JP2011168071A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱源始動初期に外気温度が低い場合でも、簡単な構成で、冷却水の温度を上昇させて、快適に車室内の暖房を行うことができる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】コントロールユニット29では、冷媒圧力が低いと推定される場合、圧縮機11の駆動が、抑制制御される。
外気温度センサ35で、検出される外気温が低い場合、吸込圧センサ136で実測された吸い込み側の冷媒圧力が低く、このまま運転を開始すると負圧になることが想定される運転履歴となる場合、バイパス冷媒循環回路9bによって、冷房用冷媒循環回路9の一部から導出された圧縮冷媒が、補助として暖房用冷却水循環回路10内を挿通されてヒータコア8aに送られる冷却水との間の熱交換を行う暖房サイクルの運転始動初期に補助暖房待機モードによる抑制制御で、圧縮機11の吸込側の冷媒が、負圧状態とならない条件が揃うまで運転駆動しない若しくは圧縮機の駆動を低減し、負圧が発生する可能性を減少させる。
【選択図】 図1
【解決手段】コントロールユニット29では、冷媒圧力が低いと推定される場合、圧縮機11の駆動が、抑制制御される。
外気温度センサ35で、検出される外気温が低い場合、吸込圧センサ136で実測された吸い込み側の冷媒圧力が低く、このまま運転を開始すると負圧になることが想定される運転履歴となる場合、バイパス冷媒循環回路9bによって、冷房用冷媒循環回路9の一部から導出された圧縮冷媒が、補助として暖房用冷却水循環回路10内を挿通されてヒータコア8aに送られる冷却水との間の熱交換を行う暖房サイクルの運転始動初期に補助暖房待機モードによる抑制制御で、圧縮機11の吸込側の冷媒が、負圧状態とならない条件が揃うまで運転駆動しない若しくは圧縮機の駆動を低減し、負圧が発生する可能性を減少させる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、エンジン等の冷却水を利用して車室内を暖房可能に設けた車両用空調装置に関するものである。
一般に、車両用空調装置は、熱源(エンジン等の)冷却水(以下、冷却水と称す)を利用した暖房装置および冷媒による冷凍サイクルを利用した冷房装置を設けた車両用空調装置を備えているのが普通である。
このうち暖房装置は、車室内の暖房時に、熱源(エンジン等)によって加熱された冷却水を、この熱源と車室内空調用のヒータコア(車室内熱交換器)との間で循環させると共に、ヒータコアを通過させた空気を、車室内に吹出口から吹き出させて、車室内を暖房可能とするように構成されている。
このような車両用空調装置により、車室内の暖房を行う場合、冷却水の水温が充分に上昇するまでは、車室内に吹き出される空気の温度が低く、乗員が快適と感じるまでに長い時間を必要としていた。
このような問題の解消方法としては、外気温度が低い場合における熱源(エンジン等)の始動初期に、冷房装置を作動させると共に、この冷房装置の圧縮機で圧縮される高圧冷媒の熱を利用して冷却水を加熱することにより、加熱された冷却水がヒータコアに供給されて、ヒータコアで車室内の空気を、暖めることが可能な冷却水式の暖房方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の解消方法としては、外気温度が低い場合における熱源(エンジン等)の始動初期に冷房装置を作動させると共に、この冷房装置の圧縮機で圧縮される圧縮冷媒の熱で車室内へ供給される空気を直接、加熱するようにしたヒートポンプ式の暖房方法も考えられている(例えば、特許文献2参照)。
このようなものでは、圧縮冷媒の熱で車室内へ供給される空気を直接、加熱する為、エアコンユニット筐体内に設けられた送風通路内に、前記圧縮冷媒の熱を熱交換するサブコンデンサが設けられている。
このように構成された従来の車両用空調装置では、外気温度が低く、冷媒温度も低い冷間起動時に、冷媒圧力が低い場合があり、圧縮機の吸込側圧力が、負圧まで低下してしまう可能性があった。
例えば、図7に示す様に、所謂、開放型の圧縮機としてのコンプレッサ100が知られている。
このような開放型のコンプレッサ100では、コンプレッサ本体101の筐体101aの外側面101bから回転軸部102の一部102aが、回転自在に突設されている。
そして、図8に示すように、回転軸部102の周囲に設けられたゴムシールリング部材103によって、この回転軸部102の一部102aと、外側面101bに開口形成された軸孔部101cとの間が、密閉されている。
このゴムシールリング部材103のシールリップ部103aは、前記一部102aの外周面に対して、摺接されていて、吸込口105側の圧力P1が高い状態では、圧着されて、冷媒流路104内の冷媒の漏出が防止されている。
しかしながら、気温が低い状態等、吸込口105側の圧力P1が低い状態から運転が開始される所謂冷間始動では、吸込口105近傍の冷媒流路104内の圧力が、負圧まで低下して、大気圧よりも低くなる場合がある。
このため、この回転軸部102の一部102aの外周面に摺接しているシールリップ部103aが、図8中二点鎖線に示すように捲れて、この部分から大気F3が、冷媒流路104内に、矢印で示すように侵入し、前記冷媒流路104内の冷媒に混入してしまう可能性があり、暖房サイクル時の暖房効率が低下してしまうといった問題があると共に、大気が冷媒流路104内に混入すると、冷媒の圧縮比が変動して、冷房サイクル時の冷房効率が、低下してしまう可能性があった。
そこで、この発明は、熱源(エンジン等)の始動初期に外気温度が低い場合でも、冷却水の温度を上昇させて、快適な車室内の暖房を行うことが出来、しかも、良好な冷暖房効率を簡便な構成で達成出来る車両用空調装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載されたものは、冷媒を、圧縮機,コンデンサ,膨張弁,エバポレータの順に循環させる冷房用冷媒循環回路と、冷却水を、熱源とヒータコアとの間で循環させる暖房用冷却水循環回路と、前記冷房用冷媒循環回路の一部から導出されて、前記冷房用冷媒循環回路内の圧縮機から送られた冷媒を、前記ヒータコアに送られる冷却水と熱交換させるバイパス冷媒循環回路とを設けた車両用空調装置であって、前記圧縮機の駆動を制御する制御手段を有し、前記制御手段には、前記圧縮機の吸込側の冷媒圧力を実測又は、推定により検知する検知手段を接続して、前記圧縮機の駆動の開始により、該吸込側が負圧とならないように、該検知された圧力状態を用いて、該圧縮機の駆動を抑制制御する車両用空調装置を特徴としている。
ここで、検知する検知手段が、前記圧縮機の吸込側に設けられた吸込側圧力センサである場合には、該圧縮機の吸込側の冷媒が、該圧縮機の駆動を開始すると、負圧になるような比較的低い、例えば、大気圧に近い圧力値若しくは、初めから大気圧よりも低い負圧圧力値を検知した場合等、吸込側の冷媒圧力を直接、実測しているので、該圧縮機の駆動により、該吸込側圧力センサが、負圧になる際の圧力値を検知したとして採用するように構成されている。
更に、検知する検知手段が、前記圧縮機の出口側に設けられた出口側圧力センサ,冷媒温度センサ,水温センサ,外気温センサ,運転履歴等である場合には、該圧縮機の出口側の冷媒が、該圧縮機の駆動を開始すると、負圧になると推定出来る出口側冷媒圧力値等が、各々間接的に検知される場合である。
このように、検知する検知手段が、前記吸込側の冷媒圧力を間接的に検出する前記圧縮機の出口側に設けられた出口側圧力センサ,冷媒吸込側温度センサ等である場合には、予め負圧になると推定出来る値を該車両用空調装置の規格値又は、実測に基づく評価値により設定して、該圧縮機の駆動を開始すると、該圧縮機の吸込側の冷媒が、負圧になると推定出来る値に到達した場合、各前記出口側圧力センサ,冷媒吸込側温度センサが、負圧になる際の圧力値を検知したとするように構成されている。
また、検知する検知手段が、走行状態を用いて、運転履歴を記録するように構成されている場合は、該運転履歴を用いて、前記吸込側の冷媒圧力を推定するように構成されている。
ここで、運転履歴とは、例えば、車両が一定時間以上停止していたことにより、充分に、低い温度まで冷媒温度が低下して、圧縮機の作動によって、吸込側冷媒が、負圧になることが、高い蓋然性を有している場合等であり、想定により登録されている条件の運転履歴と一致又は、この登録された運転履歴を上廻る時間を超えて停止している場合に、冷間起動を含む初期始動であると推定するように構成されている。
また、請求項2に記載されたものは、前記制御手段による抑制制御では、前記吸込側の冷媒が負圧とならないように、前記圧縮機を一時的に停止させるか、又は該圧縮機を間欠駆動させ、該圧縮機の駆動に伴う冷媒吐出量を減少させる低減駆動制御が行われる請求項1記載の車両用空調装置を特徴としている。
そして、請求項3に記載されたものは、前記制御手段による抑制制御では、前記吸込側の冷媒が負圧とならないように、前記圧縮機の駆動の開始を遅らせる遅延制御が行われる請求項1又は2記載の車両用空調装置を特徴としている。
更に、請求項4に記載されたものは、前記制御手段による抑制制御では、前記圧縮機の吸込側に位置する冷房用冷媒温度を検出する前記冷媒温度センサから送られてくる冷媒温度又は、車外の大気の温度を検出する外気温センサから送られてくる外気温度のうち、少なくとも何れか一方が、予め各々設定された冷媒温値又は、外気温値よりも低い場合には、前記圧縮機の吸込側の冷媒圧力が低い状態であり、前記圧縮機の駆動の開始により、該吸込側が負圧となると推定して、前記圧縮機の駆動を抑制制御する請求項1乃至3のうち、何れか一項記載の車両用空調装置を特徴としている。
また、請求項5に記載されたものは、前記制御手段による抑制制御では、車両状態を検出して、予め設定された車両停止状態を検知した場合には、前記圧縮機の駆動を抑制制御する運転履歴制御が行われる請求項1乃至4のうち、何れか一項記載の車両用空調装置を特徴としている。
更に、請求項6に記載されたものは、前記制御手段による抑制制御では、前記圧縮機の駆動を開始した後、単位時間当たりの駆動サイクル数を低下させるか又は、一駆動サイクル当たりの吐出容量を減少させる可変容量制御を行う請求項1乃至5のうち、何れか一項記載の車両用空調装置を特徴としている。
そして、請求項7に記載されたものは、前記制御手段による抑制制御で、前記圧縮機の駆動が抑制制御された後、前記各検知手段から送られてくる検知状態によって、前記吸込側の冷媒の圧力状態が、負圧にならないと判断されると、前記圧縮機の駆動を再開又は、前記圧縮機の吐出量を増加させる復帰制御を行う請求項1乃至6のうち、何れか一項記載の車両用空調装置を特徴としている。
請求項1記載の構成によれば、前記検知手段によって、前記圧縮機の吸込側の冷媒圧力が、低い状態であることが、実測又は推定により検知されると、前記制御手段では、前記圧縮機の駆動が、抑制制御される。
ここで、冷媒圧力が低いと推定される場合とは、外気温が低い場合、冷媒温度が低い場合、若しくは、外気温が低く、しかも冷媒圧力が低い場合や、5分以上等、車両が停止して、エンジン等の熱源が動作していない状態が一定時間以上続く運転履歴となる車両状態である場合等が挙げられる。
このため、前記バイパス冷媒循環回路によって、前記冷房用冷媒循環回路の一部から導出された圧縮冷媒が、前記ヒータコアに送られる冷却水との間で熱交換に用いられる所謂暖房サイクルの始動初期に用いらても、該抑制制御によって、前記圧縮機の吸込側の冷媒が、負圧状態となる可能性を減少させることが出来る。
従って、冷間起動時等、前記ヒータコアに送られる冷却水を前記バイパス冷媒循環回路との間で熱交換させる簡単な構成で、冷却水の温度を上昇させることが出来、該圧縮機内部に大気が侵入する可能性を減少させつつ、良好な冷暖房効率を達成出来る。
よって、外気温度が低い場合における熱源(エンジン)の始動初期にも、快適に車室内の暖房を行うことができる車両用空調装置が提供される。
また、請求項2に記載されたものは、前記検知手段によって、前記圧縮機の吸込側の冷媒圧力が、低い状態であることが、実測又は推定により検知されると、前記制御手段では、前記圧縮機の低減駆動制御が行われて、一時的に停止されるか、又は間欠駆動されて、該圧縮機の駆動に伴う冷媒吐出量が減少する。
このため、前記圧縮機の吸込側の冷媒が負圧状態となる可能性を減少させながら、前記圧縮機の低減駆動により、冷暖房を行う圧縮冷媒を得ることが出来る。
更に、請求項3に記載されたものは、前記検知手段によって、前記圧縮機の吸込側の冷媒圧力が、低い状態であることが、実測又は推定により検知されると、前記制御手段では、遅延制御を行い、前記圧縮機の駆動の開始を遅らせて、一定時間経過後、該圧縮機の駆動に伴って冷媒が吐出される。
このため、冷間起動時等には、冷媒の温度が上昇して吸込側の冷媒が負圧にならない状態となってから、該圧縮機を駆動させることが出来、前記冷媒に大気が混入する可能性を減少させることが出来る。
また、請求項4に記載されたものは、検知手段によって、検知された冷媒温値又は、外気温値が、予め各々設定された冷媒温値又は、外気温値よりも低い場合には、 前記圧縮機の吸込側の冷媒圧力が低い状態であると推定されるので、前記圧縮機の駆動の開始により、該吸込側が負圧となる可能性があると判断出来る。
このため、前記冷媒温度センサから送られてくる冷媒温度又は、車外の大気の温度を検出する外気温センサから送られてくる外気温度を検出することにより、吸込側の冷媒圧力を直接、検出しなくても、前記制御手段で前記圧縮機の駆動を、抑制制御することが出来、追加の圧力センサ等の部品点数の増大を抑制出来る。
更に、請求項5に記載されたものは、検知手段によって、予め設定された車両停止状態、例えば、熱源が停止している等の車両状態が検知されると、前記圧縮機の吸込側の冷媒圧力が低い状態であると推定されて、前記圧縮機の駆動の開始により、該吸込側が負圧となると判断される。
このため、例えば、熱源の駆動が最後に停止された時間から、起動までの時間を計測することにより、冷間起動であることが分かり、吸込側の冷媒圧力を直接、検出しなくても、前記制御手段で、前記圧縮機の抑制制御を行うことが出来る。
また、請求項6に記載されたものは、前記制御手段による抑制制御で、前記圧縮機の駆動を開始した後、一駆動サイクル当たりの吐出容量が、減少させられて、可変容量制御が行われる。
このため、可変容量機能を有する可変容量コンプレッサでは、容易に抑制制御を行わせることが出来る。
更に、請求項7に記載されたものは、前記熱源からの受熱等で、該圧縮機の吸込側の冷媒圧力が上昇すると、前記各検知手段から送られてくる検知状態では、前記吸込側の冷媒の圧力状態が、負圧にならないと判断される。
そして、前記圧縮機の駆動を再開又は、吐出量を増加させる復帰制御が行われる。
このため、更に、冷暖房効率の低下を防止することが出来る車両用空調装置が提供される。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[構成]
図1において、符号1は車両(自動車)の車室、2は車両のエンジンルーム、3はエンジンルーム2内に配設された熱源としてのエンジンである。このエンジン3は水冷式で、周囲に設けられた流路内には、エンジン冷却のための冷却水が流されている。
[構成]
図1において、符号1は車両(自動車)の車室、2は車両のエンジンルーム、3はエンジンルーム2内に配設された熱源としてのエンジンである。このエンジン3は水冷式で、周囲に設けられた流路内には、エンジン冷却のための冷却水が流されている。
また、車室1の前部に設けられたインストルメントパネル(図示せず)内には、車両用空調装置(車両用空調システム)4の空調ユニット5が配設されている。
<空調ユニット5>
この空調ユニット5は、図2に示したように、ブロワユニット6,クーラーユニット7,ヒータユニット8を備えている。
<空調ユニット5>
この空調ユニット5は、図2に示したように、ブロワユニット6,クーラーユニット7,ヒータユニット8を備えている。
尚、空調ユニット5のクーラーユニット7,ヒータユニット8内には、ブロワユニット6から送風される空気が流れる一連の風路5aが形成されている。
ブロワユニット6は、送風ファン6aを有すると共に、インテークユニット6bを有する。
このインテークユニット6bは、外気取入口6b1と内気取入口6b2を有すると共に、外気取入口6b1と内気取入口6b2の開閉用のインテークドア6cを有する。
このインテークドア6cは、モータ等のドア駆動装置(ドア駆動手段)6c1により駆動(回動)させられて、外気取入口6b1と内気取入口6b2の開閉又は開度を調整し、車室外の外気と車室内の内気との流量吸込量を調整可能とするように設けられている。
そして、この外気取入口6b1から取り入れられた外気または内気取入口6b2から取り入れられた内気、或いは外気取入口6b1及び内気取入口6b2から取り入れられた外気と内気との混合された空気は、送風ファン6aにより、クーラーユニット7へ送風されるように構成されている。
このクーラーユニット7には、冷房用冷媒を循環させるエバポレータ(空気冷却用の熱交換器)7aが設けられている。
そして、ブロワユニット6により送風される取入空気は、エバポレータ7aの図示しないエア通路を通過する際に、熱交換により冷却されるように構成されている。
このエバポレータ7aを通過した空気は、空調ユニット5内で、下流側に位置するヒータユニット8へ送られる。
尚、このエバポレータ7aの上流側(即ち、送風ファン6aとエバポレータ7aとの間)には、風路5aの下部を開閉する風路調整ドア7bが設けられている。
この風路調整ドア7bは、モータ等の駆動装置(駆動手段)7b1により、駆動(回動)させられるように構成されている。
また、前記ヒータユニット8内には、エンジンの冷却水が循環するヒータコア(空気加熱用の熱交換器)8aが設けられている。
更に、ヒータコア8aの側部(図では下部)には、このヒータコア8aを迂回するバイパス風路8bが設けられ、またヒータコア8aの前面には、ミックスドア8cが設けられている。
そして、このミックスドア8cは、モータ等のドア駆動装置(ドア駆動手段)8c1により、駆動(回動)されて、ヒータコア8aの上流側の図示しないエア通路(エア風路)の開度を調節することにより、ヒータコア8aのエア通路内を流れる空気の量とバイパス風路8bを流れる空気の量との比率を調節できるようになっている。
また、このヒータコア8aの下流には、混合室8dが形成され、この混合室8dには室内のデフロストグリル、ベントグリル及びフットグリルへ、それぞれ連通する吹出口8e…が、設けられている。
<冷媒循環回路>
また、図1に示すように車両用空調装置4は、冷房用冷媒循環回路9と、暖房用冷却水循環回路10とを有している。
<冷媒循環回路>
また、図1に示すように車両用空調装置4は、冷房用冷媒循環回路9と、暖房用冷却水循環回路10とを有している。
このうち、冷房用冷媒循環回路9は、冷媒を、圧縮機11,コンデンサ12,膨張弁14,エバポレータ7aの順に循環させる冷房用の冷凍サイクル(即ち冷房サイクル)を行わせる冷房冷媒循環回路(第1の冷媒循環回路)9aと、この冷房冷媒循環回路9aの一部から導出されて、冷却水加熱用の冷凍サイクルを行わせるバイパス冷媒循環回路としてのバイパス冷媒循環回路(第2の冷媒循環回路、冷却水加熱冷媒循環回路)9bとを有している。
(冷房冷媒循環回路9a)
この冷房冷媒循環回路9aは、エンジンの駆動力を用いて駆動される圧縮機(冷媒用コンプレッサ)11と、一端が圧縮機11の図示しない冷媒出口(冷媒出口側)に接続された第1の冷房冷媒配管11aと、この第1の冷房冷媒配管11aの他端に接続され、且つ車室1外に配設された冷媒凝縮用のコンデンサ12とを有する。
(冷房冷媒循環回路9a)
この冷房冷媒循環回路9aは、エンジンの駆動力を用いて駆動される圧縮機(冷媒用コンプレッサ)11と、一端が圧縮機11の図示しない冷媒出口(冷媒出口側)に接続された第1の冷房冷媒配管11aと、この第1の冷房冷媒配管11aの他端に接続され、且つ車室1外に配設された冷媒凝縮用のコンデンサ12とを有する。
尚、圧縮機11は、クラッチCL及びプーリPLと、ベルトBL等からなる動力伝達手段40を介して、エンジン3に連動させられるようになっている。
この構成には、周知の構成を採用できるので、その詳細な説明は省略する。
また、冷房冷媒循環回路9aは、冷媒入口(図示せず)が、コンデンサ12の冷媒出口(図示せず)に接続されたリキッドタンク13と、一端がリキッドタンク13の冷媒出口(図示せず)に接続された第2の冷房冷媒配管13aと、この第2の冷房冷媒配管13aの他端に冷媒入口(図示せず)が接続された第1の膨張手段又は圧縮手段としての膨張弁14と、この膨張弁14の冷媒出口(図示せず)が接続された上述の空気冷却用のエバポレータ7aとを有している。
尚、膨張手段又は減圧手段とは、上記の如く膨張弁や冷房冷媒配管11aの流路を絞るオリフィス等である。
この膨張弁14は、エバポレータ7aの冷媒出口(図示せず)から吐出(流出)する冷媒温度及び冷媒圧力を感知(検知)して、エバポレータ7aの冷媒入口(図示せず)に流入する液体冷媒の流量を負荷にあった冷媒流量になるように調整し、即ちエバポレータ7aの冷媒出口(図示せず)から吐出される(流出する)冷媒が設定した目標の(所定の)温度・圧力の過熱状態(加熱度)になるように、エバポレータ7aの冷媒入口(図示せず)に流入する液体冷媒の流量を調整するように構成されている。
この構成には、周知の構成を採用できるので、その詳細な説明は省略する。
更に、冷房冷媒循環回路9aは、一端がエバポレータ7aの冷媒出口(図示せず)に接続された第3の冷房冷媒配管7a1と、第3の冷房冷媒配管7a1の他端に冷媒入口(図示せず)が接続された第1の一方向弁(第1のチェックバルブ)15と、この第1の一方向弁15の冷媒出口(図示せず)に一端が接続された第4の冷房冷媒配管15aと、この第4の冷房冷媒配管15aと圧縮機11の冷媒入口(図示せず)を接続する気液分離用のアキュームレータ16等を備えている。
そして、圧縮機11から吐出される冷媒は、第1の冷房冷媒配管11a,コンデンサ12,リキッドタンク13,第2の冷房冷媒配管13a,膨張弁14,エバポレータ7a,第3の冷房冷媒配管7a1,第1の一方向弁15,第4の冷房冷媒配管15a,アキュームレータ16の順に流れた後に、圧縮機11に戻されて循環する第1の冷凍サイクルを繰り返すことが出来るように構成されている。
この際、前記圧縮機11は、冷媒ガスを圧縮して高温高圧の圧縮冷媒(圧縮冷媒ガス)にし、コンデンサ12は、圧縮冷媒の熱を外気に放熱して圧縮冷媒を冷却することにより、凝縮させて、液体冷媒(凝縮冷媒、冷媒液)にし、リキッドタンク13は、液体冷媒を貯留し、膨張弁14は、リキッドタンク13からの高圧の液体冷媒を膨張させて、低圧の液体冷媒(凝縮冷媒)にするように構成されている。
この膨張弁14からの液体冷媒は、エバポレータ7a内に供給されて風路5a内の空気の熱を吸熱し(奪い)、風路5a内の空気を冷却する際に、蒸発させられて冷媒ガスになる。この冷媒ガスは、第3の冷房冷媒配管7a1,第1の一方向弁15,第4の冷房冷媒配管15a及びアキュームレータ16を介して圧縮機11に戻される。
(冷却水加熱用のバイパス冷媒循環回路9b)
このバイパス冷媒循環回路9bは、圧縮機11と、第1の冷房冷媒配管11aの途中に介装された三方電磁切換弁(電磁弁)17と、一端が、この三方電磁切換弁17に接続され第1バイパス冷媒配管17aと、車室1外に配設され且つ第1バイパス冷媒配管17aの他端に冷媒入口(図示せず)が、接続された冷媒凝縮用(冷却水加熱用)の第1の外部熱交換器18とを有している。
(冷却水加熱用のバイパス冷媒循環回路9b)
このバイパス冷媒循環回路9bは、圧縮機11と、第1の冷房冷媒配管11aの途中に介装された三方電磁切換弁(電磁弁)17と、一端が、この三方電磁切換弁17に接続され第1バイパス冷媒配管17aと、車室1外に配設され且つ第1バイパス冷媒配管17aの他端に冷媒入口(図示せず)が、接続された冷媒凝縮用(冷却水加熱用)の第1の外部熱交換器18とを有している。
また、バイパス冷媒循環回路9bは、一端が第1の外部熱交換器18の冷媒出口(図示せず)に接続された第2バイパス冷媒配管18bと、車室1外に配設され且つ第2バイパス冷媒配管18bの他端に接続された第2の外部熱交換器18aと、この第2の外部熱交換器18aの冷媒出口(図示せず)に接続された車室1外の第2の膨張手段又は減圧手段19を有する。
更に、バイパス冷媒循環回路9bは、第2の膨張手段又は減圧手段19で膨張させられた冷媒が供給される冷媒蒸発用の第3の外部熱交換器20と、一端が第3の外部熱交換器20の冷媒出口(図示せず)に接続された第3のバイパス冷媒配管20aと、この第3バイパス冷媒配管20aの他端と第1の一方向弁15の冷媒出口(図示せず)に接続した第4の冷房冷媒配管15aの途中とを接続する第2の一方向弁21と、アキュームレータ16を有する。しかも、第2の外部熱交換器18aと第3の外部熱交換器20は一体に設けられている。
そして、圧縮機11から吐出される冷媒は、三方電磁切換弁17,第1のバイパス冷媒配管17a,第1の外部熱交換器18,第2バイパス冷媒配管18b,第2の外部熱交換器18a,第2の膨張手段又は減圧手段19,第3の外部熱交換器20,第3バイパス冷媒配管20a,第2の一方向弁21,アキュームレータ16の順に流れた後に、圧縮機11に戻されて循環する第2の冷凍サイクルを繰り返すことが可能に構成されている。
尚、上述した第1の外部熱交換器18,第2の外部熱交換器18a,第3の外部熱交換器20等は、冷媒用熱交換手段23を構成している。
また、第1〜第3バイパス冷媒配管17a,18b,20a等は、前記三方電磁切換弁17部分から、分岐導出されて、コンデンサ12及びエバポレータ7a(内部熱交換器)と並列となるように、圧縮機11に対して、前記アキュームレータ16の手前で接続されて、バイパス冷媒循環回路9bが構成されている。
従って、第1の外部熱交換器18,第2の外部熱交換器18a,第3の外部熱交換器20等を備える冷媒用熱交換手段23は、バイパス冷媒循環回路9bに介装されている。
<暖房用冷却水循環回路10>
この暖房用冷却水循環回路10は、エンジン3の周囲に設けられた流路内を通過されて、図示しないウォータポンプから吐出される冷却水を、前記ヒータコア8a内に流した後に、前記エンジン3の周囲に設けられた流路に戻して、前記エンジン3とヒータコア8aとの間で循環させる冷却水循環流路24を有している。
<暖房用冷却水循環回路10>
この暖房用冷却水循環回路10は、エンジン3の周囲に設けられた流路内を通過されて、図示しないウォータポンプから吐出される冷却水を、前記ヒータコア8a内に流した後に、前記エンジン3の周囲に設けられた流路に戻して、前記エンジン3とヒータコア8aとの間で循環させる冷却水循環流路24を有している。
この冷却水循環流路24は、エンジン3の流路からの冷却水出口とヒータコア8aの冷却水入口との間を接続する第1の冷却水流路24aと、ヒータコア8aの冷却水入口を接続する第1の冷却水出口と、エンジン3の流路の冷却水入口を接続する第2の冷却水流路24bを有している。
しかも、冷却水循環流路24の途中には、水用熱交換手段25が介装されている。
この水用熱交換手段25は、第1の冷却水流路24aの途中に設けられた第1の水用熱交換器26と、前記バイパス冷媒循環回路9bの途中に設けられた第1の外部熱交換器18とを有して、主に構成されている。
尚、第1の水用熱交換器26内には、第1の冷却水流路24aの一部が形成されている。
また、第1の外部熱交換器18内には、バイパス冷媒循環回路9bの一部が、形成されている。
そして、第1の水用熱交換器26には、第1の外部熱交換器18が、熱交換可能に接続されている。
このように、これらの第1の水用熱交換器26と、第1の外部熱交換器18とが、熱交換可能に接続されることによって、冷却水加熱用熱交換手段28が構成されている。
従って、第1の水用熱交換器26は冷媒用の第1の外部熱交換器18と一体に設けられて、この第1の水用熱交換器26と第1の外部熱交換器18との間で熱の授受を行うことができるようになっている。
この熱の授受により、圧縮機11から第1の外部熱交換器18に供給される高温高圧の圧縮冷媒の熱で、第1の水用熱交換器26内の冷却水が加熱されると共に、ガス状の高圧冷媒が、第1の外部熱交換器18内で吸熱されて凝縮し液体冷媒となる。
<コントロールユニット(制御手段)>
上述した空調ユニット5のブロワユニット6,圧縮機11及び三方電磁切換弁17等は、図3に示すように、車両各部を制御するオートアンプより構成されてなるコントロールユニット(演算制御回路等の制御手段)29により、動作制御させられるように構成されている。
上述した空調ユニット5のブロワユニット6,圧縮機11及び三方電磁切換弁17等は、図3に示すように、車両各部を制御するオートアンプより構成されてなるコントロールユニット(演算制御回路等の制御手段)29により、動作制御させられるように構成されている。
このコントロールユニット29には、前記エンジン3のイグニッションスイッチIGNが接続されていて、イグニッションスイッチIGNのON,OFF状態が、検出可能となるように構成されている。
また、第1の冷却水流路24aの途中には、冷却水温度を検出して検出信号を水温信号(温度信号)として出力する信号通信システムの水温検出センサ(水温検出手段)30が、設けられている。
この水温検出センサ30は、エンジン3の周囲に設けられた冷却水の流路、又は冷却水循環流路24の少なくとも一方に設けられていて、信号通信システムを介してコントロールユニット29に接続されている。
そして、図3に示すように、この水温検出センサ30によって検出された水温は、前記信号通信システムを介して、接続される前記コントロールユニット29に、この水温検出センサ30で検出された検出信号として、入力するように構成されている。
更に、同様に、コントロールユニット29には、図3に示すように接続される冷房スイッチ31からの操作信号(ON・OFF信号)及び暖房スイッチ32からの操作信号(ON・OFF信号)が、入力されるように構成されている。
更に、コントロールユニット29には、空調ユニット5内への空気の吸込温度を検出する吸込温度センサ33、車室1内の温度を検出する内気温度センサ34、車室1の外の温度を検出する外気温度センサ35が接続されている。
これにより、吸込温度センサ33からの吸込空気温度検出信号、内気温度センサ34からの車室内温度検出信号、外気温度センサ35からの外気温度検出信号が、各々接続されたコントロールユニット29に入力されるようになっている。
尚、例えば、吸込温度センサ33は、エバポレータ7aの図示しないエア通路の上流側に設けられ、内気温度センサ34は、車室1内の前方位置に位置するインストルメントパネルの何れかの部分に設けられているが、必ずしもこれに、限定されるものではない。
しかも、コントロールユニット29には、吐出圧Pdを検出する吐出圧センサとしての冷媒圧力センサ36の冷媒圧力検出信号が、入力されるようになっている。
この冷媒圧力センサ36は、図1に示すように、圧縮機11と三方電磁切換弁17の間に設けられていて、第1の冷房冷媒配管11aの途中に位置するように接続されている。
これにより、冷媒圧力センサ36は、三方電磁切換弁17の切換位置にかかわらず圧縮機11から吐出される冷媒の吐出圧Pdを検出できる。
また、コントロールユニット29には、圧縮機11の回転数を検出する回転検出センサ37が、接続されていて、この回転検出センサ37からの回転数検出信号が入力されるように構成されている。
この回転検出センサ37は、前記クラッチCLとの接続により、同期するエンジン回転数を検出するように構成しても良く、圧縮機11の回転数を検出するものであればよい。
更に、コントロールユニット29は、冷房スイッチ31,暖房スイッチ32のON・OFF信号、吸込温度センサ33,内気温度センサ34,外気温度センサ35,水温検出センサ30等からの温度検出信号、回転検出センサ37からの回転数検出信号等に基づき、エンジン3の回転を圧縮機11に伝達する動力伝達機構(全体図示せず)のクラッチCLを断続制御して、圧縮機11を作動・停止制御することにより、車両用空調装置4を作動制御して車室1内の温度制御を行うようになっている。
尚、冷房スイッチ31及び暖房スイッチ32のON・OFFにより、後述する作用のAにおけるような冷媒流れを作るための(A)の通常の冷房運転(冷房サイクル)や(B)の外気温度が低い場合の暖房運転(暖房サイクル)を行うことができる。この(A)の通常の冷房運転や(B)の外気温度が低い場合の暖房運転のみを行うのであれば冷房スイッチ31及び暖房スイッチ32は、コントロールユニット29により自動的にON・OFFする構成であっても良いし、乗員の手動操作でON・OFFする構成のいずれでも良い。
この場合、エアコンスイッチ(空調スイッチ)38からのON・OFF信号をコントロールユニット29に入力すると共に、補助暖房スイッチとしての補助暖房マニュアルスイッチ39からのON・OFF信号をコントロールユニット29に入力するようにする。
このコントロールユニット29には、補助暖房マニュアルスイッチ39からのON・OFF信号に応じて、補助暖房が作動しているか否か、或いは、前記水温検出センサ30で検出された水温が、設定温度(例えば、摂氏65°C)以下である場合に、点灯により、モニタリング出来るLEDインジケータ41が、接続されている。
そして、エアコンスイッチ38がONしているときに、コントロールユニット29により冷房スイッチ31及び暖房スイッチ32のON・OFF制御を行うようにする。
この際、コントロールユニット29による冷房スイッチ31及び暖房スイッチ32のON・OFF制御は、車両各部の温度,圧縮機11の回転数や補助暖房マニュアルスイッチ39からのON・OFF状態等に基づいて行われる。
この車両各部の温度としては、吸込温度センサ33,内気温度センサ34,外気温度センサ35,水温検出センサ30等からの温度検出信号、冷媒圧力センサ36の冷媒圧力検出信号,回転検出センサ37からの回転数検出信号等が、前記コントロールユニット29に入力するように構成されている。
[作用]
次に、このコントロールユニット29による車両用空調装置4の制御作用を説明する。
I.冷房運転,暖房運転の冷媒流れ
(A).通常の冷房運転(冷房サイクル)
エンジン3の始動後に冷房スイッチ31からのON信号がコントロールユニット29に入力されると、コントロールユニット29は通常の冷房運転の制御を開始する。
[作用]
次に、このコントロールユニット29による車両用空調装置4の制御作用を説明する。
I.冷房運転,暖房運転の冷媒流れ
(A).通常の冷房運転(冷房サイクル)
エンジン3の始動後に冷房スイッチ31からのON信号がコントロールユニット29に入力されると、コントロールユニット29は通常の冷房運転の制御を開始する。
この際、コントロールユニット29は、三方電磁切換弁17を作動制御して、この三方電磁切換弁17により、圧縮機11の前記冷媒圧力センサ36が設けられた冷媒出口と、第1のバイパス冷媒配管17aとの連通を遮断させると共に、圧縮機11の冷媒出口と、コンデンサ12の冷媒入口とを連通させる。
この後、コントロールユニット29は、ヒータユニット8のドア駆動装置(ドア駆動手段)8c1を作動制御して、図2中実線位置で示すように、前記ミックスドア8cにより、ヒータコア8aのエア通路の上流側を閉成すると共に、インテークユニット6bのドア駆動手段6c1を作動制御して、インテークユニット6bの外気取入口6b1を、図2中二点鎖線で示すインテークドア6cの位置で閉成して、内気取入口6b2を開放する。
これに伴い、コントロールユニット29は、送風ファン6aを作動させて内気取入口6b2から車室1内の空気が吸い込まれる。
この吸い込まれた空気は、風路5aを流れてエバポレータ7aの図示しないエア通路内を流れて通過した後、ヒータユニット8のバイパス風路8b,混合室8dを介して吹出口8eから車室1内に吹き出される。
一方、コントロールユニット29は、圧縮機11を作動制御してガス状の冷媒(冷媒ガス)の圧縮を開始し、高温高圧の圧縮冷媒を第1の冷房冷媒配管11aに吐出する。この圧縮冷媒は、三方電磁切換弁17を介して、コンデンサ12に供給されて、コンデンサ12で冷却され、凝縮されて液体の凝縮冷媒(冷媒液)となる。
この凝縮冷媒は、リキッドタンク13に貯留された後、第2の冷房冷媒配管13aを介して、第1の膨張手段としての膨張弁14に供給されて膨張(減圧)される。
この減圧された凝縮冷媒は、車室1内のエバポレータ7aに供給されて、送風ファン6aから送風され且つエバポレータ7a内のエア通路を流れる車室1から送られてきた空気の熱を吸収し、空気の温度を低下させる。
この温度が低下した空気は、上述したように吹出口8eから車室1内に吹き出されて、車室1内が冷房される。
この際、吸熱により膨張弁14からの液体冷媒(冷媒液)は、蒸発させられてガス状の冷媒(冷媒ガス)となり、この冷媒(冷媒ガス)は、第3の冷房冷媒配管7a1,第1の一方向弁15,第4の冷房冷媒配管15a,アキュームレータ16を介して、圧縮機11に戻されて循環し、この圧縮機11で、圧縮される。
(B).外気温度が低い場合の暖房運転
また、車両の図示しないイグニッションスイッチをONさせて、エンジン3を始動させると、エンジン3の周囲に設けられた流路の冷却水の水温が、水温検出センサ30で検出され、この水温検出センサ30から温度検出信号が出力され、この温度検出信号が、コントロールユニット29に入力される。
(B).外気温度が低い場合の暖房運転
また、車両の図示しないイグニッションスイッチをONさせて、エンジン3を始動させると、エンジン3の周囲に設けられた流路の冷却水の水温が、水温検出センサ30で検出され、この水温検出センサ30から温度検出信号が出力され、この温度検出信号が、コントロールユニット29に入力される。
この状態で、暖房スイッチ32をONさせて、このON信号を車両用空調装置4の暖房運転の指令としてコントロールユニット29に入力すると、コントロールユニット29は水温検出センサ30の温度検出信号から冷却水の温度が、車室1内の暖房に必要な温度(所定温度)に達しているか否かを判断する。
そして、コントロールユニット29は、冬期等の外気温度が低い場合における熱源(エンジン等)の始動初期に、冷却水の温度(水温)が車室1内の暖房に必要な温度(所定温度)に達していないと判断すると、三方電磁切換弁17を作動制御する。
この際、コントロールユニット29は、三方電磁切換弁17により、圧縮機11の前記冷媒出口と、コンデンサ12の冷媒入口との間が、遮断されると共に、圧縮機11の前記冷媒出口と、バイパス冷媒循環回路9bの第1バイパス冷媒配管17aとが連通される。
この状態では、圧縮機11を作動させても、冷媒が、前記冷房サイクルのように、コンデンサ12,リキッドタンク13,膨張弁14,エバポレータ7a等を流れることはない。
この後、コントロールユニット29は、ヒータユニット8のドア駆動装置8c1を作動制御して、図2中二点鎖線で示す様に、前記ミックスドア8cにより、ヒータコア8aのエア通路の上流側を開くと共に、インテークユニット6bのドア駆動手段6c1を作動制御して、インテークユニット6bの外気取入口6b1が閉成されると共に、内気取入口6b2が開放される。
この状態で、コントロールユニット29は、送風ファン6aを作動させて内気取入口6b2から車室1内の空気を吸い込ませる。この吸い込まれた空気は、風路5aを流れてエバポレータ7aのエア通路内を流れて通過した後、ヒータユニット8のエア通路,混合室8dを介して吹出口8eから車室1内に吹き出される。
この状態で、圧縮機11を作動させても、エバポレータ7aには、上述したように冷媒が供給されていないので、送風ファン6aで送風される空気がエバポレータ7aのエア通路内を流れて透過しても、空気がエバポレータ7aで冷却されることはない。
一方、コントロールユニット29によって、圧縮機11は作動されて圧縮された冷媒ガスが、高温の圧縮冷媒となって第1の冷房冷媒配管11aに吐出される。
この圧縮冷媒は、三方電磁切換弁17,第1バイパス冷媒配管17a,第1の外部熱交換器18,第2バイパス冷媒配管18b,第2の外部熱交換器18a,第2の膨張手段又は減圧手段19,第3の外部熱交換器20,第3バイパス冷媒配管20a,第2の一方向弁21,アキュームレータ16等の順に流れて圧縮機11に戻され、所謂暖房サイクル内を循環する。
この際、圧縮冷媒は、第1の外部熱交換器18で放熱され、高圧の液体冷媒(高圧液体冷媒)になり、第2の外部熱交換器18aに流入する。
この第2の外部熱交換器18aに流入した液体冷媒の熱は、第3の外部熱交換器20内の冷媒に吸熱されて、第3の外部熱交換器20内の冷媒を加熱し、第2の膨張手段又は減圧手段19に供給される液体冷媒の圧力が低下される。
この圧力が低下させられた液体冷媒は、第2の膨張手段又は減圧手段19で、膨張・減圧させられて、第3の外部熱交換器20内に流入する。
そして、この低圧の液体冷媒が、第2の外部熱交換器18aからの熱を第3の外部熱交換器20内で吸収して蒸発させられることにより、冷媒ガスとなる。
この蒸発させられた冷媒ガスは、前記第3バイパス冷媒配管20a,第1の一方向弁15,アキュームレータ16を介して圧縮機11に戻される。
これに伴い、圧縮冷媒は、第1の外部熱交換器18を流れる際に、第1の外部熱交換器18と、この第1の水用熱交換器26との間で熱の授受を行い、第1の水用熱交換器26内をヒータコア8a側に流れる冷却水を加熱する。
この第1の外部熱交換器18と、第1の水用熱交換器26との間で熱交換されて、水用熱交換手段25で加熱された冷却水は、ヒータコア8aに供給されて、ヒータコア8a内を流れる空気が加熱されて暖められる。
そして、この暖められた空気が、吹出口8eから車室1内に吹き出されて車室1内を暖めることが出来る。
しかも、この実施の形態では、第2の一方向弁21を介して、前記アキュームレータ16に戻る暖房用冷媒が、前記圧縮機11の上流側で、前記第1の一方向弁15を介して、エバポレータ7aから戻る冷房用冷媒と合流されて、前記圧縮機11の入口付近における冷媒量が不足する可能性を更に減少させることが出来る。
次に、この発明の実施の形態の車両用空調装置の作用効果について、図4に示すフローチャートに沿って説明する。
この実施の形態の車両用空調装置では、Step1で、イグニッションスイッチIGNが、ON状態となると、前記コントロールユニット29では、車両用空調装置4の制御を開始する。
この図4に示すフローチャートでは、この車両用空調装置4の制御のうち、主に、通常空調モードと、補助暖房モードとの切換が行われる際、過渡状態や或いは待機状態での補助暖房冷媒回収モード及び補助暖房待機モードからの移行のタイミングを詳述している。
すなわち、Step1で、制御が開始されると、Step2では、前記補助暖房マニュアルスイッチ39が、ON状態となっているか否かが判定される。
Step2で、前記補助暖房マニュアルスイッチ39が、ON状態となっていると判定されると、次のStep3に進み、ON状態ではなく、OFF状態であると判定されると、Step5に進み、通常空調モードが開始される。
このため、前記補助暖房マニュアルスイッチ39が、入れられてON状態となっていないと、補助暖房が開始されない。
Step3では、前記補助暖房マニュアルスイッチ39が、入れられて、OFF状態からON状態となる際、前記水温検出センサ30で検出された前記第1の冷却水流路24aの途中の冷却水温度が、設定温度(例えば、摂氏65°C)以下であるか否かが判定される。
設定温度以下であると判定されると、次のStep4に進むと共に、前記LEDインジケータ41が、点灯されて、設定温度以下であることが、低水温ランプ点灯等により、乗員に認識される。
前記水温検出センサ30で検出された水温が、設定温度以下でないと判定されると、Step5に進み、前記通常空調モードが開始される。
Step4では、前記エアコンスイッチ38のうち、冷房スイッチ31の状態が、OFF状態であるか否かが判定される。
Step4で、冷房スイッチ31の状態が、OFF状態であると判定されると、次のStep6に進み、補助暖房冷媒回収モードが開始される。
また、冷房スイッチ31の状態が、OFF状態ではなく、ON状態であると判定されると、Step5に進み、通常空調モードが開始される。
このため、除湿優先で、クーラー使用時には、補助暖房が入らない。
Step5では、通常空調モードとして、前記コントロールユニット29から、前記三方電磁切換弁17に、冷房サイクル側に切り替えるOFF信号が出力されると共に、A/Cアンプ(図示せず)から前記クラッチCLに、エンジン3の駆動力を、前記圧縮機11とは、切り離して非伝達状態とするOFF信号が出力される。
また、可変容量コンプレッサで構成されている場合は、A/Cアンプからの指示により、吐出量支持値が与えられる。
すなわち、補助暖房は、この通常空調モードでは、何もせず、基本的に冷房用エアコンAMPに、車両用空調装置の温調制御が任せられる。
Step6では、補助暖房冷媒回収モードが開始される。
この補助暖房冷媒回収モードでは、前記コントロールユニット29から、前記三方電磁切換弁17に、冷房サイクル側に切り替えるOFF信号が出力されると共に、A/Cアンプから前記クラッチCLに、エンジン3の駆動力を、前記圧縮機11へ伝達状態とするON信号が出力される。
また、可変容量コンプレッサで構成されている場合は、A/Cアンプからの指示により、吐出量支持値が最大に設定される。
この実施の形態では、冷間起動時等の初回起動時における冷媒回収運転が、30秒間行われて、吸込側の冷媒が負圧とならないように、前記圧縮機11の駆動の開始が遅らせられる遅延制御が行われる。
このため、Step7では、補助暖房冷媒回収モードが、開始されてから設定時間が経過したか否かが判定される。補助暖房冷媒回収モードが、開始されてから設定時間が、経過していない場合は、Step6に戻り、補助暖房冷媒回収モードが、開始されてから設定時間が経過した場合には、次のStep8へ進む。
Step8では、前記圧縮機11の吸込側の冷媒圧力が、図1中二点鎖線で示す吸込圧センサ136で実測されなくても、吸込側の冷媒圧力Psが、このまま運転を開始すると負圧になる場合、すなわち、前記冷媒圧力センサ36によって検出された吐出圧Pdから、前記圧縮機11の吸込側の冷媒圧力Psが、低い状態であることが、推定により検知される。
このように、吸込側の冷媒圧力Psが、負圧になる場合には、次のStep9の補助暖房待機モードに進み、負圧にならない場合、Step10の補助暖房モードに進む。
Step9では、補助暖房待機モードとして、前記コントロールユニット29から、前記三方電磁切換弁17に、暖房サイクル側に切り替えるON信号が出力されると共に、A/Cアンプから、前記クラッチCLに、エンジン3の駆動力を、前記圧縮機11とは、切り離して非伝達状態とするOFF信号が出力されるか、または、可変容量コンプレッサで構成されている場合、コンプクラッチ信号として、ON信号が出力されて、吐出量指示値を減少若しくは、最低値に設定し、Step8へ戻る。
また、Step10では、補助暖房モードに入り、前記コントロールユニット29から、前記三方電磁切換弁17に、暖房サイクル側に切り替えるON信号が出力されると共に、コンプクラッチ信号として、エンジン3の駆動力を、前記圧縮機11と連結して伝達状態とするON信号が出力される。
この際、可変容量コンプレッサは、目標である吐出圧となるように、比例積分制御が行われる。
上述してきたように、この実施の形態の車両用空調装置では、前記冷媒圧力センサ36によって検出された吐出圧Pdから、前記圧縮11機の吸込側の冷媒圧力Psが、推定されるようにして構成されている。
そして、前記制御手段としてのコントロールユニット29では、冷媒圧力Psが、低いと推定された場合、前記圧縮機11の駆動が、抑制制御される。
ここで、冷媒圧力が低いと推定される場合とは、他に、前記外気温度センサ35で、検出される外気温が、低い場合(例えば、摂氏5°C以下)、図1中二点鎖線で示す吸込圧センサ136で、実測された吸い込み側の冷媒圧力が、低く、このまま、運転を開始すると負圧になることが想定される場合、若しくは、外気温が低く、しかも冷媒圧力が低い場合や、車両が停止して、エンジン3が動作していない状態が一定時間以上続く運転履歴となる場合等が挙げられ、これらの何れかが検知され、若しくは、これらが組み合わせられて検知され、負圧になると推定される場合である。
このように、前記バイパス冷媒循環回路9bによって、前記冷房用冷媒循環回路9の一部から導出された圧縮冷媒が、エンジン3の補助として前記暖房用冷却水循環回路10内を挿通されて前記ヒータコア8aに送られる冷却水との間の熱交換を行う所謂暖房サイクルの運転の始動初期に、この補助暖房待機モードによる抑制制御で、前記圧縮機11の吸込側の冷媒が、負圧状態とならない条件が揃うまで、運転駆動を開始させないように出来、負圧が発生する可能性を減少させることが出来る。
この抑制制御により、例えば、図7に示す様なコンプレッサ本体101の筐体101aの外側面101bから回転軸部102の一部102aが、回転可能に突設されている開放型の圧縮機11に適用しても、吸込口105側の圧力P1が維持されて、冷媒流路104内の冷媒の漏出が防止されると共に、負圧の発生が未然に防止される。
このため、図8中矢印で示すように、回転軸部102の周囲と、前記ゴムシールリング部材103とのシールリップ部103aとの間の圧着状態が保持されて、大気F3が、吸込口105側の冷媒流路104内に侵入するようなことがない。
よって、気温が低い状態等、吸込口105側の圧力P1が低い状態から運転が開始される所謂冷間始動でも、吸込口105近傍の冷媒流路104内の圧力が、負圧まで低下して、大気圧よりも低くなることが無く、この回転軸部102の一部102aの外周面に摺接しているシールリップ部103aが、図7及び図8中に示すような単純な形状で構成されているシール部材を採用しても、シール性を良好なものとすることが出来、複雑な形状を呈するシール部材に比して、製造コストの増大が抑制される。
しかも、複雑な形状を呈するシール部材に比して、一部102aの外周面に摺接される接触面積を少なくして、回転摩擦の増大を抑制出来る。
従って、圧縮機11の駆動効率が向上して、更に良好な冷暖房効率を得ることが出来る。
このように、この実施の形態では、冷間起動時等、暖房用冷却水循環回路10内を、前記ヒータコア8aに送られる冷却水と、前記バイパス冷媒循環回路9bとの間で熱交換させる簡単な構成で、冷却水の温度を上昇させることが出来る。
しかも、圧縮機11内部に大気を侵入させること無く、冷媒圧縮比が、大気の侵入によって変動するようなことも無く、良好な冷暖房効率を達成出来る。
よって、外気温度が低い場合における熱源(エンジン)等の始動初期にも、快適に車室内の暖房を行うことができる車両用空調装置4が提供される。
<変形例1>
また、前記水温検出センサ30、外気温度センサ35、冷媒圧力センサ36、吸込圧センサ136、及び運転履歴等によって、前記圧縮機11の吸込側の冷媒圧力が、低い状態であることが、実測又は推定により検知されると、前記コントロールユニット29では、前記圧縮機11の冷媒吐出量を減少させる低減駆動を行うように構成されていてもよい。
また、前記水温検出センサ30、外気温度センサ35、冷媒圧力センサ36、吸込圧センサ136、及び運転履歴等によって、前記圧縮機11の吸込側の冷媒圧力が、低い状態であることが、実測又は推定により検知されると、前記コントロールユニット29では、前記圧縮機11の冷媒吐出量を減少させる低減駆動を行うように構成されていてもよい。
このような低減駆動が行われる場合、前記圧縮機11が、一時的に停止されるか、又は間欠駆動されて、圧縮機11の駆動に伴う冷媒吐出量が減少する。
このため、前記圧縮機11の吸込側の冷媒が、負圧状態となる可能性を減少させながら、前記圧縮機11の低減駆動により、冷暖房を行う圧縮冷媒を得ることが出来る。
<変形例2>
更に、前記水温検出センサ30、外気温度センサ35、冷媒圧力センサ36、吸込圧センサ136、及び運転履歴等によって、前記圧縮機11の吸込側の冷媒圧力が、低い状態であることが、実測又は推定により検知されると、前記コントロールユニット29では、前記圧縮機11の駆動の開始を遅らせるように構成してもよい。
更に、前記水温検出センサ30、外気温度センサ35、冷媒圧力センサ36、吸込圧センサ136、及び運転履歴等によって、前記圧縮機11の吸込側の冷媒圧力が、低い状態であることが、実測又は推定により検知されると、前記コントロールユニット29では、前記圧縮機11の駆動の開始を遅らせるように構成してもよい。
このように、前記コントロールユニット29で、前記圧縮機11の駆動の開始が遅らせられた場合、水用熱交換手段25により冷媒循環回路9bの冷媒を加熱することで、冷媒の温度が上昇し、一定時間経過後、駆動に伴って冷媒が吐出される。
このため、冷間起動時等には、冷媒の温度が上昇して吸込側の冷媒が負圧にならない状態となってから、この圧縮機11を駆動させることが出来、前記冷媒に大気が混入する可能性を減少させることが出来る。
<変形例3>
また、図1中二点鎖線で示す前記吸込圧センサ136が設けられる圧縮機11の吸込口側位置に、冷媒温度センサを設けてもよい。この冷媒温度センサで検知された冷媒温値のみで、或いは、前記水温検出センサ30、外気温度センサ35、冷媒圧力センサ36、吸込圧センサ136、及び運転履歴等と共に、検知された冷媒温値及び、外気温値等が、予め各々設定された冷媒温値及び、外気温値等よりも低い場合には、前記圧縮機11の吸込口側の冷媒圧力が低い状態であると推定してもよい。
また、図1中二点鎖線で示す前記吸込圧センサ136が設けられる圧縮機11の吸込口側位置に、冷媒温度センサを設けてもよい。この冷媒温度センサで検知された冷媒温値のみで、或いは、前記水温検出センサ30、外気温度センサ35、冷媒圧力センサ36、吸込圧センサ136、及び運転履歴等と共に、検知された冷媒温値及び、外気温値等が、予め各々設定された冷媒温値及び、外気温値等よりも低い場合には、前記圧縮機11の吸込口側の冷媒圧力が低い状態であると推定してもよい。
この場合、予め各々設定された各値を、各検知された値と比較するだけで、前記圧縮機11の駆動の開始により、吸込側が負圧となる可能性があると判断出来る。
このため、前記冷媒温度センサから送られてくる冷媒温度又は、車外の大気の温度を検出する外気温センサから送られてくる外気温度を検出することにより、吸込口側の冷媒圧力を直接、検出しなくても、前記コントロールユニット29で前記圧縮機の駆動を、抑制制御することが出来る。
従って、追加の圧力センサ等の部品点数の増大を抑制出来ると共に、推定する際の演算処理の速度を、比較判定により速めて、応答速度を向上させることが出来る。
<変形例4>
更に、圧縮機11の回転数を検出する前記回転検出センサ37に代えて、エンジン回転数を検出するエンジン回転検出センサを用いても良い。
更に、圧縮機11の回転数を検出する前記回転検出センサ37に代えて、エンジン回転数を検出するエンジン回転検出センサを用いても良い。
この場合、このエンジン回転検出センサによって、予め設定された車両停止状態、例えば、エンジンが停止している車両状態が検知されると、前記圧縮機11の吸込側の冷媒圧力が低い状態であると推定されて、前記圧縮機11の駆動の開始により、吸込側が負圧となると判断される。
このため、例えば、エンジンの駆動が最後に停止された時間から、起動までの時間を計測することにより、冷間起動であることが分かり、吸込側の冷媒圧力を直接、検出しなくても、前記コントロールユニット29で、前記圧縮機11の抑制制御を行うことが出来る。
<変形例5>
また、圧縮機11として、可変容量コンプレッサを用いても良い。
また、圧縮機11として、可変容量コンプレッサを用いても良い。
この場合、前記コントロールユニット29による抑制制御で、前記圧縮機11の駆動を開始した後、一駆動サイクル当たりの吐出容量が、減少させられて、可変容量制御が行われる。
このように、可変容量機能を有する可変容量コンプレッサでは、前記コントロールユニット29による抑制制御の制御信号を変更することにより、容易に行わせることが出来る。
更に、エンジン等の始動から所定の時間が経過して、この熱源(エンジン等)からの受熱等で、圧縮機11の吸込側の冷媒圧力が上昇すると、吸込圧センサ136から送られてくる検知状態では、前記吸込側の冷媒の圧力状態が、負圧にならないと判断される。
そして、前記圧縮機11の駆動を再開又は、吐出量を増加させる復帰制御が行われる。
このため、更に、冷暖房効率が低下するようなことのない車両用空調装置が提供される。
<変形例6>
また、前記エンジン回転数等、運転履歴によって、検知する場合、エンジン3の始動から経過した時間、例えば、前記コントロールユニット29に接続されたイグニッションスイッチIGNをONとしてから、経過した時間を、前記コントロールユニット29に入力するIGNON信号によって、計測して、前記圧縮機11の駆動を再開又は、吐出量を増加させる復帰制御を行うようにしてもよい。
また、前記エンジン回転数等、運転履歴によって、検知する場合、エンジン3の始動から経過した時間、例えば、前記コントロールユニット29に接続されたイグニッションスイッチIGNをONとしてから、経過した時間を、前記コントロールユニット29に入力するIGNON信号によって、計測して、前記圧縮機11の駆動を再開又は、吐出量を増加させる復帰制御を行うようにしてもよい。
上述してきたように、従来のヒートポンプ式の補助暖房装置では、この実施の形態の水用熱交換手段25に相当する熱交換器が、エアコンユニット装置の筐体内に内蔵されている分、筐体が大型化して、スペース効率が良好とは言い難かったが、空調ユニット5の風路5aに、前記水用熱交換手段25が、設けられていなくても良い。
このため、前記水用熱交換手段25が、占めていたユニット内部空間が減少し、空調ユニット5を小型化出来ると共に、従来、多種で、しかも、エンジンルーム2の車両前後方向に渡り、車両前端近傍に設けられていたコンデンサへ向けて、空調ユニット5から、延設されていた前記水用熱交換手段25の配管が不要となり、構成を更に簡易なものとすることが出来る。
また、前記圧縮機11の上流側で、暖房用冷媒が、前記エバポレータ7aから戻る冷房用冷媒と合流されている。
このため、前記圧縮機11の入口付近における冷媒量が不足する可能性を、更に減少させることが出来る。
しかも、空調ユニット5の筐体5b内に熱交換器を設ける必要が無いので、車両用空調装置4全体を、小型化することが可能であるとともに、この車両用空調装置4を車両へ搭載する際のレイアウト効率を良好なものとすることが出来る。
以上説明した実施の形態では、エンジン3の周囲に設けられた流路からヒータコア8aに供給される冷却水を流す第1の水用熱交換器26を設けると共に、ヒータコア8aからエンジン3の図示しない周囲の流路内に戻される冷却水を流す第2の水用熱交換器27を設けて、冷媒凝縮用の第1の外部熱交換器18を第1,第2の水用熱交換器26,27間に介装した例を示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。
例えば、図5に示す様に、第2の水用熱交換器27を図1中に記載された第1の外部熱交換器18に加えて、熱交換可能に接続して、この第2の水用熱交換器27と、第1の水用熱交換器26との間に、前記第1の外部熱交換器18を介在させて、第1の水用熱交換器26内の冷却水を加熱可能となるように設けても良い。
この場合には、第1の水用熱交換器26,第2の水用熱交換器27及び第1の外部熱交換器18により、冷却水加熱用熱交換手段128が構成される。
また、第2の水用熱交換器27も第1の外部熱交換器18と一体に設けられていて、この第2の水用熱交換器27と第1の外部熱交換器18との間で熱の授受を行うことができるように構成されている。
このように構成された実施例1記載の車両用空調装置では、前記実施の形態の車両用空調装置の作用効果に加えて、更に、これらの第2の水用熱交換器27と第1の外部熱交換器18との間で行われる熱の授受により、第1の外部熱交換器18からの液体冷媒は、ヒータコア8aからエンジン3の周囲に設けられた流路側に流れる冷却水が、加熱される。
このように、第1の外部熱交換器18と、第1の水用熱交換器26又は第2の水用熱交換器27との間で熱の授受を行い、ヒータコア8aから流出して第2の水用熱交換器27で、エンジン3方向へ流れる冷却水を加熱することができる。
このため、例えば、熱源として、エンジンや或いは二次電池等を用いた場合、早期に作動適正温度まで昇温させることができる。
他の構成及び作用効果については、前記実施の形態の車両用空調装置と同一乃至均等であるので、説明を省略する。
また、図6に示す実施例2の車両用空調装置では、前記実施例1中、図5に示される第1の水用熱交換器26を省略して第1の外部熱交換器18で、第2の水用熱交換器27内の冷却水を加熱可能とするように設けても良い。
この場合には、第2の水用熱交換器27および第1の外部熱交換器18により、冷却水加熱用熱交換手段228が構成される。
このように構成された実施例2記載の車両用空調装置では、前記実施の形態又は実施の例1の車両用空調装置の作用効果に加えて、更に、第1,第2の水用熱交換器26,27のうち、何れか一方を省略することができる。
他の構成及び作用効果については、前記実施の形態及び実施例1の車両用空調装置と同一乃至均等であるので、説明を省略する。
以上説明したように、この発明の実施の形態及び実施例1,2の車両用空調装置は、冷媒を、圧縮機11,車室1外の冷媒凝縮用のコンデンサ12,第1の膨張手段又は減圧手段としての膨張弁14,車室内の空気冷却及び液体冷媒蒸発用のエバポレータ7aの順に循環させる冷房用冷媒循環回路9と、冷却水を車室1内のヒータコア8aとの間で循環させる暖房用冷却水循環回路10とを有しているが、特にこれに限らず、エンジン3によって駆動されないでも、電動モータ等、他の駆動力を用いて駆動される圧縮機11であるならばよい。
また、車両用空調装置4は、前記コンデンサ12及び前記エバポレータ7aと並列に前記圧縮機11に接続されたバイパス冷媒循環回路9bと、前記圧縮機11の冷媒吐出口を前記コンデンサ12と前記バイパス冷媒循環回路9bとのいずれかに切り換え連通させる三方電磁切換弁17とを有しているが、特にこれに限らず、例えば、前記冷房用冷媒循環回路9から導出されるもので、ヒータコア8aとの間で循環させる暖房用冷却水循環回路10に設けられた第1の外部熱交換器18と熱交換可能な第1の水用熱交換器26に、冷媒を送ることが可能な構成であれば、複数の開閉弁を組み合わせたり、他の駆動方式の切換弁等、種類の異なる切換弁を単独若しくは組み合わせる等、どのようなものを流路制御手段として用いても、冷房冷媒循環回路9aと、バイパス冷媒循環回路9bとの切換を行えるものであれば良い。
更に、この車両用空調装置4は、前記エンジン3の周囲の流路内と前記ヒータコア8aとの間に介装された水用熱交換手段25及び前記バイパス冷媒循環回路9bの途中に設けられた前記水用熱交換手段25との間には、熱の授受が行われる冷却水加熱用熱交換手段28と、前記冷却水の温度を検出して温度信号を出力する水温検出センサ30とを備えているが、これらの冷却水加熱用熱交換手段28及び水温検出センサ30の取り付けられる位置が、特に限定されるものではない。
更に、車両用空調装置4は、前記エンジン3が、駆動を開始した時の前記冷却水の温度が所定値以下の場合でも、冷房冷媒循環回路9aの圧縮機11を抑制制御して、作動させると共に、前記三方電磁切換弁17を切り替える作動制御を行い、前記圧縮機11の冷媒吐出口を、前記バイパス冷媒循環回路9bに連通させるように、コントロールユニット29を構成しても良い。
例えば、前記圧縮機11の駆動によって、圧縮機11の吸込口側が、負圧とならないように抑制制御されるものであれば、例えば、(1)圧縮機11の作動を一時的にOFF状態としたり、間欠運転させる、(2)圧縮機11の駆動回転数を低下させて運転する、(3)可変コンプレッサを用いて構成されている場合であれば、吐出量を減少させる制御を行ったり、前記(1)(2)(3)の制御を組み合わせて行う等、どのようなコントロールユニット29による抑制制御でもよい。
また、前記冷媒用熱交換手段は、前記バイパス冷媒循環回路9bの途中に直列に設けられた冷媒凝縮用の第1,第2の外部熱交換器18,18aと、前記第1,第2の外部熱交換器18,18aで凝縮された冷媒を膨張させる第2の膨張手段又は減圧手段19と、前記第2の膨張手段又は減圧手段19で膨張させられた液体冷媒から吸熱して液体冷媒を蒸発させる第3の外部熱交換器20を備えている。
また、前記水用熱交換手段25は、前記周囲の流路内と前記ヒータコア8aとの間を流れる冷却水を流す水用熱交換器として、前記実施の形態、及び実施例1.2では、第1の水用熱交換器26と第2の水用熱交換器27の少なくとも一方、又は第1の水用熱交換器26と第2の水用熱交換器27との両方を備え、前記第1の外部熱交換器18は前記水用熱交換器、すなわち、第1の水用熱交換器26と第2の水用熱交換器27の少なくとも一方、又は第1の水用熱交換器26と第2の水用熱交換器27の両方内の冷却水を加熱可能に設けられていると共に、前記第2の外部熱交換器18a,第3の外部熱交換器20は、互いに熱交換可能に重ね合わせて一体に設けられているが、特にこれ限らず、どのような接触形状で、熱交換が行われるように構成されていてもよい。
これらの構成によれば、外気温度が低い場合における熱源(エンジン等)の始動初期に冷却水を用いて車室内の暖房を行う際に、冷却水の温度を早期に上昇させることができる。
即ち、外気温度が低い場合における熱源(エンジン等)の始動初期に、冷媒用の第1の外部熱交換器18の放熱を利用して冷却水を加熱して、冷却水の温度を、前記ヒータコア8aを通過する空気が温風となる温度まで、上昇させることができる。
また、この発明の実施の形態の車両用空調装置において、前記第1の水用熱交換器26は、前記エンジン3の周囲の流路内から前記ヒータコア8aに冷却水を流す前記第1の冷却水流路24a途中に設けられている。
この構成によれば、外気温度が低い場合における熱源(エンジン等)の始動初期に冷却水を用いて車室内の暖房を行う際に、周囲の流路内からヒータコア8aに流れるエンジン3の冷却水の温度を急速に上昇させることができる。
即ち、外気温度が低い場合では、熱源としてエンジン3を用いる車両の始動初期であっても、冷媒用の第1の外部熱交換器18からの熱を利用して、このヒータコア8aを通過する冷却水を加熱して、冷却水の温度を上昇させることができる。
そして、前記熱源としてエンジン3を用いる車両に、この発明の実施の形態及び実施例1,2に記載された車両用空調装置4を適用したものを示して説明してきたが、特にこれに限らず、電気自動車等の車両では、熱源として、バッテリ、インバータ、コンバータ等の電子装備部品や、或いは、サーモヒータ、PTCヒータ、セラミックヒータや、通電により発熱する電熱器等、又は排気管周囲の排熱等を用いても、冷却水を熱源とヒータコア8aとの間で循環させるものであれば良い。
また、この発明の実施例1の車両用空調装置4において、エンジン3の周囲に形成された流路からの冷却水は、第1の水用熱交換器26を介してヒータコア8a内に流入した後、ヒータコア8aから流出して、第2の水用熱交換器27を介して、前記エンジン3の周囲の流路に戻されて循環する。
この実施例1の構成では、前記第1の外部熱交換器18と熱交換を行う第2の水用熱交換器27が、前記ヒータコア8aから、前記周囲の流路内に冷却水を流す流路途中に設けられている。
この構成によれば、外気温度が低い場合における熱源(エンジン等)の始動初期に冷却水を用いて車室内の暖房を行う際に、ヒータコア8aから周囲の流路内に戻される熱源としてのエンジン3の冷却水の温度を早期に上昇させることができる。
即ち、外気温度が低い場合における熱源(エンジン等)の始動初期にヒータコア8aを循環して、冷媒用の第1の外部熱交換器18の放熱を利用して、第2の水用熱交換器27内を通過する際に加熱された冷却水を、エンジンの周囲の流路に暖められたままの状態で、戻り、早期にエンジン周囲の温度を上昇させることができる。
また、この発明の実施の形態のうち、実施例1の車両用空調装置4では、前記水用熱交換手段25は、前記エンジン3の周囲の流路内から、前記ヒータコア8aに冷却水を流す第1の冷却水流路24aの流路途中に設けられた第1の水用熱交換器26と、前記ヒータコア8aから前記エンジン3の周囲の流路内に冷却水を流す第2の冷却水流路24bの途中に設けられた第2の水用熱交換器27とを備えると共に、前記第1の外部熱交換器18は、前記第1,第2の水用熱交換器26,27間に介装されている。
この構成によれば、外気温度が低い場合における熱源(エンジン等)の始動初期に冷却水を用いて車室内の暖房を行う際に、周囲の流路内からヒータコア8aに流れるエンジン冷却水の温度を更に、早期に上昇させることができる。
即ち、外気温度が低い場合におけるエンジン始動初期に、冷媒用の第1の外部熱交換器18の放熱を利用して周囲の流路内からヒータコア8aに流れる冷却水を加熱して、冷却水の温度を急速に上昇させることができる。
しかも、外気温度が低い場合における熱源(エンジン等)の始動初期に、冷却水を用いて車室内の暖房を行う際に、ヒータコア8aから周囲の流路内に戻される冷却水の温度を急速に上昇させることができる。
即ち、外気温度が低い場合における熱源(エンジン等)の始動初期に、冷媒用の第1の外部熱交換器18の放熱を利用してヒータコア8aから周囲の流路内に戻される冷却水を加熱して、冷却水の温度を上昇させることができる。
これにより、車室内への空気を暖めるためにヒータコア8a内で冷却水の水温が低下させられても、この冷却水が、エンジン3の周囲の流路内に戻される際に、第1の外部熱交換器18からの熱で、前記第2の水用熱交換器27内を通過する際に、加熱されるので、熱源(エンジン等)の暖機運転時間を短縮出来る。
また、第1,第2の水用熱交換器26,27と、第1の外部熱交換器18とは、一体に設けられているので、第1,第2の水用熱交換器26,27と、第1の外部熱交換器18等とからなる冷却水加熱用熱交換手段28を小型化できると共に、冷却水加熱用熱交換手段28の配設するスペースが小さくても良くスペース効率が良好である。
尚、前記圧縮機11は、クラッチCL及びプーリPLと、ベルトBL等からなる動力伝達手段40を介して、熱源としてのエンジン3に連動させられているが、特にエンジン3に限らず、例えば電動モータ等、他の動力から駆動力を得るように構成されていても良く、この場合、前記クラッチCL等の動力伝達手段40を、簡略化して部費点数を省略若しくは減少させることができる。
また、前記回転検出センサ37は、前記プーリPLの回転数を検出することにより、圧縮機11の回転数を、又は、熱源が、エンジン3である場合には、エンジン回転数を測定できるプーリー回転数検出手段であっても良い。
更に、前記回転検出センサ37は、前記クラッチCLとの接続により、同期するエンジン回転数を検出するように構成しても良く、エンジ回転数若しくは、圧縮機11の回転数を検出出来るものであれば、例えば、電動モータで回転駆動される圧縮機11として構成されていてもよく、このような場合、電動モータの回転数若しくは、圧縮機11の回転数を直接、検出するように構成してもよい。
更に、コントロールユニット29による冷房スイッチ31及び暖房スイッチ32のON・OFF制御に加えて、補助暖房の抑制制御も、車両各部の温度,圧縮機11の回転数や補助暖房マニュアルスイッチ39からのON・OFF状態等に基づいて行われるように構成されているが、特にこれに限らず、例えば、補助暖房マニュアルスイッチ39を設けなくても良く、この場合、暖房スイッチ32に連動させて、暖房スイッチ32の冷間起動時に、補助暖房スイッチが、自動でON状態となるように切り替えられるようにするのがより好ましい。
このように、暖房スイッチ32のON・OFF状態等に基づいて、補助暖房の抑制制御が行われるように構成されても良く、コントロールユニット29により自動的に,あるいは乗員の手動操作のいずれかによって行われるように構成されていてもよい。
上述してきた様に、この発明の車両用空調装置では、冷暖房運転時の冷暖房効率を低下させること無く、冷間起動時でも、冷房サイクルを用いて冷却水の温度を早期に上昇させることが出来て、即暖性が確保でき、車室内を快適に成し得る。
1・・・車室
3・・・エンジン(熱源)
7a・・・エバポレータ
8a・・・ヒータコア
9・・・冷房用冷媒循環回路
9a・・・冷房冷媒循環回路
9b・・・バイパス冷媒循環回路
10・・・暖房用冷却水循環回路
11・・・圧縮機
12・・・コンデンサ
14・・・膨張弁(第1の膨張手段又は減圧手段)
17・・・三方電磁切換弁
18・・・第1の外部熱交換器
18a・・・第2の外部熱交換器
20・・・第3の外部熱交換器
25・・・水用熱交換手段
26・・・第1の水用熱交換器
27・・・第2の水用熱交換器
28,128,228・・・冷却水加熱用熱交換手段
29・・・コントロールユニット(制御手段)
30・・・水温検出センサ(検知手段の一つ)
35・・・外気温度センサ(検知手段の一つ)
36・・・冷媒圧力センサ(吐出圧センサ:検知手段の一つ)
136・・・吸込圧センサ(検知手段の一つ)
3・・・エンジン(熱源)
7a・・・エバポレータ
8a・・・ヒータコア
9・・・冷房用冷媒循環回路
9a・・・冷房冷媒循環回路
9b・・・バイパス冷媒循環回路
10・・・暖房用冷却水循環回路
11・・・圧縮機
12・・・コンデンサ
14・・・膨張弁(第1の膨張手段又は減圧手段)
17・・・三方電磁切換弁
18・・・第1の外部熱交換器
18a・・・第2の外部熱交換器
20・・・第3の外部熱交換器
25・・・水用熱交換手段
26・・・第1の水用熱交換器
27・・・第2の水用熱交換器
28,128,228・・・冷却水加熱用熱交換手段
29・・・コントロールユニット(制御手段)
30・・・水温検出センサ(検知手段の一つ)
35・・・外気温度センサ(検知手段の一つ)
36・・・冷媒圧力センサ(吐出圧センサ:検知手段の一つ)
136・・・吸込圧センサ(検知手段の一つ)
Claims (7)
- 冷媒を、圧縮機,コンデンサ,膨張弁,エバポレータの順に循環させる冷房用冷媒循環回路と、冷却水を、熱源とヒータコアとの間で循環させる暖房用冷却水循環回路と、
前記冷房用冷媒循環回路の一部から導出されて、前記冷房用冷媒循環回路内の圧縮機から送られた冷媒を、前記ヒータコアに送られる冷却水と熱交換させるバイパス冷媒循環回路とを設けた車両用空調装置であって、
前記圧縮機の駆動を制御する制御手段を有し、
前記制御手段には、前記圧縮機の吸込側の冷媒圧力を実測又は、推定により検知する検知手段を接続して、前記圧縮機の駆動の開始により、該吸込側が負圧とならないように、該検知された圧力状態を用いて、該圧縮機の駆動を抑制制御することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記制御手段による抑制制御では、前記吸込側の冷媒が負圧とならないように、前記圧縮機を一時的に停止させるか、又は該圧縮機を間欠駆動させ、該圧縮機の駆動に伴う冷媒吐出量を減少させる低減駆動制御が行われることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
- 前記制御手段による抑制制御では、前記吸込側の冷媒が負圧とならないように、前記圧縮機の駆動の開始を遅らせる遅延制御が行われることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用空調装置。
- 前記制御手段による抑制制御では、前記圧縮機の吸込側に位置する冷房用冷媒温度を検出する前記冷媒温度センサから送られてくる冷媒温度又は、車外の大気の温度を検出する外気温センサから送られてくる外気温度のうち、少なくとも何れか一方が、予め各々設定された冷媒温値又は、外気温値よりも低い場合には、前記圧縮機の吸込側の冷媒圧力が低い状態であり、前記圧縮機の駆動の開始により、該吸込側が負圧となると推定して、前記圧縮機の駆動を抑制制御することを特徴とする請求項1乃至3のうち、何れか一項記載の車両用空調装置。
- 前記制御手段による抑制制御では、車両状態を検出して、予め設定された車両停止状態を検知した場合には、前記圧縮機の駆動を抑制する運転履歴制御が行われることを特徴とする請求項1乃至4のうち、何れか一項記載の車両用空調装置。
- 前記制御手段による抑制制御では、前記圧縮機の駆動を開始した後、一駆動サイクル当たりの吐出容量を減少させる可変容量制御を行うことを特徴とする請求項1乃至5のうち、何れか一項記載の車両用空調装置。
- 前記制御手段による抑制制御で、前記圧縮機の駆動が抑制制御された後、前記各検知手段から送られてくる検知状態によって、前記吸込側の冷媒の圧力状態が、負圧にならないと判断されると、前記圧縮機の駆動を再開又は、前記圧縮機の吐出量を増加させる復帰制御を行うことを特徴とする請求項1乃至6のうち、何れか一項記載の車両用空調装置。
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CN114992801B (zh) * | 2022-05-10 | 2024-03-22 | 青岛海尔空调电子有限公司 | 空调系统及其控制方法 |
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