JP2011178610A - ジルコニア焼結体、並びにその焼結用組成物及び仮焼体 - Google Patents

ジルコニア焼結体、並びにその焼結用組成物及び仮焼体 Download PDF

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Abstract

【課題】破壊靱性のより高いジルコニア焼結体、並びに該ジルコニア焼結体の前駆体となる焼結用組成物及び仮焼体を提供すること。
【解決手段】ジルコニア焼結体は、安定化剤を含有する部分安定化ジルコニアをマトリックス相として有し、ジルコニア焼結体の試料表面において、10μm×10μmの領域を256マス×256マスの格子状に区分した各マスにおける安定化剤の濃度を質量%で表記した場合に、安定化剤の表面濃度の標準偏差が0.8以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジルコニア焼結体に関する。また、本発明は、ジルコニア焼結体の焼結用組成物及び仮焼体に関する。
酸化ジルコニウム(IV)(ZrO)(以下、「ジルコニア」という)には多形が存在し、ジルコニアは多形間で相転移を起こす。例えば、正方晶のジルコニアは、単斜晶へ相転移する。このため、ジルコニア単体で焼結体を作製しても、この相転移により結晶構造が破壊されてしまうので、ジルコニア単体の焼結体は、製品としての十分な強度を確保できないという欠点を有する。また、ジルコニア単体の焼結体は、相転移による体積変化により、焼結体の寸法が変化してしまうという欠点も有する。
そこで、安定化剤として酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化セリウム等の酸化物をジルコニアに添加して、相転移の発生を抑制した安定化ジルコニア(Stabilized Zirconia)や部分安定化ジルコニア(PSZ;Partially Stabilized Zirconia)が利用されている。特に、部分安定化ジルコニアは、高強度、高靭性という優れた特性を有するセラミックスであり、部分安定化ジルコニアの焼結体は、例えば、歯の治療に使用する補綴材、工具等の種々の用途に使用されている。
しかし、部分安定化ジルコニアは、部分的に安定化されているに過ぎないため、長期的安定性の問題は解決されていない。例えば、部分安定化ジルコニア焼結体は、水分存在下、約200℃に加熱された状態では、正方晶から単斜晶への相転移が生じてしまい、これにより部分安定化ジルコニア焼結体の強度が劣化してしまう(以下、これを「低温劣化」という)。そこで、低温劣化を抑制するジルコニア焼結体の製造技術が開発されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1及び特許文献2に係る背景技術においては、平均粒径が0.5μm以下の部分安定化ジルコニア微粉末を用いて、1200℃〜1400℃でジルコニア微粉末を焼結させて、ジルコニア焼結体を製造している。
また、特許文献3には、完全焼結後に切削・研削加工が容易で、かつ多数歯欠損のブリッジにも適用可能な曲げ強度を有するフレーム材を製造するための歯科加工用ブロックが開示されている。特許文献3に記載の歯科加工用ブロックは、ジルコニア、アルミナ、ムライト及びスピネルの少なくとも1種を主材とする金属酸化物の完全な焼結体であり、金属酸化物100質量部に対して、1質量部以上23質量部以下のリン酸ランタン及び/又はリン酸アルミニウムを結晶体として含んでいる。
特許文献4に記載のジルコニア系セラミック材料の製造方法においては、2〜5mol%のイットリアで部分安定化したジルコニアの中の1〜30体積%を未安定化ジルコニアで置換した粉末50〜99体積%と残部がアルミナ粉末とからなる混合粉末を成形焼結する。特許文献4に記載のジルコニア系セラミック材料は、ジルコニアマトリックスの平均粒径は0.5μm未満で95%以上の正方晶と5%以下の単斜晶とからなる。
特開2001−80962号公報 特開2007−332026号公報 特開2009−23850号公報 特開平2−255570号公報
以下の分析は、本発明の観点から与えられる。
ジルコニア焼結体を例えば歯科用補綴材に適用する場合、その破壊靭性値がより高いことが望まれる。しかし、特許文献1〜3に記載の背景技術においては、低温劣化の抑制や曲げ強度の強化を図ってはいるが、ジルコニア焼結体の破壊靭性を高めることはできない。
特許文献4に記載のジルコニア系セラミック材料においては、低温劣化加速試験前から単斜晶を含有すると共に、大気中200℃という穏やかな試験条件であっても単斜晶への相転移が進行しており、安定性に問題がある。
一方、完全安定化ジルコニアにおいては、単斜晶への相転移は抑制することはできても、部分安定化ジルコニアより靭性や強度が低下してしまう。
また、ジルコニア焼結体を歯科用補綴材として使用するためには、強度の他にも、無色であること、及び半透明性を有することが要求されるが、安定化剤によっては着色が生じたり、透明性が失われたりしてしまうことがある。
本発明の目的は、破壊靱性のより高いジルコニア焼結体を提供することである。また、本発明の目的は、該ジルコニア焼結体の前駆体となる焼結用組成物及び仮焼体を提供することである。
本発明の第1視点によれば、安定化剤を含有する部分安定化ジルコニアをマトリックス相として有するジルコニア焼結体が提供される。ジルコニア焼結体の試料表面において、10μm×10μmの領域を256マス×256マスの格子状に区分した各マスにおける安定化剤の濃度を質量%で表記した場合に、安定化剤の表面濃度の標準偏差が0.8以上である。
上記第1視点の好ましい形態によれば、ジルコニア焼結体は、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)及びビスマス(Bi)のうち少なくとも1つの元素を含有する。当該元素を、酸化ジルコニウム(IV)1molに対して4×10−4mol〜4×10−2mol含有する。
上記第1視点の好ましい形態によれば、当該元素はリンである。
上記第1視点の好ましい形態によれば、リン元素の含有率が0.01質量%〜1質量%である。
上記第1視点の好ましい形態によれば、標準偏差は2以下である。
上記第1視点の好ましい形態によれば、ジルコニア焼結体は、酸化アルミニウムを0.2質量%〜10質量%さらに含有する。
上記第1視点の好ましい形態によれば、ジルコニア焼結体は、二酸化ケイ素を0.03質量%〜3質量%さらに含有する。
上記第1視点の好ましい形態によれば、JISR1607に準拠して測定したジルコニア焼結体の破壊靭性値が6以上である。
上記第1視点の好ましい形態によれば、ジルコニア焼結体を180℃、1MPaの条件で低温劣化加速試験を5時間施した場合に、低温劣化加速試験後のジルコニア焼結体の表面におけるX線回折パターンにおいて、正方晶由来の[111]ピークが生ずる位置付近に存在するピークの高さに対する単斜晶由来の[11−1]ピークが生ずる位置付近に存在するピークの高さの比が1以下である。
上記第1視点の好ましい形態によれば、安定化剤は酸化イットリウムである。部分安定化ジルコニアにおける酸化イットリウムの含有率は、酸化ジルコニウムと安定化剤の合計mol数に対して2mol%〜5mol%である。
本発明の第2視点によれば、1350℃〜1550℃で焼結することにより、第1視点に係るジルコニア焼結体を得るためのジルコニア焼結体の焼結用組成物が提供される。
本発明の第3視点によれば、安定化剤を含有する又は含有しない低安定化ジルコニア粒子と、低安定化ジルコニア粒子よりも安定化剤を多く含有する高安定化ジルコニア粒子と、を含有するジルコニア焼結体の焼結用組成物が提供される。酸化ジルコニアと安定化剤の合計mol数に対する高安定化ジルコニア粒子における安定化剤の含有率は、酸化ジルコニアと安定化剤の合計mol数に対する低安定化ジルコニア粒子における安定化剤の含有率よりも1mol%〜6mol%高い。
上記第3視点の好ましい形態によれば、低安定化ジルコニア粒子における安定化剤の含有率は、酸化ジルコニウムと安定化剤の合計mol数に対して0mol%以上2mol%未満である。高安定化ジルコニア粒子における安定化剤の含有率は、酸化ジルコニウムと安定化剤の合計mol数に対して2mol%以上8mol%未満である。
本発明の第3視点によれば、第2〜第4に係るジルコニア焼結体の焼結用組成物を800℃〜1100℃で焼成することにより得られるジルコニア焼結体の仮焼体が提供される。
本発明の第4視点によれば、1400℃〜1600℃で焼結することにより、第1視点に係るジルコニア焼結体を得るためのジルコニア焼結体の仮焼体が提供される。
なお、本発明のジルコニア焼結体には、ジルコニア粒子を加圧焼結法によらず焼結させた焼結体(常圧法焼結体)のみならず、HIP(Hot Isostatic Pressing;熱間静水等方圧プレス)処理によって緻密化させた焼結体も含まれる。
また、本発明において「低温劣化加速試験」とは、ISO13356に準拠した試験をいう。ただし、ISO13356に規定されている条件は、「134℃、0.2MPa、5時間」であるが、本発明においては、条件をより過酷にするため、その条件を「180℃、1MPa」とし、試験時間は目的に応じて適宜設定する。以下においては、「低温劣化加速試験」を「水熱処理」又は「水熱処理試験」とも表記する。
本発明は、以下の効果のうち少なくとも1つを有する。
本発明によれば、高破壊靱性のジルコニア焼結体、並びに当該ジルコニア焼結体の焼結用組成物及び仮焼体を得ることができる。本発明のジルコニア焼結体は、歯科補綴材、工具等種々の用途に利用することができる。
実施例における破壊靭性値の測定試験結果を示すグラフ。
特願2009−192287の特許請求の範囲、明細書、図面及び要約書に記載の内容は、本書に繰り込み記載されているものとする。
本発明のジルコニア焼結体について説明する。本発明のジルコニア焼結体は、部分安定化ジルコニア結晶粒子が主として焼結された焼結体であり、部分安定化ジルコニアをマトリックス相として有する。部分安定化ジルコニア結晶粒子における安定化剤としては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化セリウム等の酸化物の酸化物が挙げられる。安定化剤は、ジルコニア粒子が部分安定化できるような量を添加すると好ましい。例えば、安定化剤として酸化イットリウムを使用する場合、酸化イットリウムの含有率は、酸化ジルコニウムと安定化剤の合計mol数に対して好ましくは2mol%〜5mol%(約3質量%〜9質量%)添加することができる。ジルコニア焼結体中の安定化剤の含有率は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)発光分光分析によって測定することができる。
以下の説明において、単に「ジルコニア」と称するものは、部分安定化ジルコニアを意味するものとする。
安定化剤は、ジルコニア焼結体において、全体的に、不均一に存在すると好ましい。安定化剤の不均一の程度は、例えば、安定化剤の濃度の標準偏差によって表すことができる。ジルコニア焼結体の試料表面における安定化剤の濃度を質量%で表示した場合に、例えば、計50,000点以上の部分における安定化剤濃度の標準偏差が0.8以上、より好ましくは1以上、さらに好ましくは1.5以上であると好ましい。また、安定化剤濃度の標準偏差は2以下であると好ましい。安定化剤濃度の標準偏差を0.8以上にすると、ジルコニア焼結体の破壊靭性値を高めることができる。安定化剤濃度の標準偏差が2より大きくなると、不安定性が高くなりすぎてしまう。
当該標準偏差は、ジルコニア焼結体の試料表面10μm×10μmの領域の50,000点以上の濃度から算出すると好ましい。例えば、安定化剤濃度の標準偏差の測定方法としては、例えば、ジルコニア焼結体の試料表面において、10μm×10μmの正方形状の領域を縦256マス、横256マスの格子状に区分けし、各マス(計65536マス)における安定化剤の濃度を測定し、その標準偏差を求める。
ジルコニア焼結体の試料表面における安定化剤の濃度の測定方法としては、例えば、電界放出型電子プローブマイクロアナライザ(FE−EPMA;Field Effect Electron Probe Micro Analyzer)等を用いて試料表面における安定化剤の濃度を測定することができる。試料表面濃度によらなくとも、ジルコニア焼結体の一部を採取して濃度を測定する方法であってもよい。
ジルコニア焼結体における安定化剤濃度、標準偏差、その測定方法等に係る事項は、ジルコニア焼結体の仮焼体であっても同様であり、ここでの説明は省略する。
本発明のジルコニア焼結体は、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)及びビスマス(Bi)のうち、少なくとも1つの元素(以下、「第15族元素」という)を含有すると好ましい。第15族元素を含有することにより、低温劣化加速試験による単斜晶への相転移を抑制することができる。また、破壊靱性も高めることができる。第15族元素のうち、安全性の観点から、リン、アンチモン及びビスマスのうち少なくともいずれかを使用すると好ましい。このうち、相転移抑制効果、焼結体の強度、及びコスト性の観点から、特にリンが好ましい。
本発明のジルコニア焼結体における第15族元素の含有率は、酸化ジルコニウム(IV)1molに対して4×10−4mol〜4×10−2molにすると好ましく、4×10−3mol〜3×10−2molにするとより好ましく、8×10−3mol〜2×10−2molにするとさらに好ましい。第15族元素の含有率がこの範囲内にあると、正方晶から単斜晶への相転移の抑制効果が現れるからである。
第15族元素としてリンを使用する場合、相転移抑制効果の観点から、ジルコニア焼結体におけるリンの含有率は、酸化ジルコニウム及び酸化イットリウムの合計質量に対して、0.01質量%〜1質量%であると好ましく、0.1質量%〜0.6質量%であるとより好ましく、0.2質量%〜0.5質量%であるとさらに好ましい。
ジルコニア焼結体中における第15族元素の含有率は、ジルコニア焼結体の組成分析によって測定することができる。また、原料のジルコニア粒子の第15族元素の含有率及びジルコニア焼結体作製時に添加した第15族元素の添加率(すなわち焼成前の含有率)をジルコニア焼結体中における第15族元素の含有率(すなわち焼成後の含有率)をみなしてもよい。ただし、焼成によってある成分がジルコニア焼結体中から消失してしまい、焼成前の含有率と焼成後の含有率を実質的に同視できない場合には、組成分析によることとする。ジルコニア焼結体中の第15族元素の含有率は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)発光分光分析によって測定することができる。
第15族元素は、ジルコニア結晶粒子中に包含されていてもよいし、結晶粒界中に存在していてもよい。すなわち、ジルコニア結晶粒子作製時に第15族元素を添加してもよいし、ジルコニア結晶粒子と第15族元素とを混合して所定の形状に成形してもよい。
本発明のジルコニア焼結体は、酸化アルミニウム(アルミナ)を含有すると好ましい。酸化アルミニウムを含有させると、低温劣化の進行を抑制することができる。また、ジルコニア焼結体の熱膨張率をガラスの熱膨張率に近づけることができるので、例えば歯科用補綴材として使用する場合に欠陥の発生を抑制することができる。本発明のジルコニア焼結体における酸化アルミニウムの含有率は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム及び酸化アルミニウムの合計質量に対して、0.2質量%〜10質量%であると好ましく、6質量%〜10質量%であるとより好ましい。
ジルコニア焼結体中における酸化アルミニウムの含有率は、ジルコニア焼結体の組成分析によって測定することができる。また、原料のジルコニア粒子の酸化アルミニウムの含有率及びジルコニア焼結体作製時に添加した酸化アルミニウムの添加率(すなわち焼成前の含有率)をジルコニア焼結体中における酸化アルミニウムの含有率(すなわち焼成後の含有率)をみなしてもよい。ただし、焼成によってある成分がジルコニア焼結体中から消失してしまい、焼成前の含有率と焼成後の含有率を実質的に同視できない場合には、組成分析によることとする。ジルコニア焼結体中の酸化アルミニウムの含有率は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)発光分光分析によって測定することができる。
酸化アルミニウムは、ジルコニア結晶粒子中に包含されていてもよいし、結晶粒界中に存在していてもよい。すなわち、ジルコニア結晶粒子作製時に酸化アルミニウムを添加してもよいし、ジルコニア結晶粒子と酸化アルミニウムとを混合して所定の形状に成形してもよい。
本発明のジルコニア焼結体は、さらに二酸化ケイ素を含有すると好ましい。第15族元素(特にリン)と二酸化ケイ素とをジルコニア焼結体に含有させると、第15族元素のみを含有させるときより、相転移抑制効果をさらに高めることができる。本発明のジルコニア焼結体における二酸化ケイ素の含有率は、相転移抑制効果の観点から、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム及び二酸化ケイ素の合計質量に対して、0.03質量%〜3質量%であると好ましく、0.05質量%〜1質量%であるとより好ましく、0.1質量%〜0.8質量%であるとさらに好ましい。
ジルコニア焼結体中における二酸化ケイ素の含有率は、ジルコニア焼結体の組成分析によって測定することができる。また、原料のジルコニア粒子の二酸化ケイ素の含有率及びジルコニア焼結体作製時に添加した二酸化ケイ素の添加率(すなわち焼成前の含有率)をジルコニア焼結体中における二酸化ケイ素の含有率(すなわち焼成後の含有率)をみなしてもよい。ただし、焼成によってある成分がジルコニア焼結体中から消失してしまい、焼成前の含有率と焼成後の含有率を実質的に同視できない場合には、組成分析によることとする。ジルコニア焼結体中の二酸化ケイ素の含有率は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)発光分光分析によって測定することができる。
二酸化ケイ素は、ジルコニア結晶粒子中に包含されていてもよいし、結晶粒界中に存在していてもよい。すなわち、ジルコニア結晶粒子作製時に二酸化ケイ素を添加してもよいし、ジルコニア結晶粒子と二酸化ケイ素とを混合して所定の形状に成形してもよい。
本発明のジルコニア焼結体におけるジルコニア結晶粒子の結晶型は、主として正方晶である。本発明のジルコニア焼結体は、低温劣化加速試験(水熱試験)未処理状態のX線回折パターンにおいて、単斜晶は実質的には検出されないと好ましい。本発明のジルコニア焼結体(水熱試験未処理状態)に単斜晶が含まれるとしても、X線回折パターンにおいて、2θが30°付近の正方晶由来の[111]ピークが生ずる位置付近に存在するピークの高さに対する、2θが28°付近の単斜晶由来の[11−1]ピークが生ずる位置付近に存在するピークの高さの比(すなわち、「2θが28°付近の単斜晶由来の[11−1]ピークが生ずる位置付近に存在するピークの高さ」/「2θが30°付近の正方晶由来の[111]ピークが生ずる位置付近に存在するピークの高さ」である;以下「ピーク比」という)は、0.2以下であると好ましく、0〜0.1であるとより好ましい。
本発明のジルコニア焼結体の破壊靭性値は、低温劣化加速試験未処理の状態において、好ましくは6以上、より好ましくは8以上である。破壊靱性値は、JISR1607に準拠して測定する。
本発明のジルコニア焼結体の曲げ強度は、低温劣化加速試験未処理の状態において、好ましくは1000MPa以上、より好ましくは1100MPa以上である。曲げ強度は、JISR1601に準拠して測定する。
第15族元素を含有する本発明の好ましいジルコニア焼結体は、低温劣化の加速試験である水熱処理試験(低温劣化加速試験)を施しても正方晶から単斜晶への相転移を抑制することができる。特に、1450℃以上で焼成した焼結体について相転移抑制効果が顕著である。例えば、180℃、1MPaで5時間の水熱処理を本発明のジルコニア焼結体に施した場合、水熱処理後のジルコニア焼結体の表面におけるX線回折パターンにおいて、ピーク比は、好ましくは1以下であり、より好ましくは0.5以下であり、さらに好ましくは0.1以下であり、さらに好ましくは0.05以下であり、さらに好ましくは0.01以下である。
また、本発明のジルコニア焼結体に対して、180℃、1MPaで24時間の水熱処理を施した場合、水熱処理後のジルコニア焼結体の表面におけるX線回折パターンにおいて、ピーク比は、好ましくは3以下であり、より好ましくは2以下であり、さらに好ましくは1.5以下であり、さらに好ましくは1以下であり、さらに好ましくは0.5以下である。
本発明の好ましいジルコニア焼結体は、水熱処理試験を施してもその曲げ強度を高水準で維持することができる。例えば、本発明のジルコニア焼結体に対して、180℃、1MPaで24時間の水熱処理を施した場合、JISR1601に準拠して測定した水熱処理後のジルコニア焼結体の曲げ強度は、好ましくは50MPa以上であり、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは500MPa以上であり、さらに好ましくは800MPa以上であり、さらに好ましくは1000MPa以上である。
本発明の好ましいジルコニア焼結体は、水熱処理試験を施してもその寸法変化は小さく、高い寸法精度を維持することができる。本発明のジルコニア焼結体に対して、180℃、1MPaで24時間の水熱処理を施した場合、JISR1601に準拠して作製された水熱処理後のジルコニア焼結体の試験片の幅の膨張率は、未水熱処理の試験片の幅に対して、好ましくは0.6%以下であり、より好ましくは0.5%以下であり、さらに好ましくは0.3%以下であり、さらに好ましくは0.1%以下であり、さらに好ましくは0.05%以下である。
本発明のジルコニア焼結体における結晶粒子の粒径は特に限定されるものではない。
本発明のジルコニア焼結体における相転移抑制効果は、ジルコニア焼結体中の粒径の影響を受けない。したがって、用途に応じて適宜好適な粒径を選択することができる。
本発明のジルコニア焼結体は、好ましくは、半透明性を有していると共に、無着色である。これにより、本発明にジルコニア焼結体は、顔料等を添加することにより用途に応じてその外観を調整することができる。例えば、本発明のジルコニア焼結体は、補綴材等の歯科用材料として好適に使用することができる。また、ジルコニア焼結体は、マット感がなく、未焼結のように見えない外観を有すると好ましい。
本発明においては、第15族元素及び二酸化ケイ素のうちの少なくとも1つをジルコニア焼結体中に含有させることにより、ジルコニア結晶粒子の粒径及び粒径分布に特に留意することなく、破壊靱性を高めつつも、低温劣化性を低下させたジルコニア焼結体を得ることができる。また、焼結温度をより高温にすることができるので、曲げ強度を高めることができる。これにより、高破壊靱性、高強度及び長期的安定性を有するジルコニア焼結体を得ることができる。第15族元素及び二酸化ケイ素の添加の効果及び利点については、特願2009−192287の特許請求の範囲、明細書及び図面に記載されているので、これを援用することにより、本書における詳細な説明は省略する。
次に、本発明のジルコニア焼結体の焼結用組成物及び仮焼体について説明する。ジルコニア焼結体の焼結用組成物及び仮焼体は、本発明のジルコニア焼結体の前駆体(中間製品)となるものである。焼結用組成物には、粉体、粉体を溶媒に添加した流体、及び粉体を所定の形状に成形した成形体も含まれる。
本発明の焼結用組成物は、安定化剤を含有する又は含有しない低安定化ジルコニア粒子と、低安定化ジルコニア粒子よりも安定化剤を多く含有する高安定化ジルコニア粒子と、を含有する。すなわち、安定化剤の含有率(又は濃度)が異なる複数のジルコニア粒子を混合する。低安定化ジルコニア粒子における安定化剤の含有率は、酸化ジルコニウムと安定化剤の合計mol数に対して0mol%以上2mol%未満であると好ましい。高安定化ジルコニア粒子における安定化剤の含有率は、酸化ジルコニウムと安定化剤の合計mol数に対して2mol%以上8mol%未満であると好ましい。高安定化ジルコニア粒子の安定化剤の含有率は、低安定化ジルコニア粒子の安定化剤の含有率よりも0.5mol%〜7mol%高いと好ましく、1mol%〜7mol%高いとより好ましく、1.5mol%〜7mol%高いとさらに好ましい。例えば、低安定化ジルコニア粒子の安定化剤の含有率を1mol%とすることができ、高安定化ジルコニア粒子の安定化剤の含有率を3mol%とすることができる。低安定化ジルコニア粒子と高安定化ジルコニア粒子の混合比率については、低安定化ジルコニア粒子と高安定化ジルコニア粒子の合計質量に対して、低安定化ジルコニア粒子の含有率が5質量%〜40質量%であると好ましく、10質量%〜30質量%であるとより好ましく、15質量%〜25質量%であるとより好ましい。これにより、破壊靱性を高めることができるような安定化剤濃度の標準偏差が得られる。
なお、本発明においては、「高安定化」と「低安定化」と2種類のジルコニア粒子を混合しているが、安定化剤含有率が異なる3種以上のジルコニア粒子を混合してもよい。この場合には、各ジルコニア粒子の安定化剤含有率及び配合比を適宜調節することにより安定化剤濃度の標準偏差を調節するようにする。
本発明の焼結用組成物は、第15族元素単体又は第15族元素含有化合物を含有すると好ましい。第15族元素単体又は第15族元素含有化合物は、ジルコニア結晶粒子中に含有されていてもよいし、ジルコニア結晶粒子間に存在していてもよい。ジルコニア結晶粒子は、造粒されていてもよい。焼結用組成物における第15族元素の含有率は、酸化ジルコニウム(IV)1molに対して4×10−4mol〜4×10−2molであると好ましく、4×10−3mol〜3×10−2molであるとより好ましく、8×10−3mol〜2×10−2molであるとさらに好ましい。なお、第15族元素含有化合物1分子中に2以上の第15族元素を含有する場合、第15族元素の含有率は、第15族元素含有化合物のmol数ではなく、第15族元素のmol数を基準にして算出する。第15族元素がリンである場合、相転移抑制効果の観点から、焼結用組成物におけるリンの含有率は、部分安定化ジルコニア粒子に対して0.01質量%〜1質量%であると好ましく、0.1質量%〜0.6質量%であるとより好ましく、0.2質量%〜0.5質量%であるとさらに好ましい。
本発明の焼結用組成物は、酸化アルミニウムを含有すると好ましい。酸化アルミニウムは、ジルコニア結晶粒子中に含有されていてもよいし、ジルコニア結晶粒子間に存在していてもよい。焼結用組成物における酸化アルミニウムの含有率は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム及び酸化アルミニウムの合計質量に対して、0.2質量%〜10質量%であると好ましく、6質量%〜10質量%であるとより好ましい。
本発明の焼結用組成物は、さらに二酸化ケイ素を含有すると好ましい。二酸化ケイ素は、ジルコニア結晶粒子中に含有されていてもよいし、ジルコニア結晶粒子間に存在していてもよい。第15族元素(特にリン)と二酸化ケイ素とを焼結用組成物に含有させると、第15族元素のみを含有させるときより、ジルコニア焼結体の低温劣化に対する相転移抑制効果をさらに高めることができる。本発明の成形前焼結体における二酸化ケイ素の含有率は、相転移抑制効果の観点から、部分安定化ジルコニア粒子に対して0.03質量%〜3質量%であると好ましく、0.05質量%〜1質量%であるとより好ましく、0.1質量%〜0.8質量%であるとさらに好ましい。
ジルコニア結晶粒子の粒径及び粒径分布は特に限定されるものではない。
焼結用組成物は、粉末状であってもよいし、成形されたものでもよいし、溶媒中にあってもよいし、溶媒を含んでいてもよい。また、焼結用組成物は、バインダ等の添加物を含有するものであってもよい。
本発明の焼結用組成物は、成形体である場合、いずれの成形方法によって成形されたものでもよく、例えばプレス成形、射出成形、光造形法によって成形されたものとすることができ、多段階的な成形を施したものでもよい。例えば、本発明の焼結用組成物をプレス成形した後に、さらにCIP(Cold Isostatic Pressing;冷間静水等方圧プレス)処理を施したものでもよい。
本発明の焼結用組成物は、1350℃〜1550℃で焼成することにより本発明のジルコニア焼結体となる。
本発明の仮焼体は、ジルコニア粒子が焼結するに至らない温度で本発明の焼結用組成物を焼成したもの、又は本発明の焼結用組成物のジルコニア粒子を一部もしくは部分的に焼結させたものである。本発明の仮焼体における第15族元素含有率、酸化アルミニウム含有率及び二酸化ケイ素含有率は、本発明の焼結用組成物の場合と同様であり、ここでの説明は省略する。
本発明の仮焼体は、本発明の焼結用組成物を800℃〜1100℃で焼成することによって得られる。仮焼体の試料表面において、安定化剤は、全体的に、不均一に存在すると好ましい。
本発明の仮焼体は、1350℃〜1600℃で焼成することにより、本発明のジルコニア焼結体となる。
次に、本発明のジルコニア焼結体、並びにジルコニア焼結体の焼結用組成物及び仮焼体の製造方法について説明する。
以下においては、本発明の一実施形態として、ジルコニア結晶粒子中に所望量の第15族元素及び二酸化ケイ素が含有されていない場合の製造方法について説明する。
第1に、高安定化ジルコニア結晶粒子と低安定化ジルコニア結晶粒子を準備する。高安定化ジルコニア粒子及び低安定化ジルコニア粒子における安定化剤濃度は、それぞれ上記の通りである。ジルコニア結晶粒子の粒径及び粒径分布は、適宜好適なものを選択する。
第2に、高安定化ジルコニア結晶粒子と、低安定化ジルコニア結晶粒子と、第15族元素含有化合物又は第15族元素単体とを混合して、本発明の焼結用組成物を作製する。以下、高安定化ジルコニア結晶粒子と低安定化ジルコニア結晶粒子の混合物を「ジルコニア結晶粒子」と表記する。まず、ジルコニア結晶粒子と第15族元素含有化合物又は第15族元素単体とを混合する。第15族元素は、酸化ジルコニウム(IV)1molに対して4×10−4mol〜4×10−2mol含有させると好ましく、4×10−3mol〜3×10−2mol含有させるとより好ましく、8×10−3mol〜2×10−2mol含有させるとさらに好ましい。第15族元素含有化合物1分子中に2以上の第15族元素を含有する場合、第15族元素含有化合物のmol数ではなく、第15族元素のmol数を基準にして計算する。
第15族元素含有化合物としてリン含有化合物を使用する場合、リン含有化合物は、無機化合物と有機化合物のいずれであってもよい。無機化合物を使用する場合、例えば、リン酸類やリン酸塩類を使用することができる。この場合、例えば、リン酸(HPO)、リン酸アルミニウム(AlPO)、リン酸マグネシウム(Mg(PO)、リン酸カルシウム(Ca(PO)、リン酸水素マグネシウム(MgHPO)、リン酸二水素マグネシウム(Mg(HPO)、リン酸水素カルシウム(CaHPO)、リン酸二水素アンモニウム((NH)HPO)等を使用することができる。また、有機化合物を使用する場合、例えば、ホスフィンオキサイド類を使用することができる。
第15族元素含有化合物としてヒ素含有化合物を使用する場合、例えば、酸化ヒ素化合物等を使用することができる。
第15族元素含有化合物としてアンチモン含有化合物を使用する場合、酸化アンチモン化合物等を使用することができる。
第15族元素含有化合物としてビスマス含有化合物を使用する場合、酸化ビスマス化合物等を使用することができる。
本発明のジルコニア焼結体を、歯科用補綴材のように人体に使用する場合には、第15族元素含有化合物は、人体に対して悪影響が小さいものであると好ましく、人体に対して無害であるとより好ましい。
焼結用組成物には、さらに二酸化ケイ素を添加すると好ましい。二酸化ケイ素は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム及び二酸化ケイ素の合計質量に対して、0.03質量%〜3質量%、より好ましくは0.05質量%〜1質量%、さらに好ましくは0.1質量%〜0.8質量%含有させると好ましい。
焼結用組成物には、さらに酸化アルミニウムを添加すると好ましい。酸化アルミニウムの含有率は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム及び酸化アルミニウムの合計質量に対して、0.2質量%〜10質量%であると好ましく、6質量%〜10質量%であるとより好ましい。
焼結用組成物には、バインダを添加してもよい。バインダの添加の有無は、焼結体の製造目的に応じて適宜選択することができる。バインダを使用する場合、例えばアクリル系バインダを使用することができる。
混合方法は、乾式混合と湿式混合のいずれであってもよい。湿式混合の場合、溶媒として、例えば、水、アルコール等を使用することができる。また、混合は、手動混合でも良いし、機械混合でもよい。混合前のジルコニア結晶粒子が2次粒子を形成している場合には、2次粒子をできる限り解砕して混合すると好ましい。
第3に、焼結用組成物を所望の形状に加圧成形する。加圧成形方法は、適宜好適な方法を選択することができる。加圧圧力は、例えば20MPa以上とすることができる。加圧成形後、焼結用組成物に、例えば150MPa以上の圧力で、CIP(Cold Isostatic Pressing;冷間静水等方圧プレス)をさらに施してもよい。
加圧成形前に、焼結用組成物は、ジルコニア粒子を顆粒に造粒したものにしてもよい。また、混合時に溶媒を使用した場合には、加圧成形前や予備成形前にまず溶媒を除去する。溶媒は、例えば、顆粒に造粒する際にスプレードライヤーによって除去してもよいし、オーブン乾燥で除去してもよい。
焼結用組成物は、加圧成形後、切削や研削等により、所望の形状に加工することもできる。
第4に、焼結前に、焼結用組成物を仮焼して仮焼体を作製してもよい。この場合、仮焼条件は、例えば、仮焼温度800℃〜1100℃で、その保持時間を1時間〜3時間とすることができる。
仮焼体は、仮焼後、切削や研削等により、所望の形状に加工することもできる。
第5に、焼結用組成物又は仮焼体を焼成して、ジルコニア粒子を焼結させて、ジルコニア焼結体を作製する。焼成温度は、1350℃以上にすると好ましい。第15族元素を含有する場合、焼成温度は、1450℃以上であると好ましい。焼成温度が低いと、ジルコニア焼結体の強度が低くなってしまう。また、焼成温度をより高くしたほうが低温劣化における相転移抑制効果を高めることができる。例えば、好ましくは1500℃より高く、より好ましくは1550℃より焼成温度を高くして焼成した本発明のジルコニア焼結体は、水熱処理による単斜晶への相転移を効率的に抑制することができる。
焼成は、大気圧空気雰囲気下で実施することができる。
第6に、ジルコニア焼結体は、緻密性を高めるために、さらにHIP処理を施してもよい。
ジルコニア焼結体の製造方法についての上記説明においては、ジルコニア結晶粒子中に所望量の第15族元素含有化合物と二酸化ケイ素が含有されていない場合について説明したが、所望量の第15族元素含有化合物及び二酸化ケイ素のうち少なくとも一方がジルコニア結晶粒子中に元々包含されていてもよいし、所望量の一部がジルコニア結晶粒子中に包含されていてもよい。その場合は、ジルコニア結晶粒子中の第15族元素含有化合物又は二酸化ケイ素の含有量を考慮して、それぞれの添加量を調整するようにする。例えば、ジルコニア結晶粒子中に所望量の二酸化ケイ素が含有されている場合には、焼結用組成物作製時には第15族元素含有化合物のみを添加すればよい。また、ジルコニア結晶粒子中に所望量の一部の二酸化ケイ素が含有されている場合には、焼結用組成物作製時には第15族元素含有化合物と共に、所望量残部の二酸化ケイ素を添加すればよい。それ以外は、上記方法と同様である。
Figure 2011178610
Figure 2011178610
[ジルコニア焼結体の製造]
安定化剤としてイットリアを使用したジルコニア焼結体を作製した。実施例1〜4において使用した高安定化ジルコニア結晶粒子(株式会社ノリタケカンパニーリミテド社製)及び低安定化ジルコニア結晶粒子(株式会社ノリタケカンパニーリミテド社製)のイットリア含有率を表1に示す。それぞれ、酸化ジルコニウムと酸化イットリウムの合計mol数に対する酸化イットリウムの含有率を示す。高安定化ジルコニア結晶粒子と低安定化ジルコニア粒子を解砕しながら、表1に示す配合で水中混合して焼結用組成物を作製した。実施例2及び4においては、ジルコニア粒子及びイットリアの合計質量に対してリン元素の含有率が表1のようになるようにリン酸を焼結用組成物に添加した。また、二酸化ケイ素を、ジルコニア粒子、イットリア及び二酸化ケイ素の合計質量に対して表1となるように添加し、酸化アルミニウムを、ジルコニア粒子、イットリア及び酸化アルミニウムの合計質量に対して表1となるように添加した。
次に、スプレードライヤーによって溶媒を除去すると共にジルコニア粒子を顆粒に造粒した。次に、30MPaのプレスにより焼結用組成物を成形して、直径19mm、厚さ2mmの形状とした。さらに、焼結用組成物は、1400℃、170MPaでHIP(Hot Isostatic Pressing;熱間静水等方圧プレス)処理を施し、緻密化させた。次に、各焼結用組成物を表に示す各温度で1.5時間焼成して、ジルコニア焼結体を作製した。
比較例として、安定化剤の濃度ばらつきの小さいジルコニア焼結体を作製した。比較例1及び2においては、ジルコニア結晶粒子を1種類のみ使用している。主な組成を表2に示す。比較例1において、原料として使用したジルコニア粉末は、結晶粒子中に酸化イットリウムを5.2±0.5質量%(3mol%)含有する部分安定化正方晶ジルコニア粉末(東ソー株式会社製;品番TZ−3Y−E)のみである。このジルコニア粉末における二酸化ケイ素含有率は、0.02質量%以下(製品規格値)であり、アルミナ含有率は0.1質量%〜0.4質量%(製品規格値)である。比較例2において、原料として使用したジルコニア粉末は、結晶粒子中に酸化イットリウムを5.2質量%(3mol%)、二酸化ケイ素を0.1質量%、アルミナを約0.5質量%含有する部分安定化正方晶ジルコニア粉末(株式会社ノリタケカンパニーリミテド社製)のみである。比較例においては、リン含有化合物は添加していない。
[ジルコニア焼結体におけるイットリア濃度の測定]
実施例及び比較例に係るジルコニア焼結体の断面におけるイットリア濃度分布を測定した。濃度分布の測定面を得るための前処理をした。まず、ジルコニア焼結体の表面を2000番の研磨材で機械鏡面研磨した。次に、研磨面を1350℃で10分間サーマルエッチングし、当該領域を測定面とした。測定面におけるイットリア濃度測定は、電界放出型電子プローブマイクロアナライザ(FE−EPMA)(日本電子株式会社製JXA−8500F)で測定した。この濃度測定装置においては、10μm×10μmの測定領域を縦256個、横256個のマス目状に区分し、倍率10,000倍で各マスにおけるイットリア濃度を測定する。計65,536点の測定濃度から標準偏差を算出した。結果を表1に示す。
イットリア濃度の異なる複数のジルコニア粒子を混合してジルコニア焼結体を作製することにより、1種類のジルコニア粒子から作製したジルコニア焼結体に比べて、安定化剤濃度の標準偏差の大きいジルコニア焼結体を得ることができた。
実施例及び比較例に係る本発明のジルコニア焼結体について破壊靱性測定及び曲げ強度測定を実施した。
[破壊靱性値測定試験]
破壊靱性値測定試験は、JISR1607に準拠して実施した。測定結果を表1及び表2に示す。また、図1に、安定化剤濃度の標準偏差(横軸)に対する破壊靭性値(縦軸)の変化を示すグラフを示す。実施例は黒四角のプロットで示し、比較例は白丸のプロットで示す。図1より、安定化剤濃度の標準偏差と破壊靭性値とは比例的関係にあることが分かる。安定化剤濃度の標準偏差を高めた実施例1〜4のジルコニア焼結体においては、通常の方法で作製した比較例1〜2のジルコニア焼結体に比べて、破壊靭性値をより高めることができた。
少なくとも、酸化アルミニウム含有率が0.2質量%〜10質量%であるとき破壊靭性値を高めることができた。また、破壊靭性値はリン含有の有無により影響されなかった。すなわち、リンを含有させることにより、水熱劣化抑制効果も付与できることが分かった(特願2009−192287参照)。
また、本発明においては、焼結温度範囲が、少なくとも、1350℃〜1550℃であれば、焼結温度は破壊靭性値に大きな影響を及ぼすことがないことが分かった。
[曲げ強度測定試験]
曲げ強度試験は、JISR1601に準拠して実施した。測定結果を表1及び表2に示す。安定化剤濃度の標準偏差を大きくしても、曲げ強度には影響しないことがわかった。これより、本発明によれば、曲げ強度を低下させることなく、破壊靭性値を高めることができる。
なお、上述において、酸化ジルコニウム(分子量123.22)1molに対する第15族元素のmol数を算出する際には、安定化剤(例えば酸化イットリウム)及びその他の化合物の存在を考慮して、部分安定化ジルコニア粉末中の酸化ジルコニウム含有率は、一律(二酸化ケイ素の含有率に関わらず)94.5%としている。
上述において、「〜」で表記された範囲のうち、上限及び下限を示す数値は、その範囲に含まれる。
本発明のジルコニア焼結体、並びにジルコニア焼結体の焼結用組成物及び仮焼体は、上記実施形態に基づいて説明されているが、上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、上記実施形態に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができることはいうまでもない。また、本発明の請求の範囲の枠内において、種々の開示要素の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
本発明のさらなる課題、目的及び展開形態は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
本発明のジルコニア焼結体は、高強度、高靭性、長寿命、高信頼性、小寸法変化、無着色性・半透明性等の利点により、補綴材等の歯科用材料、フェルールやスリーブ等の光ファイバ用接続部品、各種工具(例えば、粉砕ボール、切削具)、各種部品(例えば、ネジ、ボルト・ナット)、各種センサ、エレクトロニクス用部品、装飾品(例えば、時計のバンド)等の種々の用途に利用することができる。

Claims (15)

  1. 安定化剤を含有する部分安定化ジルコニアをマトリックス相として有し、
    ジルコニア焼結体の試料表面において、10μm×10μmの領域を256マス×256マスの格子状に区分した各マスにおける前記安定化剤の濃度を質量%で表記した場合に、前記安定化剤の表面濃度の標準偏差が0.8以上であることを特徴とするジルコニア焼結体。
  2. リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)及びビスマス(Bi)のうち少なくとも1つの元素を含有し、
    前記元素を、酸化ジルコニウム(IV)1molに対して4×10−4mol〜4×10−2mol含有することを特徴とする請求項1に記載のジルコニア焼結体。
  3. 前記元素はリンであることを特徴とする請求項2に記載のジルコニア焼結体。
  4. リン元素の含有率が0.01質量%〜1質量%であることを特徴とする請求項3に記載のジルコニア焼結体。
  5. 前記標準偏差は2以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
  6. 酸化アルミニウムを0.2質量%〜10質量%さらに含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
  7. 二酸化ケイ素を0.03質量%〜3質量%さらに含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
  8. JISR1607に準拠して測定したジルコニア焼結体の破壊靭性値が6以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
  9. ジルコニア焼結体を180℃、1MPaの条件で低温劣化加速試験を5時間施した場合に、
    前記低温劣化加速試験後のジルコニア焼結体の表面におけるX線回折パターンにおいて、正方晶由来の[111]ピークが生ずる位置付近に存在するピークの高さに対する単斜晶由来の[11−1]ピークが生ずる位置付近に存在するピークの高さの比が1以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
  10. 前記安定化剤は酸化イットリウムであり、
    前記部分安定化ジルコニアにおける酸化イットリウムの含有率は、酸化ジルコニウムと安定化剤の合計mol数に対して2mol%〜5mol%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
  11. 1350℃〜1550℃で焼結することにより請求項1〜10のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体を得るためのジルコニア焼結体の焼結用組成物。
  12. 安定化剤を含有する又は含有しない低安定化ジルコニア粒子と、
    前記低安定化ジルコニア粒子よりも安定化剤を多く含有する高安定化ジルコニア粒子と、を含有し、
    酸化ジルコニアと安定化剤の合計mol数に対する前記高安定化ジルコニア粒子における安定化剤の含有率は、酸化ジルコニウムと安定化剤の合計mol数に対する前記低安定化ジルコニア粒子における安定化剤の含有率よりも1mol%〜6mol%高いことを特徴とするジルコニア焼結体の焼結用組成物。
  13. 前記低安定化ジルコニア粒子における安定化剤の含有率は、酸化ジルコニウムと安定化剤の合計mol数に対して0mol%以上2mol%未満であり、
    前記高安定化ジルコニア粒子における安定化剤の含有率は、酸化ジルコニウムと安定化剤の合計mol数に対して2mol%以上8mol%未満であることを特徴とする請求項12に記載のジルコニア焼結体の焼結用組成物。
  14. 請求項11〜13のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体の焼結用組成物を800℃〜1100℃で焼成することにより得られるジルコニア焼結体の仮焼体。
  15. 1350℃〜1550℃で焼結することにより請求項1〜10のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体を得るためのジルコニア焼結体の仮焼体。
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