JP2009266764A - フレキシブルフラットケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】 伝導性ノイズ抑制効果が優れ、かつ、可とう性が保持されたフレキシブルフラットケーブルを提供すること。
【解決手段】 互いに並置された複数本の電気導体2とそれらを一体として保持し被覆する絶縁性物質3からなるフレキシブルフラットケーブル10において、片面の絶縁性物質3上に、磁性体と結合材からなり、厚さが1mm以下の平板状で電気導体2の長手方向の寸法dが0.1〜3mmのノイズ抑制体1が、互いに分離して長手方向に複数個設置されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、柔軟性を持ち、例えばプリンタ、CD、DVD、携帯電話などの電子機器内部の配線材として幅広く利用されているフレキシブルフラットケーブルに関し、特にノイズの抑制手段を設けたフレキシブルフラットケーブルに関する。
近年、各種電子機器の一部から外部に放射された電磁波が電気配線等を通して機器自身の他の回路部分に取り込まれて内部干渉を起こしたり、電磁ノイズとして他の機器に取り込まれることにより誤動作などを生ずることが問題となっている。
互いに並置された複数本の電気導体とそれらを一体として保持し被覆する絶縁性物質からなり、曲げに対する可とう性を有するフレキシブルフラットケーブルはプリンタ、CD、DVD、携帯電話などの電子機器内部の配線材として幅広く利用されている。従来、このようなフレキシブルフラットケーブルにおいて、信号線へのノイズの混入を排除する方法としては、例えば特許文献1に示されているように、フレキシブルフラットケーブルの絶縁性物質の表面を金属層からなる電磁波シールド材で覆う方法がある。また、信号線に混入された伝導ノイズを除去する方法としては、例えば、非特許文献1に示すように、軟磁性粉末をゴム・エラストマー中に分散させたノイズ抑制シートをフレキシブルフラットケーブルに取り付ける方法がある。
しかしながら、前記のフレキシブルフラットケーブルの絶縁性物質の表面を金属層からなる電磁波シールド材で覆う方法では、金属層の抵抗率が低いために電気信号および伝導ノイズの反射が生じ、その反射による2次的な干渉が発生するという問題点がある。また、前記の軟磁性粉末をゴム・エラストマー中に分散させたノイズ抑制シートをフレキシブルフラットケーブルに取り付ける方法は、フレキシブルフラットケーブルの伝導性ノイズ抑制に有効であるが、GHz帯の低域から効率よく伝導性ノイズ抑制効果を発揮させるためには、ノイズ抑制シートの厚さを厚くしたり、ノイズ抑制シートに占める軟磁性粉末の充填率を高めなければならず、この結果、ノイズ抑制シートは曲げにくくなってしまう。すなわち、伝導性ノイズ抑制効果の優れたノイズ抑制シートほど可とう性に欠けることになり、このようなノイズ抑制シートを取り付けたフレキシブルフラットケーブルは、本来の可とう性を得られなくなるという問題点がある。
そこで、本発明の課題は、伝導性ノイズ抑制効果が優れ、かつ、可とう性が保持されたフレキシブルフラットケーブルを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるフレキシブルフラットケーブルは、互いに並置された複数本の電気導体とそれらを一体として保持し被覆する絶縁性物質からなるフレキシブルフラットケーブルにおいて、前記電気導体上の前記絶縁性物質上に、磁性体と結合材からなり、厚さが1mm以下の平板状で前記電気導体の長手方向の寸法が0.1〜3mmのノイズ抑制体を、互いに分離して前記長手方向に複数個設置したことを特徴とする。
ここで、前記ノイズ抑制体は、前記長手方向に垂直な方向の寸法が0.1〜3mmであり、互いに分離して前記長手方向に垂直な方向にも複数個設置されていてもよく、また、前記ノイズ抑制体は前記電気導体を両側から挟むように両面に設置されていてもよい。
また、前記磁性体は金属軟磁性材料か、または、少なくともFe、Oを含むフェライト材料であることが望ましい。
本発明は、発明者等が、金属軟磁性材料、または、軟磁性フェライト材料より作製した軟磁性粉末を結合材中に分散させて得られるノイズ抑制シートを、軟磁性粉末の充填率を高めて高比重とするか、または、シートの厚さを厚くして作製して伝導性ノイズ抑制効果を高め、そのシートを切断して複数のチップ状のノイズ抑制体とし、それらを電気導体の長手方向の寸法が0.1〜3mmとなるようにフレキシブルフラットケーブルの絶縁物質上の一方の面、または、両面に互いに分離して前記長手方向に並べて配置することにより、フレキシブルフラットケーブル本来の可とう性を損なわず、かつ、伝導性ノイズ抑制効果が得られることを見出したことに基づくものである。
例えば、CDやDVDドライブなどの光ピックアップ部の可動部分に用いられるフレキシブルフラットケーブルは、電気導体の長手方向に可とう性を有すればよいので、電気導体の長手方向の寸法が0.1〜3mmであるノイズ抑制体をフレキシブルフラットケーブルの絶縁物質上に互いに分離して配置すれば必要な可とう性が得られる。また、フレキシブルフラットケーブルの幅方向にも、その方向の寸法が0.1〜3mmであるノイズ抑制体を互いに分離して複数個配置すれば、その幅方向の可とう性も得られる。これらの場合、大きな形状のノイズ抑制体をそのまま配置した時と、それらを本発明のように複数のチップに切断して互いに分離して配置した時とを比べると、ほぼ同様な伝導ノイズ抑制効果が得られることが確認できた。
また、本発明によれば、ノイズ抑制体に用いる磁性材料を、金属軟磁性材料またはソフトフェライト材料にすることで、伝導性ノイズの周波数帯に応じて磁気損失が増加する周波数を選択でき、GHz帯の低域から伝導性ノイズ抑制効果を有するフレキシブルフラットケーブルが得られる。
以上のように、本発明により、伝導性ノイズ抑制効果が優れ、かつ、可とう性が保持されたフレキシブルフラットケーブルが得られる。
以下、図面を参照して本発明によるフレキシブルフラットケーブルの実施の形態を説明する。
図1は本発明によるフレキシブルフラットケーブルの第一の実施の形態を示す図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は側面図である。図1において、互いに並置された複数本の電気導体2とそれらを一体として保持し被覆する絶縁性物質3からなるフレキシブルフラットケーブル10において、片面の絶縁性物質3上に、磁性体と結合材からなり、厚さが1mm以下の平板状で電気導体2の長手方向の寸法dが0.1〜3mmのノイズ抑制体1が、互いに分離して長手方向に複数個設置されている。本実施の形態ではノイズ抑制体1の幅はフレキシブルフラットケーブル10の幅にほぼ一致させている。
ここで、伝導ノイズ抑制効果は、フラットケーブル全体の表面積に対するノイズ抑制体で覆われた部分の面積の割合に依存するので、ノイズ抑制体の合計面積を大きくするため、ノイズ抑制体間の間隔を100μm程度としても、フレキシブルフラットケーブルの可とう性は維持できる。なお、後に述べるように、図1のようにノイズ抑制体を配置したときと、フラットケーブル全体を1つの大きなノイズ抑制体で覆った場合との伝導ノイズ抑制効果の特性差は数%であった。
本実施の形態において、ノイズ抑制体1は、複素透磁率の磁気損失成分μ''を利用したものであるため、ノイズ抑制体1を構成する磁性体は、高透磁率材料でなければならない。このようなノイズ抑制体として金属軟磁性材料を用いることができ、具体的には、電磁軟鉄、Fe-Si系合金、アルパームを含むFe−Al系合金、センダスト(登録商標)を含むFe-Si-Al系合金、パーメンジュールなどの鉄系合金、または、78パーマロイ、スーパーマロイ、ミューメタル、ハードパームなどのパーマロイ系合金、または、メタグラスなどの金属系アモルファスなどを用いることができる。また、フェライト材料も用いることができ、具体的には、軟磁気特性を示すNi-Zn系フェライト、Cu-Zn系フェライト、Mn-Zn系フェライトなどを用いることができる。
上記の磁性材料を粉砕、または延伸、引裂加工、またはアトマイズ造粒等を行うことにより粗大な粉末を作製し、これをボールミルなどのメディア攪拌型粉砕機により微粉砕し、または、扁平状に加工し、その後、焼鈍処理して軟磁性粉末を得る。
また、ノイズ抑制体1を構成する結合材は、電子回路近傍での利用を考慮し、優れた可とう性及び難燃性を得ることができる塩素化ポリエチレンが好適であるが、それ以外に用いることができる有機結合材としては、樹脂、エラストマーがある。より具体的には、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、ABS樹脂、ニトリル−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、シリコーンゴム等の熱可塑性樹脂あるいはそれらの共重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミド系樹脂及びイミド系樹脂などの熱硬化性樹脂等をあげることができる。
前記軟磁性粉末の比表面積から、軟磁性粉末と結合材の配合比を決定し、結合材中に軟磁性粉末を配向分散した塗液をドクターブレード法で塗工し、本発明のフレキシブルフラットケーブルを構成するノイズ抑制体のシートを得る。
ここで、ノイズ抑制体1の長さdは0.1mm以上であれば伝導ノイズ抑制効果は得られるが、可とう性、伝導ノイズ抑制効果の大きさを考慮すると、0.1mm≦d≦3mmであることがより好ましい。長さdが3mmより大きければ、フレキシブルフラットケーブル10に配置されるとき、フレキシブルフラットケーブル10の表面積をノイズ抑制体1が被覆する面積が大きくなり、大きいノイズ抑制効果を得られるが、逆に可とう性が損なわれてしまうからである。また、dが0.1mmより小さければ、可とう性はフレキシブルフラットケーブル本来のものを得られるが、フレキシブルフラットケーブル10の表面積をノイズ抑制シートが被覆する面積が小さくなり、反射パラメータS11が増加し、透過パラメータS21が低減するため、フレキシブルフラットケーブルの伝導性ノイズ抑制効果が劣化してしまうためである。
また、ノイズ抑制体1の相互の間隙は、一体でなく互いに分離されていれば広くてもよいが、可とう性と伝導ノイズ抑制効果を考慮した上で、相互の間隔は0.5mm以下がより好ましい。
図2は本発明によるフレキシブルフラットケーブルの第二の実施の形態を示す図であり、図2(a)は上面図、図2(b)は側面図である。図2において、図1と同様に互いに並置された複数本の電気導体2とそれらを一体として保持し被覆する絶縁性物質3からなるフレキシブルフラットケーブル10において、上下両面の絶縁性物質3上に、磁性体と結合材からなり、厚さが1mm以下の平板状で電気導体2の長手方向の寸法dが0.1〜3mmのノイズ抑制体1が、互いに分離して長手方向に複数個設置されている。本実施の形態ではフレキシブルフラットケーブル10の上下両面にノイズ抑制体1を設置することにより、第一の実施の形態よりも大きな伝導ノイズ抑制効果を得ている。なお、本実施の形態のノイズ抑制体の材料も第一の実施の形態と同様である。
図3は本発明によるフレキシブルフラットケーブルの第三の実施の形態を示す図であり、図3(a)は上面図、図3(b)は側面図である。図3において、図1と同様に互いに並置された複数本の電気導体2とそれらを一体として保持し被覆する絶縁性物質3からなるフレキシブルフラットケーブル10において、片面の絶縁性物質3上に、磁性体と結合材からなり、厚さが1mm以下の平板状で電気導体2の長手方向の寸法dが0.1〜3mmのノイズ抑制体11が、互いに分離して長手方向に複数個設置されている。但し、本実施の形態では長手方向に垂直な方向のノイズ抑制体11の幅Wは0.1〜3mmであり、互いに分離して前記長手方向に垂直な方向にも複数個設置されている。すなわち、幅方向にもノイズ抑制体11を互いに分離して複数個配置することにより、その幅方向の可とう性も得ている。なお、本実施の形態のノイズ抑制体の材料も第一の実施の形態と同様である。
図4は本発明によるフレキシブルフラットケーブルの第四の実施の形態を示す図であり、図4(a)は上面図、図4(b)は側面図である。図4において、図3と同様に互いに並置された複数本の電気導体2とそれらを一体として保持し被覆する絶縁性物質3からなるフレキシブルフラットケーブル10において、上下両面の絶縁性物質3上に、磁性体と結合材からなり、厚さが1mm以下の平板状で電気導体2の長手方向の寸法dが0.1〜3mmで、かつ、長手方向に垂直な方向の幅Wが0.1〜3mmであるノイズ抑制体11が、互いに分離して長手方向に複数個設置され、かつ、互いに分離して幅方向にも複数個設置されている。但し、本実施の形態ではフレキシブルフラットケーブル10の上下両面にノイズ抑制体11が設置されており、第三の実施の形態よりも大きな伝導ノイズ抑制効果を得ている。なお、本実施の形態のノイズ抑制体の材料も第一の実施の形態と同様である。
以下、本発明の効果を確認するため、具体的にノイズ抑制体を作製し、本発明のフレキシブルフラットケーブルの一部の構造を作製して実験を行なった結果を説明する。
(実験1)
高周波透磁率の大きな鉄アルミ珪素合金(センダスト(登録商標))より作製した偏平粉末を塩素化ポリエチレンの結合材中に分散し、ドクターブレード法で作製した、粉末体積充填率45%、透磁率μ'=60、厚さ0.3mmのノイズ抑制体のシートを30mm×0.1mm、30mm×1mm、30mm×3mm、30×5mm、30mm×90mmの寸法にそれぞれ切断した。フレキシブルフラットケーブルを想定した厚さ25μm、寸法30mm×90mmのポリイミドフィルムの片面全体が、ほぼ覆われるように、上記の同一寸法のノイズ抑制体複数個を両面テープで貼り付け、本発明のフレキシブルフラットケーブルの一部の構造を作製した。作製した上記構造体の上面図を図5(a)に、側面図を図5(b)に示す。また、図5(c)は上記構造体の可とう性評価方法を示す側面図である。
高周波透磁率の大きな鉄アルミ珪素合金(センダスト(登録商標))より作製した偏平粉末を塩素化ポリエチレンの結合材中に分散し、ドクターブレード法で作製した、粉末体積充填率45%、透磁率μ'=60、厚さ0.3mmのノイズ抑制体のシートを30mm×0.1mm、30mm×1mm、30mm×3mm、30×5mm、30mm×90mmの寸法にそれぞれ切断した。フレキシブルフラットケーブルを想定した厚さ25μm、寸法30mm×90mmのポリイミドフィルムの片面全体が、ほぼ覆われるように、上記の同一寸法のノイズ抑制体複数個を両面テープで貼り付け、本発明のフレキシブルフラットケーブルの一部の構造を作製した。作製した上記構造体の上面図を図5(a)に、側面図を図5(b)に示す。また、図5(c)は上記構造体の可とう性評価方法を示す側面図である。
図5(a)、図5(b)に示すように、切断されたノイズ抑制体12をフレキシブルフラットケーブルを想定した厚さ25μmのポリイミドフィルム4上に配置し、この構造体の可とう性を評価するため、図5(c)に示される評価系でポリイミドフィルム4の同じ面の間隔が15mmになるようにポリイミドフィルム4の長手方向に屈曲させたとき、電子天秤41が示す値を「反発力」と定義し、可とう性の評価を行った。ノイズ抑制体12の相互の間隔をできるだけ狭めて配置した時、用いたノイズ抑制体12のポリイミドフィルム4の長手方向の長さdに対して測定された反発力の値を図6に示す。反発力は、ノイズ抑制体12の長さdが5mm以下のとき急激に小さくなり、dが1mmのときほぼポリイミドフィルム単体と変わらない反発力となった。また、dが5mm以下のノイズ抑制体12を相互の間隔1mmとして配置するとポリイミドフィルム本来の反発力と等しくなった。
次に、本発明によるフレキシブルフラットケーブルの伝導性ノイズ抑制効果を確認するため、上記と同様に作製したノイズ抑制体のシートを50mm×0.1mm、50mm×1mm、50mm×3mm、50mm×5mm、50mm×50mmの寸法に切断し評価した。図7はその評価系の側面図を示す。図7において、幅2mm×長さ70mmのマイクロストリップラインの上に厚さ25μm、寸法50mm×50mmのPETフィルム5を置き、切断したノイズ抑制体13をマイクロストリップライン52の長さ方向に互いに分離して総面積50mm×50mmとなるように複数個配置し、ノイズ抑制体13の上から500gfの加重53で押さえつけた。この状態でネットワークアナライザを用いてマイクロストリップライン52の透過パラメータS21、反射パラメータS11を測定し、数1で示される伝送損失(Ploss)を求めた。
図8に伝導性ノイズ抑制効果の測定結果を示す。寸法50mm×50mmのノイズ抑制体1枚のときの高周波での伝送損失(Ploss)71は、図8に示すように91.8%であったが、寸法50mm×1mmのノイズ抑制体を50枚使用のときの伝送損失74は87.8%、寸法50mm×0.1mmのノイズ抑制体を500枚使用のときの伝送損失75は86.6%であり、伝送損失はノイズ抑制体を分断した枚数が多くなるにしたがって減少するものの、分断しなかった場合と比べ大きな差は見られなかった。
(実験2)
センダストより作製した偏平粉末を塩素化ポリエチレンの結合材中に分散し、ドクターブレード法で作製した、粉末体積充填率45%、透磁率μ'=60、厚さ0.3mmのノイズ抑制シートを0.1mm×0.1mm、1mm×1mm、3mm×3mm、5×5mm、90mm×90mmの正方形に切断し、これを実験1と同様に図5のフレキシブルフラットケーブルを想定した厚さ25μm、寸法30mm×90mmのポリイミドフィルム4の片面全体が覆われるように長手方向および幅方向に、それぞれ複数個、両面テープで貼り付け、第三の実施の形態のフレキシブルフラットケーブルの一部に相当する構造体を作製した。この構造体の可とう性を評価するため、図5(c)に示す評価系でポリイミドフィルム4の同じ面の間隔が15mmになるように屈曲させたときの反発力を電子天秤41で測定した。図9は、第三の実施の形態のフレキシブルフラットケーブルの一部に相当する構造体におけるノイズ抑制体の長手方向の長さに対する反発力の値を示す図である。また、図10は、第三の実施の形態のフレキシブルフラットケーブルの一部に相当する構造体におけるノイズ抑制体の幅方向の長さに対する反発力の値を示す図である。本実験によるノイズ抑制体の一辺の長さに対するポリイミドフィルム4の長手方向、および長手方向に垂直な方向の反発力の値を、図9および図10にそれぞれ示す。
センダストより作製した偏平粉末を塩素化ポリエチレンの結合材中に分散し、ドクターブレード法で作製した、粉末体積充填率45%、透磁率μ'=60、厚さ0.3mmのノイズ抑制シートを0.1mm×0.1mm、1mm×1mm、3mm×3mm、5×5mm、90mm×90mmの正方形に切断し、これを実験1と同様に図5のフレキシブルフラットケーブルを想定した厚さ25μm、寸法30mm×90mmのポリイミドフィルム4の片面全体が覆われるように長手方向および幅方向に、それぞれ複数個、両面テープで貼り付け、第三の実施の形態のフレキシブルフラットケーブルの一部に相当する構造体を作製した。この構造体の可とう性を評価するため、図5(c)に示す評価系でポリイミドフィルム4の同じ面の間隔が15mmになるように屈曲させたときの反発力を電子天秤41で測定した。図9は、第三の実施の形態のフレキシブルフラットケーブルの一部に相当する構造体におけるノイズ抑制体の長手方向の長さに対する反発力の値を示す図である。また、図10は、第三の実施の形態のフレキシブルフラットケーブルの一部に相当する構造体におけるノイズ抑制体の幅方向の長さに対する反発力の値を示す図である。本実験によるノイズ抑制体の一辺の長さに対するポリイミドフィルム4の長手方向、および長手方向に垂直な方向の反発力の値を、図9および図10にそれぞれ示す。
長手方向については、図9に示すように、反発力はノイズ抑制体一辺の長さが5mm以下で急激に小さくなり、1mmでほぼポリイミドフィルム単体と変わらない反発力となった。また、ノイズ抑制体間の間隔を1mmとして配置するとケーブル本来の反発力となった。
また、長手方向と垂直な方向についても、ポリイミドフィルム4の同じ面の間隔が15mmになるように屈曲させたときの反発力は、図10に示すように、ノイズ抑制体の一辺の長さが5mm以下で急激に小さくなり、1mmで、ほぼポリイミドフィルム単体と変わらない反発力となった。また、ノイズ抑制体間の間隔を1mmとして配置するとケーブル本来の反発力となった。
次に、上述の第三の実施の形態のフレキシブルフラットケーブルの伝導性ノイズ抑制効果の評価を行うため、上記と同様に作製したノイズ抑制体のシートを0.1mm×0.1mm、1mm×1mm、3mm×3mm、5mm×5mm、50mm×50mmの正方形に切断した。図7と同様に、幅2mm×長さ70mmのマイクロストリップラインの上に厚さ25μm、寸法50mm×50mmのPETフィルム5を置き、切断したノイズ抑制体をマイクロストリップライン52の長さ方向および幅方向にそれぞれ複数個、両面テープで貼り付け総面積50mm×50mmとなるように配置し、ノイズ抑制体13の上から500gfの加重53で押さえつけた。この状態でネットワークアナライザを用いてマイクロストリップライン52の透過パラメータS21、反射パラメータS11を測定し、伝送損失を求めた。
図11は、伝導性ノイズ抑制効果の測定結果を示す。寸法50mm×50mmのノイズ抑制体1枚のときの高周波域での伝送損失(Ploss)71は、図11に示すように91.8%であったが、寸法1mm×1mmのノイズ抑制体を総面積50mm×50mmに敷き詰めた場合の伝送損失103は84.2%、寸法0.1mm×0.1mmのノイズ抑制体を総面積50mm×50mmに敷き詰めたときの伝送損失104は82.3%であり、伝送損失はノイズ抑制体を分断した枚数が多くなるにしたがって減少するものの、分断しなかった場合と比べて大きな差は見られなかった。
以上のように、本発明のフレキシブルフラットケーブルは伝導性ノイズ抑制効果が優れ、かつ、可とう性が保持されていることが確認できた。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではないことはいうまでもなく、目的や用途に応じて設計変更可能である。例えば、ノイズ抑制体の形状は上記実施の形態のように矩形状である必要はなく、任意の形状が可能である。また磁性体や結合体の材料も上記の例に限定されない。また、互いに並置された複数本の電気導体とそれらを一体として保持し被覆する絶縁性物質を一部に有するフレキシブルプリント基板へも適用可能である。
1、11、12、13 ノイズ抑制体
2 電気導体
3 絶縁性物質
4 ポリイミドフィルム
5 PETフィルム
10 フレキシブルフラットケーブル
41 電子天秤
52 マイクロストリップライン
53 加重
71、72、73、74、75、101、102、103、104 伝送損失
2 電気導体
3 絶縁性物質
4 ポリイミドフィルム
5 PETフィルム
10 フレキシブルフラットケーブル
41 電子天秤
52 マイクロストリップライン
53 加重
71、72、73、74、75、101、102、103、104 伝送損失
Claims (5)
- 互いに並置された複数本の電気導体とそれらを一体として保持し被覆する絶縁性物質からなるフレキシブルフラットケーブルにおいて、前記電気導体上の前記絶縁性物質上に、磁性体と結合材からなり、厚さが1mm以下の平板状で前記電気導体の長手方向の寸法が0.1〜3mmのノイズ抑制体を、互いに分離して前記長手方向に複数個設置したことを特徴とするフレキシブルフラットケーブル。
- 前記ノイズ抑制体は、前記長手方向に垂直な方向の寸法が0.1〜3mmであり、互いに分離して前記長手方向に垂直な方向にも複数個設置されていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルフラットケーブル。
- 前記ノイズ抑制体は前記電気導体を両側から挟むように両面に設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のフレキシブルフラットケーブル。
- 前記磁性体は金属軟磁性材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレキシブルフラットケーブル。
- 前記磁性体は少なくともFe、Oを含むフェライト材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレキシブルフラットケーブル。
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