JP4444929B2 - 情報記録方法及び情報記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録可能な光情報記録媒体、特にCD−RW,DVD−RAM,DVD−RW,DVD+RW等の相変化型の光情報記録媒体に適した情報記録方法及び情報記録装置に関する。
近年、光情報記録媒体の高速記録の需要が高まっている。特に、ディスク状の光記録媒体の場合、回転速度を高くすることで記録・再生速度を上げることが可能なため、高速化が進んでいる。光ディスクの中でも記録時に照射する光の強度変調のみで記録が可能である光記録媒体は、その記録機構の単純さから、媒体と記録装置の低価格化が可能であると同時に、再生も強度変調された光を用いているため、再生専用装置との高い互換性が確保できることから普及が進み、近年の電子情報の大容量化により、さらに高密度化・高速記録化の需要が高くなっている。
このような光ディスクのうち、多数回の書換えが可能であることから、相変化材料を用いたものが主流となってきている。相変化材料を用いた光ディスクの場合、照射する光ビームの強度変調により、記録層材料を急冷状態と徐冷状態を作ることによって記録を行う。急冷状態になると、記録層材料は非晶質(アモルファス)となり、徐冷状態になると結晶となる。非晶質と結晶では光学的な物性が異なるため、光情報を記録することができる。
記録原理が、このような記録層材料の「急冷」と「徐冷」という複雑な機構を用いているため、高速での記録には特開平9−219021号公報で開示されているような、パルス分割され、3値に強度変調された記録光を媒体に照射することで行う。このような記録方法としては、特開平9−138947号公報、特開平9−219021号公報、Recordable Comact Disc Systems Part III(通称Orange Book Part III)version 2.0,同 volume 2 version 1.1,DVD+RW Basic Format Specifications version 1.1に記載されたものを例示できる。
これらの記録方法では、図24(a)に示すようなマークを図24(b)に示すようにマークのある部分をHigh、ない部分をLowであるデータとするとき、時間的長さが基本クロック周期Tの整数倍になるマーク長及びマーク間記録方法を用いる場合に適用される。即ち、記録されるマークは自然数nを用いると時間的長さnTとなる。自然数nの範囲はその変調方式により異なり、コンパクトディスクCD系では3〜11であり、DVD系では3〜11と14となっている。図24はn=6の場合を例示している。
上記従来技術では、図24(c)に示すように、時間的長さnTのマークを形成するためにm個のマルチパルスを照射している。mはnに依存しており、その関係はm=n−1又はm=n−2である。これはCD,DVDではnの最小値が3であることに起因している。また、パルスの照射周期、即ち、各パルスの立上り周期は図24(c)に示す通り1Tとなる。m=n−2の場合も同様であり、図24(d)に示す通り、パルスの照射周期は1Tとなる。ただし、何れの場合においても、第1のパルスの周期及び幅は独自に設定されている。
この記録方法はマーク長が1T長くなるとパルスの数を1個追加するだけで対応できるのが特徴であり、マーク長記録方式に非常に適した記録方法とされている。
しかし、記録速度が速くなると、基本クロック周波数が高くなり、24倍速相当のCD−RWでは約104MHz,5倍相当のDVD−RW,DVD+RWでは約131MHzとなるため,従来の記録方法(記録ストラテジ)では、パルス照射時間の内、立上り及び立下りに要する時間の占める割合が高くなり、実効的な照射光エネルギー、即ち、積分値が低くなってしまう。
図25にその例を示す。点線で示した理想的な照射波形に対して、実際の発光波形は、立上り,立下りに時間を要するために、図25(a)に点線で示すような矩形にはならず、実線で示すようになる。さらに、基本クロックが高くなり基本クロック周期が、図25(b)に示すように、立上り,立下り時間の占める比率が高くなり、十分高いピークパワーPwと十分低いボトムパワーPbが確保できなくなる。つまり、ピークパワーPwはΔPwだけ低くなり、ボトムパワーPbはΔPbだけ高くなってしまう。ピークパワーPwが低くなることで、アモルファス化するのに十分な温度に上昇する体積が減少してしまい、また、ボトムパワーPbが十分に低くないと、急冷ができず再結晶化が促進され、結果としてアモルファス領域の体積が減少してしまう。従って、再生信号振幅の低下となり、再生信頼性を著しく低下させることになる。
このような現象を解決するためには、立上り、立下り時間の短い発光が可能な光源(レーザダイオードとその駆動装置)が必要となるが、100MHzを超える周波数に対応するためには、立上り、立下りに要する時間が1ns以下とすることが必要であり、非常に困難となる。
そこで、現行の発光光源のままで高速記録する技術として、特開平9−134525号公報、米国特許第5732062号明細書に開示されている方法により記録パルスを減らすことで対応することが提案されている。この技術によれば、従来では基本クロック周期Tのn倍の長さ、つまり、nTのマークを形成するために、(n−1)個のパルスを照射させることで行っていたところを、nが偶数、つまり、n=2mの場合はm個のパルス照射でマークを形成し、nが奇数、つまり、n=2m+1の場合もm個のパルス照射でマークを形成する。即ち、CD−RWで採用されているEFM変調方式ではnは3から11までの自然数であることから、n=3,4,5,6,7,8,9,10,11に対して照射パルス数は2,3,4,5,6,7,8,9,10であった。これに対して特開平9−134525号公報、米国特許第5732062号明細書では、n=3,4,5,6,7,8,9,10,11に対して照射パルス数は1,2,2,3,3,4,4,5,5となり、略半数の照射パルス数となる。従って、図25(c)に示すように、1パルスの照射時間は(n−1)個の場合の0.5T相当から、1T相当なる略2倍となるため、立上り、立下り時間の影響を受けにくくなる。
一方、長さの異なる記録マーク2mTと(2m+1)Tとをm個の同数のパルス照射で形成するため、照射周期を一定とすることができなくなる。このため、n=2mの記録マークのみ、任意のパルスの照射時間(P=Pwの時間)と冷却時間(P=Pbの時間)とを短くすることで行っている。
特開2001−331936公報では時間的長さnTの記録マークを形成するために、m個のマルチパルスを用いる記録方法が開示されており、その比率n/m≧1.25としていると同時に上述の特開平9−134525号公報の場合と同様に、n=2mとn=2m+1との長さの異なる記録マークをm個の同数のパルス照射で記録する技術についても詳細に記述されている。同数のパルス照射で長さを調整する方法については、第1のパルスの照射時間と冷却時間及び最終パルスの照射時間と冷却時間を調整することで可能としている。
しかし、基本的には各々のマーク長さに対して、全てのパルスの照射時間、冷却時間を定義することになる。コンパクトディスクで用いられているEFM(Eight to Fourteen Modulation:8−16変調)の場合は69個のパラメータが必要であり、DVDで用いられるEFM+(8−16変調の一種)を用いる場合は77個のパラメータが必要となる。定義するパラメータを少なくするために、m≧3の第1パルスの照射時間をnに依らず統一する手法、m≧3の場合の中間パルス(第1パルス、最終パルスを除くパルス)の照射時間と冷却時間とを統一する手法などが提案されているが、m=1,2の場合、つまり、n≦5の場合は、各々について独自にパラメータを設定する必要があるとしている。従って、記録発光波形(記録ストラテジ)を定義するために非常に多くのパラメータが必要となっている。さらに、記録速度(走査速度)が異なる場合は、その記録速度毎に異なるパターンが必要とされており、統一可能なパラメータとしてP=Pwの照射時間(記録速度によって変化するクロック周期に対する相対時間ではなく、パルス幅の実時間)を記録速度に依らず一定にすることで解決できるとしている。
また、CD−R/RW,DVD+RW/Rに代表される追記型又は書換え型光ディスクの場合は、ディスクの記録条件に関わるパラメータをディスク自身にプリフォーマットしておくのが一般的である。ディスク情報をプリフォーマットとして記録する方法の例としてCD−R/RWのATIP(Absolute Time in Pregroove) Extra Informationsに記録される情報や,DVD+RW/RのADIP(Address in Pregroove)のPysical Informationがある。これらの情報にはディスクの種類や準拠する標準のバージョンなどの基本的な条件と同時に、記録可能な走査速度、最適な記録パワー及び最適な記録パワーをテスト記録にて算出するために必要なパラメータや最適な記録ストラテジを規定するパラメータなどが記録されている。最適な記録ストラテジを規定するパラメータとしては、CD−RWの標準規格書によるとε(=Pe/Pw),Strategy Optimization(dTtop,dTera)があり、DVD+RWの標準規格書によると、Ttop,dTtop,Tmp,dTera,ε,εがある。
情報記録装置はディスクに記録するときにこれらの情報を読取り、記録ストラテジを決定する。そのため、パラメータとしては詳細に決定されていることが、記録装置は正確な記録ストラテジを設定することができるため好ましいが、情報量が多くなる欠点がある。特に、CD−R/RWシステムの場合はプリフォーマットできる情報量(容量)に制限があり、CD−RWの場合で21ビット×6=126ビット分の情報しか入れることができない。それ以上の情報を付加する場合は、ディスク最内周部又は最外周部の未使用領域に新しく定義した領域、例えば、CD−R Multi‐speedで採用されるXAA(Extra Additional Information Area)などを使用するか、プリピット等で情報を記録する必要がある。
記録装置では、これらのプリフォーマットされたディスク情報を前述の通り記録動作時に装置に読込み、最適な記録ストラテジを設定するが、ディスク毎に多量のパラメータが設定されていると処理する内容が煩雑になるため、ストラテジ発生回路が複雑になってしまう。
これらの理由からストラテジの規定は少ないパラメータで正確なものが望まれている。
本発明の目的は、高速記録に対応する複雑な記録ストラテジを規定する多数のパラメータを用いる記録方法ではなく、数少ないパラメータの規定のみで、複数の走査線速度に対応できる最適なストラテジを設定することが可能な情報記録方法及び情報記録装置を提供することである。
本発明は、照射パワーの高い高パルスおよび照射パワーが前記高パルスより低い低パルスを有するマルチパルスによって、時間的長さが基本クロック周期Tのn倍(nは自然数)に対応するマーク長記録方式により情報を光情報記録媒体に記録する情報記録方法であって、時間的長さnTに対応するマーク長を記録する際のマルチパルスの高パルスと低パルスの合計の幅は、当該時間長さnTよりも短く、n=n=2m(mは2以上の自然数)の場合の時間的長さn・Tに対応する記録マークとn=n=2m+1の場合の時間的長さn・Tに対応する記録マークとを照射パワーPwが同一であるm個のマルチパルスにより形成する際に、i番目(iは1〜(m−1)なる自然数)のパルスの照射時間をTon(n,i)で表すとき、n≧4のとき、Ton(n,i)=定数Tmpとし、偶数のnを基準とする場合、当該基準となるnが2増加すると、それに対応するマーク長を記録するために高パルスと低パルスの数がそれぞれ1つ増加し、前記基準となるnが1増加すると、それに対応するマーク長を記録するための高パルスと低パルスの数は、前記基準となるnに対応するマーク長を記録するための高パルスと低パルスの数とそれぞれ同じであり、かつ、高パルス間に存在する少なくとも1つの低パルスの幅が前記基準となるnに対応するマーク長を記録するための高パルス間に存在する1つの低パルスの幅に比べて長くなる情報記録方法を提供する。
また本発明は、照射パワーの高い高パルスおよび照射パワーが前記高パルスより低い低パルスを有するマルチパルスによって、時間的長さが基本クロック周期Tのn倍(nは自然数)に対応するマーク長記録方式により情報を光情報記録媒体に記録する情報記録装置であって、前記光情報記録媒体を回転させる回転駆動機構と、前記光情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、を備え、前記発光波形制御手段は、時間的長さnTに対応するマーク長を記録する際の前記マルチパルスの高パルスと低パルスの合計の幅は、当該時間長さnTよりも短く、n=n=2m(mは2以上の自然数)の場合の時間的長さn・Tに対応する記録マークとn=n=2m+1の場合の時間的長さn・Tに対応する記録マークとを照射パワーPwが同一であるm個のマルチパルスにより形成する際に、i番目(iは1〜(m−1)なる自然数)のパルスの照射時間をTon(n,i)で表すとき、n≧4のとき、Ton(n,i)=定数Tmpとし、偶数のnを基準とする場合、当該基準となるnが2増加すると、それに対応するマーク長を記録するために前記高パルスと低パルスの数がそれぞれ1つ増加し、前記基準となるnが1増加すると、それに対応するマーク長を記録するための前記高パルスと低パルスの数は、前記基準となるnに対応するマーク長を記録するための高パルスと低パルスの数とそれぞれ同じであり、かつ、高パルス間に存在する少なくとも1つの低パルスの幅が、前記基準となるnに対応するマーク長を記録するための高パルス間に存在する1つの低パルスの幅に比べて長くなるように記録ストラテジを設定する情報記録装置を提供する。
本発明によれば、時間的長さnTに対応するマーク長を記録する際のマルチパルスの高パルスと低パルスの合計の幅は、当該時間長さnTよりも短く、偶数のnを基準とする場合、当該基準となるnが2増加すると、それに対応するマーク長を記録するために高パルスと低パルスの数がそれぞれ1つ増加し、nが1増加すると、それに対応するマーク長を記録するための高パルスと低パルスの数は、nに対応するマーク長を記録するための高パルスと低パルスの数とそれぞれ同じとするので、1パルス当りの照射時間Tonを基本クロック周期Tに対して長くとれるため、発光の立上りに要する時間の影響を少なくでき、低い記録パワーで高い変調度と低いジッタを実現することができる上に、nが1増加すると、高パルス間に存在する少なくとも1つの低パルスの幅がnに対応するマーク長を記録するための高パルス間に存在する1つの低パルスの幅に比べて長くなることで、特性に影響の少ないパラメータを統一し、少ないパラメータで記録ストラテジを精度よく規定することができる。
本発明の一実施の形態を図1ないし図22に基づいて説明する。
本実施の形態は、照射光の強度変調によって記録、消去或いは書換えが可能な光情報記録媒体、特に相変化型の光情報記録媒体に対する情報記録方法及び情報記録装置(情報再生装置を含む)に適用される。
光情報記録媒体への記録は、強度変調した光ビームを照射及び走査し、媒体に記録マークを形成することで行う。記録マークは光の照射により光学的な特性が異なる領域であり、媒体の記録層中に形成される。情報記録装置及び情報再生装置はこの記録マーク部の光学特性の差を利用して情報を再生する。記録マークの状態は記録層材料の種類によって異なり、磁性体の記録層材料の場合は、磁気配向の異なる領域であり、相変化材料の場合は相の異なる領域となる。現在最も一般的である書換え型光情報記録媒体である相変化材料を用いた光情報記録媒体においては、記録層材料として、結晶相とアモルファス相(非晶質層)を有する材料を用いている。このような相変化記録層材料としてはSbTe系合金,GeSbTe系合金,AgInSbTe系合金,GaGeSbTe系合金などがある。相変化記録層材料は結晶相とアモルファス相で光学特性が大きく異なるため、結晶相中にアモルファス相のマークを形成することによって情報を記録することが可能である。また、結晶相とアモルファス相とが可逆的な相転移をする場合は、書換え可能な光情報記録媒体となる。
[情報記録方法]
結晶相中にアモルファスマークを形成するためには記録層又は記録層近傍に集光した光を照射及び走査することで行う。この時、前述した通り、強度変調をした光ビームを照射することで行う。図1及び図2に本実施の形態の前提となる強度変調方式の発光波形(記録ストラテジ)を示す。図2(a)は記録すべき情報DATAを示す。本実施の形態の情報記録方法では、PWM(Pulse Width Modulation)を光情報記録媒体に応用した記録マーク長、マーク間長変調方式で情報を記録するものとする。この記録方式では記録マークの長さとマーク間の長さとを基本クロック周期Tを単位として制御することにより情報を記録することができる。光情報記録媒体の記録方法の一つであるマーク位置変調方式よりも記録密度を高くすることが可能なため、高密度化できることが特徴であり、CD,DD(Double Density)CDで採用されるEFM,DVDで採用されるEFM+などの光ディスクに採用されている変調方式である。記録マーク長、マーク間長変調方式は記録マーク長とマーク間長(以下、スペース長)とを正確に制御することが重要である。これらの変調方式では記録マーク長、スペース長ともに基本クロック周期Tに対してnT(nは自然数)の時間的長さとする。
図2(a)では横軸が時間的長さに相当し縦軸が記録する情報であり、Highレベルになっているところが記録マークに相当する。図1及び図2(a)はEFM又はEFM+の場合を例として示しているため、nは3〜11と14である。このうち、n=3,4,5,10,11の場合の記録ストラテジを抽出して図2(b)〜(f)に示す。このとき、横軸は図2(a)と同様に時間的長さに相当し、縦軸は照射する光の強度(照射パワー)Pである。照射する光の強度はPw,Pe,Pbの3値をとり、その関係はPw>Pe>Pbである。Pwを記録パワー、Peを消去パワー、Pbをバイアスパワーと呼ぶ。P=Peで光ビームが照射された場合、相変化記録層は結晶状態となる。即ち、マークを消去(マーク間を記録)することになる。一方、P=PwとP=Pbとの強度変調で照射された場合、相変化記録層はアモルファス状態となる。即ち、記録マークを形成することになる。Pw,Pe,Pbは媒体の記録相材料の熱的特性、光学的特性から決定されるが、消去パワーPeは0.2Pw〜0.6Pwの範囲にあることが好ましく、バイアスパワーPbは0〜0.1Pwの範囲にあることが好ましい。
本実施の形態の記録ストラテジは、時間的長さnTの記録マークを記録するためにm個のP=PwのオンパルスとP=Pbのオフパルスとを用いる。nとmの関係は以下の通りである。nが偶数n1の場合は、n1=2mの関係が成立し、nが奇数n2の場合は、n2=2m+1の関係が成立しなくてはならない。即ち、時間的長さnTが2T増加する毎にパワーPwのオンパルス、パワーPbのオフパルスを各々1個増加させたマルチパルスにより記録マークを形成するものである。ここに、時間的長さnTのマークを形成するときのP=Pwをとるi番目(i=1,…,m)のパルスの幅(照射時間)をTon(n,i)と表す。従来のCD−RW,DVD−RW,DVD+RWで採用されているm=n−1の記録ストラテジと比較するとパルスの周期が略2倍となるため、Ton/Tを長くすることが可能となる。そのため、パワーPの立上り・立下り時間の影響を相対的に低くすることができ、基本クロック周期Tが短い高速記録にも対応することができる。
照射時間Tonの範囲は任意であるが、0.5T〜1.5Tの範囲が好ましい。0.5Tより短くなると、照射時間が短すぎるため十分なエネルギーを記録層に与えることができなくなり、結果として記録マークの幅(走査方向と垂直方向のマーク長)が小さくなり、記録信号の振幅が低くなって、変調度が低下して再生信頼性の低い媒体となってしまう。照射時間Tonが1.5Tより長くなると、パワーP=Pbとなる時間が相対的に短くなるため、急冷状態を維持するのが困難になってくる。そのため、記録層にエネルギーを十分に加えることができるが、再結晶化により記録マークが小さくなってしまう。さらに、媒体にかかる絶対的なエネルギー量が大きくなるため、多数回の記録・書換え(オーバーライト)を行うと、記録層とその周辺に熱的損傷が発生するため、信頼性が低下してしまう。
このようなストラテジの場合は、m番目のパルスの照射時間、即ち、Ton(n,m)が記録されるマーク長に最も大きな影響を与える。特に、n=n2(奇数)の場合にはそれがさらに顕著になる。図3にTon(n,m)とマーク長のずれ量であるマークデビエーションとの関係を示す。マークデビエーションD(n)は、再生されたマーク長をL(n)とすると、D(n)=L(n)−nTで表される。つまり、D(n)=0となると論理的なマーク長と実際の記録マーク長とに差が無くなるため、良好な記録マークといえる。nが奇数(n=2m+1)の場合はTon(n,m)のD依存性が、nが偶数(n=2m)の場合に比べて大きくなっていることが分かる。これは、n・Tとn・Tの異なるマーク長を同数m個のパルスで記録することに起因する。n・Tマークはn・Tマークよりも1T分長くなっているため、その補正を最終パルスの照射時間とパルスの周期とで補正する必要があるためである。
一方、最終パルス以外のパルス照射時間は記録マークの長さへの影響は少ないことが分かっている。図4に最終パルス(m番目以外のパルス)幅のデビエーション依存性を示す。nが奇数(n=2m+1)、偶数(n=2m)に依らず、依存性は小さく、かつ、奇数と偶数との明確な差異はない。そのため、m番目の最終パルスの照射時間以外の照射時間Tonはnが偶数であるか奇数であるかに依らず記録ストラテジを統一することが可能である。
即ち,1≦i≦m−1のとき,
on(n1,i)=Ton(n2,i)
とすることが可能である。
さらに,2つ以上のパルスを用いる場合、即ち、m≧2,n≧4の場合には、n,iに依らず全てのパルスを統一することが可能である。即ち、
on(n,i)=定数Tmp (n≧4,1≦i≦m−1)
とすることができる。このとき、定数Tmpは0.5T〜1.5Tであることが好ましい。
さらに、nが偶数の場合の最終パルスも記録マークへの影響が小さい。nが偶数、つまり、n=n1の場合のm番目のパルスTon(n1,m)もnに依らず、
on(n,m)=Tmp
とすることができる。これらの事項は、nが偶数の場合に属するn=14の場合も同様である。
一方、nが奇数、即ち、n=n2の場合の最終パルス幅は、m≧2、即ち、n2≧5の場合にはn2によらず統一することが可能である。即ち、
on(n,m)=T1p (n2≧5,m≧2)
である。これは、D(n)の最終パルス幅依存性がn2に依らずほぼ一定なためである。しかし、nと同じ長さのパルス幅を設定すると、図2に示すように奇数のマークは偶数のマークよりも常に短くなる傾向にある。そのため、n・Tマークのデビエーションとn・TマークのデビエーションをDに揃えるためには、n・Tマークの最終パルスTon(n,m)をTon(n,m)=TmpよりもδTだけ長くする必要がある。即ち、
on(n,m)=Ton(n,m)+δT
従って、
1p=Tmp+δT
となる。δは光情報記録媒体の記録層の熱特性によって最適な値が選ばれるが、0〜1.0の範囲が好ましく、さらに好ましくは0〜0.5の範囲である。δが1.0を超えると、奇数マークの長さが長くなりすぎる。また、0.5を超えると、最終パルスのパワーPwの変動による効果が大きくなりすぎるため、マーク長の記録パワーPw依存性がnが偶数の場合と大きく異なってしまい、記録パワーマージンが著しく狭くなる傾向にある。
この結果、nが奇数の場合の最終パルス以外の全ての各パルスの照射時間Tonを全て同じ(=Tmp)にすることができる。
ところで、記録マーク長、マーク間長変調記録ではマーク長と同様にスペース長も重要となってくる。これは、2値化された情報上では、マークもスペースも等価に扱われ、その境界のみが特異点とされるためである。従って、スペース長の制御が必要になっていくが、マーク長が決定してしまえばスペース長は必然的に決まってしまう。しかし、そのばらつきは前後マークに大きく依存してしまう。つまり、nが奇数の記録マークの後のスペース長とnが偶数の記録マークの後のスペース長とが異なってしまうことがある。
これらを最適化するために、第1のパルスの立上り開始時間Td1とm番目のオフパルスの後のP=Peとなる立上り開始時間のデータ終了時間からのずれ時間Td2を制御することで可能となる。特に、ずれ時間Td2のスペースジッタに与える影響は大きくなっているため、ずれ時間Td2を各マーク長さ毎に最適な値を設定することが必要である。これは、ずれ時間Td2が記録マークに続くスペースの開始時間を決めているパラメータであることに起因する。
しかし、m≧2の記録マークの場合の時間Td2は統一することが可能である。その範囲は−T〜Tの範囲が好ましく、さらに好ましくは−0.5T〜0.75Tの範囲である。
一方、時間Td1も同様にスペースジッタに影響するが、Td1とTd2とは相対的なものであり一方に対して他方は従属的となるので、Td2と同時に最適化を行った場合は全てのnに対して統一することが可能となる。時間Td1の範囲としては0T〜1Tの範囲にあることが好ましい。
これまでに、記録ストラテジを規定するために、多くのパラメータの統一を論じてきたが、最小マークである3Tマークに関しては、その立上りのずれ時間Td1以外のパラメータは独自に設定する必要がある。これは、3Tマークのみm=1であり、そのパルスが、最終パルスであると同時に最初のパルス(第1のパルス)であるため、m≧2のストラテジパターンとは明らかに異なる。このため、そのパルス照射時間Ton(3,1)は独自に設定する必要があり、
on(3,1)=Tmp
である。Tmp’は記録層材料の熱的特性や光学的特性、さらに記録時の走査線速度及びクロック周期によって最適化され、その範囲は0.5T〜2.0Tの範囲であることが好ましい。同様に、ずれ時間Td2もn=3のものは独自に設定することが必要であり、その範囲は−T〜Tの範囲が好ましく、さらに好ましくは−0.5T〜0.75Tの範囲である。
ところで、パルスの照射周期はマーク形状の均一性に影響する。パルス照射周期が不均一の場合はマーク形状が歪みやすく、その結果として再生された信号も歪んでしまい、ジッタを悪化させる傾向にある。この傾向はパルス照射時間Tmpが小さい場合、即ち、P=Pwとなるパルス幅が小さく、P=Pbとなる時間が相対的に長くなる場合に顕著となる。
パルス照射周期は均一であることが好ましく、さらに好ましくはその周期が略nT/mとなることである。ただし、ここでの周期は平均的な周期を意味し、個別の周期ではない。つまり、例えば、nT=11Tのマークを記録するときに、5個のパルスの平均周期をnT/m=11T/5=2.2Tとすることであり、全ての周期を2.2にする必要はない。例えば、第1のパルスと第2のパルスとの周期を2.4Tとし、第2から第4のパルスまでの周期を2.0Tとし、第4から第5のパルスの周期を2.4Tとした場合も平均周期は2.2Tとなる。しかし、均一性を向上するためには周期をnT/mとすることが最もよい。また、パルスの照射周期を個別に設定することは記録ストラテジを規定するパラメータが増加することを意味するため、周期は統一するほうが好ましい。この場合、nが偶数の場合の周期は常に2Tとなるが、nが5以上の奇数の場合の周期はnの増加とともに2Tに漸近することになる。つまり、図5に示すように、nが5以上の奇数の場合の周期は、nT/m=2.5T,nT/m=2.33T,nT/m=2.25T,nT/m=2.2Tの如く、nの増加とともに2Tに漸近するよう減少する。
また、最終パルスの照射後に付加されるパワーPbの最終オフパルスの照射時間Toff(n,m)に着目した場合、前述のように、この最終オフパルスのパワーPeへの立上りを早める時間Td2が統一されていることから、図6に示すように、nが偶数の場合にはnの値に依らず照射時間Toff(n,m)を一定とし、nが奇数の場合にはnの値の増加に伴い照射時間Toff(n,m)が偶数の場合の照射時間Toff(n,m)に漸近するよう減少する記録ストラテジとなる。
以上により、本実施の形態の情報記録方法に用いる最適な記録ストラテジは以下の6種パラメータ
mp
mp
δ
d1
d2
d2
で記述することができる。これは、従来のEFMの場合の69個、EFM+の場合の77個のパラメータを規定する方法に比べると明らかに少ない規定方法である。さらには、時間Td1は時間Td2に対して従属的なものであり、固定値と見倣すこともできるので、実質的には5種のパラメータで記述することも可能である。
このようなパラメータを用いて規定した記録ストラテジを図7に示す。
ところで、このような記録ストラテジを適用して、記録速度(走査速度)を変更した場合は、照射時間Tmp,Tmp’を記録時の走査線速度vに対して変動させることで対応することが可能である。他のパラメータは基本クロック周期T(v)に対して一定とすることができる。つまり、基本クロック周期T(v)で規格化したδ/T(v),Td1/T(v),Td2/T(v),Td2’/T(v)は記録速度(走査速度)に依らず一定である。
T(v)とvの関係は、走査方向の単位長さ当りの情報量が一定である線密度一定の場合、T(v)=L/vである。ここで、Lは基本クロック周期Tに対応する光情報記録媒体上の長さに相当し、一般に、チャンネルビット長と呼ばれる。DVDの場合、L=0.133μmであり、CDの場合、L=0.278μm又は0.324μmである。つまり、走査速度が2倍になった場合は基本クロック周期Tは1/2倍になる。
このように走査速度が変わったときに、Tmp(v)/T(v)及びTmp’(v)/T(v)は小さくなるほうが好ましい。つまり、走査速度v=v,v=vの場合(ただし、v<v)を考えたとき、基本クロック周期T(v)に対する相対時間としては、
mp(v)/T(v)>Tmp(v)/T(v),
mp’(v)/T(v)>Tmp’(v)/T(v
となり、さらに実時間では、
mp(v)<Tmp(v),
mp’(v)<Tmp’(v
となることが好ましい。
この点について、図8に示す略図を参照して説明する。ここでは、説明を簡単にするため、例えば、v=1.0、v=2.0、Tmp(v)=0.3T(v)、Tmp(v)=0.5T(v)とすると、図8(a)の実時間側に示すように、Tmp(v)<Tmp(v)となるが、図8(b)に示すように、各々の基本クロック周期T(v),T(v)で規格化されたデューティはTmp(v)/T(v)=0.3,Tmp(v)/T(v)=0.5で、Tmp(v)/T(v)>Tmp(v)/T(v)となる。つまり、基本クロック周期T(v)で規格化されたデューティTmp(v)/T(v)及びTmp’(v)/T(v)は、走査速度の大小に応じて逆転させた方がよいことを意味する。
また、照射時間Tmp,Tmp’は走査速度vの関数であるα=v/vに比例する関数で表されることが好ましく、
mp(α)/T(α)=a×α+b
となることがさらに好ましい。ただし、vは光情報記録媒体の記録可能な最低走査速度であり、αは1以上の実数である。αの範囲は光情報記録媒体の記録可能な走査速度を表しており、例えば、直径120mmのディスク型記録媒体のCAV(Constant Angular Velocity:角速度一定記録)方式を用いることを考慮すると、1〜2.4が好ましく、さらに好ましくは1〜4である。即ち、本実施の形態で特に想定しているL=278nm、走査速度v=9.6m/s〜38.4m/s=8x〜32x(v=9.6m/s=8x,α=1〜4)であるCD−RWの場合は、図9中に示すように、
0.14≦a≦0.29
0.2≦b≦0.4
であることが好ましい。ちなみに、図9には、1x〜4xのCD−RW(v=1.2m/s,α=1〜4)、4x〜10xのHS CD−RW(v=4.8m/s,α=1〜2.5)のデューティTmp/T特性も併せて示している。また、DVD+RWではv=3.49m/s,α=1〜2.4となっている。
定数a,bは光情報記録媒体の特性に合わせて設定できるが、以下に示す
0.1≦a≦0.4
0.1≦b≦0.4
のような範囲が好ましい。このような範囲に設定することで、αが1〜4までの場合に想定される記録ストラテジに対応することが可能となる。
また、n=3の場合の照射時間Tmp’もαによって変動するが、上述した関数を元に、
mp’(α)=(Tmp(α)/Tmp(1))×Tmp’(1)
で算出される値を用いることができる。
このように、基本クロック周期Tに対するパルス照射時間Tmpを相対的に短くすることによって、αが変動した場合でも、パワーPwの大きく変わらない記録方法を実現することが可能である。従って、CAV記録又はZ−CLV(Zone CLV:半径範囲毎にCLV記録を行い、擬似的なCAV記録を行う方式であり、半径範囲の0の極限をとるとCAVに相当する)に好適に適用することができる。
[光情報記録媒体へのプリフォーマット]
以上のように、複雑である記録ストラテジによる記録方法も限られたパラメータで規定することが可能である。これらのパラメータの情報を各光情報記録媒体にプリフォーマットしておくことにより、情報記録装置はこれらのパラメータ情報を対称となる光情報記録媒体から読み出すことにより、精度の高い記録条件を設定することが可能となる。
本実施の形態は、光情報記録媒体にこれらのパラメータをプリフォーマットしておくことを特徴の一つとする。
プリフォーマットは任意の手法を用いることができるが、プリピット法、ウォブルエンコード法、フォーマット法がある。プリピット法は光情報記録媒体上の任意の領域にROMピットを用いて記録条件に関する情報をプリフォーマットする手法である。基板成形時にROMピットが形成されるため量産性に優れ、かつ、ROMピットを用いているので、再生信頼性及び情報量の点で有利である。しかし、ROMピットを形成する技術(即ち、ハイブリッド技術)は課題が多く、RW系のプリピットによるプリフォーマット技術は困難とされている。
フォーマット法は、光情報記録装置を用いて通常の記録と同様の手法を用いて情報を記録しておくものである。しかし、この手法は、光情報記録媒体を製造後、各媒体にフォーマットを施す必要があり、量産性の点から困難である。さらに、プリフォーマット情報を書換えることが可能であるため、媒体固有の情報を記録する手法としては適切ではない。
ウォブルエンコード法は、CD−RW,DVD+RWで実際に採用されている手法である。この手法は光情報記録媒体のアドレス情報をグルーブ(媒体上の案内溝)のウォブリングにエンコードする技術を利用している。エンコードの方法としては、CD−RWのATIPのように周波数変調を用いても、DVD+RWのように位相変調を用いても良い。ウォブルエンコード法は、光情報記録媒体の基板成形時にアドレス情報と一緒に基板に作成されるため、生産性に優れると同時に、プリピット法のような特殊なROMピットを形成する必要がないため、基板成形も容易に行えるという利点がある。
いま、上述したような記録ストラテジに関するパラメータのプリフォーマット例について、CD−RWの例で説明する。図10及び図11にCD−RW規格の光情報記録媒体1の各領域のフォーマット例を示す。円盤状の光情報記録媒体1において、グルーブが形成されたグルーブ形成領域には、半径方向内周側から外周側に向けて、内周部未使用領域2、テスト記録領域3、リードイン領域4、情報記録領域5、リードアウト領域6、外周部未使用領域7が順に割当てられている。
このようなCD−RWなる光情報記録媒体1の場合、プリフォーマットされるメディア情報はATIP Extra Informationである。ATIP Extra Informationはアドレス情報を示すATIPを利用した手法である。ATIPはCD−RWディスクにプリフォーマットされたアドレス情報である。CD系のディスクは音楽情報媒体がベースとなった経緯からアドレスは時間情報として表されるため、M:S:Fで表される。ここで、Mは分であり、規格上00〜99の範囲をとることが可能であり、Sは秒に相当し、00〜59の範囲をとり、Fはフレームであり、00〜74の範囲をとる。1分=60秒であり、1秒=75フレームに相当する。M,S,Fには各々8bitの情報が与えられるため、1ATIPフレームの情報量は24bitとなる。M,S,F各々について、0〜255の値を与えることが可能であるが、実際には前述の範囲しか利用していない。そのため、使用していないbitを利用すればアドレス以外の情報を付加することが可能となる。この方法を利用したのがATIP Extra Informationである。
1ATIPフレームのデータフォーマットは図12に示す通り42bitの情報からなる。最初の4bitは同期部と呼ばれ、フレームの開始を示す部分である。情報記録装置がATIPを再生するときにこの同期部をフレームの開始として認識するために同期パターンという特殊なパターンで構成される。同期部に続く5〜28bit目までの24bitがアドレス情報部である。24bitはさらに8bitずつの3つの部分に分割されており、M1〜M8の部分がアドレス情報のM(即ち、分)を表し、S1〜S8の部分がアドレス情報のS(即ち、秒)を表し、F1〜F8の部分がアドレス情報のF(即ち、フレーム)を表す。アドレス情報部に続く29〜42bit目までの14bitが「CIRC Remainder」と呼ばれる部分である。CIRC(Cross Interleved Reed-Solomon Code)を用いた誤り訂正の符号に相当する。
CD−RWの標準規格ではアドレス情報のうち、M1,S1,F1の組合せにより、アドレス情報部の内容を以下の7種に分類している。
(M1,S1,F1) = (0,0,0)又は(1,0,0):通常アドレス
(M1,S1,F1) = (1,0,1):Special Information 1
(M1,S1,F1) = (1,1,0):Special Information 2
(M1,S1,F1) = (1,1,1):Special Information 3
(M1,S1,F1) = (0,0,1):Additional Information 1
(M1,S1,F1) = (0,1,0):Additional Information 2
(M1,S1,F1) = (0,1,1):Additional Information 3
これらの情報のうち、通常アドレス以外の情報をATIP Extra Informationとしている。これらのATIP Extra Informationにはディスク固有の情報が与えられており、その例としては、ディスクの種類に関する情報、記録条件(記録パワーや最適記録パワーを設定するためのパラメータ、ストラテジを規定するパラメータ)などがある。
ATIP Extra Informationは光情報記録媒体1のリードイン領域4に入れられており、通常アドレスが9フレーム続いた後にATIP Extra Informationが1フレーム付加される。即ち、6種類のATIP Extra Informationを再生するためには、リードイン領域4を少なくとも60フレーム再生する必要があることになる。
ここで,本実施の形態の情報記録方法における記録ストラテジを規定するパラメータとして、基本クロック周期Tで規格化されたTd1/T,Td2/T,Td2’/T,Tmp/T,Tmp’/T,δ/Tなる6種類を採用し、光情報記録媒体1にプリフォーマットすることを考える。情報はATIP Extra InformationのうちのAdditional Information 1に入れるものとする。
Additional Information 1のうち、M1,S1,F1は各々0,0,1に固定されるため、アドレス情報部は図13に示す通りになる。そこで、各bitを以下のパラメータの表現に割当てることにする。
(M2,M3,M4):Td1/T
(M5,M6,M7):Td2/T
(M8,S2,S3):Td2’/T
(S4,S5,S6):Tmp/T
(S7,S8,F2):Tmp’/T
(F3,F4,F5):δ/T
この例では,各パラメータに3bit分の情報量を与えている。即ち、各パラメータ毎に8水準の情報を与えることができる。各bitとパラメータの値(実数)の関係は変換テーブルを用いることで行う。各bitと各パラメータとの変換テーブル11a〜11fの例を図15〜図20に示す。
いま、或る光情報記録媒体1が以下のパラメータの値で最も良い特性で記録可能であるとする。
d1/T=0.50
d2/T=0.00
d2’/T=0.25
mp/T=1.00
mp’/T=1.60
δ/T=0.14
図15〜図20に示す変換テーブル11a〜11fに基づいて各bitの値を求めると、
(M2,M3,M4)=(0,1,1)
(M5,M6,M7)=(1,0,0)
(M8,S2,S3)=(1,0,1)
(S4,S5,S6)=(1,0,0)
(S7,S8,F2)=(1,0,1)
(F3,F4,F5)=(0,1,0)
となる。従って、Additional Information 1にプリフォーマットされる各パラメータのbit情報は図14に示すようになる(ここで、Xは定義されていないため任意である)。
物理的な特性が異なり、記録ストラテジの各パラメータのうち最適な値が異なる場合には同様に変換テーブル11a〜11fを用いて変換したbit情報をAdditional Information 1にプリフォーマットしておけばよい。
ところで、ウォブルエンコードによる手法では、他の手法と比較すると絶対的な情報量が少なくなる傾向にある。通常、ウォブル周波数は記録情報の周波数に対して、相互干渉が起こらない周波数帯域をとる。周波数で30分の1以下、さらに好ましくは100分の1以下である。さらに、変調方式に周波数変調を用いるとさらに情報密度が低下し、CD−RWのATIP EXTRA INFORMAITIONのように、アドレス情報の冗長性を利用した場合はさらに情報密度が低下してしまう。
もっとも、情報量が不足した場合は、新たな領域を設けても良い。CD−RWの場合は、リードイン領域4にATIP EXTRA INFORMATIONがエンコードされているが、この領域のみで不足する場合は、ディスク内周部又は外周部の未使用領域2又は7にエンコードしても良い。未使用領域2,7の例としては、PCA(Power Calibration Area=テスト記録領域)よりも内周部やリードアウト領域6の外周部を挙げることができる。
また、エンコードされるパラメータは上述した例の如く、実数を2進数に変換した値をエンコードしてもよく、変換テーブルを用いて変換した情報をエンコードしても良い。ただし、何れの方法を用いても情報記録装置上では、エンコードした情報をデコードし、正しく記録ストラテジを設定することができる手段が必要である。
[記録ストラテジ生成方法]
CD−RWなる光情報記録媒体1に対応した情報記録装置は、当該光情報記録媒体1への記録動作時(媒体をマウントした場合も含む)に、上記のATIP Extra Informationを再生する。上述した光情報記録媒体1に対応した記録装置では、Additional Information 1を再生できることが必要であり、さらにそのbitを実数に変換するための変換テーブルを有することが必要である。情報記録装置はAdditional Information 1を再生し各bitの値を光情報記録媒体1から得る。そのbit情報に対して変換テーブル11a〜11fを用いてパラメータの実数を取得することができる。情報記録装置はこれらのパラメータの実数値を基に最適な記録ストラテジを設定することができる。最適な記録ストラテジが異なる光情報記録媒体1、つまり、各パラメータ値が異なる光情報記録媒体1では、Additional Information 1に最適なパラメータがプリフォーマットされているため、情報記録装置は光情報記録媒体毎に最適な記録ストラテジを設定することが可能となる。
このような記録ストラテジ生成方法の処理手順を図21に示す概略フローチャートを参照して説明する。この処理は、例えば情報記録装置において後述するシステムコントローラにより実行される。
まず、記録動作に先立ち、マウントされて対象となる光情報記録媒体1からプリフォーマット情報を再生する(ステップS1)。即ち、記録ストラテジに関するパラメータTd1/T,Td2/T,Td2’/T,Tmp/T,Tmp’/T,δ/Tが記録されているアドレスにアクセスし、そのプリフォーマット情報を再生する。再生されたプリフォーマット情報(パラメータTd1/T,Td2/T,Td2’/T,Tmp/T,Tmp’/T,δ/Tのbit情報)をデコードする(S2)。即ち、変換テーブル11a〜11fを用いて各パラメータ情報をbit情報から実数情報に変換する。そして、変換されたパラメータTd1,Td2,Td2’,Tmp,Tmp’,δの実数情報を用いて最適なマルチパルスパターンとなるように記録ストラテジを生成して設定する(S3)。この後、必要に応じて、最適記録パワーの設定処理を行う(S4)。即ち、設定された記録ストラテジの妥当性検証と最適な記録パワーを設定するために行う試書きであり、試書きの例として、CD−R/RW,DVD+RW/Rで採用されているOPC(Optimum Power Control)を用いても良い。そして、記録動作に際しては、このような動作で決定された記録パワーを用いて所定の記録ストラテジを基に記録を行う(S5)。
[情報記録装置]
次に、前述した記録ストラテジによる情報記録方法を実現するための情報記録装置の構成例ついて、図22を参照して説明する。
まず、CD−RWなる光情報記録媒体1に対して、この光情報記録媒体1を回転駆動させるスピンドルモータ21を含む回転制御機構22が設けられているとともに、光情報記録媒体1に対してレーザ光を集光照射させる対物レンズや半導体レーザLD23等のレーザ光源を備えた光ヘッド24がディスク半径方向にシーク移動自在に設けられている。光ヘッド24の対物レンズ駆動装置や出力系に対してはアクチュエータ制御機構25が接続されている。このアクチュエータ制御機構25にはプログラマブルBPF26を含むウォブル検出部27が接続されている。ウォブル検出部27には検出されたウォブル信号からアドレスを復調するアドレス復調回路28が接続されている。このアドレス復調回路28にはPLLシンセサイザ回路29を含む記録クロック生成部30が接続されている。PLLシンセサイザ回路29には速度制御手段としてのドライブコントローラ31が接続されている。
システムコントローラ32に接続されたこのドライブコントローラ31には、回転制御機構22、アクチュエータ制御機構25、ウォブル検出部27及びアドレス復調回路28も接続されている。
また、システムコントローラ17はCPU等を備えた、いわゆるマイコン構成のものであり、前述した変換テーブル11a〜11f等を含むROM33を備えている。また、このシステムコントローラ17には、EFMエンコーダ34、マーク長カウンタ35、パルス数制御部36が接続されている。これらのEFMエンコーダ34、マーク長カウンタ35、パルス数制御部36及びシステムコントローラ17には、発光波形制御手段となる記録パルス列制御部37が接続されている。この記録パルス列制御部37は、記録ストラテジにより規定されるマルチパルス(オンパルス、オフパルス)を生成するマルチパルス生成部38と、エッジセレクタ39と、パルスエッジ生成部40とが含まれている。
この記録パルス列制御部37の出力側には、記録パワーPw,消去パワーPe、バイアスパワーPbの各々の駆動電流源41をスイッチングすることで光ヘッド24中の半導体レーザLD23を駆動させる光源駆動手段としてのLDドライバ部42が接続されている。
このような構成において、光情報記録媒体1に記録するためには、目的の記録速度に対応する記録線速度となるようにスピンドルモータ21の回転数をドライブコントローラ31による制御の下、回転制御機構22により制御した後に、光ヘッド24から得られるプッシュプル信号からプログラマブルBPF26によって分離検出されたウォブル信号からアドレス復調するとともに、PLLシンセサイザ回路29によって記録チャネルクロックを生成する。次に、半導体レーザLD23による記録パルス列を発生させるため、記録パルス列制御部37には記録チャネルクロックと記録情報であるEFMデータが入力され、記録パルス列制御部37中のマルチパルス生成部38により図7に示したような記録ストラテジに従うマルチパルスを生成し、LDドライバ部42で前述のPw,Pe,Pbなる各々の照射パワーとなるように設定された駆動電流源41をスイッチングすることで、記録パルス列に従うLD発光波形を得ることができる。
ところで、本実施の形態では、記録パルス列制御部37中に、記録チャネルクロック周期の1/20の分解能を有する多段のパルスエッジ生成部40を配置しており、エッジセレクタ(マルチプレクサ)39に入力された後、パラメータTd1に基づきシステムコントローラ32によって選択されたエッジパルスによって第1のパルスの立上り制御信号等を生成する。パルスエッジ生成部40用の多段遅延回路は、高分解能のゲート遅延素子やリングオシレータとPLL回路によって構成することができる。
このように生成された第1のパルスの立上り制御信号を基準に、パラメータTmp,Tmp’,δや周期nT/m等に基づき基準クロック周期Tに同期したマルチパルス列が生成される。同様に、最終オフパルスの照射時間Toff(n,m)に関しても、パラメータTd2或いはTd2’に基づきシステムコントローラ32によって選択されたエッジパルスによって最終オフパルスの立上り制御信号等を生成する。
また、本実施の形態のような構成の記録パルス列制御部37では、EFMエンコーダ34から得られるEFM信号のマーク長を計数するためのマーク長カウンタ35が配置されており、そのマークカウント値が2T増加する毎に1組のパルス(パワーPwによるオンパルスとパワーPbによるオフパルス)とが生成されるようにパルス数制御部36を介してマルチパルスを生成するようにしている。この動作は、第1のパルスの後エッジをエッジセレクタ39で選択した後、次の記録チャネルクロック周期から生成されるエッジパルスで後続のマルチパルスの前エッジを選択し、その次の記録チャネルクロック周期から生成されるパルスエッジでそのマルチパルスの後エッジを選択することで可能となる。
別のマルチパルス生成部の構成としては、記録チャネルクロックを2分周した記録分周クロックを生成し、これを多段遅延回路を用いてエッジパルスを生成し、エッジセレクタで前後のエッジを選択することで記録チャネルクロックが2T増加する毎に1組のパルス(パワーPwによるオンパルスとパワーPbによるオフパルス)を生成することもできる。この構成の場合、マルチパルス生成部の実質的な動作周波数は1/2となり、さらに高速記録動作が可能となる。
[変形例]
上述した説明では、相変化型の光情報記録媒体への適用例として説明したが、追記のみ可能なCD−R、DVD−R等のいわゆる色素系の光情報記録媒体の場合にも適用可能である。この場合、照射するパワーに関して、Pe≒Pbと見做し、図23に示すように照射パワーPwによるパルスPon(n,i)とパルスPon(n,i+1)との間を照射パワーPbで照射する2値パターンとなる。
ポリカーボネート製CD−RW用基板上に下部誘電体層、記録層、上部誘電体層、反射層を順次スパッタリング法を用いて成膜した。下部誘電体層材料及び上部誘電体層材料としてZnSにSiO2を20mol%混合した誘電体を用い、記録層としてAgInSbTe合金に微量のGeを添加した材料を用いた。反射層材料にはAgを用いた。下部誘電体層の膜厚を70nm、記録層膜厚を15nm、上部誘電体層を20nm、反射層を140nmとした。さらに、その上に樹脂製の保護層をスピンコーティング法で成膜し、紫外線を照射することで硬化した。保護層材料は市販のCD用保護層材料である紫外線効果樹脂を用いた。保護層の膜厚は約10μmであった。
成膜後、記録層は急冷状態にあり、アモルファス状態である。そのため、ディスク全面を結晶化するために、CD−RW用初期化装置を用いて初期化した。初期化は高出力レーザを全面に照射及び走査することで行った。初期化レーザは波長830nmであり、ビーム径は走査方向に1μm、その垂直方向に80μmであった。照射強度は800mW(消費電力)で走査速度は2.5m/sとした。完成したディスクは未記録状態でCD−RWディスクの各規格を満足するものであった。
このようなディスクにCDの24倍速相当の記録実験を行った。情報記録・再生装置としてパルステック工業製DDU1000を用い、記録ストラテジ発生装置としてソニーテクトロニクス製AWG610を使用した。作成したストラテジパターンは図7に示すものであり、各パラメータは以下の通りとした。
T=9.6ns
mp/T=1.125
mp’/T=1.563
δ/T=0.125
d1/T=0.50
d2/T=0.05
d2’/T=0.10
このようなパラメータ設定の記録ストラテジを用いて24倍速相当の記録を行った。記録条件は以下の通りである。
Pw=32mW
Pe=11mW
v=28.8m/s
DOW回数=1〜1000
(DOW:Direct Over Writeの略。消去動作を伴わない書換えのことであり、CD−RW規格では1000回以上可能としている)
記録後にCDの標準速(v=1.2m/s)で3Tマークジッタ,3Tスペースジッタを測定したところ、表1に示すような結果が得られた。
Figure 0004444929
表1に示す結果によれば、DOW回数1000回まで、CD−RW標準規格であるジッタ<35ns以下なる条件を満足していることを確認できたものである
実施例1で作成したCD−RWディスクにCDの8倍速相当の記録を行った。記録ストラテジは実施例1のストラテジ中のTmp/TとTmp’/Tのみを変更した。
mp/T=0.500(実施例1の4/9)
mp’/T=0.695(実施例1の4/9)
T=28.9ns
δ/T,Td1/T,Td2/T,Td2’/Tは実施例1と同一の値を用いた。
記録条件は以下の通りとした。
Pw=30mW
Pe=9mW
v=9.6m/s
DOW回数=1〜1000回
記録後に標準速で3Tマークジッタ,3Tスペースジッタを測定したところ、表2に示すような結果が得られた。
Figure 0004444929
表2に示す結果によれば、照射時間Tmp,Tmp’を4/9倍にすることだけで、8倍速相当でも記録可能であることを確認できたものである。また、DOW回数1000回でも、ジッタ<35nsであり、良好な特性を示していることを確認できたものである。
実施例1,実施例2を考慮すると、光情報記録媒体1には以下のパラメータ情報をプリフォーマットしておくことで、情報記録装置は最適な記録ストラテジを設定することができる。
δ/T=0.125
d1/T=0.50
d2/T=0.05
d2’/T=0.10
a=3.125
b=0.188
α=3
本発明の一実施の形態の記録ストラテジの概略を示す波形図である。 3T,4T,5T,10T及び11Tを抽出してその考察用の記録ストラテジの概略を示す波形図である。 on(n,m)とマークデビエーションD(n)との関係を示す特性図である。 最終パルス以外のパルスTon(n,i)とマークデビエーションD(n)との関係を示す特性図である。 nが奇数の場合にパルス周期の減少する様子を概略的に示す特性図である。 nが奇数の場合に最終オフパルスの照射時間の減少する様子を概略的に示す特性図である。 数少ないパラメータにより規定される本実施の形態の記録ストラテジの概略を示す波形図である。 走査速度の変化に伴い照射時間のデューティが変化する様子を略図で示す説明図である。 走査速度の変化に伴い照射時間のデューティを変化させる関数を示す特性図である。 光情報記録媒体の領域割当てを示す平面図である。 その断面構造図である。 1ATIPフレームのデータフォーマットを示す説明図である。 アドレス情報部のパラメータのプリフォーマット割当て領域を示す説明図である。 プリフォーマットされたbit情報例を示す説明図である。 パラメータTd1用の変換テーブルを示す説明図である。 パラメータTd2用の変換テーブルを示す説明図である。 パラメータTd2’用の変換テーブルを示す説明図である。 パラメータTmp用の変換テーブルを示す説明図である。 パラメータTmp’用の変換テーブルを示す説明図である。 パラメータδ用の変換テーブルを示す説明図である。 記録ストラテジ生成プロセスの概略を示すフローチャートである。 情報記録装置の構成例を示す概略ブロック図である。 変形例の記録ストラテジの概略を示す波形図である。 従来例の記録ストラテジの概略を示す波形図である。 理想的な照射波形に対する実際の発光波形を示す説明図である。
符号の説明
1 光情報記録媒体
22 回転駆動機構
23 レーザ光源
31 速度制御手段
37 発光波形制御手段
42 光源駆動手段

Claims (5)

  1. 照射パワーの高い高パルスおよび照射パワーが前記高パルスより低い低パルスを有するマルチパルスによって、時間的長さが基本クロック周期Tのn倍(nは自然数)に対応するマーク長記録方式により情報を光情報記録媒体に記録する情報記録方法であって、
    時間的長さnTに対応するマーク長を記録する際のマルチパルスの高パルスと低パルスの合計の幅は、当該時間長さnTよりも短く、
    n=n=2m(mは2以上の自然数)の場合の時間的長さn・Tに対応する記録マークとn=n=2m+1の場合の時間的長さn・Tに対応する記録マークとを照射パワーPwが同一であるm個のマルチパルスにより形成する際に、i番目(iは1〜(m−1)なる自然数)のパルスの照射時間をTon(n,i)で表すとき、n≧4のとき、Ton(n,i)=定数Tmpとし、
    偶数のnを基準とする場合、当該基準となるnが2増加すると、それに対応するマーク長を記録するために高パルスと低パルスの数がそれぞれ1つ増加し、
    前記基準となるnが1増加すると、それに対応するマーク長を記録するための高パルスと低パルスの数は、前記基準となるnに対応するマーク長を記録するための高パルスと低パルスの数とそれぞれ同じであり、かつ、高パルス間に存在する少なくとも1つの低パルスの幅が前記基準となるnに対応するマーク長を記録するための高パルス間に存在する1つの低パルスの幅に比べて長くなる情報記録方法。
  2. マーク間は、前記高パルスと低パルスを照射するパワーの間の照射パワーで照射する請求項1に記載の情報記録方法。
  3. 請求項1または2に記載の記録方法を行うために前記マルチパルスを形成するためのパラメータが予めプリフォーマットされている光情報記録媒体。
  4. 照射パワーの高い高パルスおよび照射パワーが前記高パルスより低い低パルスを有するマルチパルスによって、時間的長さが基本クロック周期Tのn倍(nは自然数)に対応するマーク長記録方式により情報を光情報記録媒体に記録する情報記録装置であって、
    前記光情報記録媒体を回転させる回転駆動機構と、
    前記光情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、
    このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、
    前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、を備え、
    前記発光波形制御手段は、時間的長さnTに対応するマーク長を記録する際の前記マルチパルスの高パルスと低パルスの合計の幅は、当該時間長さnTよりも短く、
    n=n=2m(mは2以上の自然数)の場合の時間的長さn・Tに対応する記録マークとn=n=2m+1の場合の時間的長さn・Tに対応する記録マークとを照射パワーPwが同一であるm個のマルチパルスにより形成する際に、i番目(iは1〜(m−1)なる自然数)のパルスの照射時間をTon(n,i)で表すとき、n≧4のとき、Ton(n,i)=定数Tmpとし、
    偶数のnを基準とする場合、当該基準となるnが2増加すると、それに対応するマーク長を記録するために前記高パルスと低パルスの数がそれぞれ1つ増加し、
    前記基準となるnが1増加すると、それに対応するマーク長を記録するための前記高パルスと低パルスの数は、前記基準となるnに対応するマーク長を記録するための高パルスと低パルスの数とそれぞれ同じであり、かつ、高パルス間に存在する少なくとも1つの低パルスの幅が、前記基準となるnに対応するマーク長を記録するための高パルス間に存在する1つの低パルスの幅に比べて長くなるように記録ストラテジを設定する情報記録装置。
  5. 前記レーザ光源により、マーク間は、前記高パルスと低パルスを照射するパワーの間の照射パワーで照射する請求項4に記載の情報記録装置。
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