JP2011170969A - 光情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、記録容量を増大させ得る。
【解決手段】本発明の光情報記録媒体は、記録マークが線状に並べて配置されてなるトラックが形成された記録層を有し、記録マークは、2光子吸収反応が生じた範囲において所定の記録光の照射による熱反応が生じた一部分に形成され、基準となる基準マーク長におけるトラックが伸びるトラック方向の幅が、当該トラック方向と垂直な2方向の幅よりも小さいようにした。
【選択図】図5
【解決手段】本発明の光情報記録媒体は、記録マークが線状に並べて配置されてなるトラックが形成された記録層を有し、記録マークは、2光子吸収反応が生じた範囲において所定の記録光の照射による熱反応が生じた一部分に形成され、基準となる基準マーク長におけるトラックが伸びるトラック方向の幅が、当該トラック方向と垂直な2方向の幅よりも小さいようにした。
【選択図】図5
Description
本発明は光情報記録媒体に関し、例えば光ビームを用いて情報が記録され、また当該光ビームを用いて当該情報が再生される光情報記録媒体に適用して好適なものである。
従来、光情報記録媒体としては、円盤状の光情報記録媒体が広く普及しており、一般にCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びBlu−ray Disc(登録商標、以下BDと呼ぶ)等が用いられている。
一方、かかる光情報記録媒体に対応した光情報記録再生装置では、音楽コンテンツや映像コンテンツ等の各種コンテンツ、或いはコンピュータ用の各種データ等のような種々の情報を当該光情報記録媒体に記録するようになされている。特に近年では、映像の高精細化や音楽の高音質化等により情報量が増大し、また1枚の光情報記録媒体に記録するコンテンツ数の増加が要求されているため、当該光情報記録媒体のさらなる大容量化が求められている。
そこで、光情報記録媒体を大容量化する手法の一つとして、2光子吸収によって記録ピットを形成する材料を用い、ピークパワーの高いレーザ光源を用いて、光情報記録媒体の厚さ方向に、3次元的に情報を記録するようになされた光情報記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、光情報記録媒体では、記録容量のさらなる大容量化が求められている。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、記録容量を大容量化し得る光情報記録媒体を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の光情報記録媒体においては、記録マークが線状に並べて配置されてなるトラックが形成された記録層を設け、記録マークは、2光子吸収反応が生じた範囲において所定の記録光の照射による熱反応が生じた一部分に形成され、基準となる基準マーク長におけるトラック方向の幅が、当該トラック方向と垂直な2方向の幅よりも小さいようにした。
この光情報記録媒体では、2光子吸収反応が生じた範囲のうちさらに熱反応が生じた一部分のみを記録マークとすることにより、トラック方向に関する各記録マークの長さを抑えることができ、多くの記録マークを配置することができる。
また本発明の光情報記録媒体においては、第1の記録光が照射されることにより2光子吸収反応を生じる記録層を設け、記録層は、第1の記録光の照射後に照射される第2の記録光の照射範囲と2光子吸収反応が生じた範囲との重複部分において熱反応を生じ、当該重複部分を記録マークとする情報記録に用いられるようにした。
この光情報記録媒体では、情報記録が行われる際に、2光子吸収反応が生じた範囲のうちさらに熱反応が生じた一部分のみを記録マークとすることにより、トラック方向に関する各記録マークの長さを抑えることができ、多くの記録マークを配置することができる。
本発明によれば、2光子吸収反応が生じた範囲のうちさらに熱反応が生じた一部分のみを記録マークとすることにより、トラック方向に関する各記録マークの長さを抑えて多くの記録マークを配置することができる。かくして本発明では、記録容量を大容量化し得る光情報記録媒体を実現し得る。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)原理
一般的に対物レンズの開口数をNA、光ビームの波長をλとすると、光ビームが集光されるときのスポット径dは、以下の式によって表される。
一般的に対物レンズの開口数をNA、光ビームの波長をλとすると、光ビームが集光されるときのスポット径dは、以下の式によって表される。
すなわち同一の対物レンズを用いる場合、開口数NAが一定となるためスポット径dは光ビームの波長λに比例することになる。
図1に示すように、集光された光ビームの強度は焦点Fb付近で最も大きくなり、焦点Fbから離隔するほど小さくなる。例えば1光子吸収によって記録マークRMが形成される一般的な光情報記録媒体の場合には、1光子を吸収することにより光反応が生じるため、光強度に比例して光反応が生じる。このため光情報記録媒体では、記録光ビームL1における所定の強度以上となる領域に記録マークRMが形成される。なお図1ではスポット径dと同一サイズの記録マークRMが形成された場合を示している。
これに対して2光子吸収の場合、同時に2光子を吸収したときにのみ反応が生じるため、光強度の2乗に比例して2光子吸収反応が生じる。このため本実施の形態による光情報記録媒体100では、図2に示すように、記録光ビームL1において光強度の非常に大きい焦点Fb近傍にのみ記録マークRMが形成される。
この記録マークRMは、記録光ビームL1のスポット径dと比して小さいサイズとなり、その直径daも小さくなる。このため光情報記録媒体100では、高密度で記録マークRMを形成させることにより記録容量の大容量化が可能となる。
ところで2光子吸収材料の中には、2光子吸収反応によって化学変化を引き起こし、その光吸収特性を変化させる化合物(以下、これを光特性変化材料と呼ぶ)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
A.Toriumi and S. Kawata, Opt. Lett /Vol. 23, No.24, 1998, 1924-1926
A.Toriumi and S. Kawata, Opt. Lett /Vol. 23, No.24, 1998, 1924-1926
この光特性変化材料では、例えば図3(A)の発光波形WLに示すように、本来吸収しない波長の記録光ビームL1が大きな光強度で一定の照射時間に亘って照射されると、図3(B)に示すように、2光子吸収反応によって当該光特性変化材料の光吸収が変化し、記録光ビームL1によるスポットPよりも小さな吸収変化領域RAを形成する。この吸収変化領域RAでは、光特性変化材料の光吸収の変化により、当該記録光ビームL1を吸収して発熱を生じることになる。なお発光波形WLにおける矢印は、記録光ビームL1の照射の様子を示す上図の時点を表している。
すなわち2光子特性変化材料は、図3(C)に示すように、そのまま記録光ビームL1が照射され続けることにより、記録光ビームL1を吸収して熱を発生し、熱反応による屈折率変調や空洞の形成により記録マークRMを形成することができる。
このようにして形成された記録マークRMでは、情報再生用の読出光ビームL2が照射されると、周囲との屈折率の差異によって当該読出光ビームL2を反射し、戻り光ビームL3を生成する。そこで光情報記録再生装置では、光情報記録媒体に対して読出光ビームL2を照射すると共に、戻り光ビームL3の光量変化に応じた再生信号SRFを生成し、当該再生信号SRFから記録マークRMの有無を検出することにより、情報の再生を行うようになされている。
ところで光情報記録媒体では、大容量化のために、例えば対物レンズのNAを大きくして小さい記録マークRMを形成することが望ましい。しかしながら図4(A)に示すように、記録マークRMのサイズを小さくすると、戻り光ビームL3の光量が全体的に減少し、図4(B)に示すように再生信号SRFの信号レベルが全体的に小さくなり、当該再生信号SRFの振幅が小さくなって再生特性が悪化する。
しかしながら図4(C)に示すように、記録マークRMのサイズを大きくすると、図4(D)に示すように戻り光ビームL3の光量が全体的に増大して再生信号SRFの信号レベルが増大するものの、記録マークRM同士が近接して符号間干渉(すなわちクロストーク)を生じて再生信号SRFの振幅が小さくなり、再生特性が悪化する。
そこで本発明では、図4(E)に示すように、記録マークRMの形成されるトラックTRの伸びる方向(以下、これをトラック方向と呼ぶ)における記録マークRMの幅を、当該トラック方向に垂直な2方向の幅と比して小さく形成する。
これにより本発明では、トラック方向に記録マークRMを数多く形成して光情報記録媒体の記録容量を増大させると共に、図4(F)に示すように、戻り光ビームL3の光量を増大させると共に再生信号SRFにおけるクロストークを抑制して再生特性を向上させ得るようになされている。
具体的に本発明では、図3と対応する図5に示すように、2光子吸収反応を生じさせる第1の出射光強度PPa(図5A)で記録光ビームL1を照射する(以下、これを記録光ビームL1aと呼ぶ)。この結果図5(B)に示すように、光特性変化材料の光吸収特性が変化した吸収変化領域RAが形成される。この吸収変化領域RAは2光子吸収反応によって形成されることから、当該吸収変化領域RAの直径はスポットPの直径d(図1)よりも小さい直径da(図2)となる。
さらに本発明では、図5(C)に示すように、吸収変化領域RAの中心CRAからトラック方向に記録光ビームL1(すなわちスポットP)の中心CPをずらした状態で、第1の出射光強度PPaよりも小さい第2の出射光強度PPbでなる記録光ビームL1を照射する(以下、これを記録光ビームL1bと呼ぶ)。
このとき記録光ビームL1bの一部分のみが吸収変化領域RAと重複することになる。記録光ビームL1bは、吸収変化領域RAが形成されていない部分においては吸収されないのに対し、吸収変化領域RAにおいて吸収される。
この結果図5(D)に示すように、光情報記録媒体は、吸収変化領域RAと記録光ビームL1bとが重複した領域において発熱し、当該重複した領域にのみ、熱反応による記録マークRMを形成することができる。すなわち本発明の光情報記録媒体は、トラック方向のサイズが吸収変化領域RAの直径daよりも小さい記録マークRMを形成し得るようになされている。
このように本発明では、2光子吸収反応と熱反応とを組み合わせることにより、トラック方向に小さい形状で記録マークRMを形成し得るようになされている。
(2)第1の実施の形態
(2−1)光情報記録媒体の構成
図6(A)及び(B)に示すように、光情報記録媒体100は、全体として円板状でなり、中心部分にチャッキング用の孔部100Hが設けられている。光情報記録媒体100は、基板102及び103の間に記録層101を形成することにより、全体として情報を記録するメディアとして機能するようになされている。
(2−1)光情報記録媒体の構成
図6(A)及び(B)に示すように、光情報記録媒体100は、全体として円板状でなり、中心部分にチャッキング用の孔部100Hが設けられている。光情報記録媒体100は、基板102及び103の間に記録層101を形成することにより、全体として情報を記録するメディアとして機能するようになされている。
基板102及び103はガラスやポリカーボネイトなどの光学材料でなり、光を高い割合で透過させるようになされている。基板102及び103の厚さt2及びt3は、0.05[mm]〜1.2[mm]の範囲から適宜選択することができる。この厚さt2及びt3は、同一の厚さであっても異なっていても良い。
記録層101は主成分となるバインダー樹脂に対し、記録光ビームL1を2光子吸収による化学構造の変化によりその光吸収特性を変化させ、この結果記録光ビームL1を吸収して発熱する特性を有する光特性変化材料が分散されてなる。
具体的に光特性変化材料としては、一般的な2光子吸収材料や光に応じて化学構造を変化させるフォトクロミック材料などを用いることができる。具体的に2光子吸収材料としては、シアニン色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、オキソノール色素、スクアリウム色素、アゾ色素、及びフタロシアニン色素など種々の有機色素又は各種無機結晶などを用いることができる。
またフォトクロミック材料としては、アゾベンゼン類、スピロピラン類、スピロオキサジン類又はジアリールエテン類などが好適に用いられ、例えば非特許文献2に記載の1,2-bis(2-methylbenzo[b]thiophen-3-yl)perfluorocyclopentene などが特に好適に用いられる。
バインダー樹脂としては、光ビームに対する透過率の高い各種樹脂材料を用いることができる。例えば熱によって軟化する熱可塑性樹脂や、光による架橋又は重合反応によって硬化する光硬化型樹脂、熱による架橋または重合反応によって硬化する熱硬化型樹脂などを用いることができる。
なお樹脂材料としては特に限定されないが、耐候性や光透過率などの観点から、PMMA(Polymethylmethacrylate)樹脂や、ポリカーボネイト樹脂などが用いられることが好ましい。またバインダー樹脂に対して各種添加剤が添加されても良い。
記録層101は、光特性変化材料の発熱に応じて屈折率変調を生じるようになされている。この屈折率変調は、例えば化学変化による局所的な屈折率の変化や、含有する気化材料が気化することによる空洞の形成などが挙げられる。記録層101は、光特性変化材料が熱反応によってさらに化学変化することにより屈折率変調を生じさせても良く、バインダー樹脂又は当該バインダー樹脂に添加された添加剤が化学変化することにより屈折率変調を生じさせても良い。
例えばバインダー樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合、加熱した熱可塑性樹脂に光特性変化材料を添加し、混練機で混練することによりバインダー樹脂に光特性変化材料を分散させる。
そして光特性変化材料が分散されたバインダー樹脂を基板103上に展開し、冷却させることにより記録層101を作製した後、例えばUV接着剤を用いて基板102を記録層101に接着することにより光情報記録媒体100を作製することができる。
また熱可塑性樹脂を有機溶剤などで希釈する場合(以下、この熱可塑性樹脂を溶剤希釈型樹脂と呼び、加熱により成型する熱可塑性樹脂と区別する)には、予め光特性変化材料を有機溶剤に溶解又は分散してから当該有機溶剤に溶剤希釈型樹脂を溶解させたり、有機溶剤で希釈した溶剤希釈型樹脂に光特性変化材料を添加して攪拌することによりバインダー樹脂に光特性変化材料を分散させる。
そして光特性変化材料が分散されたバインダー樹脂を基板103上に展開し、加熱乾燥させることにより記録層101を作製した後、例えばUV接着剤を用いて基板102を記録層101に接着することにより光情報記録媒体100を作製することができる。
さらにバインダー樹脂として熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いる場合、未硬化の樹脂材料に光特性変化材料を添加して攪拌することによりバインダー樹脂に光特性変化材料を分散させる。
そして光特性変化材料が分散されたバインダー樹脂を基板103上に展開し、未硬化の記録層101に対して基板103が載置された状態で光硬化又は熱硬化させることにより光情報記録媒体100を作製することができる。
光情報記録媒体100では、上述したように、2光子吸収反応及び熱反応の双方により記録マークRMを形成するようになされている。
記録層101は、比較的強い記録光ビームL1が当該記録層101内に照射されると、2光子吸収反応により光特性変化材料の化学構造を変化させ、当該記録光ビームL1を吸収する吸収変化領域RAを形成する。記録層101は、さらに記録光ビームL1が照射されると、当該吸収変化領域RAにおける発熱に応じて焦点FMの位置に記録マークRMを記録する。このとき光情報記録媒体100は、回転されながら記録光ビームL1が照射されることにより、螺旋状又は同心円状に記録マークRMがほぼ線上に配置されるトラックTRを形成する。
上述したように、本発明では、吸収変化領域RAと記録光ビームL1とをずらして照射することにより、トラック方向の幅が当該トラック方向と垂直な2方向(光情報記録媒体100の半径方向であるラジアル方向及び光情報記録媒体100の厚さ方向)と比して小さくなるよう記録マークRMを形成する。
ここで本実施の形態における記録層101は、図7(A)に示すように、基準となる基準マーク長1Tの整数n倍でなる複数種類の長さ(例えば2T〜11Tのマーク長)でなる記録マークRMを形成するようになされている。すなわち記録層101では、図7(B)に示すように、基準マーク長1T当たりのトラック方向の幅wtがラジアル方向の幅wr及び光情報記録媒体100の厚さ方向の幅wcと比して小さくなるよう記録マークRMが形成されている。
これにより光情報記録媒体100では、記録マークRMをトラック方向に多く形成することができるため、従来の光情報記録媒体と比較して光情報記録媒体100としての記録容量を向上させ得るようになされている。
またこのようにして形成された記録マークRMは、光情報記録媒体100(図6(B))の第1面100A等の各面とほぼ平行な平面状に配置され、当該記録マークRMによる複数のマーク層Yを形成する。
一方、光情報記録媒体100は、情報の再生時には、例えば第1面100A側から目標位置PG(すなわち光ビームが照射されるべき位置)に対して読出光ビームL2が集光される。ここで焦点FMの位置(すなわち目標位置PG)に記録マークRMが形成されている場合、当該読出光ビームL2が記録マークRMによって反射され、当該記録マークRMから戻り光ビームL3が出射される。
これにより光情報記録媒体100は、戻りビームL3の光量を検出させることにより、当該戻り光ビームL3を基に記録マークRMの有無を検出させ得るようになされている。
このように光情報記録媒体100は、2光子吸収反応と熱反応との両方が生じた部分にのみ記録マークRMを形成する。これにより光情報記録媒体100は、記録マークRMにおける基準マーク長1T当たりのトラック方向に対するラジアル方向のアスペクト比、並びに記録マークRMにおける基準マーク長1T当たりのトラック方向に対するフォーカス方向のアスペクト比が「1」よりも大きくなるよう当該記録マークRMを形成し得るようになされている。
(2−2)光情報記録再生装置の構成
図8に示すように、光情報記録再生装置10は制御部11を中心に構成されている。制御部11は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、各種プログラム等が格納されるROM(Read Only Memory)と、当該CPUのワークメモリとして用いられるRAM(Random Access Memory)とによって構成されている。
図8に示すように、光情報記録再生装置10は制御部11を中心に構成されている。制御部11は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、各種プログラム等が格納されるROM(Read Only Memory)と、当該CPUのワークメモリとして用いられるRAM(Random Access Memory)とによって構成されている。
制御部11は、光情報記録媒体100に情報を記録する場合、駆動制御部12を介してスピンドルモータ15を回転駆動させ、ターンテーブル(図示せず)に載置された光情報記録媒体100を所望の速度で回転させる。
また制御部11は、駆動制御部12を介してスレッドモータ16を駆動させることにより、光ピックアップ17を移動軸G1及びG2に沿ってラジアル方向、すなわち光情報記録媒体100の内周側又は外周側へ向かう方向へ大きく移動させるようになされている。
また制御部11は、光情報記録媒体100に対して情報を記録する際、外部から供給される記録情報を信号処理部13に供給する。信号処理部13は、記録情報に対して所定の変調処理及び2値化処理などを施すことにより記録データSwを生成し、これをレーザ制御部18に供給する。
レーザ制御部18は、記録データSwに基づいてレーザ駆動電流Dwを生成し、これを光ピックアップ17における記録再生光源20に供給する。この結果記録再生光源20から情報に応じて変調された記録光ビームL1が出射される。
制御部11は、光ピックアップ17を制御して当該光ピックアップ17から光情報記録媒体100の記録光ビームL1が照射されるべき目標位置PGに対して光ビームを照射させることにより、記録層101に情報を記録するようになされている。
また制御部11は、光情報記録媒体100から情報を再生する際、レーザ制御部18によってほぼ一定値でなるレーザ駆動電流Dwを生成し、これを記録再生光源20に供給する。この結果記録再生光源20から、ほぼ一定の出射光強度でなる読出光ビームL2が出射される。
そして光ピックアップ17は、当該光情報記録媒体100から戻ってきた戻り光ビームL3を受光し、当該戻り光ビームL3の受光量に応じた検出信号を信号処理部13に供給する。
信号処理部13は、検出信号に基づいて戻り光ビームL3の受光量を表す再生信号SRFを生成すると共に、当該再生信号SRFに対して所定の2値化処理及び復調処理などを施すことにより再生データを生成し、制御部11に供給する。
このように光情報記録再生装置10では、光情報記録媒体100に対して情報を記録し、また当該光情報記録媒体100から情報を再生するようになされている。
図9に示すように光ピックアップ17は、情報記録処理の際、制御部11の制御に基づき、記録再生光源10から例えば波長405[nm]の記録光ビームL1を出射させ、当該記録光ビームL1をコリメータレンズ21により発散光から平行光に変換した上でビームスプリッタ22に入射させるようになされている。
ビームスプリッタ22は、光ビームを所定の割合で反射又は透過させる反射透過面22Sを有している。反射透過面22Sは記録光ビームL1が入射されると当該記録光ビームL1を透過させ、対物レンズ23へ入射させる。対物レンズ23は、記録光ビームL1を集光することにより、光情報記録媒体100内の目標位置PGに合焦させ、記録マークRMを形成させるようになされている(詳しくは後述する)。
このとき光情報記録媒体100では、記録光ビームL1の焦点Fb近傍に、当該記録光ビームL1のスポット径dと比して小さい直径daよりも、基準マーク長1Tのトラック方向の幅wtがさらに小さい記録マークRMを形成する。
また光ピックアップ17は、情報再生処理の際、制御部11の制御に基づき、記録再生光源20から読出光ビームL2を出射させ、情報記録処理と同様にして光情報記録媒体100内の目標位置PGに合焦させるようになされている。
ここで光情報記録媒体100は、読出光ビームL2の合焦位置に記録マークRMが形成されていた場合、記録層101と記録マークRMとの屈折率の差異によって当該読出光ビームL2を反射し、戻り光ビームL3を生成する。また光情報記録媒体100は、読出光ビームL2の合焦位置に記録マークRMが形成されていない場合、読出光ビームL2を通過させ、戻り光ビームL3を殆ど生成しない。
対物レンズ23は、光情報記録媒体100からの戻り光ビームL3を平行光に変換し、ビームスプリッタ22へ入射させる。このときビームスプリッタ22は、戻り光ビームL3の一部を反射透過面22Sにより反射し、集光レンズ24へ入射させる。集光レンズ24は、戻り光ビームL3を集光して受光素子25に照射する。
これに応じて受光素子25は、戻り光ビームL3の光量を検出し、当該光量に応じた検出信号を生成して制御部11へ送出する。これにより制御部11は、検出信号を基に戻り光ビームL3の検出状態を認識し得るようになされている。
このとき光情報記録媒体100では、記録光ビームL1の焦点Fb近傍に、直径daよりも基準マーク長1Tのトラック方向の幅wtがさらに小さい記録マークRMが形成されている。このため光情報記録再生装置10は、トラック方向に多くの記録マークRMを配置した場合であっても各マーク長でなる記録マークRMの間隔(すなわちスペースSP)を十分に確保することができ、クロストークの抑制された良好な再生信号SRFを生成し得るようになされている。
なお光ピックアップ17は、図示しないアクチュエータによって対物レンズ23を光情報記録媒体100の厚さ方向に移動させることにより、記録光ビームL1及び読出光ビームL2の焦点を所望のマーク層Yに変位させるようになされている。
このように光情報記録再生装置10は、光情報記録媒体100に対して情報記録処理及び情報再生処理を実行するようになされている。
(2−3)情報記録処理
次に、情報記録処理について説明する。
次に、情報記録処理について説明する。
図10に示すように、信号処理部13(図8)は、記録クロックCLw(図10(A))に応じて「High」レベルと「Low」レベルとが切り替わる記録データSwを生成すると、これをレーザ制御部18に供給する。なお記録データSwにおいて、「High」レベルは記録マークRMを形成すべきことを、「Low」レベルは記録マークRMの存在しないスペースSPを形成すべきことを表している。
レーザ制御部18は、記録データSwに基づいて、記録光ビームL1aに対応する電流パルスDpaと記録光ビームL1bに対応する電流パルスDpbとの組み合わせからなるレーザ駆動電流Dwを生成し、記録光ビームL1の出射光強度を調整するようになされている。
例えば、基準マーク長1Tの3倍の長さを有する3Tマーク長でなる記録マークRMを形成する場合について、図5に対応する図11〜図14を用いて説明する。
図11(A)の下図に示すように、記録再生光源20は、強度の比較的大きい第1の出射光強度PPaでなる記録光ビームL1aを第1の出射時間TMaに亘って出射する。この結果図11(A)の上図に示すように、記録層101には、光吸収変化材料の2光子吸収反応により、記録光ビームL1aの焦点FL1a近傍に当該記録光ビームL1aのスポットPaの直径dよりも小さな直径daでなる吸収変化領域RAが形成される。
図11(B)の下図に示すように、記録再生光源20は、記録光ビームL1aの出射を開始した時点から出射ずれ時間ΔWL1だけ遅れたタイミングで強度の比較的小さい第2の出射光強度でなる記録光ビームL1bを、第1の出射時間TMaよりも長い第2の出射時間TMbに亘って出射する。
この結果図11(B)の上図に示すように、記録再生光源20は、吸収変化領域RAから出射ずれ時間ΔWL1に応じた距離だけずれた位置に記録光ビームL1bのスポットPbを位置させることができる。これにより図11(B)の上図に示すように、記録再生光源20は、当該スポットPbと吸収変化領域RAとが重複した領域にのみ、トラック方向の幅がほぼ基準マーク長1Tでなる記録マークRM(以下、これを記録マークRMaと呼び、各マーク長でなる記録マークRMと区別する)を形成することができる。
図12(A)の下図に示すように、記録再生光源20は、記録光ビームL1aを第1の出射時間TMaに亘って出射する。この結果記録再生光源20は、図12(A)の上図に示すように、記録層101には、図11(B)において形成された記録マークRMaと一部重複するように記録光ビームL1aのスポットPaを位置させる。
このとき記録層101は、光吸収変化材料の2光子吸収反応により、吸収変化領域RAが形成される。因みに記録マークRMaが既に形成されている領域については、既に熱反応が生じているため、吸収変化領域RAが再度形成されることはない。
図12(B)の下図に示すように、記録再生光源20は、記録光ビームL1aの出射を開始した時点から出射ずれ時間ΔWL1よりも小さい出射ずれ時間ΔWL2だけ遅れたタイミングで第2の出射光強度でなる記録光ビームL1bを第2の出射時間TMbに亘って出射する。
この結果図12(B)の上図に示すように、記録再生光源20は、吸収変化領域RAから出射ずれ時間ΔWL2に応じた距離だけずれた位置に記録光ビームL1bのスポットPbを位置させることができる。これにより図12(B)の上図に示すように、記録再生光源20は、スポットPbを直前(図11(B))に形成された記録マークRMaに対して一部重複させることができ、ほぼ基準マーク長1Tでなる記録マークRMa同士を一部重複させることができる。
すなわち記録再生光源20は、直前の記録マークRMaの後端部から新たな記録マークRMaの終端部までを1Tマーク長になるように当該新たな記録マークRMaを形成すると共に、記録マークRMa同士を一部重複させて連結させることができる。
図13(A)の下図に示すように、記録再生光源20は、同様にして記録光ビームL1aを第1の出射時間TMaに亘って出射する。この結果記録層101には、光吸収変化材料の2光子吸収反応により、吸収変化領域RAが形成される。
図13(B)の下図に示すように、記録再生光源20は、記録光ビームL1aの出射を開始した時点から出射ずれ時間ΔWL2だけ遅れたタイミングで第2の出射光強度でなる記録光ビームL1bを第2の出射時間TMbに亘って出射する。
この結果図13(B)の上図に示すように、記録再生光源20は、同様にしてスポットPbを直前(図12(B))に形成された記録マークRMaに対して一部重複させることができ、記録マークRMa同士を連結させることができる。
この結果図14の上図に示すように、記録再生光源20は、最初に形成された記録マークRMaの始端部から最後に形成された記録マークRMaの後端部までを3Tマーク長に形成し得るようになされている。
実際上、レーザ制御部18は、図10(C)に示すように、レーザ駆動電流Dwとして、記録光ビームL1aに対応する電流パルスDPaと、記録光ビームL1bに対応する電流パルスDPbを生成する。
すなわちレーザ制御部18は、記録データSwが「Low」から「High」に立ち上がったと認識した場合、記録クロックCLwの立ち下がりに応じて、第1の出射光強度PPaでなる記録光ビームL1aを第1の出射時間TMaだけ出射するよう電流パルスDPaを生成する。
さらにレーザ制御部18は、第2の出射光強度PPbでなる記録光ビームL1bを記録光ビームL1bから出射ずれ時間ΔWL1だけ遅延させて出射するよう、記録クロックCLwの立ち下がりから電流ずれ時間ΔDab1だけ遅延させて電流パルスDPaを生成する。このとき制御部12は、第2の出射光強度でなる記録光ビームL1bを第2の出射時間TMbだけ出射するよう電流パルスDPbを生成する。
またレーザ制御部18は、記録データSwが前の記録クロックCLwから継続的に「High」のままであると認識した場合、記録クロックCLwの立ち下がりに応じて、第1の出射光強度でなる記録光ビームL1aを第1の出射時間TMaだけ出射するよう電流パルスDPaを生成する。
このときレーザ制御部18は、第2の出射光強度でなる記録光ビームL1bを記録光ビームL1bから出射ずれ時間ΔWL2だけ遅延させて出射するよう、記録クロックCLwの立ち下がりから電流ずれ時間ΔDab2だけ遅延させて電流パルスDPaを生成する。
換言するとレーザ制御部18は、記録データSwが「High」である場合には、電流パルスDPa及び電流パルスDPbを生成する。このときレーザ制御部18は、任意のマーク長でなる記録マークRMの先頭部分を形成すべき場合には、電流パルスDPbを電流パルスDPaから電流ずれ時間ΔDab1だけ遅延させる一方、任意のマーク長でなる記録マークRMの後部分を形成すべき場合には、電流パルスDPbを電流パルスDPaから電流ずれ時間ΔDab2だけ遅延させる。
これに対してレーザ制御部18は、記録データSwが「Low」であると認識した場合、電流値を所定の基準値に設定する。
このように光情報記録再生装置10は、2光子吸収反応と熱反応とを組み合わせ、記録光ビームL1aによる2光子吸収反応と記録光ビームL1bによる熱反応の両方が生じた部分にのみ記録マークRMを形成することにより、記録マークRMのサイズをトラック方向に縮め得るようになされている。
(2−4)動作及び効果
以上の構成において、記録マークRMが線状に並べて配置されてなるトラックTRが形成された記録層101を有し、記録マークRMは、基準となる基準マーク長1Tにおけるトラック方向の幅wtが、当該トラック方向と垂直な2方向であるラジアル方向及び厚さ方向の幅wr及びwcよりも小さい。
以上の構成において、記録マークRMが線状に並べて配置されてなるトラックTRが形成された記録層101を有し、記録マークRMは、基準となる基準マーク長1Tにおけるトラック方向の幅wtが、当該トラック方向と垂直な2方向であるラジアル方向及び厚さ方向の幅wr及びwcよりも小さい。
これにより光情報記録媒体100は、トラック方向に記録マークRM同士の間隔を確保してトラック方向のクロストークを抑制できる。また光情報記録媒体100は、記録マークRMのラジアル方向の幅wrを大きくすることができるため、記録マークRMからの戻り光ビームL3の光量を増大させることができる。この結果光情報記録媒体100は、再生信号SRFにおける記録マークRMの有無に応じた信号レベルの振幅を大きくすることができ、再生特性を向上させ得る。
また光情報記録媒体100における記録マークRMは、第1の記録光である記録光ビームL1aの照射によって2光子吸収反応が生じ、記録光ビームL1aの後に照射される第2の記録光である記録光ビームL1bの照射によって形成される。このとき記録マークRMは、記録光ビームL1aにおいて2光子吸収反応が生じた変化領域としての吸収変化領域RAにさらに記録光ビームL1bによる熱反応が生じたことにより形成されている。
これにより光情報記録媒体100は、記録光ビームL1aと記録光ビームL1bとをトラック方向にずらして照射することにより、記録マークRMにおけるトラック方向の幅wtをラジアル方向及び厚さ方向の幅wr及びwcよりも小さく形成することができる。
さらに光情報記録媒体100は、記録光ビームL1aの照射に応じた2光子吸収反応により吸収変化領域RAにおける光吸収特性を変化させ、記録光ビームL1bの照射に応じて熱反応を生じさせる。
これにより光情報記録媒体100は、吸収変化領域RAの光吸収特性が変化したことにより記録光ビームL1bを効率良く吸収することができ、熱反応により迅速に記録マークRMを形成することができる。また吸収変化領域RAが形成されていない領域においては記録光ビームL1を殆ど吸収しないようにできるため、記録層101総体としての光透過率を向上させることができ、記録層101の基板102からの深さに応じて生じる記録光ビームL1の強度変化を抑制することができる。
また光情報記録媒体100は、ほぼ基準マーク長1Tでなる記録マークRMaが複数形成されることにより、基準マーク長1Tの整数倍になるよう記録マークRMが形成されるようにした。
これにより光情報記録媒体100は、記録光ビームL1a及びL1bが交互に照射されることにより、整数倍のマーク長でなる記録マークRMを形成させる。すなわち光情報記録媒体100は、記録光ビームL1a及びL1bの照射位置を元の位置に戻らせることなく当該照射位置を順次移動させながら記録マークRMを形成させることができる。
さらに光情報記録媒体100は、隣接するほぼ基準マーク長1Tでなる記録マークRMa同士が、始端部及び後端部を一部重複させた状態で形成されてなる。
これにより光情報記録媒体100は、基準マーク長1Tでなる記録マークRMa間に大きな隙間を形成することなく当該基準マーク長1Tでなる記録マークRMa同士を連結することができるため、当該基準マーク長1Tでなる記録マークRMa間において戻り光ビームL3の光量が落ち込むことを抑制し得る。
また光情報記録媒体100の記録層101は、記録光ビームL1aの照射に応じた2光子吸収反応により光吸収特性を変化させ、当該記録光ビームL1aの後に照射される記録光ビームL1bの照射に応じて熱反応を生じさせる光吸収変化材料を含有し、当該熱反応に応じて局所的に屈折率を変化させるようにした。
これにより記録層101は、2光子吸収反応が生じた部分にのみ熱反応を生じさせ、当該熱反応が生じた部分の屈折率を変化させて記録マークRMを形成することができる。
また光情報記録媒体100の記録層101は、熱反応に応じて局所的に屈折率を変化させるバインダー樹脂中に、光吸収変化材料を分散させてなる。これにより記録層101は、光吸収変化材料による熱反応に応じてバインダー樹脂の屈折率を変化させて記録マークRMを形成することができる。
さらに光情報記録媒体100では、光吸収変化材料として、光の照射に応じて可逆的に化学構造を変化させることにより、光吸収特性を変化させるフォトクロミック材料を用いるようにした。
これにより光情報記録媒体100は、2光子吸収反応により吸収変化領域RAにおける光吸収特性を劇的に変化させることができるため、記録光ビームL1bを効果的に吸収して効率良く熱反応をさせ得るようになされている。
また光情報記録媒体100は、記録光ビームL1aの照射に応じた2光子吸収反応によって吸収変化領域RAを形成し、記録光ビームL1aよりも後に照射される記録光ビームL1bに応じて吸収変化領域RAにおいて熱反応が生じた領域にのみ記録マークRMを形成する。
これにより光情報記録媒体100は、2光子吸収反応及び熱反応の両方が生じた領域にのみ記録マークRMを形成することができ、記録マークRMの形状を任意の形状に調整することができる。
また光情報記録再生装置10は、記録光ビームL1のうち記録光ビームL1aに応じた2光子吸収反応及び記録光ビームL1のうち記録光ビームL1aよりも後に照射される記録光ビームL1bに応じた熱反応の両方が生じた領域にのみ記録マークRMを形成する光情報記録媒体100に対して、記録光ビームL1を照射する。
光情報記録再生装置10は、記録光ビームL1の焦点F1を所望の目標位置PGに位置させることにより、記録光ビームL1aが照射された第1の照射領域である吸収変化領域RA及び記録光ビームL1bが照射される第2の照射領域であるスポットPbの一部のみを重複させるように記録光ビームL1a及び記録光ビームL1bを照射させる。
これにより光情報記録再生装置10は、吸収変化領域RAとスポットPbとが重複する領域を変更することにより、記録マークRMの形状を任意の形状にすることができる。
さらに光情報記録再生装置10は、位置調整部としてのスピンドルモータ15によって光情報記録媒体100を回転させることにより、光情報記録媒体100に螺旋状又は同心円状のトラックTRを形成する。
光情報記録再生装置10は、記録光ビームL1aと記録光ビームL1bとを第1の照射ずれ時間であるずれ時間ΔWL1だけずらして照射することにより、記録光ビームL1aが照射された吸収変化領域RA及び記録光ビームL1bが照射されるスポットPbの一部のみをトラックTRが伸びるトラック方向に重複させる。
これにより光情報記録再生装置10は、記録光ビームL1a及びL1bの照射タイミングをずらすだけの簡易な処理で吸収変化領域RA及びスポットPbをトラック方向に重複させ得る。
また光情報記録再生装置10は、記録光ビームL1aが照射された吸収変化領域RA及び記録光ビームL1bが照射されるスポットPbの一部のみを重複させることにより、ほぼ基準マーク長1Tでなる記録マークRMaを形成し、当該記録マークRMaを一部重複させて複数形成することにより、基準マーク長の整数倍でなる整数倍マーク長の記録マークRMを形成する。
光情報記録再生装置10は、整数倍マーク長の記録マークRMを形成する際、先頭部分にほぼ基準マーク長1Tでなる記録マークRMaを形成すると共に、当該先頭部分を除く後部分において基準マーク長1Tよりも重複させる分だけトラック方向に長い記録マークRMaを形成する。
これにより光情報記録再生装置10は、長く形成された部分を各基準マーク長1Tでなる記録マークRMa同士が重複することにより相殺することができるため、ほぼ正確に整数倍マーク長の記録マークRMを形成することができる。
さらに光情報記録再生装置10は、記録再生光源20によって記録光ビームL1a及び記録光ビームL1bの両方を出射する。これにより光情報記録再生装置10は、光源が1つで済むため、光ピックアップ17の構成を複雑にすることなく、記録マークRMの形状を制御することができる。
以上の構成によれば、本発明は、記録光ビームL1aに応じた2光子吸収反応及び記録光ビームL1bに応じた熱反応の両方が生じた領域にのみ記録マークRMを形成する光情報記録媒体100に対して記録光ビームL1aを照射する。そして光情報記録再生装置10は、記録光ビームL1bが照射された吸収変化領域RA及び記録光ビームL1bが照射されるスポットPbの一部のみを重複させるように記録光ビームL1bを照射させる。
これにより本発明は、吸収変化領域RAとスポットPbの重複具合を適宜変更することにより、記録マークRMの形状をトラック方向に小さくすることができ、当該記録マークRMをトラック方向に多く配置することができる。かくして本発明では、記録容量を大容量化し得る光情報記録媒体、光情報記録装置及び光情報記録方法を実現できる。
(3)第2の実施の形態
図15〜図18は第2の実施の形態を示すもので、図1〜14に示した第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示している。第2の実施の形態における光情報記録再生装置110では、光ピックアップ117としての構成が第1の実施の形態の光ピックアップ17とは異なっている。
図15〜図18は第2の実施の形態を示すもので、図1〜14に示した第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示している。第2の実施の形態における光情報記録再生装置110では、光ピックアップ117としての構成が第1の実施の形態の光ピックアップ17とは異なっている。
(3−1)光ピックアップの構成
本実施の形態における光情報記録再生装置110における光ピックアップ117は、光源として赤色光源60と青色光源65とを有しており、情報記録処理の際には780[nm]でなる赤色光ビームLR及び405[nm]の青色光ビームLBの両方を記録光ビームL1として用いる一方、情報再生処理の際には青色光ビームLBを読出光ビームL2として用いるようになされている。
本実施の形態における光情報記録再生装置110における光ピックアップ117は、光源として赤色光源60と青色光源65とを有しており、情報記録処理の際には780[nm]でなる赤色光ビームLR及び405[nm]の青色光ビームLBの両方を記録光ビームL1として用いる一方、情報再生処理の際には青色光ビームLBを読出光ビームL2として用いるようになされている。
図15に示すように光ピックアップ117は、制御部11の制御に基づき、赤色光源60から波長780[nm]の赤色光ビームLRを出射させ、当該赤色光ビームLRをコリメータレンズ61により発散光から平行光に変換した上でダイクロイックプリズム62に入射させるようになされている。
ダイクロイックプリズム62は、波長に応じて光ビームを反射又は透過させる反射透過面62Sを有している。反射透過面62Sは赤色光ビームLRが入射されると当該赤色光ビームLRを透過させ、対物レンズ63へ入射させる。対物レンズ63は、赤色光ビームLRを集光することにより、光情報記録媒体100内の目標位置PGに合焦させるようになされている。
また図15に示すように光ピックアップ117は、制御部11の制御に基づき、青色光源65から波長405[nm]の青色光ビームLBを出射させ、当該青色光ビームLBをコリメータレンズ66により発散光から平行光に変換した上でビームスプリッタ67に入射させる。
ビームスプリッタ67は、所定の割合で青色光ビームLBを透過させ、ダイクロイックプリズム62に入射させる。
ダイクロイックプリズム62は、反射透過面62Sによって青色光ビームLBを反射させ、対物レンズ63へ入射させる。対物レンズ63は、青色光ビームLBを集光することにより、光情報記録媒体100内の目標位置PGに合焦させるようになされている。
ここで光情報記録媒体100は、目標位置PGに記録マークRMが形成されていた場合、記録層101と記録マークRMとの屈折率の差異によって、情報再生処理の際に用いられる当該青色光ビームLBを反射し、戻り光ビームL3を生成する。また光情報記録媒体100は、青色光ビームLBの合焦位置に記録マークRMが形成されていない場合、青色光ビームLBを通過させ、戻り光ビームL3を殆ど生成することはない。
対物レンズ63は、光情報記録媒体100から戻り光ビームL3が戻ってきた場合、当該戻り光ビームL3を平行光に変換し、ダイクロイックプリズム62へ入射させる。このときダイクロイックプリズム62は、戻り光ビームL3を反射透過面62Sにより反射し、ビームスプリッタ67へ入射させる。
ビームスプリッタ67は、戻り光ビームL3の一部を反射し、集光レンズ68へ入射させる。集光レンズ68は、戻り光ビームL3を集光して受光素子69に照射する。
これに応じて受光素子69は、戻り光ビームL3の光量を検出し、当該光量に応じた検出信号を生成して制御部11へ送出する。これにより制御部11は、検出信号を基に戻り光ビームL3の検出状態を認識し得るようになされている。
このように光情報記録再生装置110は、情報記録処理の際には赤色光ビームLRと青色光ビームLBの両方を用い、情報再生処理の際には青色光ビームLBを用いることにより、光情報記録媒体100に対する情報の記録及び再生を行うようになされている。
(3−2)情報記録処理
図16に示すように、レーザ制御部18に対応するレーザ制御部120(図8)は、レーザ駆動電流Dwとして、赤色光源60に対して供給する赤色レーザ駆動電流Dwrと、青色光源65に対して供給する青色レーザ駆動電流Dwbとを生成する。
図16に示すように、レーザ制御部18に対応するレーザ制御部120(図8)は、レーザ駆動電流Dwとして、赤色光源60に対して供給する赤色レーザ駆動電流Dwrと、青色光源65に対して供給する青色レーザ駆動電流Dwbとを生成する。
なおレーザ制御部120は、赤色光ビームLRを記録光ビームL1aとして、青色光ビームLBを記録光ビームL1bとして出射するようになされている。
例えば、基準マーク長1Tの3倍の長さを有する3Tマーク長でなる記録マークRMを形成する場合について、図11〜図14に対応する図17及び図18を用いて説明する。
図17(A)の下図に示すように、赤色光源60は、強度の比較的大きい第1の出射光強度PPaでなる記録光ビームL1aを第1の出射時間TMaに亘って出射する。この結果図17(A)の上図に示すように、記録層101には、光吸収変化材料の2光子吸収反応により、記録光ビームL1aの焦点FL1a近傍に直径dよりも小さな直径daでなる吸収変化領域RAが形成される。
図17(B)の下図に示すように、青色光源65は、記録光ビームL1aの出射を開始した時点から出射ずれ時間ΔWL3だけ遅れたタイミングで強度の比較的小さい第2の出射光強度でなる記録光ビームL1bを、第1の出射時間TMaよりも長い第2の出射時間TMbに亘って出射する。
この結果図17(B)の上図に示すように、青色光源65は、吸収変化領域RAから出射ずれ時間ΔWL3に応じた距離だけずれた位置に記録光ビームL1bのスポットPbを位置させることができる。これにより図17(B)の上図に示すように、青色光源65は、当該スポットPbと吸収変化領域RAとが重複した領域にのみ記録マークRMを形成することができ、基準マーク長1Tでなる記録マークRMaを形成することができる。
なお記録光ビームL1bの波長λが405[nm]でなり、記録光ビームL1aの波長λが780[nm]でなることから、記録光ビームL1a及びL1bのスポットPr及びPbの直径はそれぞれ異なることになる。図17では、吸収変化領域RAとスポットPbとがほぼ同一サイズでなる場合について示している。
また図17(B)の下図に示すように、青色光源65は、記録光ビームL1aを第1の出射時間TMaに亘って出射する。この結果図17(B)の上図に示すように、青色光源65は、吸収変化領域RAを形成することができる。
ここで記録光ビームL1a及びL1bは、別々の光源でなる赤色光源60及び青色光源65からそれぞれ出射されるため、同一タイミングで照射されることが可能である。すなわち赤色光源60及び青色光源65は、熱反応による記録マークRMaの形成と、2光子吸収反応による吸収変化領域RAの形成をほぼ同一タイミングで実行し得るようになされている。
図18(A)の下図に示すように、青色光源65は、記録光ビームL1bを同様にして第2の出射時間TMbに亘って出射する。このとき赤色光源60は、記録光ビームL1aを第1の出射時間TMaに亘って出射する。この結果記録層101には、熱反応により記録マークRMaが形成されると共に、2光子吸収反応により吸収変化領域RAが形成される。
図18(B)の下図に示すように、青色光源65は、記録光ビームL1bを同様にして第2の出射時間TMbに亘って出射する。このとき赤色光源60は、記録光ビームL1aを第1の出射時間TMaに亘って出射する。この結果記録層101には、熱反応により記録マークRMaが形成されると共に、2光子吸収反応により吸収変化領域RAが形成される。
この結果図18(B)の上図に示すように、赤色光源60及び青色光源65は、記録マークRMa同士を隣接して形成することにより、最初に形成された記録マークRMaの始端部から最後に形成された記録マークRMaの後端部までを3Tマーク長に形成し得るようになされている。
実際上、レーザ制御部120は、図16(C)及び(D)に示すように、赤色光源60に対して供給するレーザ駆動電流Dwrと、青色光源65に対して供給するレーザ駆動電流Dwbとをそれぞれ生成する。
すなわちレーザ制御部120は、赤色レーザ駆動電流Dwrとして、記録クロックCLwの立ち下がりに応じた一定の周期で、第1の出射光強度PPaでなる記録光ビームL1aを第1の出射時間TMaだけ出射するよう電流パルスDPaを生成する。
またレーザ制御部120は、記録データSwが「High」レベルであると認識した場合、第2の出射光強度PPbでなる記録光ビームL1bを記録光ビームL1aから出射ずれ時間ΔWL3だけ遅延させて出射するよう、記録クロックCLwの立ち下がりから電流ずれ時間ΔDrbだけ遅延させて電流パルスDPbを生成する。このときレーザ制御部120は、第2の出射光強度PPbでなる記録光ビームL1bを第2の出射時間TMbだけ出射するよう電流パルスDPbを生成する。
これに対してレーザ制御部120は、記録データSwが「Low」であると認識した場合、電流値を所定の基準値に設定する。
このように光情報記録再生装置110は、赤色光源60と青色光源65とを用いることにより、記録光ビームL1a及びL1bを出射するタイミングを互いのタイミングに拘らず自由に設定させ得、任意の形状でなる記録マークRMを形成し得るようになされている。
(3−3)動作及び効果
以上の構成において、光情報記録再生装置110は、記録光ビームL1aが照射された吸収変化領域RA及び記録光ビームL1bが照射されるスポットPbの一部のみを重複させる。これにより光情報記録再生装置110は、ほぼ基準マーク長1Tでなる記録マークRMaを形成し、記録マークRMaを隣接させて複数形成することにより、基準マーク長1Tの整数倍でなる整数倍マーク長の記録マークRMを形成する。
以上の構成において、光情報記録再生装置110は、記録光ビームL1aが照射された吸収変化領域RA及び記録光ビームL1bが照射されるスポットPbの一部のみを重複させる。これにより光情報記録再生装置110は、ほぼ基準マーク長1Tでなる記録マークRMaを形成し、記録マークRMaを隣接させて複数形成することにより、基準マーク長1Tの整数倍でなる整数倍マーク長の記録マークRMを形成する。
この結果、光情報記録再生装置110は、記録光ビームL1aが照射されてから一定の照射ずれ時間ΔWL3だけずれたタイミングで常に記録光ビームL1bを照射すれば良いため、レーザ制御部120の処理負荷を軽減することができる。
また光情報記録再生装置110は、記録光ビームL1aを出射する第1の光源としての赤色光源60と、記録光ビームL1bを出射する第2の光源としての青色光源65を有する。
これにより光情報記録再生装置110は、記録光ビームL1a及びL1bを同時に出射することができるため、記録光ビームL1a及びL1bの出射タイミングにかかる制約を少なくすることができ、記録マークRMの形状を一段と自由に調整することができる。
さらに光情報記録再生装置110は、一定の周期で記録光ビームL1aを照射する一方、情報に応じて記録光ビームL1bを出射するようにした。
これにより光情報記録再生装置110は、情報に拘らず記録光ビームL1aを常に照射すれば良いため、情報に応じて速やかに記録光ビームL1aを照射する方法と比較してレーザ制御部120の処理負荷を軽減することができる。
また光情報記録再生装置110は、記録光ビームL1bよりも長い波長でなる記録光ビームL1aを赤色光源60から出射し、情報再生処理の際、青色光源65から記録光ビームL1bよりも出射光強度の小さい読出光ビームL2を出射させる。
これにより光情報記録再生装置110では、読出光ビームL2のスポット径dを記録マークRMのトラック方向の幅wtに合わせて小さくしてクロストークを防止することができる。このため光情報記録媒体100に記録マークRMのトラック方向のサイズに応じた記録密度で情報を記録させることができ、光情報記録媒体100の記録容量を向上させることができる。
また光情報記録再生装置1では、読出光ビームL2のスポット径dを記録マークRMに合わせて小さくするため、目標位置PGに記録マークRMが存在する場合には、読出光ビームL2の殆どを目標位置PGにおける記録マークRMに照射することができ、クロストークを効果的に防止して再生特性を向上させることができる。
以上の構成によれば、本発明は、波長の異なる2つの記録光ビームL1a及びL1bを出射する2つの光源を用いることにより、記録光ビームL1a及びL1bの出射タイミングの自由度を向上させることができ、記録マークRMの形状を一段と自由に制御できる。
(4)他の実施の形態
なお上述した第1及び第2の実施の形態においては、2光子吸収反応によって吸収変化領域RAの光吸収特性が変化するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば2光子吸収反応による発熱で高温状態にある変化領域を形成し、変化領域に対してさらに熱反応が生じることにより記録マークRMが形成されるようにしても良い。また本発明は、例えば2光子吸収反応による光重合反応により吸収変化領域RAを形成するようにしても良い。この場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお上述した第1及び第2の実施の形態においては、2光子吸収反応によって吸収変化領域RAの光吸収特性が変化するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば2光子吸収反応による発熱で高温状態にある変化領域を形成し、変化領域に対してさらに熱反応が生じることにより記録マークRMが形成されるようにしても良い。また本発明は、例えば2光子吸収反応による光重合反応により吸収変化領域RAを形成するようにしても良い。この場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また上述した第1及び第2の実施の形態においては、基準マーク長1Tでなる記録マークRMaが複数形成されることにより基準マーク長1Tの整数倍でなる記録マークRMが形成されるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、基準マーク長1Tの整数倍でなる連続的な記録マークRMが形成されても良い。この場合本発明は、例えばマーク長に応じた時間だけ記録光ビームL1aを照射した後、一旦照射位置を戻してマーク長に応じた時間だけ記録光ビームL1bを照射するようにする。また、第2の実施の形態による記録光ビームL1aの照射を予めプレフォーマットとして光情報記録媒体に実行しておき、予め吸収変化領域RAを形成しておくようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、レーザ制御部18によるレーザ駆動電流Dw又はレーザ制御部120による赤色レーザ駆動電流Dw及び青色レーザ駆動電流Dwbの制御によって吸収変化領域RAとスポットPbの一部が重複するように記録光ビームL1a及びL1bを照射する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば対物レンズ23又は63の前段に光を遮断して光量を制御する光量調整素子を設けるようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、バインダー樹脂として各種樹脂材料が用いられるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば必要に応じて各種添加剤や例えばシアニン系、クマリン系、キノリン系色素などの増感色素などを加える等しても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、光情報記録媒体100の基板102側の面から記録光ビームL1及び読出光ビームL2をそれぞれ照射するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば記録光ビームL1を基板103側の面から照射するようにする等、各光又は光ビームをそれぞれいずれの面、もしくは両面から照射するようにしても良い。なお記録光ビームを両面から照射する手法については、例えば特許文献2に記載されている。
特開2008−71433公報
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、対物レンズ23及び63のサーボ制御について特に述べていないが、例えば特許文献2に記載のように、サーボ層104に対してサーボ制御用のサーボ光ビームを照射することによりサーボ制御を実行するようにできる。また記録層101内に予めサーボ制御用のサーボ用マークが形成されており、当該サーボ用マークを用いてサーボ制御が実行されるようにしても良い。この場合、光情報記録媒体100においてサーボ層104は不要となる。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、空洞でなる記録マークRMを形成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば化学変化によって屈折率を局所的に変化させることにより記録マークRMを形成するようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、光ピックアップ17の外部にレーザ制御部18が設けられるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、光ピックアップ17の内部にレーザ制御部18が設けられるようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、記録光ビームL1よりも短い波長でなる読出光ビームL2を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば開口数の異なる2つの対物レンズを切り替えて使用することにより、同一波長でなる記録光ビームL1及び読出光ビームL2を使用しつつスポット径dを変更するようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、記録再生光源10から出射される記録光ビームL1及び読出光ビームL2の波長を波長405[nm]とする以外にも、他の波長とするようにしても良く、要は記録層101内における目標位置PGの近傍に記録マークRMを適切に形成できれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、光情報記録媒体100を円盤状に形成し、当該光情報記録媒体100を回転させながら同心円状又はらせん状に並んで記録マークRMが形成されるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば光情報記録媒体を矩形板状や正方形板状に形成し、光情報記録媒体をステージ駆動するようにしても良い。また光情報記録媒体の位置を固定して対物レンズを変位させることも可能である。なお光情報記録媒体100として記録容量が250GBでなる2層BDの5倍以上の容量を得るためには、記録層101の厚みは100[μm]以上とすることが望ましい。
また、戻り光ビームL3の代わりに、読出光ビームL2の透過光を受光する受光素子を配置して記録マークRMの有無に応じた読出光ビームL2の光変調を検出することにより、当該読出光ビームL2の光変調を基に情報を再生するようにしても良い。さらには、記録層101単体で所望の強度が得られる場合等に、光情報記録媒体100から当該基板102及び103を省略しても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、記録光ビームL1の波長を波長405[nm]及び780[nm]とする以外にも、他の波長とするようにしても良く、要は記録層101内における目標位置PGの近傍に記録マークRMを適切に形成できれば良い。また記録光ビームL1aの波長を記録光ビームL1bの波長よりも短くしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、第1の出射光強度PPaと第2の出射光強度PPbとが異なるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、同一の出射光強度としても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、2T〜11Tでなる記録マークRMを形成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々のマーク長でなる記録マークRMを形成しても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、光情報記録再生装置10及び110が光情報記録媒体100から情報を記録及び再生する光情報記録再生装置でなるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、光情報記録再生装置が光情報記録媒体100に対して情報の記録のみを行う光情報記録装置であっても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態における構成を適宜組み合わせることが可能であることは、言うまでもない。
さらに上述した実施の形態においては、記録層としての記録層101によって光情報記録媒体としての光情報記録媒体100を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる記録層によって光情報記録媒体を構成するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、光照射部としての対物レンズ23と、位置制御部としてのスピンドルモータ15と、照射制御部としてのレーザ制御部とによって情報記録装置としての情報記録再生装置10を構成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる光照射部と、位置制御部と、照射制御部とによって本発明の光情報記録装置を構成するようにしても良い。
本発明は、例えば映像コンテンツや音声コンテンツ等のような大容量の情報を光情報記録媒体等の記録媒体に記録し又は再生する光情報記録再生装置等でも利用できる。
10、110……光情報記録再生装置、11……制御部、17、117……光ピックアップ、18、120……レーザ制御部、20……記録再生光源、23、63……対物レンズ、160……赤色光源、65……青色光源、100……光情報記録媒体、101……記録層、t1、t2、t3……厚さ、L1、L1a、L1b……記録光ビーム、L2……読出光ビーム、L3……戻り光ビーム、DPa、DPb、DPrd、DPbl……電流パルス、WL……発光波形、ΔWL、ΔWL1、ΔWL2、ΔWL3……照射ずれ時間、ΔDab1、ΔDab2、ΔDrb……電流ずれ時間、Dw……レーザ駆動電流、Dwr……赤色レーザ駆動電流、Drb……青色レーザ駆動電流、PPa……第1出射光強度、PPb……第2出射光強度。
Claims (9)
- 記録マークが線状に並べて配置されてなるトラックが形成された記録層を有し、
上記記録マークは、
2光子吸収反応が生じた範囲において所定の記録光の照射による熱反応が生じた一部分に形成され、基準となる基準マーク長における上記トラックが伸びるトラック方向の幅が、当該トラック方向と垂直な2方向の幅よりも小さい
光情報記録媒体。 - 上記熱反応は、
上記2光子吸収反応を生じた光と同一の波長でなる上記記録光が、上記2光子吸収が生じた範囲の一部に照射されたことにより生じた
請求項1に記載の光情報記録媒体。 - 上記記録層は、
上記2光子吸収反応により光吸収特性が変化する
請求項1に記載の光情報記録媒体。 - 上記記録マークは、
ほぼ上記基準マーク長でなる上記記録マークが複数形成されることにより、上記基準マーク長の整数倍になるよう形成される
請求項1に記載の光情報記録媒体。 - 上記記録マークは、
隣接するほぼ上記基準マーク長でなる上記記録マーク同士が、始端部及び後端部を隣接又は一部重複させた状態で形成されてなる
請求項4に記載の光情報記録媒体。 - 上記記録層は、
上記2光子吸収反応により光吸収特性が変化し、当該光吸収特性が変化した箇所に光が照射されると熱反応を生じる光吸収変化材料を含有し、上記記録光の照射により生じる上記熱反応に応じて局所的に屈折率が変化されて上記記録マークが形成された
請求項1に記載の光情報記録媒体。 - 上記記録層は、
熱反応に応じて局所的に屈折率を変化させるバインダー樹脂中に、上記光吸収変化材料を分散させてなる
請求項6に記載の光情報記録媒体。 - 上記光吸収変化材料は、
光の照射に応じて可逆的に化学構造を変化させることにより、光吸収特性を変化させるフォトクロミック材料である
請求項6に記載の光情報記録媒体。 - 第1の記録光が照射されることにより2光子吸収反応を生じる記録層を有し、
上記記録層は、
上記第1の記録光の照射後に照射される第2の記録光の照射範囲と上記2光子吸収反応が生じた範囲との重複部分において熱反応を生じ、当該重複部分を記録マークとする情報記録に用いられる
光情報記録媒体。
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