JP2005004800A - 情報記録方法、情報記録装置及び情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】パルス位置、パルスパワーの制御のパラメータを共通化し、より汎用性の高い情報記録方法を提供する。
【解決手段】nTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個の記録パルスとパワーPbのk個のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT増加する毎に、記録パルスの数とバイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いることで、記録パルスと組合されるバイアスパルス数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間が制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現でき、同時に、良好な特性を確保できる。
【選択図】 図5
【解決手段】nTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個の記録パルスとパワーPbのk個のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT増加する毎に、記録パルスの数とバイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いることで、記録パルスと組合されるバイアスパルス数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間が制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現でき、同時に、良好な特性を確保できる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録可能な情報記録媒体、特にCD−RW,DVD+RW,DVD−RAM,DVD−RW等の相変化型の光情報記録媒体に適した情報記録方法、情報記録装置及び情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報のデジタル化・マルチメディア化が急速に進んでいるため、より大容量の情報を高速に記録・再生可能な記録媒体の需要が高まっている。特に、再生専用メモリであるDVD−ROM,CD−ROMとの再生互換性を確保しつつ、記録が可能であるDVD−R,DVD−RW,DVD−RAM,DVD+RW,CD−R,CD−RWに代表される記録型光ディスクはその汎用性から注目されている。特に相変化材料を記録層材料に用いた相変化型ディスクは、記録層材料の可逆的な相変化を記録原理とするため、書換え型の光メモリとしてその用途は多岐にわたると考えられている。
【0003】
しかし、記録原理が、記録層材料の急冷によるアモルファス化と徐冷による結晶化であり、時間的要素が大きく関与するため、高速化が困難とされている。
【0004】
また、記録方法においても、パルス状に変調されたレーザを記録層に照射及び走査することで行い、その発光周期を基本クロック周期とするため、レーザ発振素子の応答時間の限界により、CDでの20倍速以上,DVDの5倍速以上での記録は困難とされていた。
【0005】
このような状況を踏まえ、この種の情報記録媒体に対する記録方式として改良された各種方式等が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1は、記録に用いるパルスの周期を基本クロックの約2倍とした記録方法に関する従来技術である。
【0007】
また、非特許文献1によれば、時間的長さnTのマーク形成にm個の照射パルスを照射して記録するとき、n=2m,n=2m+1とする「2T Write Strategy」が記載されている。この際、異なる長さのマークを同一のパルス数で記録するために奇数Tのマークを記録する際には最終パルス立上り時間を遅らせ、最終パルス幅を延長し、最終冷却パルス幅を延長することで対応している。
【0008】
また、特許文献2によれば、マーク長さnTをm個のパルスで記録する技術が開示されており、具体的には、n/m≧1.25としている。この特許文献2の実施例中にパルスの周期を基本クロックの約2倍とする記述がある。また、最終パルスでマーク長を補正する記述がある。
【0009】
特許文献3によれば、マーク長さが3T増加する毎に記録パルスを1組増加させる記録方法が記載されており、バイアスパルスの長さを調整することで、マーク長の調整を行うようにしている。
【0010】
特許文献4によれば、記録に用いるパルスの周期を基本クロックの約2倍とし、最終冷却パルスの終端をステップ状にし、さらにレベルを調整することでマーク長を調整するようにした技術が開示されている。
【0011】
さらに、特許文献5においては、パルスの周期を1.5T以上とすることが開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−13455号公報
【特許文献2】
特開2001−331936公報
【特許文献3】
特開2003−045029公報
【特許文献4】
特開2002−334433公報
【特許文献5】
特開2002−319234公報
【非特許文献1】
CD−RW標準規格書「Recordable Compact Disc Systems Part III volume 3 version 1.0」(通称オレンジブックパートIII,vol.3 Ultra−speed CD−RW)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
2002年9月に制定された、24倍速対応の書換え型CDであるUS CD−RW(Ultra−speed Compact Disc ReWritable:通称オレンジブック)の標準規格書には、パルス発光周期を基本クロックの2倍とする記録方法が採用された。
【0014】
この技術は特許文献1にて開示されているように、立上り、立下り時間が長く応答性の悪いレーザ駆動装置を用いても、媒体に十分なエネルギーを印加することができるため、従来の基本クロック周期を照射パルスの周期と同一とする方法に対して、より低い記録パワーで記録することが可能となる。
【0015】
しかし、この記録方法は同一のパルス数で異なる長さの記録マークを形成することが不可欠となり、パルスの位置の最適化や、長さの異なるマーク毎にマルチパルスの照射時間を調整する必要があるため、照射パターンが複雑になってしまう。
【0016】
前述のオレンジブックに記載される記録ストラテジでは、基本クロック周期Tに対して、マーク長(時間的長さ)が3以上11以下の自然数nを用いてnTで表されるとき、nTのマークを記録するときの照射パルス数mは、図1を参照すると、
n=3 m=1
n=偶数 m=n/2
n=奇数 m=(n−1)/2
となる。
【0017】
例を挙げると、6Tマーク(図1(e))と7Tマーク(図1(f))はマーク長が異なるにも関わらず3個の同数のパルス照射で記録することになる。そのため、nが奇数であるマークの最終パルスの立上り位置をδ遅らせ、かつ、最終パルス幅を長くすることで解決する必要がある。
【0018】
情報の記録は、基本的には、3レベルの照射パワーPw,Pe,Pbからなるパルス列を照射することで行う(図1)。このとき、Pw>Pe>Pbである必要があり、各々、記録パワー、消去パワー(イレースレベル)、バイアスパワーと呼ばれる。P=PwのパルスとP=Pbとなる領域で媒体の記録層は溶融・急冷されることになり、アモルファス状態となる。一方、P=PeでCW(Continuous Wave:強度変調がなく、照射強度が一定であること)照射される場合は、記録層は溶融することないが、結晶化温度以上に加熱され徐冷されるために、結晶状態となる。即ち、強度変調した光を当てることで、アモルファスマークを形成し、記録を行う。
【0019】
このような記録方法を用いることで、レーザのパルス発光時の立上り時間が1.5nsでも、Tw=103MHzになるCDの24倍速でも記録が可能となったものである。
【0020】
しかし、同数の照射パルス数で異なるマークを形成しているため、照射パルスの強度Pwがずれてしまうと、マークの長さが理論的な長さからずれてしまう傾向にある。即ち、パルスの照射周期が基本クロック周期と同一とする方法では(例えば、n=m+1の関係が成り立つ場合)、nが1増えるとパルスが1組増えるため、nによるマーク長のパワー依存性の差異はほとんどないが、同一パルス数で異なるマークを記録する場合はマークの長さが変わってしまう。
【0021】
図2に模式的にその様子を示した。n=6とn=7は、前述の通り、m=3である。各マーク長の最適な長さは各々、6T,7Tである。ここで、「長さ」とは時間的な長さを意味する。図2は実際のマーク長の最適マーク長からのずれ量Dの記録パワーPw依存性を示したものである。ここで、横軸は記録パワーPwを表し、縦軸はn=6,7の各々のずれ量Dを表す。記録パワーPwが最適値Pwoである場合は、n=6,7ともにずれ量D=0又は0近傍となるが、Pw>Pwo,Pw<Pwoの領域になると、各々最適値からのずれが生じる。ここで、重要なことは、各々のマーク長のPw依存性が異なる点である。つまり、記録パワーが最適値Pwoからずれるほど、n=6とn=7のマーク長の差は1Tからずれてしまうことになる。
【0022】
この現象は符号化にマーク長−マーク間長変調を用いるCD系,DVD系の光ディスクにとって致命的な問題となる。全ての記録マークの再生信号が同様に歪む場合は、各マークの再生長さの差はほぼ1Tのままとなるため、スライスレベルを調整すれば、正しく再生することが可能である。しかし、n=偶数とn=奇数とでずれ量Dが大きく異なる場合はスライスレベルの調整では対応できなくなってしまう。即ち、PLLで得られるクロックとデータのエッジとで測定されるデータ・トゥ・クロック・ジッタ(Data to Clock Jitter)が急激に悪化する(図3参照)。ジッタの悪化は、再生エラーにつながるため、情報記録媒体の再生品質を著しく悪化させてしまう。
【0023】
さらに、情報記録媒体に繰返し記録を行うと、最適記録パワーPwoにずれが生じてしまう。この現象のメカニズムは明らかではないが、繰返し記録により、記録層を構成する金属元素が拡散するため、熱物性が初期と異なってくるためと考えられる。即ち、初回記録のPwoをPwo(0)とし、10回オーバーライト後のPwoをPwo(10)とすると、Pwo(0)≠Pwo(10)となってしまう。これにより、同一の照射パワーPwで記録しても、情報記録媒体の最適値がずれてしまうため、Pwがずれた場合と同様の効果が発生してしまう。
【0024】
これらの現象は、情報記録媒体の高密度化及び高速記録化を図るとさらに顕著になってくる。即ち、従来のCD−RWでは問題にならなくても、DVD+RWやDVD−RWなどでは、問題となってくる。さらに、DVD+RWの8倍速等の高速・高密度記録では、従来の記録方法での対応は困難となっている。
【0025】
これらの点に関しては、前述したような各種特許文献等では対応が不十分である。
【0026】
本発明の目的は、従来のパルス位置の制御でのみ対応していたマーク長の制御をパルス強度の変更で補正し、記録パワー・オーバーライト回数によらず良好な再生特性を有する信号を記録できるようにすることである。
【0027】
さらに、本発明は、パルス位置、パルスパワーの制御のパラメータを共通化し、より汎用性の高い情報記録方法を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録方法において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0029】
従って、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間が制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0030】
請求項2記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録方法において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、第1の記録パルスのパルス幅をTmp(n,1)=Tmp(n+j,1)とし、又は、第1の記録パルスの記録パワーをPw(n,1)=Pw(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0031】
従って、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間、照射時間又は照射パワーが制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0032】
請求項3記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録方法において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、最終の記録パルスのパルス幅をTmp(n,m)=Tmp(n+j,m+1)とし、又は、最終の記録パワーをPw(n,m)=Pw(n+j,m+1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0033】
従って、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、最終の記録パルスの照射時間又は照射パワーが制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0034】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、第1の記録パルスのパルス幅Tmp(n,1)を
Td(n,2)≦Tmp(n,1)
とした。
【0035】
従って、Td(n,2)≦Tmp(n,1)なる関係を満たすよう第1の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0036】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の情報記録方法において、Tmp(n,1)≦Tmp(n,2)とした。
【0037】
従って、1番目の記録パルスの直後のバイアスパルスを無くすことができる。
【0038】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の立上り周期Td(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)
とした。
【0039】
従って、Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)なる関係を満たすよう最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0040】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Tmp(n,m)≧Tmp(n,m−1)
とした。
【0041】
従って、m番目(即ち、最終の)記録パルスの直前のバイアスパルスを無くすことができる。
【0042】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルス及びバイアスパルス以外のタイミングでは、パワーPe(ただし、Pw(n,i)>Pe>Pb)のイレースレベル光を前記情報記録媒体に照射し、
m番目の記録パルスの立上りからイレースレベルの立上りまでの周期をTlp(n)とするとき、
Tlp(n)≦Tmp(n,m)、かつ、
Pe≦Pw(n,m)≦1.2Pe
とした。
【0043】
従って、最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0044】
請求項9記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録装置において、前記情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、前記情報記録媒体とこの情報記録媒体に照射される前記光ビームとを相対的に移動させる相対移動制御手段と、を備え、前記発光波形制御手段は、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0045】
従って、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間が制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0046】
請求項10記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録装置において、前記情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、前記情報記録媒体とこの情報記録媒体に照射される前記光ビームとを相対的に移動させる相対移動制御手段と、を備え、前記発光波形制御手段は、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、第1の記録パルスのパルス幅をTmp(n,1)=Tmp(n+j,1)とし、又は、第1の記録パルスの記録パワーをPw(n,1)=Pw(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0047】
従って、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間、照射時間又は照射パワーが制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0048】
請求項11記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録装置において、前記情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、前記情報記録媒体とこの情報記録媒体に照射される前記光ビームとを相対的に移動させる相対移動制御手段と、を備え、前記発光波形制御手段は、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、最終の記録パルスのパルス幅をTmp(n,m)=Tmp(n+j,m+1)とし、又は、最終の記録パワーをPw(n,m)=Pw(n+j,m+1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0049】
従って、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、最終の記録パルスの照射時間又は照射パワー制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0050】
請求項12記載の発明は、請求項9ないし11の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、第1の記録パルスのパルス幅Tmp(n,1)を
Td(n,2)≦Tmp(n,1)
とした。
【0051】
従って、Td(n,2)≦Tmp(n,1)なる関係を満たすよう第1の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0052】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、Tmp(n,1)≦Tmp(n,2)とする。
【0053】
従って、1番目の記録パルスの直後のバイアスパルスを無くすことができる。
【0054】
請求項14記載の発明は、請求項9ないし13の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の立上り周期Td(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)
とした。
【0055】
従って、Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)なる関係を満たすよう最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0056】
請求項15記載の発明は、請求項9ないし14の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Tmp(n,m)≧Tmp(n,m−1)
とした。
【0057】
従って、m番目(即ち、最終の)記録パルスの直前のバイアスパルスを無くすことができる。
【0058】
請求項16記載の発明は、請求項9ないし15の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルス及びバイアスパルス以外のタイミングでは、パワーPe(ただし、Pw(n,i)>Pe>Pb)のイレースレベル光を前記情報記録媒体に照射し、m番目の記録パルスの立上りからイレースレベルの立上りまでの周期をTlp(n)とするとき、
Tlp(n)≦Tmp(n,m)、かつ、
Pe≦Pw(n,m)≦1.2Pe
とした。
【0059】
従って、最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0060】
請求項17記載の発明は、パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報が記録される情報記録媒体において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジが用いられる記録条件のとき、
n/kの余りに対するTd(n,1)の値がプリフォーマットされている。
【0061】
従って、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供できる。
【0062】
請求項18記載の発明は、パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報が記録される情報記録媒体において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、第1の記録パルスのパルス幅をTmp(n,1)=Tmp(n+j,1)とし、又は、第1の記録パルスの記録パワーをPw(n,1)=Pw(n+j,1)とする記録ストラテジが用いられる記録条件のとき、
n/kの余りに対するTmp(n,1)又はPw(n,1)の値がプリフォーマットされている。
【0063】
従って、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供できる。
【0064】
請求項19記載の発明は、パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報が記録される情報記録媒体において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、最終の記録パルスのパルス幅をTmp(n,m)=Tmp(n+j,m+1)とし、又は、最終の記録パワーをPw(n,m)=Pw(n+j,m+1)とする記録ストラテジが用いられる記録条件のとき、
n/kの余りに対するTmp(n,m)又はPw(n,m)の値がプリフォーマットされている。
【0065】
従って、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供できる。
【0066】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0067】
[情報記録媒体の物理的構造]
本実施の形態の情報記録媒体としては、基本的には、CD−RW,DVD−RW,DVD+RW,DVD−RAM,Blu−ray Disc等に代表される書換え型の相変化型光情報記録媒体に適用可能である。
【0068】
図4にこのような書換え型で相変化型の光情報記録媒体1の物理的な具体的構成例を示す。この光情報記録媒体1は、基板2に下部保護層3、記録層4、上部保護層5、反射層6を積層することにより構成されている。基板2は当該媒体を物理的に保持する機能を有するため、機械的強度が十分に確保できる厚さと材質である必要がある。また、CD互換媒体やDVD互換媒体の場合は、記録及び再生に用いる光が基板を透過して記録層近傍に照射されるため、記録・再生に用いる光の波長領域で略透明であることが必要である。このような材料としては、ガラス,セラミックス等の無機物や樹脂等の有機物を用いることができるが、CD−RW,DVD−RW,DVD+RW,DVD−RW等ではポリカーボネート樹脂が強度と生産性及び光学的特性から好ましい。また、基板2の薄膜積層側に記録光の位置決めのための案内溝を設けても良い。
【0069】
下部保護層3は記録及び書換え(オーバーライト)時に記録層近傍に発生する熱から基板2を保護すると同時に記録層4材料の基板2への原子拡散を防止する働きを持つ。上部保護層5は反射層6への記録層4材料の拡散を防止し、反射層6材料の記録層4への原子拡散を防止する働きがある。また、情報記録及びオーバーライト時に記録層4近傍に発生する熱を反射層6への熱拡散を制御する機能を有する。即ち、媒体の熱設計を調整することが可能である。
【0070】
上部保護層5・下部保護層3の材料は光学的・熱的特性及び隣接する層との化学的な反応性などから決定される。例としては、Si,Ge等の半導体や、金属酸化物,金属窒化物,金属硫化物などの化合物があり、化合物の例としては、SiO2,Al2O3,ZrO2,TiO2,Y2O3,ZnO,SnO2,InO2,SiN,GeN,AlN,ZnS,ZnSeが挙げられる。保護層5,3を構成材料はこれらの単体でも、2種類以上の混合物でも良く、上部・下部保護層5,3共に多層としても良い。これらの中で最も広く用いられているものとして、ZnSとSiO2の混合物が挙げられる。特にSiO2を20モルパーセントの比率で混合したものが一般的である。
【0071】
反射層6は再生光を反射する機能を有する。そのため、高反射率な材料を用いることが必要であり、金属又は合金を用いるのが好ましい。金属の例としては、Ag,Al,Au,Al,Cuなどが、反射率が高いと同時に化学的安定性から好ましい。また、これらの金属に任意の金属を添加し、合金とすることで光学的特性や熱的特性,化学的安定性をさらに向上することができる。また、上部保護層5と化学的に反応してしまう場合は、上部保護層5との間に腐食防止層を設けても良い。
【0072】
反射層5の上部にはオーバーコート層を設け、媒体を物理的損傷から保護しても良く、また、接着層を介して基板2を反射層6上部に貼り合せても良い。
【0073】
このような構成の光情報記録媒体1への情報の記録は記録層4近傍に集光した光を照射及び走査することで行う。記録に用いる光の波長は媒体の情報の密度、即ち最小マークサイズやトラックピッチによって最適な波長が選択される。例としてはトラックピッチ1.6μmのCD−RWでは、波長780nm程度であり、トラックピッチ0.74μmのDVD系媒体では、波長660nm程度の光を用いる。これらの光は強度変調が可能であることが必要であり、半導体レーザを用いる。また、これらの光を集光する対物レンズのNAも媒体の記録密度や基板板厚によって決定される。例えば、前述のCD−RWではNA0.50であり、DVD+RWでは0.65である。
【0074】
[情報記録方法]
本実施の形態の情報記録方法は、前述したような光情報記録媒体1に上述したような光学系を用いて強度変調した光を照射及び走査することで行う。走査速度は光情報記録媒体1の記録密度と記録速度によって決定されるが、基本クロック周期Tと走査速度vの積は常に一定である必要がある。即ち、
v×T=一定
とする必要がある。また、記録される情報は、パルス幅変調(PWM)の一種である、マーク長・マーク間長変調方式である必要があり、例としてCD−RW系のEFM(8−14変調)やDVD系のEFM+(8−16変調の一種)が挙げられる。即ち、光情報記録媒体1上に基本クロック周期Tに自然数n(本実施の形態では3以上)を乗じた時間的長さのnTのマークとマーク長を形成することで記録を行う。
【0075】
記録マークを形成する時は、強度変調したパルス状の光を照射することで行う。より具体的には、長さnTのマークを記録する場合はm個の記録パルスとk個のバイアスパルスとを照射することで行う。ここで、m及びkはともにn以下の自然数であり、k≦m≦nである。
【0076】
また、m個の記録パルスのうちi番目(iは1≦i≦mの自然数)の記録パルスの照射時間はTmp(n,i)で表され、照射パワーはPw(n,i)で表される。また、データの開始エッジ部分から1番目のパルスの照射開始時間までの時間をTd(n,1)で表し、i番目のパルスの照射開始時間までの周期をTd(n,2)で表す。また、これらの記録パルスの間の時間はパワーPbのバイアスパルスとなる。さらに、最終のm番目の記録パルスの後にバイアスパルスが追加されても良い。これらの記録パルス及びバイアスパルス以外の領域はP=Peで照射されるイレースレベルとなる。m番目の記録パルスからイレースパルスの立上りまでの時間をTlp(n)で表す。このとき、Pw(n,i)>Pe>Pbであることが必要である。
【0077】
いま、n=9の場合を例にとり、本実施の形態の具体的な発光パターン(記録ストラテジ)について説明する。
【0078】
まず、図5(b)にn=9,m=3,k=3の場合の発光パターン例を示す。第1の記録パルスは図5(a)に示すデータの立上りエッジ部分からTd(9,1)だけ遅れて立上り、パワーPw(9,1)で時間Tmp(9,1)だけ照射される。さらに、1番目のパルスの立上りからTd(9,2)だけ遅れて2番目の記録パルスが時間Tmp(9,2),パワーPw(9,2)で照射される、2番目の記録パルスの立上りからTd(9,3)だけ遅れて3番目の記録パルスが時間Tmp(9,3),パワーPw(9,3)で照射される。3番目の記録パルスの立上りからTlp(9)だけ遅れてイレースレベルが照射される。これらの記録パルスの直後にはP=Pbであるバイアスパルスが照射され、記録パルスとバイアスパルス以外の領域はP=Peのイレースレベルが照射される。
【0079】
このとき、パルス状の光として、記録パワーPwの記録パルスとバイアスパワーPbのバイアスパルスとが交互に出てくることが重要である。即ち、記録パルス部分で記録層4が溶融しバイアスパルス部分で急冷されるために、記録層4はアモルファス状態となる。即ち、記録マークが形成される。一方、イレースレベルで照射される場合には記録層4は結晶化温度以上に加熱保持されるため、結晶化状態となる。
【0080】
また、図5(c)に示すように、最終であるm番目(図示例の場合は、m=4)のパルス幅Tmp(n,m)=Tmp(9,4)=Tlp(n)=Tlp(9)(又は、Tmp(n,m)=Tmp(9,4)<Tlp(n)=Tlp(9))とすることで、最後のバイアスパルスを無くしても良い。
【0081】
さらに、m番目の記録パルスの照射パワーPw(n,m)をイレースレベルPeに対して、
Pe<Pw(n,m)<1.2Pe
とすることで、m番目の記録パルスをイレースレベルのエッジと位置づけることができる。即ち、イレースレベルの立上り箇所を明確にすることで、マーク終端部のエッジを制御でき、より良好なジッタを実現することができる。Pw(n,m)がこのような範囲を超えた場合は、m番目の記録パルスで媒体の記録層が溶融し、アモルファス化が発生してしまうので、好ましくない。
【0082】
また、図5(d)に示すように、1番目のパルス幅Tmp(n,1)=Tmp(9,1)=Td(n,2)=Td(9,2)(又は、Tmp(n,1)=Tmp(9,1)>Td(n,2)=Td(9,2))としてその記録パワーをPw(9,1)>Pw(9,2)の如くステップ状として連続させることで、1番目の記録パルスの後のオフパルス(バイアスパルス)を無くしても良い。
【0083】
さらに、図5(e)に示すように、Tmp(n,m−1)=Tmp(9,3)=Td(n,m)=Td(9,4)(又は、Tmp(n,m−1)=Tmp(9,3)>Td(n,m)=Td(9,4))とし最終の記録パルスのパワーをPw(9,3)<Pw(9,4)の如くステップ状として連続させることで、m番目(即ち、最終の)記録パルスの直前のバイアスパルスを無くしてもよい。
【0084】
ところで、図5(c)〜(e)に示した発光パターン(記録ストラテジ)例では記録パルスの数mとバイアスパルスの数kとは一致していない。しかし、1番目の記録パルスの波形と最終パルスの波形とを調整することで記録マークの長さを調整している。即ち、本実施の形態の情報記録方法においては、1番目の記録パルスの記録ストラテジの要素(Pw(n,1),Td(n,1),Tmp(n,1))と最終なるm番目の記録パルスの記録ストラテジの要素(Pw(n,m),Td(n,m),Tmp(n,m))とがマーク長を決定する最も重要な因子である。つまり、1番目の記録パルスは直前のスペース長を制御し、m番目の記録パルスは当該マーク長を制御することになり、これらの2つのパルス以外の中間の記録パルスは特別細かく制御する必要がない。
【0085】
また、本実施の形態の情報記録方法においては、その記録条件として、さらに、マーク長がjTだけ長くなる毎に(ここでjは2以上の自然数)、記録パルスの数mとバイアスパルスの数kとが各々1ずつ増加する必要がある。j=2の場合の基本的なパターン例を図1に示し、j=3の場合を図6に示す。各々、jTだけマーク長が長くなる毎に記録パルスの数mとバイアスパルスの数kとが1ずつ増加していることが分かる。
【0086】
即ち、jTは記録パルス及びバイアスパルスを1組としたときの、その平均的な周期を表すことになる。即ち、図1の例の場合であれば平均的周期は2Tであり、図6の例の場合であれば平均的な周期は3Tとなっている。
【0087】
このような条件下に、本実施の形態の情報記録方法においては、
Td(n,1)=Td(n+j,1)
とすることが必要である。
【0088】
即ち、j=2なる図1の例では、n=偶数の場合にTd(n,1)は同一の値とし、n=奇数の場合にTd(n,1)は同一の値とする。さらに、j=3なる図6の例の場合は、n=3,6,9のときにTd(n,1)は同一の値とし、n=4,7,10のときにTd(n,1)は同一の値とし、n=5,8,10のときにTd(n,1)は同一の値とする。
【0089】
このように設定することにより、従来の1T増加する毎に、パルスを1組増加させる記録方法を、パルス数の少ない記録方法に適用することになり、記録パワーに対するマーク長依存性を最低限に抑えることができる。これにより、従来は個別に設定していたパラメータを、特性を確保しつつ統一することが可能となったものである。
【0090】
さらに、Td(n,1)=Td(n+j,1)とするのに代えて、パルス幅又は発光パワーに関して、
Tmp(n,1)=Tmp(n+j,1)、又は、
Pw(n,1)=Pw(n+j,1)
とすることで(両方でもよいが、少なくとも一方が成立すればよい)、前述の遅延時間Tdの制御と同等の効果を1番目の記録パルスの照射エネルギー量(パワー×時間)で制御することが可能となる。
【0091】
さらに、Td(n,1)=Td(n+j,1)とするのに代えて、最終のパルス幅又は発光パワーに関して、
Tmp(n,m)=Tmp(n+j,m+1)、又は、
Pw(n,m)=Pw(n+j,m+1)
とすることで(両方でもよいが、少なくとも一方が成立すればよい)、前述の遅延時間Tdの制御と同等の効果を最終パルスの照射エネルギー量(パワー×時間)で制御することが可能となる。
【0092】
[光情報記録媒体へのプリフォーマット]
このような記録ストラテジに関するパラメータ(例えば、後述の実施例のように、n/kの余りに対するTd(n,1)の値や、Tmp(n,1)又はPw(n,1)の値や、Tmp(n,m)又はPw(n,m)の値)を光情報記録媒体1にプリフォーマットしておくことで、光ディスクドライブとの互換性を高めることが可能となる。即ち、光ディスクドライブドライブは光情報記録媒体1にプリフォーマットされたこれらの情報を記録動作前に読み出すことで、最適な記録を行うことができる。プリフォーマットの方法としては、CD−RWのATIPエクストラインフォメーションやDVD+RWのフィジカルインフォメーションなどが例として挙げられる。
【0093】
本実施の形態は、光情報記録媒体にこれらのパラメータをプリフォーマットしておくことを特徴の一つとする。
【0094】
プリフォーマットは任意の手法を用いることができるが、プリピット法、ウォブルエンコード法、フォーマット法がある。プリピット法は光情報記録媒体上の任意の領域にROMピットを用いて記録条件に関する情報をプリフォーマットする手法である。基板成形時にROMピットが形成されるため量産性に優れ、かつ、ROMピットを用いているので、再生信頼性及び情報量の点で有利である。しかし、ROMピットを形成する技術(即ち、ハイブリッド技術)は課題が多く、RW系のプリピットによるプリフォーマット技術は困難とされている。
【0095】
フォーマット法は、光情報記録装置を用いて通常の記録と同様の手法を用いて情報を記録しておくものである。しかし、この手法は、光情報記録媒体を製造後、各媒体にフォーマットを施す必要があり、量産性の点から困難である。さらに、プリフォーマット情報を書換えることが可能であるため、媒体固有の情報を記録する手法としては適切ではない。
【0096】
ウォブルエンコード法は、CD−RW,DVD+RWで実際に採用されている手法である。この手法は光情報記録媒体のアドレス情報をグルーブ(媒体上の案内溝)のウォブリングにエンコードする技術を利用している。エンコードの方法としては、CD−RWのATIPのように周波数変調を用いても、DVD+RWのように位相変調を用いても良い。ウォブルエンコード法は、光情報記録媒体の基板成形時にアドレス情報と一緒に基板に作成されるため、生産性に優れると同時に、プリピット法のような特殊なROMピットを形成する必要がないため、基板成形も容易に行えるという利点がある。
【0097】
いま、上述したような記録ストラテジに関するパラメータのプリフォーマット例について、CD−RWの例で説明する。図7及び図8にCD−RW規格の光情報記録媒体1の各領域のフォーマット例を示す。円盤状の光情報記録媒体1において、グルーブが形成されたグルーブ形成領域には、半径方向内周側から外周側に向けて、内周部未使用領域12、テスト記録領域13、リードイン領域14、情報記録領域15、リードアウト領域16、外周部未使用領域17が順に割当てられている。
【0098】
このようなCD−RWなる光情報記録媒体1の場合、プリフォーマットされるメディア情報はATIP Extra Informationである。ATIP Extra Informationはアドレス情報を示すATIPを利用した手法である。ATIPはCD−RWディスクにプリフォーマットされたアドレス情報である。CD系のディスクは音楽情報媒体がベースとなった経緯からアドレスは時間情報として表されるため、M:S:Fで表される。ここで、Mは分であり、規格上00〜99の範囲をとることが可能であり、Sは秒に相当し、00〜59の範囲をとり、Fはフレームであり、00〜74の範囲をとる。1分=60秒であり、1秒=75フレームに相当する。M,S,Fには各々8bitの情報が与えられるため、1ATIPフレームの情報量は24bitとなる。M,S,F各々について、0〜255の値を与えることが可能であるが、実際には前述の範囲しか利用していない。そのため、使用していないbitを利用すればアドレス以外の情報を付加することが可能となる。この方法を利用したのがATIP Extra Informationである。
【0099】
ところで、ウォブルエンコードによる手法では、他の手法と比較すると絶対的な情報量が少なくなる傾向にある。通常、ウォブル周波数は記録情報の周波数に対して、相互干渉が起こらない周波数帯域をとる。周波数で30分の1以下、さらに好ましくは100分の1以下である。さらに、変調方式に周波数変調を用いるとさらに情報密度が低下し、CD−RWのATIP EXTRA INFORMAITIONのように、アドレス情報の冗長性を利用した場合はさらに情報密度が低下してしまう。
【0100】
もっとも、情報量が不足した場合は、新たな領域を設けても良い。CD−RWの場合は、リードイン領域14にATIP EXTRA INFORMATIONがエンコードされているが、この領域のみで不足する場合は、ディスク内周部又は外周部の未使用領域12又は17にエンコードしても良い。未使用領域12,17の例としては、PCA(Power Calibration Area=テスト記録領域)よりも内周部やリードアウト領域16の外周部を挙げることができる。
【0101】
また、エンコードされるパラメータは、実数を2進数に変換した値をエンコードしてもよく、変換テーブルを用いて変換した情報をエンコードしても良い。ただし、何れの方法を用いても情報記録装置上では、エンコードした情報をデコードし、正しく記録ストラテジを設定することができる手段が必要である。
【0102】
[情報記録装置]
次に、前述したような記録ストラテジによる情報記録方法を実現するための情報記録装置の構成例ついて、図9を参照して説明する。
【0103】
まず、CD−RWなる光情報記録媒体1に対して、この光情報記録媒体1を回転駆動させるスピンドルモータ21を含む回転制御機構22が設けられているとともに、光情報記録媒体1に対してレーザ光を集光照射させる対物レンズや半導体レーザLD23等のレーザ光源を備えた光ヘッド24がディスク半径方向にシーク移動自在に設けられている。光ヘッド24の対物レンズ駆動装置や出力系に対してはアクチュエータ制御機構25が接続されている。このアクチュエータ制御機構25にはプログラマブルBPF26を含むウォブル検出部27が接続されている。ウォブル検出部27には検出されたウォブル信号からアドレスを復調するアドレス復調回路28が接続されている。このアドレス復調回路28にはPLLシンセサイザ回路29を含む記録クロック生成部30が接続されている。PLLシンセサイザ回路29には相対移動制御手段としてのドライブコントローラ31が接続されている。
【0104】
システムコントローラ32に接続されたこのドライブコントローラ31には、回転制御機構22、アクチュエータ制御機構25、ウォブル検出部27及びアドレス復調回路28も接続されている。
【0105】
また、システムコントローラ17はCPU等を備えた、いわゆるマイコン構成のものであり、例えば記録ストラテジに関するパラメータが格納された変換テーブル33a等を含むROM33を備えている。また、このシステムコントローラ17には、EFMエンコーダ34、マーク長カウンタ35、パルス数制御部36が接続されている。これらのEFMエンコーダ34、マーク長カウンタ35、パルス数制御部36及びシステムコントローラ17には、発光波形制御手段となる記録パルス列制御部37が接続されている。この記録パルス列制御部37は、記録ストラテジにより規定されるマルチパルス(記録パルス、バイアスパルス)を生成するマルチパルス生成部38と、エッジセレクタ39と、パルスエッジ生成部40とが含まれている。
【0106】
この記録パルス列制御部37の出力側には、記録パワーPw,消去パワーPe、バイアスパワーPbの各々の駆動電流源41をスイッチングすることで光ヘッド24中の半導体レーザLD23を駆動させる光源駆動手段としてのLDドライバ部42が接続されている。
【0107】
このような構成において、光情報記録媒体1に記録するためには、目的の記録速度に対応する記録線速度となるようにスピンドルモータ21の回転数をドライブコントローラ31による制御の下、回転制御機構22により制御した後に、光ヘッド24から得られるプッシュプル信号からプログラマブルBPF26によって分離検出されたウォブル信号からアドレス復調するとともに、PLLシンセサイザ回路29によって記録チャネルクロックを生成する。次に、半導体レーザLD23による記録パルス列を発生させるため、記録パルス列制御部37には記録チャネルクロックと記録情報であるEFMデータが入力され、記録パルス列制御部37中のマルチパルス生成部38により図5等に示したような記録ストラテジに従うマルチパルスを生成し、LDドライバ部42で前述のPw,Pe,Pbなる各々の照射パワーとなるように設定された駆動電流源41をスイッチングすることで、記録パルス列に従うLD発光波形を得ることができる。
【0108】
【実施例】
[実施例1]
螺旋状の連続グルーブを転写したDVD基板1に、下部保護層3、記録層4、上部保護層5、反射層6、オーバーコート層を順次積層し、その後、接着層を介して同基板と貼り合わせてDVD+RWディスクを作成した。下部保護層3及び上部保護層5にはZnSとSiO2の混合物を用いた。このときのSiO2含有量は20モルパーセントであり、下部保護層3の膜厚は60nm、上部保護層5の膜厚は12nmとした。記録層4には、DVDの8倍速相当で記録可能な記録層材料として、GeSbSn合金を用いた。その組成比はGe13.6原子パーセント,Sb66.4原子パーセント,Sn20.0原子パーセントとし、膜厚は12nmとした。反射層6にはAgを用い、その膜厚は150nmとした。これらの層は真空成膜法の一種であるマグネトロンスパッタリング法で成膜した。
【0109】
オーバーコート層には市販の光ディスク用紫外線硬化樹脂をスピンコーティング法にて塗布後、紫外線を照射して硬化させることで形成した。オーバーコート層上に、同様に光ディスク用接着剤を塗布し、DVD基板を貼り合わせた。
【0110】
作成したディスクを、DVD用初期化装置で全面初期化しDVD+RWサンプルを得た。サンプルは未記録状態でDVD+RW規格を満足する良好な特性を示した。
【0111】
このサンプルに情報記録を行った。情報記録装置は市販のDVD+RW記録・再生信号評価装置であるパルステック工業製DDU1000を用いた。使用した光ピックアップの仕様は、
λ=660nm,NA0.65。
である。
【0112】
走査速度をDVD+RWの8倍速に相当する27.9m/sに設定し、チャンネルクロック(基本クロック周期)も同様に8倍速相当の209.25MHzに設定した。また、記録する情報はDVDの標準変調方式であるEFM+に準拠したランダムパターンとした。
【0113】
記録に用いた照射パルスの基本的なパラメータを表1に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
即ち、図1に示したように記録パルスの照射周期が概ね2Tとなり、記録マークの長さが2T増加する毎にパルス数m,kが1ずつ増加するものを用いた。各パルスのパラメータは、n/jの余りが0の場合、即ち、n=偶数の場合と、n/jの余りが1の場合、即ち、n=奇数の場合との2通りに分けてパラメータを設定した。
【0116】
(a)n=偶数の場合
Td(n,1)=0.9T
Td(n,i)=2.0T (2≦i≦m)
Tmp(n,i)=0.8T (1≦i≦m)
Tlp(n)=1.4T
(b)n=奇数の場合
Td(n,1)=1.0T
Td(n,i)=2.0T (2≦i≦m−1)
Td(n,m)=2.2T
Tmp(n,i)=0.8T (1≦i≦m−1)
Tmp(n,m)=1.0T
Tlp(n)=1.6T
即ち、n/jの余りが0と1の場合について、各々、Td(n,1)を同一の値として設定した。また、Pw(n,i)=Pwと全ての記録パルスについて同一とし、Pe=6mW,Pb=0.7mWに固定とした。また、記録回数は、DVD+RWの標準評価条件に準じて10回オーバーライトを行った。
【0117】
記録パルスのパワーPwを変化させた時のデータトゥクロックジッタのPw依存性を図10に示す。広い記録パワーレンジで、DVD+RW規格であるジッタ9%以下を十分に満足する結果となった。
【0118】
[比較例1]
実施例1と同一の媒体にて、n=偶数とn=奇数との場合で区別せず、一律に、Td(n、1)=1.0Tと設定した。実施例1と同様の条件にて記録特性の評価を行ったが、マーク間長が揃わずジッタが上昇してしまい、最低で9%以上となり、規格を満足できなかった。
【0119】
[実施例2]
実施例1で作成したディスクサンプルについて、実施例1と同様の記録評価を行った。ただし、記録ストラテジは表2に示す基本パラメータを設定した。
【0120】
【表2】
【0121】
即ち、図6に示したように、基本的な記録パルスの周期を3Tとした。さらに、n/jの余りに応じてパラメータを設定した。
【0122】
(a)余り=0の場合:
Td(n,1)=0.78T
Td(n,i)=3T (2≦i≦m)
Tmp(n,i)=1.15T (1≦i≦m)
Tlp(n)=2.4T
(b)余り=1の場合:
Td(n,1)=0.83T
Td(n,m−1)=3T (mが3以上のときのみ)
Td(n,m)=3.2T
Tmp(n,i)=1.15T (1≦i≦m)
Tlp(n)=2.65T
(c)余り=2の場合:
Td(n,1)=0.80T
Td(n,i)=3T (2≦i≦m−1)
Td(n,m)=3.35T
Tmp(n,i)=1.15T (1≦i≦m)
Tlp(n)=2.85T
実施例1と同様にジッタのPw依存性を測定した結果を図11に示す。実施例1と比較して、ジッタが最小となる記録パワーが約2mW低下すると同時に、ジッタの最小値が8.5%以下となった。
【0123】
[実施例3]
実施例1で作成した媒体に実施例2と同様に記録評価を行った。ただし、記録ストラテジのパラメータを表3の通りに設定した。
【0124】
【表3】
【0125】
さらに、Td(n,2)=Tmp(n,1)とし、1番目の記録パルスの後のバイアスパルスを無くし、Td(n,m)=Tmp(n,m−1)とすることで、m−1番目の記録パルスの後のバイアスパルスを無くしている。そのため、k=m−2となっている。
【0126】
n/jの余りに対して記録ストラテジのパラメータを以下のように設定した。
【0127】
(a)余り=0の場合:
Td(n,1)=0.78T
Td(n,i)=3T (3≦i≦m−1)
Tmp(n,1)=Td(n,2)=0.2T
Tmp(n,2)=0.95T
Tmp(n,i)=1.15T (3≦i≦m)
Tmp(n,m−1)=Td(n,m)=0.95T
Tmp(n,m)=0.2T
Tlp(n)=2.2T
Pw(n,1)=1.06Pw
(b)余り=1の場合:
Td(n,1)=0.83T
Td(n,i)=3T (3≦i≦m−2)
Td(n,m−1)=3.2T
Tmp(n,1)=Td(n,2)=0.2T
Tmp(n,2)=0.95T
Tmp(n,i)=1.15T (3≦i≦m)
Tmp(n,m−1)=Td(n,m)=0.95T
Tmp(n,m)=0.2T
Tlp(n)=2.45T
Pw(n,1)=1.04Pw
(c)余り=2の場合:
Td(n,1)=0.80T
Td(n,i)=3T (3≦i≦m−2)
Td(n,m−1)=3.35T
Tmp(n,1)=Td(n,2)=0.2T
Tmp(n,2)=0.95T
Tmp(n,i)=1.15T (3≦i≦m)
Tmp(n,m−1)=Td(n,m)=0.95T
Tmp(n,m)=0.2T
Tlp(n)=2.65T
Pw(n,1)=1.02Pw
【0128】
波形作成のタイミングチャートを図12に示す。チャンネル1には余り=0の1番目とm番目のパルスのみを発生し、チャンネル2には余り=1の1番目とm番目のパルスのみを発生し、チャンネル3には余り=2の1番目とm番目のパルスのみを発生するようにする。さらに、チャンネル4にはその他のマルチパルスを発生し、チャンネル5にはイレースレベルを発生するようにする。
【0129】
チャンネル1の入力が来た場合には記録パワーを1.06Pwとし、チャンネル2の入力が来た場合には記録パワーを1.04Pwとし、チャンネル3の入力が来た場合は記録パワーを1.002Pwとするように設定した。さらに、チャンネル4に対してはPwとし、チャンネル5に対してはPeとするようにした。
【0130】
このようにして形成される記録ストラテジは図12(g)に示すようになる。
【0131】
このパターンを用いて、実施例2と同様に記録信号評価を行い、ジッタのパワー依存性を測定した。図13に測定結果を示す。実施例2と比較すると記録パワーが低い領域でのジッタが低下し、パワーマージンが広くなっている。これは、第1パルスと最終パルスのエッジ部分にパワーを増加させた領域を設けたことにより、マーク長さのパワー依存性を抑制することができたと考えられる。
【0132】
【発明の効果】
請求項1,9記載の発明によれば、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間が制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0133】
請求項2,10記載の発明によれば、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間、照射時間又は照射パワーが制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0134】
請求項3,11記載の発明によれば、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、最終の記録パルスの照射時間又は照射パワーが制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0135】
請求項4,12記載の発明によれば、Td(n,2)≦Tmp(n,1)なる関係を満たすよう第1の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0136】
請求項5,13記載の発明によれば、1番目の記録パルスの直後のバイアスパルスを無くすことができる。
【0137】
請求項6,14記載の発明によれば、Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)なる関係を満たすよう最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0138】
請求項7,15記載の発明によれば、m番目(即ち、最終の)記録パルスの直前のバイアスパルスを無くすことができる。
【0139】
請求項8,16記載の発明によれば、最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0140】
請求項17記載の発明によれば、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報(n/kの余りに対するTd(n,1)の値)が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供することができる。
【0141】
請求項18記載の発明によれば、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報(n/kの余りに対するTmp(n,1)又はPw(n,1)の値)が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供することができる。
【0142】
請求項19記載の発明によれば、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報(n/kの余りに対するTmp(n,m)又はPw(n,m)の値)が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】j=2の場合の基本的な記録ストラテジを示す波形図である。
【図2】その場合の記録パワーPw−マーク長のずれ量Dの特性図である。
【図3】その場合の記録パワーPw−データトゥクロックジッタの特性図である。
【図4】本発明の一実施の形態の情報記録媒体の層構成を示す原理的な断面図である。
【図5】本実施の形態の記録ストラテジを特徴を示す波形図である。
【図6】j=3の場合の基本的な記録ストラテジを示す波形図である。
【図7】光情報記録媒体の領域割当てを示す平面図である。
【図8】その断面構造図である。
【図9】情報記録装置の構成例を示す概略ブロック図である。
【図10】実施例1の場合の記録パワーPw−データトゥクロックジッタの特性図である。
【図11】実施例2の場合の記録パワーPw−データトゥクロックジッタの特性図である。
【図12】記録ストラテジ作成例を示すタイミングチャートである。
【図13】記録パワーPw−データトゥクロックジッタの特性図である。
【符号の説明】
1 情報記録媒体
22 回転駆動機構
23 レーザ光源
31 相対移動制御手段
37 発光波形制御手段
42 光源駆動手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録可能な情報記録媒体、特にCD−RW,DVD+RW,DVD−RAM,DVD−RW等の相変化型の光情報記録媒体に適した情報記録方法、情報記録装置及び情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報のデジタル化・マルチメディア化が急速に進んでいるため、より大容量の情報を高速に記録・再生可能な記録媒体の需要が高まっている。特に、再生専用メモリであるDVD−ROM,CD−ROMとの再生互換性を確保しつつ、記録が可能であるDVD−R,DVD−RW,DVD−RAM,DVD+RW,CD−R,CD−RWに代表される記録型光ディスクはその汎用性から注目されている。特に相変化材料を記録層材料に用いた相変化型ディスクは、記録層材料の可逆的な相変化を記録原理とするため、書換え型の光メモリとしてその用途は多岐にわたると考えられている。
【0003】
しかし、記録原理が、記録層材料の急冷によるアモルファス化と徐冷による結晶化であり、時間的要素が大きく関与するため、高速化が困難とされている。
【0004】
また、記録方法においても、パルス状に変調されたレーザを記録層に照射及び走査することで行い、その発光周期を基本クロック周期とするため、レーザ発振素子の応答時間の限界により、CDでの20倍速以上,DVDの5倍速以上での記録は困難とされていた。
【0005】
このような状況を踏まえ、この種の情報記録媒体に対する記録方式として改良された各種方式等が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1は、記録に用いるパルスの周期を基本クロックの約2倍とした記録方法に関する従来技術である。
【0007】
また、非特許文献1によれば、時間的長さnTのマーク形成にm個の照射パルスを照射して記録するとき、n=2m,n=2m+1とする「2T Write Strategy」が記載されている。この際、異なる長さのマークを同一のパルス数で記録するために奇数Tのマークを記録する際には最終パルス立上り時間を遅らせ、最終パルス幅を延長し、最終冷却パルス幅を延長することで対応している。
【0008】
また、特許文献2によれば、マーク長さnTをm個のパルスで記録する技術が開示されており、具体的には、n/m≧1.25としている。この特許文献2の実施例中にパルスの周期を基本クロックの約2倍とする記述がある。また、最終パルスでマーク長を補正する記述がある。
【0009】
特許文献3によれば、マーク長さが3T増加する毎に記録パルスを1組増加させる記録方法が記載されており、バイアスパルスの長さを調整することで、マーク長の調整を行うようにしている。
【0010】
特許文献4によれば、記録に用いるパルスの周期を基本クロックの約2倍とし、最終冷却パルスの終端をステップ状にし、さらにレベルを調整することでマーク長を調整するようにした技術が開示されている。
【0011】
さらに、特許文献5においては、パルスの周期を1.5T以上とすることが開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−13455号公報
【特許文献2】
特開2001−331936公報
【特許文献3】
特開2003−045029公報
【特許文献4】
特開2002−334433公報
【特許文献5】
特開2002−319234公報
【非特許文献1】
CD−RW標準規格書「Recordable Compact Disc Systems Part III volume 3 version 1.0」(通称オレンジブックパートIII,vol.3 Ultra−speed CD−RW)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
2002年9月に制定された、24倍速対応の書換え型CDであるUS CD−RW(Ultra−speed Compact Disc ReWritable:通称オレンジブック)の標準規格書には、パルス発光周期を基本クロックの2倍とする記録方法が採用された。
【0014】
この技術は特許文献1にて開示されているように、立上り、立下り時間が長く応答性の悪いレーザ駆動装置を用いても、媒体に十分なエネルギーを印加することができるため、従来の基本クロック周期を照射パルスの周期と同一とする方法に対して、より低い記録パワーで記録することが可能となる。
【0015】
しかし、この記録方法は同一のパルス数で異なる長さの記録マークを形成することが不可欠となり、パルスの位置の最適化や、長さの異なるマーク毎にマルチパルスの照射時間を調整する必要があるため、照射パターンが複雑になってしまう。
【0016】
前述のオレンジブックに記載される記録ストラテジでは、基本クロック周期Tに対して、マーク長(時間的長さ)が3以上11以下の自然数nを用いてnTで表されるとき、nTのマークを記録するときの照射パルス数mは、図1を参照すると、
n=3 m=1
n=偶数 m=n/2
n=奇数 m=(n−1)/2
となる。
【0017】
例を挙げると、6Tマーク(図1(e))と7Tマーク(図1(f))はマーク長が異なるにも関わらず3個の同数のパルス照射で記録することになる。そのため、nが奇数であるマークの最終パルスの立上り位置をδ遅らせ、かつ、最終パルス幅を長くすることで解決する必要がある。
【0018】
情報の記録は、基本的には、3レベルの照射パワーPw,Pe,Pbからなるパルス列を照射することで行う(図1)。このとき、Pw>Pe>Pbである必要があり、各々、記録パワー、消去パワー(イレースレベル)、バイアスパワーと呼ばれる。P=PwのパルスとP=Pbとなる領域で媒体の記録層は溶融・急冷されることになり、アモルファス状態となる。一方、P=PeでCW(Continuous Wave:強度変調がなく、照射強度が一定であること)照射される場合は、記録層は溶融することないが、結晶化温度以上に加熱され徐冷されるために、結晶状態となる。即ち、強度変調した光を当てることで、アモルファスマークを形成し、記録を行う。
【0019】
このような記録方法を用いることで、レーザのパルス発光時の立上り時間が1.5nsでも、Tw=103MHzになるCDの24倍速でも記録が可能となったものである。
【0020】
しかし、同数の照射パルス数で異なるマークを形成しているため、照射パルスの強度Pwがずれてしまうと、マークの長さが理論的な長さからずれてしまう傾向にある。即ち、パルスの照射周期が基本クロック周期と同一とする方法では(例えば、n=m+1の関係が成り立つ場合)、nが1増えるとパルスが1組増えるため、nによるマーク長のパワー依存性の差異はほとんどないが、同一パルス数で異なるマークを記録する場合はマークの長さが変わってしまう。
【0021】
図2に模式的にその様子を示した。n=6とn=7は、前述の通り、m=3である。各マーク長の最適な長さは各々、6T,7Tである。ここで、「長さ」とは時間的な長さを意味する。図2は実際のマーク長の最適マーク長からのずれ量Dの記録パワーPw依存性を示したものである。ここで、横軸は記録パワーPwを表し、縦軸はn=6,7の各々のずれ量Dを表す。記録パワーPwが最適値Pwoである場合は、n=6,7ともにずれ量D=0又は0近傍となるが、Pw>Pwo,Pw<Pwoの領域になると、各々最適値からのずれが生じる。ここで、重要なことは、各々のマーク長のPw依存性が異なる点である。つまり、記録パワーが最適値Pwoからずれるほど、n=6とn=7のマーク長の差は1Tからずれてしまうことになる。
【0022】
この現象は符号化にマーク長−マーク間長変調を用いるCD系,DVD系の光ディスクにとって致命的な問題となる。全ての記録マークの再生信号が同様に歪む場合は、各マークの再生長さの差はほぼ1Tのままとなるため、スライスレベルを調整すれば、正しく再生することが可能である。しかし、n=偶数とn=奇数とでずれ量Dが大きく異なる場合はスライスレベルの調整では対応できなくなってしまう。即ち、PLLで得られるクロックとデータのエッジとで測定されるデータ・トゥ・クロック・ジッタ(Data to Clock Jitter)が急激に悪化する(図3参照)。ジッタの悪化は、再生エラーにつながるため、情報記録媒体の再生品質を著しく悪化させてしまう。
【0023】
さらに、情報記録媒体に繰返し記録を行うと、最適記録パワーPwoにずれが生じてしまう。この現象のメカニズムは明らかではないが、繰返し記録により、記録層を構成する金属元素が拡散するため、熱物性が初期と異なってくるためと考えられる。即ち、初回記録のPwoをPwo(0)とし、10回オーバーライト後のPwoをPwo(10)とすると、Pwo(0)≠Pwo(10)となってしまう。これにより、同一の照射パワーPwで記録しても、情報記録媒体の最適値がずれてしまうため、Pwがずれた場合と同様の効果が発生してしまう。
【0024】
これらの現象は、情報記録媒体の高密度化及び高速記録化を図るとさらに顕著になってくる。即ち、従来のCD−RWでは問題にならなくても、DVD+RWやDVD−RWなどでは、問題となってくる。さらに、DVD+RWの8倍速等の高速・高密度記録では、従来の記録方法での対応は困難となっている。
【0025】
これらの点に関しては、前述したような各種特許文献等では対応が不十分である。
【0026】
本発明の目的は、従来のパルス位置の制御でのみ対応していたマーク長の制御をパルス強度の変更で補正し、記録パワー・オーバーライト回数によらず良好な再生特性を有する信号を記録できるようにすることである。
【0027】
さらに、本発明は、パルス位置、パルスパワーの制御のパラメータを共通化し、より汎用性の高い情報記録方法を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録方法において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0029】
従って、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間が制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0030】
請求項2記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録方法において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、第1の記録パルスのパルス幅をTmp(n,1)=Tmp(n+j,1)とし、又は、第1の記録パルスの記録パワーをPw(n,1)=Pw(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0031】
従って、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間、照射時間又は照射パワーが制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0032】
請求項3記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録方法において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、最終の記録パルスのパルス幅をTmp(n,m)=Tmp(n+j,m+1)とし、又は、最終の記録パワーをPw(n,m)=Pw(n+j,m+1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0033】
従って、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、最終の記録パルスの照射時間又は照射パワーが制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0034】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、第1の記録パルスのパルス幅Tmp(n,1)を
Td(n,2)≦Tmp(n,1)
とした。
【0035】
従って、Td(n,2)≦Tmp(n,1)なる関係を満たすよう第1の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0036】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の情報記録方法において、Tmp(n,1)≦Tmp(n,2)とした。
【0037】
従って、1番目の記録パルスの直後のバイアスパルスを無くすことができる。
【0038】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の立上り周期Td(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)
とした。
【0039】
従って、Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)なる関係を満たすよう最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0040】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Tmp(n,m)≧Tmp(n,m−1)
とした。
【0041】
従って、m番目(即ち、最終の)記録パルスの直前のバイアスパルスを無くすことができる。
【0042】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルス及びバイアスパルス以外のタイミングでは、パワーPe(ただし、Pw(n,i)>Pe>Pb)のイレースレベル光を前記情報記録媒体に照射し、
m番目の記録パルスの立上りからイレースレベルの立上りまでの周期をTlp(n)とするとき、
Tlp(n)≦Tmp(n,m)、かつ、
Pe≦Pw(n,m)≦1.2Pe
とした。
【0043】
従って、最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0044】
請求項9記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録装置において、前記情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、前記情報記録媒体とこの情報記録媒体に照射される前記光ビームとを相対的に移動させる相対移動制御手段と、を備え、前記発光波形制御手段は、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0045】
従って、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間が制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0046】
請求項10記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録装置において、前記情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、前記情報記録媒体とこの情報記録媒体に照射される前記光ビームとを相対的に移動させる相対移動制御手段と、を備え、前記発光波形制御手段は、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、第1の記録パルスのパルス幅をTmp(n,1)=Tmp(n+j,1)とし、又は、第1の記録パルスの記録パワーをPw(n,1)=Pw(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0047】
従って、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間、照射時間又は照射パワーが制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0048】
請求項11記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録装置において、前記情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、前記情報記録媒体とこの情報記録媒体に照射される前記光ビームとを相対的に移動させる相対移動制御手段と、を備え、前記発光波形制御手段は、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、最終の記録パルスのパルス幅をTmp(n,m)=Tmp(n+j,m+1)とし、又は、最終の記録パワーをPw(n,m)=Pw(n+j,m+1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0049】
従って、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、最終の記録パルスの照射時間又は照射パワー制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0050】
請求項12記載の発明は、請求項9ないし11の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、第1の記録パルスのパルス幅Tmp(n,1)を
Td(n,2)≦Tmp(n,1)
とした。
【0051】
従って、Td(n,2)≦Tmp(n,1)なる関係を満たすよう第1の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0052】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、Tmp(n,1)≦Tmp(n,2)とする。
【0053】
従って、1番目の記録パルスの直後のバイアスパルスを無くすことができる。
【0054】
請求項14記載の発明は、請求項9ないし13の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の立上り周期Td(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)
とした。
【0055】
従って、Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)なる関係を満たすよう最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0056】
請求項15記載の発明は、請求項9ないし14の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Tmp(n,m)≧Tmp(n,m−1)
とした。
【0057】
従って、m番目(即ち、最終の)記録パルスの直前のバイアスパルスを無くすことができる。
【0058】
請求項16記載の発明は、請求項9ないし15の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルス及びバイアスパルス以外のタイミングでは、パワーPe(ただし、Pw(n,i)>Pe>Pb)のイレースレベル光を前記情報記録媒体に照射し、m番目の記録パルスの立上りからイレースレベルの立上りまでの周期をTlp(n)とするとき、
Tlp(n)≦Tmp(n,m)、かつ、
Pe≦Pw(n,m)≦1.2Pe
とした。
【0059】
従って、最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0060】
請求項17記載の発明は、パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報が記録される情報記録媒体において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジが用いられる記録条件のとき、
n/kの余りに対するTd(n,1)の値がプリフォーマットされている。
【0061】
従って、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供できる。
【0062】
請求項18記載の発明は、パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報が記録される情報記録媒体において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、第1の記録パルスのパルス幅をTmp(n,1)=Tmp(n+j,1)とし、又は、第1の記録パルスの記録パワーをPw(n,1)=Pw(n+j,1)とする記録ストラテジが用いられる記録条件のとき、
n/kの余りに対するTmp(n,1)又はPw(n,1)の値がプリフォーマットされている。
【0063】
従って、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供できる。
【0064】
請求項19記載の発明は、パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報が記録される情報記録媒体において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、最終の記録パルスのパルス幅をTmp(n,m)=Tmp(n+j,m+1)とし、又は、最終の記録パワーをPw(n,m)=Pw(n+j,m+1)とする記録ストラテジが用いられる記録条件のとき、
n/kの余りに対するTmp(n,m)又はPw(n,m)の値がプリフォーマットされている。
【0065】
従って、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供できる。
【0066】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0067】
[情報記録媒体の物理的構造]
本実施の形態の情報記録媒体としては、基本的には、CD−RW,DVD−RW,DVD+RW,DVD−RAM,Blu−ray Disc等に代表される書換え型の相変化型光情報記録媒体に適用可能である。
【0068】
図4にこのような書換え型で相変化型の光情報記録媒体1の物理的な具体的構成例を示す。この光情報記録媒体1は、基板2に下部保護層3、記録層4、上部保護層5、反射層6を積層することにより構成されている。基板2は当該媒体を物理的に保持する機能を有するため、機械的強度が十分に確保できる厚さと材質である必要がある。また、CD互換媒体やDVD互換媒体の場合は、記録及び再生に用いる光が基板を透過して記録層近傍に照射されるため、記録・再生に用いる光の波長領域で略透明であることが必要である。このような材料としては、ガラス,セラミックス等の無機物や樹脂等の有機物を用いることができるが、CD−RW,DVD−RW,DVD+RW,DVD−RW等ではポリカーボネート樹脂が強度と生産性及び光学的特性から好ましい。また、基板2の薄膜積層側に記録光の位置決めのための案内溝を設けても良い。
【0069】
下部保護層3は記録及び書換え(オーバーライト)時に記録層近傍に発生する熱から基板2を保護すると同時に記録層4材料の基板2への原子拡散を防止する働きを持つ。上部保護層5は反射層6への記録層4材料の拡散を防止し、反射層6材料の記録層4への原子拡散を防止する働きがある。また、情報記録及びオーバーライト時に記録層4近傍に発生する熱を反射層6への熱拡散を制御する機能を有する。即ち、媒体の熱設計を調整することが可能である。
【0070】
上部保護層5・下部保護層3の材料は光学的・熱的特性及び隣接する層との化学的な反応性などから決定される。例としては、Si,Ge等の半導体や、金属酸化物,金属窒化物,金属硫化物などの化合物があり、化合物の例としては、SiO2,Al2O3,ZrO2,TiO2,Y2O3,ZnO,SnO2,InO2,SiN,GeN,AlN,ZnS,ZnSeが挙げられる。保護層5,3を構成材料はこれらの単体でも、2種類以上の混合物でも良く、上部・下部保護層5,3共に多層としても良い。これらの中で最も広く用いられているものとして、ZnSとSiO2の混合物が挙げられる。特にSiO2を20モルパーセントの比率で混合したものが一般的である。
【0071】
反射層6は再生光を反射する機能を有する。そのため、高反射率な材料を用いることが必要であり、金属又は合金を用いるのが好ましい。金属の例としては、Ag,Al,Au,Al,Cuなどが、反射率が高いと同時に化学的安定性から好ましい。また、これらの金属に任意の金属を添加し、合金とすることで光学的特性や熱的特性,化学的安定性をさらに向上することができる。また、上部保護層5と化学的に反応してしまう場合は、上部保護層5との間に腐食防止層を設けても良い。
【0072】
反射層5の上部にはオーバーコート層を設け、媒体を物理的損傷から保護しても良く、また、接着層を介して基板2を反射層6上部に貼り合せても良い。
【0073】
このような構成の光情報記録媒体1への情報の記録は記録層4近傍に集光した光を照射及び走査することで行う。記録に用いる光の波長は媒体の情報の密度、即ち最小マークサイズやトラックピッチによって最適な波長が選択される。例としてはトラックピッチ1.6μmのCD−RWでは、波長780nm程度であり、トラックピッチ0.74μmのDVD系媒体では、波長660nm程度の光を用いる。これらの光は強度変調が可能であることが必要であり、半導体レーザを用いる。また、これらの光を集光する対物レンズのNAも媒体の記録密度や基板板厚によって決定される。例えば、前述のCD−RWではNA0.50であり、DVD+RWでは0.65である。
【0074】
[情報記録方法]
本実施の形態の情報記録方法は、前述したような光情報記録媒体1に上述したような光学系を用いて強度変調した光を照射及び走査することで行う。走査速度は光情報記録媒体1の記録密度と記録速度によって決定されるが、基本クロック周期Tと走査速度vの積は常に一定である必要がある。即ち、
v×T=一定
とする必要がある。また、記録される情報は、パルス幅変調(PWM)の一種である、マーク長・マーク間長変調方式である必要があり、例としてCD−RW系のEFM(8−14変調)やDVD系のEFM+(8−16変調の一種)が挙げられる。即ち、光情報記録媒体1上に基本クロック周期Tに自然数n(本実施の形態では3以上)を乗じた時間的長さのnTのマークとマーク長を形成することで記録を行う。
【0075】
記録マークを形成する時は、強度変調したパルス状の光を照射することで行う。より具体的には、長さnTのマークを記録する場合はm個の記録パルスとk個のバイアスパルスとを照射することで行う。ここで、m及びkはともにn以下の自然数であり、k≦m≦nである。
【0076】
また、m個の記録パルスのうちi番目(iは1≦i≦mの自然数)の記録パルスの照射時間はTmp(n,i)で表され、照射パワーはPw(n,i)で表される。また、データの開始エッジ部分から1番目のパルスの照射開始時間までの時間をTd(n,1)で表し、i番目のパルスの照射開始時間までの周期をTd(n,2)で表す。また、これらの記録パルスの間の時間はパワーPbのバイアスパルスとなる。さらに、最終のm番目の記録パルスの後にバイアスパルスが追加されても良い。これらの記録パルス及びバイアスパルス以外の領域はP=Peで照射されるイレースレベルとなる。m番目の記録パルスからイレースパルスの立上りまでの時間をTlp(n)で表す。このとき、Pw(n,i)>Pe>Pbであることが必要である。
【0077】
いま、n=9の場合を例にとり、本実施の形態の具体的な発光パターン(記録ストラテジ)について説明する。
【0078】
まず、図5(b)にn=9,m=3,k=3の場合の発光パターン例を示す。第1の記録パルスは図5(a)に示すデータの立上りエッジ部分からTd(9,1)だけ遅れて立上り、パワーPw(9,1)で時間Tmp(9,1)だけ照射される。さらに、1番目のパルスの立上りからTd(9,2)だけ遅れて2番目の記録パルスが時間Tmp(9,2),パワーPw(9,2)で照射される、2番目の記録パルスの立上りからTd(9,3)だけ遅れて3番目の記録パルスが時間Tmp(9,3),パワーPw(9,3)で照射される。3番目の記録パルスの立上りからTlp(9)だけ遅れてイレースレベルが照射される。これらの記録パルスの直後にはP=Pbであるバイアスパルスが照射され、記録パルスとバイアスパルス以外の領域はP=Peのイレースレベルが照射される。
【0079】
このとき、パルス状の光として、記録パワーPwの記録パルスとバイアスパワーPbのバイアスパルスとが交互に出てくることが重要である。即ち、記録パルス部分で記録層4が溶融しバイアスパルス部分で急冷されるために、記録層4はアモルファス状態となる。即ち、記録マークが形成される。一方、イレースレベルで照射される場合には記録層4は結晶化温度以上に加熱保持されるため、結晶化状態となる。
【0080】
また、図5(c)に示すように、最終であるm番目(図示例の場合は、m=4)のパルス幅Tmp(n,m)=Tmp(9,4)=Tlp(n)=Tlp(9)(又は、Tmp(n,m)=Tmp(9,4)<Tlp(n)=Tlp(9))とすることで、最後のバイアスパルスを無くしても良い。
【0081】
さらに、m番目の記録パルスの照射パワーPw(n,m)をイレースレベルPeに対して、
Pe<Pw(n,m)<1.2Pe
とすることで、m番目の記録パルスをイレースレベルのエッジと位置づけることができる。即ち、イレースレベルの立上り箇所を明確にすることで、マーク終端部のエッジを制御でき、より良好なジッタを実現することができる。Pw(n,m)がこのような範囲を超えた場合は、m番目の記録パルスで媒体の記録層が溶融し、アモルファス化が発生してしまうので、好ましくない。
【0082】
また、図5(d)に示すように、1番目のパルス幅Tmp(n,1)=Tmp(9,1)=Td(n,2)=Td(9,2)(又は、Tmp(n,1)=Tmp(9,1)>Td(n,2)=Td(9,2))としてその記録パワーをPw(9,1)>Pw(9,2)の如くステップ状として連続させることで、1番目の記録パルスの後のオフパルス(バイアスパルス)を無くしても良い。
【0083】
さらに、図5(e)に示すように、Tmp(n,m−1)=Tmp(9,3)=Td(n,m)=Td(9,4)(又は、Tmp(n,m−1)=Tmp(9,3)>Td(n,m)=Td(9,4))とし最終の記録パルスのパワーをPw(9,3)<Pw(9,4)の如くステップ状として連続させることで、m番目(即ち、最終の)記録パルスの直前のバイアスパルスを無くしてもよい。
【0084】
ところで、図5(c)〜(e)に示した発光パターン(記録ストラテジ)例では記録パルスの数mとバイアスパルスの数kとは一致していない。しかし、1番目の記録パルスの波形と最終パルスの波形とを調整することで記録マークの長さを調整している。即ち、本実施の形態の情報記録方法においては、1番目の記録パルスの記録ストラテジの要素(Pw(n,1),Td(n,1),Tmp(n,1))と最終なるm番目の記録パルスの記録ストラテジの要素(Pw(n,m),Td(n,m),Tmp(n,m))とがマーク長を決定する最も重要な因子である。つまり、1番目の記録パルスは直前のスペース長を制御し、m番目の記録パルスは当該マーク長を制御することになり、これらの2つのパルス以外の中間の記録パルスは特別細かく制御する必要がない。
【0085】
また、本実施の形態の情報記録方法においては、その記録条件として、さらに、マーク長がjTだけ長くなる毎に(ここでjは2以上の自然数)、記録パルスの数mとバイアスパルスの数kとが各々1ずつ増加する必要がある。j=2の場合の基本的なパターン例を図1に示し、j=3の場合を図6に示す。各々、jTだけマーク長が長くなる毎に記録パルスの数mとバイアスパルスの数kとが1ずつ増加していることが分かる。
【0086】
即ち、jTは記録パルス及びバイアスパルスを1組としたときの、その平均的な周期を表すことになる。即ち、図1の例の場合であれば平均的周期は2Tであり、図6の例の場合であれば平均的な周期は3Tとなっている。
【0087】
このような条件下に、本実施の形態の情報記録方法においては、
Td(n,1)=Td(n+j,1)
とすることが必要である。
【0088】
即ち、j=2なる図1の例では、n=偶数の場合にTd(n,1)は同一の値とし、n=奇数の場合にTd(n,1)は同一の値とする。さらに、j=3なる図6の例の場合は、n=3,6,9のときにTd(n,1)は同一の値とし、n=4,7,10のときにTd(n,1)は同一の値とし、n=5,8,10のときにTd(n,1)は同一の値とする。
【0089】
このように設定することにより、従来の1T増加する毎に、パルスを1組増加させる記録方法を、パルス数の少ない記録方法に適用することになり、記録パワーに対するマーク長依存性を最低限に抑えることができる。これにより、従来は個別に設定していたパラメータを、特性を確保しつつ統一することが可能となったものである。
【0090】
さらに、Td(n,1)=Td(n+j,1)とするのに代えて、パルス幅又は発光パワーに関して、
Tmp(n,1)=Tmp(n+j,1)、又は、
Pw(n,1)=Pw(n+j,1)
とすることで(両方でもよいが、少なくとも一方が成立すればよい)、前述の遅延時間Tdの制御と同等の効果を1番目の記録パルスの照射エネルギー量(パワー×時間)で制御することが可能となる。
【0091】
さらに、Td(n,1)=Td(n+j,1)とするのに代えて、最終のパルス幅又は発光パワーに関して、
Tmp(n,m)=Tmp(n+j,m+1)、又は、
Pw(n,m)=Pw(n+j,m+1)
とすることで(両方でもよいが、少なくとも一方が成立すればよい)、前述の遅延時間Tdの制御と同等の効果を最終パルスの照射エネルギー量(パワー×時間)で制御することが可能となる。
【0092】
[光情報記録媒体へのプリフォーマット]
このような記録ストラテジに関するパラメータ(例えば、後述の実施例のように、n/kの余りに対するTd(n,1)の値や、Tmp(n,1)又はPw(n,1)の値や、Tmp(n,m)又はPw(n,m)の値)を光情報記録媒体1にプリフォーマットしておくことで、光ディスクドライブとの互換性を高めることが可能となる。即ち、光ディスクドライブドライブは光情報記録媒体1にプリフォーマットされたこれらの情報を記録動作前に読み出すことで、最適な記録を行うことができる。プリフォーマットの方法としては、CD−RWのATIPエクストラインフォメーションやDVD+RWのフィジカルインフォメーションなどが例として挙げられる。
【0093】
本実施の形態は、光情報記録媒体にこれらのパラメータをプリフォーマットしておくことを特徴の一つとする。
【0094】
プリフォーマットは任意の手法を用いることができるが、プリピット法、ウォブルエンコード法、フォーマット法がある。プリピット法は光情報記録媒体上の任意の領域にROMピットを用いて記録条件に関する情報をプリフォーマットする手法である。基板成形時にROMピットが形成されるため量産性に優れ、かつ、ROMピットを用いているので、再生信頼性及び情報量の点で有利である。しかし、ROMピットを形成する技術(即ち、ハイブリッド技術)は課題が多く、RW系のプリピットによるプリフォーマット技術は困難とされている。
【0095】
フォーマット法は、光情報記録装置を用いて通常の記録と同様の手法を用いて情報を記録しておくものである。しかし、この手法は、光情報記録媒体を製造後、各媒体にフォーマットを施す必要があり、量産性の点から困難である。さらに、プリフォーマット情報を書換えることが可能であるため、媒体固有の情報を記録する手法としては適切ではない。
【0096】
ウォブルエンコード法は、CD−RW,DVD+RWで実際に採用されている手法である。この手法は光情報記録媒体のアドレス情報をグルーブ(媒体上の案内溝)のウォブリングにエンコードする技術を利用している。エンコードの方法としては、CD−RWのATIPのように周波数変調を用いても、DVD+RWのように位相変調を用いても良い。ウォブルエンコード法は、光情報記録媒体の基板成形時にアドレス情報と一緒に基板に作成されるため、生産性に優れると同時に、プリピット法のような特殊なROMピットを形成する必要がないため、基板成形も容易に行えるという利点がある。
【0097】
いま、上述したような記録ストラテジに関するパラメータのプリフォーマット例について、CD−RWの例で説明する。図7及び図8にCD−RW規格の光情報記録媒体1の各領域のフォーマット例を示す。円盤状の光情報記録媒体1において、グルーブが形成されたグルーブ形成領域には、半径方向内周側から外周側に向けて、内周部未使用領域12、テスト記録領域13、リードイン領域14、情報記録領域15、リードアウト領域16、外周部未使用領域17が順に割当てられている。
【0098】
このようなCD−RWなる光情報記録媒体1の場合、プリフォーマットされるメディア情報はATIP Extra Informationである。ATIP Extra Informationはアドレス情報を示すATIPを利用した手法である。ATIPはCD−RWディスクにプリフォーマットされたアドレス情報である。CD系のディスクは音楽情報媒体がベースとなった経緯からアドレスは時間情報として表されるため、M:S:Fで表される。ここで、Mは分であり、規格上00〜99の範囲をとることが可能であり、Sは秒に相当し、00〜59の範囲をとり、Fはフレームであり、00〜74の範囲をとる。1分=60秒であり、1秒=75フレームに相当する。M,S,Fには各々8bitの情報が与えられるため、1ATIPフレームの情報量は24bitとなる。M,S,F各々について、0〜255の値を与えることが可能であるが、実際には前述の範囲しか利用していない。そのため、使用していないbitを利用すればアドレス以外の情報を付加することが可能となる。この方法を利用したのがATIP Extra Informationである。
【0099】
ところで、ウォブルエンコードによる手法では、他の手法と比較すると絶対的な情報量が少なくなる傾向にある。通常、ウォブル周波数は記録情報の周波数に対して、相互干渉が起こらない周波数帯域をとる。周波数で30分の1以下、さらに好ましくは100分の1以下である。さらに、変調方式に周波数変調を用いるとさらに情報密度が低下し、CD−RWのATIP EXTRA INFORMAITIONのように、アドレス情報の冗長性を利用した場合はさらに情報密度が低下してしまう。
【0100】
もっとも、情報量が不足した場合は、新たな領域を設けても良い。CD−RWの場合は、リードイン領域14にATIP EXTRA INFORMATIONがエンコードされているが、この領域のみで不足する場合は、ディスク内周部又は外周部の未使用領域12又は17にエンコードしても良い。未使用領域12,17の例としては、PCA(Power Calibration Area=テスト記録領域)よりも内周部やリードアウト領域16の外周部を挙げることができる。
【0101】
また、エンコードされるパラメータは、実数を2進数に変換した値をエンコードしてもよく、変換テーブルを用いて変換した情報をエンコードしても良い。ただし、何れの方法を用いても情報記録装置上では、エンコードした情報をデコードし、正しく記録ストラテジを設定することができる手段が必要である。
【0102】
[情報記録装置]
次に、前述したような記録ストラテジによる情報記録方法を実現するための情報記録装置の構成例ついて、図9を参照して説明する。
【0103】
まず、CD−RWなる光情報記録媒体1に対して、この光情報記録媒体1を回転駆動させるスピンドルモータ21を含む回転制御機構22が設けられているとともに、光情報記録媒体1に対してレーザ光を集光照射させる対物レンズや半導体レーザLD23等のレーザ光源を備えた光ヘッド24がディスク半径方向にシーク移動自在に設けられている。光ヘッド24の対物レンズ駆動装置や出力系に対してはアクチュエータ制御機構25が接続されている。このアクチュエータ制御機構25にはプログラマブルBPF26を含むウォブル検出部27が接続されている。ウォブル検出部27には検出されたウォブル信号からアドレスを復調するアドレス復調回路28が接続されている。このアドレス復調回路28にはPLLシンセサイザ回路29を含む記録クロック生成部30が接続されている。PLLシンセサイザ回路29には相対移動制御手段としてのドライブコントローラ31が接続されている。
【0104】
システムコントローラ32に接続されたこのドライブコントローラ31には、回転制御機構22、アクチュエータ制御機構25、ウォブル検出部27及びアドレス復調回路28も接続されている。
【0105】
また、システムコントローラ17はCPU等を備えた、いわゆるマイコン構成のものであり、例えば記録ストラテジに関するパラメータが格納された変換テーブル33a等を含むROM33を備えている。また、このシステムコントローラ17には、EFMエンコーダ34、マーク長カウンタ35、パルス数制御部36が接続されている。これらのEFMエンコーダ34、マーク長カウンタ35、パルス数制御部36及びシステムコントローラ17には、発光波形制御手段となる記録パルス列制御部37が接続されている。この記録パルス列制御部37は、記録ストラテジにより規定されるマルチパルス(記録パルス、バイアスパルス)を生成するマルチパルス生成部38と、エッジセレクタ39と、パルスエッジ生成部40とが含まれている。
【0106】
この記録パルス列制御部37の出力側には、記録パワーPw,消去パワーPe、バイアスパワーPbの各々の駆動電流源41をスイッチングすることで光ヘッド24中の半導体レーザLD23を駆動させる光源駆動手段としてのLDドライバ部42が接続されている。
【0107】
このような構成において、光情報記録媒体1に記録するためには、目的の記録速度に対応する記録線速度となるようにスピンドルモータ21の回転数をドライブコントローラ31による制御の下、回転制御機構22により制御した後に、光ヘッド24から得られるプッシュプル信号からプログラマブルBPF26によって分離検出されたウォブル信号からアドレス復調するとともに、PLLシンセサイザ回路29によって記録チャネルクロックを生成する。次に、半導体レーザLD23による記録パルス列を発生させるため、記録パルス列制御部37には記録チャネルクロックと記録情報であるEFMデータが入力され、記録パルス列制御部37中のマルチパルス生成部38により図5等に示したような記録ストラテジに従うマルチパルスを生成し、LDドライバ部42で前述のPw,Pe,Pbなる各々の照射パワーとなるように設定された駆動電流源41をスイッチングすることで、記録パルス列に従うLD発光波形を得ることができる。
【0108】
【実施例】
[実施例1]
螺旋状の連続グルーブを転写したDVD基板1に、下部保護層3、記録層4、上部保護層5、反射層6、オーバーコート層を順次積層し、その後、接着層を介して同基板と貼り合わせてDVD+RWディスクを作成した。下部保護層3及び上部保護層5にはZnSとSiO2の混合物を用いた。このときのSiO2含有量は20モルパーセントであり、下部保護層3の膜厚は60nm、上部保護層5の膜厚は12nmとした。記録層4には、DVDの8倍速相当で記録可能な記録層材料として、GeSbSn合金を用いた。その組成比はGe13.6原子パーセント,Sb66.4原子パーセント,Sn20.0原子パーセントとし、膜厚は12nmとした。反射層6にはAgを用い、その膜厚は150nmとした。これらの層は真空成膜法の一種であるマグネトロンスパッタリング法で成膜した。
【0109】
オーバーコート層には市販の光ディスク用紫外線硬化樹脂をスピンコーティング法にて塗布後、紫外線を照射して硬化させることで形成した。オーバーコート層上に、同様に光ディスク用接着剤を塗布し、DVD基板を貼り合わせた。
【0110】
作成したディスクを、DVD用初期化装置で全面初期化しDVD+RWサンプルを得た。サンプルは未記録状態でDVD+RW規格を満足する良好な特性を示した。
【0111】
このサンプルに情報記録を行った。情報記録装置は市販のDVD+RW記録・再生信号評価装置であるパルステック工業製DDU1000を用いた。使用した光ピックアップの仕様は、
λ=660nm,NA0.65。
である。
【0112】
走査速度をDVD+RWの8倍速に相当する27.9m/sに設定し、チャンネルクロック(基本クロック周期)も同様に8倍速相当の209.25MHzに設定した。また、記録する情報はDVDの標準変調方式であるEFM+に準拠したランダムパターンとした。
【0113】
記録に用いた照射パルスの基本的なパラメータを表1に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
即ち、図1に示したように記録パルスの照射周期が概ね2Tとなり、記録マークの長さが2T増加する毎にパルス数m,kが1ずつ増加するものを用いた。各パルスのパラメータは、n/jの余りが0の場合、即ち、n=偶数の場合と、n/jの余りが1の場合、即ち、n=奇数の場合との2通りに分けてパラメータを設定した。
【0116】
(a)n=偶数の場合
Td(n,1)=0.9T
Td(n,i)=2.0T (2≦i≦m)
Tmp(n,i)=0.8T (1≦i≦m)
Tlp(n)=1.4T
(b)n=奇数の場合
Td(n,1)=1.0T
Td(n,i)=2.0T (2≦i≦m−1)
Td(n,m)=2.2T
Tmp(n,i)=0.8T (1≦i≦m−1)
Tmp(n,m)=1.0T
Tlp(n)=1.6T
即ち、n/jの余りが0と1の場合について、各々、Td(n,1)を同一の値として設定した。また、Pw(n,i)=Pwと全ての記録パルスについて同一とし、Pe=6mW,Pb=0.7mWに固定とした。また、記録回数は、DVD+RWの標準評価条件に準じて10回オーバーライトを行った。
【0117】
記録パルスのパワーPwを変化させた時のデータトゥクロックジッタのPw依存性を図10に示す。広い記録パワーレンジで、DVD+RW規格であるジッタ9%以下を十分に満足する結果となった。
【0118】
[比較例1]
実施例1と同一の媒体にて、n=偶数とn=奇数との場合で区別せず、一律に、Td(n、1)=1.0Tと設定した。実施例1と同様の条件にて記録特性の評価を行ったが、マーク間長が揃わずジッタが上昇してしまい、最低で9%以上となり、規格を満足できなかった。
【0119】
[実施例2]
実施例1で作成したディスクサンプルについて、実施例1と同様の記録評価を行った。ただし、記録ストラテジは表2に示す基本パラメータを設定した。
【0120】
【表2】
【0121】
即ち、図6に示したように、基本的な記録パルスの周期を3Tとした。さらに、n/jの余りに応じてパラメータを設定した。
【0122】
(a)余り=0の場合:
Td(n,1)=0.78T
Td(n,i)=3T (2≦i≦m)
Tmp(n,i)=1.15T (1≦i≦m)
Tlp(n)=2.4T
(b)余り=1の場合:
Td(n,1)=0.83T
Td(n,m−1)=3T (mが3以上のときのみ)
Td(n,m)=3.2T
Tmp(n,i)=1.15T (1≦i≦m)
Tlp(n)=2.65T
(c)余り=2の場合:
Td(n,1)=0.80T
Td(n,i)=3T (2≦i≦m−1)
Td(n,m)=3.35T
Tmp(n,i)=1.15T (1≦i≦m)
Tlp(n)=2.85T
実施例1と同様にジッタのPw依存性を測定した結果を図11に示す。実施例1と比較して、ジッタが最小となる記録パワーが約2mW低下すると同時に、ジッタの最小値が8.5%以下となった。
【0123】
[実施例3]
実施例1で作成した媒体に実施例2と同様に記録評価を行った。ただし、記録ストラテジのパラメータを表3の通りに設定した。
【0124】
【表3】
【0125】
さらに、Td(n,2)=Tmp(n,1)とし、1番目の記録パルスの後のバイアスパルスを無くし、Td(n,m)=Tmp(n,m−1)とすることで、m−1番目の記録パルスの後のバイアスパルスを無くしている。そのため、k=m−2となっている。
【0126】
n/jの余りに対して記録ストラテジのパラメータを以下のように設定した。
【0127】
(a)余り=0の場合:
Td(n,1)=0.78T
Td(n,i)=3T (3≦i≦m−1)
Tmp(n,1)=Td(n,2)=0.2T
Tmp(n,2)=0.95T
Tmp(n,i)=1.15T (3≦i≦m)
Tmp(n,m−1)=Td(n,m)=0.95T
Tmp(n,m)=0.2T
Tlp(n)=2.2T
Pw(n,1)=1.06Pw
(b)余り=1の場合:
Td(n,1)=0.83T
Td(n,i)=3T (3≦i≦m−2)
Td(n,m−1)=3.2T
Tmp(n,1)=Td(n,2)=0.2T
Tmp(n,2)=0.95T
Tmp(n,i)=1.15T (3≦i≦m)
Tmp(n,m−1)=Td(n,m)=0.95T
Tmp(n,m)=0.2T
Tlp(n)=2.45T
Pw(n,1)=1.04Pw
(c)余り=2の場合:
Td(n,1)=0.80T
Td(n,i)=3T (3≦i≦m−2)
Td(n,m−1)=3.35T
Tmp(n,1)=Td(n,2)=0.2T
Tmp(n,2)=0.95T
Tmp(n,i)=1.15T (3≦i≦m)
Tmp(n,m−1)=Td(n,m)=0.95T
Tmp(n,m)=0.2T
Tlp(n)=2.65T
Pw(n,1)=1.02Pw
【0128】
波形作成のタイミングチャートを図12に示す。チャンネル1には余り=0の1番目とm番目のパルスのみを発生し、チャンネル2には余り=1の1番目とm番目のパルスのみを発生し、チャンネル3には余り=2の1番目とm番目のパルスのみを発生するようにする。さらに、チャンネル4にはその他のマルチパルスを発生し、チャンネル5にはイレースレベルを発生するようにする。
【0129】
チャンネル1の入力が来た場合には記録パワーを1.06Pwとし、チャンネル2の入力が来た場合には記録パワーを1.04Pwとし、チャンネル3の入力が来た場合は記録パワーを1.002Pwとするように設定した。さらに、チャンネル4に対してはPwとし、チャンネル5に対してはPeとするようにした。
【0130】
このようにして形成される記録ストラテジは図12(g)に示すようになる。
【0131】
このパターンを用いて、実施例2と同様に記録信号評価を行い、ジッタのパワー依存性を測定した。図13に測定結果を示す。実施例2と比較すると記録パワーが低い領域でのジッタが低下し、パワーマージンが広くなっている。これは、第1パルスと最終パルスのエッジ部分にパワーを増加させた領域を設けたことにより、マーク長さのパワー依存性を抑制することができたと考えられる。
【0132】
【発明の効果】
請求項1,9記載の発明によれば、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間が制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0133】
請求項2,10記載の発明によれば、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間、照射時間又は照射パワーが制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0134】
請求項3,11記載の発明によれば、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、最終の記録パルスの照射時間又は照射パワーが制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0135】
請求項4,12記載の発明によれば、Td(n,2)≦Tmp(n,1)なる関係を満たすよう第1の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0136】
請求項5,13記載の発明によれば、1番目の記録パルスの直後のバイアスパルスを無くすことができる。
【0137】
請求項6,14記載の発明によれば、Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)なる関係を満たすよう最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0138】
請求項7,15記載の発明によれば、m番目(即ち、最終の)記録パルスの直前のバイアスパルスを無くすことができる。
【0139】
請求項8,16記載の発明によれば、最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0140】
請求項17記載の発明によれば、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報(n/kの余りに対するTd(n,1)の値)が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供することができる。
【0141】
請求項18記載の発明によれば、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報(n/kの余りに対するTmp(n,1)又はPw(n,1)の値)が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供することができる。
【0142】
請求項19記載の発明によれば、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報(n/kの余りに対するTmp(n,m)又はPw(n,m)の値)が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】j=2の場合の基本的な記録ストラテジを示す波形図である。
【図2】その場合の記録パワーPw−マーク長のずれ量Dの特性図である。
【図3】その場合の記録パワーPw−データトゥクロックジッタの特性図である。
【図4】本発明の一実施の形態の情報記録媒体の層構成を示す原理的な断面図である。
【図5】本実施の形態の記録ストラテジを特徴を示す波形図である。
【図6】j=3の場合の基本的な記録ストラテジを示す波形図である。
【図7】光情報記録媒体の領域割当てを示す平面図である。
【図8】その断面構造図である。
【図9】情報記録装置の構成例を示す概略ブロック図である。
【図10】実施例1の場合の記録パワーPw−データトゥクロックジッタの特性図である。
【図11】実施例2の場合の記録パワーPw−データトゥクロックジッタの特性図である。
【図12】記録ストラテジ作成例を示すタイミングチャートである。
【図13】記録パワーPw−データトゥクロックジッタの特性図である。
【符号の説明】
1 情報記録媒体
22 回転駆動機構
23 レーザ光源
31 相対移動制御手段
37 発光波形制御手段
42 光源駆動手段
【0012】
【特許文献1】
特開平9−134525号公報
【特許文献2】
特開2001−331936公報
【特許文献3】
特開2003−030836公報
【特許文献4】
特開2002−334433公報
【特許文献5】
特開2002−312934公報
【非特許文献1】
CD−RW標準規格書「Recordable Compact Disc Systems Part III volume 3 version 1.0」(通称オレンジブックパートIII,vol.3 Ultra-speed CD-RW)
【特許文献1】
特開平9−134525号公報
【特許文献2】
特開2001−331936公報
【特許文献3】
特開2003−030836公報
【特許文献4】
特開2002−334433公報
【特許文献5】
特開2002−312934公報
【非特許文献1】
CD−RW標準規格書「Recordable Compact Disc Systems Part III volume 3 version 1.0」(通称オレンジブックパートIII,vol.3 Ultra-speed CD-RW)
【0028】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録方法において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数であるn,m,kによらない定数,m(n+j)=m(n)+1,k(n+j)=k(n)+1)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録方法において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数であるn,m,kによらない定数,m(n+j)=m(n)+1,k(n+j)=k(n)+1)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0034】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の情報記録方法において、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、第1の記録パルスのパルス幅Tmp(n,1)を
Td(n,2)≦Tmp(n,1)
とした。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の情報記録方法において、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、第1の記録パルスのパルス幅Tmp(n,1)を
Td(n,2)≦Tmp(n,1)
とした。
【0036】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の情報記録方法において、Tmp(n,1)≦Tmp(n,2)とした。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の情報記録方法において、Tmp(n,1)≦Tmp(n,2)とした。
【0038】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の立上り周期Td(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)
とした。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の立上り周期Td(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)
とした。
【0040】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Tmp(n,m)≧Tmp(n,m−1)
とした。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Tmp(n,m)≧Tmp(n,m−1)
とした。
【0042】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルス及びバイアスパルス以外のタイミングでは、パワーPe(ただし、Pw(n,i)>Pe>Pb)のイレースレベル光を前記情報記録媒体に照射し、
m番目の記録パルスの立上りからイレースレベルの立上りまでの周期をTlp(n)とするとき、
Tlp(n)≦Tmp(n,m)、かつ、
Pe≦Pw(n,m)≦1.2Pe
とした。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一記載の情報記録方法において、記録パルス及びバイアスパルス以外のタイミングでは、パワーPe(ただし、Pw(n,i)>Pe>Pb)のイレースレベル光を前記情報記録媒体に照射し、
m番目の記録パルスの立上りからイレースレベルの立上りまでの周期をTlp(n)とするとき、
Tlp(n)≦Tmp(n,m)、かつ、
Pe≦Pw(n,m)≦1.2Pe
とした。
【0044】
請求項7記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録装置において、前記情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、前記情報記録媒体とこの情報記録媒体に照射される前記光ビームとを相対的に移動させる相対移動制御手段と、を備え、前記発光波形制御手段は、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数であるn,m,kによらない定数,m(n+j)=m(n)+1,k(n+j)=k(n)+1)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
請求項7記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録装置において、前記情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、前記情報記録媒体とこの情報記録媒体に照射される前記光ビームとを相対的に移動させる相対移動制御手段と、を備え、前記発光波形制御手段は、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数であるn,m,kによらない定数,m(n+j)=m(n)+1,k(n+j)=k(n)+1)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0050】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、第1の記録パルスのパルス幅Tmp(n,1)を
Td(n,2)≦Tmp(n,1)
とした。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、第1の記録パルスのパルス幅Tmp(n,1)を
Td(n,2)≦Tmp(n,1)
とした。
【0052】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、Tmp(n,1)≦Tmp(n,2)とする。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、Tmp(n,1)≦Tmp(n,2)とする。
【0054】
請求項10記載の発明は、請求項7ないし9の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の立上り周期Td(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)
とした。
請求項10記載の発明は、請求項7ないし9の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の立上り周期Td(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)
とした。
【0056】
請求項11記載の発明は、請求項7ないし10の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Tmp(n,m)≧Tmp(n,m−1)
とした。
請求項11記載の発明は、請求項7ないし10の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Tmp(n,m)≧Tmp(n,m−1)
とした。
【0058】
請求項12記載の発明は、請求項7ないし11の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルス及びバイアスパルス以外のタイミングでは、パワーPe(ただし、Pw(n,i)>Pe>Pb)のイレースレベル光を前記情報記録媒体に照射し、m番目の記録パルスの立上りからイレースレベルの立上りまでの周期をTlp(n)とするとき、
Tlp(n)≦Tmp(n,m)、かつ、
Pe≦Pw(n,m)≦1.2Pe
とした。
請求項12記載の発明は、請求項7ないし11の何れか一記載の情報記録装置において、前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルス及びバイアスパルス以外のタイミングでは、パワーPe(ただし、Pw(n,i)>Pe>Pb)のイレースレベル光を前記情報記録媒体に照射し、m番目の記録パルスの立上りからイレースレベルの立上りまでの周期をTlp(n)とするとき、
Tlp(n)≦Tmp(n,m)、かつ、
Pe≦Pw(n,m)≦1.2Pe
とした。
【0060】
請求項13記載の発明は、パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報が記録される情報記録媒体において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数であるn,m,kによらない定数,m(n+j)=m(n)+1,k(n+j)=k(n)+1)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジが用いられる記録条件のとき、
n/jの余りに対するTd(n,1)の値がプリフォーマットされている。
請求項13記載の発明は、パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報が記録される情報記録媒体において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数であるn,m,kによらない定数,m(n+j)=m(n)+1,k(n+j)=k(n)+1)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジが用いられる記録条件のとき、
n/jの余りに対するTd(n,1)の値がプリフォーマットされている。
【0132】
【発明の効果】
請求項1,7記載の発明によれば、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間が制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【発明の効果】
請求項1,7記載の発明によれば、記録パルスと組み合わされるバイアスパルスの数kと記録マークの時間的長さnTを規定するnとの関係から、第1の記録パルスの立上り時間が制御され、かつ、統一されるため、少ないパラメータで複雑な記録ストラテジを表現することができ、同時に、良好な特性を確保することができる。
【0135】
請求項2,8記載の発明によれば、Td(n,2)≦Tmp(n,1)なる関係を満たすよう第1の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
請求項2,8記載の発明によれば、Td(n,2)≦Tmp(n,1)なる関係を満たすよう第1の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0136】
請求項3,9記載の発明によれば、1番目の記録パルスの直後のバイアスパルスを無くすことができる。
請求項3,9記載の発明によれば、1番目の記録パルスの直後のバイアスパルスを無くすことができる。
【0137】
請求項4,10記載の発明によれば、Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)なる関係を満たすよう最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
請求項4,10記載の発明によれば、Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)なる関係を満たすよう最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0138】
請求項5,11記載の発明によれば、m番目(即ち、最終の)記録パルスの直前のバイアスパルスを無くすことができる。
請求項5,11記載の発明によれば、m番目(即ち、最終の)記録パルスの直前のバイアスパルスを無くすことができる。
【0139】
請求項6,12記載の発明によれば、最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
請求項6,12記載の発明によれば、最終の記録パルスをステップ状とすることにより、時間的長さnTを規定するnによる記録マークのパワー依存性を低減させることができ、パワーマージンを広く保つことができる。
【0140】
請求項13記載の発明によれば、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報(n/kの余りに対するTd(n,1)の値)が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供することができる。
請求項13記載の発明によれば、情報記録媒体の記録方法に関する記録ストラテジなる情報(n/kの余りに対するTd(n,1)の値)が媒体にプリフォーマットされているため、情報記録装置に最適な情報を提供することができ、より記録互換性の高い媒体を提供することができる。
【0028】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)により、マーク変調方式を用いて情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録方法において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数であるn,m,kによらない定数,m(n+j)=m(n)+1,k(n+j)=k(n)+1)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、情報を記録するためのマーク長変調に必要な全てのnに対してTd(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)により、マーク変調方式を用いて情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録方法において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数であるn,m,kによらない定数,m(n+j)=m(n)+1,k(n+j)=k(n)+1)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、情報を記録するためのマーク長変調に必要な全てのnに対してTd(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0044】
請求項7記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)により、マーク変調方式を用いて情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録装置において、前記情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、前記情報記録媒体とこの情報記録媒体に照射される前記光ビームとを相対的に移動させる相対移動制御手段と、を備え、前記発光波形制御手段は、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数であるn,m,kによらない定数,m(n+j)=m(n)+1,k(n+j)=k(n)+1)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、情報を記録するためのマーク長変調に必要な全てのnに対してTd(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
請求項7記載の発明は、パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)により、マーク変調方式を用いて情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録装置において、前記情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、前記情報記録媒体とこの情報記録媒体に照射される前記光ビームとを相対的に移動させる相対移動制御手段と、を備え、前記発光波形制御手段は、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数であるn,m,kによらない定数,m(n+j)=m(n)+1,k(n+j)=k(n)+1)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、情報を記録するためのマーク長変調に必要な全てのnに対してTd(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにした。
【0060】
請求項13記載の発明は、パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報が記録される情報記録媒体において、パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)により、マーク変調方式を用いて情報が記録される情報記録媒体において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数であるn,m,kによらない定数,m(n+j)=m(n)+1,k(n+j)=k(n)+1)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、情報を記録するためのマーク長変調に必要な全てのnに対してTd(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジが用いられる記録条件のとき、n/jの余りに対するTd(n,1)の値がプリフォーマットされている。
請求項13記載の発明は、パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報が記録される情報記録媒体において、パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)により、マーク変調方式を用いて情報が記録される情報記録媒体において、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数であるn,m,kによらない定数,m(n+j)=m(n)+1,k(n+j)=k(n)+1)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、情報を記録するためのマーク長変調に必要な全てのnに対してTd(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジが用いられる記録条件のとき、n/jの余りに対するTd(n,1)の値がプリフォーマットされている。
Claims (19)
- パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録方法において、
時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、
かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、
かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにしたことを特徴とする情報記録方法。 - パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録方法において、
時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、
かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、
かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、第1の記録パルスのパルス幅をTmp(n,1)=Tmp(n+j,1)とし、又は、第1の記録パルスの記録パワーをPw(n,1)=Pw(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにしたことを特徴とする情報記録方法。 - パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録方法において、
時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、
かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、
かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、最終の記録パルスのパルス幅をTmp(n,m)=Tmp(n+j,m+1)とし、又は、最終の記録パワーをPw(n,m)=Pw(n+j,m+1)とする記録ストラテジを用いるようにしたことを特徴とする情報記録方法。 - 記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、第1の記録パルスのパルス幅Tmp(n,1)を
Td(n,2)≦Tmp(n,1)
としたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の情報記録方法。 - Tmp(n,1)≦Tmp(n,2)としたことを特徴とする請求項4記載の情報記録方法。
- 記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の立上り周期Td(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)
としたことを特徴とする請求項1ないし5の何れか一記載の情報記録方法。 - 記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Tmp(n,m)≧Tmp(n,m−1)
としたことを特徴とする請求項1ないし6の何れか一記載の情報記録方法。 - 記録パルス及びバイアスパルス以外のタイミングでは、パワーPe(ただし、Pw(n,i)>Pe>Pb)のイレースレベル光を前記情報記録媒体に照射し、
m番目の記録パルスの立上りからイレースレベルの立上りまでの周期をTlp(n)とするとき、
Tlp(n)≦Tmp(n,m)、かつ、
Pe≦Pw(n,m)≦1.2Pe
としたことを特徴とする請求項1ないし7の何れか一記載の情報記録方法。 - パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録装置において、
前記情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、
このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、
前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、
前記情報記録媒体とこの情報記録媒体に照射される前記光ビームとを相対的に移動させる相対移動制御手段と、
を備え、
前記発光波形制御手段は、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにしたことを特徴とする情報記録装置。 - パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録装置において、
前記情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、
このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、
前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、
前記情報記録媒体とこの情報記録媒体に照射される前記光ビームとを相対的に移動させる相対移動制御手段と、
を備え、
前記発光波形制御手段は、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、第1の記録パルスのパルス幅をTmp(n,1)=Tmp(n+j,1)とし、又は、第1の記録パルスの記録パワーをPw(n,1)=Pw(n+j,1)とする記録ストラテジを用いるようにしたことを特徴とする情報記録装置。 - パルス状の光を情報記録媒体に照射することにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報を前記情報記録媒体に対して記録する情報記録装置において、
前記情報記録媒体に対して照射する光ビームを発するレーザ光源と、
このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、
前記レーザ光源が発する光ビームの発光波形に関する記録ストラテジが設定されて前記光源駆動手段を制御する発光波形制御手段と、
前記情報記録媒体とこの情報記録媒体に照射される前記光ビームとを相対的に移動させる相対移動制御手段と、
を備え、
前記発光波形制御手段は、時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、最終の記録パルスのパルス幅をTmp(n,m)=Tmp(n+j,m+1)とし、又は、最終の記録パワーをPw(n,m)=Pw(n+j,m+1)とする記録ストラテジを用いるようにしたことを特徴とする情報記録装置。 - 前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、第1の記録パルスのパルス幅Tmp(n,1)を
Td(n,2)≦Tmp(n,1)
としたことを特徴とする請求項9ないし11の何れか一記載の情報記録装置。 - 前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、Tmp(n,1)≦Tmp(n,2)とすることを特徴とする請求項12記載の情報記録装置。
- 前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の立上り周期Td(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Td(n,m)≦Tmp(n,m−1)
としたことを特徴とする請求項9ないし13の何れか一記載の情報記録装置。 - 前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルスの個数mがm≧2の場合において、i番目の記録パルスと(i−1)番目の記録パルスとの立上り周期をTd(n,i)とするとき、最終の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m)、最終直前の記録パルスのパルス幅Tmp(n,m−1)を
Tmp(n,m)≧Tmp(n,m−1)
としたことを特徴とする請求項9ないし14の何れか一記載の情報記録装置。 - 前記発光波形制御手段は、記録ストラテジを、記録パルス及びバイアスパルス以外のタイミングでは、パワーPe(ただし、Pw(n,i)>Pe>Pb)のイレースレベル光を前記情報記録媒体に照射し、m番目の記録パルスの立上りからイレースレベルの立上りまでの周期をTlp(n)とするとき、
Tlp(n)≦Tmp(n,m)、かつ、
Pe≦Pw(n,m)≦1.2Pe
としたことを特徴とする請求項9ないし15の何れか一記載の情報記録装置。 - パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報が記録される情報記録媒体において、
時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、Td(n,1)=Td(n+j,1)とする記録ストラテジが用いられる記録条件のとき、
n/kの余りに対するTd(n,1)の値がプリフォーマットされていることを特徴とする情報記録媒体。 - パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報が記録される情報記録媒体において、
時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、第1の記録パルスのパルス幅をTmp(n,1)=Tmp(n+j,1)とし、又は、第1の記録パルスの記録パワーをPw(n,1)=Pw(n+j,1)とする記録ストラテジが用いられる記録条件のとき、
n/kの余りに対するTmp(n,1)又はPw(n,1)の値がプリフォーマットされていることを特徴とする情報記録媒体。 - パルス状の光が照射されることにより、記録マークの時間的長さがnT(T:基本クロック周期、nは3以上の自然数)で表される情報が記録される情報記録媒体において、
時間的長さnTの記録マークを記録する際、i番目の記録パワーがPw(n,i)のm個(ただし、i,mは1≦i≦m,m≦nなる自然数)の記録パルスとパワーPbのk個(ただし、Pb<Pw(n,i),kはk≦mなる自然数)のバイアスパルスとによるパルス状の光を照射し、かつ、これらの記録パルス中の第1の記録パルスを当該記録するデータの開始エッジから時間的にTd(n,1)だけ遅延させて照射し、かつ、記録マークの時間的長さnTがjT(jは2以上の自然数)増加する毎に、前記記録パルスの数と前記バイアスパルスの数とを各々1個ずつ増加させる条件下に、最終の記録パルスのパルス幅をTmp(n,m)=Tmp(n+j,m+1)とし、又は、最終の記録パワーをPw(n,m)=Pw(n+j,m+1)とする記録ストラテジが用いられる記録条件のとき、
n/kの余りに対するTmp(n,m)又はPw(n,m)の値がプリフォーマットされていることを特徴とする情報記録媒体。
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JP2003163564A JP2005004800A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 情報記録方法、情報記録装置及び情報記録媒体 |
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JP2003163564A JP2005004800A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 情報記録方法、情報記録装置及び情報記録媒体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-06-09 JP JP2003163564A patent/JP2005004800A/ja active Pending
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