して、目的とする炭酸水酸化アルミニウム被覆アルミナを得た。
[製造例2] 超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体の製造
超微粒子酸化亜鉛(テイカ社製、MZ−500)とγ型,δ型,θ型アルミナの混合物(ユニオン昭和(株)社製)を重量比で2:8の比率で混合したもの10kgとをヘンシェルミキサーで混合し、アルピネ社製流動層型ジェットミル100AFG型を用いてノズル空気圧5kg/cmにて粉砕し、目的とする超微粒子酸化亜鉛とγ型,δ型,θ型アルミナ混合物(2:8)との複合体を得た。
[評価例1]
下記評価方法により各試料の体臭(加齢臭を含む)抑制効果の即効性及び持続性についての評価を行った。なお、試料として、ハイドロキシアパタイト、γ−アルミナ、ハイドロキシアパタイト−セリサイト複合体、ハイドロキシアパタイト−セリサイト−酸化亜鉛複合体、超微粒子酸化亜鉛、超微粒子酸化チタン、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、γ型,δ型,θ型アルミナ混合物、酸化マグネシウム−タルク複合体、炭酸水酸化アルミニウム被覆アルミナ(製造例1で得られたもの)、酸化カルシウム、及び超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体、並びにα−アルミナ、タルク、カオリン、ベントナイト、及び雲母を用いた。また、試験対象ガスについては、体臭(汗臭)の原因物質として知られているオクタナール(飽和アルデヒド)、加齢臭の原因物質として知られているノネナール(不飽和アルデヒド)及びオクテナール(不飽和アルデヒド)を用いた。
(評価方法)
試料(検体及び対照品)、各0.5gをそれぞれにおい袋に入れ、空気を4L封入した後、ガス濃度が約25ppmとなるようにオクタナールを添加した。これを室温で静置し、経過時間(0分、15分、30分、1時間、3時間、6時間)毎に袋内のガスをDNPHカートリッジに300ml捕集した。その後、ガスを捕集したDNPHカートリッジにアセトニトリル5mlを通してDNPH誘導体を溶出させ、この溶出液を高速液体クロマトグラフ法により測定し、袋内のガス濃度を算出した。また、ノネナール(約25ppm)及びオクテナール(約25ppm)についても同様に試験を行った。なお、各評価は、下記基準に基づいて行った。結果を表1及び2に示す。
(即効性の評価基準)
スコアー6:15分後の残留ガス濃度55%(質量)以下
スコアー5:15分後の残留ガス濃度56〜65%
スコアー4:15分後の残留ガス濃度66〜75%
スコアー3:15分後の残留ガス濃度76〜85%
スコアー2:15分後の残留ガス濃度86〜90%
スコアー1:15分後の残留ガス濃度91%以上
(持続性の評価基準)
スコアー6:6時間後の残留ガス濃度2%(質量)未満
スコアー5:6時間後の残留ガス濃度2%以上5%未満
スコアー4:6時間後の残留ガス濃度5%以上10%未満
スコアー3:6時間後の残留ガス濃度10%以上20%未満
スコアー2:6時間後の残留ガス濃度20%以上30%未満
スコアー1:6時間後の残留ガス濃度30%以上
(評価結果)
その結果、本発明の体臭抑制剤において使用される粉体(ハイドロキシアパタイト(hydroxyapatite(HAP))、γ−アルミナ、ハイドロキシアパタイト−セリサイト複合体、ハイドロキシアパタイト−セリサイト−酸化亜鉛複合体、超微粒子酸化亜鉛、超微粒子酸化チタン、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、γ型,δ型,θ型アルミナ混合物、酸化マグネシウム−タルク複合体、炭酸水酸化アルミニウム被覆アルミナ、酸化カルシウム及び超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体)は何れも体臭、特に加齢臭抑制効果の即効性及び持続性に優れていることが分かった。特に本発明の体臭抑制剤は、30分経過後では、におい袋中の残留ガス濃度が約5質量%未満で略一定化し、6時間経過後には2質量%未満となった。したがって、体臭、特に加齢臭抑制効果の即効性及び持続性において極めて優れていることは明らかである。一方、α−アルミナについては、体臭、特に加齢臭抑制効果の即効性及び持続性が極めて低く、その効果は認められなかった。また、タルク、カオリン、ベントナイト、及び雲母は、単独ではオクタナール、ノネナール、及びオクテナールの抑制効果が全く認められなかった。
Figure 2011178721
Figure 2011178721
[評価例2] 製造例1で得られた炭酸水酸化アルミニウム被覆アルミナ(炭酸水酸化アルミニウム被覆θ−アルミナ)とθ−アルミナ(未被覆のもの)との比較評価
上記製造例1で得られた炭酸水酸化アルミニウム被覆アルミナ及びθ−アルミナについて、下記評価方法により評価した。結果を表3に示す。
(評価方法)
試料、各0.5gをそれぞれにおい袋に入れ、空気を4L封入した後、ガス濃度が約25ppmとなるようにオクタナールを添加した。これを室温で静置し、経過時間(15分、及び6時間)毎に袋内のガスをDNPHカートリッジに300ml捕集した。その後、ガスを捕集したDNPHカートリッジにアセトニトリル5mlを通してDNPH誘導体を溶出させ、この溶出液を高速液体クロマトグラフ法により測定し、袋内のガス濃度を算出した。また、ノネナール(約25ppm)及びオクテナール(約25ppm)についても同様に試験を行った。
Figure 2011178721
(評価結果)
その結果、本発明の体臭抑制剤において使用される粉体として炭酸水酸化アルミニウム被覆アルミナを選択した場合には、体臭、特に加齢臭抑制効果の即効性及び持続性に特に優れた体臭抑制剤を提供できることが分かった。
[評価例3]
下記評価方法により各試料の体臭抑制効果(即効性及び持続性)についての評価を更に行った。なお、試料として、ハイドロキシアパタイト−セリサイト複合体、γ型,δ型,θ型アルミナ混合物、γ−アルミナ、θ−アルミナ、ゼオライト(A型)(対照品)、超微粒子酸化亜鉛、超微粒子酸化チタン、酸化チタン(光触媒用途のもの)、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体、セリサイト(対照品)、及びタルク(対照品)を用いた。また、試験対象ガスについては、体臭の原因物質として知られているアンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、及びイソ吉草酸を用いた。
(評価方法)
検体及び対照品をそれぞれにおい袋に入れヒートシールを施した後、空気9lを封入し、設定したガス濃度となるように試験対象ガスを添加した。これを静置し、経過時間ごとに袋内のガス濃度を、ガス検知管を用いて測定した。また、検体及び対照品を入れずに前記同様の方法を実施して評価を行い、これを空試験とした。但し、測定値が検出限界未満になった場合には、その時点で評価を終了した。また、各評価は、下記基準に基づいて、具体的には、各試験対象ガスについて、各時間に於ける各ガスの吸着率を、0〜6の尺度(スコア)の吸着度で表して行った。結果を表5〜9に示す。
Figure 2011178721
(評価基準)
Figure 2011178721
Figure 2011178721
Figure 2011178721
Figure 2011178721
Figure 2011178721
Figure 2011178721
(評価結果)
アンモニアの吸着に関して、即効性及び持続性に特に優れている試料(粉体)はγ−アルミナ、θ−アルミナ、γ型,δ型,θ型アルミナ混合物、超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体及び酸化チタン(光触媒用途のもの)であることが分かった。したがって、本発明の体臭抑制剤において使用される粉体としてこれらの粉体を選択した場合には、体臭ないし汗臭の抑制効果の即効性及び持続性に特に優れた体臭抑制剤を提供できる。なお、超微粒子酸化チタンは使用感面できしみ感があり主剤としての配合は難しい面があるので上記アルミナを主剤として用いるのが好適であると考えられる。
硫化水素の吸着に関して、即効性に特に優れている粉体は超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体であり、次いで超微粒子酸化亜鉛であり、持続性に特に優れている粉体はγ、θ、γ型,δ型,θ型アルミナ混合物であることが分かった。したがって、本発明の体臭抑制剤において使用される粉体としてこれらの粉体を選択した場合には、体臭や、口臭、腐敗臭、生活臭の抑制効果の即効性ないし持続性に特に優れた体臭抑制剤を提供できる。なお、粉体の使用感等を考慮すると、アルミナ(α型は除く)を主体に補助的に超微粒子酸化亜鉛を用いるのが好適であると考えられる。
トリメチルアミン(メチルメルカプタン)の吸着に関して、即効性及び持続性に特に優れている試料(粉体)は、γ、θ、γ型,δ型,θ型アルミナ混合物、超微粒子酸化チタン及び超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体、次いでハイドロキシアパタイト−セリサイト複合体であることが分かった。したがって、本発明の体臭抑制剤において使用される粉体としてこれらの粉体を選択した場合には、口臭ないし体臭の抑制効果の即効性ないし持続性に特に優れた体臭抑制剤を提供できる。なお、超微粒子酸化チタンはキシミ等の使用感において課題を残しやすいので補助的に適用するのが好適であると考えられる。
イソ吉草酸の吸着に関しては、ゼオライト(A型)の性能が少し不十分であるものの、試験した試料(粉体)のほぼ全てが即効性及び持続性に優れていた。したがって、本発明の体臭抑制剤において使用される粉体としてこれらの粉体を選択した場合には、体臭(特に足臭や、汗臭、むれ臭等)の抑制効果の即効性ないし持続性に特に優れた体臭抑制剤を提供できる。
[評価例4]
下記評価方法により各試料の体臭抑制効果の即効性及び持続性についての評価を行った。なお、試料として、ハイドロキシアパタイト−セリサイト複合体、γ型,δ型,θ型アルミナ混合物、γ−アルミナ、θ−アルミナ、超微粒子酸化亜鉛、超微粒子酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体、並びにゼオライト(A型)(対照品)、セリサイト(対照品)、及びタルク(対照品)を用いた。また、試験対象ガスについては、体臭(特に脇における体臭)の原因物質として知られているプロピオン酸を用いた。
(評価方法)
検体及び対照品をそれぞれにおい袋に入れヒートシールを施した後、空気9lを封入し、設定したガス濃度となるように試験対象ガスを添加した。これを静置し、経過時間毎に袋内のガスを、ガス検知管を用いて測定した。また、検体及び対照品を入れずに前記同様の方法を実施して評価を行い、これを空試験とした。但し、測定値が検出限界未満になった場合には、その時点で評価を終了した。また、各評価は、下記基準に基づいて、具体的には、各試験対象ガスについて、各時間に於ける各ガスの吸着率を、0〜6の尺度(スコア)の吸着度で表して行った。結果を表11に示す。
Figure 2011178721
(評価基準)
Figure 2011178721
Figure 2011178721
(評価結果)
プロピオン酸の吸着に関しては、試験した試料(本発明において体臭抑制剤の有効成分として使用される粉体)の全てが優れた吸着性能を有していた。したがって、本発明の体臭抑制剤において使用される粉体としてこれらの粉体を選択した場合には、体臭(特に脇における体臭)抑制効果の即効性に特に優れた体臭抑制剤を提供できる。
[評価例5]
下記評価方法により各試料の体臭抑制効果の即効性及び持続性についての評価を行った。なお、試料として、ハイドロキシアパタイト−セリサイト複合体、γ型,δ型,θ型アルミナ混合物、γ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、ゼオライト(A型)(対照品)、超微粒子酸化亜鉛、超微粒子酸化チタン、酸化チタン(光触媒用途のもの)、ハイドロキシアパタイト−超微粒子酸化亜鉛−セリサイト複合体、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体、セリサイト(対照品)、及びタルク(対照品)を用いた。また、試験対象ガスについては、加齢臭の原因物質として知られているノネナール(不飽和アルデヒド)を用いた。
(評価方法)
検体及び対照品をそれぞれにおい袋に入れヒートシールを施した後、試験対象ガス4lを封入した。これを静置し、経過時間毎に袋内のガスをDNPHカートリッジに300ml捕集した。ガスを捕集したDNPHカートリッジにアセトニトリル5mlを通してDNPH誘導体を溶出させ、この溶液を高速クロマトグラフ法により測定し、袋内のガス濃度を算出した。また、検体及び対照品を入れずに前記同様の方法を実施して評価を行い、これを空試験とした。但し、測定値が検出限界未満になった場合には、その時点で評価を終了した。また、各評価は、下記基準に基づいて、具体的には、各試験対象ガスについて、各時間に於ける各ガスの吸着率を、0〜6の尺度(スコア)の吸着度で表して行った。結果を表13に示す。
Figure 2011178721
(評価基準)
Figure 2011178721
Figure 2011178721
(評価結果)
ノネナールの吸着に関しては、ゼオライト(A型)の性能が少し不十分であるものの、ハイドロキシアパタイト−超微粒子酸化亜鉛−セリサイト複合体、酸化マグネシウム、及び水酸化マグネシウムが特に即効性に優れ、次いでγ型,δ型,θ型アルミナ混合物、γアルミナ、θアルミナ、超微粒子酸化亜鉛、超微粒子酸化チタン、酸化チタン(光触媒用途のもの)、及び超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体が即効性に優れていた。したがって、本発明の体臭抑制剤において使用される粉体としてこれらの粉体を選択した場合には、加齢臭抑制効果の即効性に特に優れた体臭抑制剤を提供できる。
[評価例6]
下記評価方法により各試料の体臭抑制効果の即効性及び持続性についての評価を行った。なお、試料として、ハイドロキシアパタイト−超微粒子酸化亜鉛−セリサイト複合体、ハイドロキシアパタイト−セリサイト複合体、γ型,δ型,θ型アルミナ混合物、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及び超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体を用いた。また、試験対象ガスについては、体臭(汗臭)の原因物質として知られているオクタナール(飽和アルデヒド)を用いた。
(評価方法)
検体及び対照品をそれぞれにおい袋に入れヒートシールを施した後、試験対象ガス4lを封入した。これを静置し、経過時間毎に袋内のガスをDNPHカートリッジに300ml捕集した。ガスを捕集したDNPHカートリッジにアセトニトリル5mlを通してDNPH誘導体を溶出させ、この溶液を高速クロマトグラフ法により測定し、袋内のガス濃度を算出した。また、検体を入れずに前記同様の方法を実施して評価を行い、これを空試験とした。但し、測定値が検出限界未満になった場合には、その時点で評価を終了した。また、各評価は、下記基準に基づいて、具体的には、各試験対象ガスについて、各時間に於ける各ガスの吸着率を、0〜6の尺度(スコア)の吸着度で表して行った。結果を表15に示す。
Figure 2011178721
(評価基準)
Figure 2011178721
Figure 2011178721
(評価結果)
オクタナールの吸着に関しては、水酸化マグネシウムの性能が少し不十分であるものの、試験した試料(粉体)のほぼ全てが優れた吸着性能を有していた。具体的には、水酸化マグネシウムを除いた粉体のオクタナールの吸着量は、ノネナールの場合より若干低いが、10分で約17%、30分後で約50%程度であった。したがって、本発明の体臭抑制剤において使用される粉体としてこれらの粉体を選択した場合には、加齢臭抑制効果に特に優れた体臭抑制剤を提供できる。
[実施例1] 化粧料の製造例−1
下記表16の組成に基づいて下記製造方法により化粧料(パウダー消臭スプレー)を製造した。
(製造方法)
粉末成分(成分(1)〜(4))を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。得られた混合物と油分(成分(5)〜(7))を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。その後、得られた混合物に、添加剤(成分(8))を加え、均一に混合した後、粉砕機で均質解砕した。スプレー缶に、得られた混合物を充填し、更に噴射剤(成分(9)及び(10))を充填して、目的とする化粧料を得た。
Figure 2011178721
[比較例1] 化粧料の製造例−2
超微粒子酸化亜鉛−ハイドロキシアパタイト−タルク複合体に替えて、タルク3.2質量%を、γ,δ,θ混合アルミナに替えて、タルク2.5質量%をそれぞれ使用すること以外は、実施例1と同様の方法で化粧料(パウダー消臭スプレー)を製造した。
[評価例7] 実施例1で得られた化粧料(パウダー消臭スプレー)と比較例1で得られた化粧料(パウダー消臭スプレー)との比較評価
上記実施例1及び比較例1で得られた各種化粧料(パウダー消臭スプレー)について、下記評価方法により評価した。結果を表17に示す。
(評価方法)
健康な中高年(40〜70代)であって、かつ専門パネルによる官能評価において加齢臭(中高年に特有の体臭)が強いと判断された者(12名)を選択し、これらの者を実施例1で得られた化粧料を使用する群(6名)と、比較例1で得られた化粧料を使用する群(6名)とに分けた。について、各群において、各種化粧料を毎日入浴後又は入浴時に使用することとした。各種化粧料の5日間の継続使用後、3名の専門パネルにより、体臭について、下記基準に従い評価した。
(判定基準)
6:全く臭わない
5:ほとんど臭わない
4:僅かに臭う
3:割合臭う
2:かなり臭う
1:非常に臭う
0:極端に臭う
Figure 2011178721
上記表17の結果から明らかなように、実施例1の化粧料(本発明の化粧料)の群は、比較例1の化粧料の群と比較して体臭が有意に減少している。したがって、本発明の化粧料は、優れた体臭抑制効果を有していることが分かる。
[実施例2] 化粧料の製造例−3
下記表18の組成に基づいて下記製造方法により化粧料(コンパクト状消臭パウダー)を製造した。
(製造方法)
γ型アルミナとタルクを、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。得られた混合物に油分(成分(3)及び(4))を添加・混合した。その後、得られた混合物を、5馬力のパルベライザーを用いて粉砕した。得られた粉砕物を中皿にプレス状に成型して、目的とする化粧料を得た。
Figure 2011178721
[比較例2] 化粧料の製造例−4
γ型アルミナに替えて、タルク20.0質量%を使用すること以外は、実施例2と同様の方法で化粧料(コンパクト状消臭パウダー)を製造した。
[評価例8]実施例2で得られた化粧料(コンパクト状消臭パウダー)と比較例2で得られた化粧料(コンパクト状消臭パウダー)との比較評価
上記実施例2及び比較例2で得られた各種化粧料(コンパクト状消臭パウダー)について、上記評価例7と同様の評価方法により評価した。結果を表19に示す。
Figure 2011178721
上記表19の結果から明らかなように、実施例2の化粧料(本発明の化粧料)の群は、比較例2の化粧料の群と比較して体臭が有意に減少している。したがって、本発明の化粧料は、優れた体臭抑制効果を有していることが分かる。
[実施例3] 化粧料の製造例−5
下記表20の組成に基づいて下記製造方法により化粧料(化粧水)を製造した。
(製造方法)
精製水に、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、マルチトール、グリセリン、1,3ブチレングリコール、2% d,l−ピロリドンカルボン酸ナトリウム液を溶解させた後、ハイドロキシアパタイト及び酸化マグネシウムを加えて、均一に分散させた。更に、得られた分散物に、予めエタノールにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50)及びメチルパラベンを溶解させて得たエタノール溶液を添加し撹拌した。その後、得えられたエタノール溶液を、濾過して、目的とする化粧料を得た。
Figure 2011178721
[比較例3] 化粧料の製造例−6
ハイドロキシアパタイトに替えて、精製水5.0質量%を、酸化マグネシウムに替えて、精製水0.5質量%をそれぞれ使用すること以外は、実施例3と同様の方法で化粧料(化粧水)を製造した。
[評価例9]実施例3で得られた化粧料(化粧水)と比較例3で得られた化粧料(化粧水)との比較評価
上記実施例3及び比較例3で得られた各種化粧料(化粧水)について、上記評価例7と同様の評価方法により評価した。結果を表21に示す。
Figure 2011178721
上記表21の結果から明らかなように、実施例3の化粧料(本発明の化粧料)の群は、比較例3の化粧料の群と比較して体臭が有意に減少している。したがって、本発明の化粧料は、優れた体臭抑制効果を有していることが分かる。
[実施例4] 化粧料の製造例−7
下記表22の組成に基づいて下記製造方法により化粧料(化粧水型スプレーミスト)を製造した。
(製造方法)
ポリエチレングリコール400、1,3ブチレングリコール、グリセリン及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50)を均一に溶解した後、超微粒子酸化チタン及び水酸化マグネシウムを加えて、均一に分散させた。更に、得られた分散物を、精製水に加えて、混合した。次いで、得られた混合物に、予めエタノールにブチルヒドロキシトルエン及びメチルパラベンを溶解させて得たエタノール溶液を添加し撹拌した。得られた混合物に、クエン酸、エチレンジアミンヒドロキシ三酢酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、及びリン酸水素ナトリウムを加えて撹拌した後、濾過を行い原液成分とした。得られた原液成分をエアゾール容器に注入し、このエアゾール容器にバルブを装着した。その後、原液成分40に対して液化石油ガス60となるように、液化石油ガスをエアゾール容器に充填し、目的とする化粧料を得た。
Figure 2011178721
[比較例4] 化粧料の製造例−8
超微粒子酸化チタンに替えて、精製水2.0質量%を、水酸化マグネシウムに替えて、精製水0.5質量%をそれぞれ使用すること以外は、実施例4と同様の方法で化粧料(化粧水型スプレーミスト)を製造した。
[評価例10]実施例4で得られた化粧料(化粧水型スプレーミスト)と比較例4で得られた化粧料(化粧水型スプレーミスト)との比較評価
上記実施例4及び比較例4で得られた各種化粧料(化粧水型スプレーミスト)について、上記評価例7と同様の評価方法により評価した。
実施例4の化粧料(本発明の化粧料)の群は、比較例4の化粧料の群と比較して体臭が有意に減少していた。したがって、本発明の化粧料は、優れた体臭抑制効果を有している。
[実施例5] 化粧料の製造例−9
下記表23の組成に基づいて下記製造方法により化粧料(クリーム)を製造した。
(製造方法)
成分(12)に、成分(13)〜(15)を加えた後、得られた混合物を85℃に維持し、水相成分とした。一方、成分(1)〜(11)を混合し、加熱溶解させた後、得られた混合物を85℃に保持し油相成分とした。前記水相成分に前記油相成分を加えて、予備乳化を実施し、更に、ホモミキサーを用いて均一に乳化した。この乳化物を撹拌しながら冷却し、目的とする化粧料を得た。
Figure 2011178721
[比較例5] 化粧料の製造例−10
δ−アルミナに替えて、精製水2.0質量%を、ハイドロキシアパタイト−合成雲母複合体に替えて、精製水2.0質量%をそれぞれ使用すること以外は、実施例5と同様の方法で化粧料(クリーム)を製造した。
[評価例11]実施例5で得られた化粧料(クリーム)と比較例5で得られた化粧料(クリーム)との比較評価
上記実施例5及び比較例5で得られた各種化粧料(クリーム)について、上記評価例7と同様の評価方法により評価した。
実施例5の化粧料(本発明の化粧料)の群は、比較例5の化粧料の群と比較して体臭が有意に減少していた。したがって、本発明の化粧料は、優れた体臭抑制効果を有している。
[製造例3] 5%ジメチルポリシロキサン処理超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体の製造
超微粒子酸化亜鉛(テイカ社製、MZ−500)とγ型,δ型,θ型アルミナの混合物(ユニオン昭和(株)社製)を重量比で2:8の比率で混合したもの10kgとジメチルポリシロキサン500gとをヘンシェルミキサーで混合し、アルピネ社製流動層型ジェットミル100AFG型を用いてノズル空気圧5kg/cmにて粉砕し、目的とする5%処理ジメチルポリシロキサン処理超微粒子酸化亜鉛と5%処理ジメチルポリシロキサン処理γ型,δ型,θ型アルミナ混合物(2:8)との複合体を得た。
[実施例6] 化粧料の製造例−11
下記表24の組成に基づいて下記製造方法により化粧料(サンスクリーン剤)を製造した。
(製造方法)
水相(B相)の成分を75℃で加熱溶解させておいた。油相(A相)成分のうちジメチルポリシロキサン処理酸化チタン、製造例2で得られた複合体及びシリコンパウダー以外の成分を75℃で加熱、溶解、分散させておいた。その後、得られた油相の成分混合物にジメチルポリシロキサン処理酸化チタン、製造例2で得られた複合体及びシリコンパウダーを添加し、充分に分散させた。得られた油相分散体に、水相の成分混合物を、ホモジナイザー処理を行いながら添加し、熱交換機を用いて乳化物を冷却して、目的とする化粧料を得た。
Figure 2011178721
[製造例4] 酸化マグネシウム−γ−アルミナ−PMMA複合体の製造
PMMA(綜研化学社製)200gに対し、γ−アルミナ(住友化学社製)80gを均一に混合した後、ボールミル処理を8時間行った。その後、酸化マグネシウム(キシダ化学(株)社製)28gを加えて更に5時間処理し、目的とする酸化マグネシウム−γ−アルミナ−PMMA複合体を得た。
[実施例7] 化粧料の製造例−12
下記表25の組成に基づいて下記製造方法により化粧料(化粧直しミスト)を製造した。
(製造方法)
A相の成分のうち製造例3で得られた複合体及びナイロンパウダー以外の成分を、常温にて均一溶解させた。その後、製造例3で得られた複合体及びナイロンパウダーを添加し、充分に分散させた。その後、得られたA相の分散体に、ホモジナイザーを用いてB相の成分混合物を添加し、目的とする化粧料を得た。
Figure 2011178721
[実施例8] 化粧料の製造例−13
下記表26の組成に基づいて下記製造方法により化粧料(パウダー消臭スプレー)を製造した。
(製造方法)
粉末成分(成分(1)〜(4))を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。得られた混合物と油分(成分(5)〜(7))を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。その後、得られた混合物に、添加剤(成分(8))を加え、均一に混合した後、粉砕機で均質解砕した。スプレー缶に、得られた混合物を充填し、更に噴射剤(成分(9)及び(10))を充填して、目的とする化粧料を得た。
Figure 2011178721
[評価例12] 実施例8で得られた化粧料(パウダー消臭スプレー)の評価
上記実施例8で得られた化粧料(パウダー消臭スプレー)について、下記評価方法により評価した。結果を表27に示す。
(評価方法)
健常肌でデオドラントの使用経験で18〜65才の男性を対象に実施した。調査期間は夏場の平均気温が30℃で、平均最高気温は36℃の時で、官能評価は無香料石ケンで腋下を洗浄後、無臭のシャツを着用し、24時間後のワキのニオイを直接官能評価をした。その条件の中から官能評価で弱い腋臭〜非常に強い腋臭のパネルを28名選出しパウダー消臭スプレーを使用する前の腋(腋下)臭と実施例8のパウダースプレーを使用した直後(2分後)の腋(腋下)臭と24時間後の腋(腋下)臭(持続性)について専門パネルによる官能評価で評価した。なお、脇下臭の官能評価は被験者の脇を2〜3cmの距離から直接その臭いを嗅ぐ(官能評価する)ことにより行った。
スコア
0 無臭
1 僅かに感知出来る腋臭
2 少し腋臭がする、若しくは何の臭いか不明瞭(腋臭であることは分かる弱いにおい)
3 中程度の腋臭(何の臭いか明瞭)
4 かなり強い腋臭がする
5 非常に強い腋臭がする
6 極端に強い腋臭がする
Figure 2011178721
上記表27の結果から明らかなように、実施例8の化粧料(本発明の化粧料)の群は、使用前と比較して体臭が有意に減少している。したがって、本発明の化粧料は、優れた体臭抑制効果を有していることが分かる。
[実施例9] 化粧料の製造例−14
下記表28の組成に基づいて下記製造方法により化粧料(デオドラントジェル)を製造した。
(製造方法)
精製水にカルボキシビニルポリマー及びメチルセルロースを均一に溶解させた後、PEG1500、超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体及びエデト酸三ナトリウムを均一に分散させ、水相の成分分散体を得た。一方、ジプロピレングリコールにPOE(15)オレイルアルコール及びアクリル酸・メタアクリル酸アルキル共重合体を加え、50〜55℃で加熱溶解し、これにメチルパラベンを加えた。得られた混合物に、先に調製しておいた水相の成分分散体を、撹拌しながら徐々に添加した。その後、得られた混合物に、水酸化カリウム水溶液を添加し、中和のために充分に撹拌した後、得られた混合物を容器に充填して、目的とする化粧料を得た。
Figure 2011178721
[比較例6] 化粧料の製造例−15
超微粒子酸化亜鉛−γ型,δ型,θ型アルミナ混合物複合体に替えて、タルク12.0質量%を使用すること以外は、実施例9と同様の方法で化粧料(デオドラントジェル)を製造した。
[評価例13] 実施例9で得られた化粧料(デオドラントジェル)と比較例6で得られた化粧料(デオドラントジェル)との比較評価
上記実施例9及び比較例6で得られた各種化粧料(デオドラントジェル)について、下記評価方法により評価した。結果を表29に示す。
(評価方法)
健康な中高年(40〜70代)であって、かつ専門パネルによる官能評価において加齢臭(中高年に特有の体臭)が強いと判断された者(12名)を選択し、これらの者を実施例1で得られた化粧料を使用する群(6名)と、比較例1で得られた化粧料を使用する群(6名)とに分けた。について、各群において、各種化粧料を毎日入浴後又は入浴時に使用することとした。各種化粧料の5日間の継続使用後、3名の専門パネルにより、体臭について、下記基準に従い評価した。
(判定基準)
6:全く臭わない
5:ほとんど臭わない
4:僅かに臭う
3:割合臭う
2:かなり臭う
1:非常に臭う
0:極端に臭う
Figure 2011178721
上記表29の結果から明らかなように、実施例9の化粧料(本発明の化粧料)の群は、比較例6の化粧料の群と比較して体臭が有意に減少している。したがって、本発明の化粧料は、優れた体臭抑制効果を有していることが分かる。

Claims (8)

  1. ハイドロキシアパタイト及びこれと化粧料に用いられる粉体との複合体、アルミナ(α型のものを除く)及びこれと化粧料に用いられる粉体との複合体、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム及びこれと化粧料に用いられる粉体との複合体、水酸化マグネシウム、並びに酸化カルシウム及びこれと化粧料に用いられる粉体との複合体からなる群より選択される少なくとも1種の体臭抑制効果を有する粉体を含むことを特徴とする体臭抑制剤。
  2. 前記体臭は、加齢臭である請求項1に記載の体臭抑制剤。
  3. 前記体臭抑制効果を有する粉体は、γ型アルミナ、δ型アルミナ、θ型アルミナ、及びγ型,δ型,θ型アルミナの混合物、並びにハイドロキシアパタイト、ハイドロキシアパタイト−セリサイト複合体、及びハイドロキシアパタイト−超微粒子酸化亜鉛−セリサイト複合体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の体臭抑制剤。
  4. 前記体臭抑制効果を有する粉体は、γ型アルミナ、δ型アルミナ、θ型アルミナ、及びγ型,δ型,θ型アルミナの混合物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の体臭抑制剤。
  5. 前記体臭抑制効果を有する粉体(前記複合体を除く)の粒子の粒子径は、平均粒子径で、0.01〜100μmである請求項1〜4の何れか一項に記載の体臭抑制剤。
  6. 前記アルミナは、その粒子表面を炭酸水酸化アルミニウムの膜で被覆されている請求項4に記載の体臭抑制剤。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の体臭抑制剤を配合したことを特徴とする化粧料。
  8. 前記体臭抑制剤を、化粧料組成全体に対して、0.01〜85質量%配合した請求項7に記載の化粧料。
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