JP2011168146A - 自動車用ホイール - Google Patents

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Abstract

【課題】ホイールディスクの外周縁部に裏側へ折り返してなる表側フランジ部を備えた構成にあって、高い耐久性を発揮し得る自動車用ホイールを提供する。
【解決手段】ホイールディスク3の外周縁部に形成された表側フランジ部31が、意匠面側の環状表周部32と、環状表周部32の裏側面32aと面接触するように、環状表周部32から裏側へ折り返され且つ径方向内側へ連成された環状裏周部33とを備え、環状表周部32と環状裏周部33とを一体的に表方へ傾斜されたものとした構成であるから、自動車走行中に生ずる負荷による表側フランジ部31への応力集中を緩和できる。また、縁石等との接触によって作用する径方向内方への負荷に対して、表側フランジ部31の形状効果によって高い耐久性を発揮することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤが装着されるホイールリムと車軸が連結されるホイールディスクとを溶接することにより一体化してなる自動車用ホイールに関するものである。
自動車用ホイールにあっては、略円筒形状のホイールリムと略円盤形状のホイールディスクとを溶接してなる、いわゆる2ピースタイプのものがある。この2ピースタイプの自動車用ホイールとして、ホイールディスクの外周縁部に表側フランジ部が形成された構成のフルフェイスタイプのものが知られている。
上記のフルフェイスタイプとして、例えば、特許文献1に一例が提案されている。図8のように、ホイールリムfが、一方の開口縁部に表側ビードシート部gを備え且つ他方の開口縁部に裏側フランジ部jを備えた構成である。そして、ホイールディスクpが、その外周縁部に裏側へ湾曲状に折り返されてなる表側フランジ部rを備えた構成である。そして、ホイールリムfの表側ビードシート部gの開口端部hとホイールディスクpの表側フランジ部rの内側周端部vとを周方向に亘って全周溶接することにより、当該フルフェイスタイプの自動車用ホイールmが形成されている。このようなフルフェイスタイプの自動車用ホイールmは、ホイールディスクpの意匠面を大きく確保できるため、高い意匠性を発揮できるという優れた利点を有している。
特開平11−42901号公報
ところで、上記した特許文献1の構成にあっては、ホイールリムfの表側ビードシート部gの開口端部hとホイールディスクpの表側フランジ部rの内側周端部vとを溶接したものであり、この溶接部iによりホイールリムfとホイールディスクpとが接合されている。この自動車用ホイールmを装着した自動車の走行中には、タイヤを介してホイールリムfに負荷が作用し、車軸を介してホイールディスクpに負荷が作用する。ここで、自動車用ホイールmの表側フランジ部rは、湾曲状に折り返された断面略U字状に形成されている。そのため、表側フランジ部rの形状効果により、当該表側フランジ部rは、前記したホイールリムに作用する負荷とホイールディスクに作用する負荷とによって繰り返し弾性変形し易く、応力集中を生じ易い。さらに、表側フランジ部rは、プレス加工などにより裏側へ折り返されて形成されていることから、その湾曲している最外周縁部位に残留応力が発生する。この残留応力と前記した負荷による応力集中とによって、表側フランジ部rの耐久性に限界が生じていた。
さらに、特許文献1の構成では、上記した表側フランジ部rに複数の水抜き孔kを設けた構成が提案されている。この水抜き孔kは、表側フランジ部rの内部空域に、自動車の走行中等に雨水等が溜まり易いことから、溜まった雨水等を排出するために設けられている。このように水抜き孔kを設けた場合には、上述した表側フランジ部rの繰り返し変形により、該表側フランジ部rの耐久性限界がさらに低減する虞があった。
本発明は、裏側へ折り返してなる表側フランジ部がホイールディスクに形成されたものであって、該表側フランジ部の耐久性を向上し得る自動車用ホイールを提案するものである。
本発明は、一方の開口縁部に裏側フランジ部が形成され且つ他方の開口縁部に表側ビードシート部が形成されたホイールリムと、外周縁部に表側フランジ部が形成されたホイールディスクとを備えた自動車用ホイールにおいて、前記ホイールディスクの表側フランジ部は、意匠面側の環状表周部と、該環状表周部から裏側へ折り返され且つ径方向内側へ連成されて、環状表周部の裏側面に面接触する環状裏周部とを備え、環状表周部と環状裏周部とが一体的に表方へ傾斜されてなるものであることを特徴とする自動車用ホイールである。ここで、環状表周部と環状裏周部とは、当該自動車用ホイールの中心軸線と直交する仮想径方向平面に対して表方へ傾斜している構成である。
かかる構成にあっては、表側フランジ部が環状表周部と環状裏周部とを面接触させた一体的な構造を成すものとしていることから、上述した自動車の走行中に生ずる負荷により、環状表周部と環状裏周部とを連成する折曲連成部が変形し難く、該折曲連成部への応力集中を可及的に緩和することができる。さらに、本構成の表側フランジ部は、その板厚が環状表周部と環状裏周部とを加算したものと実質的に同じであることから、上述した従来構成の、湾曲形状とした表側フランジ部に比して、剛性も向上する。これによっても、前記折曲連成部への応力集中を緩和する作用を生ずる。以上のことから、本構成の表側フランジ部には、その耐久性の限界に達するまでに要する応力の許容量に余裕が生じるため、当該自動車用ホイールは、自動車の走行中に作用する負荷に対する耐久性が向上する。
また、本発明の自動車用ホイールは、表側フランジ部が表方へ傾斜したものであることから、タイヤを介して径方向に作用する負荷に対して優れた耐久性を発揮し得る。詳述すると、自動車用ホイールには、自動車の走行中に段差や縁石等との接触によって、タイヤを介して径方向内方へ向かって負荷が作用する。そして、タイヤのビードを支持する表側フランジ部には、前記した径方向内方への負荷が直接的に作用する。本発明の表側フランジ部は表方へ傾斜していることから、前記径方向内方への負荷により、傾斜する表方へ弾性変形し易く、該弾性変形することによって、ホイールディスクの中心領域に当該負荷が作用することを抑制できる。すなわち、本構成の表側フランジ部は、径方向内方への負荷を軽減する作用を発揮することができる。尚仮に、径方向に沿った(表方へ傾斜しない)表側フランジ部を備えた構成の場合には、前記径方向内方への負荷が作用すると、当該負荷を表側フランジ部により充分に軽減することができず、ホイールディスクの中心領域へ伝わり易くなる。これにより、車軸との接合部位等に応力集中を生じ、耐久性の低減が懸念される。
さらに、自動車が比較的大きな段差や縁石に乗り上げた場合には、上記した径方向内方への負荷が比較的大きく生ずる。このような場合にあっても、本発明の構成は、上述したように、表側フランジ部が表方へ弾性変形することによって、前記負荷を軽減できる。一方、仮に、上記と同様、径方向に沿った表側フランジ部を備えた構成の場合には、前記負荷が当該表側フランジ部に直接的かつ局部的に作用してしまうことから、当該表側フランジ部に局部的な塑性変形が生じる虞もある。
このように、本発明は表側フランジ部を表方へ傾斜した形状としたことにより、タイヤを介して作用した径方向内方への負荷を軽減する作用に優れ、当該負荷に対して優れた耐久性を発揮すると共に、当該表側フランジ部に局部的な塑性変形が発生することを防止する効果を奏し得る。特に、径方向内方への負荷が繰り返し作用する場合にあって、耐久性の向上効果が大きい。
上述した本発明の自動車用ホイールにあって、ホイールディスクの表側フランジ部は、その環状表周部と環状裏周部とが一体的に表方へ傾斜された傾斜角度を、径方向に対して15度以上かつ45度以下の範囲としたものである構成が提案される。
ここで、表側フランジ部の傾斜角度を15度より小さく設定すると、上記した径方向内方への負荷により弾性変形が生じ難くなるため、上記した耐久性の向上効果と局部的な塑性変形防止効果とに限界が生ずる。一方、傾斜角度を45度より大きく設定すると、上記した径方向内方への負荷により、弾性限界を超えて塑性変形し易くなるため、塑性変形を防ぐ効果が低減すると共に、上記した耐久性の向上効果に限界が生じ得る。かかる本構成では、表側フランジ部の傾斜角度を上記の15度以上かつ45度以下とすることにより、上述した耐久性向上効果と局部的な塑性変形防止効果と言う本発明の作用効果を一層向上でき得る。
ここで、傾斜角度としては、25度以上とすることが好適であり、また、35度以下とすることが好適である。これにより、上記した耐久性向上効果と局部的な塑性変形防止効果とをさらに向上できる。
上述した発明の自動車用ホイールにあって、ホイールリムとホイールディスクとは、少なくとも該ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部と前記ホイールディスクのディスク裏面部とをホイール周方向に亘って溶接することにより、一体化されたものである構成が提案される。ここで、ディスク裏面部としては、ホイールディスクの裏側領域であって、表側フランジ部の環状裏周部の内側端よりも内方の領域を示す。さらに、ディスク裏面部は、ホイールディスクの前記環状裏周部より内側で、裏側の外周縁となる部位であるとする構成が好適である。
かかる構成にあっては、ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部とホイールディスクのディスク裏面部とを直接的に溶接したものであるから、上述したホイールリムを介してタイヤから作用する負荷が表側フランジ部に作用することを低減できる。そのため、上述したように、表側フランジ部の折曲連成部に生ずる応力集中を緩和する作用効果がさらに高まり、総じて耐久性を向上するという本発明の作用効果が一層向上する。また、ホイールリムがディスク裏面部と直接的に接合されるため、上述した径方向内方への負荷により表側フランジ部が弾性変形することを妨げない。そのため、上述したタイヤを介して径方向内方へ作用する負荷に対する耐久性向上効果と局部的な塑性変形防止効果とを向上できる。
本構成にあっては、ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部とホイールディスクのディスク裏面部との溶接に加えて、さらに、ホイールリムの表側ビードシート部と表側フランジ部の環状裏周部とが溶接された構成としても良い。また、ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部とホイールディスクのディスク裏面部との溶接に加えて、さらに、表側フランジ部の環状裏周部とディスク裏面部とが溶接された構成とすることもできる。
上述した発明の自動車用ホイールにあって、ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部とホイールディスクのディスク裏面部とが、該ホイールリムの外側から溶接されてなるものである構成が提案される。
ここで、本発明の表側フランジ部は、表方へ傾斜されたものであることから、その傾斜角度に応じて環状裏周部の内周端面が外方へ開いた形状となる。そのため、溶接する際に、ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部をディスク裏面部に座定させた状態で、表側ビードシート部と環状裏周部の内周端部との間に、外方へ広がる溝状の隙間(以下、拡開隙間という)が周方向に亘って生じ得る。これにより、前記拡開隙間に溶接トーチを侵入させて溶接することができるため、ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部とホイールディスクのディスク裏面部とを容易かつ安定して溶接することができる。さらに、前記拡開隙間を埋めるように溶接することができるため、当該溶接により形成される溶接部がホイールリムの外側へ盛り上がることを抑制できる。これにより、タイヤを装着した際に、該タイヤのビードと溶接部との干渉を抑制することができ、タイヤのビードと、表側ビードシート部および表側フランジ部との密着性を充分に確保することができる。
さらに、本発明にかかる表側フランジ部は、表方へ傾斜していることによって、上記した拡開隙間を生じ得るものであり、該拡開隙間を形成するための加工を要しない。例えば、環状裏周部の内周端面を切削加工などにより開先形状とすることにより、本発明と同様の拡開隙間を形成することができるが、該開先形状とする加工工程が別途必要となり、生産工程が増えるという問題が生ずる。本発明は、このような開先形状の加工工程を必要とせずに、拡開隙間を形成できるという優れた利点を有する。
上述した発明の自動車用ホイールにあって、ホイールディスクのディスク裏面部に、ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部を座定する環状接合溝が周成され、前記環状接合溝と、該環状接合溝に座定した前記表側ビードシート部の開口端部とが溶接されている構成が提案される。
かかる本構成にあっては、ディスク裏面部に形成した環状接合溝に、ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部を座定して溶接することによって、該環状接合溝内に溶接部の一部分を形成できる。そのため、溶接部の外側への盛り上がりを抑制することができる。また、溶接部をホイールリムの外側から形成した場合にあって、当該溶接部の外側への盛り上がりを抑制できることにより、上記と同様に、タイヤのビードと、ホイールリムの表側ビードシート部およびホイールディスクの表側フランジ部との密着性を充分に確保できる。
本発明の自動車用ホイールは、上述したように、ホイールディスクの外周縁部に形成された表側フランジ部が、意匠面側の環状表周部と、該環状表周部の裏側面と面接触するように、環状表周部から裏側へ折り返され且つ径方向内側へ連成された環状裏周部とを備え、表方へ傾斜されたものとした構成であるから、自動車の走行中にホイールリム又はホイールディスクを介して表側フランジ部に作用する負荷によって該表側フランジ部の折曲連成部に応力集中することを緩和できるため、総じて、自動車の走行中に生ずる負荷に対する耐久性が向上する。また、段差や縁石等との接触によりタイヤを介して表側フランジ部に作用する径方向内方の負荷を、表方に傾斜する当該表側フランジ部が弾性変形することによって軽減することができるため、総じて耐久性を向上できる。さらに、前記径方向内方への負荷が比較的大きく生じた場合にあっても、前記した表側フランジ部の弾性変形によって、該表側フランジ部に局部的な塑性変形が生じることも抑制できる。このように、表側フランジ部を介して径方向内方へ作用する負荷に対して、高い耐久性を発揮することができる。
上述した本発明の自動車用ホイールにあって、ホイールディスクの表側フランジ部を表方へ傾斜する傾斜角度が、径方向に対して15度以上かつ45度以下の範囲であるとした場合には、径方向内方への負荷に対して耐久性向上効果と局部的な塑性変形防止効果と安定して発揮することができ、上述した本発明の作用効果を一層向上でき得る。
上述した発明の自動車用ホイールにあって、少なくともホイールリムの表側ビードシート部の開口端部と前記ホイールディスクのディスク裏面部とをホイール周方向に亘って溶接することにより、一体化されたものである構成とした場合には、自動車の走行中にホイールリムを介して作用する負荷が表側フランジ部に作用することを低減できるため、総じて耐久性を向上するという本発明の作用効果が一層向上する。
上述した発明の自動車用ホイールにあって、ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部とホイールディスクのディスク裏面部とが、該ホイールリムの外側から溶接されてなるものとした場合には、表側ビードシート部と環状裏周部の内周端部との間に生じた外方への拡開隙間によって、容易かつ安定して溶接することができる。さらに、溶接部がホイールリムの外側へ盛り上がることを抑制できるため、タイヤのビードと、表側ビードシート部および表側フランジ部との密着性を充分に確保することができる。これにより、エア漏れ等の不具合の発生を防止できる。
上述した発明の自動車用ホイールにあって、ホイールディスクのディスク裏面部に、ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部を座定する環状接合溝が周成され、前記環状接合溝と、該環状接合溝に座定した前記表側ビードシート部の開口端部とが溶接されている構成とした場合には、溶接部の一部を環状接合溝内に形成できることから、該溶接部の外側への盛り上がりを抑制することができる。そのため、自動車用ホイールにタイヤを装着した場合に、該タイヤのビードと表側ビードシート部および表側フランジ部との密着性を充分に確保でき、エア漏れ等の不具合の発生を防止できる。
本発明にかかる第一実施例の自動車用ホイール1の縦断面図である。 図1中のX部の拡大図である。 (A)表方へ傾斜した本発明をモデル化した表側フランジ部61と、(B)径方向に沿った比較例の表側フランジ部121とを比較する説明図である。 第二実施例の自動車用ホイール51の、表側フランジ部61を示す拡大縦断面図である。 第三実施例の自動車用ホイール71の、表側フランジ部61を示す拡大縦断面図である。 第四実施例の自動車用ホイール81の、表側フランジ部91を示す拡大縦断面図である。 第五実施例の自動車用ホイール101の、表側フランジ部91を示す拡大縦断面図である。 従来構成の自動車用ホイールmの縦断面図である。
本発明にかかる実施例1の自動車用ホイール1を各添付図面を用いて詳述する。
図1は、本実施例1の自動車用ホイール1の縦断面図である。この自動車用ホイール1は、スチール製の平板から夫々成形されたホイールリム2とホイールディスク3とを接合して成る、いわゆる2ピースタイプのスチール製ホイールである。そして、ホイールディスク3の外周縁部に表側フランジ部31を備えたフルフェイスタイプの構成である。尚、本実施例1にあって、ホイールディスク3の背面側から意匠面側へ向かう方向(図1の左から右へ向かう方向)を表方向とし、逆向きを裏方向としている。また、ホイール径方向に沿って、自動車用ホイール1の中心軸線Lへ向かう方向を径方向内方向とし、逆向きを径方向外方向としている。尚、自動車用ホイール1およびホイールディスク3の意匠面とは、自動車に取り付けられた際に、該自動車の外側向きとなる面である。
上記したホイールリム2にあっては、略円筒形状をなし、その一方(裏側)の開口縁部にタイヤの裏側のビードを側方から支持する裏側フランジ部12が設けられ、該裏側フランジ部12に、タイヤの裏側のビードを着座させて支持固定する裏側ビートシート部14が連成されている。さらに、他方(表側)の開口縁部には、タイヤの表側のビードを着座させて支持固定する表側ビートシート部13が設けられている。すなわち、他方(表側)の開口縁部には、表側フランジ部31が形成されておらず、表裏方向に沿った円環状の表側ビードシート部13により表側の開口縁部が構成されている。そして、表裏のビードシート部13,14の間には、タイヤ装着時にタイヤの表裏のビードを落とすためのウエル部15が設けられている。
このホイールリム2は、略長方形状のスチール製平板をその短辺同士を突合せ溶接することにより、直胴状の円筒体を形成した後、これを周方向に回転させつつ当該円筒体の内外両側から所定の金型により挟圧する所謂ロール加工により成形することができる。このようなホイールリム2の成形には、従来の成形方法を適用することができるため、その詳細については説明を省略する。
一方、上記したホイールディスク3にあっては、略円盤形状をなし、その中央に車軸のハブと連結するハブ取付部21が設けられ、外周縁部に表側フランジ部31が周設されている。そして、ハブ取付部21と表側フランジ部31との間には両者を連成するように、径方向に沿った複数のスポーク部22が、周方向で均等間隔に設けられている。さらに、互いに隣り合うスポーク部22の間に、飾り孔25が夫々設けられている。
ここで、ハブ取付部21には、その中央にハブ孔27が形成されており、該ハブ孔27の径方向外側に位置して周方向で互いに均等間隔となるように、複数個のボルト孔28が設けられている。尚、このホイールディスク3の各部位はそれぞれ、ホイールディスク3の中心軸線Lを中心とする同心状に形成されている。また、スポーク部22は、ハブ取付部21の周縁から表方へ盛り上がるように形成されている。そして、各スポーク部22の外端から滑らかに連成するように表側フランジ部31が形成されている。尚、この表側フランジ部31は、本発明の要部にかかり、その詳細については後述する。
このようなホイールディスク3は、略円形状のスチール製平板を、プレス加工することにより成形できる。このようなホイールディスク3の成形には、従来の成形方法を適用することができるため、その詳細については説明を省略する。
本実施例1の自動車用ホイール1は、上述したホイールリム2とホイールディスク3とを溶接することにより成形される。その詳細については、本発明の要部にかかるため後述する。
次に、本発明の要部について詳述する。
図1,2のように、ホイールディスク3の外周縁に設けられた表側フランジ部31は、裏側へ折り返されて径方向内側へ連成されてなるものである。詳述すると、上記したスポーク部22の外端から連成された意匠面側の環状表周部32と、該環状表周部32から裏側へ折り返されて径方向内方へ延出された環状裏周部33とから構成されている。そして、環状裏周部33の表側面33aの全面が、環状表周部32の裏側面32aに面接触するように形成されている。これにより、環状表周部32と環状裏周部33とが一体的な形態を成し、表側フランジ部31を構成している。この表側フランジ部31は、その環状表周部32と環状裏周部33との間に空隙が存在せず、上述した従来構成(図8参照)と異なる形態となっている。
さらに、上記表側フランジ部31は、その環状表周部32の基端部位(内周端部位)から表方へ折れ曲がって傾斜されている。すなわち、表側フランジ部31は、自動車用ホイール1の中心軸線Lに直交する仮想径方向平面P(前記径方向に沿った平面)に対して、表方へ傾斜角度θで傾斜している。ここで、表側フランジ部31の傾斜角度θとしては、15度以上かつ45度以下の範囲となるように設定している。この傾斜角度θを設定することにより、表側フランジ部31の表裏方向幅Yを、11mm以上かつ16mm以下の範囲とする。尚、表側フランジ部31の傾斜角度θと表裏方向幅Yは、環状表周部32および環状裏周部33の板厚に従って適宜設定する。具体例としては、環状表周部32の板厚が5.3mmかつ環状裏周部33の板厚が5.3mmの場合には、傾斜角度θを33度として、表裏方向幅Yを14mmとしている。
この表側フランジ部31にあって、環状裏周部33の最内端(内側周端部33b)の内径寸法を、上記したホイールリム2の表側ビードシート部13の開口端部13aの外径寸法に比して大きい径寸法とするように設定している。これにより、後述するように、ホイールリム2の表側ビードシート部13の開口端部13aを、ホイールディスク3のディスク裏面部6に突き当てた状態(図2参照)で、表側フランジ部31の環状裏周部33の内側周端部33bが、表側ビードシート部13の開口端部13aよりも径方向外側に位置する。
このような表側フランジ部31にあって、環状表周部32から環状裏周部33に至る折曲連成部34が、ホイールディスク3の最外周縁となっている。また、本実施例1にあっては、環状裏周部33の内側周端部33bを、所望の形状に成形する加工を行っている。
また、図2のように、本実施例1のホイールディスク3には、そのディスク裏面部6に、表方へ凹む環状接合溝35が中心軸線Lを中心として周成されている。ここで、ディスク裏面部6としては、本実施例1にあって、表側フランジ部31の環状裏周部33よりも内側で、裏側の外周縁となる部位として定めている。すなわち、ディスク裏面部6は、スポーク部22から表側フランジ部31の環状表周部32へ連成する環状の部位である。そして、このディスク裏面部6に周成された前記の環状接合溝35は、ホイールリム2の表側ビードシート部13の開口端部13aを座定するように、上記の表側フランジ部31の環状裏周部33の内側周端部33bの内側に隣接して形成されている。
このようなホイールディスク3とホイールリム2とは、夫々の中心軸線Lを一致させるようにして、ホイールディスク3のディスク裏面部6に形成した環状接合溝35に、ホイールリム2の表側ビードシート部13の開口端部13aを突き当てて位置決めし、溶接により接合する。この溶接は、ホイールディスク3のディスク裏面部6とホイールリム2の表側ビードシート部13の開口端部13aとを一体的に接合するように、ホイールリム2の外側からアーク溶接によりホイール周方向全周に亘って行う(図2参照)。尚、本実施例1にあっては、ホイールディスク3の表側フランジ部31の環状裏周部33の内側周端部33bをも一体的に接合するように、溶接している。この溶接により、図2のように、ホイールリム2とホイールディスク3とを接合する溶接部41が、ホイール周方向全周に亘って形成される。
ここで、上記の溶接は、ホイールディスク3のディスク裏面部6とホイールリム2との接合を積極的に行うものであり、これを主としており、ホイールリム2と表側フランジ部31の環状裏周部33との接合は副次的なものである。そのため、ディスク裏面部6とホイールリム2とには、上記の溶接部41が比較的大きく形成され、これによりホイールディスク3とホイールリム2とを強固に接合している。
また、表側フランジ部31の環状裏周部33の内側周端部33bが、ホイールリム2の表側ビードシート部13の外表面よりも径方向外側に位置すること、および環状裏周部33が表方へ傾斜していることから、ホイールリム2の表側ビードシート部13と環状裏周部33との間には、外方に拡開する溝状の隙間(拡開隙間)が周方向に亘って生じる(図2参照)。さらに、ディスク裏面部6には、環状接合溝35を設け、該環状接合溝35内にホイールリム2の表側ビードシート部13の開口端部13aを座定している。これらの構成により、上記した溶接の際に溶接トーチの侵入スペースを確保することができることから、表側ビードシート部13とディスク裏面部6とを容易かつ安定して溶接することができる。さらに、この溶接により形成される溶接部41が、ホイールリム2の外側へ盛り上がることを抑制できる。そのため、本構成によれば、自動車用ホイール1にタイヤを装着した場合に、該タイヤのビードと溶接部41との干渉を抑制することができることから、タイヤのビードと、ホイールリム2の表側ビードシート部13およびホイールディスク3の表側フランジ部31との密着性を充分に確保できる。
ここで、上記の拡開隙間について、図3(A)に従ってさらに詳細に説明する。尚、図3(A)では、上記した環状接合溝(図2の環状接合溝35)を形成しておらず、且つ環状裏周部63の内側周端部63bを加工しないモデル構成(後述する実施例2の構成)を記載している。このモデル構成は、表側フランジ部61が表方へ傾斜することによる作用効果を分かり易く説明するために用いており、本実施例1の構成でも同様の作用効果を奏し得る。表側フランジ部61は、表方へ傾斜していることから、その環状裏周部63の内側周端部63bも傾斜し、これに伴って、環状裏周部63の内側周端部63bとホイールリム2の表側ビードシート部13との間に外方へ開く拡開隙間が生ずる。溶接の際に、この拡開隙間に溶接トーチを侵入させ得ることから、表側ビードシート部13の開口端部13aとディスク裏面部56とを容易かつ安定して溶接することができる。また、この拡開隙間内に溶接部59を形成することができるため、該溶接部59の外側への盛り上がりを抑制できる。一方、図3(B)のように、ホイールディスク113の表側フランジ部121を径方向に沿って形成した比較例の自動車用ホイール(表方へ傾斜しない構成)111の場合には、環状裏周部123の内側周端部123aが、ホイールリム2の表側ビードシート部13の外表面と正対する。そのため、環状裏周部123の内側周端部123aとホイールリム2の表側ビードシート部13との隙間は、前記図3(A)のモデル構成に比して狭くなる。これにより、溶接トーチの侵入スペースを確保することが難しく、表側ビードシート部13とディスク裏面部116とを溶接することが難しくなる。尚、図3(B)の比較例の構成にあっても、表側フランジ部121は、環状裏周部123が意匠面側の環状表周部122と面接触するように、該環状裏周部123が環状表周部122から折り返されてなる構成である。
さらに、図3(A)のモデル構成では、その表側フランジ部61に、自動車の走行中に径方向内方への負荷が掛かると、表方への傾斜形状による形状効果によって傾斜方向へ弾性変形し易い。この弾性変形によって、前記径方向内方への負荷を軽減することができるため、ホイールディスク53の中心領域(ハブ取付部)へ作用する応力を軽減することができ得る。同様に、径方向内方への負荷が、比較的強く且つ局所的に掛かった場合にあっても、前記弾性変形によって、当該負荷を軽減することができる。そのため、径方向内方への負荷に対する耐久性が向上する。一方、図3(B)の比較例の構成では、表側フランジ部121が径方向に沿って設けられていることから、前記同様に径方向内方への負荷が掛かると、前記図3(A)のモデル構成に比して、ホイールディスク113の中心領域へ作用する応力を軽減することができない。この径方向内方への負荷が比較的大きい場合には、表側フランジ部121が局所的に塑性変形してしまうこともあり得る。以上のことから、図3(A)のモデル構成の表側フランジ部61によれば、この比較例の構成に比して、疲労寿命を向上することができる。
本実施例1の自動車用ホイール1は、上述したように、ホイールディスク3の表側フランジ部31が、環状表周部32と環状裏周部33とを面接触した一体的な形状を成し且つ表方へ傾斜させた構成である。そして、ホイールディスク3のディスク裏面部6とホイールリム2とを溶接している。以上のことから、自動車の走行中にホイールディスク3に車軸を介して生ずる負荷とホイールリム2にタイヤを介して生ずる負荷とが、表側フランジ部31の折曲連成部34に作用することを可及的に抑制できる。これにより、表側フランジ部31の折曲連成部34に繰り返し生ずる弾性変形を抑制することができると共に、表側フランジ部31に生ずる応力集中を緩和することができる。そのため、表側フランジ部31の折曲連成部34が、その成形加工の際に発生した残留応力を有していた場合にあっても、疲労限度に至る応力の許容量に充分な余裕を有し得ることから、当該表側フランジ部31の耐久性を向上することができる。
このような実施例1の自動車用ホイール1は、上述した従来構成の自動車用ホイールm(図8参照)に比して高い耐久性を発揮できるものである。従来構成の自動車用ホイールmは、表側フランジ部rが湾曲状に折り返された形状を成し且つ表側フランジ部rとホイールリムfの表側ビードシート部gとを溶接していることから、自動車の走行中に生ずる負荷によって、表側フランジ部rに応力集中を生じ易い。これに対して、本実施例1の自動車用ホイール1の構成によれば、表側フランジ部31に発生する応力集中を緩和できるため、前記のように、従来構成の自動車用ホイールmに比して耐久性が向上する。
さらに、環状表周部32と環状裏周部33とが面接触し、両者間に空隙が生じていないことから、自動車に取り付けた際に、雨水等が溜まらない。そのため、上述した従来構成のように、水抜き孔を設ける必要が無く、該水抜き孔の形成に伴う強度低下を生じないという利点も有する。
また、表側フランジ部31が表方へ傾斜していることにより、ホイールリム2の表側ビードシート部13とディスク裏面部6とを容易かつ安定して溶接できると共に、その溶接部41が外方へ盛り上がることを抑制できる。さらに、自動車の走行中に縁石等と接触することにより生ずる径方向内方への負荷が、表側フランジ部31に掛かった場合にあっても、当該表側フランジ部31が表方へ弾性変形することにより、前記負荷を軽減できる。これにより、自動車用ホイール1の耐久性を向上できる。
さらに、溶接部41が三点溶接されてなるものであることから、該溶接部41が高い強度と剛性とを発揮できると共に、上記した自動車の走行中に生ずる負荷による当該溶接部41への応力集中を緩和することができる。そのため、溶接部41の耐久性を向上することができる。特に、溶接部41がホイール全周に亘って形成されていることから、前記した溶接部41と表側フランジ部31との耐久性向上効果が一層向上する。
実施例2の自動車用ホイール51にあっては、図4のように、ホイールディスク53が、そのディスク裏面部56に上記した環状接合溝を有せず、さらに、該ディスク裏面部56とホイールリム2とを該ホイールリム2の外側から溶接した構成である。ここで、表側フランジ部61は、上述した実施例1と同様に、環状表周部62と環状裏周部63とから構成されて一体的に表方へ傾斜され、そして、環状表周部62の裏側面62aに、環状裏周部63の表側面63aが面接触している。尚、この表側フランジ部61の環状裏周部63は、その内側周端部63bを、実施例1のように加工していない。さらに、ディスク裏面部56は、ほぼ径方向に沿った平面状の裏面を有している。
尚、実施例2は、上述した以外の構成は、上述した実施例1と同じであり、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を省略した。
本実施例2の構成にあっては、ディスク裏面部56に、ホイールリム2の表側ビードシート部13の開口端部13aを突き当てて、ディスク裏面部56と表側ビードシート部13の開口端部13aとを溶接する。ここで、ディスク裏面部56は、表側ビードシート部13の開口端部13aを安定して突き当てることができるように、その裏面がほぼ平面状に形成されている(図3(A)参照)。
上記の溶接により、ディスク裏面部56とホイールリム2とを周方向に亘って溶接し、且つホイールリム2とホイールディスク53の表側フランジ部61の環状裏周部63とを溶接しないものである。ここで、表側フランジ部61の環状裏周部63とホイールリム2とが直接的に溶接されていない構成であるが、これに伴う自動車用ホイール51の疲労寿命への影響は極めて微小である。そのため、表側フランジ部61の環状裏周部63とホイールリム2とを直接溶接しないことによって、自動車の走行中にホイールディスク53に車軸を介して生ずる負荷とホイールリム2にタイヤを介して生ずる負荷とが、表側フランジ部61の折曲連成部64に作用することを可及的に抑制できる。
また、本実施例2のホイールディスク53は環状接合溝を有しない構成であるが、上述した実施例1と同様に、表側フランジ部61が表方へ傾斜している。そのため、図3(A)のように、ホイールリム2の開口端部13aをディスク裏面部56に突当てた際に、表側フランジ部61の環状裏周部63の内側周端部63bと表側ビードシート部13と環状裏周部63との間には、溝状の拡開隙間が生じる。そして、この拡開隙間により、ディスク裏面部56とホイールリム2とを容易かつ安定して溶接することができ得る。さらに、この溶接により形成される溶接部59は、外側への盛り上がりを抑制されたものとなる。そのため、自動車用ホイール51にタイヤを装着した場合に、該タイヤのビードと溶接部59との干渉を抑制することができることから、タイヤのビードと、ホイールリム2の表側ビードシート部13およびホイールディスク53の表側フランジ部61との密着性を充分に確保できる。
さらに、表側フランジ部61が表方へ傾斜していることから、上述した実施例1と同様に、自動車の走行中に縁石等と接触することによって径方向内方への負荷が掛かると、当該表側フランジ部61の形状効果により表方へ弾性変形して前記負荷を軽減することができる。これにより、前記の径方向内方への負荷に対して優れた耐久性を発揮でき得る。同様に、径方向内方へ比較的大きな負荷が掛かった場合にも、前記弾性変形によって、局部的な塑性変形が生じることを防止できる。
実施例3の自動車用ホイール71にあっては、図5のように、上述した実施例2のホイールディスク53のディスク裏面部56とホイールリム2とを、該ホイールリム2の内側から溶接した構成である。そのため、溶接部79がホイールリム2の内側に形成される。そして、これ以外の構成は、上述した実施例2と同じであり、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を省略した。
本実施例3の構成にあっても、表側フランジ部61が表方へ傾斜してなる構成であるから、上述した実施例2と同様に、径方向内方への負荷を軽減して耐久性を向上する効果と、局部的な塑性変形を防止する効果とを奏し得る。
実施例4の自動車用ホイール81にあっては、図6のように、ホイールディスク83の表側フランジ部91を構成する環状裏周部93が、ディスク裏面部86と略面一となる内側周端面93bを備えたものである。ここで、環状裏周部93の内側周端面93bとディスク裏面部86の裏面とは、ほぼ径方向に沿った平面状に形成されている。そして、ホイールディスク83のディスク裏面部86とホイールリム2の表側ビードシート部13とを外側から溶接してなるものである。尚、本実施例4にあっても、上述した実施例2と同様に、上記した環状接合溝を有しない構成である。
本実施例4の表側フランジ部91は、環状表周部92の裏側面92aと環状裏周部93の表側面93aとが面接触し、一体的に表方へ傾斜された構成である。すなわち、環状裏周部93の内側周端面93bを、上記のように、ディスク裏面部86と略面一に成形した以外は、実施例2の表側フランジ部と同様の構成である。そのため、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を省略する。
本実施例4の構成にあっても、上述した実施例2と同様に、自動車の走行中にホイールディスク83に車軸を介して生ずる負荷とホイールリム2にタイヤを介して生ずる負荷とが、表側フランジ部91の折曲連成部94に作用することを可及的に抑制できる。また、表側フランジ部91が表方へ傾斜していることから、ホイールリム2の表側ビードシート部13とディスク裏面部86とを容易かつ安定して溶接することができると共に、溶接部89が外側へ盛り上がることを抑制できる。また、径方向内方への負荷に対して、該負荷を軽減できると共に、局部的な塑性変形を抑制することができ得る。
実施例5の自動車用ホイール101は、図7のように、上記の実施例4と同様のホイールディスク83およびホイールリム2とを備え、該ホイールリム2の内側から溶接した構成である。そのため、溶接部109がホイールリム2の内側に形成される。本実施例5は、ホイールリム2の内側から溶接した以外は、実施例4と同じ構成であることから、その詳細を省略する。
実施例5の構成にあっても、表側フランジ部91が表方へ傾斜してなる構成であるから、上述した実施例4と同様に、径方向内方への負荷を軽減して耐久性を向上する効果と、局部的な塑性変形を防止する効果とを奏し得る。
一方、上述した実施例1の構成にあって、実施例2,3と同様に、ディスク裏面部に環状接合溝を形成しない構成とすることもできる。また、実施例2〜5の構成にあって、実施例1と同様に、ディスク裏面部に環状接合溝を形成した構成とすることもできる。
上述した実施例1の構成にあって、実施例3と同様に、ホイールリムの内側から溶接した構成とすることもできる。この場合には、ホイールリムの表側ビードシート部とディスク裏面部とが溶接されることとなる。また、実施例2,4の構成にあって、実施例1と同様に、ホイールリムの表側ビードシート部と、ディスク裏面部と、表側フランジ部の環状裏周部とを溶接するようにしてもよい。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、繊維強化金属(FRM)により成型した同じ構成の自動車用ホイールにあっても、同様の作用効果を発揮することができる。
1,51,71,81,101 自動車用ホイール
2 ホイールリム
3,53,83 ホイールディスク
6,56,86 ディスク裏面部
12 裏側フランジ部
13 表側ビードシート部
13a 開口端部
31,61,91 表側フランジ部
32,62,92 環状表周部
33,63,93 環状裏周部
35 環状接合溝

Claims (5)

  1. 一方の開口縁部に裏側フランジ部が形成され且つ他方の開口縁部に表側ビードシート部が形成されたホイールリムと、外周縁部に表側フランジ部が形成されたホイールディスクとを備えた自動車用ホイールにおいて、
    前記ホイールディスクの表側フランジ部は、
    意匠面側の環状表周部と、該環状表周部から裏側へ折り返され且つ径方向内側へ連成されて、環状表周部の裏側面に面接触する環状裏周部とを備え、
    環状表周部と環状裏周部とが一体的に表方へ傾斜されてなるものであることを特徴とする自動車用ホイール。
  2. ホイールディスクの表側フランジ部は、その環状表周部と環状裏周部とが一体的に表方へ傾斜された傾斜角度を、径方向に対して15度以上かつ45度以下の範囲としたものであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ホイール。
  3. ホイールリムとホイールディスクとは、少なくとも該ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部と前記ホイールディスクのディスク裏面部とをホイール周方向に亘って溶接することにより、一体化されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動車用ホイール。
  4. ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部とホイールディスクのディスク裏面部とが、該ホイールリムの外側から溶接されてなるものであることを特徴とする請求項3に記載の自動車用ホイール。
  5. ホイールディスクのディスク裏面部に、ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部を座定する環状接合溝が周成され、
    前記環状接合溝と、該環状接合溝に座定した前記表側ビードシート部の開口端部とが溶接されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の自動車用ホイール。
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