JP2010135960A - 高周波信号受信装置とこれを用いた電子機器 - Google Patents

高周波信号受信装置とこれを用いた電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は送信信号による妨害の発生が少ない高周波信号受信装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、この課題を解決するために基板31上に形成された受信回路を覆う金属性のシールドカバー32を備え、前記受信回路には少なくともチップインダクタ23aを含むフィルタ23と、このフィルタ23の出力が供給される周波数変換部8とを設け、チップインダクタ23aは配線導体42が敷設された絶縁部材41が複数枚積層された積層体とし、チップインダクタ23aはチップインダクタ23aの磁束が基板31の上面に対し垂直となる向きに装着されるとともに、少なくともチップインダクタ23aの上方がシールドカバー32で覆われることにより、入力された送信信号によって発生した磁束が遮断されるものである。これにより、送信器の信号が入力されても、チップインダクタ23aからの送信信号の放射を少なくできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、送信器と同じ筐体内に搭載される高周波信号受信装置に関するものである。
以下、従来のチューナ1(高周波受信装置の一例として用いた)について図面を用いて説明する。図5は、従来のチューナ1を用いた携帯電話2の回路ブロック図である。
図5において従来の携帯電話2は、電話あるいは通信用の信号を送信する送信アンテナ3と、この送信アンテナ3が接続された送信器4と、TV放送信号を受信する受信アンテナ5と、この受信アンテナ5が接続されたチューナ1とを有している。
従来のチューナ1について説明を行う。従来のチューナ1において、受信アンテナ5で受信したTV放送信号は入力端子6へと入力される。この入力端子6へ入力されたTV放送信号はフィルタ7を介して周波数変換部8に入力される。この周波数変換部8には、局部発信器8aと、一方の入力に局部発信器8aの出力が供給されるとともに、他方にはフィルタ7の出力が接続された混合器8bと、この混合器8bの出力が接続されたフィルタ8cとを含み、希望チャンネルのTV放送信号を規定の周波数の信号へと変換し、出力端子9から出力する。
このようなチューナ1におけるフィルタ7は、TV放送の周波数帯域を通過させ、それ以外の周波数帯域を阻止するように、SAWフィルタ7aと3個のインダクタとで構成されている。このSAWフィルタ7aには、入力端子6とSAWフィルタ7aとのインピーダンス整合を取るためにインダクタ7bが挿入され、SAWフィルタ7aと周波数変換部8との間のインピーダンス整合を取るためにインダクタ7cが挿入され、さらにSAWフィルタ7aの段間にインダクタ7dが接続されている。
ここで通信用に用いられる信号の周波数は、TV放送で使用している周波数帯域の上限の周波数に対し非常に近い周波数である。例えば日本におけるTV放送において使用される周波数帯域は470MHzから770MHzであり、一方通信に用いられる周波数帯域は800MHz帯が用いられている。また、送信器4から出力された信号は遠方の基地局まで到達させる必要があるので、非常に大きなレベルの信号である。一般的な携帯電話2において、送信アンテナ3から出力される信号のレベルは0.25Wから1W程度である。
ところがこのような大きな送信信号が受信アンテナ5を介して周波数変換部8へ入力されると、受信信号が飽和、歪を発生してTV放送が受信できなくなる。そこでSAWフィルタ7aの通過特性には、TV放送の通過帯域に近い側の周波数帯である800MHz帯に対してノッチを入れておくことにより、このような大きなレベルの通信用の信号が周波数変換部8へ入力されないようにしている。
ここでフィルタ7は470MHzから770MHzまでの周波数に対する信号の通過損失を小さくし、かつ送信周波数帯である800MHz帯の周波数に対しては大きな減衰量を確保しなければならない。そこで一般的にはこれらのインダクタ7b、インダクタ7c、インダクタ7dにはQ値の大きな空芯コイルなどが用いられる。
ところが通信用の信号としては800MHz帯以外にも2GHzも用いられており、この周波数の信号が、インダクタ7b、インダクタ7c、インダクタ7dなどの結合によって、周波数変換部8へ入力されることが考えられる。そこで、これらの結合を防ぐためにインダクタ7b、7c、7dのそれぞれを金属ケース10a、10b、10cなどで覆うことにより、2GHzの信号が周波数変換部8へ入力されることを防止している。また他の方法として、これらのインダクタ7b、7c、7dに対して、フェライトなどにより磁気シールドされたコイルを用いる方法もある。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、2が知られている。
特開平03−175808号公報 実開昭63−56819号公報
しかしながら、従来のチューナ1におけるフィルタ7では、インダクタ7b、インダクタ7c、インダクタ7dに対し金属ケース10a、10b、10cや磁気シールド品を用いるなどしなければ、送信信号に対しインダクタ7b、7c、7dがアンテナとなり、それぞれのインダクタ7b、7c、7d間での結合や、インダクタ7bと周波数変換部8の入力部配線などの間の結合などによって、通信用の信号が周波数変換部8へ入力されてしまう課題を有していた。
そこで本発明は、この問題を解決したもので、金属ケース10a、10b、10cあるいは磁気シールド品を用いずとも、送信器4の信号が周波数変換部8へ入力され難く、通信用の信号による妨害が発生し難い高周波信号受信装置を提供することを目的としたものである。
この目的を達成するために基板上に装着された複数の電子部品の上方に設けられた金属性のシールド導体を備え、この受信回路のフィルタに用いるチップインダクタは、前記チップインダクタの磁束が前記基板の上面に対し垂直となる向きに装着されるとともに、少なくとも前記チップインダクタの上方が前記シールド導体で覆われることにより、前記磁束が遮断されるものである。これにより所期の目的を達成することができる。
以上のように本発明によれば、基板上に装着された複数の電子部品によって形成された受信回路と、この受信回路を覆うように少なくとも前記電子部品の上方に設けられた金属性のシールド導体とを備え、前記受信回路には、受信アンテナで受信した第1の高周波信号が入力される入力端子と、少なくともチップインダクタを含むとともに、前記入力端子に接続されたフィルタと、このフィルタの出力が供給される周波数変換部と、この周波数変換部が接続された出力端子とを設け、前記チップインダクタは前記チップインダクタの磁束が前記基板の上面に対し垂直となる向きに装着されるとともに、少なくとも前記チップインダクタの上方が前記シールド導体で覆われることにより、前記磁束が遮断される高周波信号受信装置である。
これによりチップインダクタの配線導体がシールド導体と対向するので、シールド導体により磁気シールドされる。従って、たとえチップインダクタに対して送信器の信号が入力されても、その信号が放射され難くなるので、送信器の信号が周波数変換部へ入力され難くなり、通信用の信号による妨害が発生し難い高周波信号受信装置を実現できる。
(実施の形態1)
以下、本実施の形態におけるチューナ21(高周波信号受信装置の一例として用いた)について図面を用いて説明する。図4は本実施の形態における携帯電話22(電子機器の一例として用いた)におけるチューナ21の回路である。なお、図4において、図1と同じものには同じ番号を用い、その説明は簡略化している。
図4において、本実施の形態における携帯電話22は、電話あるいは通信用の信号(第2の高周波信号の一例として用いた)を送信する送信アンテナ3と、この送信アンテナ3が接続された送信器4と、TV放送信号(高周波信号の一例として用いた)を受信する受信アンテナ5と、この受信アンテナ5が接続されたチューナ21とを有している。ここでは、日本におけるデジタルTV放送を例に説明する。従って、本実施の形態においてチューナ21は、470MHzから770MHzの周波数の信号を受信する。
本実施の形態におけるチューナ21について説明を行う。チューナ21において、受信アンテナ5で受信したTV放送信号は入力端子6へと入力される。この入力端子6へ入力されたTV放送信号はフィルタ23を介して周波数変換部8に入力される。この周波数変換部8には、局部発信器8aと、一方の入力に局部発信器8aの出力が供給されるとともに、他方にはフィルタ7の出力が接続された混合器8bと、この混合器8bの出力が接続されたローパスフィルタ8cとを含み、希望チャンネルのTV放送信号を規定の周波数の信号へと変換し、出力端子9から出力する。なお、本実施の形態における混合器8bでは、受信希望のチャンネルの信号を500KHzの中間周波数の信号へと変換して出力するものとする。
本実施の形態のチューナ21において、送信器4から送信される信号による妨害について詳しく説明する。本実施の形態における携帯電話22では、電話あるいはデータなどの通信のために、800MHz帯と2GHz帯との周波数帯域の信号が用いられる。送信器4は、音声信号やデータなどの信号を800MHz帯もしくは2GHz帯の周波数の送信信号へと変換し、送信アンテナ3を介して空中に放射する。このとき遠方にある基地局まで送信信号を確実に届けるために、送信信号は0.25Wから1W程度の大きなレベルで送信アンテナ3から放射される。
携帯電話22のような携帯機器において、受信アンテナ5は送信アンテナ3と同じ筐体内に近接して配置される。従って受信アンテナ5は、送信信号のレベルがほとんど減衰しないままの送信信号を受信することになる。一般的に送信アンテナ3と受信アンテナ5との間ではアイソレーション量が、10dB程度であるので、受信アンテナ5には0.025Wから0.1W程度のレベルの送信信号が入力されることとなる。
一方チューナ21に対しては、放送局から送られてくる非常に小さなレベルの信号を受信することが要求される。本実施の形態におけるチューナ21では、−100dBm程度のレベルの放送でも受信を可能としてある。そこで、このような小さなレベルの信号を良好に受信するために、周波数変換部8において混合器8bの前に増幅器8dが挿入されている。ところがこのように小さなレベルの信号を増幅するように設定された増幅器8dに対して、TV放送信号に比べ非常にレベルの大きな送信信号が入力されると、増幅器8dの飽和によって出力信号に歪を生じ、これにより受信波への妨害が発生する。
またたとえ、増幅器8dへ入力される送信信号のレベルが、増幅器8dの飽和レベルに達しない場合でも妨害が発生する場合がある。本実施の形態におけるチューナ21においては、たとえば43chの放送を受信しようとした場合に発生する。43chの放送信号の周波数は653.143MHzである。ここで、混合器8bからの出力信号の周波数(以降IF周波数という)が500KHzであるので、局部発信器8aの発振周波数は、652.643MHzとなる。
一般的に局部発信器8aでは、基本波だけでなく、基本波の整数倍の周波数をもつ高調波も同時に出力している。たとえば43chを受信する場合に、局部発信器8aの3次高調波の周波数は、1957.929MHzとなる。そして、送信器4から入力された送信信号の周波数が、3次高調波からIF周波数だけはなれた周波数である場合、3次高調波と送信器4の送信信号(1957.2MHz)とが、混合器8bで混合されIF周波数と近い周波数へと変換されることで、妨害が発生する。
そこで、本実施の形態のように送信器4とチューナ21とが同じ筐体内に収納され、また送信アンテナ3と受信アンテナ5とを有した機器に用いられるチューナ21では、送信器4から送信される信号が周波数変換部8へ入力されないようにすることが必要となる。
次に、本実施の形態において、送信器4の送信信号の周波数変換部8への入力を防ぐチューナ21の構成について説明する。フィルタ23はTV放送の周波数帯域を通過させ、それ以外の周波数帯域を阻止させるものである。具体的には、470MHzから770MHzは通過するバンドパスフィルタの特性に、800MHz帯の周波数を減衰させるノッチフィルタの特性が兼ね備えられたものである。
そして本実施の形態においてフィルタ23は、SAWフィルタ7aと3個のチップ型のインダクタと、1個のチップ型コンデンサとを含んでいる。SAWフィルタ7aの入力端子6側には、積層型のチップインダクタ23aが接続され、入力端子6とSAWフィルタ7aとのインピーダンス整合を取る。一方SAWフィルタ7aの周波数変換部8側には、チップインダクタ23bが接続され、SAWフィルタ7aと周波数変換部8との間のインピーダンス整合を取る。なおSAWフィルタ7aの段間には、チップインダクタ23cが挿入されている。本実施の形態においてチップインダクタ23b、23cには、比較的Q値が高い巻き線型のチップインダクタを用いている。これによって、フィルタ23における減衰特性を急峻にできる。従って、TV放送信号の周波数帯域と非常に近い800MHz帯の送信信号を良好に減衰させることができる。一方、フィルタ23の通過帯域である470MHzから770MHzの周波数に対しては、信号の通過損失を小さくできるので、微弱なTV放送信号(弱電界)をも良好に受信することが可能となる。
さらに本実施の形態においてチップインダクタ23aには、このチップインダクタ23aと並列にチップコンデンサ23dを接続している。これによって、トラップフィルタが構成され、フィルタ23における送信信号の周波数に対する減衰量をさらに大きくできる。従って、さらにフィルタ23は、送信信号をさらに減衰させることができるので、送信信号が周波数変換部8へ入力され難くできる。本実施の形態では、チップインダクタ23aと並列にチップコンデンサ23dを接続したが、これはチップインダクタ23bと並列に接続してもよい。あるいは両方に対して、チップコンデンサ23dを並列に接続してもよい。なお本実施の形態においては、チップコンデンサ23dとチップインダクタ23aとの共振周波数を送信信号の周波数である約2GHzとしている。
以上のような構成により、送信信号がフィルタ23などの回路を経由して周波数変換部8へ入力される経路に関して説明した。しかし送信信号が周波数変換部8へ入力される経路はこれ以外にも存在する。具体的には、チップインダクタ23a、23b、23cが微小アンテナとして動作し、インダクタから送信信号が放射されたり、あるいはインダクタ同士あるいはインダクタと回路間での結合などによって、送信信号が直接各インダクタや回路へ飛び込んだりすることによるものである。これは、送信アンテナ3から放射される送信信号のレベルが非常に大きいため、インダクタがアンテナとして働き、これらのチップインダクタ23a、23b、23cが送信信号を受信あるいは放射してしまうことにより発生する。
次に送信信号が、このような飛び込みや放射などによって、周波数変換部8へ入力され難くする構成について説明する。図1は、本実施の形態におけるチューナの断面図であり、図2は同、要部拡大図であり、図3は積層型のチップインダクタの分解図である。なおこれらの図面において、図4や図5と同じものには、同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。
図1、図2において基板31は多層基板であり、この基板31の上面側にSAWフィルタ7a、チップインダクタ23a、チップインダクタ23b、チップインダクタ23cや周波数変換部8を構成する回路部品などの複数の電子部品が搭載され、フィルタ23や周波数変換部8などを含む受信回路が構成されている。
ここで入力端子6は、基板31の下面において、フィルタ23の近傍となる位置に設けられる。一方、出力端子9は、基板31の下面において、周波数変換部8の近傍となる位置に設けられる。これら入力端子6や出力端子9は、基板31の上面に形成された受信回路部品とスルーホールによって接続されている。また、本実施の形態において基板31は6層基板であり、上から3層目に受信回路のグランド層31aが形成されている。このグランド層31aは、いわゆるベタグランドであり、入力端子6や出力端子9などのスルーホールの箇所を除いて、基板31の全面に亘って形成されている。
そしてこのように形成された受信回路は、基板31の上面にシールドカバー32(シールド導体の一例として用いた)が装着され、シールドされる。このシールドカバー32には、電子部品の上方に設けられた天面部と、この天面部の四方に折り曲げて形成された側面部とを有し、この側面部がグランド層31aと接続される。これにより受信回路はシールドカバー32とグランド層31aとによって囲まれることとなるので、良好にシールドができる。従って、送信器4の信号が直接受信回路へ飛び込むことを阻止している。特にインピーダンス値が高く、信号の飛び込みが発生しやすいチップインダクタ23a、23b、23dなどへの直接の飛び込みを防止できる。
ここでグランド層31aは、スルーホールを介して、基板31の下面に設けられたグランド端子33へ接続されている。一方受信回路のグランドは基板31の下面に設けられたグランド端子34へと接続される。つまり受信回路のグランドは、基板31においてシールドカバー32やグランド層31aとは接続しない。このように受信回路のグランドを分離しておけば、たとえシールドカバー32やグランド層31aに対して送信信号が飛び込んでも、チップインダクタ23a、23b、23dなどへの直接の飛び込みを防止できる。
本実施の形態において、チップインダクタ23aには積層型のチップインダクタを用いる。図3は本実施の形態における積層型チップインダクタの分解図である。図3において、セラミック製の絶縁部材41には、配線導体42が配線されている。そして積層型のチップインダクタ23aは、絶縁部材41が複数枚積層された積層体の上に無垢の絶縁部材41が積み重ねられ、配線導体同士がスルーホール43によって接続されることで、コイルが形成されたものである。
このような積層型のチップインダクタ23aにおいて発生する磁束の方向は、絶縁部材41aや配線導体42aの積層された方向へ発生することとなる。そして、本実施の形態におけるチューナ21において、チップインダクタ23aは、各配線導体42がシールドカバー32およびグランド層31aと対向する方向に装着されている。
以上のような構成において、積層型のチップインダクタ23aの上方にはシールドカバー32、下方にはグランド層31aを設けておく。この積層型のチップインダクタ23aで発生する磁束は、基板31の上面に対して垂直となる方向に発生することとなる。従ってシールドカバー32とグランド層31aとの間にチップインダクタ23aが挟まれているので、チップインダクタ23aで発生する磁束は遮断されることとなる。これにより、チップインダクタ23aが他のインダクタや回路と結合し難くなり、送信器4の送信信号が入力端子6から入力された場合でも、チップインダクタ23aからの送信信号の放射を防止できる。従って、送信器4の送信信号が周波数変換部8へ入力され難くなり、送信器4の信号による妨害の発生が少ないチューナ21を実現できる。
このことより、チップインダクタ23b、チップインダクタ23cにも積層型のチップインダクタを用いれば、さらに送信信号の飛び込みや放射による妨害が発生しにくくできる。これは、送信器4の送信信号のレベルが本実施の形態よりも大きい場合、特に有効となる。
ところが、フィルタ23に対し急峻な減衰特性を得るためには、フィルタ23の整合用として用いるチップインダクタはQ値の高い巻き線型のチップインダクタを用いることが望ましい。そこで本実施の形態では、3個のチップインダクタのうち2個は巻き線型のチップインダクタを用い、1個のみに積層型のチップインダクタを用いる。このとき、SAWフィルタ7aの入力端子6側のチップインダクタ23aを積層型のチップインダクタとすると良い。
これは、チップインダクタ23bや23cに入力される送信信号波は、SAWフィルタ7aで既に減衰させられているので、チップインダクタ23bや23cにおける送信信号のレベルは小さくなっている。従って、チップインダクタ23bや23cにおいては、送信信号の放射レベルは低下している。そこで、送信アンテナ3と受信アンテナ5との間のアイソレーション量が大きい場合や、送信器4からの送信信号のレベルがさほど大きくないような場合には、チップインダクタ23aには積層型のチップインダクタを用い、チップインダクタ23bや23cにはQ値の大きな巻き線型のチップインダクタを用いてもよい。これによって、フィルタ23は急峻な減衰特性を実現できるとともに、フィルタ23の通過帯域において信号の通過損失も小さくできる。
そしてさらに本実施の形態では、チップインダクタ23aに対してチップコンデンサ23dを並列接続し、2GHzに対するトラップフィルタが構成されている。つまりこの構成によって、さらに2GHzの送信信号のレベルを減衰させることができる。これによって、チップインダクタ23bやチップインダクタ23cへ入力される送信信号のレベルをさらに小さくできる。従って、チューナ21に本実施の形態のような大きなレベルの送信信号が入力されるような場合においても、これらのチップインダクタ23b、チップインダクタ23cに対して巻き線型のチップインダクタを用いることができ、フィルタ23に対して良好な減衰特性を得ることができるとともに、送信信号の放射を少なくすることができるので、さらに送信信号による妨害の発生が少ないチューナ21を得ることができる。
このようなチューナ21においては、送信信号をできる限り受信回路の入力端子6に近い場所で減衰させ、以降の回路への入力や飛び込みを小さくすることが望ましい。そこで本実施の形態では、受信回路の初段であるチップインダクタ23aに積層型のチップインダクタを用いる。これにより受信回路の初段であるチップインダクタ23aにおいて、受信信号によって生じる磁束は、シールドカバー32やグランド層31aとの間に閉じ込められる。これにより、受信信号による磁束をしっかりと遮断できるので、チップインダクタ23aからの送信信号の放射を小さくできる。さらに、このチップインダクタ23aに対しチップコンデンサ23dを並列に接続して送信信号を減衰させるトラップフィルタ23を構成しているので、受信回路の初段で送信信号を減衰でき、送信信号が回路を経由して周波数変換部8へ入力されることを防ぐことができる。そしてさらに、チップインダクタ23aとチップコンデンサ23dとによるトラップフィルタと、入力端子6との間を接続するパターンは極力短くしておく。そのためにチップインダクタ23aは、入力端子6のすぐ上の位置に配置している。この構成により、送信信号による妨害を発生の少ないチューナ21を得ることができることとなる。
なお、本実施の形態では、基板31には6層基板を用い、グランド層31aは3層目に設けている。したがって、チップインダクタ23aとグランド層31aとの間の距離44は非常に近接しておりこれによりチップインダクタ23aの下方に対して、グランド層31aが近接することとなるので、さらに良好にチップインダクタ23aが発生する磁束を確実に遮断できる。
さらに本実施の形態におけるシールドカバー32の内面側には、絶縁部45を設けている。これにより、チップインダクタ23aの上面とシールドカバー32との間の短絡が生じないので、その間の距離46も非常に小さくできる。これによりチップインダクタ23aの上方向に対して、シールドカバー32が近接することとなるので、さらに良好にチップインダクタ23aが発生する磁束を確実に遮断できる。
本実施の形態において絶縁部45は、電子部品の電極部とシールドカバーの接触防止のために用い、シールドカバー32にポリイミドフィルム等の絶縁物を貼り付けることによって形成されている。ポリイミドフィルムなどの絶縁物は、印刷などにより形成した絶縁に比べてピンホールが少ないので、チップインダクタ23aとシールドカバー32との間の距離をさらに小さくできる。これにより本実施の形態では、距離46は例として0.15mmとしているので、非常にその遮断効果は良好である。
以上説明したように、磁束を良好に遮断するためには、距離44や距離46を小さくすることが望ましい。しかし、距離44や距離46を小さくすると、チップインダクタ23aとシールドカバー32との間やチップインダクタ23aとグランド層31aとの間に浮遊容量が発生する。
そこで、本実施の形態ではチップインダクタ23aに積層型のチップインダクタを用いているので、配線導体42とシールドカバー32、あるいは配線導体42とグランド層31aとが対向する面積が小さくなる。従って、チップインダクタ23aとシールドカバー32との間やチップインダクタ23aとグランド層31aとの間に浮遊容量の値が小さくなるので距離44や距離46のばらつきによる変動も小さい。従って、積層型のチップインダクタを用いれば、チップインダクタの装着位置やシールドカバー32自体の寸法ばらつきや、シールドカバー32の装着のばらつき(浮き)などによる、フィルタ23の通過特性の変化が少なくなる。本実施の形態では、チップインダクタ23aに対して積層型のチップインダクタが用いられている。従って、特にチップインダクタ23aとチップコンデンサ23dとで構成されたトラップフィルタが減衰する周波数のばらつきを小さくできる。
ここで、チップインダクタ23b、23cはシールドカバー32の側面(基板31の外縁)からできる限り離した位置に配置すると良い。従ってこれらを基板31中央に配置できれば良いが、回路のレイアウト的に不可能であり、一般的にチップインダクタ23a、23b、23cはシールドカバー32の近傍に配置されている。そこでこのような場合、チップインダクタ23b、23cに比べ、チップインダクタ23aがシールドカバー32に近い位置に配置される。これにより、たとえシールドカバー32の装着ばらつき(浮き)などによって、シールドカバー32の側面下端部と基板31上面との間に隙間を有していても、送信信号のチップインダクタ23b、23cへの飛び込みを少なくできる。
さらに、本実施の形態ではチップインダクタ23aに積層型のチップインダクタを用いたが、これは薄膜型のチップインダクタやフィルム型のチップインダクタなどを用いても良い。これらは、セラミックなどの絶縁基材上に、配線導体が形成された薄膜(あるいはフィルム)などの絶縁部材が複数層積層されたものである。ただし、このような薄膜型のチップインダクタやフィルム型のチップインダクタを用いる場合、絶縁部材の積層された側が基板上面と対向する向きで実装すると良い。これは、一般的にチップインダクタよりも高さが(厚さ)高い部品(SAWフィルタ7aや周波数変換部8など)があり、距離44の方が距離46よりも小さいため、絶縁部材の積層された側を基板上面に対向する向きで実装した方が磁束の遮断効果が大きいためである。
さらにまた本実施の形態において絶縁部45は、シールドカバー32の内側にポリイミドによるフィルムを貼り付けることで形成したが、これはシールドカバーに樹脂などを印刷して形成しても良い。また、基板31の上面とシールドカバー32との間の空間に、樹脂などを充填して形成しても良い。そしてこの場合、シールドカバー32に代えて、メッキや導電性ペーストなどによって形成した表皮効果を無視できるような厚さの金属膜としても良い。
また本実施の形態では、シールドカバー32と受信回路とのグランドとをそれぞれ別に設けた。しかしこれは、実質的にシールドカバー32やグランド層31aに飛び乗った送信信号が、チップインダクタ23aなどへ入り込まない程度に接続されていても構わない。このときには、受信回路のグランドはフィルタ23が形成された領域から離れてグランド層31aへ接続する。このようにしておくことにより、送信信号が、グランド層31aを介してチップインダクタ23aへ飛び込みを少なくできる。
本発明にかかる高周波信号受信装置は、送信器から送信される送信信号による妨害が少ないという効果を有し、通信用の送信回路と共に用いられる携帯電話などに搭載されるTVチューナ等に用いると有用である。
本実施の形態におけるチューナの断面図 同、要部を拡大した断面図 同、チップインダクタの分解図 同、携帯電話の回路ブロック図 従来の携帯電話の回路ブロック図
符号の説明
5 受信アンテナ
6 入力端子
8 周波数変換部
9 出力端子
21 チューナ
23 フィルタ
23a チップインダクタ
31 基板
32 シールドカバー
41 絶縁部材
42 配線導体

Claims (11)

  1. 基板と、この基板上に装着された複数の電子部品によって形成された受信回路と、この受信回路を覆うように少なくとも前記電子部品の上方に設けられた金属性のシールド導体とを備え、前記受信回路には、受信アンテナで受信した第1の高周波信号が入力される入力端子と、少なくともチップインダクタを含むとともに、前記入力端子に接続されたフィルタと、このフィルタの出力が供給される周波数変換部と、この周波数変換部が接続された出力端子とを設け、前記チップインダクタは前記チップインダクタの磁束が前記基板の上面に対し垂直となる向きに装着されるとともに、少なくとも前記チップインダクタの上方が前記シールド導体で覆われることにより、前記磁束が遮断される高周波信号受信装置。
  2. 前記基板の内層にはグランドパターンが形成され、前記チップインダクタの下方には前記グランドパターンが敷設された請求項1に記載の高周波信号受信装置。
  3. 前記フィルタは前記チップインダクタとSAWフィルタとの直列接続体とした請求項2に記載の高周波信号受信装置。
  4. 前記チップインダクタにはコンデンサが並列に接続された請求項3に記載の高周波信号受信装置。
  5. 前記入力端子は前記チップインダクタへ接続されるとともに、前記SAWフィルタの出力が前記周波数変換部へ供給された請求項3に記載の高周波信号受信装置。
  6. 前記SAWフィルタと前記周波数変換部との間には巻き線型チップインダクタが挿入された請求項5に記載の高周波信号受信装置。
  7. 前記シールド導体と前記チップインダクタとの間には絶縁部が形成された請求項1に記載の高周波信号受信装置。
  8. 基板と、この基板上に装着された複数の電子部品によって形成された受信回路と、この受信回路を覆うように少なくとも前記電子部品の上方に設けられた金属性のシールド導体とを備え、前記受信回路には、受信アンテナで受信した第1の高周波信号が入力される入力端子と、少なくともチップインダクタを含むとともに、前記入力端子に接続されたフィルタと、このフィルタの出力が供給される周波数変換部と、この周波数変換部が接続された出力端子とを設け、前記チップインダクタは配線導体が敷設された絶縁部材が複数枚積層された積層体とし、前記チップインダクタは配線導体とシールド導体とが対向する向きに装着された高周波信号受信装置。
  9. 前記基板の内層に設けられたグランドパターンは、前記チップインダクタの下方に敷設され、前記チップインダクタは基材上に前記積層体が積み重ねられて形成されるとともに、前記積層体側が前記基板に近接する向きで装着された請求項8に記載の高周波信号受信装置。
  10. 前記受信アンテナと、この受信アンテナに接続された請求項1または9に記載の高周波信号受信装置と、前記第1の高周波信号よりも高い周波数帯域の第2の高周波信号を送信する送信アンテナと、この送信アンテナが接続された送信器とを有し、前記フィルタは前記第2の周波数帯域を減衰する電子機器。
  11. 前記受信アンテナと、この受信アンテナが接続された請求項4に記載の高周波信号受信装置と、前記第1の高周波信号よりも高い周波数帯域の第2の高周波信号を送信する送信アンテナと、この送信アンテナが接続された送信器とを有し、前記チップインダクタと前記キャパシタとで構成されたトラップ回路の周波数は前記第2の周波数帯域内もしくは近傍の周波数とした電子機器。
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