JP2011171177A - リチウム二次電池 - Google Patents

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博 佐和田
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尊夫 井上
Nobuhiro Ogiwara
信宏 荻原
Yuichi Ito
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Abstract

【課題】サイクル特性をより高めることができるリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】リチウム二次電池10は、集電体11に正極材12を形成した正極シート13と、集電体14の表面に負極材17を形成した負極シート18と、正極シート13と負極シート18との間に設けられたセパレータ19と、正極シート13と負極シート18の間を満たす非水電解液20と、を備えたものである。ここで、正極材12は、導電材と、結着材と、リチウムを吸蔵放出可能な正極活物質と、を含み、空孔率Yが前記導電材の体積割合Xとの間で−1.30≦Log10(X/Y)≦0.15を満たすものである。このような正極材12を有するリチウム二次電池10では、サイクル試験後のIV抵抗値を低く抑えることができる、すなわち、サイクル特性をより高めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池に関する。
従来、リチウム二次電池としては、正極活物質と導電材とバインダーとの混合体の電気抵抗率を0.1Ωcm以上1Ωcm以下とし、正極及び負極の単位面積当たりの活物質の重量を増加させて正極及び負極の単位面積当たりの電気容量を10mAh/cm2以上50mAh/cm2以下とするとともに、黒鉛粉末と難黒鉛化性炭素と繊維状粉末との混合物を多孔質金属構造体の空孔中で焼結して成る負極電極を用いるものが提案されている(例えば特許文献1参照)。このリチウム二次電池では、サイクル特性を向上するができるとされている。
特開2006−294316号公報
しかしながら、特許文献1の電池では、充放電サイクルによる電池の抵抗値の上昇などについては十分に検討されておらず、サイクル特性をより高めることが望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、サイクル特性をより高めることができるリチウム二次電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、導電材と結着材と正極活物質とを含み空孔率Yが導電材の体積割合Xとの間で所定の関係を満たす正極材を有する正極を用いたリチウム二次電池を作製したところ、サイクル特性をより高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った
即ち、本発明のリチウム二次電池は、
導電材と、結着材と、リチウムを吸蔵放出可能な正極活物質と、を含み、空孔率Yが前記導電材の体積割合Xとの間で−1.30≦Log10(X/Y)≦0.15を満たす正極材を有する正極と、
リチウムを吸蔵放出可能な負極活物質を有する負極と、
前記正極と前記負極との間に介在し、リチウムイオンを伝導する電解液と、
を備えた、ものである。
このリチウム二次電池では、サイクル特性をより高めることができる。このような効果が得られる理由は定かではないが、Log10(X/Y)≧−1.30であれば、電子導電性を高める導電材の体積割合Xが少なすぎず、また、活物質の溶出などの副反応を起こさせることのある正極材中の電解液量が多くなりすぎないためと考えられる。また、Log10(X/Y)≦0.15であれば、導電材と電解液との反応による導電材の劣化や電解液の分解などを抑制でき、また、リチウムイオンを伝導する正極材中の電解液量が少なくなりすぎないためと考えられる。
リチウム二次電池10の一例を示す模式図である。 Log10(X/Y)とIV抵抗値との関係を示すグラフである。
本発明のリチウム二次電池は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在しリチウムイオンを伝導する電解液と、を備えたものである。
本発明のリチウム二次電池の正極は、導電材と、結着材と、リチウムを吸蔵放出可能な正極活物質と、を含み、空孔率Yが前記導電材の体積割合Xとの間で−1.30≦Log10(X/Y)≦0.15を満たす正極材を有するものである。導電材の体積割合Xと空孔率Yは、−1.30≦Log10(X/Y)≦0.15を満たすものであればよいが、このうち、−1.00≦Log10(X/Y)≦−0.10を満たすことが好ましく、−0.80≦Log10(X/Y)≦−0.10を満たすことがより好ましい。−1.30≦Log10(X/Y)≦0.15を満たすものであれば、サイクル特性を高めることができるからである。このような効果が得られる理由は定かではないが、Log10(X/Y)が−1.30以上であれば、電子導電性を高める導電材の体積割合Xが少なすぎず、また、活物質の溶出などの副反応を起こさせることのある正極材中の電解液量が多くなりすぎないためと考えられる。また、Log10(X/Y)が0.15以下であれば、導電材と電解液との反応による導電材の劣化や電解液の分解などを抑制でき、また、リチウムイオンを伝導する正極材中の電解液量が少なくなりすぎないためと考えられる。ここで、正極材とは、正極のうち集電体を除いた部分をいい、集電体がない場合には正極全体のことをいう。この正極材は、例えば、導電材と結着材と正極活物質とからなるものとしてもよい。また、導電材の体積割合Xとは、空孔部分の体積も含めた正極材全体の体積のうち、導電材の体積の占める割合をいう。すなわち、正極材の体積をVT(cm3)とし、正極材中の導電材の体積をVA(cm3)とした場合に、X=VA /VTで表される値をいう。ここで、正極材の体積VT(cm3)は、正極材の長さをLT(cm)、正極材の幅をWT(cm)、正極材の厚さをTT(cm)とした場合にVT=LT×WT×TTで表される値をいう。また、正極材中の導電材の体積VA(cm3)は、正極材中の導電材の重量をWA(g)、正極材中の導電材の真密度をDA(g/cm3)とした場合にVA=WA/DAで表される値をいう。この導電材の体積割合Xは、0.020≦X≦0.185を満たすことが好ましく、0.036≦X≦0.170を満たすことがより好ましく、0.070≦X≦0.160を満たすことがさらに好ましい。導電材の体積割合Xが0.020以上であれば、導電材の体積割合Xが少なすぎず、導電材の体積割合Xが0.185以下であれば、導電材と電解液との反応による導電材の劣化や電解液の分解などを抑制できると考えられるからである。また、空孔率Yとは、空孔部分の体積も含めた正極材全体の体積に対する正極材中の空孔部分の体積の占める割合をいう。すなわち、正極材の体積をVT(cm3)、正極材中の導電材の体積をVA(cm3)、正極材中の結着材の体積をVB(cm3)、正極材中の正極活物質の体積をVC(cm3)とした場合に、Y=1−(VA+VB+VC)/VTで表される値をいう。ここで、正極材の体積VT及び正極材中の導電材の体積VAは上述のように求めた値である。また、正極材中の結着材の体積VB(cm3)は、正極材中の結着材の重量をWB(g)、正極材中の結着材の真密度をDB(g/cm3)とした場合にVB=WB/DBで表される値をいう。また、正極材中の正極活物質の体積VC(cm3)は、正極材中の正極活物質の重量をWC(g)、正極材中の正極活物質の真密度をDC(g/cm3)とした場合にVC=WC/DCで表される値をいう。この空孔率Yは、0.14≦Y≦0.47を満たすことが好ましく、0.25≦Y≦0.47を満たすことがより好ましく、0.25≦Y≦0.42を満たすことがさらに好ましい。空孔率Yが0.14以上であればリチウムイオンを伝導する正極中の電解液量が少なくなりすぎず、空孔率Yが0.47以下であれば活物質の溶出などの副反応を起こすことのある正極材中の電解液量が多くなりすぎないと考えられるからである。なお、正極材中の空孔は、正極材を適当なプレス圧力でプレスするなどして体積を調整してもよい。
本発明のリチウム二次電池の正極は、例えばリチウムを吸蔵放出可能な正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、Li(1-x)MnO2(0≦x≦1など、以下同じ)、Li(1-x)Mn24などのリチウムマンガン複合酸化物、Li(1-x)CoO2などのリチウムコバルト複合酸化物、Li(1-x)NiO2などのリチウムニッケル複合酸化物、組成式Li(1-x)CoaNibMncAldMge2(0.9<a+b+c+d+e<1.1,0≦a<1.1,0≦b<1.1,0≦c<1.1,0≦d<1.1,0≦e<1.1)などで表されるR−3m構造を有するリチウム複合酸化物,LiV23などのリチウムバナジウム複合酸化物、V25などの遷移金属酸化物、LiMPO4(MはMn,Fe,Co,Niから選ばれる1以上)などのオリビン型構造を有するもの、Li2MSiO4(MはMn,Fe,Co,Niから選ばれる1以上)などのシリケート系のもの、Li2MPO4F(MはMn,Fe,Co,Niから選ばれる1以上)などのフルオロリン酸系のものなどを用いることができる。このうち、組成式Li(1-x)CoaNibMncAldMge2 などで表されるR−3m構造のリチウム複合酸化物が好ましく、Li(1-x)CoO2、Li(1-x)NiO2、Li(1-x)MnO2などがより好ましい。R−3m構造を有するものであれば、電子導電性が高く、負荷特性などに優れると考えられるためである。また、リチウムの遷移金属複合酸化物はNi及びCoのうち1以上を含むものであることが好ましい。NiやCoを含むものであれば、サイクル耐久性などに優れると考えられるためである。なお、上記正極活物質は、組成式に示した元素以外の元素を含んでもよいし、量論組成のものでも非量論組成のものでもよい。導電材は、正極の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。
本発明のリチウム二次電池の負極は、例えば負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。ここで、負極材とは、負極のうち集電体を除いた部分をいい、集電体がない場合には負極全体のことをいう。この負極材は、空孔率Zが0.30≦Z≦0.50であることが好ましく、0.35≦Z≦0.45であることがより好ましい。空孔率Zが0.30以上であれば、リチウムイオンを伝導する負極材中の電解液量が少なくなりすぎず、0.50以下であれば、空孔が多すぎないから負極が大きくなりすぎないと考えられるからである。この空孔率Zは、空孔部分の体積も含めた負極材全体の体積に対する負極材中の空孔部分の体積の占める割合をいう。すなわち、負極材の体積をVt(cm3)、負極材中の導電材の体積をVa(cm3)、負極材中の結着材の体積をVb(cm3)、負極材中の負極活物質の体積をVc(cm3)とした場合に、Z=1−(Va+Vb+Vc)/Vtで表される値をいう。ここで、負極材の体積Vt(cm3)は、負極材の長さをLt(cm)、負極材の幅をWt(cm)、負極材の厚さをTt(cm)とした場合にVt=Lt×Wt×Ttで表される値をいう。また、負極材中の導電材の体積Va(cm3)は、負極材中の導電材の重量をWa(g)、負極材中の導電材の真密度をDa(g/cm3)とした場合にVa=Wa/Daで表される値をいう。また、負極材中の結着材の体積Vb(cm3)は、負極材中の結着材の重量をWb(g)、負極材中の結着材の真密度をDb(g/cm3)とした場合にVb=Wb/Dbで表される値をいう。また、負極材中の負極活物質の体積Vc(cm3)は、負極材中の負極活物質の重量をWc(g)、負極材中の負極活物質の真密度をDc(g/cm3)とした場合にVc=Wc/Dcで表される値をいう。負極活物質としては、リチウム、リチウム合金、スズ化合物などの無機化合物、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料、導電性ポリマーなどが挙げられるが、このうち炭素質材料が安定性の面から見て好ましい。この炭素質材料は、特に限定されるものではないが、コークス類、ガラス状炭素類、グラファイト類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などが挙げられる。このうち、人造黒鉛、天然黒鉛などの黒鉛であることが、金属リチウムに近い作動電位を有し、高い作動電圧での充放電が可能であり電解質塩としてリチウム塩を使用した場合に自己放電を抑え、且つ充電時おける不可逆容量を少なくできるため、好ましい。また、負極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ正極で例示したものを用いることができる。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状は、正極と同様のものを用いることができる。
本発明のリチウム二次電池において、電解液は、リチウムイオンを伝導するものであればよく、支持塩を有機溶媒に溶かした非水電解液やイオン性液体などを用いることができ、このうち、非水電解液であることが好ましい。支持塩としては、例えば、LiPF6,LiClO4,LiAsF6,LiBF4,Li(CF3SO22N,Li(CF3SO3),LiN(C25SO2)などの公知の支持塩を用いることができる。支持塩の濃度としては、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.8〜1.2Mであることがより好ましい。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)など従来の二次電池やキャパシタに使われる有機溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、イオン性液体としては、特に限定されるものではないが、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロスルホニル)イミドや1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどを用いることができる。
本発明のリチウム二次電池は、正極と負極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、二次電池の使用範囲に耐え得る組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明のリチウム二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図1は、本発明のリチウム二次電池10の一例を示す模式図である。このリチウム二次電池10は、集電体11に正極材12を形成した正極シート13と、集電体14の表面に負極材17を形成した負極シート18と、正極シート13と負極シート18との間に設けられたセパレータ19と、正極シート13と負極シート18の間を満たす非水電解液20と、を備えたものである。このリチウム二次電池10では、正極シート13と負極シート18との間にセパレータ19を挟み、これらを捲回して円筒ケース22に挿入し、正極シート13に接続された正極端子24と負極シートに接続された負極端子26とを配設して形成されている。この正極材12は、導電材と、結着材と、リチウムを吸蔵放出可能な正極活物質と、を含み、空孔率Yが前記導電材の体積割合Xとの間で−1.30≦Log10(X/Y)≦0.15を満たすものである。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、リチウム二次電池を具体的に作製した例を実施例として説明する。
(リチウム二次電池の作製)
[実験例1]
正極活物質としてLiNi0.75Co0.15Al0.05Mg0.052を各金属の硝酸塩を原料として周知の共沈法で合成した。この正極活物質を85重量部、導電材としてのカーボンブラックを10重量部、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(クレハ製,KFポリマ)を5重量部混合し、分散材としてN−メチル−2−ピロリドンを適量添加、分散してスラリー状正極材とした。これらスラリー状正極材を20μm厚のアルミニウム箔集電体の両面に均一に塗布し、加熱乾燥させて塗布シートを作製した。その後、塗布シートをロールプレスに通して正極材層の空孔率(Y)を0.15とし、54mm×450mmに切り出して正極シート(正極電極)とした。このとき正極材中の導電材の体積割合(X)は、0.181であった。次に、負極活物質として黒鉛を用い、この負極活物質を95重量部、結着材としてのポリフッ化ビニリデンを5重量部混合し、分散材としてN−メチル−2−ピロリドンを適量添加、分散してスラリー状負極材とした。このスラリー状負極材を10μm厚の銅箔集電体の両面に均一に塗布し、加熱乾燥させて塗布シートを作製した。その後塗布シートをロールプレスに通して負極材層の空孔率(Z)を0.42とし、56mm×500mmに切り出して負極シート(負極電極)とした。このようにして作製した正極シート及び負極シートを25μm厚のポリエチレン製セパレータ(東燃タピルス製)、を挟んで捲回し、ロール状電極体を作製して18650型円筒ケースに挿入した。次に、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを30:70の体積比で混合した非水溶媒に、LiPF6を1mol/lとなるように溶解して非水電解液を調整した。そして、調製した非水電解液を上述した18650型円筒ケースに含浸させ、密閉して円筒形の電池を作製した。このようにして実施例1の電池を得た。
なお、導電材の体積割合Xは上述したX=VA /VTにより求めた。ここでは、導電材の真密度は1.80g/cm3であった。また、正極材の空孔率Yは上述したY=1−(VA+VB+VC)/VTにより求めた。ここでは、導電材の真密度は1.80g/cm3、結着材の真密度は1.78g/cm3、正極活物質の真密度は4.78g/cm3であった。また、負極材の空孔率Zは上述したZ=1−(Va+Vb+Vc)/Vtにより求めた(Va=0)。ここでは、結着材の真密度は1.78g/cm3、負極活物質の真密度は2.2g/cm3であった。なお、真密度は、ピクノメーターを用いて測定した。
[実施例2,3]
正極材層の空孔率を0.25とした以外は、実施例1と同様にして実施例2の電池を得た。また、正極材層の空孔率を0.38とした以外は、実施例1と同様にして実施例3の電池を得た。
[実施例4〜6]
正極について、正極活物質を85重量部、導電材を5重量部、結着材を3.5重量部に変更し、正極材層の空孔率を0.36とした以外は、実施例1と同様にして実施例4の電池を得た。また、正極材層の空孔率を0.42とした以外は実施例4と同様にして実施例5の電池を得た。また、正極材層の空孔率を0.47とした以外は実施例4と同様にして実施例6の電池を得た。
[実施例7〜9]
正極について、正極活物質を85重量部、導電材を2重量部、結着材を1.8重量部に変更し、正極材層の空孔率を0.32とした以外は、実施例1と同様にして実施例7の電池を得た。また、正極材層の空孔率を0.37とした以外は実施例7と同様にして実施例8の電池を得た。また、正極材層の空孔率を0.41とした以外は実施例7と同様にして実施例9の電池を得た。
[比較例1〜3]
正極について、正極活物質を85重量部、導電材を1重量部、結着材を1.5重量部に変更し、正極材層の空孔率を0.37とした以外は実施例1と同様にして比較例1の電池を得た。また、正極材層の空孔率を0.39とした以外は比較例1と同様にして比較例2の電池を得た。また、正極材層の空孔率を0.44とした以外は比較例1と同様にして比較例3の電池を得た。
[比較例4,5]
正極について、正極活物質を85重量部、導電材を10重量部、結着材を5重量部とし、正極材層の空孔率を0.12とした以外は実施例1と同様にして比較例4の電池を得た。また、正極材層の空孔率を0.10とした以外は比較例4と同様にして比較例5の電池を得た。
(充放電試験)
充放電サイクル試験は、60℃の温度条件下で、電流密度2mA/cm2(2C)の定電流で充電上限電圧である4.1Vまで充電を行い、次いで電流密度2mA/cm2の定電流で放電下限電圧である3.0Vまで放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計500サイクル行った。
(IV抵抗の測定)
初期および耐久後の電池を、20℃の温度条件下で、電池容量の50%(SOC=50%)まで充電した後に、0.5,1,2,3および5Aの電流を流し、10秒後の電池電圧を測定した。この電池電圧を各電流値で除したものをIV抵抗値(mΩ)として算出した。表1には、実施例1〜9及び比較例1〜5について、上述のようにして求めたIV抵抗値を示した。
Figure 2011171177
(実験結果)
図2は、実施例1〜9及び比較例1〜5について、Log10(X/Y)とIV抵抗値との関係を示すグラフである。Log10(X/Y)が−1.3未満である比較例1〜3では、IV抵抗が250mΩ以上となり、特に大きかった。また、Log10(X/Y)が0.15より大きい比較例4,5では、IV抵抗値が100mΩ以上となり、比較例1〜3ほどではないものの、IV抵抗が大きくなることが分かった。一方、−1.30≦Log10(X/Y)≦0.15の関係式を満たす実施例1〜9では、いずれもIV抵抗値が100mΩ以下と小さくなった。このことから、本発明のリチウム二次電池では、高温での繰り返し充放電後のIV抵抗値をより低減できることが分かった。すなわち、高温サイクル特性を高めることができることが分かった。このように実施例1〜9で高温サイクル特性を高めることができる理由として、実施例1〜9では、正極材中の導電材の体積割合Xと正極材の空孔率Yとのバランスが良好で、高温での充放電時の正極の劣化が抑制されるためと推察された。このうち、−1.00≦Log10(X/Y)≦−0.10である実施例2〜7では、IV抵抗値が80未満とより小さく、−0.80≦Log10(X/Y)≦−0.10である実施例2〜5では、IV抵抗値が70未満と更に小さくなり、高温サイクル特性をより高めることができることが分かった。また、実施例1〜9では、60℃程度の高温での繰り返し充放電においてもサイクル時の正極の劣化を抑制してサイクル特性を高めることができることから、高温サイクル以外の繰り返し充放電時においても正極の劣化を抑制してサイクル特性を高めることができるものと推察された。例えば、0℃以上60℃以下や、20℃以上50℃以下、30℃以上40℃以下などの温度範囲でも、サイクル特性を高めることができるものと推察された。なお、実施例1〜9では、正極材を所定のものとするだけでサイクル特性を高めることができたことから、負極との関係等も考慮する必要のある特許文献1に記載のリチウム二次電池より、より容易にサイクル特性を高めることができることがわかった。
10 リチウム二次電池、11 集電体、12 正極材、13 正極シート、14 集電体、17 負極材、18 負極シート、19 セパレータ、20 非水電解液、22 円筒ケース、24 正極端子、26 負極端子。

Claims (3)

  1. 導電材と、結着材と、リチウムを吸蔵放出可能な正極活物質と、を含み、空孔率Yが前記導電材の体積割合Xとの間で−1.30≦Log10(X/Y)≦0.15を満たす正極材を有する正極と、
    リチウムを吸蔵放出可能な負極活物質を有する負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在し、リチウムイオンを伝導する電解液と、
    を備えた、リチウム二次電池。
  2. 前記正極は、前記体積割合Xと前記空孔率Yとが−1.00≦Log10(X/Y)≦−0.10を満たすものである、請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記体積割合Xは、0.020≦X≦0.185を満たし、前記空孔率Yは0.14≦Y≦0.47を満たすものである、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
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