JP2002334433A - 情報記録方法、情報記録装置及び情報処理装置 - Google Patents

情報記録方法、情報記録装置及び情報処理装置

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JP2002334433A
JP2002334433A JP2001135211A JP2001135211A JP2002334433A JP 2002334433 A JP2002334433 A JP 2002334433A JP 2001135211 A JP2001135211 A JP 2001135211A JP 2001135211 A JP2001135211 A JP 2001135211A JP 2002334433 A JP2002334433 A JP 2002334433A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単なパルス制御により、十分な加熱及び冷
却時間を確保でき、かつ、光源駆動部を高速化せずに所
定の記録マーク長を得ることができ、高速記録可能な情
報記録方法を提供する。 【解決手段】 マークデータ長が2T増加する度に加熱
パルスHmpと冷却パルスCmpとの個数を各々1個増加さ
せることで、高速記録時であっても十分な加熱・急冷を
可能とする。この際、最後尾の冷却パルスCendの後の
消去領域先頭部分に消去パワーPe1のレベルの増減変更
により記録マーク長を規定する記録マーク用消去パルス
E2又はE3を付加することで、マルチパルス列中の各々
の加熱パルスHmpのパターンを変化させる必要なく、最
後尾の冷却パルスCendと記録マーク用消去パルスE2又
はE3の第2の消去パワーPe2又は第3の消去パワーPe
3のレベル設定との組合せのみの簡単なパルス制御で、
高精度にマーク長に応じた後エッジ位置の制御を行える
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶相とアモルフ
ァス相とに可逆的に相変化する記録層を有する記録媒体
上に光源からの光により情報を記録する情報記録方法、
情報記録装置及び情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディアの普及に伴い音楽用C
D,CD−ROM,DVD,DVD−ROMなどの再生
専用メディア(記録媒体)や情報再生装置が実用化され
ている。最近では、色素材料を用いた追記型(R)光デ
ィスクや、光磁気材料を用いた書き替え可能なMOディ
スクの他に相変化型ディスクも注目されている。
【0003】この相変化型メディアは、記録材料を結晶
相とアモルファス相とに可逆的に相変化させて情報を記
録するものである。また、相変化型メディアは、MOメ
ディアなどと異なり、外部磁界を必要とせず半導体レー
ザからなる光源からのレーザ光だけで情報の記録、再生
ができ、かつ、情報の記録と消去がレーザ光により一度
に行われるオーバーライト記録が可能である。ここに、
半導体レーザは半導体レーザ駆動回路により駆動され
る。
【0004】一般に、情報記録媒体に情報を記録するた
めの記録波形としては、EFM(Eight Fourteen Modul
ation)変調コードなどに基づいて生成した単パルスの
半導体レーザ発光波形があるが、相変化型メディアの場
合、この記録波形では、蓄積した熱により記録マークが
涙状に歪みを生じたり、冷却速度が不足してアモルファ
ス相の形成が不十分となり、レーザ光に対して低反射率
の記録マークが得られないなどの問題がある。
【0005】そこで、相変化型メディアに情報を記録す
る従来の情報記録方式は、図1(a)に示すようにEF
M変調コードなどに基づいて生成した多段の記録パワー
を用いたマルチパルス波形のレーザ光により相変化型メ
ディアにマークを形成することで上記問題を防止するよ
うにしている。このマルチパルス波形のマーク部は、相
変化型メディアの記録膜を融点温度以上に十分に予備加
熱するための先頭加熱パルスHtopと、後続する複数個
の連続した加熱マルチパルスHmpと、これらのパルス間
の連続した冷却マルチパルスCmpとからなっており、先
頭加熱パルスHtopの発光パワーをPhtop、加熱マルチ
パルスHmpの発光パワーをPhmp、冷却マルチパルスCm
pの発光パワーをPcmp、リードパワーをPrとすればPh
top=Phmp>Pcmp≒Prに設定されている。
【0006】マルチパルス波形のイレース部はイレース
パルスEからなり、その発光パワーPeはPhmp<Pe<
Pcmpに設定されている。
【0007】このように記録波形をマルチパルス波形と
することで、相変化型メディアは加熱→冷却の急冷条件
によりアモルファス相がマーク部として形成され、加熱
のみの徐冷条件により結晶相がスペース部として形成さ
れ、アモルファス相と結晶相とで十分な反射率差が得ら
れる。
【0008】また、情報記録方式としてはマークポジシ
ョン(PPM)記録方式とマークエッジ(PWM:Puls
e Width Modulation)記録方式があるが、最近では高密
度化に対応できるマークエッジ記録方式が用いられるよ
うになっている。相変化型メディアにマークエッジ記録
方式で情報を記録する場合、記録チャンネルクロックの
周期Tに対する比が約0.5Tのパルス幅を有する加熱パ
ルス及び冷却パルスを用いている。
【0009】即ち、記録データのマーク長が1T増加す
る毎に1組の加熱パルスと冷却パルスを加算したマルチ
パルスの光を用いている。図1(a)はその代表的な記
録波形例を示している。この記録波形は、異なるマーク
長の記録データを常に一定の加熱冷却条件で記録できる
ので、記録データのマーク長に依存したエッジシフトが
低減されている。また、この記録波形で高速記録を行う
場合、記録チャンネルクロックを2倍、4倍というよう
に記録線速度と同倍率で高周波化するとともに、基本な
パルス数や記録パワーの大小関係を維持しながら加熱マ
ルチパルスHhmpのパルス幅Thmpが約0.25Tから約0.55
Tまでの範囲で変化するように設定している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】相変化型メディアにマ
ークエッジ記録方式で情報を記録する場合、相変化型メ
ディアは記録マーク形成部分で十分な加熱と急冷とを行
ってマークの前後のエッジ部を鮮明に形成することが重
要である。
【0011】しかしながら、高速記録を行う場合、記録
波形はそのままで、記録チャンネルクロックを2倍、4
倍というように記録線速度と同倍率で高周波化している
ので、加熱パルス及び冷却パルスの時間幅が非常に小さ
くなり、記録膜の層変化に必要な到達温度と冷却速度を
得ることが困難となっていた。また、加熱パルスの記録
チャネルクロックの周期Tに対する比が増大し十分な冷
却時間が確保できずマークの形成が不十分となり、正確
なマーク長の記録ができなくなっていた。
【0012】より具体的には、高速記録を行う場合、半
導体レーザ駆動回路の立上り時間、立下り時間が記録チ
ャンネルクロックに対して大きくなると、例えば、11
Tのマークを記録するときに図2(a)に示すように記
録発光波形になまりが生ずるので、相変化型メディアは
十分な加熱及び冷却が行えなくなり、記録マークが細く
なるという問題が生じている。このときに得られる再生
信号としてのRF信号は記録データ長が長くなるに従っ
て振幅変動が生じマーク長が極端に短くなってしまう。
従って、高速記録時には、半導体レーザ駆動回路の高速
応答化が必要となり、回路が大規模となったり高コスト
化を招いたりしていた。
【0013】この点、特開平9−134525号公報に
よれば、記録チャンネルクロック周期に対する偶数長と
奇数長との何れか一方のマーク長の記録データを記録す
る場合に、後部加熱パルスと後部冷却パルスのパルス幅
を記録チャンネルクロック周期と略同一とする記録方法
が記載されている。
【0014】この記録方法によれば、マルチパルス列の
実質的な周期が記録チャンネルクロックの1/2となり
十分な加熱時間と冷却時間とを確保することができるも
のの、各々のマークデータ長に応じて個別にマルチパル
ス列の所定の加熱パルス幅を変化させておりパルス幅の
制御処理が複雑となっている。
【0015】また、特開平11−175976号公報に
は、記録エネルギー発生源の駆動を容易とし、同時に記
録媒体に十分な冷却時間を確保するため、情報記録時に
単位時間当たりの注入エネルギーの任意の2変化点の間
隔が検出窓幅以上又は検出窓幅の略自然数倍となるよう
にマーク長に応じて該マーク形成期間内の注入エネルギ
ー・パルス数を変化させるエネルギー発生手段の駆動手
段を備える方法が記載されている。この方法は特開平9
−134525号公報と類似する方法であり、マルチパ
ルス列の先頭加熱パルス若しくは最後尾加熱パルスのパ
ルス幅と加熱パワーレベルとを変化させてマーク形成の
ためのエネルギーを制御するようにしている。
【0016】この方法は、GeSbTe系の相変化型メディア
のように加熱パワーによる累積のエネルギー(ヒートモ
ード)によってマークが形成される記録媒体には高精度
なマークの形成が期待されるが、AgInSbTe系のように加
熱パルス直後の冷却パルスによる急冷速度によってマー
クの形成位置が制御される記録媒体には適応が困難であ
る。
【0017】また、高速記録でのマルチパルス列のパル
ス幅の設定は、図4のように記録チャネルクロックの周
期Tに対する加熱マルチパルス幅Thmpの比が大きくな
ってしまい、冷却パルスの急冷条件によって形成される
マーク部が小さくかつ細く形成されるようになってしま
う。この現象は加熱パルスの比が0.55Tを越えると顕著
になってしまい、高速記録の限界速度となっている。
【0018】本発明は、簡単なパルス制御により、十分
な加熱時間及び冷却時間を確保でき、かつ、光源駆動部
を高速化することなく所定の記録マーク長を得ることが
でき、従来の記録媒体の記録速度範囲を超える高速記録
を行うことが可能な情報記録方法、情報記録装置及び情
報処理装置を提供することを目的とする。
【0019】より詳細には、マルチパルス列での加熱パ
ルスと冷却パルスの実質的な周期を記録チャンネルクロ
ック周期より長くして十分な加熱時間と冷却時間を確保
することを基本として高速記録対応とし、かつ、マルチ
パルス列の各々の加熱パルスを変化させることなく最後
尾の冷却パルスとその直後の消去パルスとで高精度に記
録マークの後エッジ位置を制御できるようにすることを
目的とする。
【0020】また、併せて、加熱パルスと冷却パルスと
の個数が同数となる2つのマークデータ長に対する最後
尾の冷却パルスのパルス幅を短い期間と長い期間として
増減させることで、各々の記録マーク長の後エッジ位置
を高精度に制御できるようにすることを目的とする。
【0021】さらには、加熱パルスと冷却パルスとの個
数が同数となる2つのマークデータ長に対する、最後尾
の冷却パルス直後に位置する記録マーク用消去パルスの
各々の消去パワーの比を異なる値とすることで、各々の
理想的な記録マーク長の後エッジ位置となるように制御
できるようにすることを目的とする。
【0022】また、従来のマルチパルス列を用いた情報
記録媒体に対しても、より高速に記録できるようにする
ことを目的とする。
【0023】さらには、容易で安価な付加回路で従来の
マルチパルス列を用いた情報記録媒体をより高速に記録
できるようにすることを目的とする。
【0024】さらに、情報記録媒体によって設定された
通常の記録速度での従来のマルチパルス列を用いた情報
記録方法に加えて、より高速に記録するための情報記録
方法を、容易で安価な付加回路によって実現することを
目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
結晶相とアモルファス相とに可逆的に相変化する記録層
を有する情報記録媒体上に光源からの光により情報を記
録する際に、前記光源をマークデータに対応した加熱パ
ルスとこの加熱パルスと同数の冷却パルスとからなるマ
ルチパルス列の発光波形となるように発光させて記録マ
ークを形成する情報記録方法において、記録チャンネル
クロック周期をTとしたときのマークデータ長が2T増
加する度に加熱パルスと冷却パルスとの個数を各々1個
増加させ、最後尾の冷却パルスの後の消去領域先頭部分
にスペースデータ用の消去パワーのレベルの増減変更に
より記録マーク長を規定する記録マーク用消去パルスを
付加するようにした。
【0026】従って、マークデータ長が2T増加する度
に加熱パルスと冷却パルスとの個数を各々1個増加させ
ることで、マルチパルス列の実質的な周期を記録チャン
ネルクロックの1/2にすることができ、高速記録時で
あっても十分な加熱時間と冷却時間とを確保して加熱・
急冷により記録マーク形成することができ、この際、最
後尾の冷却パルスの後の消去領域先頭部分にスペースデ
ータ用の消去パワーのレベルの増減変更により記録マー
ク長を規定する記録マーク用消去パルスを付加すること
で、マルチパルス列中の各々の加熱パルスのパターンを
変化させる必要なく、新たに付加する記録マーク用消去
パルスのパワーレベル設定に関する簡単なパルス制御
で、高精度にマーク長に応じた後エッジ位置の制御を行
うことができ、簡単な制御による高速仕様の記録方法を
提供できる。
【0027】請求項2記載の発明は、請求項1記載の情
報記録方法において、最後尾の冷却パルスのパルス幅の
増減と記録マーク用消去パルスの消去パワーレベルの増
減との組合せにより、加熱パルスと冷却パルスとの個数
が同数となる2つのマークデータ長の記録マーク間に1
T分のマークデータ長差を持たせるようにした。
【0028】従って、最後尾の冷却パルスのパルス幅の
増減と新たに付加する記録マーク用消去パルスの消去パ
ワーレベルの増減との組合せのみの簡単なパルス制御
で、高精度にマーク長に応じた後エッジ位置の制御を行
うことができ、簡単な制御による高速仕様の記録方法を
提供できる。
【0029】請求項3記載の発明は、結晶相とアモルフ
ァス相とに可逆的に相変化する記録層を有する情報記録
媒体上に光源からの光により情報を記録する際に、前記
光源をマークデータに対応した加熱パルスとこの加熱パ
ルスと同数の冷却パルスとからなるマルチパルス列の発
光波形となるように発光させて記録マークを形成する情
報記録方法において、記録チャンネルクロック周期をT
としたときのマークデータ長が2T増加する度に加熱パ
ルスと冷却パルスとの個数を各々1個増加させ、最後尾
の冷却パルスの後のスペースデータに対応した第1の消
去パワーからなる消去領域先頭部分に前記第1の消去パ
ワーのレベルを増減変更させた記録マーク用消去パルス
を付加し、加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数とな
る2つのマークデータ長間で一方の記録マーク用消去パ
ルスのレベルを第1の消去パワーより増加変更させた第
2の消去パワーとし、他方の記録マーク用消去パルスの
レベルを第1の消去パワーより減少変更させた第3の消
去パワーとした。
【0030】従って、マークデータ長が2T増加する度
に加熱パルスと冷却パルスとの個数を各々1個増加させ
ることで、マルチパルス列の実質的な周期を記録チャン
ネルクロックの1/2にすることができ、高速記録時で
あっても十分な加熱時間と冷却時間とを確保して加熱・
急冷により記録マーク形成することができ、この際、最
後尾の冷却パルスの後の消去領域先頭部分にスペースデ
ータ用の消去パワーのレベルの増減変更により記録マー
ク長を規定する記録マーク用消去パルスを付加すること
で、マルチパルス列中の各々の加熱パルスのパターンを
変化させる必要なく、最後尾の冷却パルスと新たに付加
する記録マーク用消去パルスの第2の消去パワー又は第
3の消去パワーなるパワーレベル設定との組合せのみの
簡単なパルス制御で、高精度にマーク長に応じた後エッ
ジ位置の制御を行うことができ、簡単な制御による高速
仕様の記録方法を提供できる。
【0031】請求項4記載の発明は、請求項3記載の情
報記録方法において、記録マークデータを生成する記録
変調方式がEFM系であり、加熱パルスと冷却パルスと
の個数が同数となる2つのマークデータ長のうちで、短
い方のマークデータ長の記録マーク用消去パルスを第2
の消去パワーで発光させ、かつ、長い方のマークデータ
長の記録マーク用消去パルスを第3の消去パワーで発光
させるようにした。ここに、EFM系とは、EFM(C
D系)自体はもちろん、EFM plus(DVD系)を含
む意味である。
【0032】従って、特に記録変調方式がEFM系の場
合に適した記録マーク用消去パルスのパワー設定方法が
明らかとなる。
【0033】請求項5記載の発明は、請求項3又は4記
載の情報記録方法において、加熱パルスと冷却パルスと
の個数が同数となる2つのマークデータ長のうちで、記
録マーク用消去パルスを第2の消去パワーで発光させる
マークデータ長に対する最後尾の冷却パルスのパルス幅
Tcend2を、記録マーク用消去パルスを第3の消去パワ
ーで発光させるマークデータ長に対する最後尾の冷却パ
ルスのパルス幅Tcend3よりも短く設定した。
【0034】従って、このような長短関係の設定によ
り、加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数となるマル
チパルス列を用いても記録マーク長を所定量だけ異なる
長さに形成することが可能となる。
【0035】請求項6記載の発明は、請求項3,4又は
5記載の情報記録方法において、加熱パルスの加熱パワ
ーPhに対する第1の消去パワーPe1の比をε1(=Pe1
/Ph)とし、加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数
となる2つのマークデータ長の各々に応じた加熱パワー
Phに対する第2の消去パワーPe2の比をε2、加熱パワ
ーPhに対する第3の消去パワーPe3の比をε3としたと
きに、ε2はε1+0.05<ε2<ε1+0.20の範囲に、か
つ、ε3はε1−0.20<ε3<ε1−0.05の範囲に設定する
ようにした。
【0036】従って、このような範囲設定により、加熱
パルスと冷却パルスとの個数が同数となるマルチパルス
列を用いても記録マーク長を所定量だけ異なる長さに形
成することが可能となる。
【0037】請求項7記載の発明は、請求項5又は6記
載の情報記録方法において、最後尾の冷却パルスのパル
ス幅Tcend2,Tcend3間の差(Tcend3−Tcend2)を0.
3T以上0.7T以下の範囲に設定するようにした。
【0038】従って、このような範囲設定により、加熱
パルスと冷却パルスとの個数が同数となるマルチパルス
列を用いても記録マーク長を所定量だけ異なる長さに形
成することが可能となる。
【0039】請求項8記載の発明は、請求項5,6又は
7記載の情報記録方法において、前記情報記録媒体のプ
リフォーマット部にプリフォーマットされた最後尾の冷
却パルスのパルス幅Tcend2,Tcend3、加熱パワーPh
に対する第2の消去パワーPe2の比ε2、及び、加熱パ
ワーPhに対する第3の消去パワーPe3の比ε3に関する
設定情報に基づいて、最後尾の冷却パルスのパルス幅及
び記録マーク用消去パルスの発光レベルを設定するよう
にした。
【0040】従って、消去パワーの比ε2,ε3と、最後
尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tcend3とに関する
設定情報を情報記録媒体のプリフォーマット部に予め埋
め込んであるので、相変化型メディアの設計条件に固有
の消去パワーの比と最後尾の冷却パルスのパルス幅とを
対象となる相変化型メディアから読み出して適正な記録
条件を設定することができる。
【0041】請求項9記載の発明は、請求項5,6又は
7記載の情報記録方法において、情報記録装置の記録条
件保存部に予め保存された最後尾の冷却パルスのパルス
幅Tcend2,Tcend3、加熱パワーPhに対する第2の消
去パワーPe2の比ε2、及び、加熱パワーPhに対する第
3の消去パワーPe3の比ε3に関する設定情報に基づい
て、最後尾の冷却パルスのパルス幅及び記録マーク用消
去パルスの発光レベルを設定するようにした。
【0042】従って、消去パワーの比ε2,ε3と、最後
尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tcend3とに関する
設定情報を情報記録再生装置の記録条件保存部に予め保
存させておくことにより、相変化型メディアの設計条件
に固有の消去パワーの比と最後尾の冷却パルスのパルス
幅とを情報記録再生装置が読み出すことができる。ま
た、情報記録再生装置が予め対象となる相変化型メディ
アに最適な設定を取得し記録条件保存部から読み出すこ
とで、記録再生装置固有のLD波長やNAによる光スポ
ット径や発光波形のずれが補正されさらに高精度な記録
を行うことが可能となる。
【0043】請求項10記載の発明は、請求項5ないし
9の何れか一記載の情報記録方法において、通常の記録
可能な記録速度が所定の範囲で設定された前記情報記録
媒体に対して、前記所定の範囲を超える記録速度となる
記録時には、前記通常の記録可能な記録速度で設定され
るマルチパルス列の設定とは異なるマルチパルス列とな
るように、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tc
end3、加熱パワーPhに対する第2の消去パワーPe2の
比ε2、及び、加熱パワーPhに対する第3の消去パワー
Pe3の比ε3を新たに設定するようにした。
【0044】従って、相変化型メディアで設定されてい
る通常のマルチパルス列による記録速度を超える記録速
度となる記録時には、消去パワーの比ε2,ε3及び最
後尾の冷却パルスのパルス幅Tecp2,Tecp3を新たに設
定することにより、従来のマルチパルス列で記録可能な
記録速度を超える場合であっても、マルチパルス列を異
なる設定に変えるだけで広範囲な記録速度での記録を実
現できる。
【0045】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の情報記録方法において、通常の記録可能な記録速度で
設定されるマルチパルス列のうち、所定の範囲を超える
記録速度となって、先頭の加熱パルスに後続する加熱パ
ルスのパルス幅が略0.55Tを超える設定となる場合に、
最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tcend3、加熱
パワーPhに対する第2の消去パワーの比ε2、及び、加
熱パワーPhに対する第3の消去パワーの比ε3を新たに
設定するようにした。
【0046】従って、相変化型メディアの通常の記録可
能な記録速度が所定の範囲で設定され、所定の記録速度
で設定される従来のマルチパルス列のうち、所定の範囲
を超える記録速度となって先頭の加熱パルスに後続する
加熱マルチパルスのパルス幅が略0.55Tを超える設定と
なる場合に、消去パワーの比ε2,ε3及び最後尾の冷
却パルスのパルス幅Tecp2,Tecp3を設定することによ
り、相変化型メディアに事実上記録不可能となるような
加熱マルチパルス幅となる記録速度を判断した上で、請
求項10記載の発明の高速記録のマルチパルス列を設定
できる。また、従来のマルチパルス列で記録可能な記録
速度を超える領域に亘って広範囲な記録速度での記録を
実現できる。
【0047】請求項12記載の発明は、結晶相とアモル
ファス相とに可逆的に相変化する記録層を有する情報記
録媒体上に光源からの光により情報を記録する際に、前
記光源をマークデータに対応した加熱パルスとこの加熱
パルスと同数の冷却パルスとからなるマルチパルス列の
発光波形となるように発光させて記録マークを形成する
情報記録装置において、記録チャンネルクロック周期を
Tとしたときのマークデータ長を計数するマーク長カウ
ント部と、このマーク長カウント部によるカウント値が
2T増加する度に前記光源に対する駆動電流源を制御し
て加熱パワーと冷却パワーとをパルス駆動させるための
加熱パルスと冷却パルスとによる制御パルスを各々1個
増加させるパルス数制御部と、各々の制御パルスを生成
する記録パルス生成部と、各々の制御パルスのタイミン
グで所定の加熱パワーと冷却パワーとなるように前記光
源を駆動する加熱パワー駆動部及び冷却パワー駆動部
と、消去領域に対応する第1の消去パルス領域で所定の
第1の消去パワーとなるように前記光源を駆動する第1
の消去パワー駆動部と、最後尾の冷却パルスの後の消去
領域先頭部分に第1の消去パルスに代えて記録マーク長
を規定する記録マーク用消去パルスを生成する記録マー
ク用消去パルス生成部と、記録マーク用消去パルス領域
で所定の消去パワーとなるように前記光源を駆動する記
録マーク用消去パワー駆動部と、を備える。
【0048】従って、必要最小限の付加回路によって、
前述した情報記録方法を実現するための情報記録装置を
提供することができる。
【0049】請求項13記載の発明は、請求項12記載
の情報記録装置において、前記記録マーク用消去パワー
駆動部は、加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数とな
る2つのマークデータ長間で一方の記録マーク用消去パ
ルスのレベルを第1の消去パワーより増加変更させた第
2の消去パワーとし、他方の記録マーク用消去パルスの
レベルを第1の消去パワーより減少変更させた第3の消
去パワーとして前記光源を駆動するようにした。
【0050】従って、請求項12記載の発明を実現する
上で、マークデータ長が2T増加する度に加熱パルスと
冷却パルスとの個数を各々1個増加させることで、マル
チパルス列の実質的な周期を記録チャンネルクロックの
1/2にすることができ、高速記録時であっても十分な
加熱時間と冷却時間とを確保して加熱・急冷により記録
マーク形成することができ、この際、最後尾の冷却パル
スの後の消去領域先頭部分にスペースデータ用の消去パ
ワーのレベルの増減変更により記録マーク長を規定する
記録マーク用消去パルスを付加することで、マルチパル
ス列中の各々の加熱パルスのパターンを変化させる必要
なく、最後尾の冷却パルスと新たに付加する記録マーク
用消去パルスの第2の消去パワー又は第3の消去パワー
なるパワーレベル設定との組合せのみの簡単なパルス制
御で、高精度にマーク長に応じた後エッジ位置の制御を
行うことができ、簡単な制御による高速仕様の情報記録
装置を提供できる。
【0051】請求項14記載の発明は、請求項13記載
の情報記録装置において、記録マークデータを生成する
記録変調方式がEFM系であり、前記記録マーク用消去
パワー駆動部は、加熱パルスと冷却パルスとの個数が同
数となる2つのマークデータ長のうちで、短い方のマー
クデータ長の記録マーク用消去パルスを第2の消去パワ
ーで発光させ、かつ、長い方のマークデータ長の記録マ
ーク用消去パルスを第3の消去パワーで発光させるよう
にした。
【0052】従って、特に記録変調方式がEFM系の場
合に適した記録マーク用消去パルスのパワー設定が明ら
かとなる。
【0053】請求項15記載の発明は、請求項13又は
14記載の情報記録装置において、前記記録パルス生成
部は、加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数となる2
つのマークデータ長のうちで、記録マーク用消去パルス
を第2の消去パワーで発光させるマークデータ長に対す
る最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2を、記録マー
ク用消去パルスを第3の消去パワーで発光させるマーク
データ長に対する最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend
3よりも短く設定するようにした。
【0054】従って、このような長短関係の設定によ
り、加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数となるマル
チパルス列を用いても記録マーク長を所定量だけ異なる
長さに形成することが可能となる。
【0055】請求項16記載の発明は、請求項13,1
4又は15記載の情報記録装置において、前記記録マー
ク用消去パルス生成部は、加熱パルスの加熱パワーPh
に対する第1の消去パワーPe1の比をε1(=Pe1/P
h)とし、加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数とな
る2つのマークデータ長の各々に応じた加熱パワーPh
に対する第2の消去パワーPe2の比をε2、加熱パワー
Phに対する第3の消去パワーPe3の比をε3としたとき
に、ε2はε1+0.05<ε2<ε1+0.20の範囲に、かつ、
ε3はε1−0.20<ε3<ε1−0.05の範囲に設定するよう
にした。
【0056】従って、このような範囲設定により、加熱
パルスと冷却パルスとの個数が同数となるマルチパルス
列を用いても記録マーク長を所定量だけ異なる長さに形
成することが可能となる。
【0057】請求項17記載の発明は、請求項15又は
16記載の情報記録装置において、前記記録パルス生成
部は、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tcend3
間の差(Tcend3−Tcend2)を0.3T以上0.7T以下の範
囲に設定するようにした。
【0058】従って、このような範囲設定により、加熱
パルスと冷却パルスとの個数が同数となるマルチパルス
列を用いても記録マーク長を所定量だけ異なる長さに形
成することが可能となる。
【0059】請求項18記載の発明は、請求項16又は
17記載の情報記録装置において、前記記録パルス生成
部及び前記記録マーク用消去パルス生成部は、前記情報
記録媒体のプリフォーマット部にプリフォーマットされ
た最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tcend3、加
熱パワーPhに対する第2の消去パワーPe2の比ε2、及
び、加熱パワーPhに対する第3の消去パワーPe3の比
ε3に関する設定情報に基づいて、最後尾の冷却パルス
のパルス幅及び記録マーク用消去パルスの発光レベルを
設定するようにした。
【0060】従って、消去パワーの比ε2,ε3と、最後
尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tcend3とに関する
設定情報を情報記録媒体のプリフォーマット部に予め埋
め込んであるので、相変化型メディアの設計条件に固有
の消去パワーの比と最後尾の冷却パルスのパルス幅とを
対象となる相変化型メディアから読み出して取得するこ
とで、記録条件を適正に設定することができる。
【0061】請求項19記載の発明は、請求項15,1
6又は17記載の情報記録装置において、最後尾の冷却
パルスのパルス幅Tcend2,Tcend3、加熱パワーPhに
対する第2の消去パワーPe2の比ε2、及び、加熱パワ
ーPhに対する第3の消去パワーPe3の比ε3に関する設
定情報を保存する記録条件保存部を備え、前記記録パル
ス生成部及び前記記録マーク用消去パルス生成部は、前
記記録条件保存部に保存されている前記設定情報に基づ
いて、最後尾の冷却パルスのパルス幅及び記録マーク用
消去パルスの発光レベルを設定するようにした。
【0062】従って、消去パワーの比ε2,ε3と、最後
尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tcend3とに関する
設定情報を当該情報記録再生装置の記録条件保存部に予
め保存させておくことにより、相変化型メディアの設計
条件に固有の消去パワーの比と最後尾の冷却パルスのパ
ルス幅とを情報記録再生装置が読み出すことができる。
また、当該情報記録再生装置が予め対象となる相変化型
メディアに最適な設定を取得し記録条件保存部から読み
出すことで、記録再生装置固有のLD波長やNAによる
光スポット径や発光波形のずれが補正されさらに高精度
な記録を行うことが可能となる。
【0063】請求項20記載の発明は、請求項19記載
の情報記録装置において、前記記録条件保存部は、前記
設定情報を更新自在に保存するようにした。
【0064】従って、請求項19記載の発明を実現する
上で、消去パワーの比ε2,ε3と、最後尾の冷却パルス
のパルス幅Tcend2,Tcend3とに関する設定情報をアッ
プデートで更新させることも可能となり、最新の情報に
対処することができる。特に、情報処理装置に内蔵させ
た場合には、インターネットを利用したダウンロードに
よりアップデートすることも可能となる。
【0065】請求項21記載の発明は、請求項15ない
し20の何れか一記載の情報記録装置において、前記記
録パルス生成部及び前記記録マーク用消去パルス生成部
は、通常の記録可能な記録速度が所定の範囲で設定され
た前記情報記録媒体に対して、前記所定の範囲を超える
記録速度となる記録時には、前記通常の記録可能な記録
速度で設定されるマルチパルス列の設定とは異なるマル
チパルス列となるように、最後尾の冷却パルスのパルス
幅Tcend2,Tcend3、加熱パワーPhに対する第2の消
去パワーの比ε2、及び、加熱パワーPhに対する第3の
消去パワーの比ε3を新たに設定するようにした。
【0066】従って、相変化型メディアで設定されてい
る通常のマルチパルス列による記録速度を超える記録速
度となる記録時には、消去パワーの比ε2,ε3及び最
後尾の冷却パルスのパルス幅Tecp2,Tecp3を新たに設
定することにより、従来のマルチパルス列で記録可能な
記録速度を超える場合であっても、マルチパルス列を異
なる設定に変えるだけで広範囲な記録速度での記録を実
現できる。
【0067】請求項22記載の発明は、請求項21記載
の情報記録装置において、前記記録パルス生成部及び前
記記録マーク用消去パルス生成部は、通常の記録可能な
記録速度で設定されるマルチパルス列のうち、所定の範
囲を超える記録速度となって、先頭の加熱パルスに後続
する加熱パルスのパルス幅が略0.55Tを超える設定とな
る場合に、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tc
end3、加熱パワーPhに対する第2の消去パワーPe2の
比ε2、及び、加熱パワーPhに対する第3の消去パワー
Pe3の比ε3を新たに設定するようにした。
【0068】従って、相変化型メディアの通常の記録可
能な記録速度が所定の範囲で設定され、所定の記録速度
で設定される従来のマルチパルス列のうち、所定の範囲
を超える記録速度となって先頭の加熱パルスに後続する
加熱マルチパルスのパルス幅が略0.55Tを超える設定と
なる場合に、消去パワーの比ε2,ε3及び最後尾の冷
却パルスのパルス幅Tecp2,Tecp3を設定することによ
り、相変化型メディアに事実上記録不可能となるような
加熱マルチパルス幅となる記録速度を判断した上で、請
求項21記載の発明の高速記録のマルチパルス列を設定
できる。また、従来のマルチパルス列で記録可能な記録
速度を超える領域に亘って広範囲な記録速度での記録を
実現できる。
【0069】請求項23記載の発明は、請求項21又は
22記載の情報記録装置において、通常の記録可能な記
録速度内では、前記パルス数制御部は、前記マーク長カ
ウント部によるカウント値が1T増加する度に前記光源
に対する駆動電流源を制御して加熱パワーと冷却パワー
とをパルス駆動させるための加熱パルスと冷却パルスと
による制御パルスを各々1個増加させ、前記記録パルス
生成部は、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend1を基
準値に設定するようにした。
【0070】従って、従来のマルチパルス列で記録可能
な記録速度による記録の場合と、このような記録速度を
超える場合であっても、マルチパルス列を異なる設定に
変えるだけで広範囲な記録速度での記録を実現できる。
【0071】請求項24記載の発明は、請求項12ない
し23記載の情報記録装置において、記録チャンネルク
ロック周期Tよりも細かい分解能を有してエッジ信号を
出力する多数段のパルスエッジ生成部と、このパルスエ
ッジ生成部から出力される多数段のエッジ信号の中から
コントローラにより選択されたエッジ信号を選択出力す
るセレクタとを備え、前記記録パルス生成部及び前記記
録マーク用消去パルス生成部はこれらのパルスエッジ生
成部及びセレクタにより選択されるエッジ信号に基づき
最後尾の冷却パルスを含む制御パルス及び記録マーク用
消去パルスを生成するようにした。
【0072】従って、多数段のパルスエッジ生成部とセ
レクタとを利用することにより、請求項12ないし23
記載の情報記録装置を極めて簡単に実現できる。
【0073】請求項25記載の発明の情報処理装置は、
請求項12ないし24の何れか一に記載の情報記録装置
を内蔵している。
【0074】従って、請求項12ないし24の何れか一
に記載の情報記録装置を内蔵しているので、簡単なパル
ス制御により、十分な加熱時間及び冷却時間を確保で
き、かつ、光源駆動部を高速化することなく所定の記録
マーク長を得ることができ、従来の記録媒体の記録速度
範囲を超える高速記録を行うことが可能となり、情報の
外部記憶装置として有効に活用することができる。
【0075】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0076】後述する図6は本実施の形態の情報記録方
法を実現するための情報記録再生装置の構成の一例を示
している。この情報記録再生装置は、詳細は後述する
が、CD−ROMフォーマットのコードデータを情報記
録媒体である相変化型光ディスク1に記録(オーバーラ
イト)する情報記録再生装置の例であり、EFM若しく
はEFM plus変調コード(併せて、EFM系変調コー
ドとされている)を用いてマークエッジ(PWM)記録
を行う。
【0077】この情報記録再生装置は、記録時には記録
チャンネルクロックとEFMデータとに基づいてパルス
制御信号を生成し、半導体レーザ駆動回路(LDドライ
バ部2)でそのパルス制御信号に応じた駆動電流により
光ヘッド3の半導体レーザ(LD)4からなる光源を駆
動して図1(b)に示すようなマルチパルス列の発光波
形となるように発光させる一方、相変化型光ディスク1
をスピンドルモータ5で回転させて光ヘッド3にて半導
体レーザLD4からのマルチパルス列の発光波形の光を
光学系(図示せず)を介して相変化型光ディスク1の相
変化型記録層に照射させて相変化型光ディスク1に記録
マークを形成することで、情報の記録を行う。
【0078】また、この情報記録再生装置は、再生時に
は、LDドライバ部2で半導体レーザLD4を駆動して
再生パワー(リードパワー)で発光させ、光ヘッド3に
て半導体レーザLD4からの再生パワーの光を光学系を
介して相変化型光ディスク1に照射し、その反射光を光
学系を介して受光手段(図示せず)で受光して光電変換
することで再生信号を得る。
【0079】半導体レーザLD4から記録時に出射され
るマルチパルス列の発光波形の光は、図1(a)や図1
(b)に示すような先頭加熱パルスHtopと、後続する
複数個の連続した後部加熱パルスHmpと、これらの間の
連続した後部冷却マルチパルスCmpとからなるマルチパ
ルス列の発光波形である。このとき、先頭加熱パルスH
topの発光パワーPhtopと後部加熱パルスHmpの発光パ
ワーPhmpとは同一としている。
【0080】ここに、光ヘッド3中の半導体レーザLD
4は、LDドライバ部2において、駆動電流源6から先
頭加熱パルスHtopと後部加熱パルスHmpとの発光パワ
ーPhに相当する定電流が供給され、同様に冷却マルチ
パルスCmpの発光パワーPcmp(Pc)に相当する定電流
が供給され、消去パルスEの発光パワーPeに相当する
定電流が供給される。
【0081】さらに、EFMデータに基づいて加熱パル
ス制御信号と消去パルスE用の第1の消去パルス制御信
号と記録マーク用消去パルス用の制御信号を生成し、L
Dドライバ部2中に含まれるスイッチング部7は各々記
録パルス列制御部8からのパルス制御信号により対応す
る駆動電流源(定電流源)をオン/オフさせて、半導体
レーザLD4を駆動することで、図4に示すようなマル
チパルス列の発光波形で発光させる。
【0082】次に、本実施の形態による発光波形を詳細
に説明する。本実施の形態の情報記録方法は、高速記録
で記録チャンネルクロックが高い周波数となっても正確
な記録マーク長が得られるように、図1(b)及び図4
に示すような記録波形で相変化型光ディスク1に記録す
るものである。
【0083】半導体レーザLD4から出射されるマルチ
パルスの光は、図(b)に示すように、最短マーク長で
ある3T(Tは記録チャンネルクロックの周期)のマー
クを記録する場合には先頭加熱パルスHtopのパルス幅
を略1.0T、最後尾冷却パルスCendのパルス幅を略1.0
Tとしており、この波形を基本として、その他の記録チ
ャンネルクロックの周期Tに対する奇数長5T,7T,
9T,11Tの長さを有するマークデータ長の記録マー
クを記録する場合には各々先頭加熱パルスHtopと最後
尾冷却パルスCendとの間に略1.0Tのパルス幅を有する
加熱パルスHmpと略1.0T(=2T−Thtop)のパルス
幅を有する冷却パルスCmpが1組ずつ、2クロック毎に
増加するように設定している。このとき、記録チャンネ
ルクロックの周期Tに対する偶数長4T,6T,8T,
10T,14Tの長さを有するマークデータ長の記録マ
ークを記録する場合にも、各々先頭加熱パルスHtopと
最後尾冷却パルスCendとの間に略1.0Tのパルス幅を有
する加熱パルスHtopと略1.0Tのパルス幅を有する冷却
パルスCmpが1組ずつ、2クロック毎に増加するように
設定している。
【0084】即ち、3Tのマーク長を基本として、4T
と5T、6Tと7T、8Tと9T、10Tと11T、1
4Tの記録マークの組合せは、各々同一の個数の加熱パ
ルスと冷却パルスとを有している。従って、図1(a)
に示すような従来の記録波形での累積長はn−0.5Tと
一定であったが、本実施の形態の記録方法ではマルチパ
ルス列の累積長は一定とならない。
【0085】また、前述の同一の個数の加熱パルスと冷
却パルスとを有する組合せは、何れも図1(b)のよう
に異なる規則で記録波形を設定している。まず、短いマ
ークデータ長の最後尾の冷却パルスCendのパルス幅Tc
end2は略0.75Tと細く、長いマークデータ長の最後尾の
冷却パルス幅Tcend3は略1.25Tと長く設定している。
さらに、短いマークデータ長の最後尾の冷却パルスCen
dの直後の消去パルスEの先頭領域に、記録マーク用消
去パルスE2をそのパルス幅Te2が略1.0Tとなるように
付加設定され、長いマークデータ長の最後尾の冷却パル
スCendの直後の消去パルスEの先頭領域に、記録マー
ク用消去パルスE3をそのパルス幅Te3が略1.0Tとなる
ように付加設定されている。さらに、記録マーク用消去
パルスE2の期間は第2の消去パワーPe2に、記録マー
ク用消去パルスE3の期間は第3の消去パワーPe3にレ
ベル設定している。また、消去パルスEにおける消去パ
ワーPeの加熱パワーPhに対する比をε1=Pe1/Phと
なるように規定し、良好な消去が可能なパワー(例え
ば、Pe1=7.7mW,Ph=14mW、ε1=0.55)に設定して
いる。また、記録マーク用消去パルスE2の消去パワー
Pe2の加熱パワーPhに対する比をε2としたとき、ε2
=ε1+0.1となるように設定している。(例えば、Pe2
=9.1mW、Ph=14mW、ε1=0.65)。さらに、記録マーク
用消去パルスE3の消去パワーPe3の加熱パワーPhに対
する比をε3としたとき、ε3=ε1−0.1となるように設
定している(例えば、Pe3=6.3mW、Ph=14mW、ε3=
0.45)。
【0086】これらの設定によれば、図4に示すよう
に、同一の個数の加熱パルスと冷却パルスとを有するマ
ークデータ長の組合せは、何れも、短いマークデータ長
が、最後尾の冷却パルスのパルス幅の差によって長いマ
ークデータ長よりも約0.5T短くなるとともに、記録マ
ーク用消去パルスE2の消去パワーPe2の比ε2が記録マ
ーク用消去パルスE3の消去パワーPe3の比ε3よりも約
0.2高いため、形成される記録マークの後エッジ位置が
大きめに削られる形となり約0.5T短くなるように変化
し、トータルで丁度1.0T短くなっている。
【0087】従って、最後尾の冷却パルスCendのパル
ス幅Tcendの差と、記録マーク用消去パルスE2,E3の
消去パワーPe2,Pe3の比Pe2,Pe3の差を、適正な値
に設定することで、全てのマークデータ長が高精度に1
Tステップとなる記録マークに形成される。
【0088】このように、加熱パルスと冷却パルスとの
個数が同数となる2つのマークデータ長のうちで、短い
マークデータ長に対する記録マーク用消去パルスE2の
消去パワーPe2を本来の消去パルスE用の第1の消去パ
ワーPe1より高いレベルの発光パワーとし、かつ、他方
の長いマークデータ長に対する記録マーク用消去パルス
E3の消去パワーPe3を本来の消去パルスE用の第1の
消去パワーPe1より低いレベルの発光パワーとするとと
もに、短いデータ長に対する最後尾の冷却パルスCend
の冷却パルス幅Tcend2を長いマークデータ長に対する
最後尾の冷却パルスCendのパルス幅Tcend3よりも短い
期間とすることで、加熱パルスと冷却パルスとの個数が
同数となる2つのマークデータ長に対応する実際に形成
された記録マーク長が1Tの差で高精度に設定できるよ
うになる。
【0089】ところで、より具体的な設定範囲等につい
て説明する。本実施の形態で対象としているAgInSbTe系
の相変化型光ディスク1で用いられる消去パワーPe
は、一般に、0.4×Ph〜0.7×Ph程度であり、これらの
範囲より低いパワーになるとオーバーライトに必要な消
去パワーが得られず消去残りが生じて再生時のRF信号
のジッタが悪化し、逆にこれらの範囲より高いパワーに
なると記録膜の劣化が生じて許容されるオーバーライト
回数が低下してしまう。従って、設定可能な消去パワー
Pe2,Pe3自体の範囲からは、比ε2,ε3の差のみによ
って形成されるマークデータ長の差を1Tとすることは
困難であり、現実的には、約0.3T〜0.7T程度の差が得
られるように設定することが可能である。実際的には、
図1(b)、図4等に示すように、約0.5T程度のマー
クデータ長の差が得られる設定がより好ましい。よっ
て、これらの相変化型光ディスク1の特性と、上記の如
く考慮した消去パワーの比ε2,ε3はε1+0.05<ε2<
ε1+0.20、かつ、ε1−0.15<ε3<ε1−0.05の範囲に
設定することによって、適正な消去パワーを用いながら
加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数となる2つのマ
ークデータ長に対応するマーク長の差を大きく形成する
(1Tに近づける)ことが可能となる。即ち、本実施の
形態の場合では、ε1=0.55、ε2=0.65、ε3=0.45と
することで、消去パワーのレベル差のみによっては、略
0.5Tのマークデータ長の差を得ている。
【0090】また、AgInSbTe系の相変化型光ディスク1
で用いられる最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcendは0.
5Tから1.5T程度であり、これらの範囲より短いパルス
幅になると十分な冷却時間が得られず記録マークの後エ
ッジが形成できず再生時のRF信号のジッタが悪化し、
逆にこれらの範囲より長いパルス幅になると記録膜の到
達温度が低下して急冷条件が十分得られなくなり再生時
のRF信号のジッタが悪化してしまう。従って、消去パ
ワーの設定と同様に、設定可能な最後尾の冷却パルスの
パルス幅Tcend2,Tcend3自体の範囲からは、Tcend
2,Tcend3の差のみによって形成されるマークデータ長
の差を1Tとすることは困難であり、現実的には、約0.
25Tから0.75T程度の差を得られるように設定すること
が可能である。実際的には、図1(b)、図4等に示す
ように、約0.5T程度のマーク長の差を得られる設定が
より好ましい。よって、これらの相変化型光ディスク1
の特性と、上記の如く考慮した最後尾の冷却パルスのパ
ルス幅の差(Tcend3−Tcend2)を0.25T以上0.75T以
下の範囲に設定することによって、適正な最後尾の冷却
パルスのパルス幅を用いながら加熱パルスと冷却パルス
との個数が同数となる2つのマークデータ長に対応する
マーク長の差を大きく形成する(1Tに近づける)こと
が可能となる。即ち、本実施の形態の場合では、Tcend
2=0.75T、Tcend3=1.25Tとすることで、最後尾の冷
却パルスのパルス幅の差のみによっては、略0.5Tのマ
ーク長の差を得ている。
【0091】本発明の第二の実施の形態を図面を参照し
て説明する。一般に、CD−RWやDVD−RWなどの
相変化メディアは情報記録再生装置の能力に応じて所定
の記録線速度で記録できるように設計されている。例え
ば、CD−RWの場合4.8m/s(4倍速)から12m/s(1
0倍速)であり、DVD−RWの場合3.5m/s(1倍速)
から8.4m/s(2.4倍速)である如きである。本実施の
形態では、CD−RWの16倍速から32倍速や、DV
D−RWの4倍速から8倍速などの高速記録となった場
合について説明する。
【0092】図2(a)(b)に示すように、記録波形
の立上り、立下り時間は、用いられる半導体レーザLD
4の応答速度であり、接続されるLDドライバ部2の動
作速度や実装されるフレキシブル基板の配線長によって
一般的に2nsec程度が限界となる。高速記録での記録チ
ャネルクロック周波数が100MHzを超えてくると、加熱パ
ルス幅Thや冷却パルスのパルス幅Tcmpは5nsec程度と
なって立上り、立下り時間の比率が大きくなり十分な加
熱と冷却が不可能となる。
【0093】従って、本実施の形態の記録方法を用いる
には情報記録再生装置の固有の能力に応じて、前述の加
熱パルスと冷却パルスとの個数が同数となる2つのマー
クデータ長に対して、記録マーク用消去パルスの消去パ
ワーPe2,Pe3を変化させたり、最後尾の冷却パルスの
パルス幅Tcend2,Tcend3を変化させることで、実際に
形成されるマークデータ長の差が丁度1Tとなるように
高精度に設定する必要がある。
【0094】このような設定は、相変化型光ディスク1
の基板表面に形成された案内溝に付加された蛇行形状か
ら得られるウォブル信号をトラッキングエラー信号を得
るためのプッシュプル信号から分離して検出し、周波数
変調(CD−RWの場合)若しくは位相変調(DVD+
RWの場合)などで付与されるメディア固有の情報を復
調して検出することが可能になっている。即ち、CDや
DVDなどのディスクでは、一般に、トラッキングエラ
ー信号(プッシュプル信号)を得るためのグルーブ溝が
形成されており、グルーブ溝を蛇行して得られるウォブ
ル信号を重畳しており、各々の記録線速度において、プ
ログラマブルBPFによって検出し、周波数変調や位相
変調によって符号化された情報を復調することで、未記
録ディスクであってもディスク固有の設定情報を得るこ
とが可能となっている。これらの情報は、ランド部の切
り込み状態の断続ピットによって生成する場合も知られ
ている(DVD−RWの場合)。
【0095】よって、これらの記録条件(各々の記録速
度に対応した最適な記録マーク用消去パルスの消去パワ
ーの比ε2,ε3及び最後尾の冷却パルスのパルス幅Tce
nd2,Tcend3)の設定情報を、ウォブル信号から復調さ
れたメディア固有の情報としてのプリフォーマット部に
予め埋め込んでおくことで、当該情報記録再生装置は対
象となる相変化型光ディスク1から各々の記録速度に対
応した最適な記録マーク用消去パルスの消去パワーの比
ε2,ε3及び最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,
Tcend3をウォブル信号から得ることができる。
【0096】なお、このような相変化型光ディスク1か
ら得られる設定情報を利用する他に、情報記録再生装置
自身のファームウェアを格納しているメモリ部(記録条
件保存部)に、対象となる相変化型光ディスクのIDと
そのメディア固有の上記のような記録条件を含む設定情
報を予め格納しておき、認識されたメディアIDから対
応する記録条件を含む設定情報を選択して設定すること
も可能である。
【0097】このようにメディア(相変化型光ディスク
1)に埋め込まれた情報を用いないで情報記録再生装置
で最適化された記録条件の設定情報を用いることで、情
報記録再生装置固有のLD波長やNAによる光スポット
径や発光波形のずれが補正され、さらに高精度な記録を
行うことが可能となる。
【0098】この際、設定情報をメモリ部(記録条件保
存部)に更新自在に保存するようにすれば、消去パワー
の比ε2,ε3と、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend
2,Tcend3とに関する設定情報をアップデートで更新さ
せることも可能となり、最新の情報に対処することがで
きる。特に、後述するようにパソコン等の情報処理装置
に内蔵させた場合には、インターネットを利用したダウ
ンロードによりアップデートすることも可能となる。
【0099】本発明の第三の実施の形態を図面を参照し
て説明する。一般に、CD−RWやDVD−RWなどの
相変化型光ディスク1は、適応する記録速度と各々の記
録速度に対応した最適な記録波形が決まっている。例え
ば、1倍速(3.5m/s)から2.5倍速(8.5m/s)まで適
応するように設計されたDVD−RWでは、図4に示す
ように、マルチパルス列のうち先頭加熱パルスに後続す
る連続した加熱パルスHmpのパルス幅Thmpは、0.3Tか
ら0.55T程度まで増加するように設定される。このよう
に設計された相変化型光ディスク1は規定の最大記録速
度以上では、加熱パルスHmpのパルス幅Thmpが0.55T
を超えて大きくなるため、十分な冷却時間(急冷)を確
保することができなくなり、再生時のジッタ特性が悪化
するため記録不可能となってしまう。
【0100】従って、規定された記録線速度範囲では従
来例で示したように記録チャネルクロック周期と同一の
周期で加熱パルスと冷却パルスとを構成するマルチパル
ス列を生成するが、規定された記録線速度範囲を超え
て、3倍速や4倍速などの高速記録となる記録領域で
は、前述の実施の形態に示したようなマルチパルス列の
構成を用いて記録する。即ち、マルチパルス列を構成す
る加熱パルスと冷却パルスとの個数の増加のさせ方を変
更させるとともに、前述の記録マーク用消去パルスの消
去パワーの比ε2,ε3及び最後尾の冷却パルスのパル
ス幅Tecp2,Tecp3を新たに設定することで、相変化型
光ディスク1毎に規定された記録速度を超えても低ジッ
タで良好な再生特性を示す記録が可能となる。
【0101】図5はこのような切換え処理を含む記録動
作の概略処理制御例を示すフローチャートである。対象
となる相変化型光ディスク1をセットした後、その相変
化型光ディスク1のプリフォーマット情報又は当該情報
記録再生装置の記録条件保存部に保存されている記録条
件に関する設定情報を読み出した後(ステップS1)、
記録速度の設定を受け(S2)、その記録速度に適応す
る設定情報に基づきマルチパルス列の各パルス幅、各パ
ワー等を算出する(S3)。この算出結果について、加
熱マルチパルスのパルス幅Thmpが0.55T未満であるか
否かをチェックする(S4)。0.55T未満であれば(S
4のY)、従来の記録可能な記録速度領域内での記録動
作であるので、従来のマルチパルス列を選択して(S
5)、記録動作を実行させる(S6)。一方、パルス幅
Thmpが0.55T未満でなければ(S4のN)、従来の記
録可能な記録速度を超える高速記録動作であるので、本
実施の形態のようなマルチパルス列を選択して(S
7)、各パルス幅Thtop,Thmp,Tcend2,Tcend3,
Te2や各パワーPh,Pc,Pe2,Pe3の値を再設定した
後(S8)、記録動作を実行させる(S6)。
【0102】なお、ここで示した相変化型光ディスク1
の例は、記録速度を比較するためであって、CD−RW
やDVD−RWをはじめとする所定の記録速度範囲に対
応した相変化型光ディスクの何れにも対応することがで
きる。
【0103】本発明の第四の実施の形態を図6に基づい
て説明する。本実施の形態は、前述した実施の形態のよ
うな情報記録方法を実現するための情報記録装置の構成
例に関する。
【0104】まず、相変化型光ディスク1に対して、こ
の相変化型光ディスク1を回転駆動させるスピンドルモ
ータ5を含む回転制御機構9が設けられているととも
に、相変化型光ディスク1に対してレーザ光を集光照射
させる対物レンズや半導体レーザLD4等の光源を備えた
光ヘッド3がディスク半径方向にシーク移動自在に設け
られている。光ヘッド3の対物レンズ駆動装置や出力系
に対してはアクチュエータ制御機構10が接続されてい
る。このアクチュエータ制御機構10にはプログラマブ
ルBPF11を含むウォブル検出部12が接続されてい
る。ウォブル検出部12には検出されたウォブル信号か
らアドレスを復調するアドレス復調回路13が接続され
ている。このアドレス復調回路13にはPLLシンセサ
イザ回路14を含む記録クロック生成部15が接続され
ている。PLLシンセサイザ回路14にはドライブコン
トローラ16が接続されている。
【0105】システムコントローラ17に接続されたこ
のドライブコントローラ16には、回転制御機構9、ア
クチュエータ制御機構10、ウォブル検出部12及びア
ドレス復調回路13も接続されている。
【0106】また、システムコントローラ17には、E
FMエンコーダ18、マーク長カウンタ19、パルス数
制御部20が接続されている。これらのEFMエンコー
ダ18、マーク長カウンタ19、パルス数制御部20に
は、記録パルス列制御部8が接続されている。この記録
パルス列制御部8は、先頭加熱部と後続加熱部とを含む
加熱パルス制御信号(従って、冷却パルス部分も含まれ
る)を生成する加熱パルス生成部(記録パルス生成部)
21と、第1の消去パルス制御信号を生成する第1の消
去パルス生成部22と、記録マーク用消去パルスのため
の第2又は第3の消去パルス制御信号を生成する第2,
第3の消去パルス生成部(記録マーク用消去パルス生成
部)23と、セレクタであるエッジセレクタ24と、パ
ルスエッジ生成部25とが含まれている。
【0107】この記録パルス列制御部8の出力側には、
加熱パワーPh、冷却パワーPc、第1の消去パワーPe
1、第2の消去パワーPe2、第3の消去パワーPe3の各
々の駆動電流源6をスイッチングすることで光ヘッド3
中の半導体レーザLD4を駆動させるLDドライバ部2
が接続されている。即ち、駆動電流源6中のPh,Pcが
加熱パワー駆動部及び冷却パワー駆動部、Pe1が第1の
消去パワー駆動部、Pe2,Pe3が記録マーク用消去パワ
ー駆動部として機能する。
【0108】このような構成において、相変化型光ディ
スク1に記録するためには、目的の記録速度に対応する
記録線速度となるようにスピンドルモータ5の回転数を
回転制御機構9により制御した後に、光ヘッド3から得
られるプッシュプル信号からプログラマブルBPF11
によって分離検出されたウォブル信号からアドレス復調
するとともに、PLLシンセサイザ回路14によって記
録チャネルクロックを生成する。次に、半導体レーザL
D4による記録パルス列を発生させるため、記録パルス
列制御部8には記録チャンネルクロックと記録情報であ
るEFMデータが入力され、記録パルス列制御部8中の
加熱パルス生成部21により先頭加熱パルスと後続する
加熱マルチパルスを含む加熱パルス制御信号を生成す
る。そして、消去部分である消去パルス制御信号も第1
の消去パルス生成部22により生成し、LDドライバ部
2で前述のPh,Pe(Pe1),Pcなる各々の発光パワ
ーとなるように設定された駆動電流源6をスイッチング
することで、記録パルス列のLD発光波形を得ることが
できる。
【0109】本実施の形態では、加熱パルス生成部21
に、記録チャネルクロック周期の1/20の分解能を有
する多段のパルスエッジ生成部25を配置しており、エ
ッジセレクタ(マルチプレクサ)24に入力された後、
システムコントローラ17によって選択されたエッジパ
ルスによって先頭加熱パルス制御信号及び加熱マルチパ
ルス制御信号を生成する。パルスエッジ生成部25用の
多段遅延回路は、高分解能のゲート遅延素子やリングオ
シレータとPLL回路によって構成することができる。
【0110】このように生成された加熱パルスによって
記録チャネルクロックに同期したマルチパルス列が生成
され、同時に、冷却パルスのパルス幅も加熱マルチパル
ス幅のデューティによって決定される。
【0111】同様に、最後尾の冷却パルスも加熱パルス
生成部21中に個別に配置された最後尾の冷却パルス生
成部若しくは冷却パルス生成部の多段遅延回路で生成さ
れるエッジパルスがエッジセレクタ24に入力され、シ
ステムコントローラ17によって選択されたエッジパル
スによって最後尾の冷却パルスの後エッジが決定され
る。
【0112】また、消去パルス生成部22,23におい
ても、別の多段遅延回路で生成された第2の前後エッジ
パルスを選択することで所定のパルス幅Te2となるよう
に記録マーク用消去パルスとしての第2又は第3の消去
パルスを、最後尾の冷却パルスの直後に生成する。
【0113】これらのパルス群によって全体の記録マル
チパルス列が構成される。
【0114】ここに、本実施の形態のような構成の記録
パルス列制御部8では、EFMエンコーダ18から得ら
れるEFM信号のマーク長を計数するためのマーク長カ
ウンタ19が配置されており、そのマークカウント値が
2T増加する毎に1組の加熱マルチパルスと冷却マルチ
パルスとが生成されるようにパルス数制御部20を介し
てマルチパルスを生成するようにしている。この動作
は、先頭加熱パルスの後エッジをエッジセレクタ24で
選択した後、次の記録チャネルクロック周期から生成さ
れるエッジパルスで後続のマルチパルスの前エッジを選
択し、その次の記録チャネルクロック周期から生成され
るパルスエッジでそのマルチパルスの後エッジを選択す
ることで可能となる。
【0115】別のマルチパルス生成部の構成としては、
記録チャネルクロックを2分周した記録分周クロックを
生成し、これを多段遅延回路を用いてエッジパルスを生
成し、エッジセレクタで前後のエッジを選択することで
記録チャネツクロックが2T増加する毎に1組の加熱マ
ルチパルス及び冷却マルチパルスを生成することもでき
る。この構成の場合、マルチパルス生成部の実質的な動
作周波数は1/2となり、さらに高速記録動作が可能と
なる。
【0116】ところで、一般的なCD−RWやDVD−
RWのような相変化型光ディスク1は、所定の記録速度
に対して、マークデータ長が1T増加する度に、加熱パ
ルスと冷却パルスとの増加数を1組ずつ増加させるよう
にパルスを生成する記録パルス列制御部を有する。その
所定の記録速度範囲の中で選択された記録速度に応じ
て、先頭加熱パルス幅Thtopや後続する加熱マルチパル
ス幅Thmpや最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend、及
び、各々の発光パワーを最適値に設定するようにしてい
る。
【0117】これは、従来の記録方式であり情報記録再
生装置としては当然の如く有している構成である。本実
施の形態では、さらに所定の記録速度範囲を超える高速
な記録速度を選択した場合に、マークデータ長が2T増
加する度に、加熱パルスと冷却パルスとの増加数を1組
ずつ増加させるようにパルスを生成する記録パルス列制
御部8を切換えることで、広範囲な記録速度に対応した
情報記録再生装置を得ることが可能となる。例えば、1
倍速から3倍速程度の記録速度に対応したDVD−RW
メディアを、4倍速から10倍速程度の高速記録するこ
とができるようになる。また、高速記録における本実施
の形態の記録方法に適合したDVD−RWメディアにチ
ューニングすることで、さらに良好な記録を実現するこ
とも可能である。
【0118】また、一般的な情報記録再生装置は光源に
半導体レーザLD4を用いており、安価な駆動回路では
前述したように発光波形の立上り/立下り時間は約2ns
ec程度を得るのが限界である。特に、記録材料としてAg
InSbTeが用いられる相変化型メディアの場合は、十分な
加熱時間と冷却時間として各々の発光パワーの制定時間
も約2nsec以上は確保する必要がある。よって、記録チ
ャネルクロック周波数は100MHz程度が限界となり、
DVD−RWでは4倍速程度(26.16MHz×4)で
ある。しかしながら、本実施の形態の情報記録再生装置
では、実質的な発光波形の周波数を1/2に低下できる
ようになり、DVD−RWでは4倍速以上8倍速程度ま
で、光源駆動部としてのLDドライバ部2を高速化する
ことなく安価な構成で高速記録を実現することが可能と
なる。
【0119】なお、先頭加熱パルス幅や最後尾の冷却パ
ルスのパルス幅などの設定値は代表的な値を示してお
り、実際には記録材料やメディア相構成などによって最
適化された値を適応すればよい。また、記録変調方式の
違いや記録密度とメディア上のレーザ光による光スポッ
トの径に応じて記録波形の累積長と形成マークの長さが
異なるため、例示したマーク長と記録波形の対応は前後
にずれてもよい。
【0120】また、これらの実施の形態では、記録マー
クデータを生成する記録変調方式がEFM系の場合への
適用例として説明したが、1−7変調方式等にも適用可
能である。
【0121】本発明の第五の実施の形態を図7に基づい
て説明する。本実施の形態は、情報処理装置としてパー
ソナルコンピュータ31に適用したものであり、3.5
型FDドライブ装置32の他に、前述したような構成の
情報記録装置33をDVD−RWドライブとして内蔵し
た構成とされている。
【0122】このようなパーソナルコンピュータ31に
よれば、上述したような情報記録装置33を一体に内蔵
しているので、簡単なパルス制御により、十分な加熱時
間及び冷却時間を確保でき、かつ、光源駆動部を高速化
することなく所定の記録マーク長を得ることができ、従
来の相変化型光ディスクの記録速度範囲を超える高速記
録を行うことができるので、情報の外部記憶装置として
有効に活用することができる。
【0123】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、マークデ
ータ長が2T増加する度に加熱パルスと冷却パルスとの
個数を各々1個増加させることで、マルチパルス列の実
質的な周期を記録チャンネルクロックの1/2にするこ
とができ、高速記録時であっても十分な加熱時間と冷却
時間とを確保して加熱・急冷により記録マーク形成する
ことができ、この際、最後尾の冷却パルスの後の消去領
域先頭部分にスペースデータ用の消去パワーのレベルの
増減変更により記録マーク長を規定する記録マーク用消
去パルスを付加するようにしたので、マルチパルス列中
の各々の加熱パルスのパターンを個別に変化させる必要
なく、新たに付加する記録マーク用消去パルスのパワー
レベル設定に関する簡単なパルス制御で、高精度にマー
ク長に応じた後エッジ位置の制御を行うことができ、簡
単な制御による高速仕様の記録方法を提供することがで
きる。
【0124】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の情報記録方法において、最後尾の冷却パルスのパル
ス幅の増減と記録マーク用消去パルスの消去パワーレベ
ルの増減との組合せにより、加熱パルスと冷却パルスと
の個数が同数となる2つのマークデータ長の記録マーク
間に1T分のマークデータ長差を持たせるようにしたの
で、最後尾の冷却パルスのパルス幅の増減と新たに付加
する記録マーク用消去パルスの消去パワーレベルの増減
との組合せのみの簡単なパルス制御で、高精度にマーク
長に応じた後エッジ位置の制御を行うことができ、簡単
な制御による高速仕様の記録方法を提供することができ
る。
【0125】請求項3記載の発明によれば、マークデー
タ長が2T増加する度に加熱パルスと冷却パルスとの個
数を各々1個増加させることで、マルチパルス列の実質
的な周期を記録チャンネルクロックの1/2にすること
ができ、高速記録時であっても十分な加熱時間と冷却時
間とを確保して加熱・急冷により記録マーク形成するこ
とができ、この際、最後尾の冷却パルスの後の消去領域
先頭部分にスペースデータ用の消去パワーのレベルの増
減変更により記録マーク長を規定する記録マーク用消去
パルスを付加するようにしたので、マルチパルス列中の
各々の加熱パルスのパターンを変化させる必要なく、最
後尾の冷却パルスと新たに付加する記録マーク用消去パ
ルスの第2の消去パワー又は第3の消去パワーなるパワ
ーレベル設定との組合せのみの簡単なパルス制御で、高
精度にマーク長に応じた後エッジ位置の制御を行うこと
ができ、簡単な制御による高速仕様の記録方法を提供す
ることができる。
【0126】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載の情報記録方法において、特に記録変調方式がEFM
系の場合に適した記録マーク用消去パルスのパワー設定
方法を提供することができる。
【0127】請求項5記載の発明によれば、請求項3又
は4記載の情報記録方法において、加熱パルスと冷却パ
ルスとの個数が同数となる2つのマークデータ長のうち
で、記録マーク用消去パルスを第2の消去パワーで発光
させるマークデータ長に対する最後尾の冷却パルスのパ
ルス幅Tcend2を、記録マーク用消去パルスを第3の消
去パワーで発光させるマークデータ長に対する最後尾の
冷却パルスのパルス幅Tcend3よりも短く設定したの
で、このような長短関係の設定により、加熱パルスと冷
却パルスとの個数が同数となるマルチパルス列を用いて
も記録マーク長を所定量だけ異なる長さに形成すること
が可能となる。
【0128】請求項6記載の発明によれば、請求項3,
4又は5記載の情報記録方法において、加熱パルスの加
熱パワーPhに対する第1の消去パワーPe1の比をε1
(=Pe1/Ph)とし、加熱パルスと冷却パルスとの個
数が同数となる2つのマークデータ長の各々に応じた加
熱パワーPhに対する第2の消去パワーの比をε2、加熱
パワーPhに対する第3の消去パワーの比をε3としたと
きに、ε2はε1+0.05<ε2<ε1+0.20の範囲に、か
つ、ε3はε1−0.20<ε3<ε1−0.05の範囲に設定する
ようにしたので、このような範囲設定により、加熱パル
スと冷却パルスとの個数が同数となるマルチパルス列を
用いても記録マーク長を所定量だけ異なる長さに形成す
ることが可能となる。
【0129】請求項7記載の発明によれば、請求項5又
は6記載の情報記録方法において、最後尾の冷却パルス
のパルス幅Tcend2,Tcend3間の差(Tcend3−Tcend
2)を0.3T以上0.7T以下の範囲に設定するようにした
ので、このような範囲設定により、加熱パルスと冷却パ
ルスとの個数が同数となるマルチパルス列を用いても記
録マーク長を所定量だけ異なる長さに形成することが可
能となる。
【0130】請求項8記載の発明によれば、請求項5,
6又は7記載の情報記録方法において、消去パワーの比
ε2,ε3と、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,
Tcend3とに関する設定情報を情報記録媒体のプリフォ
ーマット部に予め埋め込んであるので、相変化型メディ
アの設計条件に固有の消去パワーの比と最後尾の冷却パ
ルスのパルス幅とを対象となる相変化型メディアから読
み出して適正な記録条件を設定することができる。
【0131】請求項9記載の発明によれば、請求項5,
6又は7記載の情報記録方法において、消去パワーの比
ε2,ε3と、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,
Tcend3とに関する設定情報を情報記録再生装置の記録
条件保存部に予め保存させておくことにより、相変化型
メディアの設計条件に固有の消去パワーの比と最後尾の
冷却パルスのパルス幅とを情報記録再生装置が読み出す
ことができ、また、情報記録再生装置が予め対象となる
相変化型メディアに最適な設定を取得し記録条件保存部
から読み出すことで、記録再生装置固有のLD波長やN
Aによる光スポット径や発光波形のずれが補正されさら
に高精度な記録を行うことが可能となる。
【0132】請求項10記載の発明によれば、請求項5
ないし9の何れか一記載の情報記録方法において、通常
の記録可能な記録速度が所定の範囲で設定された前記情
報記録媒体に対して、前記所定の範囲を超える記録速度
となる記録時には、前記通常の記録可能な記録速度で設
定されるマルチパルス列の設定とは異なるマルチパルス
列となるように、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend
2,Tcend3、加熱パワーPhに対する第2の消去パワー
の比ε2、及び、加熱パワーPhに対する第3の消去パワ
ーの比ε3を新たに設定するようにしたので、相変化型
メディアで設定されている通常のマルチパルス列による
記録速度を超える記録速度となる記録時には、消去パワ
ーの比ε2,ε3及び最後尾の冷却パルスのパルス幅T
ecp2,Tecp3を新たに設定することにより、従来のマル
チパルス列で記録可能な記録速度を超える場合であって
も、マルチパルス列を異なる設定に変えるだけで広範囲
な記録速度での記録を実現することができる。
【0133】請求項11記載の発明によれば、請求項1
0記載の情報記録方法において、通常の記録可能な記録
速度で設定されるマルチパルス列のうち、所定の範囲を
超える記録速度となって、先頭の加熱パルスに後続する
加熱パルスのパルス幅が略0.55Tを超える設定となる場
合に、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tcend
3、加熱パワーPhに対する第2の消去パワーの比ε2、
及び、加熱パワーPhに対する第3の消去パワーの比ε3
を新たに設定するようにしたので、相変化型メディアの
通常の記録可能な記録速度が所定の範囲で設定され、所
定の記録速度で設定される従来のマルチパルス列のう
ち、所定の範囲を超える記録速度となって先頭の加熱パ
ルスに後続する加熱マルチパルスのパルス幅が略0.55T
を超える設定となる場合に、消去パワーの比ε2,ε3
及び最後尾の冷却パルスのパルス幅Tecp2,Tecp3を設
定することにより、相変化型メディアに事実上記録不可
能となるような加熱マルチパルス幅となる記録速度を判
断した上で、請求項10記載の発明の高速記録のマルチ
パルス列を設定することができ、また、従来のマルチパ
ルス列で記録可能な記録速度を超える領域に亘って広範
囲な記録速度での記録を実現することができる。
【0134】請求項12記載の発明によれば、結晶相と
アモルファス相とに可逆的に相変化する記録層を有する
情報記録媒体上に光源からの光により情報を記録する際
に、前記光源をマークデータに対応した加熱パルスとこ
の加熱パルスと同数の冷却パルスとからなるマルチパル
ス列の発光波形となるように発光させて記録マークを形
成する情報記録装置において、記録チャンネルクロック
周期をTとしたときのマークデータ長を計数するマーク
長カウント部と、このマーク長カウント部によるカウン
ト値が2T増加する度に前記光源に対する駆動電流源を
制御して加熱パワーと冷却パワーとをパルス駆動させる
ための加熱パルスと冷却パルスとによる制御パルスを各
々1個増加させるパルス数制御部と、各々の制御パルス
を生成する記録パルス生成部と、各々の制御パルスのタ
イミングで所定の加熱パワーと冷却パワーとなるように
前記光源を駆動する加熱パワー駆動部及び冷却パワー駆
動部と、消去領域に対応する第1の消去パルス領域で所
定の第1の消去パワーとなるように前記光源を駆動する
第1の消去パワー駆動部と、最後尾の冷却パルスの後の
消去領域先頭部分に第1の消去パルスに代えて記録マー
ク長を規定する記録マーク用消去パルスを生成する記録
マーク用消去パルス生成部と、記録マーク用消去パルス
領域で所定の消去パワーとなるように前記光源を駆動す
る記録マーク用消去パワー駆動部と、を備えるので、必
要最小限の付加回路によって、前述した情報記録方法を
実現するための情報記録装置を提供することができる。
【0135】請求項13記載の発明によれば、請求項1
2記載の発明を実現する上で、マークデータ長が2T増
加する度に加熱パルスと冷却パルスとの個数を各々1個
増加させることで、マルチパルス列の実質的な周期を記
録チャンネルクロックの1/2にすることができ、高速
記録時であっても十分な加熱時間と冷却時間とを確保し
て加熱・急冷により記録マーク形成することができ、こ
の際、最後尾の冷却パルスの後の消去領域先頭部分にス
ペースデータ用の消去パワーのレベルの増減変更により
記録マーク長を規定する記録マーク用消去パルスを付加
することで、マルチパルス列中の各々の加熱パルスのパ
ターンを変化させる必要なく、最後尾の冷却パルスと新
たに付加する記録マーク用消去パルスの第2の消去パワ
ー又は第3の消去パワーなるパワーレベル設定との組合
せのみの簡単なパルス制御で、高精度にマーク長に応じ
た後エッジ位置の制御を行うことができ、簡単な制御に
よる高速仕様の情報記録装置を提供することができる。
【0136】請求項14記載の発明によれば、請求項1
3記載の情報記録装置において、特に記録変調方式がE
FM系の場合に適した記録マーク用消去パルスのパワー
設定方式を提供することができる。
【0137】請求項15記載の発明によれば、請求項1
3又は14記載の情報記録装置において、前記記録パル
ス生成部は、加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数と
なる2つのマークデータ長のうちで、記録マーク用消去
パルスを第2の消去パワーで発光させるマークデータ長
に対する最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2を、記
録マーク用消去パルスを第3の消去パワーで発光させる
マークデータ長に対する最後尾の冷却パルスのパルス幅
Tcend3よりも短く設定するようにしたので、このよう
な長短関係の設定により、加熱パルスと冷却パルスとの
個数が同数となるマルチパルス列を用いても記録マーク
長を所定量だけ異なる長さに形成することが可能とな
る。
【0138】請求項16記載の発明によれば、請求項1
3,14又は15記載の情報記録装置において、前記記
録マーク用消去パルス生成部は、加熱パルスの加熱パワ
ーPhに対する第1の消去パワーPe1の比をε1(=Pe1
/Ph)とし、加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数
となる2つのマークデータ長の各々に応じた加熱パワー
Phに対する第2の消去パワーの比をε2、加熱パワーP
hに対する第3の消去パワーの比をε3としたときに、ε
2はε1+0.05<ε2<ε1+0.20の範囲に、かつ、ε3は
ε1−0.20<ε3<ε1−0.05の範囲に設定するようにし
たので、このような範囲設定により、加熱パルスと冷却
パルスとの個数が同数となるマルチパルス列を用いても
記録マーク長を所定量だけ異なる長さに形成することが
可能となる。
【0139】請求項17記載の発明によれば、請求項1
5又は16記載の情報記録装置において、前記記録パル
ス生成部は、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,
Tcend3間の差(Tcend3−Tcend2)を0.3T以上0.7T
以下の範囲に設定するようにしたので、このような範囲
設定により、加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数と
なるマルチパルス列を用いても記録マーク長を所定量だ
け異なる長さに形成することが可能となる。
【0140】請求項18記載の発明によれば、請求項1
6又は17記載の情報記録装置において、消去パワーの
比ε2,ε3と、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend
2,Tcend3とに関する設定情報を情報記録媒体のプリフ
ォーマット部に予め埋め込んであるので、相変化型メデ
ィアの設計条件に固有の消去パワーの比と最後尾の冷却
パルスのパルス幅とを対象となる相変化型メディアから
読み出して取得することで、記録条件を適正に設定する
ことができる。
【0141】請求項19記載の発明によれば、請求項1
5,16又は17記載の情報記録装置において消去パワ
ーの比ε2,ε3と、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tce
nd2,Tcend3とに関する設定情報を当該情報記録再生装
置の記録条件保存部に予め保存させておくことにより、
相変化型メディアの設計条件に固有の消去パワーの比と
最後尾の冷却パルスのパルス幅とを情報記録再生装置が
読み出すことができ、また、当該情報記録再生装置が予
め対象となる相変化型メディアに最適な設定を取得し記
録条件保存部から読み出すことで、記録再生装置固有の
LD波長やNAによる光スポット径や発光波形のずれが
補正されさらに高精度な記録を行うことが可能となる。
【0142】請求項20記載の発明によれば、請求項1
9記載の情報記録装置において、前記記録条件保存部
は、前記設定情報を更新自在に保存するようにしたの
で、請求項19記載の発明を実現する上で、消去パワー
の比ε2,ε3と、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend
2,Tcend3とに関する設定情報をアップデートで更新さ
せることも可能となり、最新の情報に対処することがで
き、特に、情報処理装置に内蔵させた場合には、インタ
ーネットを利用したダウンロードによりアップデートす
ることも可能となる。
【0143】請求項21記載の発明によれば、請求項1
5ないし20の何れか一記載の情報記録装置において、
前記記録パルス生成部及び前記記録マーク用消去パルス
生成部は、通常の記録可能な記録速度が所定の範囲で設
定された前記情報記録媒体に対して、前記所定の範囲を
超える記録速度となる記録時には、前記通常の記録可能
な記録速度で設定されるマルチパルス列の設定とは異な
るマルチパルス列となるように、最後尾の冷却パルスの
パルス幅Tcend2,Tcend3、加熱パワーPhに対する第
2の消去パワーの比ε2、及び、加熱パワーPhに対する
第3の消去パワーの比ε3を新たに設定するようにした
ので、相変化型メディアで設定されている通常のマルチ
パルス列による記録速度を超える記録速度となる記録時
には、消去パワーの比ε2,ε3及び最後尾の冷却パル
スのパルス幅Tecp2,Tecp3を新たに設定することによ
り、従来のマルチパルス列で記録可能な記録速度を超え
る場合であっても、マルチパルス列を異なる設定に変え
るだけで広範囲な記録速度での記録を実現することがで
きる。
【0144】請求項22記載の発明によれば、請求項2
1記載の情報記録装置において、前記記録パルス生成部
及び前記記録マーク用消去パルス生成部は、通常の記録
可能な記録速度で設定されるマルチパルス列のうち、所
定の範囲を超える記録速度となって、先頭の加熱パルス
に後続する加熱パルスのパルス幅が略0.55Tを超える設
定となる場合に、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend
2,Tcend3、加熱パワーPhに対する第2の消去パワー
の比ε2、及び、加熱パワーPhに対する第3の消去パワ
ーの比ε3を新たに設定するようにしたので、相変化型
メディアの通常の記録可能な記録速度が所定の範囲で設
定され、所定の記録速度で設定される従来のマルチパル
ス列のうち、所定の範囲を超える記録速度となって先頭
の加熱パルスに後続する加熱マルチパルスのパルス幅が
略0.55Tを超える設定となる場合に、消去パワーの比ε
2,ε3及び最後尾の冷却パルスのパルス幅Tecp2,T
ecp3を設定することにより、相変化型メディアに事実上
記録不可能となるような加熱マルチパルス幅となる記録
速度を判断した上で、請求項21記載の発明の高速記録
のマルチパルス列を設定でき、また、従来のマルチパル
ス列で記録可能な記録速度を超える領域に亘って広範囲
な記録速度での記録を実現することができる。
【0145】請求項23記載の発明によれば、請求項2
1又は22記載の情報記録装置において、通常の記録可
能な記録速度内では、前記パルス数制御部は、前記マー
ク長カウント部によるカウント値が1T増加する度に前
記光源に対する駆動電流源を制御して加熱パワーと冷却
パワーとをパルス駆動させるための加熱パルスと冷却パ
ルスとによる制御パルスを各々1個増加させ、前記記録
パルス生成部は、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend
1を基準値に設定するようにしたので、従来のマルチパ
ルス列で記録可能な記録速度による記録の場合と、この
ような記録速度を超える場合であっても、マルチパルス
列を異なる設定に変えるだけで広範囲な記録速度での記
録を実現することができる。
【0146】請求項24記載の発明によれば、請求項1
2ないし23記載の情報記録装置において、多数段のパ
ルスエッジ生成部とセレクタとを利用することにより、
請求項12ないし23記載の情報記録装置を極めて簡単
に実現することができる。
【0147】請求項25記載の発明の情報処理装置によ
れば、請求項12ないし24の何れか一に記載の情報記
録装置を内蔵しているので、簡単なパルス制御により、
十分な加熱時間及び冷却時間を確保でき、かつ、光源駆
動部を高速化することなく所定の記録マーク長を得るこ
とができ、従来の記録媒体の記録速度範囲を超える高速
記録を行うことが可能となり、情報の外部記憶装置とし
て有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は従来のマルチパルス列及び形成される
記録マーク例を示す説明図、(b)は本発明の実施の形
態のマルチパルス列及び形成される記録マーク例を示す
説明図である。
【図2】高速記録化に伴なう半導体レーザ駆動回路の立
上り時間、立下り時間と記録チャンネルクロックとの関
係を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態の記録方法の原理を示す説
明図である。
【図4】加熱マルチパルス幅とジッタとの関係を示す特
性図である。
【図5】切換え処理を伴なう記録動作の処理制御例を示
す概略フローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態の情報記録再生装置の構成
例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第五の実施の形態の情報処理装置の一
例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 情報記録媒体 4 光源 6 駆動電流源 Ph,Pc 加熱パワー駆動部及び冷却パワー駆動部 Pe1 第1の消去パワー駆動部 Pe2,Pe3 記録マーク用消去パワー駆動部 19 マーク長カウント部 20 パルス数制御部 21 記録パルス生成部 23 記録マーク用消去パルス生成部 24 セレクタ 25 パルスエッジ生成部

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶相とアモルファス相とに可逆的に相
    変化する記録層を有する情報記録媒体上に光源からの光
    により情報を記録する際に、前記光源をマークデータに
    対応した加熱パルスとこの加熱パルスと同数の冷却パル
    スとからなるマルチパルス列の発光波形となるように発
    光させて記録マークを形成する情報記録方法において、 記録チャンネルクロック周期をTとしたときのマークデ
    ータ長が2T増加する度に加熱パルスと冷却パルスとの
    個数を各々1個増加させ、 最後尾の冷却パルスの後の消去領域先頭部分にスペース
    データ用の消去パワーのレベルの増減変更により記録マ
    ーク長を規定する記録マーク用消去パルスを付加するよ
    うにしたことを特徴とする情報記録方法。
  2. 【請求項2】 最後尾の冷却パルスのパルス幅の増減と
    記録マーク用消去パルスの消去パワーレベルの増減との
    組合せにより、加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数
    となる2つのマークデータ長の記録マーク間に1T分の
    マークデータ長差を持たせるようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載の情報記録方法。
  3. 【請求項3】 結晶相とアモルファス相とに可逆的に相
    変化する記録層を有する情報記録媒体上に光源からの光
    により情報を記録する際に、前記光源をマークデータに
    対応した加熱パルスとこの加熱パルスと同数の冷却パル
    スとからなるマルチパルス列の発光波形となるように発
    光させて記録マークを形成する情報記録方法において、 記録チャンネルクロック周期をTとしたときのマークデ
    ータ長が2T増加する度に加熱パルスと冷却パルスとの
    個数を各々1個増加させ、 最後尾の冷却パルスの後のスペースデータに対応した第
    1の消去パワーからなる消去領域先頭部分に前記第1の
    消去パワーのレベルを増減変更させた記録マーク用消去
    パルスを付加し、 加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数となる2つのマ
    ークデータ長間で一方の記録マーク用消去パルスのレベ
    ルを第1の消去パワーより増加変更させた第2の消去パ
    ワーとし、他方の記録マーク用消去パルスのレベルを第
    1の消去パワーより減少変更させた第3の消去パワーと
    したことを特徴とする情報記録方法。
  4. 【請求項4】 記録マークデータを生成する記録変調方
    式がEFM系であり、 加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数となる2つのマ
    ークデータ長のうちで、短い方のマークデータ長の記録
    マーク用消去パルスを第2の消去パワーで発光させ、か
    つ、長い方のマークデータ長の記録マーク用消去パルス
    を第3の消去パワーで発光させるようにしたことを特徴
    とする請求項3記載の情報記録方法。
  5. 【請求項5】 加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数
    となる2つのマークデータ長のうちで、記録マーク用消
    去パルスを第2の消去パワーで発光させるマークデータ
    長に対する最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2を、
    記録マーク用消去パルスを第3の消去パワーで発光させ
    るマークデータ長に対する最後尾の冷却パルスのパルス
    幅Tcend3よりも短く設定したことを特徴とする請求項
    3又は4記載の情報記録方法。
  6. 【請求項6】 加熱パルスの加熱パワーPhに対する第
    1の消去パワーPe1の比をε1(=Pe1/Ph)とし、加
    熱パルスと冷却パルスとの個数が同数となる2つのマー
    クデータ長の各々に応じた加熱パワーPhに対する第2
    の消去パワーPe2の比をε2、加熱パワーPhに対する第
    3の消去パワーPe3の比をε3としたときに、ε2はε1
    +0.05<ε2<ε1+0.20の範囲に、かつ、ε3はε1−0.
    20<ε3<ε1−0.05の範囲に設定するようにしたことを
    特徴とする請求項3,4又は5記載の情報記録方法。
  7. 【請求項7】 最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend
    2,Tcend3間の差(Tcend3−Tcend2)を0.3T以上0.7
    T以下の範囲に設定するようにしたことを特徴とする請
    求項5又は6記載の情報記録方法。
  8. 【請求項8】 前記情報記録媒体のプリフォーマット部
    にプリフォーマットされた最後尾の冷却パルスのパルス
    幅Tcend2,Tcend3、加熱パワーPhに対する第2の消
    去パワーPe2の比ε2、及び、加熱パワーPhに対する第
    3の消去パワーPe3の比ε3に関する設定情報に基づい
    て、最後尾の冷却パルスのパルス幅及び記録マーク用消
    去パルスの発光レベルを設定するようにしたことを特徴
    とする請求項5,6又は7記載の情報記録方法。
  9. 【請求項9】 情報記録装置の記録条件保存部に予め保
    存された最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tcen
    d3、加熱パワーPhに対する第2の消去パワーPe2の比
    ε2、及び、加熱パワーPhに対する第3の消去パワーP
    e3の比ε3に関する設定情報に基づいて、最後尾の冷却
    パルスのパルス幅及び記録マーク用消去パルスの発光レ
    ベルを設定するようにしたことを特徴とする請求項5,
    6又は7記載の情報記録方法。
  10. 【請求項10】 通常の記録可能な記録速度が所定の範
    囲で設定された前記情報記録媒体に対して、前記所定の
    範囲を超える記録速度となる記録時には、前記通常の記
    録可能な記録速度で設定されるマルチパルス列の設定と
    は異なるマルチパルス列となるように、最後尾の冷却パ
    ルスのパルス幅Tcend2,Tcend3、加熱パワーPhに対
    する第2の消去パワーPe2の比ε2、及び、加熱パワー
    Phに対する第3の消去パワーPe3の比ε3を新たに設定
    するようにしたことを特徴とする請求項5ないし9の何
    れか一記載の情報記録方法。
  11. 【請求項11】 通常の記録可能な記録速度で設定され
    るマルチパルス列のうち、所定の範囲を超える記録速度
    となって、先頭の加熱パルスに後続する加熱パルスのパ
    ルス幅が略0.55Tを超える設定となる場合に、最後尾の
    冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tcend3、加熱パワーP
    hに対する第2の消去パワーPe2の比ε2、及び、加熱パ
    ワーPhに対する第3の消去パワーPe3の比ε3を新たに
    設定するようにしたことを特徴とする請求項10記載の
    情報記録方法。
  12. 【請求項12】 結晶相とアモルファス相とに可逆的に
    相変化する記録層を有する情報記録媒体上に光源からの
    光により情報を記録する際に、前記光源をマークデータ
    に対応した加熱パルスとこの加熱パルスと同数の冷却パ
    ルスとからなるマルチパルス列の発光波形となるように
    発光させて記録マークを形成する情報記録装置におい
    て、 記録チャンネルクロック周期をTとしたときのマークデ
    ータ長を計数するマーク長カウント部と、 このマーク長カウント部によるカウント値が2T増加す
    る度に前記光源に対する駆動電流源を制御して加熱パワ
    ーと冷却パワーとをパルス駆動させるための加熱パルス
    と冷却パルスとによる制御パルスを各々1個増加させる
    パルス数制御部と、 各々の制御パルスを生成する記録パルス生成部と、 各々の制御パルスのタイミングで所定の加熱パワーと冷
    却パワーとなるように前記光源を駆動する加熱パワー駆
    動部及び冷却パワー駆動部と、 消去領域に対応する第1の消去パルス領域で所定の第1
    の消去パワーとなるように前記光源を駆動する第1の消
    去パワー駆動部と、 最後尾の冷却パルスの後の消去領域先頭部分に第1の消
    去パルスに代えて記録マーク長を規定する記録マーク用
    消去パルスを生成する記録マーク用消去パルス生成部
    と、 記録マーク用消去パルス領域で所定の消去パワーとなる
    ように前記光源を駆動する記録マーク用消去パワー駆動
    部と、を備えることを特徴とする情報記録装置。
  13. 【請求項13】 前記記録マーク用消去パワー駆動部
    は、加熱パルスと冷却パルスとの個数が同数となる2つ
    のマークデータ長間で一方の記録マーク用消去パルスの
    レベルを第1の消去パワーより増加変更させた第2の消
    去パワーとし、他方の記録マーク用消去パルスのレベル
    を第1の消去パワーより減少変更させた第3の消去パワ
    ーとして前記光源を駆動するようにしたことを特徴とす
    る請求項12記載の情報記録装置。
  14. 【請求項14】 記録マークデータを生成する記録変調
    方式がEFM系であり、 前記記録マーク用消去パワー駆動部は、加熱パルスと冷
    却パルスとの個数が同数となる2つのマークデータ長の
    うちで、短い方のマークデータ長の記録マーク用消去パ
    ルスを第2の消去パワーで発光させ、かつ、長い方のマ
    ークデータ長の記録マーク用消去パルスを第3の消去パ
    ワーで発光させるようにしたことを特徴とする請求項1
    3記載の情報記録装置。
  15. 【請求項15】 前記記録パルス生成部は、加熱パルス
    と冷却パルスとの個数が同数となる2つのマークデータ
    長のうちで、記録マーク用消去パルスを第2の消去パワ
    ーで発光させるマークデータ長に対する最後尾の冷却パ
    ルスのパルス幅Tcend2を、記録マーク用消去パルスを
    第3の消去パワーで発光させるマークデータ長に対する
    最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend3よりも短く設定
    するようにしたことを特徴とする請求項13又は14記
    載の情報記録装置。
  16. 【請求項16】 前記記録マーク用消去パルス生成部
    は、加熱パルスの加熱パワーPhに対する第1の消去パ
    ワーPe1の比をε1(=Pe1/Ph)とし、加熱パルスと
    冷却パルスとの個数が同数となる2つのマークデータ長
    の各々に応じた加熱パワーPhに対する第2の消去パワ
    ーPe2の比をε2、加熱パワーPhに対する第3の消去パ
    ワーPe3の比をε3としたときに、ε2はε1+0.05<ε2
    <ε1+0.20の範囲に、かつ、ε3はε1−0.20<ε3<ε
    1−0.05の範囲に設定するようにしたことを特徴とする
    請求項13,14又は15記載の情報記録装置。
  17. 【請求項17】 前記記録パルス生成部は、最後尾の冷
    却パルスのパルス幅Tcend2,Tcend3間の差(Tcend3
    −Tcend2)を0.3T以上0.7T以下の範囲に設定するよ
    うにしたことを特徴とする請求項15又は16記載の情
    報記録装置。
  18. 【請求項18】 前記記録パルス生成部及び前記記録マ
    ーク用消去パルス生成部は、前記情報記録媒体のプリフ
    ォーマット部にプリフォーマットされた最後尾の冷却パ
    ルスのパルス幅Tcend2,Tcend3、加熱パワーPhに対
    する第2の消去パワーPe2の比ε2、及び、加熱パワー
    Phに対する第3の消去パワーPe3の比ε3に関する設定
    情報に基づいて、最後尾の冷却パルスのパルス幅及び記
    録マーク用消去パルスの発光レベルを設定するようにし
    たことを特徴とする請求項16又は17記載の情報記録
    装置。
  19. 【請求項19】 最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend
    2,Tcend3、加熱パワーPhに対する第2の消去パワー
    Pe2の比ε2、及び、加熱パワーPhに対する第3の消去
    パワーPe3の比ε3に関する設定情報を保存する記録条
    件保存部を備え、 前記記録パルス生成部及び前記記録マーク用消去パルス
    生成部は、前記記録条件保存部に保存されている前記設
    定情報に基づいて、最後尾の冷却パルスのパルス幅及び
    記録マーク用消去パルスの発光レベルを設定するように
    した請求項15,16又は17記載の情報記録装置。
  20. 【請求項20】 前記記録条件保存部は、前記設定情報
    を更新自在に保存するようにしたことを特徴とする請求
    項19記載の情報記録装置。
  21. 【請求項21】 前記記録パルス生成部及び前記記録マ
    ーク用消去パルス生成部は、通常の記録可能な記録速度
    が所定の範囲で設定された前記情報記録媒体に対して、
    前記所定の範囲を超える記録速度となる記録時には、前
    記通常の記録可能な記録速度で設定されるマルチパルス
    列の設定とは異なるマルチパルス列となるように、最後
    尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tcend3、加熱パワ
    ーPhに対する第2の消去パワーPe2の比ε2、及び、加
    熱パワーPhに対する第3の消去パワーPe3の比ε3を新
    たに設定するようにしたことを特徴とする請求項15な
    いし20の何れか一記載の情報記録装置。
  22. 【請求項22】 前記記録パルス生成部及び前記記録マ
    ーク用消去パルス生成部は、通常の記録可能な記録速度
    で設定されるマルチパルス列のうち、所定の範囲を超え
    る記録速度となって、先頭の加熱パルスに後続する加熱
    パルスのパルス幅が略0.55Tを超える設定となる場合
    に、最後尾の冷却パルスのパルス幅Tcend2,Tcend3、
    加熱パワーPhに対する第2の消去パワーPe2の比ε2、
    及び、加熱パワーPhに対する第3の消去パワーPe3の
    比ε3を新たに設定するようにしたことを特徴とする請
    求項21記載の情報記録装置。
  23. 【請求項23】 通常の記録可能な記録速度内では、前
    記パルス数制御部は、前記マーク長カウント部によるカ
    ウント値が1T増加する度に前記光源に対する駆動電流
    源を制御して加熱パワーと冷却パワーとをパルス駆動さ
    せるための加熱パルスと冷却パルスとによる制御パルス
    を各々1個増加させ、前記記録パルス生成部は、最後尾
    の冷却パルスのパルス幅Tcend1を基準値に設定するよ
    うにしたことを特徴とする請求項21又は22記載の情
    報記録装置。
  24. 【請求項24】 記録チャンネルクロック周期Tよりも
    細かい分解能を有してエッジ信号を出力する多数段のパ
    ルスエッジ生成部と、 このパルスエッジ生成部から出力される多数段のエッジ
    信号の中からコントローラにより選択されたエッジ信号
    を選択出力するセレクタとを備え、 前記記録パルス生成部及び前記記録マーク用消去パルス
    生成部はこれらのパルスエッジ生成部及びセレクタによ
    り選択されるエッジ信号に基づき最後尾の冷却パルスを
    含む制御パルス及び記録マーク用消去パルスを生成する
    ようにしたことを特徴とする請求項12ないし23記載
    の情報記録装置。
  25. 【請求項25】 請求項12ないし24の何れか一に記
    載の情報記録装置を内蔵していることを特徴とする情報
    処理装置。
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