JP2011162765A - 有機・無機複合材料及びその製造方法、並びに光学部材 - Google Patents

有機・無機複合材料及びその製造方法、並びに光学部材 Download PDF

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Abstract

【課題】 十分な透明性と低い線膨張率と(所定のヘイズ値)を有する有機・無機複合材料、それを用いた光学部材、及びその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】 少なくとも一種類の高分子化合物と、三次元ネットワーク構造を有する少なくとも一種類の無機酸化物とを含む有機・無機複合材料において、前記高分子化合物が三次元ネットワーク構造を有し、前記高分子化合物と前記無機酸化物とが共有結合をし、かつ、厚さ5mm換算の前記有機・無機複合材料のヘイズ値が10%以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は有機・無機複合材料及びその製造方法、並びに光学部材に関する。
比重が低く軽量化できることや耐衝撃性に優れているという利点から、樹脂製光学材料は光学ガラスに替わって用いられるようになっている。その一方で、樹脂製光学材料は比較的高い線膨張率を有しており、光学材料として用いる際に寸法安定性が問題になっている。
樹脂製光学材料の寸法安定性を向上させるために、樹脂製光学材料に無機材料を添加することで、線膨張率が比較的低い、有機・無機複合材料が得られる。添加する無機材料としてはガラス繊維やタルクなどがよく用いられるが、光学材料をより透明にする、すなわち、ヘイズ値を低くするためには樹脂との屈折率差をできるだけ小さくする必要があり、そのため、使用できる無機材料と樹脂との組合せが限られてしまう。それに対し、無機ナノ粒子を添加することでヘイズ値を低くする方法も検討されている。しかし、無機ナノ粒子は、樹脂製光学材料に均一に分散させることが難しく、得られる有機・無機複合材料は、ヘイズ値が高くなってしまう。
例えば、特許文献1にはゾル−ゲル法で形成された金属酸化物の三次元微細ネットワーク構造体中に、ポリオキサゾリン系ポリマー、ポリエチレンイミン系ポリマーまたはスターバーストデンドリマーからなるアミド結合含有非反応性ポリマーが均一分散されていることを特徴とする有機・無機複合透明均質体について記されている。
また、特許文献2には、ポリカーボネート系樹脂と、シリコーンと、無機化合物とを含み、シリコーンがポリカーボネート樹脂中で3次元ネットワークを構成したポリカーボネート組成物が記載されている。
以上のように、ヘイズ値と線膨張率がともに低い有機・無機複合材料が求められていた。
特許第02574049号公報 特開2006−182899号公報
本発明はヘイズ値と線膨張率とがともに低い有機・無機複合材料及びその製造方法、並びに光学部材を提供することを目的としている。
第一の本発明に係る有機・無機複合材料は、少なくとも一種類の高分子化合物と、三次元ネットワーク構造を有する少なくとも一種類の無機酸化物とを含む有機・無機複合材料において、前記高分子化合物が三次元ネットワーク構造を有し、前記高分子化合物と前記無機酸化物とが共有結合をし、かつ、厚さ5mm換算の前記有機・無機複合材料のヘイズ値が10%以下であることを特徴とする。
第二の本発明に係る有機・無機複合材料の製造方法は、反応性基が導入された、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物を用意する第一の工程と、反応性化合物を重合させて三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得るとともに、前記反応性化合物と前記反応性基とを反応させて、前記高分子化合物と前記無機酸化物とを共有結合させる第二の工程と、を有することを特徴とする。
第三の本発明に係る有機・無機複合材料の製造方法は、反応性基が導入された、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物を用意する第一の工程と、反応性化合物と前記反応性基とを反応させて、前記高分子化合物と前記無機酸化物とを共有結合させる第二の工程と、前記反応性化合物を重合させて三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得る第三の工程と、を有することを特徴とする。
第四の本発明に係る有機・無機複合材料の製造方法は、反応性基が導入された、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物を用意する第一の工程と、反応性化合物を重合させて三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得る第二の工程と、前記反応性化合物と前記反応性基とを反応させて、前記高分子化合物と前記無機酸化物とを共有結合させる第三の工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る有機・無機複合材料によれば、高分子化合物と無機酸化物とが共有結合をしているため、ヘイズ値と線膨張率がともに低い有機・無機複合材料を実現できた。
第一実施形態における、重合性化合物、高分子化合物、モノマー単位について説明するための図である。 高分子化合物と無機酸化物との間の共有結合の有無を評価する手法の具体例を説明するための図である。 高分子化合物と無機酸化物との間の共有結合の有無を評価する手法の具体例を説明するための図である。 高分子化合物と無機酸化物との間の共有結合の有無を評価する手法の具体例を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明の有機・無機複合材料及びその製造方法、並びに光学部材は、これらに限定されるものではない。
本発明者は、特許文献1に開示された材料について検討した。その結果、特許文献1に記載の有機・無機複合透明均質体は、有機成分であるアミド結合含有非反応性ポリマーと、無機成分である金属酸化物とを共有結合させておらず、線膨張率の低減効果は限定的と考えた。また、特許文献2に記載のポリカーボネート組成物はヘイズ値が高いと考えた。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態に係る有機・無機複合材料は、少なくとも一種類の高分子化合物と、少なくとも一種類の無機酸化物とを含む。前記高分子化合物は三次元ネットワーク構造を有し、前記無機酸化物は三次元ネットワーク構造を有し、前記高分子化合物と前記無機酸化物とが共有結合をし、かつ、厚さ5mm換算の前記有機・無機複合材料のヘイズ値が10%以下であることを特徴とする。
本実施形態に係る有機・無機複合材料(以下、単に複合材料と略すことがある)では、線膨張率の低い三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物と、無機酸化物に比べて線膨張率の高い三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物とが共有結合をしている。そのため、有機−無機成分の界面だけでなく、各結合点においても高分子化合物の運動性が強く束縛され、効果的に線膨張率が低くなると考えられる。従って、結合部位が多くなるにつれ、高分子化合物の運動の束縛がさらに強くなるため、共有結合している部位が多くなるにつれて線膨張率が低くなると考えられる。このため、本実施形態に係る高分子化合物は、高分子化合物固有の線膨張率に関わらず、無機酸化物との複合化による効果が期待できる。
また、本実施形態に係る高分子化合物および無機酸化物は、ともに三次元ネットワーク構造を有するため、透明性が高い、すなわちヘイズ値が低い。本実施形態に係る複合材料が高い透明性を有する点について、以下のように考えることができる。一般的に有機化合物と無機化合物との間の相溶性は低く、混ぜただけでは、透明性の高い複合体はもとより、均一な複合体すら得難いと言われている。本実施形態では、三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物と、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物とが共有結合している。これによって、分子レベルの相溶性を持たせることが可能となり、高い透明性が得られていると考えられる。このため、本来は相溶性をもたせるために有機・無機成分は特定の構造に制限されるが、本発明では特に構造に制限されることがなく高い透明性を達成できると考えられる。
(高分子化合物)
本実施形態に係る有機・無機複合材料(以下、「複合材料」と称する場合がある)に含有される高分子化合物とは重合性化合物の重合体のことを指す。高分子化合物として、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。前記アクリル樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリベンジルメタクリレートといった、(メタ)アクリルモノマーの重合体が挙げられる。
また、本実施形態に係る高分子化合物は前記例示した高分子化合物がいずれか一種類のみ含まれてもよいし、複数種類含まれていてもよい。複数の高分子化合物が使用される場合、複数種類の高分子化合物からなる三次元ネットワーク構造が形成されうる。
さらに、前記例示した高分子化合物が、複数種類のモノマー単位からなっていてもよい。すなわち、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などでもよい。共重合体の例としては、スチレン−アクリル共重合体などが挙げられる。ここで、モノマー単位とは、高分子化合物を構成するモノマーのことである。
本実施形態における、重合性化合物、高分子化合物、モノマー単位について、図1を用いて具体的に説明する。重合性化合物であるメチルメタクリレート(図1(a))の重合体はポリメチルメタクリレート(図1(b))である。そして、ポリメチルメタクリレートのモノマー単位は図1(c)である。
本実施形態に係る高分子化合物としては、ビニル系高分子化合物であることが好ましい。ビニル系高分子化合物とはビニル基含有モノマーの重合体の総称であり、ビニル系高分子化合物の例としては、前記アクリル樹脂、スチレン樹脂などが挙げられる。
本実施形態に係る高分子化合物の三次元ネットワーク構造とは、化学結合や分子間相互作用により、前記構成モノマー単位がx軸方向、y軸方向、及びz軸方向に三次元状に連結した、網目状の構造をいう。高分子化合物が三次元ネットワーク構造をとることで線膨張率が低減する。本実施形態に係る高分子化合物の三次元ネットワーク構造は、より低線膨張率の効果が期待できるように、結合形式がより強固な結合である化学的相互作用によって得られる一次結合が好ましく、さらに一次結合の中でも結合力の強い共有結合であることが好ましい。
ここでいう一次結合としては、例えば、高分子化合物の中に複数の反応性の官能基を含有し反応させることや、構成モノマー単位と構成モノマー単位との間に多官能性モノマーを含有させることで三次元ネットワーク構造が形成されることが一般的に知られている。必要な特性に応じて構成モノマー単位を選択することで形成される高分子化合物の三次元ネットワーク構造の線膨張率をより低く抑えることができる。
前記高分子化合物がアクリル樹脂の場合、重合性化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、フェニルセロソルブ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルフォスフェート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレートを挙げることができる。
また、スチレン樹脂の場合、重合性化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、トリメチルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、p−ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ジビニルベンゼン、などを挙げることができる。
本実施形態において、三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得るためには、重合性化合物として多官能性のモノマーを用いることが好ましい。また多官能性のモノマーとしては特に限定されないが、トリメチロールプロパントリアクリレートが好ましい。
(無機酸化物)
本実施形態に係る複合材料において、無機酸化物の三次元ネットワーク構造を形成する無機酸化物としては、一般的な金属・非金属の無機酸化物を用いることができる。本実施形態に係る無機酸化物は光学部材として好適な光学特性を有することが好ましく、具体的には二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどが挙げられる。本実施形態に係る無機酸化物として、より好ましくは二酸化ケイ素である。本実施形態に係る複合材料のヘイズ値を小さくするためには前記三次元ネットワーク構造が微細な構造であることが好ましい。微細な無機酸化物の三次元ネットワーク構造を効率よく形成させるためには、無機アルコキシドのゾルゲル反応による加水分解縮重合を行うことが好ましい。このゾルゲル反応において、用いられる無機アルコキシドについては、一種類でもよく、複数種類の化合物を用いても構わない。
本実施形態に係る無機酸化物の三次元ネットワーク構造とは、無機酸化物のうち酸素以外の原子が酸素を介して、x軸方向、y軸方向、及びz軸方向に三次元状に連結した、網目状の構造をいう。例えば、無機酸化物が二酸化ケイ素であれば、Si−O−Si−O−Si・・という構造が三次元状に分布した網目状の構造である。
本実施形態に係る無機酸化物として好ましくは二酸化ケイ素であるため、対応するアルコキシドとしてはテトラメトキシシラン(TMOS)やテトラエトキシシラン(TEOS)のような四官能性シラン化合物が好ましい。或いはエチルトリエトキシシランやフェニルトリエトキシシラン、或いはビニル基を含有するメタクリロキシプロピルトリメトキシシランといったアルキル置換された三官能性シラン化合物が好ましい。また、ジエチルジエトキシシランやジフェニルジエトキシシランのような二官能性シラン化合物が好ましい。これらアルコキシドは単独で用いても良いし、複数種類用いても良い。複数種類用いる場合、置換されているアルキル基の種類によっては加水分解性、縮合性が大きく異なる場合があるが、その場合は予め別々に加水分解させてから混合し縮合させると反応性を向上させることができる。本実施形態において、複数種類の無機酸化物が使用されうるため、複数種類の無機酸化物の三次元ネットワーク構造が形成されうる。
前記ゾルゲル反応はナノメートルオーダーの微細かつ均一なネットワーク構造を容易に形成させることができるため、本実施形態に係る無機酸化物の三次元ネットワーク構造の形成法として好ましい。本発明では、前記のようにナノメートルオーダーの微細かつ均一な三次元ネットワーク構造が得られていれば、形成方法についてはこれらに限定されない。前記ゾルゲル反応以外の他の手段としては例えば、無機成分をドメインとして含有する有機−無機ブロック共重合体を用いてミクロ相分離構造を形成させ、構造を固定化後に有機物を焼成やエッチング等で除去する方法などが挙げられる。
(有機・無機複合材料)
本実施形態に係る有機・無機複合材料は高分子化合物の三次元ネットワーク構造と無機酸化物の三次元ネットワーク構造とが共有結合で結合されている。該共有結合は三次元ネットワーク構造全体に分布し、結合量が多いほど、線膨張率の低減効果が大きい。また、線膨張率が低下するメカニズムについては詳細には解明されてはいないが、以下のようなメカニズムが考えられる。一般的に線膨張率の高い高分子化合物に対して、線膨張率の低い無機酸化物を添加することでその界面で高分子化合物の運動性が束縛され、全体の線膨張率が低くなることが知られている。
本実施形態において線膨張率とは20℃から60℃における線膨張係数の平均値であり、熱機械分析装置(TMA)等により測定することができる。
本実施形態において、三次元ネットワーク構造の架橋密度、三次元ネットワークの網目状の構造の有無については後述する公知の評価技術を用いることができる。例えば、電子顕微鏡等による直接観察や、光散乱法を用いた流体力学的な評価手法、またはレオメーター等による粘弾性挙動の評価、さらに1H−NMR、Si−NMRのようなNMR等による緩和時間の測定、といった方法が挙げられる。
本実施形態において高分子化合物と無機酸化物との共有結合については、反応前後におけるIR分光やラマン分光、さらには1H−NMR、Si−NMRのようなNMRといった公知の分光測定技術により評価及び定量が可能である。
高分子化合物と無機酸化物との間の共有結合の有無を評価する手法の具体例について図2乃至4を用いて説明する。例えば、テトラメトキシシラン(図2(a))と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(図2(b))とをゾルゲル反応によりゲル化して図3で示されるビニル基を有するシリカゲルが得られると考えられる。得られたシリカゲルについて1H−NMRによって測定すると、ビニル基由来のピークが測定される。次に、得られたシリカゲルにメチルメタクリレートと重合開始剤を浸漬し、ゲル中の溶媒を完全に置換した後に重合させると有機・無機複合材料が得られる。得られた有機・無機複合材料について1H−NMRによって測定すると、ビニル基由来のピークが消える。したがって得られた有機・無機複合材料は、図4で示される構造のように、高分子化合物と、無機酸化物とが共有結合をしていると考えられる。
また、上記で得られたシリカゲルについて、Si−NMRによって測定されるピークと、得られた有機・無機複合材料について測定されるピークとを比較することで、高分子化合物と無機酸化物の共有結合の有無を測定することができる。
なお、図3、図4は共有結合の有無の評価方法を説明するために示した模式図である。したがって、図3において、シリカは二次元のネットワーク構造を形成しているが、実際にできるものは三次元のネットワーク構造を有している。また、シリカに結合しているビニル基を有する部位についても、図に示す割合よりも多い場合も、少ない場合もある。また、図4において、ポリメチルメタクリレートは一次元となっているが、実際は、メチルメタクリレートを浸漬させるときに、多官能性のモノマーも浸漬させて重合させることで、三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物となる。また、高分子化合物と無機酸化物とが共有結合している割合は、図4に示す割合よりも多い場合も、少ない場合もある。また、図3と同様に、シリカは三次元のネットワーク構造を有している。
本発明に用いられる複合材料がもつ高い透明性及び低い線膨張率の一つの判断基準として、有機と無機との相分離が生じているか否かがある。前記相分離が生じるほどヘイズ値が高くなる。本発明の複合材料は所定の値よりも低いヘイズ値を有する。
また、5mm換算の本実施形態に係る有機・無機複合材料のヘイズ値が10%以下である。ヘイズ値が10%以下である場合、前記複合材料内の散乱等による透過率の減少が生じづらく、光学部材としての使用に適するからである。また、本実施形態に係る有機・無機複合材料は、その厚さが5mm時のヘイズ値が2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
また、本実施形態に係る複合材料には、透明性及び線膨張率を損なわない範囲で、前記以外の成分を含んでもよい。このような成分としては、連鎖移動剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、界面活性剤、離型剤、染顔料、及び充填剤などが挙げられる。
本実施形態に係る複合材料では、少なくとも一種類の高分子化合物を有するため、たとえば、異なる屈折率を有する二種類以上の高分子化合物を含むと、屈折率分布を有することができる。また、屈折率分布が連続的になるように、使用する高分子化合物を適宜に調整することができる。
本実施形態に係る複合材料は光学レンズ等の光学部材として用いるため、材料中に屈折率分布を有していても良い。屈折率分布を生じさせるためには、例えば三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物や無機酸化物が屈折率分布を有していることが挙げられる。すなわち、異なる屈折率を有する二種類またはそれ以上の高分子化合物の組成が空間的に分布することにより、屈折率分布を有する有機・無機複合材料となる。高分子化合物に分布を持たせる場合は、二種類以上の屈折率の異なる重合性モノマーに組成分布を持たせておいて重合する方法が挙げられる。また、重合性モノマーに別途屈折率の異なる低分子・高分子化合物を含有させておき、モノマーの重合反応前に濃度分布をつける方法や、モノマーと重合反応させながら濃度分布をつける方法、などが挙げられる。さらには、二種類以上の屈折率の異なる低分子・高分子化合物を、拡散や、外力などにより分布を形成させ、後に構造を固定化する方法などが挙げられる。
無機酸化物に分布を持たせる場合は、光酸発生剤、光塩基発生剤等を添加し、UV等の光を照射して部分的にゾルゲル反応を進行させる方法が挙げられる。また、それに加えて他の種類のゾルゲル反応前駆体を組み合せてゾルゲル反応させ、無機酸化物の組成分布を持たせることも可能である。また、光学部剤としての透明性に影響を与えない程度のサイズ、量の無機酸化物等の無機微粒子等を充填剤として分布させることで屈折率分布を形成させることも可能である。
ここで挙げた例以外には、例えば複合材料を構成する物質の密度差を利用する方法なども挙げられる。
本実施形態に係る複合材料に形成される屈折率分布の種類としては、光軸方向に分布を有するアキシャル型、或いは光軸から垂直方向に分布を有するラジアル型などが挙げられる。一般的にアキシャル型屈折率分布レンズは、面に曲率をつけることにより非球面と同等の収差補正効果を生むことが知られている。一方、ラジアル型屈折率分布レンズは、媒質自体が屈折力をもつことに最大の特徴があり、両平面でもレンズとして作用し、ペッツバール和と色収差が補正できるなど大きな収差補正能力をもつことが知られている。本実施形態においては収差補正能力を有するラジアル型の屈折率分布形状が好ましいが、用途に応じて任意の設計値となるような分布形状であれば良く、これらに限定されない。
ここでいう、屈折率分布とは複合材料の表面上、或いは切断面における任意の二点を結んだ直線において屈折率が連続的な変化を示すことである。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態である有機・無機複合材料の製造方法は、下記の第一の工程と、第二の工程と、を有する。第一の工程では、反応性基が導入された、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物を用意する。第二の工程では、反応性化合物を重合させて三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得るとともに、前記反応性化合物と前記反応性基とを反応させて、前記高分子化合物と前記無機酸化物とを共有結合させる。
ここでいう反応性基とは、前記反応性化合物と化学反応を起こし、共有結合を形成する置換基のことである。反応性基と反応性化合物とが起きる化学反応としては、例えば重合性不飽和結合−重合性不飽和結合(ビニル基やアリル基、ジエンといったオレフィンなど)といった重合反応、エポキシ基−カルボン酸、アミン、水酸基といったエポキシ反応、及び、イソシアネート−水酸基、カルボン酸、アミンといったイソシアネート反応、或いはカルボキシル基と水酸基によるエステル化反応、アミン類やオキサゾリンとカルボン酸によるアミドエステル化反応が挙げられる。そしてこれら以外にもマイケル付加反応、またはエンチオール反応など様々な化学反応が挙げられる。本実施形態で要求される反応性基と反応性化合物との物性や反応形態によって前記化学反応の中から自由に選択することができる。
また、ここでいう反応性化合物とは、重合性モノマーや、上記の反応性基を含有する高分子化合物などを指す。重合性モノマーとは、前述した「高分子化合物」となる単量体のことである。重合性モノマーとしては、前述した、アクリル系モノマー、スチレン系モノマーなどが挙げられる。また、上記の反応性基を含有する高分子化合物として、例えば、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸、ポリ(ジメチルアミノメチルスチレン)といった、各モノマー単位に反応性基を含有する高分子化合物が挙げられる。さらに高分子化合物のモノマー単位の一部、或いは高分子末端のように部分的に反応性基が導入された高分子化合物、例えばオキサゾリン基含有ポリマーであるエポクロス((株)日本触媒社製)、アミノ基含有ポリマーのポリメント((株)日本触媒社製)、水酸基やカルボン酸、エポキシ基含有ポリマーであるARUFONシリーズ(東亜合成(株)社製)が挙げられる。
導入工程について、以下に具体例を挙げる。本実施形態に係る三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物を生成する方法としては様々な方法があるが、反応性基を導入する観点から、前記反応性基含有化合物のゾルゲル反応によって行われることが好ましい。つまり、前記導入工程で、前記反応性基を前記ゾルゲル反応によって三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物へ導入し、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物は、対応するアルコキシド等の前駆体のゾルゲル反応により得られる。本実施形態においては無機酸化物としてSiOのような二酸化ケイ素、TiOのような酸化チタン、ZrOのような酸化ジルコニウム、またはAlのような酸化アルミニウムが挙げられるが、より好ましくはSiOである。この反応の際にビニル基等の反応性基を有する前駆体を所定量用いることで、反応性基を含有し、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物が得られる。
例えば、三次元ネットワーク構造を有するSiOにメタクリル酸由来のビニル基を含有させる場合について説明する。この場合は、ゾルゲル反応前駆体であるテトラメトキシシランに、一端がメタクリル酸エステル化された3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを予め加水分解させたものを所定量で混ぜる。そして酸・アルカリによってゾルゲル反応させると、ビニル基を含有する、三次元ネットワーク構造を有するシリカが得られる。ここで、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランはTMOS、TEOSのような四官能化合物に比べて立体障害等の影響で加水分解速度が遅いため、予め触媒により加水分解させてからTMOS等を添加すると、良好に反応させることができる。このように、特にゾルゲル反応で複数種類の前駆体を使用する場合は、それぞれの加水分解特性、縮合特性を考慮し、適切な反応方法を選択する必要がある。
他には例えばSiOゾルゲル反応後の三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物の中に含まれる、未架橋の水酸基を反応性基として用いること等様々な方法が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
次いで、反応性基が導入された、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物を用意した後に、三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得るとともに、高分子化合物と無機酸化物とを共有結合させる。三次元ネットワーク構造中に反応性化合物を浸透させるには拡散を用いる方法が一般的である。これ以外にも、超臨界二酸化炭素で置換する等の方法が挙げられる。このように反応性化合物を浸透させ、前記反応性基と反応させることで高分子化合物の三次元ネットワーク構造を生成すると同時に高分子化合物と無機酸化物との間に共有結合を生じさせる。
前記反応性化合物は、未反応時は液体であり、反応後に硬化或いは固化することが好ましい。しかし、例えば未反応時に固体であっても溶剤やモノマー等に溶解させることで使用することは可能であるし、反応後に液体状であっても、モノマー等、別の反応によって重合或いは硬化する化合物と併用することで反応後に硬化或いは固化させることも可能である。さらに、前記反応性化合物は単体で用いることができるし、同様の反応性を有する複数種類の反応性化合物を混合させて使用することも可能である。
本実施形態に係る反応性化合物は多官能性反応性化合物と併用することで三次元ネットワーク構造を形成させることができる。反応性化合物と多官能性のモノマーとを併用した場合、多官能性のモノマーによって有機三次元ネットワーク構造が強固となり、線膨張率をより下げる効果があるものと考えられる。ここでいう多官能性のモノマーとは、反応性基を一分子中に複数個含有している化合物のことであり、前述の重合性化合物の中の二官能性や三官能性の重合性化合物や、分子中に反応性基を複数含有している高分子化合物などが挙げられる。
前記反応性基と反応性化合物との反応時には、各々の反応において用いられる、開始剤、触媒、反応促進剤等を予め添加しておき、反応させることができる。この際に熱や光といった外部からのエネルギーを加えることで反応を促進させることも可能である。例えば、前記反応性基がビニル基等の重合性オレフィンである場合、反応開始にはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や、過酸化ベンゾイル(BPO)といった公知の重合開始剤を用いることができるが、これらに限定されない。
また、本実施形態に係る複合材料の製造時には、透明性及び線膨張率を損なわない範囲で、前記以外の成分を含んでもよい。このような成分としては、連鎖移動剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、界面活性剤、離型剤、染顔料または充填剤などが挙げられる。
本実施形態に係る有機・無機複合材料の製造方法において、反応性化合物を重合させて三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得るとともに、前記反応性化合物と前記反応性基とを反応させて、前記高分子化合物と前記無機酸化物とを共有結合させる。かかる工程は複数回(少なくとも一回)行うことができるため、複数の高分子化合物の組成及び複数の高分子化合物由来の異なる屈折率分布を有する複合材料の製造も可能である。前記反応性基が導入された、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物を用意する工程の後に、第一浸透工程と第二浸透工程とを行う。第一浸透工程では三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物の中に第一の反応性化合物を浸透させ、次いで第二浸透工程では、第二の反応性化合物を浸透させる。反応工程は、複数回(少なくとも一回)行うことができるため、前記第一浸透工程後に第一反応工程を行い、その後に前記第二浸透工程を行い、その後に第二反応工程を行うことができる。また、前記第一浸透工程及び前記第二浸透工程を終えた後に一回のみの反応工程を行うとすることもできる。
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態に係る有機・無機複合材料の製造方法は、反応性基が導入された、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物を用意する第一の工程と、反応性化合物と前記反応性基とを反応させて、前記高分子化合物と前記無機酸化物とを共有結合させる第二の工程と、前記反応性化合物を重合させて三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得る第三の工程と、を有することを特徴とする。
第三実施形態においては、反応性化合物と反応性基とを反応させて、高分子化合物と無機酸化物とを共有結合させた後に、反応性化合物を重合させて三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得る、という点以外については、第二実施形態と同様である。
(第四実施形態)
本発明の第三実施形態に係る有機・無機複合材料の製造方法は、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物を用意する第一の工程と、反応性化合物を重合させて三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得る第二の工程と、前記反応性化合物と前記反応性基とを反応させて、前記高分子化合物と前記無機酸化物とを共有結合させる第三の工程と、
を有することを特徴とする。
第四実施形態においては、反応性化合物を重合させて三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得た後に、反応性化合物と反応性基とを反応させて、高分子化合物と無機酸化物とを共有結合させる、という点以外については、第二実施形態と同様である。
(第五実施形態)
本発明の第五実施形態は本発明の有機・無機複合材料から製造された光学部材である。本発明の複合材料は高い透明性と低い線膨張係数とを有するために、レンズや光導波路等の光学部材として好適に用いられる。本発明の複合材料を切削研磨することで光学部材として加工することも可能であるが、より好ましくは、所望の部材形状の型で公知の注型重合法を用いて注型重合させ加工してなる光学部材である。
このような光学部材としてはカメラ用レンズ、眼鏡用レンズ、各種光学系用レンズ、プリズム、光導波路等が挙げられる。また、本実施形態に係る複合材料は材料中に屈折率の連続的変化を有しているため、加工法、或いは注型重合に用いる型の形状によっては屈折率分布型レンズ等の屈折率分布型光学部材が得られる。この屈折率分布形状を所望の形状に制御することで、例えば平板であっても凸型、凹型レンズと同等の効果が得られるレンズの製造が可能となる。
本実施形態に係る光学部材は、その表面が反射防止膜によって被覆されていてもよい。反射防止膜を有することにより、光学部材表面における光の反射を抑制することができる。反射防止膜としては、特に限定されないが、酸化アルミニウムなどが挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。後述する表中の各評価は次の方法に従い実施した。
(複合体の評価方法)
(1)線膨張率の測定:
熱機械測定装置((株)リガク製Thermo plus EVO/TMA8310)を用い、20℃〜60℃の温度範囲で、各々の実施例で得られた有機・無機複合材料の線膨張率を測定した。
(2)ヘイズ値の測定:
「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」(JIS−K7136、ISO14782)に示される測定法に準拠して、厚さが5mmのサンプルでのヘイズ値(拡散透過率/全光線透過率×100)を測定した。
(実施例1)
ベースとなるゲルは次のように作製した。まず3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 KBM−503)10質量部と、エタノール10質量部と、0.1Nアンモニア水1質量部とを混ぜた後、2時間以上静置させた。それから1N塩酸100質量部を加えて混ぜた後、エタノール90質量部とテトラメトキシシラン(TMOS)90質量部との混合液を加えてよくかき混ぜる。この溶液を円盤状の型(直径20mm、厚さ5mm)に入れ、60℃でゲル化するまで加熱することでゲル状物質を得た。
出来上がったゲルを型から出し、メチルメタクリレート(MMA)反応液に浸漬し、ゲル中の溶媒を完全に置換した。メチルメタクリレート(MMA)反応液は、MMA90質量部と、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)10質量部と、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1質量部との混合液とした。
得られたゲルを、上下面が石英ガラスである円柱状注型重合用セル内にセットし、MMA反応液で空隙を満たしてから60℃で重合反応させた。なお、円柱状注型重合用セル内の直径は50mmで、高さは5mmであった。重合反応終了後、セルから取り出してからゲルの周りの樹脂を切削除去し、円柱状に成形された複合材料を得た。
複合材料の評価結果は線膨張率(CTE:Coefficient of thermal expansion)の平均値は54ppm/Kであった。外観は無色透明であり、ヘイズ値は0.6%であった。高分子化合物と無機酸化物との共有結合は1H−NMR測定によって確認した。すなわち、ゲル状物質について1H−NMRを用いて測定すると、ビニル基由来のピークが見られる一方で、最終的に得られた複合材料についてはビニル基由来のピークが消えた。これは、ゲル状物質を構成するシリカの誘導体のビニル基と重合性化合物の有するビニル基とが重合したためであると考えられる。したがって、高分子化合物と無機酸化物とが共有結合していると考えられる。なお、結果は表1に示す。
(実施例2)
ベースとなるゲルを、KBM−503を25質量部/エタノールを25質量部、TMOSを75質量部/エタノールを75質量部とした他は、全て実施例1と同様の操作を行い、複合材料を得た。CTEの平均値は48ppm/K、外観は無色透明であり、ヘイズ値は0.6%であった。高分子化合物と無機酸化物との共有結合は実施例1と同様に1H−NMR測定によって確認した。実施例1と同じ理由により、高分子化合物と無機酸化物とが共有結合していると考えられる。結果は表1に示す。
(実施例3)
ベースとなるゲルは実施例1と同じものを用いた。まず、ゲルをベンジルメタクリレート(BzMA)反応液(BzMA90質量部と、TMPTA10質量部と、AIBN1質量部との混合液)に浸漬し、ゲル中の溶媒を完全に置換した。次いで、BzMA置換ゲルを実施例1と同様の注型重合用セルにセットし、MMA反応液で空隙を満たし、1時間静置してから60℃で重合反応させ、複合材料を得た。本サンプルは目視により凸レンズと同様の屈折率分布がついていた。このため、両面を鏡面研磨加工し、屈折率分布測定装置((株)アドヴァンストテクノロジ製PAC−5C)において屈折率分布を測定したところ、中心と外周との屈折率差Δnは0.03であり、凸型の屈折率分布を有していることを確認した。
CTEの平均値は55ppm/K、外観は無色透明であり、ヘイズ値は0.7%であった。また、1H−NMRの測定結果から、実施例1と同じ理由により、高分子化合物と無機酸化物とが共有結合していると考えられる。結果は表1に示す。
(実施例4)
最初にゲルを浸漬する反応液をスチレン(St)反応液とし、セル内の空隙を満たす反応液をトリフルオロエチルメタクリレート(3FMA)反応液とし、セル内での静置時間を2時間とした以外は実施例3と同様の操作を行い、円柱状に成形された複合材料を得た。スチレン(St)反応液は、St90質量部、TMPTA10質量部、AIBN1質量部とし、トリフルオロエチルメタクリレート(3FMA)反応液は、3FMA120質量部、TMPTA10質量部、AIBN1質量部)とした。本サンプルは目視にて凸レンズと同様の屈折率分布が確認できたため、実施例3と同様にΔnを測定したところ、0.10となり、凸型の屈折率分布を有していることを確認した。
CTEの平均値は54ppm/K、外観は無色透明であり、ヘイズ値は0.6%であった。また、1H−NMRの測定結果から、実施例1と同じ理由により、高分子化合物と無機酸化物とが共有結合していると考えられる。結果は表1に示す。
(実施例5)
最初にゲルを浸漬する反応液をSt−BzMA反応液(St45質量部、BzMA45質量部、TMPTA10質量部、AIBN1質量部)とした以外は実施例4と同様の操作を行い、円柱状に成形された複合材料を得た。本サンプルは目視にて凸レンズと同様の屈折率分布が確認できたため、実施例3と同様にΔnを測定したところ、0.08となり、凸型の屈折率分布を有していることを確認した。
CTEの平均値は56ppm/K、外観は無色透明であり、ヘイズ値は1.8%であった。また、1H−NMRの測定結果から、実施例1と同じ理由により、高分子化合物と無機酸化物とが共有結合していると考えられる。結果は表1に示す。
(実施例6)
ベースとなるゲルは次のように作製した。まず3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 LS−2940)10質量部と、エタノール10質量部と、0.01N水酸化ナトリウム水溶液1質量部とを混ぜた後、2時間以上静置させた。その後、純水90質量部、0.01N水酸化ナトリウム水溶液10質量部を加えて混ぜた後、エタノール90質量部とテトラメトキシシラン(TMOS)90質量部との混合液を加えてよくかき混ぜた。この溶液を円盤状の型(直径20mm、厚さ5mm)に入れ、室温(23℃)でゲル化するまで放置することでゲル状物質を得た。次いで、出来上がったゲルを型から出し、反応液に浸漬し、ゲル中の溶媒を完全に置換した。反応液は、以下の材料の混合溶液とした。
MMA70質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)10質量部、
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)10質量部、
IRGACURE184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.1質量部、
IRGACURE250(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.1質量部。
得られたゲルを、上下面が石英ガラスである円柱状注型重合用セル内にセットし、前記反応液で空隙を満たしてから公知の光重合法により放射線を照射し、硬化するまで重合反応させた。なお、円柱状注型重合用セル内の直径は50mmで、高さは5mmであった。放射線照射光源として、250W超高圧水銀ランプを備えたUV光源EX250(HOYA CANDEO OPTRONICS CORPORATION社製)を用いた。光源と注型重合用セルとの間に、紫外透過可視吸収フィルター(UTVAF−50S−36U)及びフロスト型拡散板(DFSQ1−50C02−800)(いずれもシグマ光機製)を配置し、光源から注型重合用セルに放射線を照射した。注型重合用セルの照射側の石英ガラス表面における照度は、波長365nmにおいて30mW/cm2であった。
重合反応終了後、セルから取り出してからゲルの周りの樹脂を切削除去し、複合材料を得た。CTEの平均値は53ppm/K、外観は無色透明であり、ヘイズ値は0.9%であった。高分子化合物と無機酸化物との共有結合は実施例1と同様に1H−NMR測定によって確認した。また、1H−NMRの測定結果から、実施例1と同じ理由により、高分子化合物と無機酸化物とが共有結合していると考えられる。結果は表1に示す。
(実施例7)
ベースとなるアルミナゲルを次のように作製した。まず3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 KBM−503)100質量部と、エタノール50質量部と、0.1Nアンモニア水1質量部とを混ぜた後、10時間以上静置させた。それから1N塩酸0.1質量部を加えて中和し、シリカゾルを得た。
次いで、次のようにアルミナゾルを作製した。まず、オキソブタン酸エチル50質量部、2−エチルブタノール200質量部を混ぜ、これにアルミニウムsecブトキシド100質量部を加え、よくかき混ぜた。この溶液に2−エチルブタノール135質量部、1−エトキシ−2−プロパノール15質量部、0.01N塩酸1質量部を混合した溶液を少しずつ滴下し、よくかき混ぜた。その後、110℃で2時間加熱し、0.45μmのフィルターでろ過することでアルミナゾルを得た。
このアルミナゾル500質量部にシリカゾルを15質量部を徐々に滴下していき、よくかき混ぜる。この溶液を円盤状の型(直径20mm、厚さ5mm)に入れ、室温(23℃)で溶媒をゆっくり揮発させることでゲル状物質を得た。
出来上がったゲルを型から出し、メチルメタクリレート(MMA)反応液に浸漬し、ゲル中の溶媒を完全に置換した。メチルメタクリレート(MMA)反応液は、MMA90質量部と、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)10質量部と、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1質量部との混合液とした。
その後は実施例1と同様の条件で重合を行い、複合材料を得た。CTEの平均値は55ppm/K、外観は無色透明であり、ヘイズ値は1.0%であった。高分子化合物と無機酸化物との共有結合は実施例1と同様に1H−NMR測定によって確認した。また、1H−NMRの測定結果から、実施例1と同じ理由により、高分子化合物と無機酸化物とが共有結合していると考えられる。結果は表1に示す。
(比較例1)
ベースとなるゲルを、TMOS100質量部、エタノール100質量部、1N塩酸100質量部とした他は、全て実施例1と同様の操作を行い、複合材料を得た。CTEの平均値は64ppm/K、外観は無色透明であり、ヘイズ値は0.6%であった。結果は表1に示す。
(比較例2)
ベースとなるゲルは比較例1と同様のものを用い、その他の操作は全て実施例3と同様の操作を行い、複合材料を得た。本サンプルは目視にて凸レンズと同様の屈折率分布が確認できたため、実施例3と同様にΔnを測定したところ、0.03となり、凸型の屈折率分布を有していることを確認した。CTEの平均値は66ppm/K、外観は無色透明であり、ヘイズ値は0.7%であった。結果は表1に示す。
(比較例3)
特開平05−086191号公報を参考にして比較検討を行った。1リットル四口フラスコにモーター付攪拌棒、300ml及び100mlの2本の均圧管付滴下ロート、三方コック付冷却管を取り付け、系内を窒素置換した。
フラスコ内にイソプロパノール50ml及び0.3NのHCl水溶液10mlを仕込んだ。300mlの均圧管付滴下ロートにエチルシリケート40(コルコート(株)社製)200gを乾燥イソプロパノール80mlに溶解した溶液を仕込んだ。100mlの均圧管付滴下ロートに下記の材料をイソプロパノール50mlに溶解したモノマー溶液を仕込んだ。
n−ブチルアクリレート(BA)12.8g、
メチルメタクリレート(MMA)10.0g、
ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)2.1g、
2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]1.0g、及び
ドデシルメルカプタン0.5g。
そしてそれぞれ仕込み窒素雰囲気下でフラスコを70℃に加熱した。両方の滴下ロートからそれぞれの溶液を同時に2時間かけて滴下した。滴下終了後、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]0.2gを加え2時間還流させた後、反応を終了した。
得られた反応溶液は白濁しており、同様の条件で再度反応させたが、どちらも白濁した反応溶液が得られた。テフロン(登録商標)製の型に流し込み、乾燥させることで白色サンプル片を得た。
評価のため、サンプル片を直径20mm、厚さ5mmに加工し、両面を鏡面研磨加工した。評価結果はCTEの平均値が80ppm/K、外観は白色でややムラがあり、ヘイズ値は92%だった。このようにヘイズ値が高くなるのは、比較例3の製造方法では、ポリメチルメタクリレート(PMMA)とシリカゲルとがマクロに相分離した有機・無機複合材料ができるからであると考えられる。
Figure 2011162765
なお、表中の「有機−無機結合の有無」は高分子化合物と無機酸化物との共有結合の有無のことである。
表1から分かるように、三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物と三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物との間が共有結合がある場合、光学部材として十分な高い透明性及び低い線膨張率を有する有機・無機複合材料を得ることができる。
本発明で得られる有機・無機複合材料は、種々の光学材料に有利に利用できる。例えば、カメラレンズ、眼鏡用レンズ、マイクロレンズなどの各種レンズ、更には光導波路、機能性フィルム・シート、反射防止膜、光学多層膜など各種光学フィルム・シート・コーティング用途に利用できる。

Claims (11)

  1. 少なくとも一種類の高分子化合物と、三次元ネットワーク構造を有する少なくとも一種類の無機酸化物とを含む有機・無機複合材料において、
    前記高分子化合物が三次元ネットワーク構造を有し、前記高分子化合物と前記無機酸化物とが共有結合をし、かつ、厚さ5mm換算の前記有機・無機複合材料のヘイズ値が10%以下であることを特徴とする有機・無機複合材料。
  2. 前記少なくとも一種類の高分子化合物がビニル系高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機・無機複合材料。
  3. 前記無機酸化物が二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択された少なくとも1つの無機酸化物であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機・無機複合材料。
  4. 前記高分子化合物が異なる屈折率を有する二種類の高分子化合物であり、前記二種類の高分子化合物の組成が空間的に分布することにより、屈折率分布を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機・無機複合材料。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機・無機複合材料と、前記有機・無機複合材料の表面を被覆する反射防止膜とを有することを特徴とする光学部材。
  6. 反応性基が導入された、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物を用意する第一の工程と、反応性化合物を重合させて三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得るとともに、前記反応性化合物と前記反応性基とを反応させて、前記高分子化合物と前記無機酸化物とを共有結合させる第二の工程と、
    を有することを特徴とする有機・無機複合材料の製造方法。
  7. 反応性基が導入された、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物を用意する第一の工程と、反応性化合物と前記反応性基とを反応させて、前記高分子化合物と前記無機酸化物とを共有結合させる第二の工程と、前記反応性化合物を重合させて三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得る第三の工程と、
    を有することを特徴とする有機・無機複合材料の製造方法。
  8. 反応性基が導入された、三次元ネットワーク構造を有する無機酸化物を用意する第一の工程と、反応性化合物を重合させて三次元ネットワーク構造を有する高分子化合物を得る第二の工程と、前記反応性化合物と前記反応性基とを反応させて、前記高分子化合物と前記無機酸化物とを共有結合させる第三の工程と、
    を有することを特徴とする有機・無機複合材料の製造方法。
  9. 前記反応性化合物が多官能性のモノマーを少なくとも有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の有機・無機複合材料の製造方法。
  10. 前記第一の工程が前記反応性基を含有する化合物のゾルゲル反応によって行われることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の有機・無機複合材料の製造方法。
  11. 前記反応性基がビニル基であることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の有機・無機複合材料の製造方法。
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