JP2011169218A - タービン動翼および蒸気タービン - Google Patents
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Abstract
【課題】タービン動翼の止め羽根の植込み時に、翼有効部の切欠き作業をなくし、タービン動翼の組み立てを容易にする。
【解決手段】このタービン動翼は、第1の翼有効部、第1のカバー、第1の翼植込み部を備える複数の動翼と、第2の翼有効部と、隣接する前記動翼の第1のカバーとそれぞれ係合する第2のカバーと、前記タービンロータの軸方向と直交する方向から挿入されて、隣接する動翼の前記第1のカバー間を通過可能な窪み部を有する第2の翼植込み部を備え、前記複数の動翼とともに前記タービンホイール植込み部に組み込まれる止め羽根と、前記第2の翼植込み部と前記隣接する動翼の第1の翼植込み部間に挿入されるとともに、前記組み込み時に前記窪み部に係止可能な係止部を有するスペーサと、を具備する。
【選択図】図1
【解決手段】このタービン動翼は、第1の翼有効部、第1のカバー、第1の翼植込み部を備える複数の動翼と、第2の翼有効部と、隣接する前記動翼の第1のカバーとそれぞれ係合する第2のカバーと、前記タービンロータの軸方向と直交する方向から挿入されて、隣接する動翼の前記第1のカバー間を通過可能な窪み部を有する第2の翼植込み部を備え、前記複数の動翼とともに前記タービンホイール植込み部に組み込まれる止め羽根と、前記第2の翼植込み部と前記隣接する動翼の第1の翼植込み部間に挿入されるとともに、前記組み込み時に前記窪み部に係止可能な係止部を有するスペーサと、を具備する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば翼頂部に翼と一体的に形成されたスナッバカバーを備えたタービン動翼および蒸気タービンに関する。
一般に、タービン動翼においては、運転中に発生する振動を抑制したり、あるいは翼頂部から蒸気が漏出することを防止するため、複数の動翼を、この翼頂部に一体に設けられたカバーで結合させる、いわゆる全周一群翼にする翼綴り構造が用いられている。
この全周一群翼綴り構造においては、カバーの形状の適正化、動翼とカバーとの結合度合、結合位置等を究明する技術が数多く開示されている(例えば特許文献1,2参照)。その例として、特許文献1では、タービンロータに組み込むための翼植込み部、翼有効部、翼有効部の頂部に一体成型されたシュラウド部(スナッバカバー)からなる動翼を、タービンロータの植込み部に装着して環状翼列を形成するとともに、タービンの運転中に、スナッバカバーが隣接する動翼のスナッバカバーとタービンの軸線に直交する面で互いに接触するタービン動翼が提案されている。
なお、スナッバカバーの翼背側と翼腹側には、それぞれタービンロータ周方向への張出し部を備えている。各動翼が組み立てられた状態のタービン動翼では、隣接する動翼間でスナッバカバーの翼背側の張出し部と翼腹側の張出し部とが強く接触する。その強い接触力の下、反力を発生させ、反力を摩擦力として活用して制振を行う。このように反力を摩擦力として活用してタービン動翼の制振を行うカバー構造をスナッバカバー構造という。
このスナッバカバー構造は、運転中、遠心力によるタービンホイール(タービンロータに一体削り出しで設けたディスク)の半径方向の伸びが生じる場合などにスナッバカバーのピッチが開きがちになる場合であっても、隣接する動翼間のカバー接触面に摩擦力が働くため、それぞれのスナッバカバーの位置関係(面間距離)はほとんど影響を受けない。そのため、例えば、動翼間の翼長の長短、温度差、材料同士の線膨張係数の差異などを有していても、使用するタービン段落の位置に制限を受けず、スナッバカバー構造を備える動翼を組み立てたタービン動翼を任意のタービン段落に適用することができる。
また、例えば特許文献2では、翼有効部の底部側に備えられた翼植込み部にねじり止め片を設けるとともに、このねじり止め片を嵌装させるねじり戻り拘束片をタービンホイール植込み部にも設けた動翼を備えるタービン動翼が提案されている。
しかしながら、上記した先行技術には、動翼をタービンロータの植込み部に組み込む時に、最後にタービンホイール植込み部に植込まれるタービン動翼の止め羽根が、隣接する動翼のカバーや翼有効部に接触して干渉する場合が有り、このような場合には隣接する動翼の翼有効部を切欠く必要があった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、タービン動翼の止め羽根の植込み時に、翼有効部の切欠き作業をなくし、タービン動翼の組み立てを容易にすることのできるタービン動翼および蒸気タービンを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために本発明のタービン動翼は、第1の翼有効部と、タービンロータに組み込むため前記第1の翼有効部の翼根元部に形成される第1の翼植込み部と、前記第1の翼有効部の翼頂部に形成される第1のカバーと、を備え、前記組み込み時に前記第1のカバーと前記タービンロータ周方向に隣接する前記第1のカバー同士を係合可能に接触させて環状の翼列を構成するとともに、前記第1の翼有効部の一部が、前記第1の翼植込み部より前記タービンロータ周方向に突出する複数の動翼と;第2の翼有効部と、前記第2の翼有効部の翼根元部に形成されるとともに、前記タービンロータ軸方向と直交する方向から前記タービンホイール植込み部に挿入される際に、隣接する動翼の前記第1のカバー間を通過可能な窪み部を、前記タービンロータ周方向の少なくとも一端側に有する第2の翼植込み部と、前記第2の翼有効部の翼頂部に形成されるとともに、前記第1のカバーと係合可能に接触する第2のカバーと、を備え、前記複数の動翼とともに前記タービンホイール植込み部に組み込まれる止め羽根と;前記組み込み時に前記第2の翼植込み部と前記タービンロータ周方向の少なくとも一端側に隣接する前記動翼の第1の翼植込み部間に挿入されるとともに、前記第2の翼植込み部の窪み部に係止される係止部を有するスペーサと;を具備することを特徴とする。
本発明によれば、タービン動翼の止め羽根の植込み時に、翼有効部の切欠き作業をなくし、タービン動翼の組み立てを容易にすることができる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態1のタービン動翼1の組み立てにおいて、止め羽根20を挿入する状態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態1のタービン動翼1の組み立てにおいて、止め羽根20を挿入する状態を示す斜視図である。
図1に示すように、このタービン動翼1は、複数の動翼10と、最後に植設される止め羽根20と、2つのスペーサ31,32とを備える。これら動翼10、止め羽根20およびスペーサ31,32は、タービンロータのタービンホイール植込み部2に植設されて環状の翼列を形成する。この翼列には、タービンロータ軸方向Aから蒸気が流入し、動翼10間を通過する。この蒸気の通過によってタービン動翼1が回転する。なお、ここでは、動翼10のうち、止め羽根20のタービンロータ周方向Bの両側に位置する動翼を動翼14という。
この動翼10,14は、翼有効部11、スナッバカバー12およびインサイド型の翼植込み部13をそれぞれ有する。なお、図1では、止め羽根20に隣接する動翼を、動翼14として他の動翼10と説明の便宜上区別しているが、動翼14の翼有効部11、スナッバカバー12および翼植込み部13は、動翼10の翼有効部11、スナッバカバー12および翼植込み部13と形状が同一のものである。
図2は、図1に示したスナッバカバー12,22側の翼列の断面を示す断面図である。図3は、図1に示した翼植込み部13,23側の翼列の断面を示す断面図である。なお、図2、図3では、止め羽根20とこの止め羽根20に隣接する動翼14,14のみを示している。また、図2中、斜線部分が翼有効部11,21のスナッバカバー12,22側を示し、二点鎖線部分が翼有効部11,21の翼植込み部13,23側を示す。
動翼14の翼有効部11は、翼背11aと翼腹11bとを有し、断面が略流線型に形成されている。この翼有効部11は、スナッバカバー12の上面から見た時に、このスナッバカバー12の形状内に含まれる形状で、かつ翼頂部(スナッバカバー12)側から翼根元部(翼植込み部13)側に行くに従って断面が太くなって若干捩れた形状に形成される。この翼有効部11は、第1の翼有効部として機能する。
この翼有効部11の翼頂部には、スナッバカバー12が一体的に形成されている。このスナッバカバー12は、タービンロータ周方向Bの両側で、かつ翼有効部11の翼背11a側と翼腹11b側に翼植込み部13よりも突出する張出し部12a,12bを備え、上面が略S字形状に形成されている。このスナッバカバー12は、第1の翼有効部の翼頂部に形成されるとともに、前記タービンロータ周方向の両側に前記第1の翼植込み部よりも突出する第1の張出し部を有する第1のカバーとして機能する。
この張出し部12a,12bには、タービンロータ軸方向Aと交差するカバー接触面12cがそれぞれ設けられている。このカバー接触面12cは、隣接する動翼10のカバー接触面12cおよび後述する止め羽根20のスナッバカバー22に設けられたカバー接触面22cと強く接触する。これにより、タービンロータ周方向Bに隣接するスナッバカバー12の張出し部12a,12b同士およびこの張出し部12a,12bとスナッバカバー22の張出し部22a,22bは、係合可能に接触する。
図1に示すように、翼植込み部13は、翼有効部11の翼根元部に一体的に形成され、タービンロータのタービンホイール植込み部2に組み込まれる。この翼植込み部13は、ソリッド部(翼台)13a、インサイド型の植え込み形状を有する植込み挿入部13bを備える。この植込み挿入部13bは、例えばT字型の形状で構成される。また、翼植込み部13には、タービンロータ軸方向Aの両側のそれぞれに突出し、ねじれ止め片として機能する突出部13cを設けている。この翼植込み部13は、タービンロータに組み込むため前記第1の翼有効部の翼根元部に形成される第1の翼植込み部として機能する。
この突出部13cは、後述する前後の縁部2b側にタービンロータ周方向Bに亘って形成されている。また、突出部13cの先端は、平坦面13dに形成されている。
ここで、タービンホイール植込み部2には、この突出部13cの平坦面13dと当接する切欠き状の溝2aが、タービンロータ周方向Bに亘って形成されている。このタービンホイール植込み部2に植設された翼植込み部13の突出部13cは、この切欠き状の溝2aに嵌合される。この切欠き状の溝2aは、縁部2bを備える。
ここで、タービンホイール植込み部2には、この突出部13cの平坦面13dと当接する切欠き状の溝2aが、タービンロータ周方向Bに亘って形成されている。このタービンホイール植込み部2に植設された翼植込み部13の突出部13cは、この切欠き状の溝2aに嵌合される。この切欠き状の溝2aは、縁部2bを備える。
この縁部2bは、蒸気タービン運転時にスナッバカバー12のカバー接触面12cで遠心力によって発生するアンツイスト(ねじり戻り)を拘束することにより、隣接する翼を連結するねじり戻り拘束片として機能し、この突出部13cと縁部2bとの間でねじり戻り拘束片反力(ねじり戻りを拘束するための反力)を発生させることができる。このねじり戻り拘束片反力の発生により、スナッバカバー12のカバー接触面12cに発生するカバー接触反力を十分に確保することができる。そのため、制振効果を十分に発揮することができる。また、蒸気タービンを運転する際、スナッバカバー12のねじり戻りを確実に防止して高い信頼性を有する全周一群構造を実現できる。
止め羽根20は、翼有効部21、スナッバカバー22および翼植込み部23を有する。
図2および図3に示すように、止め羽根20の翼有効部21は、翼背21aと翼腹21bとを有し、断面が略流線型に形成されている。この翼有効部21は、スナッバカバー22の上面から見た時に、このスナッバカバー22の形状内に含まれる形状で、かつ翼頂部(スナッバカバー22)側から翼根元部(翼植込み部23)側に行くに従って断面が太くなって若干捩れた形状に形成される。この翼有効部21は、第2の翼有効部として機能する。また、この翼有効部21と翼有効部11は、略同一形状に形成されている。
図2および図3に示すように、止め羽根20の翼有効部21は、翼背21aと翼腹21bとを有し、断面が略流線型に形成されている。この翼有効部21は、スナッバカバー22の上面から見た時に、このスナッバカバー22の形状内に含まれる形状で、かつ翼頂部(スナッバカバー22)側から翼根元部(翼植込み部23)側に行くに従って断面が太くなって若干捩れた形状に形成される。この翼有効部21は、第2の翼有効部として機能する。また、この翼有効部21と翼有効部11は、略同一形状に形成されている。
この翼有効部21の翼頂部には、スナッバカバー22が一体的に形成されている。このスナッバカバー22は、タービンロータ周方向Bの両側で、かつ翼有効部21の翼背21a側と翼腹21b側に翼植込み部23よりも突出する張出し部22a,22bを備え、上面が略S字形状に形成されている。このスナッバカバー22は、第2の翼有効部の翼頂部に形成されるとともに、前記タービンロータ周方向の両側に前記第2の翼植込み部よりも突出し、かつ前記隣接する前記第1のカバーの第1の張出し部と係合可能に接触する第2の張出し部を有する第2のカバーとして機能する。また、このスナッバカバー22とスナッバカバー12は、略同一形状に形成されている。
この張出し部22a,22bには、タービンロータ軸方向Aと交差するカバー接触面22cがそれぞれ設けられている。このカバー接触面22cは、隣接する動翼14のカバー接触面12cと強く接触する。これにより、タービンロータ周方向Bに隣接するスナッバカバー12の張出し部12a,12bとスナッバカバー22の張出し部22a,22bは、係合可能に接触する。
図1、図3に示すように、翼植込み部23は、翼有効部21の翼根元部に一体的に形成され、タービンロータのタービンホイール植込み部2に組み込まれる。この翼植込み部23は、窪み部23a,23b、ねじ穴部23c,23dを備える。この翼植込み部23は、例えば略四角柱の形状で構成される。この翼植込み部23は、第2の翼有効部の翼根元部に形成されるとともに、前記タービンロータ軸方向と直交する方向から前記タービンホイール植込み部に挿入される際に、隣接する動翼の前記第1のカバーの張出し部間を通過可能な窪み部を、前記タービンロータ周方向の両側に有する第2の翼植込み部として機能する。
この窪み部23a,23bは、翼植込み部23のタービンロータ周方向Bの両面にそれぞれ形成されている。窪み部23a,23bは、翼植込み部23がタービンロータ軸方向Aと直交する方向Cからタービンホイール植込み部2に挿入される際に、隣接する動翼14のスナッバカバー12の張出し部12a,12b間を通過可能な形状を有する。この窪み部23a,23bは、たとえばタービンロータ軸方向Aと直交する方向Cの窪み23e、タービンロータ軸方向Aの窪み23f、段部23gをそれぞれ有する略L字形に形成されている。
すなわち、翼植込み部23を上記方向Cからタービンホイール植込み部2に挿入する際に、翼植込み部23のタービンロータ周方向Bの両面に形成された窪み部23aの窪み23fによって、動翼14のスナッバカバー12の張出し部12a,12bに当接することなく翼植込み部23をタービンロータのタービンホイール植込み部2に植設することが可能となる。この翼植込み部23は、第2の翼有効部の翼根元部に形成されるとともに、前記タービンロータ軸方向と直交する方向から前記タービンホイール植込み部に挿入される際に、隣接する動翼の前記第1のカバーの張出し部間を通過可能な窪み部を、前記タービンロータ周方向の両側に有する第2の翼植込み部として機能する。
図4は、翼植込み部13,23側の翼列の断面を示し、この断面にスナッバカバー12,22側の翼列を重ねた図である。なお、図4中、実線部分が翼植込み部13,23側を示し、二点鎖線部分がスナッバカバー12,22側を示す。
図1、図3に示すように、ねじ穴部23c,23dは、翼植込み部23のタービンロータ周方向Bの両面側に形成されている。ねじ穴部23c,23dは、半円筒形にそれぞれ形成されている。このねじ穴部23c,23dは、翼植込み部23を上記方向Cからタービンホイール植込み部2に挿入する際に、タービンホイール植込み部2にそれぞれ設けられた半円筒形のねじ穴部2cと対向配置されて、ねじ24がそれぞれ螺合されるねじ穴を構成する。この構成により、止め羽根20は、タービンロータのタービンホイール植込み部2に固定される。
図5は、図1に示したスペーサ31(32)を示す正面図である。なお、スペーサ31と32は、ほぼ同一の形状からなっている。
スペーサ31(32)は、翼植込み部23の窪み部23a(23b)と合わせ面が一致するように形成されている。このスペーサ31(32)は、たとえばタービンロータ軸方向Aと直交する方向Cの長材33、タービンロータ軸方向Aの短材34、フック部35を有する略L字形に形成されている。長材33と短材34は、一体的に形成されてフック部35を形作る。このフック部35は、タービンロータ軸方向と直交する方向で段部より前記タービン軸側に位置し、前記段部に係止可能な係止部として機能する。
スペーサ31(32)は、翼植込み部23の窪み部23a(23b)と合わせ面が一致するように形成されている。このスペーサ31(32)は、たとえばタービンロータ軸方向Aと直交する方向Cの長材33、タービンロータ軸方向Aの短材34、フック部35を有する略L字形に形成されている。長材33と短材34は、一体的に形成されてフック部35を形作る。このフック部35は、タービンロータ軸方向と直交する方向で段部より前記タービン軸側に位置し、前記段部に係止可能な係止部として機能する。
このスペーサ31(32)は、組み込み時に止め羽根20の翼植込み部23と動翼14の翼植込み部13間に形成される隙間(空隙)に挿入されて、翼植込み部23の窪み部23a(23b)に係止されて翼植込み部23と翼植込み部13とを隙間無く隣接することができる。すなわち、このスペーサ31(32)は、窪み部23a(23b)とタービンロータ周方向Bの両側に隣接する動翼14の翼植込み部13との間に形成される空隙に挿入可能な、たとえば略同一形状に形成されている。
また、タービンロータの回転時には、翼植込み部23の窪み部23a(23b)の段部23gに、スペーサ31(32)のフック部35が係止され、スペーサの飛び出しを防止することができる。このように、スペーサ31(32)を、止め羽根20の翼植込み部23と動翼14の翼植込み部13間に挿入して隙間を塞ぐので、制振の効果を高めることができる。このスペーサ31(32)は、第2の翼植込み部の窪み部と合わせ面が一致し、前記組み込み時に前記第2の翼植込み部と前記タービンロータ周方向の両側に隣接する前記動翼の第1の翼植込み部間に挿入されて前記第2の翼植込み部の窪み部に係止されるスペーサとして機能する。
このように、本実施形態のタービン動翼1によれば、止め羽根20において翼植込み部23のタービンロータ周方向の両側に、隣接する動翼14のスナッバカバー12の張出し部12a,12b間を通過可能な窪み部23a,23bを備えるので、タービン動翼1の止め羽根20の植込み時に、翼有効部11の切欠き作業をなくし、タービン動翼1の組み立てを容易にすることができる。この結果、タービン動翼1の組み立て時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、止め羽根20を、タービンロータ軸方向と直交する方向からタービンホイール植込み部2に挿入することができるので、組み立て作業の簡単化が図られ、さらに組み立て時間が短縮できる。
また、本実施形態では、止め羽根20の翼植込み部23の窪み部23a,23bと合わせ面が一致するスペーサ31,32を、この翼植込み部23と隣接する動翼14の翼植込み部13間に挿入させて、窪み部23a,23bに係止させるので、止め羽根20の翼植込み部23と動翼14の翼植込み部13とを隙間無く隣接することができ、タービン運転時に動翼10,14の振動を防ぎ、制振の効果を高めることができる。
(実施形態2)
図6は、実施形態2の翼植込み部13,23側の翼列の断面を示し、この断面にカバー12,22側の翼列を重ねた図である。なお、図6中、実線部分が翼植込み部13,23側を示し、二点鎖線部分がカバー12,22側を示す。また、図6において、実施形態1と同様の構成部分については、同一符号を付記するものとする。
図6は、実施形態2の翼植込み部13,23側の翼列の断面を示し、この断面にカバー12,22側の翼列を重ねた図である。なお、図6中、実線部分が翼植込み部13,23側を示し、二点鎖線部分がカバー12,22側を示す。また、図6において、実施形態1と同様の構成部分については、同一符号を付記するものとする。
本実施形態では、シュラウド部(カバー)12が直方体で構成されている場合を説明する。この場合には、動翼14の翼有効部11の一部、たとえば翼有効部11の後縁11c側が、隣接する止め羽根20側(タービンロータ周方向側)に突出して形成されている。
そこで、本実施形態では、翼植込み部23の翼背21a側に窪み部23aを形成させるとともに、この窪み部23aと合わせ面が一致するスペーサ31を備える。この窪み部23aとスペーサ31は、実施形態1と同様に、たとえば略L字形に形成されている。このスペーサ31は、第2の翼植込み部の窪み部と合わせ面が一致し、前記組み込み時に前記第2の翼植込み部と前記タービンロータ周方向の少なくとも一端側に隣接する前記動翼の第1の翼植込み部間に挿入されて前記第2の翼植込み部の窪み部に係止されるスペーサとして機能する。
また、本実施形態の動翼14は、第1の翼有効部と、タービンロータに組み込むため前記第1の翼有効部の翼根元部に形成される第1の翼植込み部と、前記第1の翼有効部の翼頂部に形成される第1のカバーと、を備え、前記組み込み時に前記第1のカバーと前記タービンロータ周方向に隣接する前記第1のカバー同士を係合可能に接触させて環状の翼列を構成するとともに、前記第1の翼有効部の一部が、前記第1の翼植込み部より前記タービンロータ周方向に突出する複数の動翼として機能する。
また、本実施形態の止め羽根20は、第2の翼有効部と、前記第2の翼有効部の翼根元部に形成されるとともに、前記タービンロータ軸方向と直交する方向から前記タービンホイール植込み部に挿入される際に、隣接する動翼の前記第1のカバー間を通過可能な窪み部を、前記タービンロータ周方向の少なくとも一端側に有する第2の翼植込み部と、前記第2の翼有効部の翼頂部に形成されるとともに、前記第1のカバーと係合可能に接触する第2の張出し部を有する第2のカバーと、を備え、前記複数の動翼とともに前記タービンホイール植込み部に組み込まれる止め羽根として機能する。
このように、本実施形態のタービン動翼によれば、止め羽根20において翼植込み部23のタービンロータ周方向の一端側に、隣接する動翼14のスナッバカバー12間を通過可能な窪み部23aを備えるので、タービン動翼1の止め羽根20の植込み時に、翼有効部23の切欠き作業をなくし、タービン動翼1の組み立てを容易にすることができる。この結果、タービン動翼1の組み立て時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、実施形態1と同様に、組み立て作業の簡単化が図られ、さらに組み立て時間が短縮できるとともに、止め羽根20の翼植込み部23と動翼14の翼植込み部13とを隙間無く隣接することができ、タービン運転時に動翼10,14の振動を防ぎ、制振の効果を高めることができる。
なお、本願発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形してもよい。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、種々の発明を構成できる。例えば実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…タービン動翼、2…タービンホイール植込み部、2a…溝、2b…縁部、2c…ねじ穴部、10,14…動翼、11,21…翼有効部、11a,21a…翼背、11b,21b…翼腹、11c…後縁、12,22…スナッバカバー(カバー)、12a,12b,22a,22b…張出し部、12c,22c…カバー接触面、13,23…翼植込み部、13a…ソリッド部、13b…植込み挿入部、13c…突出部、13d…平坦面、20…止め羽根、23a,23b…窪み部、23c,23d…ねじ穴部、23g…段部、24…ねじ、31,32…スペーサ、A…タービンロータ軸方向、B…タービンロータ周方向、C…タービンロータ軸方向Aと直交する方向。
Claims (5)
- 第1の翼有効部と、タービンロータに組み込むため前記第1の翼有効部の翼根元部に形成される第1の翼植込み部と、前記第1の翼有効部の翼頂部に形成される第1のカバーと、を備え、前記組み込み時に前記第1のカバーと前記タービンロータ周方向に隣接する前記第1のカバー同士を係合可能に接触させて環状の翼列を構成するとともに、前記第1の翼有効部の一部が、前記第1の翼植込み部より前記タービンロータ周方向に突出する複数の動翼と;
第2の翼有効部と、前記第2の翼有効部の翼根元部に形成されるとともに、前記タービンロータ軸方向と直交する方向から前記タービンホイール植込み部に挿入される際に、隣接する動翼の前記第1のカバー間を通過可能な窪み部を、前記タービンロータ周方向の少なくとも一端側に有する第2の翼植込み部と、前記第2の翼有効部の翼頂部に形成されるとともに、前記第1のカバーと係合可能に接触する第2のカバーと、を備え、前記複数の動翼とともに前記タービンホイール植込み部に組み込まれる止め羽根と;
前記組み込み時に前記第2の翼植込み部と前記タービンロータ周方向の少なくとも一端側に隣接する前記動翼の第1の翼植込み部間に挿入されるとともに、前記第2の翼植込み部の窪み部に係止されるスペーサと;
を具備することを特徴とするタービン動翼。 - 前記動翼の第1のカバーは、前記タービンロータ周方向の両側に前記第1の翼植込み部よりも突出する第1の張出し部を有し、
前記動翼が、前記組み込み時に前記第1のカバーの第1の張出し部と前記タービンロータ周方向に隣接する前記第1のカバーの第1の張出し部同士を係合可能に接触させて環状の翼列を構成し、
前記止め羽根の第2の翼植込み部が有する窪み部は、前記タービンロータ軸方向と直交する方向から前記タービンホイール植込み部に挿入される際に、隣接する動翼の前記第1のカバーの張出し部間を通過可能に、前記第2の翼植込み部の前記タービンロータ周方向の両側に設けられ、
前記第2のカバーは、前記タービンロータ周方向の両側に前記第2の翼植込み部よりも突出し、かつ前記隣接する前記第1のカバーの第1の張出し部と係合可能に接触する第2の張出し部を有する
ことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼。 - 前記第2の翼植込み部の窪み部は、段部を有し、
前記スペーサは、前記タービンロータ軸方向と直交する方向で前記段部より前記タービン軸側に位置し、前記段部に係止可能な係止部を有する
ことを特徴とする請求項1または2記載のタービン動翼。 - 前記スペーサは、前記窪み部と前記タービンロータ周方向の少なくとも一端側に隣接する前記動翼の第1の翼植込み部との間に形成される空隙に挿入可能な形状に形成される
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタービン動翼。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタービン動翼
を具備することを特徴とする蒸気タービン。
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