JP2011167608A - 半透膜支持体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、半透膜溶液が裏抜けせず、非塗布面同士の接着性に優れ、半透膜と半透膜支持体間の接着性に優れた半透膜支持体を提供することにある。
【解決手段】熱圧処理が施された繊維基材からなり、半透膜塗布面と非塗布面とを有する半透膜支持体において、半透膜塗布面を鏡面ロールにて、非塗布面を微粗面ロールにて、熱圧処理が施されていることを特徴とする半透膜支持体。通気性が0.4〜3.5cc/cm/secであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、半透膜支持体に関する。
海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄に用いられる超純水の製造等の分野で、半透膜が広く用いられている。半透膜は、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂等の合成樹脂で構成されている。しかしながら、半透膜単体では機械的強度に劣るため、不織布、織布、編物等の繊維基材からなる半透膜支持体の片面(以下、「半透膜塗布面」という)に半透膜が塗設された形態(以下「濾過膜」という)で使用されている。
繊維基材からなる半透膜支持体の半透膜塗布面には微細な凹凸があるが、この凹凸を少なくするために、半透膜支持体にはカレンダーによる熱圧処理が施されるのが一般的であり、これにより均一な半透膜の塗設が可能となる。
半透膜支持体に半透膜を塗設する方法として、上述したポリスルホン系樹脂等の合成樹脂を有機溶媒に溶解して、半透膜溶液を調製した後、この半透膜溶液を半透膜支持体上に塗布する方法が広く用いられ、効率的に濾過を行うために、半透膜モジュールが組み立てられる(例えば、特許文献1参照)。半透膜モジュールを組み立てる際には、接着剤を使って、半透膜塗布面とは反対面(以下、「非塗布面」という)同士を貼り合わせる工程があるため、非塗布面同士の接着性に優れていることが要求されている。
半透膜支持体の非塗布面同士の接着性を向上させる方法として、半透膜支持体の通気性を下げ、半透膜溶液の裏抜けを少なくする方法(例えば、特許文献2及び3参照)が提示されている。実施例においては、加熱金属ロールと弾性ロールとの組み合わせのカレンダー装置が用いられている。この方法では、半透膜支持体を熱圧処理することによって、通気性は下げられるものの、同時に非塗布面の平滑性が上がってしまい、非塗布面同士の良好な接着性が得られ難いという問題が発生していた。
また、非塗布面の平滑性を低く保つ方法として、非塗布面の熱圧処理時の温度を半透膜塗布面側よりも低くすることにより、非塗布面側の繊維密度を半透膜塗布面側の繊維密度よりも高くし、半透膜溶液の裏抜けを防ぐ方法(例えば、特許文献4参照)が提示されているが、この方法でも、海水淡水化のように高圧下で使用される半透膜の場合には、非塗布面同士の接着性が不十分であった。
特開2001−252543号公報 特開2002−095937号公報 特開平10−225630号公報 特開2003−245530号公報
本発明の課題は、半透膜溶液が裏抜けせず、半透膜と半透膜支持体間の接着性に優れ、かつ、非塗布面同士の接着性にも優れた半透膜支持体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)熱圧処理が施された繊維基材からなり、半透膜塗布面と非塗布面とを有する半透膜支持体において、半透膜塗布面を鏡面ロールにて、非塗布面を微粗面ロールにて、熱圧処理が施されていることを特徴とする半透膜支持体、
(2)通気性が0.4〜3.5cc/cm/secである上記(1)記載の半透膜支持体、
により達成されることを見出した。
本発明において、繊維基材の熱圧処理時に、半透膜塗布面を鏡面ロールにて、非塗布面を微粗面ロールで処理される。非塗布面側にコットンロール、樹脂ロール等の弾性ロールを用いた場合や半透膜塗布面及び非塗布面の両方に鏡面ロールを用いた場合、非塗布面とロールとの間で滑りが生じるため、非塗布面の平滑性が高くなるが、微粗面ロールを用いた場合には、この滑りが抑制されるため、半透膜塗布面の高い平滑性と非塗布面の低い平滑性を維持したまま、支持体塗布面及び非塗布面の孔を減らすことが可能になり、半透膜溶液の裏抜けを防止し、非塗布面同士の良好な接着性を得ることが可能になる。
本発明において、半透膜支持体は熱圧処理が施された繊維基材である。繊維基材としては、織布、編物、乾式不織布、湿式不織布等を使用することができるが、均一な半透膜支持体を得るためには、湿式抄造法によって得られる湿式不織布を使用することが好ましい。
湿式抄造法では、まず、繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通り、最終の繊維濃度を0.01〜0.50質量%に調製されたスラリーが抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。繊維の分散性を均一にするために、工程中で分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙機としては、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜ワイヤー式抄紙機を用いることができる。これらの抄紙機は、単独でも使用できるし、同種又は異種の2機以上の抄紙機がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機を使用しても良い。また、不織布が2層以上の多層構造の場合には、各々の抄紙機で抄き上げた湿紙を積層する抄き合わせ法や、一方のシートを形成した後に、該シートの上に繊維を分散したスラリーを流延する方法のいずれでも良い。
抄紙機で製造された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することにより、シートを得る。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることをいう。熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜160℃がより好ましく、110〜160℃がさらに好ましい。圧力は、好ましくは50〜1000N/cm、より好ましくは100〜800N/cmである。
繊維基材に使われる繊維は特に限定されないが、主体繊維及び繊維同士を結着して濾過膜に必要な強度を付与するバインダー繊維を使用することが好ましい。主体繊維は、半透膜支持体の骨格を形成する繊維であり、合成繊維が使用される。例えば、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ナイロン系、ベンゾエート系、ポリクラール系、フェノール系等の繊維が挙げられるが、耐熱性の高いポリエステル系の繊維がより好ましい。また、半合成繊維のアセテート、トリアセテート、プロミックスや、再生繊維のレーヨン、キュプラ、リヨセル繊維等は性能を阻害しない範囲で含有しても良い。
主体繊維の繊維径は、特に限定されないが、2.0〜20.0μmが好ましく、5.0〜20.0μmがより好ましく、10.0〜20.0μmがさらに好ましい。主体繊維の繊維径が20.0μmを超えた場合、半透膜塗布面の平滑性が低くなり、厚みの均一な半透膜が得られ難くなる場合や、半透膜支持体塗布面の毛羽立ちが発生する場合がある。また、繊維径が2.0μmを下回る場合、非塗布面の平滑性が高くなる場合がある。
主体繊維の繊維長は、特に限定しないが、15mm以下であることが好ましい。1〜12mmがより好ましく、3〜10mmがさらに好ましい。主体繊維の繊維長が15mmを超える場合、半透膜支持体表面に毛羽立ちが発生しやすく、半透膜に貫通孔ができる場合がある。主体繊維の断面形状については特に限定されず、T型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も、裏抜け防止、非塗布面の平滑性をさらに低下させることを目的に、他の特性を阻害しない範囲内で含有できる。
本発明の半透膜支持体を構成する主体繊維に対するバインダー繊維の比率が5質量%を下回る場合、繊維同士の結着が弱くなり、半透膜支持体の強度が不足してやぶれる場合がある。
バインダー繊維としては、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割繊維等の複合繊維、未延伸繊維等が挙げられる。複合繊維は、皮膜を形成しにくいので、半透膜支持体の空間を保持したまま、機械的強度を向上させることができる。より具体的には、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ、ポリエステル等の未延伸繊維が挙げられる。また、ポリエチレンやポリプロピレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)や、ポリビニルアルコール系のような熱水可溶性バインダーは、半透膜支持体の乾燥工程で皮膜を形成しやすいが、特性を阻害しない範囲で使用することができる。本発明においては、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ、ポリエステルの未延伸繊維を好ましく用いることができる。
バインダー繊維の繊維径は、特に限定されないが、好ましくは2.0〜20.0μmであり、より好ましくは5.0〜15.0μmであり、さらに好ましくは7.0〜12.0μmである。また、主体繊維と繊維径が異なることが好ましい。バインダー繊維は半透膜支持体の機械的強度を向上させる役割の他に、主体繊維と共に均一な三次元ネットワークを形成する役割も果たす。さらに、バインダー繊維の軟化温度又は溶融温度以上まで温度を上げる工程では、半透膜塗布面の平滑性をも向上させることができ、該工程では加圧が伴っているとより効果的である。
バインダー繊維の繊維長は、特に限定しないが、好ましくは1〜12mmであり、より好ましくは3〜10mmであり、さらに好ましくは4〜6mmである。バインダー繊維の繊維長が3mmを下回る場合、主体繊維と三次元ネットワーク構造形成に寄与し難くなって、半透膜支持体の機械的強度が低下する場合がある。バインダー繊維の断面形状についても特に限定されず、円形、T型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も含有できる。
次に、熱圧処理について説明する。本発明の半透膜支持体は、繊維基材に熱圧処理を施すことで製造される。
本発明では、熱圧処理装置のカレンダーロール間をニップしながら、繊維基材を通過させて熱圧処理を行う。ロールの組み合わせとしては、半透膜支持体塗布面を金属の鏡面ロールとし、非塗布面を微粗面ロールとする。
ロールの材質としては、鉄等金属のクロムメッキ、ニッケルメッキ、ホーロー引き、又はフッ素樹脂加工のもの、ステンレススチール等が挙げられる。
ここで、鏡面ロールとは金属ロール表面を平坦化処理されたものであり、例えば、その表面粗さは算術平均粗さ(Ra)で表すことができる。Raは、例えば、東京精密社製の表面粗さ解析装置Surfcom E−RM−S27A型等により解析することが可能である。Raとは、断面曲線から、基準長さだけ抜き取った部分において、抜き取り部分の平均線と断面曲線で囲まれた部分の面積の和を抜き取り部分の長さで除した値をマイクロメートル(μm)で表したものであり、JIS B0601−1994(日本工業規格)に規定されている。鏡面ロールのRaは、カットオフ値0.8mmにおいて0.1μm以下であることが好ましく、さらに0.05μm以下が好ましい。鏡面ロールのRaが0.1μmを上回る場合、繊維基材からなる半透膜支持体塗布面の毛羽立ちが発生しやすい。
微粗面ロールとは、鏡面ではなく、表面に極微細な凹凸を有するものである。例えば、その表面粗さは十点平均粗さ(Rz)で表すことができる。Rzとは、式1によって算出されるものであり、例えば、東京精密社製の表面粗さ解析装置Surfcom E−RM−S27A型等により解析することが可能である。Rzとは、断面曲線から基準長さだけ抜き取った部分において、平均線に平行、かつ、断面曲線を横切らない直線から縦倍率の方向に測定した最高から5番目までの山頂の標高の平均値と最深から5番目までの谷底の標高の平均値との差の値をマイクロメートル(μm)で表したものをいい、JIS B0601−1982(日本工業規格)に規定されている。
(式1)
Rz={(R1+R3+R5+R7+R9)−(R2+R4+R6+R8+R10)}/5
R1、R3、R5、R7、R9は、基準長さに対応する抜き取り部分の最高から5番目までの山頂であり、R2、R4、R6、R8、R10は、基準長さに対応する抜き取り部分の最深から5番目までの谷底である。
微粗面ロールのRzは、0.3〜2.0μmであることが好ましく、0.5〜1.5μmであることがより好ましい。微粗面ロールの表面形状は、微粗面に加工されていれば特に限定されず、四角錘形、三角錐形、円錐型、椀型等が挙げられる。例えば、特開平7−261325号公報に開示されている、表面の波長0.8mm以下の、十点平均粗さが0.8〜1.2μm、平均ピッチが5〜30μmであり、かつ、相対負荷曲線でのカッティング深さ/最大高さが70%の時の相対負荷長さが50〜90%の表面粗さを有する微粗面ロール、特開平8−254789号公報に開示されている平坦な金属表面に十点平均粗さRzが0.3〜1.0μm、平均ピッチが10〜50μmの微細な凹凸を有し、凸部の頂部が平坦であり、かつ、凹部の平均線から底部側の平均傾斜角が5〜7度であり、凹部の平均線から頂部側の平均傾斜角が2〜4度で、平坦部と凹部とのエッジ部分が滑らかになっている微粗面ロール、特開平10−293379号公報に開示されている高さが0.3〜1.0μmで、かつ、泡状曲面の径が5〜30μmの範囲にある連続した均一な泡状曲面より構成された形状を有する微粗面ロール、特公昭62−19732号公報に開示されている、表面が平均深さ0.05〜0.7μm、平均ピッチ0.1〜100μmの微細な凹凸を有する微粗面ロール等を用いることができる。
微粗面ロールを微粗面化する方法としては、ロールの表面研磨、蒸着法、サンドブラスト法、エッチング法、電気的作孔法、メッキ法等のいずれの方法でも良く、これらの中でもサンドブラスト法が好ましく用いられる。
鏡面ロール、微粗面ロールはどちらか一方、もしくは両方を加熱する。また、ニップ通過回数は必要に応じて2回以上にしても良い。
鏡面ロール、微粗面ロールの表面温度が、半透膜支持体を構成する少なくとも1種の繊維の融点より70℃低く、繊維の融点より20℃高い範囲で熱圧処理されることが好ましい。鏡面ロール、微粗面ロールの表面温度が半透膜支持体を構成する繊維の融点よりも70℃を超えて低い場合、半透膜支持体の平滑性が低くなり、通気性を0.4〜3.5cc/cm/secの範囲に調整しがたく、半透膜の裏抜けが発生しやすくなる場合がある。鏡面ロール、微粗面ロールの表面温度が半透膜支持体を構成する繊維の融点より20℃を超えて高い場合、半透膜塗布面の繊維がロールに張り付き、半透膜塗布面の平滑性を悪化させ、均一な半透膜が得られ難くなる場合がある。また、非塗布面の繊維がロールに張り付いた場合、半透膜の裏抜けが発生する場合がある。繊維の融点は示差熱分析により求めることができる。
ロールのニップ圧力、加工速度は、特に限定されず、半透膜支持体におけるJIS L1079に示す通気性が0.4〜3.5cc/cm/secの範囲に収まるように調節されることが好ましい。半透膜支持体の通気性が0.4cc/cm/secを下回ると、半透膜が半透膜支持体から容易に剥離してしまい、濾過性能の低下を招く場合がある。また、半透膜支持体の通気性が3.5cc/cm/secを上回ると、半透膜溶液が裏抜けしてしまう場合がある。
半透膜支持体の坪量は、特に限定しないが、20〜150g/mが好ましく、より好ましくは50〜100g/mである。20g/m未満の場合は、十分な引張強度が得られない場合がある。また、150g/mを超えた場合、通液抵抗が高くなる場合や厚みが増してユニットやモジュール内に規定量の半透膜を収納できない場合がある。
また、半透膜支持体の密度は、0.5〜1.0g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.6〜0.9g/cmである。半透膜支持体の密度が0.5g/cm未満の場合は、厚みが厚くなるため、ユニットに組み込める半透膜の面積が小さくなってしまい、結果として、半透膜のライフが短くなってしまうことがある。一方、1.0g/cmを超える場合は、通液性が低くなることがあり、半透膜のライフが短くなる場合がある。
半透膜支持体の厚みは、60〜150μmであることが好ましく、70〜130μmであることがより好ましく、80〜120μmであることがさらに好ましい。半透膜支持体の厚みが150μmを超えると、ユニットに組み込める半透膜の面積が小さくなってしまい、結果として、半透膜のライフが短くなってしまうことがある。一方、60μm未満の場合、十分な引張強度が得られない場合や通液性が低くなって、半透膜のライフが短くなる場合がある。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特にことわりのないかぎり、実施例に記載される部及び比率は質量を基準とする。
(実施例1)
主体繊維(延伸ポリエステル系繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm、融点260℃)、バインダー繊維(未延伸ポリエステル系繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)、細径繊維(延伸ポリエステル系繊維、繊維径11.6μm、繊維長5mm)を30:30:40の配合比率で水に混合分散し、円網抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、坪量80g/mの繊維基材を得た。
得られた繊維基材の半透膜塗布面をRaが0.03μmである鏡面ロールで、非塗布面を、Rzが1.5μmである微粗面ロールの組み合わせで熱圧処理加工を行った。鏡面ロール、微粗面ロールの表面温度は200℃、圧力800N/cm、加工速度25m/minの条件で処理を行い、通気性が1.5cc/cm/secの実施例1の半透膜支持体を得た。ヤンキードライヤーに接した面を半透膜塗布面とした。なお、繊維基材の通気性は通気性試験機(カトーテック株式会社製、商品名:KES−F8−AP1)を使用して、JIS L1096に示す方法で測定を行った。
(実施例2)
熱圧処理時の圧力を600N/cmとした以外は、実施例1と同様の方法で、通気性が3.5cc/cm/secの実施例2の半透膜支持体を得た。
(実施例3)
熱圧処理時の圧力を900N/cmとした以外は、実施例1と同様の方法で、通気性が0.2cc/cm/secの実施例3の半透膜支持体を得た。
(実施例4)
熱圧処理時の圧力を500N/cmとした以外は、実施例1と同様の方法で、通気性が4.0cc/cm/secの実施例4の半透膜支持体を得た。
(実施例5)
熱圧処理時の圧力を870N/cmとした以外は、実施例1と同様の方法で、通気性が0.4cc/cm/secの実施例5の半透膜支持体を得た。
(比較例1)
実施例1で得られた繊維基材の半透膜塗布面と非塗布面を共にRaが0.05μmである鏡面ロールで熱圧処理を行った。鏡面ロールの表面温度は200℃、圧力600N/cm、加工速度25m/minの条件で処理を行い、通気性が3.5cc/cm/secの比較例1の半透膜支持体を得た。なお、ヤンキードライヤーに接した面を半透膜塗布面とした。
(比較例2)
半透膜塗布面をRaが0.05μmの鏡面ロール、非塗布面をコットンロールで熱圧処理を行った。鏡面ロールの表面温度は200℃、圧力600N/cm、加工速度25m/minの条件で処理を行い、通気性が4.5cc/cm/secの比較例2の半透膜支持体を得た。なお、ヤンキードライヤーに接した面を半透膜塗布面とした。
実施例及び比較例で得られた半透膜支持体に対して、以下の評価を行い、結果を表1に示した。
試験1(半透膜滲み込み)
一定のクリアランスを有する定速塗工装置(商品名:Automatic Film Applicator、安田精機社製)を用いて、半透膜支持体の半透膜塗布面にポリスルホン樹脂のDMF溶液(濃度:18%)を塗工し、水洗、乾燥を行い、支持体の表面にポリスルホン膜を形成させ半透膜を作製し、半透膜の断面SEM写真を撮影して、ポリスルホン樹脂の半透膜支持体への滲み込み度合いを評価した。
◎:ポリスルホン樹脂が半透膜支持体の中心付近までしか滲み込んでいない。非常に良好なレベル。
○:ポリスルホン樹脂が半透膜支持体の非塗布面に滲み出ていない。良好なレベル。
△:ポリスルホン樹脂が半透膜支持体の非塗布面に一部滲み出ている。実用上、使用可能レベル。
×:ポリスルホン樹脂が半透膜支持体の非塗布面に滲み出ている。実用上、使用不可レベル。
試験2(非塗布面接着性)
試験1で半透膜を作製した半透膜支持体の非塗布面同士の間に、加温して溶融させた酢酸ビニル系接着剤を塗布して、直ぐに加圧して接着させた。接着後、サンプルを幅25mm、長さ200mmに裁断し、引張試験機(商品名:STA−1150テンシロン引張試験機、オリエンテック社製)を使用し、剥離角度180度、剥離速度100mm/minで接着部の剥離テストを行い、裏面接着性を評価した。
◎:剥離強度が極めて高く、半透膜支持体層内部で剥離が起こっている。
○:剥離強度が高く、接着剤と半透膜支持体間で部分的に剥離が起こっているが、大部分の剥離は半透膜支持体層内部で剥離が起こっている。
△:剥離強度がやや高く、接着剤と半透膜支持体間での剥離が起こっているが、半透膜支持体層内部でも剥離が確認される。実用上、下限レベル。
×:剥離強度が低く、全体的に接着剤と半透膜支持体の間で剥離が起こっている。使用不可レベル。
試験3(半透膜塗布面接着性)
試験1で作製した半透膜に関して、ポリスルホン樹脂からなる半透膜と半透膜支持体間の接着度合いを、剥離する時の抵抗度合いで判断した。
◎:半透膜と半透膜支持体の接着性が非常に高く、剥離できない。非常に良好なレベル。
○:部分的に剥離しやすい所が存在する。良好なレベル。
△:半透膜と半透膜支持体とが接着はしているが、全体的に剥離しやすい。実用上、下限レベル。
×:半透膜塗工後の水洗又は乾燥工程で剥離が発生する。使用不可レベル。
Figure 2011167608
実施例1〜5の半透膜支持体は、比較例1〜2の半透膜支持体と比較して、半透膜溶液が裏抜けしにくく、半透膜塗布面及び非塗布面の接着性も優れていた。比較例1の支持体は、半透膜塗布面と非塗布面の両方を鏡面ロールで熱圧処理しており、半透膜塗布面及び非塗布面の平滑性が高くなりすぎたために、接着剤の食い込みが少なくなり、非塗布面同士の接着性が低下し、また、半透膜と半透膜支持体間の接着性も低下したと考えられる。比較例2の非塗布面を弾性ロールにて熱圧処理した場合にも、半透膜塗布面及び非塗布面の平滑性が高くなりすぎたために、非塗布面同士の接着性及び半透膜塗布面の接着性が低下したと考えられる。
本発明の半透膜支持体は、海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造等の分野で利用することができる。

Claims (2)

  1. 熱圧処理が施された繊維基材からなり、半透膜塗布面と非塗布面とを有する半透膜支持体において、半透膜塗布面を鏡面ロールにて、非塗布面を微粗面ロールにて、熱圧処理が施されていることを特徴とする半透膜支持体。
  2. 通気性が0.4〜3.5cc/cm/secである請求項1記載の半透膜支持体。
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