JP2011177963A - 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】誤吐出が発生することを抑制しつつ、液体の増粘を抑制することが可能な液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法を提供する。
【解決手段】微振動パルスDPCの収縮部p3は、膨張部p1の後に発生する第1収縮要素p31と、当該第1収縮要素p31に続く収縮維持要素p32と、当該収縮維持要素p32に続く第2収縮要素p33と、を有しており、膨張部p1の開始時点をPcs、膨張部p1の終了時点をPce、収縮部p3の開始時点をPds、圧力室38を含むインク流路内のインクの固有振動周期をTcとしたときに、収縮部p3の開始時点Pdsが、以下の式(1)又は(2)の何れかの範囲内に設定されている。
Pds<(Pcs+Pce)/2+3Tc/8 …(1)
Pds>(Pcs+Pce)/2+5Tc/8 …(2)
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット式プリンター等の液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法に関するものであり、特に、ノズルに連通する圧力室に圧力変動を与えて、圧力室内の液体をノズルから吐出させる液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法に関する。
液体吐出装置は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドを備え、この液体吐出ヘッドから各種の液体を吐出する装置である。この液体吐出装置の代表的なものとして、例えば、液体吐出ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズル開口(ノズルの一種)から液体状のインク(液体の一種)を記録紙等の記録媒体(着弾対象物)に対して吐出・着弾させることで画像等の記録を行うインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという。)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造装置等、各種の製造装置にも液体吐出装置が応用されている。
上記液体吐出装置には、駆動パルス(吐出パルス)を含む駆動信号を発生して、発生した駆動パルスを圧力発生素子(例えば、圧電振動子や発熱素子等)に印加(供給)してこれを駆動することにより圧力発生室(圧力室の一種)内の液体に圧力変化を与え、この圧力変化を利用して圧力発生室に連通したノズル開口から液体を吐出させるように構成されたものがある。そして、圧力発生手段を駆動する複数の駆動パルスを発生するように構成された液体吐出装置では、ノズル開口からメニスカス(ノズル開口内のインクの自由表面)が露出すること等によってインクが増粘した際に、圧力発生素子にノズル開口からインクを吐出させない程度にノズル開口内のインクを振動させる微振動パルスを供給することがある。
上記微振動パルスは、例えば、基準電圧から微振動電圧まで電圧を変化させる第1充電要素と、基準電圧と微振動電圧の間に定められた中間電圧まで微振動電圧から電圧を変化させる第1放電要素と、中間電圧から微振動電圧まで電圧を変化させる第2充電要素と、微振動電圧から基準電圧まで電圧を変化させる第2放電要素とを含んで構成され、電圧を変化する向きと変化量の異なるこれらの各要素を圧力発生素子に供給することによって、圧力発生室内のインクやノズル開口内のメニスカスに、電圧変化の異なる複数種類の振動を与え、この振動によってインクを攪拌することでインクの増粘を抑制させている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2007−260933号公報
しかしながら、近年では、従来扱われていた水系のインクよりも粘度の高い液体(以下、高粘度液体ともいう。)を吐出する試みがなされている。この高粘度液体としては、例えばUVインク(紫外線硬化型インク)等がある。このような高粘度のインクを吐出する場合や、上記したインクの自然増粘が促進した場合には、圧力変動を与えてもインクの揺動がさらに起き難くなるために、圧力発生室内のインクの攪拌効果をより高める必要が生じる。そのため、電圧変化量だけを単に大きくした微振動波形を圧力発生素子に供給することが考えられるが、従来の微振動パルスの電圧変化量を大きくした場合には、充電要素を圧力発生手段に供給することによるメニスカスの残留振動に対して、その後に発生する放電要素による圧力変動が加わることで、メニスカスの振動が増幅されて、ノズル開口からインクを誤吐出してしまう虞があった。また、この誤吐出を防止するために、微振動パルスの放電要素を供給する時間幅を長くすることも考えられるが、微振動パルス全体の波形長さが長くなるために、高周波駆動が不可能となったり、波形の設計の自由度が低くなったりする問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、誤吐出が発生することを抑制しつつ、液体の増粘を抑制することが可能な液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の液体吐出装置は、圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから吐出する液体吐出ヘッドと、
前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから液体を吐出しない程度に前記ノズル内の液体を振動させる微振動パルスを含む駆動信号を発生可能な駆動信号発生部と、を備えた液体吐出装置であって、
前記微振動パルスは、第1の方向に電圧が変化する第1の電圧変化部と、その後に発生して前記第1の方向とは反対の第2の方向に電圧が変化する第2の電圧変化部と、を含む電圧波形であり、
前記第2の電圧変化部は、第1の変化部の後に発生し、第2の方向に電圧が変化する第1変化要素と、当該第1変化要素に続き、該第1変化要素の終端電圧を維持する電圧維持要素と、当該電圧維持要素に続き、前記第2の方向に電圧が変化する第2変化要素と、を有し、
前記第1の電圧変化部の開始時点をPcs、前記第1の電圧変化部の終了時点をPce、前記第2の電圧変化部の開始時点をPds、前記圧力室を含む液体流路内の液体の固有振動周期をTcとしたときに、
前記第2の電圧変化部の開始時点Pdsが、以下の式(1)又は(2)の何れかの範囲内に設定されたことを特徴とする。
Pds<(Pcs+Pce)/2+3Tc/8 …(1)
Pds>(Pcs+Pce)/2+5Tc/8 …(2)
この構成によれば、第1の電圧変化部を圧力発生手段に供給した際の残留振動によってメニスカスが吐出方向へ急速に移動する範囲を可及的に避けるタイミングで、第2の電圧変化部を圧力発生手段に供給することができる。これにより、従来よりも微振動パルスの電圧変化量を大きくしても、第1の電圧変化部による残留振動と第2の電圧変化部による圧力変動とが合成されることによってメニスカスの振動が増幅されることを抑制することができる。これに加え、第2の電圧変化部の途中に電圧維持要素を設けて圧力変化に休止期間を設けているので、休止期間を設けることなく一気に圧力を変化させる構成と比較して、メニスカスが過度に加振されることが防止される。この結果、誤吐出が発生することを抑制しつつ、液体を効率良く攪拌して液体の増粘を抑制することができる。また、微振動パルスの波形長さを長くしなくても、誤吐出が発生することを抑制できるので、高周波駆動が可能となると共に、波形の設計の自由度を高めることができる。
上記構成において、前記第2の電圧変化部における、前記第1変化要素の開始時点と前記第2変化要素の開始時点との間隔が、Tc/4以上3Tc/4以下に設定され、且つ、その間の電圧変化量が、全体の電圧変化量の20〜50%に設定されていることが望ましい。
この構成によれば、前記第2の電圧変化部における、前記第1変化要素の開始時点と前記第2変化要素の開始時点との間隔が、Tc/4以上3Tc/4以下に設定され、且つ、その間の電圧変化量が、全体の電圧変化量の20〜50%に設定されているので、微振動パルスの波形長が必要以上に長くなることなく、且つ、誤吐出を発生させることなく、液体を十分に攪拌することができる。即ち、第1変化要素の電圧変化量が全体の電圧変化量の20〜50%に設定されることで、第1変化要素が圧力発生手段に供給されたときの誤吐出がより確実に防止される。また、第1変化要素の開始時点と第2変化要素の開始時点との間隔がTc/4以上3Tc/4以下に設定されることで、第1変化要素によって発生するメニスカスの振動と、第2変化要素によって発生するメニスカスの振動が互いに打ち消すあうように作用するため、微振動パルスの波形長が必要以上に長くなることなく且つ誤吐出を生じさせることなく効果的に液体を攪拌することができる。
本発明は、前記液体が8ミリパスカル秒以上の粘度を有する場合に好適である。
即ち、8ミリパスカル秒以上の高粘度の液体は、微振動動作時の圧力変動によって揺動し難いため、この高粘度の液体に対する微振動動作を行う場合、従来の水系のインクのような低粘度の液体の場合よりも微振動パルスの電圧変化量を大きくすることでより大きな圧力変動を付与する必要があるが、この場合においても微振動動作によって誤吐出が発生することを抑制しつつ、液体を効率良く攪拌して液体の増粘を抑制することができる。
また、本発明の液体吐出装置の制御方法は、圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから吐出する液体吐出ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから液体を吐出しない程度に前記ノズル内の液体を振動させる微振動パルスを含む駆動信号を発生可能な駆動信号発生部と、を備えた液体吐出装置の制御方法であって、
前記微振動パルスは、第1の方向に電圧が変化する第1の電圧変化部と、その後に発生して前記第1の方向とは反対の第2の方向に電圧が変化する第2の電圧変化部と、を含む電圧波形であり、
前記第2の電圧変化部は、第1の変化部の後に発生し、第2の方向に電圧が変化する第1変化要素と、当該第1変化要素に続き、該第1変化要素の終端電圧を維持する電圧維持要素と、当該電圧維持要素に続き、前記第2の方向に電圧が変化する第2変化要素と、を有し、
前記圧力室の容積を前記第1の変化部によって変化させる第1の変化工程と、
前記第1の変化工程によって変化させられた圧力室容積を前記第2の変化部によって変化させる第2の変化工程と、
を含み、
前記第2の変化工程は、前記第1の変化工程において変化させられた圧力室容積を前記第1変化要素により途中まで変化させる第1の変化処理と、当該第1の変化処理において変化させられた圧力室容積を一定時間維持するホールド処理と、当該ホールド処理において維持された圧力室容積を前記第2変化要素によって変化させる第2の変化処理と、を含み、
前記第1の電圧変化工程の開始時点をPcs、前記第1の電圧変化工程の終了視点をPce、前記第2の電圧変化工程の開始時点をPds、前記圧力室を含む液体流路内の液体の固有振動周期をTcとしたときに、
前記第2の電圧変化工程の開始時点Pdsが、以下の式(1)又は(2)の何れかの範囲内に設定されたことを特徴とする。
Pds<(Pcs+Pce)/2+3Tc/8 …(1)
Pds>(Pcs+Pce)/2+5Tc/8 …(2)
この制御方法によれば、第1の電圧変化部を圧力発生手段に供給した際の残留振動によってメニスカスが吐出方向へ急速に移動する範囲を可及的に避けるタイミングで、第2の電圧変化部を圧力発生手段に供給することができる。これにより、従来よりも微振動パルスの電圧変化量を大きくしても、第1の電圧変化部による残留振動と第2の電圧変化部による圧力変動とが合成されることによってメニスカスの振動が増幅されることを抑制することができる。この結果、誤吐出が発生することを抑制しつつ、液体を効率良く攪拌して液体の増粘を抑制することができる。また、微振動パルスの波形長さを長くしなくても、誤吐出が発生することを抑制できるので、高周波駆動が可能となると共に、波形の設計の自由度を高めることができる。
プリンターの構成を説明する平面図である。 記録ヘッドの要部断面図である。 プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。 微振動パルスの構成を説明する波形図である。 膨張部を供給した際のメニスカスの動きを説明する模式図である。 膨張部の供給終了時点から収縮部の供給開始時点までの時間幅を変化させた際のインク滴の吐出の有無を示す表である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面等を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、本実施形態では、液体吐出装置の一例としてインクジェット式記録装置(以下、「プリンター」という)を、液体吐出ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッド(以下、「記録ヘッド」という)を例に挙げて説明する。
図1はプリンター1の構成を説明する斜視図である。このプリンター1は、筐体2の内部に、液体吐出ヘッドの一種である記録ヘッド3が取り付けられると共に、インク(本発明における液体に相当)を貯留するインクカートリッジ4が着脱可能に取り付けられるキャリッジ5と、記録ヘッド3の下方に配設されたプラテン6と、キャリッジ5(記録ヘッド3)を記録紙7(着弾対象の一種)の紙幅方向、即ち、主走査方向に往復移動させるキャリッジ移動機構8と、主走査方向に直交する方向である副走査方向に記録紙7を搬送する紙送り機構9とを備えて概略構成されている。なお、プリンター1の筐体2側にインクカートリッジ4を装着してインク供給チューブを介して記録ヘッド3に供給する構成を採用することもできる。
キャリッジ5は、主走査方向に架設されたガイドロッド10に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構8の作動により、ガイドロッド10に沿って主走査方向に移動するように構成されている。キャリッジ5の主走査方向の位置は、リニアエンコーダー11によって検出され、その検出信号、即ち、エンコーダーパルスがプリンターコントローラーの制御部56(図3参照)に送信される。これにより、制御部56はこのリニアエンコーダー11からのエンコーダーパルスに基づいてキャリッジ5(記録ヘッド3)の走査位置を認識しながら、記録ヘッド3による記録動作(吐出動作)等を制御することができる。
キャリッジ5の移動範囲内における記録領域よりも外側(図1における右側)の端部領域には、走査の基点となるホームポジションが設定されている。本実施形態におけるホームポジションには、記録ヘッド3のノズル形成面(ノズルプレート32:図2参照)を封止するキャッピング部材12と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材13とが配置されている。そして、プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ5(記録ヘッド3)が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側にキャリッジ5が戻る復動時との双方向で記録紙7上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録が可能に構成されている。
図2は上記の記録ヘッド3の要部断面図である。本実施形態における記録ヘッド3は、圧電振動子群22、固定板23、及び、フレキシブルケーブル24等をユニット化した振動子ユニット25と、この振動子ユニット25を収納可能なヘッドケース26と、リザーバー(共通インク室)36から圧力室(圧力発生室)38を通りノズル開口35(本発明におけるノズルに相当)に至る一連のインク流路(本発明における液体流路に相当)を形成する流路ユニット27とを備えて構成される。
まず、振動子ユニット25について説明する。圧電振動子群22を構成する圧電振動子30(本発明における圧力発生手段の一種)は、縦方向に細長い櫛歯状に形成されており、数十μm程度の極めて細い幅に切り分けられている。そして、この圧電振動子30は縦方向に伸縮可能な縦振動型の圧電振動子として構成されている。各圧電振動子30は、固定端部を固定板23上に接合することにより、自由端部を固定板23の先端縁よりも外側に突出させて所謂片持ち梁の状態で固定されている。そして、各圧電振動子30における自由端部の先端は、後述するように、それぞれ流路ユニット27におけるダイヤフラム部42を構成する島部44に接合される。フレキシブルケーブル24は、固定板23とは反対側となる固定端部の側面で圧電振動子30と電気的に接続されている。また、各圧電振動子30を支持する固定板23は、圧電振動子30からの反力を受け止め得る剛性を備えた金属製の板材によって構成される。本実施形態では、厚さが1mm程度のステンレス鋼板によって作製されている。
ヘッドケース26は、例えば、エポキシ系樹脂により作製された中空箱体状部材であり、その先端面(下面)には流路ユニット27を固定し、ケース内部に形成された収容空部28内には、アクチュエーターの一種である振動子ユニット25を収容している。また、ヘッドケース26の内部には、その高さ方向を貫通してケース流路29が形成されている。このケース流路29は、インクカートリッジ4側からのインクをリザーバー36に供給するための流路である。
次に、流路ユニット27について説明する。流路ユニット27は、ノズルプレート32、流路形成基板33、及び振動板34から構成され、ノズルプレート32を流路形成基板33の一方の表面に、振動板34をノズルプレート32とは反対側となる流路形成基板33の他方の表面にそれぞれ配置して積層し、接着等により一体化することで構成されている。
ノズルプレート32は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル開口35を列状に開設したステンレス鋼製の薄いプレートである。本実施形態では、例えば、180個のノズル開口35を列状に開設し、これらのノズル開口35によってノズル列を構成している。そして、このノズル列を横並びに4列設けている。
流路形成基板33は、リザーバー36、インク供給口37、及び圧力室38からなる一連のインク流路を形成する板状部材である。具体的には、この流路形成基板33は、各ノズル開口35に対応させて圧力室38となる空部を隔壁で区画した状態で複数形成すると共に、インク供給口37およびリザーバー36となる空部を形成した板状の部材である。そして、本実施形態の流路形成基板33は、シリコンウェハーをエッチング処理することで作製されている。上記の圧力室38は、ノズル開口35の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成され、インク供給口37は、圧力室38とリザーバー36との間を連通する流路幅の狭い狭窄部として形成されている。また、リザーバー36は、インクカートリッジ4に貯留されたインクを各圧力室38に供給するための室であり、インク供給口37を通じて対応する各圧力室38に連通している。
振動板34は、ステンレス鋼等の金属製の支持板40上にPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂フィルム41をラミネート加工した二重構造の複合板材であり、圧力室38の一方の開口面を封止してこの圧力室38の容積を変動させるためのダイヤフラム部42を有すると共に、リザーバー36の一方の開口面を封止するコンプライアンス部43が形成された部材である。そして、ダイヤフラム部42は、圧力室38に対応した部分の支持板40にエッチング加工を施し、当該部分を環状に除去して圧電振動子30の自由端部の先端を接合するための島部44を形成することで構成されている。この島部44は、圧力室38の平面形状と同様に、ノズル開口35の列設方向と直交する方向に細長いブロック状であり、この島部44の周りの樹脂フィルム41が弾性体膜として機能する。また、コンプライアンス部43として機能する部分、すなわちリザーバー36に対応する部分は、このリザーバー36の開口形状に倣って支持板40がエッチング加工で除去されて樹脂フィルム41のみとなっている。
そして、上記の島部44には圧電振動子30の先端面が接合されているので、この圧電振動子30の自由端部を伸縮させることで圧力室38の容積を変動させることができる。この容積変動に伴って圧力室38内のインクに圧力変動が生じる。そして、記録ヘッド3は、この圧力変動を利用してノズル開口35からインク滴(インクの一種)を吐出させるようになっている。
次に、プリンター1の電気的な構成を説明する。
図3は、プリンター1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施形態におけるプリンター1は、プリンターコントローラー50とプリントエンジン51とで概略構成されている。プリンターコントローラー50は、ホストコンピューター等の外部装置からの印刷データ等が入力される外部インターフェース(外部I/F)52と、各種データ等を記憶するRAM53と、各種制御のための制御プログラム等を記憶したROM54と、EEPROMやフラッシュROM等からなる不揮発性記憶素子55と、ROM54に記憶されている制御プログラムに従って各部の統括的な制御を行う制御部56(本発明における駆動信号発生部の一部に相当)と、クロック信号を発生する発振回路57と、記録ヘッド3へ供給する駆動信号COMを発生する駆動信号発生回路58(駆動信号発生部の一部に相当)と、印刷データをドット毎に展開することで得られたドットパターンデータや駆動信号等を記録ヘッド3に出力するための内部インターフェース(内部I/F)59とを備えている。また、プリントエンジン51は、記録ヘッド3と、キャリッジ移動機構8と、紙送り機構9とから構成されている。
上記の制御部56は、ROM54に記憶された動作プログラム等に従って記録ヘッド3によるインク滴の吐出制御やその他のプリンター1の各部を制御する。この制御部56は、外部I/F52を介して外部装置から入力された印刷データを、記録ヘッド3においてインク滴の吐出に用いられる吐出データに変換する。変換後の吐出データは、内部I/F59を通じて記録ヘッド3に転送され、記録ヘッド3では、この吐出データに基づいて駆動信号COMの圧電振動子30への供給が制御されてインク滴の吐出、つまり、記録動作(吐出動作)が行われる。このように、本発明における動信号発生部は、制御部56及び駆動信号発生回路58によって構成されている。
図4は、上記構成の駆動信号発生回路58が発生する駆動信号COMに含まれる微振動パルスDPCの構成を説明する波形図である。なお、図4において、縦軸は微振動パルスDPCの電圧[V]であり、横軸は時間[μs]である。
例示した微振動パルスDPCは、通常のインクの吐出に用いられる吐出パルスとは異なる駆動パルスであって、記録ヘッド3内で増粘したインクを攪拌するために用いられる駆動パルスである。本実施形態における微振動パルスDPCは、水系のインクのように比較的低粘度の液体を微振動させるための微振動パルス(例えば10V)よりも高い駆動電圧VH(電圧変化量の一種。例えば、従来の微振動パルスの2倍以上である約24V)に設定されている。この微振動パルスDPCは、時間幅t1(例えば、2.0μs)の間に基準電圧VBから膨張電圧VHまでプラス側(第1の方向)に比較的急峻な一定勾配の電圧変化量vh1で電圧が変化して圧力室38を急激に膨張させる膨張部p1(本発明における第1の電圧変化部に相当)と、膨張部p1の終端電圧である膨張電圧VHを(短い)一定時間(時間幅t2であって、例えば、1.0μs)維持する膨張維持部p2と、時間幅t3(t31+t32+t33(例えば、6.0μs))の間に膨張電圧VHから基準電圧VBまでマイナス側(第2の方向)に緩やかな一定勾配で電圧が変化して圧力室38を比較的に緩やかに収縮させる収縮部p3(本発明における第2の電圧変化部に相当)と、から構成される。
また、本実施形態における収縮部p3は、膨張維持部p2の後に続き、時間幅t31(例えば、2.0μs)の間に膨張電圧VHから中間電圧VM(例えば、約15V)までマイナス側に一定勾配の電圧変化量vh2で電圧が変化して圧力室38を収縮させる第1収縮要素p31(本発明における第1変化要素に相当)と、当該第1収縮要素p31に続き、第1収縮要素p31の終端電圧である中間電位VMを(短い)一定時間(時間t32であって、例えば、1.0μs)維持する収縮維持要素p32と、当該収縮維持要素p32に続き、時間幅t33(例えば、3.0μs)の間に電圧VMから基準電圧VBまでマイナス側に一定勾配の電圧変化量vh3で電圧が変化して圧力室38を収縮させる第2収縮要素p33(本発明における第2変化要素に相当)と、を有している。
次に、微振動パルスDPCを圧電振動子30に供給(印加)した際のノズル開口35内のメニスカス(ノズル開口35内のインクの自由表面)の動きについて説明する。図5は、膨張部p1を印加した際のメニスカスの動き(振動)を説明する模式図であり、膨張部p1以降の波形要素を圧電振動子30に印加しないときの振動状態を示している。なお、図5において、縦軸は、メニスカスの位置(同図において下側が吐出側、上側が圧力室38側)であり、また、横軸は時間[μs]であって図4における時間[μs]と同期している。また、この記録ヘッド3における圧力室38内のインクの固有振動周期Tcは、8.0μsに設定されている。
なお、上記の固有振動周期Tcは、ノズル開口35や圧力室38の形状等によって決まる値であって、圧力室38内におけるインクの振動周期Tcは、次式(A)で表すことができる。
Tc=2π√[〔(Mn×Ms)/(Mn+Ms)〕×Cc]・・・(A)
但し、式(A)において、Mnはノズル開口35におけるイナータンス、Msは圧力室38に連通するインク供給口37におけるイナータンス、Ccは圧力室38のコンプライアンス(単位圧力あたりの容積変化、柔らかさの度合いを示す。)である。上記式(A)において、イナータンスMとは、インク流路におけるインクの移動し易さを示し、単位断面積あたりのインクの質量である。そして、インクの密度をρ、流路のインク流れ方向と直交する面の断面積をS、流路の長さをLとしたとき、イナータンスMは次式(B)で近似して表すことができる。
イナータンスM=(密度ρ×長さL)/断面積S ・・・ (B)
また、Tcは、上記式(B)に限らず、圧力室38が有している振動周期であればよい。
まず、上記微振動パルスDPCのうち、膨張部p1が圧電振動子30に印加されると、圧電振動子30が素子長手方向に収縮して、これにより、基準電圧VBに対応する基準容積から最高電圧VHに対応する最大容積(微振動動作における最大容積)まで圧力室38が急激に膨張する(膨張工程(本発明における第1の変化工程に相当))。この膨張工程によって、図5に示すように、ノズル開口35内のインクのメニスカスが圧力室38側(図5中の上側)に大きく引き込まれると共に、圧力室38内にはリザーバー36側からインク供給口37を通じてインクが供給される。そして、この膨張工程における圧力室38の膨張状態は、膨張維持部p2の供給期間t2中に亘って一定に維持される(膨張維持工程)。圧力室38側に引き込まれたメニスカスは、膨張部p1の供給期間t1よりも僅かに遅れた時間、即ち膨張維持部p2の供給期間t2に、膨張工程での引き込みによる慣性力によって最大引き込み位置(この位置を図5中に符号aで示す)までさらに引き込まれる。
そして、最大引き込み位置aまで引き込まれたメニスカスは、今度は吐出側(図5中の下側)に押し出されて、この際の慣性力によって元の位置(この位置を図5中に符号bで示す)を越えた位置(この位置を図5中に符号cで示す)までさらに押し出され、その後、再び圧力室28側に引き込まれる減衰振動を繰り返す。なお、膨張部p1を圧電振動子30に供給することによるメニスカスの振動は、膨張部p1の供給開始時点(図4中に符号Pcsで示す)と膨張部p1の供給終了時点(図4中に符号Pceで示す)との中間となる供給中間時点Pcを始点(図5における0の時点)とする正弦波とほぼ同じ波形となり、圧力室38内のインクの固有振動周期Tcに応じた振動周期で、振幅が次第に減衰する減衰振動となる。
膨張維持部p2の後に続いて収縮部p3の第1収縮要素p31が圧電振動子30に供給されると、当該圧電振動子30が伸長し、これにより、圧力室38が上記最大容積から中間電圧VMに対応する中間容積まで緩やかに収縮する(第1収縮処理(本発明における第2の変化工程の一部であって、第1の変化処理に相当))。この圧力室38の収縮によって圧力室38内のインクが加圧され、これにより、ノズル開口35からインクが吐出されない程度に圧力室35内のインクに圧力変動が与えられ、メニスカスを含む圧力室35内のインクが攪拌される。そして、この第1収縮処理における圧力室38の収縮状態は、収縮維持要素p32の供給期間に亘って一定に維持される(収縮維持処理(本発明における第2の変化工程の一部であって、ホールド処理に相当))。収縮維持要素p32の後に続いて、第2収縮要素p33が圧電振動子30に供給されると、当該圧電振動子30がさらに伸長し、これにより、圧力室38が上記中間容積から基準電圧VBに対応する基準容積まで緩やかに収縮して復帰する(第2収縮処理(本発明における第2の変化工程の一部であって、第1の変化処理に相当))。
る。
ここで、膨張部p1の終了時点Pce(本実施形態は、図4における2〔μs〕の時点)から収縮部p3の供給開始時点(図4中に符号Pds)までの時間、即ち膨張維持部p2の供給期間t2を変化させた際に、ノズル開口35からのインク滴が吐出されるか否かを測定した実験結果について説明する。図6によれば、膨張維持部p2の供給期間t2が1μsの場合(図5において、収縮部p3の供給開始時点Pdsが、3〔μs〕の場合、即ち、ハッチングで示すX1の範囲外)は、ノズル開口35からのインクの誤吐出が起きなかった。また、供給期間t2が2μs〜4μsの場合(図5において、収縮部p3の供給開始時点が、4〜6〔μs〕の場合、即ち、X1の範囲内)は、ノズル開口35からインクが誤吐出された。さらに、供給期間t2が5μsの場合(図5において、収縮部p3の供給開始時点が、7〔μs〕の場合、即ち、X1の範囲外)は、ノズル開口35からのインクの誤吐出が起きなかった。つまり、収縮部p3の供給開始時点Pdsが、Pc+Tc/2±Tc/8の範囲(X1)にあるときに誤吐出が生じる。
上記の点に鑑み、本発明に係るプリンター1では、微振動パルスDPCの膨張部p1の終了時点Pceから収縮部p3の供給開始時点Pdsまでの時間幅t2を、圧力室38内のインクの固有振動周期Tcに応じて設定することで、駆動電圧VHを従来の微振動パルスの駆動電圧よりも高めたとしても、膨張部p1による残留振動と収縮部p3による圧力変動とが合成されることによってメニスカスの振動が増幅されることを抑制して、インクの誤吐出が発生することを抑制させている。具体的には、上記の誤吐出が生じない条件は、収縮部p3の供給開始時点Pdsが範囲X1に入らないようにすることであり、以下の式(C)又は(D)を満たすことである。なお、Pds>Pceである。
Pds<Pc+Tc/2−Tc/8 …(C)
Pds>Pc+Tc/2+Tc/8 …(D)
上記式(C)、(D)はそれぞれ以下のように変形することができる。
式(C):Pds<Pc+3Tc/8 …(C′)
式(D):Pds>Pc+5Tc/8 …(D′)
そして、Pc=(Pcs+Pce)/2であることから、収縮部p3の開始時点Pdsは、以下の式(1)又は(2)の何れかの範囲内に設定される。
Pds<(Pcs+Pce)/2+3Tc/8 …(1)
Pds>(Pcs+Pce)/2+5Tc/8 …(2)
このように設定されることにより、膨張部p1を圧電振動子30に供給した際の残留振動によってメニスカスが吐出方向へ急速に移動する範囲X1(図5におけるハッチング部分)を可及的に避けるタイミングで、収縮部p3が圧電振動子30に供給される。
このように、本実施形態のプリンター1は、膨張部p1を圧電振動子30に供給することによる圧力室38内のインクの残留振動によって、ノズル開口35内のメニスカスが吐出側に急速に移動している範囲(図5中に斜線X1で示す4μs〜6μsの範囲)を可及的に避けるタイミングで、収縮部p3の供給開始時点Pdsを設定することで、駆動電圧VHを従来の微振動パルスの駆動電圧よりも高めたとしても、膨張部p1による残留振動と収縮部p3による圧力変動とが合成されることによってメニスカスの振動が増幅されることを抑制することができる。これに加え、収縮部p3の途中に収縮維持要素p32を設けて圧力変化に休止期間を設けているので、休止期間を設けることなく一気に圧力を変化させる構成と比較して、メニスカスが過度に加振されることが防止される。これにより、従来よりも駆動電圧VHの高い微振動パルスDPCを圧電振動子30に供給することによって、インク滴が吐出されない程度にノズル開口35内のインクに圧力変動を与えることができる。この結果、ノズル開口35からインクが誤って吐出される誤吐出が発生することを抑制でき、インクを効率良く攪拌して、インクの増粘を抑制することができる。また、微振動パルスDPCの波形長さを長くしなくても、誤吐出が発生することを抑制できるので、高周波駆動が可能となると共に、波形(パルス)の設計の自由度を高めることができる。
また、本実施形態の微振動駆動パルスDPCでは、収縮部p3における、第1収縮要素p31の供給開始時点(図4中に符号Pds1(=収縮部p3の供給開始時点Pds)で示す)と第2収縮要素p33の供給開始時点(図4中に符号Pds2で示す)との間隔、即ち、第1収縮要素p31の時間幅t31と収縮維持要素p32の時間幅t32とを合計した時間幅(t31+t32)が、Tc/4以上3Tc/4以下に設定され、且つ、その間の電圧変化量vh2が、全体の電圧変化量vh1(基準電圧VBから膨張電圧VHまでの差)の20〜50%に設定されている。
これにより、微振動パルスDPCの波形長が必要以上に長くなることなく、且つ、誤吐出を発生させることなく、インクを十分に攪拌することができる。即ち、第1収縮要素p31の電圧変化量vh2が全体の電圧変化量の20〜50%に設定されることで、第1収縮要素p31が圧電振動子30に供給されたときの誤吐出がより確実に防止される。また、第1収縮要素p31の開始時点Pds1と第2収縮要素p33の開始時点pds2との間隔がTc/4以上3Tc/4以下に設定されることで、第1収縮要素p31によって発生するメニスカスの振動と、第2収縮要素p33によって発生するメニスカスの振動が互いに打ち消すあうように作用するため、微振動パルスDPCの波形長が必要以上に長くなることなく且つ誤吐出を生じさせることなく効果的にインクを攪拌することができる。
また、上記構成は、例えば、紫外線等の光エネルギーの照射によって硬化する光硬化型インクのように、粘度が8ミリパスカル以上の従来のインクよりも粘度の高いインク(高粘度液体)を吐出する場合やインクの自然増粘が促進した場合に好適である。この場合には、従来吐出していた水系のインクのように粘度の低いインクよりも、圧力変動によってインクが揺動し難く、この高粘度の液体に対する微振動動作を行う場合、従来の水系のインクのような低粘度の液体の場合よりも微振動パルスの電圧変化量を大きくすることでより大きな圧力変動を付与する必要があるが、上記微振動パルスDPCを用いて微振動を行えば、誤吐出が発生することを抑制しつつ、液体を効率良く攪拌して液体の増粘を抑制することができる。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
上記実施形態では、本発明における微振動パルスDPCの一例として、図4に示す微振動パルスDPCを挙げたが、パルスの形状は例示したものに限られず、任意の波形のものを用いることができる。即ち、微振動パルスDPCの収縮部p3に含まれる収縮維持要素p32の数は1つに限られず、2つ以上の駆動パルスDPによって駆動信号COMが構成されていても良いし、微振動パルスDPCの収縮部p3が3つ以上の収縮要素を有していても良い。
また、上記実施形態では、圧力発生素子として、所謂縦振動モードの圧電振動子30を例示したが、これには限られない。例えば、所謂撓み振動モードの圧電振動子や発熱素子を用いる場合にも本発明を適用することが可能である。なお、この撓み振動モードの圧電振動子を採用する場合は、図4に示した微振動パルスDPCの波形が上下反転する。
そして、本発明は、複数の駆動信号を用いて吐出制御が可能な液体吐出装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体吐出装置、例えば、ディスプレイ製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
1…プリンター,3…記録ヘッド,30…圧電振動子,35…ノズル開口,38…圧力室,56…制御部,58…駆動信号発生回路

Claims (4)

  1. 圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから液体を吐出しない程度に前記ノズル内の液体を振動させる微振動パルスを含む駆動信号を発生可能な駆動信号発生部と、を備えた液体吐出装置であって、
    前記微振動パルスは、第1の方向に電圧が変化する第1の電圧変化部と、その後に発生して前記第1の方向とは反対の第2の方向に電圧が変化する第2の電圧変化部と、を含む電圧波形であり、
    前記第2の電圧変化部は、第1の変化部の後に発生し、第2の方向に電圧が変化する第1変化要素と、当該第1変化要素に続き、該第1変化要素の終端電圧を維持する電圧維持要素と、当該電圧維持要素に続き、前記第2の方向に電圧が変化する第2変化要素と、を有し、
    前記第1の電圧変化部の開始時点をPcs、前記第1の電圧変化部の終了時点をPce、前記第2の電圧変化部の開始時点をPds、前記圧力室を含む液体流路内の液体の固有振動周期をTcとしたときに、
    前記第2の電圧変化部の開始時点Pdsが、以下の式(1)又は(2)の何れかの範囲内に設定されたことを特徴とする液体吐出装置。
    Pds<(Pcs+Pce)/2+3Tc/8 …(1)
    Pds>(Pcs+Pce)/2+5Tc/8 …(2)
  2. 前記第2の電圧変化部における、前記第1変化要素の開始時点と前記第2変化要素の開始時点との間隔が、Tc/4以上3Tc/4以下に設定され、且つ、その間の電圧変化量が、全体の電圧変化量の20〜50%に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記液体が8ミリパスカル秒以上の粘度を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから吐出する液体吐出ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから液体を吐出しない程度に前記ノズル内の液体を振動させる微振動パルスを含む駆動信号を発生可能な駆動信号発生部と、を備えた液体吐出装置の制御方法であって、
    前記微振動パルスは、第1の方向に電圧が変化する第1の電圧変化部と、その後に発生して前記第1の方向とは反対の第2の方向に電圧が変化する第2の電圧変化部と、を含む電圧波形であり、
    前記第2の電圧変化部は、第1の変化部の後に発生し、第2の方向に電圧が変化する第1変化要素と、当該第1変化要素に続き、該第1変化要素の終端電圧を維持する電圧維持要素と、当該電圧維持要素に続き、前記第2の方向に電圧が変化する第2変化要素と、を有し、
    前記圧力室の容積を前記第1の変化部によって変化させる第1の変化工程と、
    前記第1の変化工程によって変化させられた圧力室容積を前記第2の変化部によって変化させる第2の変化工程と、
    を含み、
    前記第2の変化工程は、前記第1の変化工程において変化させられた圧力室容積を前記第1変化要素により途中まで変化させる第1の変化処理と、当該第1の変化処理において変化させられた圧力室容積を一定時間維持するホールド処理と、当該ホールド処理において維持された圧力室容積を前記第2変化要素によって変化させる第2の変化処理と、を含み、
    前記第1の電圧変化工程の開始時点をPcs、前記第1の電圧変化工程の終了視点をPce、前記第2の電圧変化工程の開始時点をPds、前記圧力室を含む液体流路内の液体の固有振動周期をTcとしたときに、
    前記第2の電圧変化工程の開始時点Pdsが、以下の式(1)又は(2)の何れかの範囲内に設定されたことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
    Pds<(Pcs+Pce)/2+3Tc/8 …(1)
    Pds>(Pcs+Pce)/2+5Tc/8 …(2)
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