JP2011166577A - 固体撮像デバイス、そのノイズ除去方法および画像入力装置 - Google Patents

固体撮像デバイス、そのノイズ除去方法および画像入力装置 Download PDF

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Abstract

【課題】FDAまたはFGAの何れの出力に対してもリセットノイズの影響を受けずに、間引きモードの空パケットと信号パケットの等価ノイズ成分を除去する。
【解決手段】垂直転送部7は、読み出し制御が間引きモードのときに、1つの信号パケットPsと1つ以上の無信号の空パケットPvとが連続して交互に繰り返されたパケット群を列方向に転送する。ノイズ除去アンプ(40)が、垂直転送部7の出力段に接続された電荷電圧変換部3ごとに設けられ、そこから順次送られてくる空パケットPvと信号パケットPsの連続した2つのパケットを用いて、両パケットに共通な等価ノイズ成分が除去され信号電荷に応じて変化する電圧を出力する。
【選択図】図4

Description

本発明は、マトリクス配置された複数の受光画素を間引きモードで垂直転送部に排出し転送した後、カラムごとのアンプ処理においてノイズ除去を行う固体撮像デバイスと、そのノイズ除去方法とに関する。また、本発明は、かかる固体撮像デバイスを光学系に含む画像入力装置に関する。
CCD撮像素子において、垂直転送と同方向に乗るノイズ成分を抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1に記載されたノイズ抑制技術を説明する。
CCD撮像素子は、画素が2次元マトリクス配置された撮像部内に、各画素から読み出される信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送部を有する。
特許文献1に記載のCCD撮像素子は、間引きモード時には空パケットと信号パケットが存在するので、そのことを利用して空パケットの成分(スミア成分や暗電流成分)をP(プリセット)相に乗せて出力するようにする。
特許文献1に記載のカメラ装置では、後段の信号処理系において、CCD撮像素子から出力された信号出力VoutのD(データ)相の成分とP(プリセット)相の成分との差分をとるCDS処理を行う。これにより、CDS処理後の信号において、スミアや暗電流等の垂直転送と同方向に乗るノイズ成分が抑制される。
特許文献1に記載のCCD撮像素子は、水平転送部はP相とD相をそれぞれ読み出さなくてはならないため、水平方向画素数の倍密度となる。また、水平駆動周波数も通常の2倍となる。P相とD相のノイズ成分を同じとするため、出力部(電荷電圧変換部)においてP相とD相の間にリセット動作が入る。リセット動作の駆動周波数も水平駆動周波数と等しくなる。
一方、P相とD相の間にリセット動作を設けない場合、D相ではノイズ成分が2倍となるが、P相と差分をとることにより、特許文献1の従前のものと比較するとノイズ成分を1パケット分に低減できる。また、CDS回路の差動アンプの前段にP相のノイズ成分を2倍にする回路を設けることでノイズ成分を完全にキャンセルすることができる。
特許文献2に記載のCCD撮像素子は、P相にノイズ成分を乗せて、D相と差分をとる点では特許文献1と共通するが、出力部(電荷電圧変換部)の構成が異なる。
水平転送部とFDA(フローティング・ディフュージョン・アンプ)部をそれぞれ2つ設けており、1つ目の電荷転送部でノイズ成分、2つ目の電荷転送部でデータ成分を転送する。ノイズ成分、データ成分のそれぞれが電圧変換され、その出力が差動アンプの入力となり、最終的な出力はノイズ成分を減算したものになる。
また、リセットノイズ除去についてはダミーのFDAを作製し、信号電荷が入るフローティング・ディフュージョン(FD)部とダミーのFD部を差動アンプの入力に接続することで行う。
特許文献2に記載のCCD撮像素子によれば、水平転送部とFDAの組を2組用いることでスミアとリセットノイズのどちらも除去することができる。より詳細には、2つの水平転送部の出力端を差動アンプに接続し、それぞれ同じリセット領域を介してリセットを同じタイミングで行う、つまりノイズ用のFDAがダミーとなりリセットノイズとスミアを除去できる。
特開2000−299817号公報 特開平3-30338号公報
上記特許文献1に記載の素子構成とその動作では、以下の不都合がある。
ノイズ成分とデータ成分を水平転送部へ転送する際に、水平転送部で1パケット分のシフト(1ビットシフト)をしなくてはならない。また、水平転送部で垂直加算を行う場合、ノイズ成分とデータ成分をそれぞれ加算しなくてはならないため、1ビット後退(1パケット分の逆シフト)をさせるなど駆動が複雑になることが予測される。
出力部(電荷電圧変換部)の駆動に関し、P相とD相で同量のノイズ成分を得るため、P相とD相の間でリセット動作を行わなくてはならず、リセットノイズの除去が不可能である。
また、通常の出力と同じ速度で出力しようとすると、P相とD相をそれぞれデータとして出力し後段の信号処理で減算するため、2倍の駆動周波数が必要となる。このことは、多画素化に不利であり、また電荷転送残しなど不具合が出てくることが予測される。
特許文献1には、P相とD相でリセット動作を行わない場合についても記述されている。
しかしながら、D相の信号パケットと同様、FDAのFD部にも同じ量のノイズ成分が重畳される。そのため、FD部を空にするリセット動作をしないとすると、FD部に信号パケットを出力したときに、ノイズ成分が2倍となる。このため、必ず1パケット分のノイズ成分が出力信号に乗ってしまう。
また、D相の2倍のノイズ成分との均衡を保つため、差動アンプ前段でP相(ノイズ成分)を2倍にする回路を設けることが記述されている。
しかし、P相を2倍にすると、リセットノイズも2倍にされてしまい、リセットノイズを除去することができない。
水平転送部の構造に起因して以下の点で不利である。
P相とD相をそれぞれ転送するため、水平画素数の2倍の密度が水平転送部において必要となる。水平転送部の密度が転送(水平)方向に2倍となると電極長さ(転送方向の電極サイズ)が1/2となることになる。このため、短い転送電極で必要な転送電界を確保する場合、インプラ時のリソグラフィや転送電極形成の加工マージンが取れなくなることが懸念される。また、水平転送部において電極長さが単純に1/2となると取扱い電荷量が減少するので、この減少を防ぐには、その分、垂直転送部の幅を2倍に伸ばさなくてはならない。
水平転送部の出力端では電荷をFDAに集めなければならないが、電荷が電極幅(電荷蓄積部、ポテンシャル幅)に応じて広がっている状態で転送されてくるので、電極幅を2倍にすると出力端に向けて電界がつきにくくなり転送マージンが低下する懸念がある。
前記特許文献2に記載のデバイス構成とその動作では、以下の不都合がある。
水平転送部を2つ設けてそれぞれをノイズ成分用、データ成分用として使用しているが、同じ転送路を通らないため、ノイズ成分に差異が出る可能性がある。
FDAをノイズ成分用とデータ成分用で分けて、それぞれのFDA出力を差動アンプの入力とし、差動アンプで差分を出力する構成となっている。しかし、この構成ではFDAが同じではないため、加工バラツキによりFDA出力に差異が生じ、ノイズ除去が十分できない可能性がある。また、この出力部の構造だと、異なるFDAでのリセットノイズの差分をとることになるため、同じリセット領域を使用し、同じタイミングでリセットを行ったとしても、リセットゲート電極下のポテンシャル上にある電荷の分配ノイズが異なる。この分配ノイズは、リセットオフのときにFDA側かリセット領域側のどちらに電荷が移動するかで決まるノイズ成分であり、分配ノイズが異なると、リセットノイズを完全に除去することが不可能である。
本発明は、FDAまたはFGAの何れの出力に対してもリセットノイズの影響を受けずに、間引きモードの空パケットと信号パケットの等価ノイズ成分(スミア成分や暗電流成分)の除去が可能な固体撮像デバイスと、そのノイズ除去方法とを提供するものである。
また、本発明は、上記リセットノイズの影響を受けない等価ノイズ成分の除去が可能な固体撮像デバイスと、そのノイズ除去方法を提供するものである。又、本発明は、かかる固体撮像デバイスを光学系に含む画像入力装置(いわゆるカメラ装置)を提供するものである。
本発明に関わる固体撮像デバイスは、複数の受光画素、並びに、その列(カラム)ごとに設けられた構成として、複数の垂直転送部と、複数の電荷電圧変換部と、複数のノイズ除去部とを有する。
前記複数の受光画素は、行方向と列方向にマトリクス配置されて信号電荷を発生する。
前記複数の垂直転送部は、各受光画素列(カラム)の行方向の一方側に隣接し、読み出し制御が間引きモードのときに、1つの信号パケットと1つ以上の無信号の空パケットとが連続して交互に繰り返されたパケット群を列方向に転送する。ここでパケットは、一塊として転送される信号(およびノイズ)の基本転送単位である。
前記複数の電荷電圧変換部は、垂直転送部ごとに設けられている。
複数のノイズ除去部は、前記電荷電圧変換部ごとに設けられ、対応する電荷電圧変換部から順次送られてくる前記空パケットと前記信号パケットの連続した2つのパケットを用いる。そして、空パケットと信号パケットの等価ノイズ成分が除去され前記信号電荷に応じて変化する電圧を出力する。
間引きモードでは、垂直転送する信号パケットと信号パケットの間に空パケットが存在している。信号パケットとその直前の空パケットには、同じ電荷転送路を通過してくるので同量のノイズ成分(スミアや暗電流)が存在しているとみなしてよい。
上記構成によれば、空パケットと信号パケットが等価ノイズ成分を含むことを利用して、空パケットと信号パケットの等価ノイズ成分が除去され前記信号電荷に応じて変化する電圧を出力することができる。このときのノイズ除去部の制御は、電荷電圧変換部の駆動とのタイミングをとればよく、垂直転送には影響を与えない。
ノイズ除去部では、電荷電圧変換部がリセット動作を行わないFGAである場合に1段構成が望ましい。また、リセット動作を行うためリセットノイズが発生するFDAの場合、望ましくは2段構成とすると、リセットノイズの影響は初段に及ぶだけで後段出力には影響しない制御が可能である。あるいは、初段と後段でのリセットノイズ抑圧が可能である。
本発明に関わる固体撮像デバイスのノイズ除去方法は、以下の(A)〜(C)に示す諸ステップを含む。
(A)行方向と列方向にマトリクス配置された複数の受光画素で信号電荷を発生し蓄積する。
(B)間引きモードのときに、1つの信号パケットと1つ以上の無信号の空パケットとが連続して交互に繰り返されたパケット群を垂直転送部に読み出す。ここでパケットとは、各受光画素列の1つ以上の受光画素から垂直転送部に排出され、一塊として転送される信号の基本転送単位である。読み出された間引きモード対応のパケット群は、列方向の一方側に転送される。
(C)前記垂直転送部の一方端から電荷電圧変換部を介して順次送られてくる前記空パケットと前記信号パケットの連続した2つのパケットを用いて、空パケットと信号パケットの等価ノイズ成分が除去され前記信号電荷に応じて変化する電圧を出力する。
本発明に関わる画像入力装置は、前記固体撮像デバイスを光学系に含む画像入力部と、画像処理部とを有する。
本画像入力装置は、好適には、さらに通常の撮像モードとモニタリングモードとを設定し切り替える制御を実行する制御部とを有する。
この固体撮像デバイスは、上記した本発明に関わる固体撮像デバイスと同様、複数の受光画素と、複数の垂直転送部と、複数の電荷電圧変換部と、複数のノイズ除去部とを有する。
本発明によれば、FDAまたはFGAの何れに対してもリセットノイズの影響を受けずに、間引きモードの空パケットと信号パケットの等価ノイズ成分(スミア成分や暗電流成分)の除去が可能な固体撮像デバイスと、そのノイズ除去方法とを提供することができる。また、かかるノイズ成分の除去機能を内蔵の固体撮像デバイスに有する画像入力装置を提供することができる。
1/2間引き読み出しの説明図である。 パケットと電荷転送の説明図である。 FDAに対する信号入力動作の説明図である。 実施形態に関わるCCD撮像デバイスのブロック図である。 第1の実施形態に関わるCCD撮像素子において、カラム処理ユニットに具備するノイズ除去アンプの回路図である。 第2実施形態に関わる2段構成のノイズ除去アンプと、その前段の電荷電圧変換部3の回路図である。 図6に示すノイズ除去アンプの動作説明のための模式的な波形図である。 図7にスイッチ制御波形を加えて、より詳細にした波形図である。 第3の実施形態に関わるノイズ除去アンプの回路図である。 図4の出力処理部10を更に詳しくしたブロック図である。 マルチプレクサ回路構成を出力アンプとの接続関係を含めて示す回路図である。 図11から1つの出力回路部14Sを抜き出して示す回路図である。 出力回路部を駆動するスイッチ制御パルスのタイミングチャートである。 画素加算の信号処理範囲をマルチプレクサと出力アンプとの接続部分により示す回路図である。 画素加算時に1つの出力アンプから見た帰還容量の接続図である。 FD入力時に画素加算を行うことが可能な列並列型カラムアンプの構造図である。 第1〜第3の実施形態に関わる固体撮像デバイスを内蔵する画像入力装置(撮像装置)の構成の一例を示すブロック図である。
本発明の実施形態を、主に1/2間引き処理を行うCCDイメージャを例として、以下の順に図面を参照して説明する。
1.実施形態の概略
2.第1の実施の形態:FGA出力からのノイズ除去を行う1段構成のノイズ除去アンプとその動作を示す実施形態である。第1の実施形態で、他の実施形態と共通する全体構成を説明している。
3.第2の実施の形態:FDA出力からのノイズ除去で、スミア成分以外にFDAリセットノイズも併せて除去可能な2段構成のノイズ除去アンプとその動作を示す実施形態である。
4.第3の実施の形態:スイッチトキャパシタ回路を用い、FGA出力からのノイズ除去を行う1段構成のノイズ除去アンプとその動作を示す実施形態である。
5.第1〜第3の実施の形態と好適に併用できる、出力段における信号出力および画素加算手法(マトリクス信号出力)を示す記述である。
6.第1〜第3の実施の形態と好適に併用できる、列共有型カラムアンプ構造に関する記述である。
<1.実施形態の概要>
固体撮像デバイスにおいて、モニタリングモードのときにはフレームレートを上げるため、間引き読み出しを行っている。本発明は、フィールド読み出し等の1/2間引き読み出しのほかに、1/3間引き読み出し、あるいは、それ以上の間引き読み出しが可能な固体撮像デバイス全般に適用できる。
このような固体撮像デバイスでは、デバイス内部で垂直転送される構成を有すればCCD撮像デバイスに限定されないが、ここでは最も一般的なCCD撮像デバイス(CCDイメージャ)において、1/2間引きを行う場合を主な例とする。
図1(A)は、受光画素における信号読み出し前の状態を模式的に示し、図1(B)は、信号電荷の垂直転送部へのフィールド読み出し等の1/2間引き読み出しとFD部リセットの動作を模式的に示す。また、図2に、本発明で前提とするパケットに含まれるノイズ量を垂直転送部の模式図で示す。
図1では、撮像部2と電荷電圧変換部3、並びに、カラム出力アンプ部4を示すが、これらのCCDイメージャにおける詳細は後述する。
ここでは電荷電圧変換部3がフローティングディフュージョンアンプ(FDA)である場合を一例として示す。また、図1では、電荷電圧変換部3のFD部31とリセットトランジスタ32以外の構成は省略している。リセットトランジスタ32のドレインは電源電圧VDDの供給線に接続され、そのゲートがリセット信号RSTにより制御される。
受光部5の受光(電荷蓄積)期間では、図1(A)の斜線で示すように信号電荷が全ての受光部5に蓄積される。
続いて、図1(B)の間引き読み出しが行われる。
間引き読み出し動作では、一般的には、読み出しゲート部や電子シャッタ機構の制御によって、間引き読み出しに対応した信号電荷の有無が規定されたパケット群が垂直転送部7に発生する。ここでパケットとは、隣接する読み出しゲート部等を介して1つ以上の受光画素(受光部5)から読み出され、一塊として転送される信号の基本転送単位である。
間引きモードにおける垂直転送部7に読み出されたパケット群は、1/2間引きに限定されない言い方をすれば、1つの信号パケットと1つ以上の無信号の空パケットとが連続して交互に繰り返されたものである。
垂直転送部7は、このパケット構成を維持したまま、その一方向に当該パケット群を、例えば3相または4相といった複数の転送パルスを用いて転送する。
本発明では画素混合の有無は任意であるが、画素混合の場合、例えば、各受光画素列において連続する複数の画素からの信号電荷が垂直転送部7上で混合される。あるいは、撮像部以外の後段の出力回路で画素混合がされる。前者の場合、垂直転送部7は、混合後の信号電荷を単位として、すなわち1つの信号パケットとして転送する。このように画素混合のような場合は、信号パケットの大きさ(電荷容量)は、通常読み出しモードの1画素ごとの信号パケットや無信号の空パケットの大きさより大きなものとなる。
図1(B)の1/2間引き読み出しの例では、例えば奇数行の受光部5における蓄積電荷が対応する垂直転送部7に読み出される。
間引きモードのときには、図1および図2に示すように、垂直転送する信号パケットPs同士の間に、空パケットPvが1つ以上(図1および図2では1つ)存在している。データ信号(R)とノイズ成分を含む信号パケットPsと、その直前のノイズ成分のみの空パケットPvは、図1に示す隣接した2つの画素(受光部5)でノイズ成分が重畳される。また、読み出された信号と空パケットは同じ垂直転送路内を隣接して同時に転送される(図2)。そのため、信号パケットPsとその直前の空パケットPvには、同量またはほぼ同量のノイズ成分(スミアや暗電流)が存在しているとみなすことができる。以下、このノイズ成分を等価ノイズ成分と呼ぶ。
本発明では、画素混合の有無等にかかわらず、一塊で転送される信号の基本転送単位をパケットと定義し、1つの空パケットと、それに続く1つの信号パケットとを用いてノイズ除去を行う。なお、それより時系列で前に幾つかの連続した空パケットが存在する場合、これらの空パケットはノイズ除去には使用されないで、例えば破棄される。
ノイズ除去に際しては、その前に、垂直転送部7から送られるパケット内の信号電荷およびノイズ電荷を電圧に変換する電荷電圧変換が、例えば図1(B)のFDAタイプの電荷電圧変換部3で行われる。このときリセットトランジスタ32によるFD部31のリセットと、垂直転送部7の下端からFD部31への電荷移送が繰り返されて電圧に変換され、順次、次段のカラム出力アンプ部4に送られてノイズ除去を含む所定の処理が行われる。
本発明では、信号パケットPsとその直前の空パケットPvに等価ノイズ成分が含まれることを利用して、カラム出力アンプ部4内のノイズ除去部で等価ノイズ成分を除去する。ノイズ除去部の前段には接続された電荷電圧変換部3の構成に応じてリセットノイズが後段のノイズ除去部に送られるパケットに重畳される場合がある。図1(B)のFDAは、リセットノイズを発生するタイプの電荷電圧変換部3である。なお、後述するように電荷電圧変換部3がフローティングゲートアンプ(FGA)の場合はリセット動作そのものを行わないためリセットノイズの発生はない。
後述する第1〜第3の実施形態のように、電荷電圧変換部の構成(FDAまたはFGA)に応じて適正なノイズ除去部構成と動作制御手法を採ることができ、これによりリセットノイズの発生や影響を防止している。
何れの構成でも、そのノイズ除去の基本は、例えば、空パケットPv中のノイズ成分をP相としてクランプし、その後、信号パケットPsの信号成分をD相としてクランプすることである。すると、ノイズ除去部の出力としてはCDSされた信号が出力され、ノイズ成分を除去することができる。このことからノイズ除去部はCDSによるノイズ除去と同じ働きがあり、後段のCDS回路は省略できる。
図3(A)と図3(B)は、このノイズ除去の前提となる信号入力動作を、電荷電圧変換部3がFDAの場合で示す説明図である。
一般に、1画面分の期間を1フレーム期間と呼ぶが、1/2間引きでは、この期間を1フィールド期間と呼んでもよい。ここでは1/2間引きの1画面分の期間も、1フレーム期間と呼ぶ。
1フレーム期間は、図1(A)の受光(電荷蓄積)を行う期間と、図1(B)の垂直転送部7への電荷読み出しとFD部リセットを行う期間と、垂直転送読み出しと出力処理の期間とからなる。図3(A)と図3(B)は、このうち、垂直転送読み出しと出力処理の期間における、1パケット分の垂直転送前後の様子を示す。
ノイズ除去は最初にノイズ成分のみの空パケットを用いることは先に述べたが、図3(A)は、その空パケットの出力時の様子を示す。また、図3(B)は、これに続く信号パケットの出力時の様子を示す。
ノイズ除去では、図3(A)の空パケット出力に対応してP(プリセット)相のクランプ動作を行い、続いて図3(B)の信号パケット出力に対応してD(データ)相のクランプ動作を行うことを、その処理動作の基本とする。P相クランプとD相クランプは、図1の読み出しで垂直転送部7に排出された全てのパケットに対して処理が行われ1フレーム分の出力が終了するまで繰り返され、次のフレームでも同様な動作の繰り返しとなる。
但し、P相クランプとD相クランプは1組として連続して行われるが、組と組の間の時間は、後続のカラム処理によっては時間を要するものがあるため、その処理時間を勘案してタイミング設定される。
以下、より具体的な第1〜第3の実施形態により本発明によるノイズ除去のための構成と動作の詳細を明らかにする。
<2.第1の実施の形態>
[デバイスのブロック構成]
図4は、本実施形態に関わるCCD撮像デバイス(CCDイメージャ)のブロック図である。この図4に示すブロック構成は、他の実施形態でも共通する。
図4に図解するCCDイメージャ1は、大別すると、受光部5および垂直転送部7を含む撮像部2、垂直転送部最終段7A、電荷電圧変換部3、カラム出力アンプ部4および出力処理部10を有する。
受光部5は、行方向と列方向にマトリクス配置されて、本発明の“受光画素”の中心をなす部分であり、入射光に応じた信号電荷を光電変換により発生する。以下、信号電荷またはその集合をデータ信号と呼ぶ。
各受光部5の一方側(図4の左方側)には、受光画素の一部として不図示の読み出しゲート部が配置され、さらにその隣に垂直方向(図4の縦方向)に長い垂直転送部7が、受光画素列(カラム)ごとに配置されている。なお、受光部5、読み出しゲート部、垂直転送部7の周囲は、適宜、チャネルストッパで電気的に干渉しないように分離されている。
以上の構成により撮像部2が形成され、撮像部2には、特に図示しないが垂直転送を駆動する複数相、例えば4相の垂直転送クロック信号φV1,φV2,φV3,φV4、および基板印加電圧Vsubが入力される。これらの転送クロック信号や電圧(電源電圧や後述するクランプ電圧等も含む)は、不図示のクロック発生回路や電圧発生回路で発生し、不図示の制御部(CPU等)の制御を受けて撮像部2に与えられる。なお、制御部は、図4に示す各ブロック構成全体の制御部でもあり、図4に示す各ブロックは、その制御部の制御支配下にある。
垂直転送部7は、半導体基板内の表面側に不純物を導入して形成され電荷が溜まるポテンシャル井戸と、絶縁膜を介して基板上に繰り返し形成された複数の電極(転送電極)とを有する。垂直転送部7の転送電極に対して、上記した転送クロック信号(例えばφV1,φV2,φV3,φV4)が印加される。垂直転送部7は、転送電極に印加される転送クロック信号に制御されてポテンシャル井戸内の電位の高さが順次変化し、このポテンシャル井戸内の電荷を一方向に順送りする、いわゆるシフトレジスタとして機能する。
垂直転送部7は、異なる画素の信号電荷が順次通過することから、垂直転送部7に光が入射して電荷が発生すると、ここで発生した電荷は信号電荷に対しノイズ成分となって重畳する。このため、垂直転送部7は、通常、光が入らないように遮光膜で覆われている。
ところが、垂直転送部7に対する遮光が完全でない、あるいは、他の箇所から入射した乱反射光が遮光膜のエッジ等を回り込んで垂直転送部7に進入すると、そこで電荷が生成される。この電荷は転送されるごとに積算されて、画面上で転送路に沿った縦の線(縦筋)として現れる、スミア現象を引き起こす。スミア現象により生じたノイズ成分を、スミア成分という。
なお、強い光の入射時に余剰電荷が読み出しゲート部の電位障壁を乗り越えて垂直転送部7に漏れ出すノイズ成分も縦筋等の固定パターンノイズの原因となる。また、画面全体に重畳するランダムノイズとしては、入射光と無関係に半導体基板の欠陥等に起因して発生する暗電流による電荷も垂直転送部7のノイズ成分に含まれる。
電荷電圧変換部3は、第1の実施形態ではフローティングゲートアンプ(FGA)からなる。なお、第2の実施形態では、FGAとFDAのどちらを用いてもよく、第3の実施形態ではFGAを電荷電圧変換部3として用いる。
FGAとFDAの出力段は同様であり、電源電圧VDDと接地電圧との間に出力トランジスタと電流源が直列接続されている。FGAの場合、出力トランジスタのゲートに垂直転送部7の垂直転送部最終段7Aの電位が入力され、出力トランジスタは、この電位(電荷量)をソースフォロアで電圧に変換して出力する。電位が読み取られた転送電荷は垂直転送部最終段7Aから基板その他の部位に捨てられていく。
なお、FDAの場合、出力トランジスタのドレインがFD部として、ある程度の蓄積容量を持つ。FD部は他のトランジスタのドレインと共通になっており、このトランジスタがオンして転送電荷がFD部に送られて蓄積されたものを、出力トランジスタがソースフォロアで読み出す構成となっている。FD部を設けるのは、リセット機構(FD部とVDD線間のリセットトランジスタ)でFD部をその都度空にすることができるためである。これにより、ノイズ成分が転送パケットに比べ2倍となることは防げるが、リセットトランジスタのオンとオフによるリセットノイズが出力されるという不都合がある。
図4のカラム出力アンプ部4は、カラムCDS(相関2重サンプリング)回路、カラムQVアンプ、カラムADC(ADコンバータ)等を、受光画素列(カラム)ごとの直列処理系として持つ。また、本発明の実施形態では、カラム出力アンプ部4にカラムごとに備える直列処理系(カラム処理ユニット)内の初段、つまり電荷電圧変換部3の出力を最初にする構成として、ノイズ除去アンプ40を有する。ノイズ除去アンプ40は、本発明の“ノイズ除去部”の一例に該当する。
なお、ノイズ除去アンプ40は、いわゆるカラムCDS回路とノイズ除去の機能としては同じであり、その代替として用いられる。
出力処理部10は、n本の水平出力線HL1,HL2,…HLnを有する。水平出力線HL1,HL2,…HLnは、水平スキャナ12により制御されるスイッチ回路13を介してカラム出力アンプ部4のカラムごとの出力との接続が制御される。水平出力線HLの本数nは、撮像部2の受光画素総数の1/m(mは通常、数十〜数百)と少ないので、水平スキャナ12のm回の走査により全カラムの出力を達成する。
水平出力線HL1,HL2,…HLnに対して、マルチプレクサ(MUX)14と、出力アンプ15_1と15_2が接続されている。なお、マルチプレクサ14と複数の出力バッファ回路を用いた画素加算を行う場合、基本的には出力バッファ回路の個数は任意であるが、加算画素数に適合した数となっていることが望ましい。出力段における画素加算については後述する。
以上に構成を述べた出力処理部10は、通常の水平転送部(H−CCD)に代わる構成であり、水平転送を複数の水平出力線HL1,HL2,…HLnを用いて並列に行なうことで、水平出力線1本当たりのデータレートを低くすることが可能である。このことは、マルチプレクサ14と出力バッファ回路に処理時間の余裕を与える。
逆の見方をすると、この出力処理部10の構成は、通常の水平CCDによる出力に比べ出力データレートを高くした高速読み出しを可能とする。
なお、図4に示す構成は、他の実施形態でも共通する。以下、本発明の特徴部であるノイズ除去アンプ40の構成と動作を詳述する。
[ノイズ除去アンプの回路構成]
図5(A)と図5(B)に、第1の実施形態に関わるCCD撮像素子において、カラム出力アンプ部4がカラムごとのカラム処理ユニット(カラム直列処理系)に具備するノイズ除去アンプ40の回路図を示す。
なお、複数カラムでカラム出力アンプ部4のカラム処理ユニットを共有する場合の例は後述する。
ノイズ除去アンプ40は、1つの差動アンプ41と、結合容量C1および帰還容量C2と、3つのスイッチSW1,SW2およびSW3とを含んで構成されている。
差動アンプ41の反転入力「−」は結合容量C1を介して、前段の電荷電圧変換部3(図4参照)に接続されている。
差動アンプ41の反転入力「−」と出力との間にスイッチSW1が接続されている。また、この反転入力「−」とクランプ電圧VCLPの供給線との間にキャパシタC2が接続され、クランプ電圧VCLPの供給線と差動アンプ41の出力との間にスイッチSW2が接続されている。差動アンプ41の非反転入力「+」には基準電圧Vrefが与えられる。
[ノイズ除去動作]
次に、動作説明を行う。なお、この説明では、最初にノイズ信号クランプのためにクランプ電圧VCLPを印加することをプリチャージ(またはP相クランプ)と呼び、データ信号の入力による入力のクランプ状態の変化をD相クランプと呼んで区別する。
図5(A)にプリチャージ(P相クランプ)時のスイッチ状態と電荷チャージ状態を示し、図5(B)にD相クランプによる画素信号読み出し時のスイッチ状態と電荷チャージ状態を示す。
なお、図5(A)と図5(B)は、前段の電荷電圧変換部3がFGAとFDAのどちらにも適用できる回路図である。このため、FDAのリセットレベル電圧を符号“Vp”で示すが、リセット動作がないFGAの場合、リセットレベル電圧Vp=0[V]と考えてよい。また、符号“Vn”はノイズ成分の電圧値を、符号“Vd”は信号成分の電圧値(データ信号電圧)を表す。なお、符号“s”と“t”は任意の自然数であるが、その詳細は後述する。
第1の実施形態では、ノイズ除去アンプ40の前段の電荷電圧変換部3はFGAを前提とする。FGAではリセット動作がないので、リセットノイズは考慮しないでP相とD相をそのまま読み出せばよい。
具体的には、図5(A)に示すように、入力にFGA構成の電荷電圧変換部3から空パケット電圧(Vp(=0[V])+s*Vn)が与えられている状態で、差動アンプ41のリセットを制御するスイッチSW1をオンにする。その後、スイッチSW1をオフすることでP相クランプ(プリチャージ)を行う。このとき差動アンプ41の差動入力は、いわゆる仮想ショートとなるため、非反転入力「+」の基準電圧Vrefが反転入力「−」と出力電圧Voに与えられる。
また、P相クランプでは、スイッチSW2がオフ、スイッチSW3がオンなので、帰還容量C2は負帰還のための容量としては機能しないで、帰還容量C2にクランプ電圧VCLP(<Vref)によるチャージが行われる。帰還容量C2の蓄積電荷量Q2は、その容量値を同じ符号“C2”で表すと(Vref−VCLP)C2となる。
一方、空パケット電圧(Vp(=0[V])+s*Vn)は一般に基準電圧Vrefより小さいので、結合容量C1の保持電荷量Q1は、その容量値を同じ符号“C1”で表すと{Vref−(Vp(=0[V])+s*Vn)}C1となる。
よって、差動アンプ41の反転入力「−」および出力の電荷量Qについて次式(1)が成り立つ。
[数1]
Q=Q1+Q2
={Vref−(Vp(=0[V])+s*Vn)}C1+(Vref−VCLP)C2…(1)
続くD相クランプでは、図5(B)に示すように、入力に信号パケット電圧(Vd+t*Vn)が与えられた状態で、上記3つのスイッチSW1〜SW3を反転する。これにより差動アンプ41の仮想ショート状態とクランプ電圧VCLPの印加は解かれ、代わって差動アンプ41に対し帰還容量C2による負帰還がかかる。そのため、結合容量C1と帰還容量C2間で電荷分配移送がなされ、結合容量C1の蓄積電荷量がQ1からQ1´に、帰還容量C2の蓄積電荷量がQ2からQ2´に変化する。
よって、差動アンプ41の反転入力「−」および出力の保持電荷量Q´について次式(2)が成り立つ。
[数2]
Q´=Q1´+Q2´
={Vref−(Vd+t*Vn)}C1+(Vref−Vo)C2…(2)
但し、スイッチSW1がオフする前後で、差動アンプ41の反転入力「−」側の配線と、この配線に接続された2つの容量電極に蓄えられた電荷は同じであり、結合容量C1と帰還容量C2間で電荷が移動するだけである。このためQ=Q´より、次式(3)が成立する。
[数3]
Vo=VCLP
−(C1/C2){(Vd−Vp(=0[V]))+(t−s)Vn}…(3)
ここでt=sが成り立てば、出力電圧Voからノイズ成分Vnがキャンセルされる。任意の自然数とした係数tとsは、画素混合を行わない場合は空パケット電圧と信号パケット電圧でノイズ成分を等価とするためt=s=1である。一方、画素混合後の信号パケットには、例えば2画素混合の場合はt=2という具合に、混合画素数に応じて係数tが2以上の場合もある。その場合、その信号パケットの直前の空パケットにも同量のノイズ成分が含まれるように空パケット同士の混合も行うなど、パケットサイズが同じになるようにして、垂直転送部7上で行う画素混合が制御される。
これにより常にt=sが成り立ち、図5の処理で用いられる空パケット電圧と、これに続く信号パケット電圧とでは等価ノイズ成分が含まれることとなる。
一方、電荷電圧変換部がFDAの場合は、P相、D相の前後でリセット動作を行わないとすると、空パケットに含まれるノイズ成分が信号パケット電圧にさらに加算されてノイズ成分が2倍となるため、t=sが成り立たなくなる。その反面、FDAのリセットノイズが、上記式(1)〜(3)では表現していないノイズ成分として出力電圧Voに影響する。
以上より、図5の1段構成のノイズ除去アンプ40では、その前段の電荷電圧変換部3をFGAとすると、ほぼ完全にノイズ成分除去が可能となる。
以上の第1の実施形態に関わるノイズ除去方法では、以下の2つの動作が繰り返される。
《第1動作》
差動アンプ41に結合容量C1を介して空パケットの電圧(s*Vn)が入力されたときに、(第1)スイッチSW1と(第3)スイッチSW3をオン、(第2)スイッチSW2をオフする。これにより、差動アンプ41の非反転入力「+」に印加される基準電圧Vrefで反転入力「−」と出力を保持するプリセット(P)相クランプ状態を設定する。
《第2動作》
(第1〜第3)スイッチSW1〜SW3を反転動作させてP相クランプ状態からデータ(D)相クランプ状態に移行させる。このとき、結合容量C1と帰還容量C2との間の容量比(C1/C2)に応じた電荷分配により、出力にクランプ電圧VCLPから信号成分(データ電圧Vd)に比例した量だけ変化し等価ノイズ成分が除去されたノイズ除去電圧が出力される。
<3.第2の実施の形態>
FDAを用いてもリセットノイズの影響を出力に与えないためには、図5のノイズ除去アンプ40を2段直列接続させて、そのスイッチ制御を工夫すると実現可能である。本実施形態は、2段構成のノイズ除去アンプとその動作に関する。
図6に、第2実施形態に関わる2段構成のノイズ除去アンプ40と、その前段の電荷電圧変換部3(FDA)の回路図を示す。
図6に図解する2段構成のノイズ除去アンプ40は、図5の構成を直列に接続したものであるが、以後の説明で区別するため、前段を第1アンプ部Amp1、後段を第2アンプ部Amp2と呼ぶ。また、第1アンプ部Amp1内の3つのスイッチと差動アンプの符号に前段を表す“f”を追加し、第2アンプ部Amp2内の3つのスイッチと差動アンプの符号に後段を表す“r”を追加している。さらに、前段の容量と区別するため、第2アンプ部Amp2内の結合容量とその容量値を符号“C3”で表し、帰還容量とその容量値を符号“C4”で表す。
FDAではリセット動作を行うとリセットノイズが発生するため、仮にリセットノイズの発生をFDA自身で防止するとした場合、P相とD相でリセットすることができない。
そのため、FDAでリセット動作を行わないとすると、前述したようにD相ではノイズ成分が2倍となる。この場合、FDAのFD部31(図3参照)にはまずリセットレベル電圧Vp(≠0)が現れ、その後のP相でスミア信号などノイズ成分が電位Vnとして加算された(Vp+s*Vn)が現れる。その後のD相では、データ信号電圧Vdに含まれるノイズ成分が加算された{Vd+(s+t)*Vn}が現れる。
したがって、図5に示す1段アンプ構成では、t=sとしてもノイズ成分がキャンセルされない。
以上から、電荷電圧変換部3がFDAの場合、1段構成のノイズ除去アンプ40では、リセットノイズの影響防止と、スミアや暗電流によるノイズ成分と除去との両立が図れない。
第2の実施形態では、この両立を図るものであり、図7に概略動作を示す。
図7は、図6の2段アンプの入力(FD部電圧VFD部)を(A)に、中間出力電圧V1o(第1アンプ部Amp1の出力電圧)を(B)に、最終出力電圧V2o(第2アンプ部Amp2の出力電圧)を(C)として示す。図7は、それらの入出力電圧の大まかな時間推移を示す模式的な波形図である。また、図8は、さらにスイッチ制御の波形図まで含めた波形図である。
図7に示すノイズ除去は、以下の4動作の繰り返しとなる(図8参照)。
《第1動作》
第1ノイズ除去部(第1アンプ部Amp1)にFDAのリセット後のリセットレベル電圧Vpが入力される。このときに、当該第1アンプ部Amp1と第2ノイズ除去部(第2アンプ部Amp2)の両方において、(第1)スイッチSW1fおよびSW1rと(第3)スイッチSW3fおよびSW3rをオン、(第2)スイッチSW2fおよびSW2rをオフとする。これにより、差動アンプ41f,41rの非反転入力「+」に印加される基準電圧Vrefで反転入力「−」と出力を保持するプリセット(P)相クランプ状態を設定する。
《第2動作》
差動アンプ41にリセットレベル電圧Vpを基準とする空パケットの電圧(Vp(≠0)+s*Vn)が入力される。このときに、第1アンプ部Amp1において、3つのスイッチSW1f〜SW3fを反転動作させる。これにより、第1アンプ部Amp1がP相クランプ状態からデータ(D)相クランプ状態に移行する。すると、結合容量C1と帰還容量C2との間の容量比(C1/C2)に応じた電荷分配が行われる。この結果として、第1アンプ部Amp1の出力にクランプ電圧VCLPから(等価)ノイズ成分Vnに比例して変化し(ノイズ成分が残り)、リセットノイズが除去された中間出力電圧V1oが出力される。その一方で、第2アンプ部Amp2はP相クランプ状態を維持し、最終出力電圧V2oは基準電圧Vrefのままである。そのため、結合容量C3の保持電荷が、中間出力電圧V1oの変化分であるノイズ成分Vnに相当する電荷が加算されたものとなる。これは、第1アンプ部Amp1で抽出されたノイズ成分Vnが、第2アンプ部Amp2におけるP相でクランプされることを意味する。
《第3動作》
第2アンプ部Amp2において、3つのスイッチSW1r〜SW3rを反転動作させる。これにより第2アンプ部Amp2のP相クランプ状態(リセット状態)が解除される。また、第1アンプ部Amp1において、3つのスイッチSW1f〜SW3fを再度反転動作させて、P相クランプ状態に戻す。
第3動作では、第1アンプ部Amp1のP相クランプ状態(リセット状態)の再設定により、その中間出力電圧V1oが基準電圧Vrefに上昇する。また、第2アンプ部Amp2はP相クランプ状態の解除(リセット解除)がなされる。このとき結合容量C3にノイズ成分Vnがクランプされているため、リセット解除によってノイズ成分Vnの容量比(C3/C4)に比例した分だけ、最終出力電圧V2oの電位が基準電圧Vrefから変化(ここでは上昇)する。
《第4動作》
第1アンプ部Amp1にリセットレベル電圧を基準とする信号パケットの電圧が入力される。その後、第1アンプ部Amp1に対しD相クランプ状態への移行(リセット解除)を行う。これにより、第2動作でノイズ成分に比例した電圧変化した前記中間出力電圧V1oから、さらに第2アンプ部Amp2の容量間の容量比(C3/C4)に応じた電荷分配で変化した最終出力電圧V2oを、当該第2ノイズ除去部の出力に出現させる。最終出力電圧V2oは、2段の負帰還アンプを経た電圧であるから、中間出力電圧V1oの容量比(C1/C2)に比例した電圧変化とは逆極性を持ち、さらに容量比(C3/C4)が掛け合わされた電圧となる。
第4動作後の中間出力電圧V1oと最終出力電圧V2oは、次式(4−1)と(4−2)で表される。
[数4]
V1o=VCLP−(C1/C2){Vd−Vp+t*Vn} …(4−1)
V2o=VCLP−(C3/C4)(C1/C2){Vd−Vp+(t−s)*Vn} …(4−2)
この2つの式から、中間出力電圧V1oはノイズ成分Vnを含む項が存在し、最終出力電圧V2oではt=sとすることでノイズ成分項をゼロとしてノイズ除去ができることが分かる。また、ノイズ成分を含む項の容量比変化係数が中間出力電圧V1oでは(C1/C2)であるが、最終出力電圧V2oでは2つの容量比(C3/C4)と(C1/C2)の積で表わされる。さらに、クランプ電圧VCLPからの変化極性が、両方の式で反対となっている。
このように、第2の実施形態では、差動アンプを2つ直列に接続する構成にする。この構成と、上記した第1〜第4動作の駆動方法によって、リセットノイズと、スミアなどのノイズ成分との双方の除去が可能である。
この駆動方法の要点は、第1ノイズ除去部のP相クランプからD相クランプ時にリセットノイズの抑圧を行い、第2動作での第2ノイズ除去部のP相クランプでノイズ成分をクランプし、これを後段に送る動作を含むことである。この要点を含む限り、本発明のノイズ除去方法は、上記図6〜図8に記載した回路や駆動方法に限定されない。
即ち、第1および第2ノイズ除去部が入出力のリセット機能と、入力保持容量および負帰還容量とを持つ負帰還アンプである限り、第2の実施形態のノイズ除去動作における基礎の発明概念は、以下の4動作で表すことができる。
(A)第1および第2ノイズ除去部のリセットによる前記FDAのリセットレベル電圧のクランプ動作。
(B)第1ノイズ除去部のリセット解除により、与えられた空パケットの電圧から前記等価ノイズ成分を負帰還増幅して出力する動作。
(C)前記第1ノイズ除去部のリセット解除による等価ノイズ成分出力を前記第2ノイズ除去部の入力保持容量へ転送してクランプさせる動作。
(D)信号パケットの電圧が与えられたときに前記第1ノイズ除去部では、等価ノイズ成分を出力した場合と同様の動作、および、前記第2ノイズ除去部の負帰還増幅により前記等価ノイズ成分が除去された電圧を発生する動作。
<4.第3の実施の形態>
図9に、第3の実施形態に関わるノイズ除去アンプの回路図を示す。
ノイズ除去アンプ40Aは、差動アンプ41、第1〜第3入力スイッチSWin1,SWin2,SWin3、第1および第2入力容量Cin1,Cin2、帰還容量Cf、入力リセットスイッチ42およびアンプリセットスイッチ43を有する。
第1および第2入力スイッチSWin1,SWin2は、FGA(電荷電圧変換部3)の出力にパラレル接続されている。
第3入力スイッチSWin3は、第1入力スイッチSWin1と差動アンプ41の反転入力「−」との間に接続されている。
第1入力容量Cin1は、第1入力スイッチSWin1と第3入力スイッチSWin3との接続ノードと、コモン電源電圧(ここではGND電圧)の供給線との間に接続されている。
第2入力容量Cin2は、第2入力スイッチSWin2と差動アンプ41の非反転入力「−」との接続ノードと、コモン電源電圧(GND)の供給線との間に接続されている。
入力リセットスイッチ42は、第1および第2入力容量Cin1,Cin2の信号入力側電極とリセット電圧Vrstの供給線との間に接続されている。
帰還容量Cfとアンプリセットスイッチ43は、差動アンプ41の反転入力「−」と出力との間に並列接続されている。
FGA(電荷電圧変換部3)は、出力トランジスタ33と電流源34からなる出力段を有し、出力トランジスタ33のゲートが垂直転送部7の電荷量検出電極7Bに接続している。なお、図9では出力段が2段となっているが、ソースフォロアであれば図示の構成に限定されない。
第1の実施形態の回路構成を示す図5では、差動アンプ41の反転入力「−」側のみに信号を入力する。
これに対し、第3の実施形態では、差動アンプ41の非反転入力「+」と反転入力「−」にそれぞれノイズ成分(空パケット電圧)、ノイズ成分とデータ成分(信号パケット電圧)が入力される。この電圧入力の違いにより、差動アンプ41への入力電圧自体を出力において反転させることでノイズ成分を除去する。
このような動作は、各種スイッチを構成する5つのトランジスタのゲートに与えるスイッチ制御信号を不図示の制御部(CPU等)で制御することにより実行される。
3つの入力スイッチと2つのリセットスイッチは、スイッチトキャパシタ回路を構成することで、入力電圧の保持と入力制御を行う。
初期状態では、アンプリセットスイッチ43と全ての入力スイッチSWin1〜SWin3がオフしている。
最初に、入力リセットスイッチ42とアンプリセットスイッチ43をオンする。これにより、2つの入力容量Cin1,Cin2がリセット電圧Vrstで初期化され、また差動アンプ41がリセットされて、その帰還容量Cfの保持電荷量がゼロとなる。
初期化が済むと、FGAが空パケット電圧を出力しているノイズ成分読み出し時に、第2入力スイッチSWin2をオンする。これにより、非反転入力「+」側の第2入力容量Cin2にノイズ成分(s*Vn)を入力して保持させることで、P相クランプを行う。第2入力容量Cin2に保持されたノイズ成分(s*Vn)の電位は、差動アンプ41の基準電位となる。
第2入力スイッチSWin2をオフ後に、FGAから信号パケット電圧(Vd+t*Vn)を出力しているデータ信号読み出し時に、第1入力スイッチSWin1をオンする。すると、差動アンプ41の反転入力「−」の第1入力容量Cin1にパケット電圧(Vd+t*Vn)が入力させて保持され、これによりD相クランプが行なわれる。
第1入力スイッチSWin1をオフ後に続いて、差動アンプ41のアンプリセットスイッチ43をオフし、反転入力「−」側の第3入力スイッチSWin3をオンする。すると、差動アンプ入力の仮想ショートにより、2つの入力容量の保持電位が等価ノイズ成分(s=t)となることで差動入力電位を同じノイズ成分(t*Vn=s*Vn)の電位となるように差動アンプ41が動作する。このため、第1入力容量Cin1から、オン状態の第3入力スイッチSWin3を通って帰還容量Cfにデータ信号電圧Vdの分だけ電荷が移動する。
この時点で差動アンプ41の入出力端に接続されている帰還容量Cfにはデータ信号電圧Vdに相当する電位差が保持される。
その後、反転入力「−」側の第3入力スイッチSWin3をオフし、入力容量をリセットすることで、差動アンプの基準電位となるリセット電位からデータ信号分電位が変動した出力を得ることができる。
<5.出力段における信号出力および画素加算>
以下の信号出力および画素加算の手法は、上記した第1〜第3の実施形態の何れに対しても適用可能である。
図10に、図4の出力処理部10を更に詳しく説明したブロック図を示す。
図10の出力処理部10は、カラム出力アンプ部4のカラムごとのカラム処理ユニットの出力ごとに垂直出力線VL1,VL2,VL3,VL4,…が水平画素数と同じ数だけ設けられている。
各垂直出力線の途中にスイッチ素子S13が設けられている。また、スイッチ素子S13、カラム選択スイッチTR13の集合は、図4のスイッチ回路13を構成する。
図4にも示す水平出力線HL1〜HLnは、図10ではn=10として描かれている。水平出力線HL1を1番目、HL2を2番目、・・・HLnをn番目とすると、n本の水平出力線HLに対し垂直出力線VLがm本単位で接続されている。
具体的には、カラム出力アンプ部4内の第1列目のカラム処理ユニットCU1は、スイッチ素子S13を介して水平出力線HL1に接続される。第2列目のカラム処理ユニットCU2は、スイッチ素子S13を介して水平出力線HL2に接続される。以降同様にして、第m(=10)列目のカラム処理ユニットCUmは、スイッチ素子S13を介して水平出力線HLmに接続される。
この接続構造は、水平方向に繰り返されており、全ての水平出力線HLの各々に対し、垂直出力線VLがm(=10)本ごとに周期的に接続されている。これにより、各垂直出力線VLは、m(=10)本の何れか1本の水平出力線HLに接続される。
図4の水平スキャナ12は、例えばシフトレジスタ構成のスキャナ回路であり、この回路は選択するスイッチ素子を水平方向の一方(図10の構成では右方向)にシフトする。
但し、2画素混合を前提とする図10の構成では、水平スキャナ12は隣接する2本ごとの選択を行う。つまり、第1番目の水平出力線HL1と第2番目の水平出力線HL2が同時にカラム処理ユニットに接続されるように左端から1番目と2番目のスイッチ素子S13をオンさせる。次に、第3番目の水平出力線HL3と第4番目の水平出力線HL4が同時にカラム処理ユニットに接続されるように左端から3番目と4番目のスイッチ素子S13をオンさせる。これを3回目、4回目、5回目と繰り返したときに、9番目と最後のm(=10)番目の水平選択線HL9,HL10が選択される。そして、次の選択は、最初の1番目と2番目の水平出力線HLに戻って、以後、同様な周期的な水平出力線対の接続制御が行われる。
以上はデータ出力の駆動周波数を下げるための構成である。データ出力の速度に関しては、最終の出力アンプの駆動周波数と個数に依存するので、その系で必要な動作速度が得られるように、出力アンプの個数、水平出力線の本数を決定する。
本発明の第1〜第3の実施形態において図10に設けたマルチプレクサ14は、出力アンプ15_1,15_2と連携して画素加算の機能を実行する機能も併せ持つ。
なお水平出力線HLの本数(m本)に制限はないが、多ければ多いほど1本当たりのデータレートを下げることができる。但し、水平出力線HLの本数(m本)が余りに多いと、マルチプレクサ14の規模が大きくなるので、この本数は最適範囲がある。水平出力線HLは、水平ブランキング期間の読み出し動作と同程度の駆動スピードとなるような本数用意すると効率がよく好ましい。
図11に、マルチプレクサ14と出力アンプ15_1,15_2を含めた回路構成を示す。なお、以下の説明で出力アンプ15_1,15_2の何れかを指すときの参照符号は“15”と簡略化する。
マルチプレクサ14と2つの出力アンプ15は、それぞれが水平出力線HL1〜HLmに対応する出力回路部14Sをm個有している。
図12に、1つの出力回路部14Sを示し、図13に、出力回路部14Sを駆動するスイッチ制御パルスのタイミングチャートを示す。
出力回路部14Sは、それぞれ5つのスイッチ素子(SH#,SW#1,SW#2,/SW#,VDH#)及び容量素子C#から構成されている。以下、5つのスイッチ素子を、入力スイッチSH#、充電スイッチVSH#、入力転送スイッチSW#1、出力転送スイッチSW#2、リセットスイッチ(/SW#)と呼ぶ。また、入力転送スイッチSW#1と出力転送スイッチSW#2は同期して制御されるため、2つをまとめて“転送スイッチSW#”と呼ぶ(図13(B)参照)。また、リセットスイッチ(/SW#)は、転送スイッチSW#と反転したパルスで駆動される(図13(B)と(C)参照)。
出力回路部14Sは、スイッチや容量のほかに、出力アンプ15とバッファアンプ17を有する。
1本の水平出力線HLと出力アンプ15の出力との間に入力スイッチSH#と出力転送スイッチSW#2が直列接続され、その両スイッチの接続点に容量素子C#の保持電極が接続されている。この保持電極が接続された両スイッチ間の接続点を以下、“保持ノードSN”という。保持ノードSNには、充電スイッチVSH#を介してプリチャージ電圧VSHが印加可能となっている。
容量素子C#の基準電極と出力アンプ15の反転入力「−」との間に入力転送スイッチSW#1が接続され、出力アンプ15の反転入力「−」が基準電圧VREFの供給線に接続されている。容量素子C#の基準電極は、リセットスイッチ(/SW#)によって基準電圧VREFの供給線との接続が制御される。
マルチプレクサ14および2つの出力アンプ15の全体では、図11の太線で囲む出力回路部14Sが規則的に列方向に配置されたものとなる。
2本の基準電圧VREFの供給線と、プリチャージ電圧VSHの供給線は列方向にm個の出力回路部14Sで共通に配線されている。出力アンプ15の非反転入力「+」に接続されたVREFの供給線と、プリチャージ電圧VSHの供給線との間に、4本の接続線16が列方向に平行に走っている。
4本の接続線16は、その2本が出力アンプ15_1と(第1)出力回路部14Sのスイッチや容量を接続し、他の2本が出力アンプ15_2と、上記(第1)出力回路部14Sと隣接する他の(第2)出力回路部14Sのスイッチや容量を接続することが可能に設けられている。
加算しない場合、1つの水平出力線HLに着目すると、図11の太線で囲む出力回路部14Sを介して水平出力線HLからの出力電圧が出力アンプ15から出力される。
その出力制御の動作を、図12と図13を用いて説明する。
図13のタイミングチャートでは、1つの出力回路部14Sに対して、時間T1〜T4の順でパルス中心付近がくる4パルスを示すが、同様な4パルスが、その後、しばらくして繰り返すというふうに間欠的に繰り返される。この4パルスを単位として繰り返される周期は、図10のm本の水平出力線HLが周期的に選択される周期と連動している。
また、他の出力回路部14Sでは、4パルスの印加が時間的に順次ずれた与え方がされる。
この例では、まず、時間T4で充電スイッチVSH#に対し活性“H”の制御パルス印加になるため、充電スイッチVSH#がオンして充電スイッチVSH#が保持ノードSNに充電される。このとき容量素子C#に充電される電荷量Qは、その従前に基準電極がリセットレベルの基準電圧VREFとなっていることから、Q=C#(VSH−VREF)と表される。
図13に示す4パルスは循環的に変化するものであるから次に時間T1がくる。すると、全てのスイッチが非活性レベルとなってオフする(入力待機状態)。
次の時間T2では入力スイッチSH#のみ活性“H”となるため、これがオンし水平出力線HLの電圧を保持ノードSNに取り込む。このときの水平出力線HLの電圧を信号電圧Vsigと表記し、Vsig>VSHであるとすると、容量素子C#の保持電荷がQ=C#(Vsig−VREF)に変化する。これにより信号電圧Vsigが容量素子C#に設定される。
次の時間T3では2つの転送スイッチSW#がともにオンし、出力アンプ15の入出力間に容量素子C#を接続する。
この動作の前後で、次式(5−1)〜(5−4)が成り立つ。
[数5]
Q =C#(Vsig−VREF)…(5−1)
Q´=C#(Vout−VREF) …(5−2)
Q=Q´ …(5−3)
Vout=Vsig …(5−4)
時間T2の入力クランプ時点の保持電荷式(5−1)に示す保持電荷量Qと、クランプ解除(読み出し)に相当する時間T3の保持電荷式(5−2)に示す保持電荷量Q´とは、電荷保存の式(5−3)から等価とみなせる。その結果、式(5−4)のように信号電圧Vsigが出力に伝達される。
その後、時間T4に戻って容量素子C#にプリチャージが再度行われる。このときQ=C#(VSH−VREF)で表される電荷量Qが容量素子C#に再設定される。ただし、このとき容量素子C#には既に上記式(5−1)、即ちQ=C#(Vsig−VREF)の電荷が溜まっている。また、前記したように、Vsig>VSHの関係を満たすため、VsigとVSHの差分の電荷が充電(この場合、放電)される。以上から分かるようにVSHは、画素信号の基準電圧である。
以後、時間T1,T2,T3,T4,・・・と同様な駆動制御が繰り返されて、撮像部2の1つの画素行分の信号出力がなされる。
1つの画像行分の出力が終わると、次の画素行の出力に対し、FDAのFD部のリセット、P相クランプ、D相クランプといった第1〜第3の実施形態で述べたノイズ除去を行い、他の処理を経て、前述したと同様な方法で信号出力処理が行われる。
画素加算する場合は、加算する電圧が乗る複数の水平出力線に対応した複数の出力回路部14Sで同種のスイッチが同時にオンまたはオフする制御を行う。
例えば、2画素加算の場合は、図14に示すように、出力アンプ15_1を使う場合には、4本の接続線16の右2本に接続され、1つの出力回路部14Sを間において離れた2つの出力回路部14Sで画素加算を行う。このとき水平出力線HLiからの信号電圧Vsig(i)と水平出力線HLi+2からの信号電圧Vsig(i+2)を加算する。そのための制御では、対応する2つの出力回路部14S内の同種のスイッチを対として同時に制御する。この制御は、1つの出力回路部14Sで見れば、図13と図14を用いて既に説明した手法である。
図15に、図13の時間T3で2つの出力回路部14S内の2つの入力転送スイッチSW#1と2つの出力転送スイッチSW#2を同時にオンしたときに、出力アンプ15から見た帰還容量を示す。
1つの出力回路部14Sでは符号“C#”で容量素子を示していたが、ここでは2つの容量素子C#1とC#2が並列に出力アンプ15のフィードバック経路に接続され、トータルの帰還容量値が(C#1+C#2)となっている。
容量素子C#1の信号電圧をV1、容量素子C#2の信号電圧をV2とし、簡略化のためVREF=0と過程すると、各容量素子の電荷量Q1とQ2について次式(6−1)と(6−2)が成り立つ。図15の並列接続後、即ち2つの入力転送スイッチSW#1と2つの出力転送スイッチSW#2を同時にオンした後は、帰還容量値が(C#1+C#2)であるため、保持電荷量Q´について次式(6−3)が成り立つ。式(6−1)と(6−2)と式(6−3)の電荷保存式である次式(6−4)が成立し、これに式(6−1)と(6−2)を代入すると次式(6−5)となる。ここでC#1=C#2=Cとおいて式(6−5)を整理すると、次式(6−6)が導ける。
[数6]
Q1=C#1*V1 …(6−1)
Q2=C#2*V2 …(6−2)
Q´=(C#1+C#2)Vout …(6−3)
Q1+Q2=Q´ …(6−4)
C#1*V1+C#2*V2=(C#1+C#2)Vout…(6−5)
Vout=(V1+V2)/2 …(6−6)
式(6−6)は2入力の平均化、即ち画素加算を表している。
図14のマルチプレクサ構成において、信号電圧VsigはFDAのFD部電位をリセットしない限りは保持される。画素信号電圧を水平方向に1行出力するまでは各出力回路部14S内で(画素)信号電圧Vsigが保持されるため、マルチプレクサ14内のスイッチの組み合わせで加算出力を順に発生可能である。
また、図14の構成だと出力アンプ15が2つ存在し、その出力線を振り分けると1つおきの出力回路部14Sを用いる。但し、ベイヤ配列を想定すると、その配列では同じ色は1つ飛ばしなので都合がよい。このように色配列を考慮すると、色配列に適合してマルチプレクサ構成は任意に変更できる。
<6.列共有型カラムアンプ構造>
次に、図4の電荷電圧変換部3とカラム出力アンプ部4の列共有型構成について説明する。以下の列共有型カラムアンプ構造は、上記した第1〜第3の実施形態の何れに対しても適用可能である。
図16は、1/2間引き読み出しを前提とした4カラム共有の列共有型カラムアンプ構造の説明図である。
図16には、8本の垂直転送部7_1〜7_8が図示されている。そのうち4本の垂直転送部ごとに1つのFD部31が設けられている。また、カラム出力アンプ部4内のカラムアンプユニットCUが、FD部31ごとに設けられている。但し、このカラムアンプユニットCUの動作自体は、列共有でも列共有しない場合でも同じであり、またFD部31自体の役目とFDA構成も列(カラム)の共有と非共有で同じである。
ここでの特徴は、画素部の画素配列の複数列(ここでは4列)ごとにFD部31以降の後段処理構成が単一、つまり列共有構造を有している点である。
図16は1/2間引き読み出しを前提とし、8本の垂直転送部の出力端に、その倍数個の四角を示している。この四角は、図4の垂直転送部最終段7Aに出現した信号パケットの信号電圧Vsigと空パケットのノイズ成分Vnを模式的に図示したものである。四角内の数字の奇数がノイズ成分Vnを表し、偶数が信号電圧Vsig(この時点ではVnを含む)を表している。
これらの信号やノイズ成分は、符号“7C”により示す電荷転送路を通って対応するFD部31に送られる。この電荷転送路7Cは、配線とスイッチから構成してもよいし、短いCCDのように複数相のパルスによって発生する基板電位の大小の変化で電荷転送を行うものでもよいし、不純物インプラによる転送電界をつけたものであってもよい。
なお、カラムアンプが共有する列の数は信号電圧やノイズ成分ごとで見ると4であり、これを4カラム共有構造と呼ぶ。この共有列数は4に限定されないが、加算を考慮する場合、偶数が望ましい。
カラムアンプへの電荷転送の動作を、図16を用いて簡単に説明する。なお、ここではカラム処理の内容については、最初のFD読み出しと第1〜第3の実施形態で述べたノイズ除去処理で代表させるが、その後のカラム処理は任意である。
垂直転送部最終段7Aに図示のように信号電圧Vsigまたはノイズ成分Vnが揃っている状態をスタートとする。なお、図16では垂直転送部7の倍数の信号電圧とノイズ成分を示すが、ある瞬間では、信号電圧とノイズ成分の一方が垂直転送部7と同じ数だけ垂直転送部最終段7Aに揃う。
この状態、FD部31がリセットされた後、最初に番号1のノイズ成分Vnを対応するFD部31に電荷転送路7Cの制御によって読み出す。読み出したノイズ成分VnをP相クランプしてリセットレベルとする(第1カラム処理)。
次に番号2の信号電圧Vsigを同様にFD部31に読み出して、これをD相クランプしCDS出力、つまりノイズ除去アンプ40(図4参照)によるノイズ除去処理を行う(第2カラム処理)。
番号3のノイズ成分Vnも番号1と同様に処理し、番号4の信号電圧Vsigも番号2と同様に処理するといった具合に、第1カラム処理と第2カラム処理を交互に1行分の処理が終わるまで繰り返す。
図示したカラム共有構造の1対多(ここでは4)の接続構造を利用して画素加算を行うことができる。
その場合、例えば番号1と5を同時にFD部31に読み出すことでFD部31内で加算を行う。その後は、第1カラム処理と同様に、P相クランプによりリセットレベル発生等を行う。
番号1と5を加算するのは奇数の番号3を1つ飛ばしであることから、ベイヤ配列を想定しているためである。
ベイヤ配列の信号加算では、例えば番号2と6を同様にして加算し、その後、前記した第2カラム処理を行う。
以後、同様にして番号3と7のノイズ加算、番号4と8の信号加算といった具合に加算を繰り返し、1行分の加算読み出しとカラム処理を行う。
次行以降は、上記手法の繰り返しとなる。
以上、第1〜第3の実施形態の後に、垂直転送部7上の加算以外で、より後段の構成を用いて加算を行う手法を説明した。これらの加算手法は高速読み出しに適合している。また、通常のHレジスタを持つCCDの場合において、P相、D相を順にFD部に転送するために1ビットシフトや1ビット後退といった高速制御の足かせとなる処理を行わければならない。本発明のノイズ除去構成とその手法との組み合わせは、そういった高速制御を阻害する処理を含まない点で好ましい。
<7.電子機器への適用例(画像入力装置)>
図17は、本発明に係る画像入力装置(撮像装置)の構成の一例を示すブロック図である。
図17に示すように、本例に係る撮像装置は、レンズ61を含む光学系、撮像デバイス62、“画像処理部”としてのカメラ信号処理部63およびシステムコントローラ64等によって構成されている。
レンズ61は、被写体からの像光を撮像デバイス62の撮像面に結像する。撮像デバイス62は、レンズ61によって撮像面に結像された像光を画素単位で電気信号に変換して得られる画像信号を出力する。
この撮像デバイス62として、先述した第1〜第3の実施形態に係るCCDイメージャ1(またはCMOSセンサ等の他の固体撮像デバイス)が用いられる。
カメラ信号処理部63は、撮像デバイス62から出力される画像信号に対して種々の信号処理を行う。システムコントローラ64は、撮像デバイス62やカメラ信号処理部63に対する制御を行う。特に、システムコントローラ64は、撮像デバイス62における並列出力型ADCのAD変換動作に対応し、外部からの指令に応じて動作モードの切り替え制御を行うことが可能である。動作モードには、画素全ての情報を読み出すプログレッシブ走査方式での通常フレームレートモードを含む各種、通常の撮像モードが含まれる。また、動作モードには、通常フレームレートモード時に比べて、画素の露光時間を1/Nに設定してフレームレートをN倍に上げる高速フレームレートモード(モニタリングモード)が含まれる。
最後に、第1〜第3の実施形態の効果(利点)を述べる。
並列出力型撮像デバイスであることが、以下の点で有利である。
図4に示すように、列(カラム)ごとに出力アンプ(カラムCDS、カラムQV、カラムADCなど)を持ち、並列出力することが可能なCCD撮像素子では、水平電荷転送を行わない。
垂直転送部7の最終段が電荷電圧変換部3となっており、電荷を早い段階で電圧に変換し増幅できるため、水平転送部を持つCCDと比較してノイズには強い。
並列出力型としたことによる高速性能に関し、以下の利点がある。
並列に出力するため、垂直転送の駆動周波数を大きくすることにより高速化が可能である。言い換えると、高速化しても電荷電圧変換部3の駆動への影響は通常の水平転送部を持つCCDに比べ小さい。
駆動周波数に関して通常のCCD撮像素子の電荷電圧変換部(電荷電圧変換部)と比較して1000倍程度低くできる。なお、駆動周波数を1000倍程度低くなるのは、水平画素数が1000画素程度を想定した場合であり、出力端の周波数は何本並列に出力するかで決まる。
通常のCCDでは、垂直転送されるごとに水平転送を1行分行わなくてはならないため多画素化するほど電荷電圧変換部と水平転送の駆動周波数が厳しくなる。本実施形態のCCDは、そのような不利益がなく多画素化に有利である。
また、ノイズ除去に関して以下の利点がある。
通常のCCDだと、1行ずつ読み出していくので直前の画素のデータを転送できず、その結果、P相にノイズ成分を乗せることができない。
本発明の実施形態では、垂直転送部最終段7Aに電荷電圧変換部3が接続される場合を考えると、転送されてくる電荷をそのまま順番に電荷電圧変換部3に読み出すだけでP相にノイズ成分をとることができる。この点で、本実施形態の構成は、電荷転送に複雑な駆動を考えなくてよいという利点がある。
ノイズ成分と信号成分が同じ電荷転送路(垂直転送部7等)を通過し、同じ電荷電圧変換部3に入るようにすることで、ノイズ成分は同等となる(図2参照)。
P相とD相でリセット動作を行わないことでリセットノイズを除去可能である(図5〜図9参照)。
ノイズ除去部から出力される信号はすでにCDSされているので、後段の信号処理でCDSをかける必要がない。
特に第1〜第3の実施形態の構成やノイズ除去法について、以下の利点がある。
電荷電圧変換部3にノイズ除去アンプを2つ直列に接続する構成にすることで最初のノイズ除去アンプでリセットノイズ、2つ目のノイズ除去アンプでノイズ成分を除去できる(第2の実施形態)。ノイズ除去アンプを1つ用いる場合はFGA(フローティングゲートアンプ)を用いてリセットを行わないことでリセットノイズを発生させない(第1および第3の実施形態)。
画素混合を行う場合、並列出力型に適合した以下の手法が採用可能である。この手法はカラム出力アンプ部内におけるカラムごとのノイズ除去との適合性もよい。
出力される信号は出力端にあるマルチプレクサとデータを保持できる容量が接続された出力アンプ(差動アンプ)を用いることで画素加算を行うことができる。また、電荷電圧変換部とカラム出力アンプ部のカラム処理ユニットを垂直転送列が複数列ごとに共有する場合は、複数列読み出すことで直接信号電荷を加算し出力することができる。
この手法は、CCDへの読み出しや転送中の画素加算より信号出力経路で順次画素加算が行える点で効率がよく、高速性を妨げない。
1…CCDイメージャ、2…撮像部、3…電荷電圧変換部、4…カラム出力アンプ部、5…受光部、7…垂直転送部、10…出力処理部、12…水平スキャナ、13…スイッチ回路、14…マルチプレクサ、15…出力アンプ、40…ノイズ除去アンプ、41…差動アンプ、C1等…結合容量、C2,Cf等…帰還容量、HL…水平出力線、VL…垂直出力線。

Claims (14)

  1. 行方向と列方向にマトリクス配置されて信号電荷を発生する複数の受光画素と、
    各受光画素列の行方向の一方側に隣接し、読み出し制御が間引きモードのときに、1つの信号パケットと1つ以上の無信号の空パケットとが連続して交互に繰り返されたパケット群をそれぞれ列方向に転送する複数の垂直転送部と、
    垂直転送部ごとの複数の電荷電圧変換部と、
    前記電荷電圧変換部ごとに設けられ、対応する電荷電圧変換部から順次送られてくる前記空パケットと前記信号パケットの連続した2つのパケットを用いて、空パケットと信号パケットの等価ノイズ成分が除去され前記信号電荷に応じて変化する電圧を出力する複数のノイズ除去部と、
    を有する固体撮像デバイス。
  2. 前記ノイズ除去部は、
    複数の容量、複数のスイッチおよび差動アンプを含み、
    前記差動アンプの入力に順次送られてくる1組の前記空パケットと前記信号パケットの電荷に対しスイッチ制御による容量間の電荷分配移送を行うことよって、前記等価ノイズ成分が除去され前記信号電荷に応じて変化する電圧を前記差動アンプから出力する
    請求項1に記載の固体撮像デバイス。
  3. 前記電荷電圧変換部がフローティングディフュージョンアンプFDAであり、
    前記FDAの出力に対し、初段の第1ノイズ除去部と後段の第2ノイズ除去部がシリアル接続されている
    請求項2に記載の固体撮像デバイス。
  4. 前記第1および第2ノイズ除去部の各々は、
    前記差動アンプの反転入力と出力との間に接続された第1スイッチと、
    前記反転入力の入力に接続された結合容量と、
    前記反転入力と前記出力との間に直列接続された帰還容量および第2スイッチと、
    前記帰還容量と前記第2スイッチとの接続ノードとクランプ電圧の供給線との間に接続された第3スイッチと、
    を有する請求項3に記載の固体撮像デバイス。
  5. 前記第1および第2ノイズ除去部以下の(1)〜(4)の動作、すなわち、
    (1)前記第1ノイズ除去部に前記電荷電圧変換部のリセット後のリセットレベル電圧が入力されたときに、当該第1ノイズ除去部と前記第2ノイズ除去部の両方において、前記第1スイッチと前記第3スイッチをオン、前記第2スイッチをオフとして、前記差動アンプの非反転入力に印加される基準電圧で前記反転入力と前記出力を保持するプリセット(P)相クランプ状態を設定する第1動作、
    (2)前記第1ノイズ除去部に前記リセットレベル電圧を基準とする空パケットの電圧が入力されたときに、当該第1ノイズ除去部において、前記第1〜第3スイッチを反転動作させて前記P相クランプ状態からデータ(D)相クランプ状態に移行させ、前記結合容量と前記帰還容量との間の容量比に応じた電荷分配により、当該第1ノイズ除去部の前記出力に前記クランプ電圧からノイズ成分に比例した量だけ変化しリセットノイズが抑圧または除去された中間出力電圧を出力し、前記第2ノイズ除去部は前記P相クランプ状態を維持することで、第1ノイズ除去部の出力変化分を第2ノイズ除去部でP相クランプする第2動作、
    (3)前記第2ノイズ除去部のP相クランプ状態を解除しD相クランプ状態に移行させ、前記第1ノイズ除去部を前記P相クランプ状態に戻すことで、前記第1ノイズ除去部の出力変化分を前記第2ノイズ除去部の出力に伝達する第3動作、
    (4)前記第1ノイズ除去部に前記リセットレベル電圧を基準とする信号パケットの電圧が入力されたときに、前記第1ノイズ除去部に対し前記D相クランプ状態への移行を行うことで、前記中間出力電圧を得たときの電圧変化とは逆の向きで前記第1および第2ノイズ除去部の2つの容量比の積に応じて変化した最終出力電圧を、当該第2ノイズ除去部の出力に出現させる第4動作
    を行う請求項4に記載の固体撮像デバイス。
  6. 前記電荷電圧変換部がフローティングディフュージョンアンプFDAであり、
    前記FDAの出力に対し、初段の第1ノイズ除去部と後段の第2ノイズ除去部がシリアル接続されて、それぞれが、入出力のリセット機能と、入力保持容量および負帰還容量とを持つ負帰還アンプであり、
    前記第1および第2ノイズ除去部は、以下の4つ動作、すなわち、
    第1および第2ノイズ除去部のリセットにより、前記FDAのリセットレベル電圧を入力保持容量でクランプする動作、
    前記第1ノイズ除去部のリセット解除により、与えられた空パケットの電圧から前記等価ノイズ成分を負帰還増幅して出力する動作、
    前記第1ノイズ除去部のリセット解除による等価ノイズ成分出力を前記第2ノイズ除去部の入力保持容量へ転送してクランプさせる動作、
    信号パケットの電圧が与えられたときに前記第1ノイズ除去部では、等価ノイズ成分を出力した場合と同様の動作、および、前記第2ノイズ除去部の負帰還増幅により前記等価ノイズ成分が除去された信号電圧を発生する動作
    を行う請求項1に記載の固体撮像デバイス。
  7. 前記電荷電圧変換部がフローティングゲートアンプFGAであり、
    前記FGAの出力に対し単一の前記ノイズ除去部が接続されている
    請求項2に記載の固体撮像デバイス。
  8. 前記ノイズ除去部は、
    前記差動アンプの反転入力と出力との間に接続された第1スイッチと、
    前記反転入力の入力に接続された結合容量と、
    前記反転入力と前記出力との間に直列接続された帰還容量および第2スイッチと、
    前記帰還容量と前記第2スイッチとの接続ノードとクランプ電圧の供給線との間に接続された第3スイッチと、
    を有する
    請求項7に記載の固体撮像デバイス。
  9. 前記ノイズ除去部は、以下の(1)および(2)の動作、すなわち、
    (1)前記差動アンプに前記結合容量を介して前記空パケットが入力されたときに、前記第1スイッチと前記第3スイッチをオン、前記第2スイッチをオフとして、前記差動アンプの非反転入力に印加される基準電圧で前記反転入力と前記出力を保持するプリセット(P)相クランプ状態を設定する第1動作、
    (2)前記第1〜第3スイッチを反転動作させて前記P相クランプ状態からデータ(D)相クランプ状態に移行させ、前記結合容量と前記帰還容量との間の容量比に応じた電荷分配により、前記出力に前記クランプ電圧から信号成分に比例した量だけ変化し前記等価ノイズ成分が除去された信号電圧を出力する第2動作
    を行う請求項8に記載の固体撮像デバイス。
  10. 前記ノイズ除去部は、
    前記FGAの出力にパラレル接続された第1入力スイッチおよび第2入力スイッチと、
    前記第1入力スイッチと前記差動アンプの反転入力との間に接続された第3入力スイッチと、
    前記第1入力スイッチと前記第3入力スイッチとの接続ノードとコモン電源電圧の供給線との間に接続された第1入力容量と、
    前記2入力スイッチと前記差動アンプの非反転入力との接続ノードと、コモン電源電圧の供給線との間に接続された第2入力容量と、
    前記第1および第2入力容量の信号入力側電極とリセット電圧の供給線との間に接続された入力リセットスイッチと、
    前記差動アンプの反転入力と出力との間に並列接続されたアンプリセットスイッチおよび帰還容量と、
    を有する請求項7に記載の固体撮像デバイス。
  11. 前記ノイズ除去部は、以下の(1)〜(5)の動作、すなわち、
    (1)前記第1〜第3入力スイッチをオフし、前記入力リセットスイッチおよび前記アンプリセットスイッチをオンして、前記リセット電圧を前記差動アンプの出力に設定するリセット動作、
    (2)前記FGAの出力から前記空パケットが入力されたときに前記リセットスイッチをオフ後に前記第2スイッチをオンして、当該空パケットの前記等価ノイズ成分を前記出力に出現させるノイズ読み出し動作、
    (3)前記第2入力スイッチをオフして前記空パケットの等価ノイズ成分を前記第2入力容量に保持させるノイズ保持動作、
    (4)前記FGAの出力から前記信号パケットが入力されたときに前記第1スイッチをオンして、当該信号パケットの電荷を前記第1入力容量に保持させる信号保持動作、
    (5)前記第1入力スイッチと前記アンプリセットスイッチをオフし、前記第3入力スイッチをオンして、前記第1入力容量の保持電荷うち信号成分を前記帰還容量に移送させることで、前記差動アンプの出力に前記等価ノイズ成分がキャンセルされ前記信号成分に比例し前記第1入力容量と前記帰還容量の容量比に応じた電圧を出現させる信号出力動作
    を行う請求項10に記載の固体撮像デバイス。
  12. 行方向と列方向にマトリクス配置された複数の受光画素で信号電荷を発生し蓄積する受光ステップと、
    間引きモードのときに、1つの信号パケットと1つ以上の無信号の空パケットとが連続して交互に繰り返されたパケット群を対応する受光画素列から垂直転送部に読み出して列方向の一方側に転送する垂直転送ステップと、
    前記垂直転送部の一方端から電荷電圧変換部を介して順次送られてくる前記空パケットと前記信号パケットの2つのパケットを用いて、空パケットと信号パケットの等価ノイズ成分が除去され前記信号電荷に応じて変化する電圧を出力するノイズ除去ステップと、
    を含む固体撮像デバイスのノイズ除去方法。
  13. 光学系を含む画像入力部と、
    画像処理部と、
    を有し、
    前記光学系に固体撮像デバイスが含まれ、
    前記固体撮像デバイスは、
    行方向と列方向にマトリクス配置されて信号電荷を発生する複数の受光画素と、
    各受光画素列の行方向の一方側に隣接し、読み出し制御が間引きモードのときに、1つの信号パケットと1つ以上の無信号の空パケットとが連続して交互に繰り返されたパケット群をそれぞれ列方向に転送する複数の垂直転送部と、
    垂直転送部ごとの複数の電荷電圧変換部と、
    前記電荷電圧変換部ごとに設けられ、対応する電荷電圧変換部から順次送られてくる前記空パケットと前記信号パケットの連続した2つのパケットを用いて、空パケットと信号パケットの等価ノイズ成分が除去され前記信号電荷に応じて変化する電圧を出力する複数のノイズ除去部と、
    を有する画像入力装置。
  14. 前記固体撮像デバイスを含む画像入力部と前記画像処理部とを制御する制御部を有し、
    前記制御部は、通常の撮像モードとモニタリングモードとを設定し切り替える制御を実行する
    請求項13に記載の画像入力装置。
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