JP2011176255A - 電子機器用のシールド材と、それを使用する電子機器のシールド構造 - Google Patents

電子機器用のシールド材と、それを使用する電子機器のシールド構造 Download PDF

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Kyuichi Ose
九一 大▲瀬▼
Hisataka Takahashi
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Abstract

【課題】高周波信号を取り扱う電子機器に対して広く好適に適用可能な電子機器用のシールド材と、それを使用する電子機器のシールド効果を簡単に実現出来るシールド構造を提供する。
【解決手段】可撓性の絶縁層11と、絶縁層11の上面に設ける保護層13と、絶縁層11の下面に設ける接着層14とを備えるシールド材10において、絶縁層11にカーボン粉末を分散させて形成する。また、該シールド材10を電子機器のケースや電子機器の表面に接着するシールド構造とする。
【選択図】図4

Description

この発明は、高周波信号を取り扱う任意の電子機器に対して広く好適に適用可能な電子機器用のシールド材と、それを使用する電子機器のシールド構造に関する。
大電力の高周波信号を取り扱う無線通信機などの電子機器は、誘導性結合による電磁ノイズと、容量性結合による静電ノイズとを同時に発生することが少なくない。オーディオ用のデジタルアンプや、スイッチング電源装置なども、全く同様である。そこで、これらの電子機器の電磁ノイズ、静電ノイズを低減するために、2重構造の絶縁シールド装置が提案されている(特許文献1)。
従来の絶縁シールド装置は、ノイズ発生源となる電子部品を内側シールドケース、外側シールドケースの2重のシールドケースに収納し、内側シールドケース、外側シールドケースの相互間を電気的に絶縁する。なお、内側シールドケースは、静電ノイズを対象とする銅板製とし、外形シールドケースは、電磁ノイズを対象とする鋼板製とし、それぞれ本体と蓋体とを組み合わせて密閉箱形に構成されている。
特開2001−332884号公報
かかる従来技術によるときは、銅板製の内側シールドケース、鋼板製の外側シールドケースは、それぞれ本体と蓋体とを組み合わせる2重の箱形に形成するとともに、両者間を電気的に絶縁する必要があるから、全体構成が複雑であり、製造コストが過大になりがちであるという問題があった。
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、接着可能な可撓性の積層体からなるシールド材を採用することによって、電子機器のケースの外面、内面などに接着して良好なシールド効果を簡単に実現することができる電子機器用のシールド材と、それを使用する電子機器のシールド構造を提供することにある。
かかる目的を達成するためのこの出願の請求項1に係る発明の構成は、可撓性の絶縁層と、絶縁層の上面に設ける保護層と、絶縁層の下面に設ける接着層とを備えてなり、絶縁層は、カーボン粉末を分散して包含させるカーボン入りに形成することをその要旨とする。
請求項2に係る発明の構成は、少なくとも1枚の請求項1に係るシールド材を電子機器のケースに接着することをその要旨とする。
請求項3に係る発明の構成は、少なくとも1枚の請求項1に係るシールド材を電子機器の表面に接着することをその要旨とする。
また、請求項2、3に係る発明において、金属箔の導電層と、導電層の上面に設ける保護層と、導電層の下面に設ける接着層とを備える電子機器用のシールド材を重ねて使用することができる。
なお、導電層は、プリント基板上の各回路ブロックに合わせて分割することができる。
また、導電層は、枡目状に分割することができる。
可撓性の絶縁層と、絶縁層の上面に積層する金属箔の導電層と、絶縁層の下面に設ける接着層とを備える電子機器用のシールド材は、絶縁層の下面の接着層を介して電子機器のケースの外面または内面の一部または全面に接着すると、絶縁層を介してケースから絶縁される金属箔の導電層は、電子機器から輻射され、または電子機器に侵入する電磁ノイズを低減させるシールド板として動作する。誘導性結合による電磁ノイズは、導電層内にうず電流を発生させ、金属箔の抵抗に起因する熱損失により減衰するからである。なお、導電層は、アルミニウム、すず、銅などの金属箔を使用すればよい。また、絶縁層は、たとえばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンなどのプラスチック材料による単層または複層の可撓性のプラスチックシートが好適である。
絶縁層、導電層は、適切な接着剤を介して接着する他、熱接着により積層してもよく、全体として可撓性があり、自在に折曲可能であり、はさみやカッタなどにより自在に切断可能である。そこで、かかるシールド材は、任意の電子機器のケースの外面または内面に対し、絶縁層の下面の接着層を介して簡単に接着することができる。ただし、接着層は、たとえばアクリル系接着剤などの感圧性接着剤を使用することが好ましい。
請求項1に係る発明の構成によるときは、カーボン粉末を分散して包含させるカーボン入りの絶縁層は、電子機器から輻射され、または電子機器に侵入する静電ノイズを低減させるシールド板として動作する。容量性結合による静電ノイズは、絶縁層による静電容量とカーボン粉末による抵抗とを通るノイズ電流となり、後者内の熱損失により減衰するからである。なお、カーボン粉末は、絶縁層を形成するプラスチックシート内に均一に分散させて包含させてもよく、適当な絶縁性の接着剤などと混合して分散固定してもよい。
請求項4に係る発明の構成によるときは、導電層の上面の保護層は、金属箔の導電層を電気的、機械的に保護し、他の部材が接触して金属箔の電位が変動したり、金属箔が破損したりすることを防止する。保護層は、たとえばポリエチレンなどの絶縁性のプラスチックフィルムであって、接着剤を介して、または熱接着により、導電層の上面に積層すればよい。
なお、金属箔の導電層により、電子機器から輻射され、または電子機器に侵入する電磁ノイズを対象とするシールド材を形成することができる。
請求項4に係る発明において、シールド材の導電層を適切に分割することにより、シールド用のケースやシャーシ内のプリント基板上の電子回路に侵入する電磁ノイズを効果的に低減させることができる。一般に、金属製のケースやシャーシには、プリント基板上の電子回路によって誘起されるノイズ電流が発生しており、このノイズ電流が別の電子回路の位置にまで廻り込み、誘導性結合、容量性結合により電磁ノイズ、静電ノイズのノイズ源になることがある。そこで、導電層を分割すると、ノイズ電流の廻り込み範囲を小さく限定し、誘導性結合による電磁ノイズとして別の電子回路に侵入するノイズレベルを小さくすることができる。ただし、容量性結合による静電ノイズは、カーボン入りの絶縁層をシールド材に導入することにより、有効に対処することができる。なお、導電層を分割するシールド材は、保護対象となるプリント基板を収容するケースやシャーシの内面に接着し、プリント基板の表面側、裏面側に対面させて使用することが好ましい。
導電層は、プリント基板上の各回路ブロックに合わせて分割することにより、特定の回路ブロックに起因してケースやシャーシ内に発生するノイズ電流が他の回路ブロックに悪影響を与えるおそれを少なくすることができる。ただし、ここでいう回路ブロックとは、たとえば増幅回路、混合回路、発振回路、比較回路などの能動回路の機能ブロックをいうものとする。なお、同一の機能ブロック内であっても、信号レベルがたとえば2倍(6dB)以上異なる場合や、信号の周波数レベルや位相レベルが異なる場合には、別の回路ブロックとみなし、アナログ回路とディジタル回路も、別の回路ブロックとして扱うものとする。
導電層は、その全面積を一律に枡目状に分割することにより、プリント基板上の各回路ブロックの任意の配置形状に対して簡単に適応させることができる。ただし、各枡目の大きさは、各回路ブロックの配置形状より小さくし、各回路ブロック内の能動素子のサイズと同等か、その数個分相当程度を目安にして、能動素子のサイズに着目して設定することが好ましい。また、枡目の大きさは、あらかじめ複数種類をシリーズ化して用意しておき、プリント基板上の各回路ブロックや能動素子の配置、形状、サイズなどに応じて適切に使い分けることが好ましい。
なお、請求項1〜6に係る各発明の構成によるときは、カーボン粉末を包含させるカーボン入りの絶縁層により、電子機器から輻射され、または電子機器に侵入する静電ノイズを対象とするシールド材を形成することができる。
請求項2に係る発明の構成によるときは、請求項1に係るシールド材の少なくとも1枚を電子機器のケースの外面または内面の一部または全面に接着することにより、良好なシールド効果を簡単に実現することができる。請求項3に係る発明の構成によるときは、請求項1に係るシールド材の少なくとも1枚を電子機器の表面に接着することにより、請求項2に係る発明と同様の効果を得ることができる。なお、請求項4に係る発明は、請求項1に係るシールド材と、請求項4に規定するシールド材とを各1枚以上任意の組合せに重ねて使用することができる。
要部拡大分解断面図 試験条件説明図(1) 試験条件説明図(2) 他の実施の形態を示す図1相当説明図 他の実施の形態を示す平面模式図(1) 試験対象プリント基板の表面側概略部品配置図 試験対象プリント基板の概略ブロック系統図 試験対象プリント基板の実装模式図 試験条件説明図(3) 他の実施の形態を示す平面模式図(2)
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
電子機器用のシールド材10は、絶縁層11の上面に導電層12を積層してなる(図1)。なお、導電層12の上面には、保護層13が接着されている。また、絶縁層11の下面には、接着層14が設けられており、接着層14は、剥離紙15を介して保護されている。
絶縁層11は、可撓性のプラスチックシートからなり、その材質は、単一のプラスチック材でもよく、複数のプラスチック材のラミネート材であってもよい。導電層12は、アルミニウム箔などの金属箔である。なお、絶縁層11、導電層12は、熱接着により積層されているが、図示しない接着剤を介して接着してもよい。
保護層13は、熱可塑性のプラスチックフィルムであり、導電層12の上面に熱接着されている。また、接着層14は、感圧性接着剤であり、剥離紙15により保護されている。
かかるシールド材10は、剥離紙15を剥離し、接着層14を介して無線機TXのケースの前面(マイクロホンMC側)を除く外面に全面接着することにより、良好なシールド効果を確認することができた(図2)。
図2において、無線機TXは、富士通テン製の車載用無線機FTM−40−571DCTであり、出力端子にダミーロードDLを接続し、周波数468.15MHz、出力4.8Wで動作させた。一方、無線機TXのケースの上方に間隔d=λ/8≒8cmをおいて1λのループアンテナANTをケースと平行に配置し、同軸ケーブル5D2V(長さ1.3m)を介してスペクトラムアナライザSA(アドバンテスト製TR4131)に接続した。ただし、波長λ≒64cmである。電源ラインL1 、ダミーロードDL用のラインL2 には、ノイズ除去用のクランプフィルタ(フェライトコア)F1 、F2 を挿入した。ただし、クランプフィルタF1 は、電源ラインL1 、ラインL2 に共用し、クランプフィルタF2 は、ラインL2 に専用とした。
無線機TXのケースにシールド材10を接着しないとき、スペクトラムアナライザSAによって検出されたアンテナANTの誘起電圧85.4dBμVであったが、図1のシールド材10を無線機TXのケースの前面を除く外面に全面接着することにより、76.6dBμVに減衰した(減衰量8.8dB)。ただし、シールド材10は、絶縁層11としてポリプロピレン(厚さ150μm)、導電層12としてアルミニウム箔(厚さ100μm)をそれぞれ使用し、保護層13としてポリエチレン(厚さ25μm)を熱接着し、接着層14としてアクリル系接着剤(厚さ50μm)を用いた。
図1のシールド材10の絶縁層11は、カーボン粉末を分散して包含させるカーボン入りに形成することにより、図2の試験条件において、アンテナANTの誘起電圧70.4dBμVとなり(減衰量15.0dB)、一段と良好なシールド効果が確認できた。ただし、このときの絶縁層11は、酢酸ビニル樹脂(重量比10%相当)に粒径10〜100μmのカーボン粉末(重量比90%相当)を均一に分散させてカーボン入りの絶縁シートとして製作した。
また、図1のシールド材10は、図3の試験条件においても、良好なシールド効果を確認できた。
図3において、無線機TXに接続する同軸ケーブル5D2Vの心線Cをアルミニウム製の円筒ケースCA(内径D≒66mm、長さL≒200mm)の中心軸上に貫通させ、円筒ケースCAの入口側、出口側において、それぞれ抵抗R1 =200Ω、R2 =90Ωにより終端した。無線機TXの出力は、周波数10.0MHz、電力10Wとした。一方、円筒ケースCAの中心軸と内壁との中間位置に別の同軸ケーブル3D2Vを軸方向に貫通させ、円筒ケースCA外の一端を短絡し、他端をスペクトラムアナライザSA(アドバンテスト製TR4131)に接続した。また、同軸ケーブル3D2Vは、円筒ケースCA内において、剥離紙15を除去した図1のシールド材10を螺旋状に1重に巻き付けて外周をシールドした。
スペクトラムアナライザSAによって検出された同軸ケーブル3D2Vへの誘起電圧は、シールド材10がないとき61.8dBμV、シールド材10があるとき42.2dBμV(減衰量19.6dB)であった。ただし、シールド材10の具体的な構成は、図2の試験条件に使用したものと同等であり、絶縁層11は、カーボン入りでないものとした。
以上の説明において、シールド材10は、1枚だけを使用するほか、2枚以上を重ねて使用してもよく、このとき、絶縁層11は、カーボン入りのもの、カーボン入りでないものを任意に組み合わせて使用することができる。また、シールド材10は、無線機TXなどの任意の電子機器のケースの外面に代えて、内面に接着してもよく、任意の電子機器の表面を包み込むようにして接着してもよい。
他の実施の形態
シールド材10は、導電層12の上面、下面にそれぞれ保護層13、接着層14を設けて構成することができる(図4(A))。また、シールド材10は、絶縁層11の上面、下面にそれぞれ保護層13、接着層14を設けて構成してもよい(図4(B))。なお、図4(A)、(B)において、接着層14、14は、それぞれ剥離紙15によって保護されている。
図4(A)、(B)のシールド材10、10は、それぞれの剥離紙15を剥離した上、各1枚だけを任意の電子機器のケースの外面または内面に接着し、あるいは電子機器の表面に接着して使用することができる。また、図4(A)、(B)のシールド材10、10は、任意の電子機器Kの表面に対し、2重に重ねて接着することができる(図4(C))。図4(C)の全体構成は、図1のシールド材10の剥離紙15を剥離して使用する場合と実質的に同等の構成であり、同等のシールド効果を実現することができる。
なお、図4(B)の絶縁層11も、図1の絶縁層11と同様に、カーボン入りに形成してもよい。また、図1、図4(B)において、絶縁層11をカーボン入りに形成するとき、絶縁層11のプラスチックシート内にカーボン粉末を分散させるに代えて、たとえばポリエチレンの不織布などの基材上に所定量のカーボン粉末と水性の木工用ボンドなどの接着剤とを混ぜ合わせて所定厚さに固定して作ることができる。
シールド材10の導電層12は、保護対象となるプリント基板20上の各回路ブロック21、22…の配置、形状に合わせて、複数のエリア12a、12b…に分割することができる(図5、図6)。ただし、図6のプリント基板20は、シールド材10の性能確認試験に使用した日本無線(株)製の全波受信機NRD−545のRF TUNE UNIT基板(CFL−356)であって、図7は、その概略ブロック系統図である。
図6において、回路ブロック21、22、23は、それぞれ入力フィルタ回路、RF増幅回路、混合回路である。なお、図6において、部品間を結ぶ矢印は、コネクタBから入力し、コネクタAに出力される信号の流れを概略的に示している。
図6、図7を参照して、回路ブロック21の入力フィルタ回路は、アッテネータATT用のリレーK1 の他、各周波数帯域ごとの同調用のバリアブルフィルタを構成するコイルT1 、T2 …T10、コンデンサC1 、C2 …C5、リレーK2 、K3 …K7 を含んでいる。ただし、リレーK2 、K3 …K7 は、コイルT5 、T6 …T10のタップ切換用であり、バリアブルフィルタは、周波数帯域指定用の電圧(RF BAND)をデコードするデコーダと、入力側、出力側のダイオードスイッチとを介して選択され、同調用電圧(TUNE VTG)により所定の受信周波数に同調させる。
回路ブロック22のRF増幅回路は、ローパスフィルタLPFと、トランジスタTR1 〜TR4 によるRF増幅器と、出力トランスT11とを含んでいる。また、回路ブロック23の混合回路は、外部からの局発信号(LOCAL)用の入力トランスT13、トランジスタTR5 〜TR8 による局発信号用増幅器とミキサ、出力トランスT12を含んでいる。
プリント基板20は、縦横100×195mmであり、縦d=50mm、横w=200mm、奥行100mmの薄鉄板製のシールド用のケースS内に収納されている(図8)。ただし、ケースS内のプリント基板20の表面側(部品取付面側)、裏面側は、ケースSの内面からそれぞれ間隔d1 ≒40mm、d2 ≒10mmだけ離れている。
ケースSの長辺側の内面には、プリント基板20の表面側、裏面側に対面するようにして、シールド材10、10をほぼ全面に接着した。ただし、各シールド材10は、図1から剥離紙15を除去した積層形態である。また、プリント基板20の表面側に対面するシールド材10は、図5のように、プリント基板20上の回路ブロック21、22…に合わせて導電層12を分割し、プリント基板20の裏面側に対面するシールド材10は、図5の左右対称となるように導電層12を分割したものである。
シールド材10の性能確認は、図9の試験回路によった。使用した全波受信機RXのアンテナ端子ANTは、50Ωのシャント抵抗SRによって終端し、AF出力端子AF OUTには、終端抵抗R=600Ωとともにレベル計LM(クラニシ製TA2525)を接続し、全波受信機RXの無信号時内部残留雑音レベルを測定した。レベル計LMの計測値は、ケースSの内面にシールド材10、10を接着しないとき、−33.2dBmであった。一方、ケースSの内面にシールド材10、10を接着すると、−41.5dBmとなり、8.3dBmの改善効果が確認された。なお、シールド材10、10の導電層12を分割しないとき、レベル計LMの計測値−40.0dBmであって、改善効果6.8dBmとなり、導電層12を分割することにより、一層の改善効果が確認された。
シールド材10は、導電層12をプリント基板20上の回路ブロック21、22…に合わせて分割するに代えて、一律に枡目状に分割してもよい(図10)。各枡目12dは、プリント基板20上の各回路ブロック21、22…の配置形状(図10の点線)より小さくし、プリント基板20上の能動素子のサイズに着目して設定する。たとえば、図6のプリント基板20上の能動素子は、トランジスタTR1 〜TR8 であるから、そのサイズ(平面視の最大寸法)5mmを考慮して、各枡目12dを一辺20mmの正方形に設定し、図8のケースSの内面に接着したところ、図5のシールド材10を接着したときとほぼ同等の効果を確認することができた。ただし、図10のシールド材10も、図1の積層形態から剥離紙15を除去したものとした。また、図10において、各枡目12dを一辺5mm、10mmの正方形にしても、殆ど同等の効果が得られた。各枡目12dを正方形でなく、長方形にしても同様である。
なお、図5、図10において、隣接するエリア12a、12b…、枡目12d、12d…は、互いに電気的に導通しなければよいのであって、必ずしも図示のような明確な間隙を介して区切る必要がない。すなわち、導電層12は、鋭利なナイフエッジなどによる切れ目を入れて分割すれば十分である。
また、図8において、ケースSの短辺側の内面にも、シールド材10、10を接着してもよい。ただし、この場合のシールド材10は、導電層12を分割してもよく、しなくてもよい。
この発明は、無線機や同軸ケーブルなどを含む任意の電子機器から輻射され、または電子機器に侵入する電磁ノイズ、静電ノイズを低減させるために広く好適に使用することができる。ただし、ここでいう保護対象としての電子機器は、無線通信用の送信機や受信機、ビデオ機器、オーディオ機器、電源装置などの他、電子回路を搭載するプリント基板や、同軸ケーブルなどを含むものとする。
K…電子機器
10…シールド材
11…絶縁層
12…導電層
13…保護層
14…接着層
20…プリント基板
21、22、23…回路ブロック

特許出願人 株式会社 大▲瀬▼研究所
代理人 弁理士 松 田 忠 秋

Claims (6)

  1. 可撓性の絶縁層と、該絶縁層の上面に設ける保護層と、前記絶縁層の下面に設ける接着層とを備えてなり、前記絶縁層は、カーボン粉末を分散して包含させるカーボン入りに形成することを特徴とする電子機器用のシールド材。
  2. 少なくとも1枚の請求項1記載のシールド材を電子機器のケースに接着してなる電子機器のシールド構造。
  3. 少なくとも1枚の請求項1記載のシールド材を電子機器の表面に接着してなる電子機器のシールド構造。
  4. 金属箔の導電層と、該導電層の上面に設ける保護層と、前記導電層の下面に設ける接着層とを備える電子機器用のシールド材を重ねて使用することを特徴とする請求項2または請求項3記載の電子機器のシールド構造。
  5. 前記導電層は、プリント基板上の各回路ブロックに合わせて分割することを特徴とする請求項4記載の電子機器のシールド構造。
  6. 前記導電層は、枡目状に分割することを特徴とする請求項4記載の電子機器のシールド構造。
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