JP2011169370A - アンギュラ玉軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速回転時の案内すきまの変化量を小さくすることで、案内すきまの設計値を小さくし、振動低減、及び発熱低減を実現することができるアンギュラ玉軸受を提供する。
【解決手段】アンギュラ玉軸受1は、外輪2と、内輪3と、外輪2及び内輪3との間に接触角αを持って配置される複数の玉4と、複数の玉4を円周方向に所定の間隔を持って保持する保持器10と、を備える。保持器10は、案内方式が外輪案内であり、案内すきまは、保持器の案内径の0.45%以下である。また、保持器10は、比重が2g/cm以下、曲げ弾性率が12GPa以上、線膨張係数が5×10−5/℃以下である、強化繊維が添加された合成樹脂材料からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンギュラ玉軸受に関し、より詳細には、工作機械主軸やコンプレッサー等に適用される、高速回転可能なアンギュラ玉軸受に関する。
保持器の案内方式が内輪案内又は外輪案内である転がり軸受においては、軌道輪に接する保持器の内周面(あるいは外周面)と、軌道輪の接触面との間には適当なすきま(案内すきま)を設けており、該案内すきまは、軌道輪の保持器案内面の直径と、保持器の案内面の直径との差をいうものとされている。また、転動体を案内し、保持するために保持器のポケット内における転動体との間にすきまを設けている(ポケットすきま)。
従来のフェノール樹脂を用いた保持器では、強度が低いため高速回転時の遠心力による膨張量が大きいため、案内すきまを大きくする必要がある。案内すきまが大きいと高速回転域では、振動ならびにNRRO(主としてFc成分)が大きくなる問題がある。さらにフェノール樹脂を用いた保持器では、吸水により最大で1%膨張してしまう。
また、従来の保持器としては、高速時に保持器が振れ回ることによる軸のFc振れ発生を低減させることを目的として、ポリイミド樹脂やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂等の剛性の高い樹脂を使用し、保持器の案内すきまを保持器の案内径に対して0.05〜0.4%とし、かつ保持器のポケットすきまを案内すきまの0.8〜1.8倍としたものが考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−12476号公報
ところで、特許文献1に記載の保持器において、上記樹脂材料を用いただけでは、高速回転時に依然としてすきまがなくなる可能性があり、その場合には、焼付きが発生してしまう。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高速回転時の案内すきまの変化量を小さくすることで、案内すきまの設計値を小さくし、振動低減、及び発熱低減を実現することができるアンギュラ玉軸受を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 外輪と、内輪と、前記外輪及び内輪との間に接触角を持って配置される複数の玉と、該複数の玉を円周方向に所定の間隔を持って保持する保持器と、を備え、該保持器の案内方式が外輪案内であるアンギュラ玉軸受であって、
前記保持器の案内すきまは、前記保持器の案内径の0.45%以下であり、
前記保持器は、比重が2g/cm以下、曲げ弾性率が12GPa以上、線膨張係数が5×10−5/℃以下である、強化繊維が添加された合成樹脂材料からなることを特徴とするアンギュラ玉軸受。
(2) 前記保持器の少なくとも案内面には、軸方向に延びる複数の凹溝が円周方向に形成されており、
前記凹溝の円周方向幅の総和は、前記保持器の外周長さの30%以上であることを特徴とする(1)に記載のアンギュラ玉軸受。
(3) 前記保持器のポケットすきまが前記案内すきまの1.5〜2.5倍であることを特徴とする(1)または(2)に記載のアンギュラ玉軸受。
本発明のアンギュラ玉軸受によれば、案内方式が外輪案内である保持器において、保持器の案内すきまは、保持器の案内径の0.45%以下であり、保持器は、比重が2g/cm以下、曲げ弾性率が12GPa以上、線膨張係数が5×10−5/℃以下である、強化繊維が添加された合成樹脂材料からなる。これにより、高速回転時の案内すきまの変化量を小さくすることで、案内すきまの設計値を小さくし、振動低減、及び発熱低減を実現することができる。
本発明の一実施形態に係るアンギュラ玉軸受を示す断面図である。 (a)は、図1のアンギュラ玉軸受の保持器の斜視図であり、(b)はその部分正面図である。 dmn値と保持器外径の遠心力による膨張量の関係の計算結果を示す。 軸受が温度上昇した時の保持器材料の線膨張係数と案内すきま減少量の関係を示す。 第1の変形例に係るアンギュラ玉軸受の断面図である。 (a)は、図5のアンギュラ玉軸受の保持器の斜視図であり、(b)はその部分正面図である。 第2の変形例に係るアンギュラ玉軸受の保持器の部分正面図である。 第3の変形例に係るアンギュラ玉軸受の保持器の部分斜視図である。 (a)及び(b)は、実施例1において、NRROを測定する装置を示す図である。 実施例1において、図9に示す装置で測定されたX−Yリサージュ波形を示す図である。 実施例1において、回転速度が10800min−1において、案内すきまとポケットすきまとNRROとの関係を示すグラフである。 実施例1において、回転速度とNRROとの関係を示すグラフである。 実施例2において、回転速度とNRROとの関係を示すグラフである。 実施例3において、保持器の凹溝の総幅に対する割合と、慣らし時間との関係を示すグラフである。 (a)及び(b)は、実施例4において、動トルクの測定装置の概略図である。 実施例5において、回転速度と動トルクとの関係を示すグラフである。 実施例5において、アキシアル荷重と動トルクとの関係を示すグラフである。 実施例5において、保持器案内すきまと動トルクとの関係を示すグラフである。 実施例6において、外輪温度上昇を測定するためのスピンドルを示す。 実施例6において、回転速度と外輪温度上昇との関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係るアンギュラ玉軸受について図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態のアンギュラ玉軸受を示す断面図である。アンギュラ玉軸受1は、内周面に外輪軌道面2aを有する外輪2と、外周面に内輪軌道面3aを有する内輪3と、外輪2の外輪軌道面2a及び内輪3の内輪軌道面3aとの間に接触角αを持って配置される複数の玉4と、複数の玉4を円周方向に所定の間隔を持って保持する保持器10と、を備える。
また、図2にも示すように、保持器10は、円周方向に所定の間隔で形成された複数の円筒状のポケット11を有し、保持器10の軸方向両側に位置する一対のリング部12のうち、一方のリング部12が外輪2の外輪軌道面2aに対して反カウンターボア側の内周面2bに案内される外輪案内方式である。保持器10の案内すきま(外輪2の保持器案内面(内周面)2bの直径Dと、保持器10の外周面の直径(案内径)dとの差=2×g)は、NRROを低減すべく、保持器案内径dの0.45%以下に設定されている。さらに、NRROを低減すべく、保持器10のポケットすきま(保持器10のポケット11の内径D1と玉4の直径d1との差)は、案内すきま2×gの1.5〜2.5倍に設定されている。
また、保持器10は、曲げ弾性率が12GPa以上、吸水率が0.1%以下、線膨張係数が5×10−5/℃以下の強化繊維が添加された合成樹脂材料を採用し、高速回転時の案内すきまの変化量を小さくすることで、案内すきまの設計値を小さくしている。
保持器10は、軸受の回転中に遠心力により膨張する。また、外輪2と保持器10の線膨張係数の違いにより、軸受が温度上昇した際、両者の熱膨張量の違いからも案内すきまが小さくなる。
図3は、dmn値と保持器外径の遠心力による膨張量の関係の計算結果を示す。保持器は玉4を保持するため、保持器10の中心径は、ほぼPCDと一致する。そのため横軸にdmn値をとると、保持器10の膨張量は、保持器10の肉厚による違いは若干あるが、軸受のサイズによらず図3に示すような計算結果になる。
実用可能な最大回転数350万では、比重2g/cm、曲げ弾性率12GPaの時、保持器10の外径膨張量が保持器案内径の0.1%となる。そのため、本発明の案内すきまを実現するため、保持器10の遠心力による膨張量を保持器案内径の0.1%以下にするためには、比重を2g/cm以下でかつ曲げ弾性率が12GPa以上の材料を採用する必要がある。(もしくは曲げ弾性率/比重≧6GPa/(g/ cm)でもよい。)
また、図4は、回転中の軸受の温度条件が厳しい条件を想定し、外輪温度上昇が40℃、保持器温度上昇が60℃とした時の保持器材料の線膨張係数と案内すきま減少量の関係を示す。案内すきまの減少量は保持器外径に対する比としている。強化繊維を添加した樹脂材料では線膨張係数は射出成型時の樹脂の流動方向と直交方向の線膨張係数が異なるため、このような場合は両者の平均値を線膨張係数とする。図4のグラフから、線膨張係数が5×10−5の時に案内すきまの減少量が保持器案内径の0.25%となる。このとき前述の遠心力膨張量とこの熱変形の膨張量をあわせても、初期案内すきまを0.45%とした時には運転時の案内すきまは0にならない。そのため、保持器材料の線膨張係数を5×10−5以下にすることが必要である。さらには、案内面の焼付き防止やこれらの物性変化が生じてもすきまがなくならないことを考えると、図3、図4からdmnが200万以下で使用し、保持器材料の線膨張係数が2×10−5の材料を用いた場合、案内すきまは保持器案内径の0.1%以上必要であることが分かる。より好ましくは案内すきまが保持器案内径の0.2%以上であることが望ましい。
また、保持器10は、樹脂材料の吸水性が高いと吸水により膨張して案内すきまが小さくなるため、吸水率が0.5%以下の材料を採用して、吸水による膨張を抑えることが必要になる。
このような高強度で、吸水性が低く、線膨張係数の小さい合成樹脂材料としては、例えば、ポリアミド・ポリフェニレンサルファイド(略称PPS)・ポリエーテルエーテルケトン(略称PEEK)・ポリイミド、ポリアミドイミドなどが適用される。また、これらの合成樹脂材料のみでは、要求される強度が確保されないため、12GPa以上の曲げ弾性率を確保できるように任意の強化繊維を添加すればよい。強化繊維の例としては、25%(重量%)以上のガラス繊維や15%(重量%)以上の炭素繊維などが挙げられる。
図2に示すように、保持器10の少なくとも案内面(本実施形態では、一対のリング部12の外周面)には、軸方向に延びる複数の凹溝13がポケット11と対応する位置で円周方向に所定の間隔で形成されている。凹溝13の円周方向幅の総和は、保持器10の外周長さの30%以上に設定されている。これにより、保持器10の案内すきまを小さくすることによる、グリースや潤滑油の排出性の悪化、初期の慣らし運転時間の長期化、回転中における保持器の自励振動や軸受の異常昇温による焼付き、温度の不安定などといった問題を解決することができる。
このように構成される保持器10の案内方式が外輪案内であるアンギュラ玉軸受1では、 保持器10の案内すきまは、前記保持器の案内径の0.45%以下であり、保持器10は、比重が2g/cm以下、曲げ弾性率が12GPa以上、線膨張係数が5×10−5/℃以下である、強化繊維が添加された合成樹脂材料からなるので、高速回転時の案内すきまの変化量を小さくして、案内すきまの設計値を小さくすることができ、高速回転時の振動を低減することができる。
保持器10の少なくとも案内面には、軸方向に延びる複数の凹溝13が円周方向に形成されており、凹溝13の円周方向幅の総和は、保持器10の外周長さの30%以上であるので、案内すきまを小さくした場合でも、軸受内部の潤滑剤の排出性が改善され、慣らし運転時間の短縮や、軸受の焼付きなどを防止することができる。
また、保持器のポケットすきまが案内すきまの1.5〜2.5倍であるので、NRROが小さくなり、高速回転時の振動をより低減することができる。
なお、本実施形態の凹溝13は、両方のリング部12の外周面に形成されているが、保持器10の少なくとも案内面側(一方のリング部12の外周面)に形成されればよい。また、本実施形態の凹溝13は、軸方向に沿って形成されているが、軸方向に対して傾斜して設けられてもよく、曲線形状であってもよく、また、台形形状などであってもよい。
また、図5及び図6に示す第1の変形例のように、外周面のポケット11周辺を凹状に形成することで、外輪2の案内面2bと外輪軌道面2aの接続部分のエッジ2cで保持器10の外周面があたることを避けることででき、保持器10の偏摩耗を防止できる。なお、本実施形態では、保持器10のポケット11周辺は、凹溝13の底部の外径より小径の一様外径とすることで、凹状に形成されている。
さらに、図7に示す第2の変形例のように、特許第3608611号公報と同様、パーティングライン14が溝15内部に位置するように溝15を設けることで、金型成型で製作した保持器10のバレル工程を省略し、コスト削減が可能となる。なお、図7では、この溝15を上述した凹溝13と併用して、潤滑剤の排出性をさらに改善できるが、凹溝13自体にパーティングライン14が位置するようにしてもよい。
また、保持器の案内方式が内輪案内の場合には、案内面となる保持器の内周面に複数の凹溝が形成されるようにしてもよい。
また、図8に示す第3の変形例のように、凹溝13を設ける代わりに、保持器10の案内面となるリング部12の外周面の案内幅を狭くすることで、潤滑剤が軸受内部から排出されやすくすることで潤滑剤の排出性を改善して、潤滑剤の慣らし性を向上させてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形、改良等が可能である。
以下、本発明の有効性を確認するため、実施例1〜6の試験を行った。
(実施例1)
実施例1では、内径70mmのアンギュラ玉軸受(70BNR10H)について、現行のフェノール樹脂製の外輪案内保持器Aと、PPSにカーボンファイバーを添加した(以下、PPS−CFと呼ぶ)材料で製作し、表1に示すように案内すきまとポケットすきまを変化させた外輪案内保持器B〜Fを用いて、軸受単体での高速回転時のNRROを測定した。案内すきまとポケットすきまは、保持器案内径(外径)に対する比(%)で示す。
Figure 2011169370
また、NRROの測定では、図9に示すように、ハウジング31に静圧パッドを介して予圧荷重を負荷することで、外輪をラジアル方向がフリーな状態で予圧(アキシアル荷重)を負荷し、精度の良いエアスピンドル30で内輪を回転させる。そのときのハウジング31のラジアル方向(x,y方向)の変位を非接触変位計32,33で測定し、図10に示すようなX−Yリサージュ波形から非回転同期振れ(NRRO)を得る。試験軸受は、外輪、内輪及び玉を共通とし、保持器のみを入れ替えて、保持器のみのNRROへの影響を評価した。
図11及び図12は、NRRO測定結果を示す。図11に示すように、回転速度が10800min−1において、現行仕様の保持器Aでは、NRROの値が285nmになっているが、保持器B、C、D、E、FはNRROの値が160〜210nmと大幅に低減できており、且つ案内すきまが0.1〜0.45%の範囲ではNRROの値に大きな差がなくなっていることから、案内すきまを小さくするとNRROの値が小さくなること、案内すきまが0.45%以下ではこれ以上すきまを小さくしてもNRROに大きな変化がないことが分かる。以上より、案内すきまを保持器案内径の0.45%以下にするとNRROを低減できることがわかる。また、保持器B、C、Dの結果を比較するとポケットすきまが大きいほうがNRROが小さくなることから、ポケットすきまは、案内すきまの1.5〜2.5倍とするとより好適である。また、図12から回転速度が9000min−1(dmnが100万)以上になると保持器の違いによるNRROの差が顕著に現れていることから、dmnが100万以上の使用条件でより効果があることがわかる。
(実施例2)
実施例2では、内径40mmのアンギュラ玉軸受(40BNR10HT)において、現行のフェノール樹脂製の保持器と本発明品の保持器を入れ替えて、図9の測定装置を用いて、軸受単体でのNRROを測定した。現行のフェノール樹脂製の保持器の仕様は、案内すきまが保持器案内径の0.75%、ポケットすきまは保持器案内径の0.8%でポケットすきまと案内すきまの比が1.07となっている。本発明品の保持器の仕様は、材質がPPS−CF30%(ポリプラスティック製 フォートロン2130A1)、案内すきまは保持器案内径の0.36%、ポケットすきまは保持器案内径の0.8%でポケットすきまと案内すきまの比が2.2となっている。
図13に示す測定結果から、本発明品の保持器を採用することで、回転速度が12600min−1(dmnが67万)時でおよそ20%のNRRO低減効果があることがわかる。
(実施例3)
実施例3では、内径70mmのアンギュラ玉軸受(70BNR10H)について、保持器によるグリース潤滑時の慣らし性の違いを確認した。評価する保持器は、(1)現行のフェノール樹脂製の保持器の案内すきまを0.54%とし、PPS−CFからなる保持器の案内すきまを保持器案内径の0.3%としたもので、保持器外周面に凹溝を形成し、溝の総幅を保持器外周長さに対し、(2)0%(溝なし)、(3)20%、(4)30%、(5)40%とした5種類の保持器を比較する。
評価方法は、グリースを軸受内部空間容積の15%相当量を充填し、軸受単体でアキシアル荷重150Nを負荷し、4000min−1で回転させた時にグリースの慣らし運転が終わるまでの時間で比較する。
図14に示すように、評価結果は、(1)の保持器では33秒、(2)の保持器では300秒経過しても慣らしが終了しない、(3)の保持器では125秒、(4)の保持器では67秒、(5)の保持器では51秒となった。この結果、グリース潤滑で案内すきまを小さくした場合において、保持器外周に保持器外周長さに対し、凹溝を溝の総幅が少なくとも30%以上になるように設けることで、正常に慣らし運転ができることが確認できた。
(実施例4)
実施例4では、内径70mmのアンギュラ玉軸受(70BNR10H)について、外輪、内輪および玉を共通とし、保持器を入れ替えて、保持器の違いによる軸受の動トルクの変化を測定した。保持器は、現行のフェノール樹脂製の保持器と案内すきまを保持器案内径の0.3%としたPPS−CFの保持器を用いた。
図15は、動トルク測定方法の概略図を示す。本装置40では、アキシアル荷重Fをエアシリンダ41で、静圧パッド42を介して、試験軸受に負荷している。内輪をスピンドル43で回転させて、その時の軸受の動トルクをロードセル44で測定している。また、静圧パッド42とハウジング45間は非接触となっており、回転方向の動きを拘束しないため、軸受の動トルクのみを取り出すことができる。
潤滑剤としてはMTEグリースが使用されている。回転速度を5000〜20000min−1まで変化させて、アキシアル荷重を100kgfとして測定した。また、回転速度が20000min−1の時のみ、さらにアキシアル荷重を150、200kgfとして測定した。これらの結果を図16及び図17に示す。
この結果、軸受の動トルクは、回転速度が10000min−1から徐々に差が大きくなり、20000min−1では、現行のフェノール樹脂製の保持器に対し、PPS−CFの保持器では、20%低減している。
さらに、PPS−CFの保持器で案内すきまを変化させたときの動トルクを測定した。回転速度が20000min−1、アキシアル荷重が200kgfとした場合において、図18に示すように、案内すきまが保持器案内径の0.2〜0.4%の保持器では、動トルクが0.7〜0.8kgf・cmであり、案内すきまが保持器案内径の0.6%の保持器と比較して約20%の動トルク低減効果が確認できた。
(実施例5)
実施例5では、内径70mmのアンギュラ玉軸受(70BNR10H)について、外輪、内輪及び玉を共通とし、保持器を入れ替えて、保持器の違いによる軸受の温度上昇の違いを測定した。保持器は、現行のフェノール樹脂製の保持器と案内すきまを保持器案内径の0.3%としたPPS−CFの保持器を用いた。
図19は、評価に用いたスピンドルを示す。70BNR10Hのアンギュラ玉軸受を定位置予圧で組立し、回転軸50をベルト51で駆動することで回転試験を実施した。潤滑方式はオイル潤滑とし、5000〜20000min−1まで回転させて、その時の外輪温度を測定した。この結果、図20に示すように、現行のフェノール保持器に対して、保持器案内径の0.3%としたPPS−CFの保持器を用いた軸受では、20000min−1時に外輪温度上昇が約20%低減する効果が確認できた。
1 アンギュラ玉軸受
2 外輪
3 内輪
4 玉
10 保持器
11 ポケット
13 凹溝
α 接触角

Claims (3)

  1. 外輪と、内輪と、前記外輪及び内輪との間に接触角を持って配置される複数の玉と、該複数の玉を円周方向に所定の間隔を持って保持する保持器と、を備え、該保持器の案内方式が外輪案内であるアンギュラ玉軸受であって、
    前記保持器の案内すきまは、前記保持器の案内径の0.45%以下であり、
    前記保持器は、比重が2g/cm以下、曲げ弾性率が12GPa以上、線膨張係数が5×10−5/℃以下である、強化繊維が添加された合成樹脂材料からなることを特徴とするアンギュラ玉軸受。
  2. 前記保持器の少なくとも案内面には、軸方向に延びる複数の凹溝が円周方向に形成されており、
    前記凹溝の円周方向幅の総和は、前記保持器の外周長さの30%以上であることを特徴とする請求項1に記載のアンギュラ玉軸受。
  3. 前記保持器のポケットすきまが前記案内すきまの1.5〜2.5倍であることを特徴とする請求項1または2に記載のアンギュラ玉軸受。
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