JP2014111314A - 液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体噴射により生じる残留振動の影響を抑えつつ駆動信号全体の時間を短くすることができ、以て、より高周波駆動が可能な液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置を提供する。
【解決手段】駆動信号は、ノズルからインクを噴射させることなく圧力内のインクに対して圧力変化を生じさせる第1の波形部(制振膨張部p1)と、圧力室内のインクに対して圧力変化を生じさせてノズルからインクを噴射させる第2の波形部(収縮部p5)と、を含み、第1の波形部は、駆動信号の同一発生周期中において第2の波形部よりも先に発生され、駆動信号発生回路は、タイミング信号発生手段からのタイミング信号に基づき、第1の波形部と第2の波形部との間の間隔Δtxを変化させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット式記録ヘッドなどの液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置に関し、特に、液体噴射ヘッドと液体着弾対象とを相対移動させながら液体の噴射を制御可能な液体噴射装置に関するものである。
液体噴射装置は液体を液滴として噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドから液体状のインクをインク滴として噴射させて記録を行うインクジェット式記録装置(プリンター)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、ディスプレイ製造装置などの各種の製造装置にも応用されている。
上記の液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという)としては、駆動信号に含まれる噴射駆動パルスを圧電素子などの圧力発生手段に選択的に印加して当該圧力発生手段を駆動することにより圧力室内のインクに圧力変動を生じさせ、この圧力変動を利用してノズルからインクを噴射させるインクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一種。以下、単に記録ヘッドという。)と、この記録ヘッドを記録紙等の記録媒体(液体着弾対象)の幅方向、即ち、主走査方向に往復移動させ得るヘッド走査機構を備え、記録ヘッドの往動時と復動時の双方でインク滴を噴射させて記録を行う所謂双方向記録が可能なもの(いわゆるシリアル型プリンター)も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図7は従来のプリンターにおける駆動信号の例を説明する波形図である。
従来の駆動信号COMに含まれる一般的な噴射駆動パルスPは、例えば、圧力室を膨張させるように圧力発生手段を駆動する波形要素paと、インクを噴射させるべく圧力室を収縮させるように圧力発生手段を駆動する波形要素pbと、インクの噴射により生じた残留振動を制振させるべく圧力室を基準状態まで膨張させるように圧力発生手段を駆動する波形要素pcと、を有している。この波形要素pcによってインク噴射後の残留振動を制振させることにより、より短い間隔でインクを噴射させる場合においても、残留振動の影響によるインクの噴射が不安定になることが防止される。
ところで、上記の双方向記録が可能なプリンターでは、記録ヘッドを記録紙等の記録媒体に対して相対的に移動させながらインクの噴射を行うので、液体噴射ヘッドの往復移動、つまり、記録媒体に対する走査位置に応じた位置信号(エンコーダー信号)に基づいて生成されるタイミング信号(ラッチ信号LAT)に応じて駆動信号COMが繰り返し発生される。これにより、記録ヘッドの主走査方向の移動に対してインクの噴射を同期させることができ、記録媒体に対するインクの着弾位置の精度を高めることができる。一般的に、駆動信号の発生周期は、記録媒体に対する噴射解像度(記録解像度)に応じた時間に設定されている。例えば、プリンターの場合、1画素を記録する際の記録ヘッドの移動距離に相当する時間と駆動信号の発生周期とが揃うように設定されている。
特開2011−088347号公報
しかしながら、従来のプリンターでは、噴射駆動パルスPが発生する時間の他に、上記のタイミング信号に対応する制御時間tが別個必要となるため、その分、駆動信号全体が長くなってしまい、駆動周波数が低下するという問題があった。
なお、このような問題は、インク滴を噴射するインクジェット式記録ヘッドを搭載したインクジェット式記録装置だけではなく、インク以外の液滴を噴射する他の液体噴射ヘッドを搭載した液体噴射装置においても同様に存在する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体噴射により生じる残留振動の影響を抑えつつ駆動信号全体の時間を短くすることができ、以て、より高周波駆動が可能な液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置を提供することにある。
本発明の液体噴射ヘッドは、上記目的を達成するために提案されたものであり、液体流路内の液体に対して圧力変化を付与する圧力発生手段と、
前記圧力発生手段による圧力変化により液体が噴射されるノズルと、
前記圧力発生手段を駆動させる駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
前記駆動信号の前記圧力発生手段への印加タイミングを規定するタイミング信号を発生するタイミング信号発生手段と、
を備え、
前記駆動信号は、ノズルから液体を噴射させることなく前記液体流路内の液体に対して圧力変化を生じさせる第1の波形部と、前記液体流路内の液体に対して圧力変化を生じさせてノズルから液体を噴射させる第2の波形部と、を含み、
前記第1の波形部は、前記駆動信号の同一発生周期中において前記第2の波形部よりも先に発生され、
前記駆動信号発生手段は、前記タイミング信号発生手段からのタイミング信号に基づき、前記第1の波形部と前記第2の波形部との間隔を変化させることを特徴とする。
そして、この構成において、前記駆動信号発生手段は、前記第2の波形部からその次に発生される第1の波形部までの間隔を一定とする構成を採用することが望ましい。
また、前記駆動信号発生手段は、前記第2の波形部からその次に発生される第1の波形部までの間にタイミング信号を発生する構成を採用することが望ましい。
上記構成によれば、駆動信号は、ノズルから液体を噴射させることなく液体流路内の液体に対して圧力変化を生じさせる第1の波形部と、液体流路内の液体に対して圧力変化を生じさせてノズルから液体を噴射させる第2の波形部と、を含み、第1の波形部は、駆動信号の同一発生周期中において第2の波形部よりも先に発生されるので、所定の発生周期における駆動信号の第2の波形部によって液体が噴射された後の液体の振動が、その次の発生周期における駆動信号の先頭の第1の波形部によって制振されるようにすることができる。このように構成することで、第2の波形部により残留振動を相殺させるタイミングを計るために必要な時間を、タイミング信号用の時間として兼用させることができる。その分、駆動信号全体の周期を短縮することができる。これにより、噴射駆動周波数を高めることが可能となる。
また、駆動信号発生手段は、タイミング信号発生手段からのタイミング信号に基づき、第1の波形部と第2の波形部との間隔を変化させるので、タイミング信号発生手段から発生されるタイミング信号の間隔が変化した場合、具体的には、例えば、液体噴射ヘッドが着弾対象に対して相対移動しながら液体を噴射させる構成において液体噴射ヘッドの移動速度が変化してタイミング信号の間隔が変動した場合においても、直前の発生周期の最後の第2の波形部の後端から次の発生周期の最初の第1の波形部の始端までの時間が一定(厳密に全く同じ値に限らず、多少の変動は許容するものとする)に維持されるので、タイミング信号の発生間隔の変化に関わらず第1の波形部の制振機能が発揮される。これにより、残留振動を抑制して液体の噴射安定性を常に確保することが可能となる。
また、上記各構成において、前記駆動信号発生手段は、前記第1の波形部と前記第2の波形部を有する駆動波形を前記駆動信号の同一発生周期中に複数発生する構成を採用することができる。
そして、この構成において、前記駆動信号発生手段は、同一発生周期中の駆動信号における複数の駆動波形のうち、少なくとも1の駆動波形の前記第1の波形部と前記第2の波形部の間隔を、前記タイミング信号発生手段からのタイミング信号の発生間隔に応じて変化させることで、前記駆動信号における一発生周期中の最後の駆動波形の第2の波形部から次の発生周期の駆動信号における最初の駆動波形の第1の波形部までの間隔を一定とすることが望ましい。
上記構成によれば、少なくとも一発生周期中において液体が噴射された後の残留振動が、次の発生周期における液体の噴射に悪影響を及ぼすことが防止される。
また、本発明の液体噴射装置は、液体流路内の液体に対して圧力変化を付与する圧力発生手段を有し、該圧力発生手段による圧力変化によりノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、
前記圧力発生手段を駆動させる駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
前記駆動信号の前記圧力発生手段への印加タイミングを規定するタイミング信号を発生するタイミング信号発生手段と、
を備え、
前記駆動信号は、ノズルから液体を噴射させることなく前記液体流路内の液体に対して圧力変化を生じさせる第1の波形部と、前記液体流路内の液体に対して圧力変化を生じさせてノズルから液体を噴射させる第2の波形部と、を含み、
前記第1の波形部は、前記駆動信号の同一発生周期中において前記第2の波形部よりも先に発生され、
前記駆動信号発生手段は、前記タイミング信号発生手段からのタイミング信号に基づき、前記第1の波形部と前記第2の波形部との間隔を変化させることを特徴とする。
さらに、本発明の液体噴射装置は、液体噴射ヘッドが有する圧力発生手段に駆動信号を供給することで当該液体噴射ヘッドのノズルから液体を着弾対象に向けて噴射させる液体噴射装置であって、
前記液体噴射ヘッドと前記着弾対象との相対速度が第1の速度の場合と当該相対速度が前記第1の速度とは異なる第2の速度の場合とで、同一発生周期中における前記駆動信号の液体を噴射させない電位変化である第1の波形部から液体を噴射させる電位変化である第2の波形部までの時間が異なることを特徴とする。
そして、上記構成において、前記駆動信号は、噴射の要否に関する噴射データに基づいて前記発生周期毎に前記圧力発生手段に供給される構成を採用することが望ましい。
プリンターの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの要部断面図である。 プリンターの電気的構成を説明するブロック図である。 駆動信号の構成を説明する波形図である。 第2実施形態における駆動信号の構成を説明する波形図である。 第3実施形態における駆動信号の構成を説明する波形図である。 従来における駆動信号の構成を説明する波形図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1はプリンター1の構成を示す斜視図である。このプリンター1は、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド2が取り付けられると共に、液体供給源の一種であるインクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録動作時の記録ヘッド2の下方に配設されたプラテン5と、キャリッジ4を記録紙6(記録媒体および着弾対象の一種)の紙幅方向、即ち、主走査方向に往復移動させるキャリッジ移動機構7と、主走査方向に直交する副走査方向に記録紙6を搬送する紙送り機構8と、を備えて概略構成されている。
キャリッジ4は、主走査方向に架設されたガイドロッド9に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構7の作動により、ガイドロッド9に沿って主走査方向に移動するように構成されている。キャリッジ4の主走査方向の位置は、リニアエンコーダー10によって検出され、その検出信号、即ち、エンコーダーパルス(位置情報の一種)がプリンターコントローラー38の制御部43(図3参照)に送信される。リニアエンコーダー10は位置情報出力手段の一種であり、記録ヘッド2の走査位置に応じたエンコーダーパルスEPを、主走査方向における位置情報として出力する。本実施形態におけるリニアエンコーダー10は、プリンター1の筐体内側に主走査方向へ張設されたスケール10a(エンコーダーフィルム)と、キャリッジ4の背面に取り付けられたフォトインタラプター(図示せず)とを備えている。スケール10aは透明な樹脂製フィルムによって作製された帯状部材であり、例えば、透明なベースフィルムの表面に帯幅方向を横断する不透明なストライプが複数印刷されたものである。各ストライプは、同じ幅とされ、帯長手方向に一定ピッチ、例えば180dpiに相当するピッチで形成されている。また、フォトインタラプターは、互いに対向配置された一対の発光素子と受光素子とによって構成され、スケール10aの透明部分での受光状態とストライプ部分での受光状態の差異に応じてエンコーダーパルスEPを出力するようになっている。
ストライプは同じ幅のものが一定ピッチで形成されているため、キャリッジ4の移動速度が一定であれば、エンコーダーパルスEPは一定間隔で出力される一方、キャリッジ4の移動速度が一定でない場合(加速中又は減速中)では、エンコーダーパルスEPの間隔はキャリッジの移動速度に応じて変化する。そして、このエンコーダーパルスEPは制御部43に入力されている。このため、制御部43は、受信したエンコーダーパルスEPに基づいてキャリッジ4に搭載された記録ヘッド2の走査位置を認識できる。即ち、例えば、受信したエンコーダーパルスEPをカウントすることで、キャリッジ4の位置を認識することができる。これにより、制御部43はこのリニアエンコーダー10からのエンコーダーパルスEPに基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の走査位置を認識しながら、記録ヘッド2による記録動作を制御することができる。
キャリッジ4の移動範囲内における記録領域よりも外側の端部領域には、キャリッジの走査の基点となるホームポジションが設定されている。本実施形態におけるホームポジションには、記録ヘッド2のノズル形成面(ノズルプレート24:図2参照)を封止するキャッピング部材11と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材12とが配置されている。そして、プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ4が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側にキャリッジ4が戻る復動時との双方向で記録紙6上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録が可能に構成されている。
図2は、記録ヘッド2の構成を説明する要部断面図である。この記録ヘッド2は、ケース15と、このケース15内に収納される振動子ユニット16と、ケース15の底面(先端面)に接合される流路ユニット17等を備えている。上記のケース15は、例えば、エポキシ系樹脂により作製され、その内部には振動子ユニット16を収納するための収納空部18が形成されている。振動子ユニット16は、圧力発生手段の一種として機能する圧電素子20と、この圧電素子20が接合される固定板21と、圧電素子20に駆動信号等を供給するためのフレキシブルケーブル22とを備えている。圧電素子20は、圧電体層と電極層とを交互に積層した圧電板を櫛歯状に切り分けることで作製された積層型であって、積層方向(電界方向)に直交する方向に伸縮可能(電界横効果型)な縦振動モードの圧電素子である。
流路ユニット17は、流路形成基板23の一方の面にノズルプレート24を、流路形成基板23の他方の面に振動板25をそれぞれ接合して構成されている。この流路ユニット17には、リザーバー26(共通液室)と、インク供給口27と、圧力室28(本発明における液体流路の一部に相当)と、ノズル連通口29と、ノズル30とを設けている。そして、インク供給口27から圧力室28及びノズル連通口29を経てノズル30に至る一連のインク流路(本発明における液体流路に相当)が、各ノズル30に対応して形成されている。
上記ノズルプレート24は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル30が列状に穿設されたステンレス等の金属製の薄いプレートである。このノズルプレート24には、ノズル30を列設してノズル列(ノズル群)が複数設けられており、1つのノズル列は、例えば180個のノズル30によって構成される。
上記振動板25は、支持板31の表面に弾性体膜32を積層した二重構造である。本実施形態では、金属板の一種であるステンレス板を支持板31とし、この支持板31の表面に樹脂フィルムを弾性体膜32としてラミネートした複合板材を用いて振動板25を作製している。この振動板25には、圧力室28の容積を変化させるダイヤフラム部33が設けられている。また、この振動板25には、リザーバー26の一部を封止するコンプライアンス部34が設けられている。
上記のダイヤフラム部33は、エッチング加工等によって支持板31を部分的に除去することで作製される。即ち、このダイヤフラム部33は、圧電素子20の自由端部の先端面が接合される島部35と、この島部35を囲む薄肉弾性部36とからなる。上記のコンプライアンス部34は、リザーバー26の開口面に対向する領域の支持板31を、ダイヤフラム部33と同様にエッチング加工等によって除去することにより作製され、リザーバー26に貯留された液体の圧力変動を吸収するダンパーとして機能する。
そして、上記の島部35には圧電素子20の先端面が接合されているので、この圧電素子20の自由端部を伸縮させることで圧力室28の容積を変動させることができる。この容積変動に伴って圧力室28内のインクに圧力変動が生じる。そして、記録ヘッド2は、この圧力変動を利用してノズル30からインクを噴射させるようになっている。
図3は、プリンター1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施形態におけるプリンター1は、プリンターコントローラー38とプリントエンジン39とで概略構成されている。プリンターコントローラー38は、ホストコンピューター等の外部装置からの印刷データ等が入力される外部インターフェース(外部I/F)40と、各種データ等を記憶するRAM41と、各種制御のための制御プログラム等を記憶したROM42と、ROM42に記憶されている制御プログラムに従って各部の統括的な制御を行う制御部43と、クロック信号を発生する発振回路44と、記録ヘッド2へ供給する駆動信号を発生する駆動信号発生回路45(駆動信号発生手段の一種)と、印刷データをドット毎に展開することで得られたドットパターンデータや駆動信号等を記録ヘッド2に出力するための内部インターフェース(内部I/F)46と、を備えている。また、プリントエンジン39は、記録ヘッド2、キャリッジ移動機構7、紙送り機構8、及び、リニアエンコーダー10から構成されている。
制御部43は、リニアエンコーダー10から出力されるエンコーダーパルスEPに基づいてタイミングパルスPTSを生成する。例えば、記録ヘッド2を搭載したキャリッジ4が定速移動しているときのエンコーダーパルスEPが180dpiに対応する間隔で発生される構成において、タイミングパルスPTSを、記録解像度360dpiに対応する間隔で出力する場合、制御部43は、エンコーダーパルスEPを2逓倍することでタイミングパルスPTSを生成する。このタイミングパルスPTSは、駆動信号発生回路45が発生する駆動信号COMの発生タイミング(発生周期)を規定する信号である。つまり、駆動信号発生回路45は、このタイミングパルスPTSを受信する毎に駆動信号COMを出力する。また、制御部43は、印刷データのラッチタイミングを規定するラッチ信号LATを出力する。また、1つの駆動信号の発生周期中に複数の駆動パルスが含まれる場合には、各噴射駆動パルスの選択タイミングを規定するチェンジ信号CHを出力する。すなわち、この制御部43は、本発明におけるタイミング信号発生手段としても機能する。なお、プリンターコントローラー38は、記録ヘッド2に備えられる構成であってもよい。
次に、この記録ヘッド2の電気的構成について説明する。この記録ヘッド2は、図3に示すように、第1シフトレジスター47及び第2シフトレジスター48からなるシフトレジスター(SR)回路と、第1ラッチ回路49及び第2ラッチ回路50からなるラッチ回路と、デコーダー51と、制御ロジック52と、レベルシフター53と、スイッチ54と、圧電素子20とを備えている。そして、各シフトレジスター47,48、各ラッチ回路49,50、レベルシフター53、スイッチ54、及び、圧電素子20は、それぞれノズル30の数に対応する数だけ設けられている。なお、図3では、1ノズル分の構成のみが図示され、他のノズル分の構成については図示が省略されている。
この記録ヘッド2は、プリンターコントローラー38から送られてくる印刷データ(噴射データ)SIに基づいてインク(本発明における液体の一種)の噴射制御を行う。印刷データは、駆動信号COMの発生周期毎に噴射の要否、あるいは、どの駆動パルスで圧電素子20を駆動するかが示されたデータである。本実施形態では、2ビットで構成された印刷データSIの上位ビット群、印刷データSIの下位ビット群の順に記録ヘッド2へクロック信号CLKに同期して送られてくるので、まず、印刷データSIの上位ビット群が第2シフトレジスター48にセットされる。全てのノズル30について印刷データSIの上位ビット群が第2シフトレジスター48にセットされると、次にこの上位ビット群が第1シフトレジスター47にシフトする。これと同時に、印刷データSIの下位ビット群が第2シフトレジスター48にセットされる。
第1シフトレジスター47の後段には、第1ラッチ回路49が電気的に接続され、第2シフトレジスター48の後段には、第2ラッチ回路50が電気的に接続されている。そして、プリンターコントローラー38側からのラッチパルスが各ラッチ回路49,44に入力されると、第1ラッチ回路49は記録データの上位ビット群をラッチし、第2ラッチ回路50は記録データの下位ビット群をラッチする。各ラッチ回路49,44でラッチされた記録データ(上位ビット群,下位ビット群)はそれぞれ、デコーダー51へ出力される。このデコーダー51は、記録データの上位ビット群及び下位ビット群に基づいて、駆動信号に含まれる各駆動パルスを選択するためのパルス選択データを生成する。
上記デコーダー51には、制御ロジック52からの制御信号(プリンターコントローラー38側からのラッチ信号LAT或いはチェンジ信号CH)も入力されている。この制御ロジック52は、ラッチ信号やチャンネル信号の入力に同期して制御信号を発生する。デコーダー51によって生成された各パルス選択データは、制御信号によって規定されるタイミングで上位ビット側から順次レベルシフター53に入力される。このレベルシフター53は、電圧増幅器として機能し、パルス選択データが[1]の場合には、スイッチ54を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。
スイッチ54の入力側には駆動信号発生回路45からの駆動信号COMが供給される。また、スイッチ54の出力側には、圧電素子20が接続されている。このスイッチ54は、上記のパルス選択データに基づき駆動信号COMに含まれる各駆動パルスを圧電素子20へ選択的に供給する。そして、このような動作をするスイッチ54は、選択供給手段として機能する。上記のパルス選択データは、スイッチ54の作動を制御する。即ち、スイッチ54に入力されたパルス選択データが[1]である期間中は、このスイッチ54が導通状態になり、駆動信号COMが圧電素子20に供給される。一方、スイッチ54に入力されたパルス選択データが[0]の期間中は、スイッチ54が切断状態となり、圧電素子20へは駆動信号が供給されない。要するに、パルス選択データとして[1]が設定された期間のパルスが選択的に圧電素子20に供給される。このようなスイッチ制御により、駆動信号COMに含まれる駆動パルスを圧電素子20へ印加させることができる。すなわち、駆動信号COMの一部分を、選択的に圧電素子20へ印加させることができる。
図4は、本実施形態における駆動信号発生回路45が発生する駆動信号COMの構成の一例を説明する図である。なお、同図において横軸は時間を、縦軸は電位を、それぞれ示している。なお、例示した駆動信号COMは、プリンター1において比較的高速印刷のモードに対応した駆動信号であり、比較的高解像度で画像等の記録を行うモードなどの他のモードに対応した駆動信号も発生することが可能となっている。ここで、駆動信号COMの繰り返し周期(発生周期)である周期Tは、記録ヘッド2が記録紙6に対して相対的に移動しながらインクの噴射を行う際に、ノズル30が画素(画像の構成単位)の幅に対応する距離だけ移動する時間に相当する。
本実施形態における駆動信号COMでは、周期T内に1つの噴射駆動パルスDP(本発明における駆動波形に相当)が発生される。
本実施形態における噴射駆動パルスDPは、制振膨張部p1(本発明における第1の波形部に相当)と、中間ホールド部p2と、膨張部p3と、膨張ホールド部p4と、収縮部p5(本発明における第2の波形部に相当)とからなる。制振膨張部p1は、基準電位Ebから中間電位Emまでノズル30からインクが噴射されない程度の勾配(単位時間あたりの電位変化率)で電位が変化(上昇)する波形要素であり、中間ホールド部p2は、制振膨張部p1の終端電位である中間電位Emで一定な波形要素である。また、膨張部p3は、中間電位Emから膨張電位Ehまで電位が一定の勾配で変化(上昇)する波形要素であり、膨張ホールド部p4は、膨張電位Ehで一定な波形要素であり、収縮部p5は、膨張電位Ehから基準電位Ebまで電位が変化(下降)して復帰する波形要素である。
上記のように構成された噴射駆動パルスDPが圧電素子20に印加されると、まず、制振膨張部p1によって圧電素子20が素子長手方向に収縮し、これに伴って圧力室28が基準電位Ebに対応する基準容積から中間電位Emに対応する中間膨張容積まで膨張する。この膨張により、ノズル30におけるメニスカスが圧力室28側に引き込まれる。
中間ホールド部p2による膨張状態が時間Δtxだけ維持された後、膨張部p3が圧電素子20に印加されてこれに応じて圧電素子20がさらに収縮する。これにより、圧力室28が中間膨張容積から膨張電位Ehに対応する膨張容積まで膨張する。これらの制振膨張部p1から膨張部p3までの圧電素子20の駆動により、ノズル30におけるメニスカスが圧力室28側に大きく引き込まれると共に、圧力室28内にはリザーバー26側からインク供給口27を通じてインクが供給される。そして、この圧力室28の膨張状態は、膨張ホールド部p4の印加期間中に亘って維持される。その後、収縮部p5により圧電素子20が伸長して、これに伴い圧力室28は膨張容積から基準容積まで急激に収縮される。これにより、圧力室28内のインクが加圧され、この加圧によりノズル30からインク滴が噴射されて記録媒体に向けて飛翔する。
ここで、制振膨張部p1は、直前の周期Tにおける噴射駆動パルスDPによりインクが噴射された後の圧力室28内のインクおよびメニスカスの残留振動(減衰振動)を制振させるように圧電素子20を駆動する。すなわち、周期Tにおけるインクの噴射により生じた残留振動によりノズル30におけるメニスカスが圧力室側から噴射側に移動しているタイミングで制振膨張部p1により圧力室28が膨張してメニスカスを引き込む。これによってメニスカスの移動が打ち消し合い、残留振動を制振させる。このために、先の周期Tの噴射駆動パルスDPの後端(収縮部p5の終端)から次の周期Tの噴射駆動パルスDPの制振膨張部p1の始端までの時間Δtpが圧力室28内のインクおよびメニスカスの固有振動周期に基づいて定められている。これにより、連続的にインクを噴射させる場合においても、残留振動に起因してインクの噴射が不安定となることが防止される。すなわち、ノズル30から噴射されるインクの量や飛翔速度が目標値から著しく変動したり、記録媒体におけるインクの着弾位置が目標位置からずれたりといった不具合が抑制される。
制振膨張部p1が制振機能を発揮するためには、直前の周期Tの最後の噴射駆動パルスDPの後端から次の周期Tの最初の噴射駆動パルスDPの制振膨張部p1の始端までの時間Δtpをほぼ一定に維持することが重要となる。ところが、キャリッジ4の移動速度が変動した場合、タイミングパルスPTSの出力間隔も変動することなり、これに伴って、ラッチ信号LAT等のタイミング信号の間隔も変動することになる。そこで、本発明に係るプリンター1では、ラッチ信号LATの間隔の変動に応じて、噴射駆動パルスDPの制振膨張部p1の終端と収縮部p5の始端との間隔、特に本実施形態では、そのうち制振膨張部p1の終端から膨張部p3の始端までの時間Δtx(すなわち中間ホールド部p2の時間)を変化させて、直前の周期Tの最後の噴射駆動パルスDPの後端から次の周期Tの最初の噴射駆動パルスDPの制振膨張部p1の始端までの時間Δtpがほぼ一定となるように構成されている。
具体的には、例えば、キャリッジ4が記録紙6における印刷領域(画像等が記録される領域)に対応する位置で定速移動している際のラッチ信号LATの間隔を基準(本発明における第1の間隔に相当)として(図4(a))、ラッチ信号LATの間隔が基準よりも長くなった場合、駆動信号生成回路4は、噴射駆動パルスDPの時間Δtxを長く設定する(図4(b))。また、ラッチ信号LATの間隔が基準よりも短くなった場合、駆動信号生成回路4は、時間Δtxを短く設定する(図4(c))。なお、このようにキャリッジ4と記録紙6との間の相対速度が変化するのは、停止状態と定速移動との間の加減速時に印刷する場合や印刷モードによってキャリッジ4の定速移動時の速度が異なる場合である。このようにすることで、キャリッジ4の移動速度が第1の速度(例えば、記録媒体上を定速移動している際の速度)からこれとは異なる第2の速度(例えば、キャリッジ4が加減速しているときの速度)に変化してラッチ信号LATの間隔が変動した場合においても、直前の周期Tの最後の噴射駆動パルスDPの後端から次の周期Tの最初の噴射駆動パルスDPの制振膨張部p1の始端までの時間Δtpを一定に維持できるので、キャリッジ4の移動速度に関わらず制振膨張部p1の制振機能が発揮される。これにより、常に、インクの噴射安定性を確保することが可能となる。なお、「時間Δtpが一定」に関し、厳密に一定あることには限られず、制振膨張部p1の制振機能が発揮され得る程度の範囲内で多少の変動も許容する意味で用いる。また、「ラッチ信号LATの間隔」に関し、前回のラッチ信号LATから今回のラッチ信号LATまでの実際の間隔であっても良いし、キャリッジ4の走査位置などに基づく予測値であっても良い。
以上のように、駆動信号COMにおける噴射駆動パルスDPは、ノズル30からインクを噴射させる第1の波形部としての収縮部p5よりも先に、ノズル30からインクを噴射させることなく圧力室28内のインクに対して圧力変化を生じさせる第2の波形部としての制振膨張部p1を発生するので、先に発生される噴射駆動パルスDPによってインクが噴射された後の残留振動が、その次に発生される噴射駆動パルスDPの先頭の制振膨張部p1により制振される。このように構成することで、制振膨張部p1により残留振動を相殺させるタイミングを計るために必要な時間である時間Δtpを、タイミング信号(ラッチ信号LAT)の制御時間として兼用することができる。その分、駆動信号COM全体の周期Tを短縮することができる。これにより、噴射駆動周波数を高めることが可能となる。
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、以下の実施例や変形例同士を適宜組み合わせるなど特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
図5は、本発明の第2の実施形態における駆動振動COMの構成を説明する波形図である。本実施形態では、駆動信号COMの周期T内に種類の異なる複数の噴射駆動パルスが発生される点で上記第1の実施形態と異なっている。具体的には、周期Tが前半の時間T1と後半の時間T2に分けられ、時間T1で第1の噴射駆動パルスDP1が発生され、時間T2で第2の噴射駆動パルスDP2が発生される。また、チェンジ信号CHは、第2の噴射駆動パルスDP2の圧電素子20への印加タイミングを規定するタイミング信号である。
この例において、第1の噴射駆動パルスDP1は、第1の実施形態における噴射駆動パルスDPと同一の波形となっている。これに対し、第2の噴射駆動パルスDP2は、第1の噴射駆動パルスDP1の場合よりもノズル30から噴射されるインクの量が少なくなるように設定された波形である。この第2の噴射駆動パルスDP2は、周知の波形であるため詳細な説明は省略するが、基準電位Ebから第2中間電位Em2まで電位が変化する第2制振膨張部p21と、第2制振膨張部p21の終端電位である第2中間電位Em2を維持する第2中間ホールド部p22と、第2中間電位Em2から第2膨張電位Eh2まで電位が変化する第2膨張部p23と、ノズル30からインクを噴射させるべく第2膨張電位Eh3から第2中間電位Em3まで電位が変化する第2収縮部p25と、を含んでいる。
上記の第1の噴射駆動パルスDP1の制振膨張部p1および第2の噴射駆動パルスDP2の第2制振膨張部p21は、いずれも直前の噴射駆動パルスによるインクの噴射により生じた残留振動を制振させる機能を発揮させるため、第1の噴射駆動パルスDP1の終端から第2の噴射駆動パルスDP2の始端までの時間Δtp1、および、第2の噴射駆動パルスDP2の終端から次の周期Tにおける第1の噴射駆動パルスDP1の始端までの時間Δtp2を、ラッチ信号LATやチェンジ信号CHの発生間隔によらず、一定に維持することが望ましい。このため、本実施形態においては、ラッチ信号LATの間隔に応じて、第1の噴射駆動パルスDP1の制振膨張部p1と収縮部p5との間隔、より具体的には、制振膨張部p1の終端から膨張部p3の始端までの時間(中間ホールド部p2の時間)Δtx1を変化させるように構成されている。同様に、第2の噴射駆動パルスDP2の第2制振膨張部p21と第2収縮部p25との間隔、より具体的には、第2制振膨張部p21の終端から第2膨張部p23の始端までの時間(第2中間ホールド部p22の時間)Δtx2を変化させる。これにより、時間Δtp1および時間Δtp2が一定となるように構成されている。
具体的には、例えば、ラッチ信号LATの間隔が基準よりも長くなった場合、駆動信号生成回路4は、時間Δtx1および時間Δtx2を長く設定する(図5(b))。同様に、ラッチ信号LATの間隔が基準よりも短くなった場合、駆動信号生成回路4は、時間Δtx1および時間Δtx2を短く設定する(図示せず)。なお、本実施形態では、同一発生周期中の駆動信号における第1の噴射駆動パルスDP1の時間Δtx1および第2の噴射駆動パルスDP2の時間Δtx2の両方をタイミング信号の間隔に応じて変化させる構成を例示したが、これには限られず、複数の噴射駆動パルスのうち、少なくとも1の噴射駆動パルスの制振膨張部p1と収縮部p5の間隔をタイミング信号の発生間隔に応じて変化させて、Δtp2が一定となるようにしても良い。すなわち、Δtp2が一定であれば、少なくとも一周期中においてインクが噴射された後の残留振動が、次の周期におけるインクの噴射に悪影響を及ぼすことが防止される。なお、ノズル30からインクを噴射させることなく圧力室28内のインクに対して圧力変化を生じさせる第1の波形部に相当する波形要素と、圧力室28内のインクに対して圧力変化を生じさせてノズル30からインクを噴射させる第2の波形部に相当する波形要素と、を含む駆動パルスであれば、その種類(噴射されるインクの量等の違い)や駆動信号COMの一周期中に発生される数は、例示したものには限られない。
上記の第2の実施形態においても、残留振動を相殺させるタイミングを計るために必要な時間である時間Δtp1およびΔtp2を、タイミング信号であるラッチ信号LATまたはチェンジ信号CH用の制御時間として兼用することができるので、駆動信号COM全体の周期Tを短縮することができる。これにより、噴射駆動周波数を高めることが可能となる。
図6は、本発明の第3の実施形態における駆動振動COMの構成を説明する波形図である。本実施形態では、第1の駆動信号COM1および第2の駆動信号COM2の2つの駆動信号が繰り返し同時に(並行して)発生される。そして、第1の駆動信号COM1では噴射駆動パルスDPが発生され、第2の駆動信号COM2では微振動駆動パルスVPが発生される点で上記各実施形態と異なっている。第1の駆動信号COM1の構成は、上記第1の実施形態における駆動信号COMと同様である。第2の駆動信号COM2における微振動駆動パルスVPは、ノズル30からインクが噴射されない程度に圧力室28内のインクおよびノズル30におけるメニスカスを微振動させるための駆動波形である。より具体的には、微振動駆動パルスVPは、微振動膨張要素p31と、微振動ホールド要素p32と、微振動収縮要素p33と、からなる台形波となっている。そして、微振動膨張要素p31が、本発明における第1の信号部として、噴射駆動パルスDPによるインクの噴射により生じた残留振動を制振させる機能を備える。
本実施形態においても、ラッチ信号LATの間隔に応じて、噴射駆動パルスDP1の中間ホールド部p2の時間Δtxを変化させるとともに、微振動駆動パルスVPの微振動膨張要素p31と微振動収縮要素p33との間隔、すなわち、微振動ホールド要素p32の時間Δtx3を変化させる。これにより、噴射駆動パルスDPの後端から次の周期Tの微振動駆動パルスVPの始端(微振動膨張要素p31の始端)までの時間Δtpdが一定となるように構成されている。そして、微振動駆動パルスVPは、所定の周期においてインクを噴射しないノズル30に対応する圧電素子20に印加されて、圧力室28内のインクおよびノズル30におけるメニスカスが微振動される。これにより、インクの増粘による噴射不良が抑制される。また、微振動膨張要素p31が、直前の噴射駆動パルスDPによるインクの噴射により生じた残留振動を制振させる機能を備えるので、微振動によって残留振動を増幅するおそれが無い。
そして、上記第3の実施形態においても、残留振動を相殺させるタイミングを計るために必要な時間である時間Δtpdを、タイミング信号の一種であるラッチ信号LAT発生用の時間として兼用することができる。その分、駆動信号COM全体の周期Tを短縮することができる。これにより、噴射駆動周波数を高めることが可能となる。
なお、上記各実施形態では、圧力発生手段として、所謂縦振動型の圧電素子20を例示したが、これには限られず、例えば、所謂撓み振動型の圧電素子を採用することも可能である。この場合、上記各実施形態で例示した駆動パルスに関し、電位の変化方向、つまり上下が反転した波形となる。
さらに、圧力発生手段としては圧電素子には限らず、圧力室内に気泡を発生させる発熱素子や静電気力を利用して圧力室の容積を変動させる静電アクチュエーター等の各種圧力発生手段を用いる場合にも本発明を適用することができる。
また、ラッチ信号LATに応じて変化させる位置もp2の継続時間Δtxに限られず、図4の場合で言えば、p3やp4の継続時間を変化させてもよいし、p2からp4のうちの複数の継続時間を変化させてもよい。
さらには、具体的な波形は、上記のものに限られるものではない。少なくとも制振を行う波形要素と液体を噴射する波形要素とが上述の時間関係を備えていれば、様々な波形を採用できる。例えば、圧力室を収縮させて制振を行ってもよいし、圧力室を膨脹させて液体を噴射させてもよい。
そして、以上では、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は、複数の噴射駆動パルスを用いて液体の噴射を行う液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,ごく少量の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適用することができる。
1…プリンター,2…記録ヘッド,4…キャリッジ,6…記録紙,20…圧電素子,28…圧力室,30…ノズル,38…プリンターコントローラー,45…駆動信号発生回路,43…制御部

Claims (8)

  1. 液体流路内の液体に対して圧力変化を付与する圧力発生手段と、
    前記圧力発生手段による圧力変化により液体が噴射されるノズルと、
    前記圧力発生手段を駆動させる駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
    前記駆動信号の前記圧力発生手段への印加タイミングを規定するタイミング信号を発生するタイミング信号発生手段と、
    を備え、
    前記駆動信号は、ノズルから液体を噴射させることなく前記液体流路内の液体に対して圧力変化を生じさせる第1の波形部と、前記液体流路内の液体に対して圧力変化を生じさせてノズルから液体を噴射させる第2の波形部と、を含み、
    前記第1の波形部は、前記駆動信号の同一発生周期中において前記第2の波形部よりも先に発生され、
    前記駆動信号発生手段は、前記タイミング信号発生手段からのタイミング信号に基づき、前記第1の波形部と前記第2の波形部との間隔を変化させることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記駆動信号発生手段は、前記第2の波形部からその次に発生される第1の波形部までの間隔を一定とすることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記駆動信号発生手段は、前記第2の波形部からその次に発生される第1の波形部までの間にタイミング信号を発生することを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記駆動信号発生手段は、前記第1の波形部と前記第2の波形部を有する駆動波形を前記駆動信号の同一発生周期中に複数発生することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記駆動信号発生手段は、同一発生周期中の駆動信号における複数の駆動波形のうち、少なくとも1の駆動波形の前記第1の波形部と前記第2の波形部の間隔を、前記タイミング信号発生手段からのタイミング信号の発生間隔に応じて変化させることで、前記駆動信号における一周期中の最後の駆動波形の第2の波形部から次の周期の駆動信号における最初の駆動波形の第1の波形部までの間隔を一定とすることを特徴とする請求項4に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 液体流路内の液体に対して圧力変化を付与する圧力発生手段を有し、該圧力発生手段による圧力変化によりノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、
    前記圧力発生手段を駆動させる駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
    前記駆動信号の前記圧力発生手段への印加タイミングを規定するタイミング信号を発生するタイミング信号発生手段と、
    を備え、
    前記駆動信号は、ノズルから液体を噴射させることなく前記液体流路内の液体に対して圧力変化を生じさせる第1の波形部と、前記液体流路内の液体に対して圧力変化を生じさせてノズルから液体を噴射させる第2の波形部と、を含み、
    前記第1の波形部は、前記駆動信号の同一発生周期中において前記第2の波形部よりも先に発生され、
    前記駆動信号発生手段は、前記タイミング信号発生手段からのタイミング信号に基づき、前記第1の波形部と前記第2の波形部との間隔を変化させることを特徴とする液体噴射装置。
  7. 液体噴射ヘッドが有する圧力発生手段に駆動信号を供給することで当該液体噴射ヘッドのノズルから液体を着弾対象に向けて噴射させる液体噴射装置であって、
    前記液体噴射ヘッドと前記着弾対象との相対速度が第1の速度の場合と当該相対速度が前記第1の速度とは異なる第2の速度の場合とで、同一発生周期中における前記駆動信号の液体を噴射させない電位変化である第1の波形部から液体を噴射させる電位変化である第2の波形部までの時間が異なることを特徴とする液体噴射装置。
  8. 前記駆動信号は、噴射の要否に関する噴射データに基づいて前記発生周期毎に前記圧力発生手段に供給されることを特徴とする請求項7に記載の液体噴射装置。
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