JP2006188659A - 放射線硬化性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、表面硬度を上げるために無機成分量を増大させた場合でも、従来の情報記録媒体用保護膜が有するような透明性、密着性、表面硬度が高い特性を有しつつ、かつ硬化収縮性が低く、保存安定性が高い特性等を有する放射線硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 アルコキシシランのオリゴマーの加水分解物からなるシリカ粒子(a1)の表面をシランカップリング剤(a2)で表面処理してなる表面処理シリカ粒子(A)および親水性モノマー(B)を含有する組成物であって、(A)の量が、組成物全体に対して25重量%以上であり、該組成物をポリカーボネート板(直径130mm、厚さ1.2±0.2mm)に、スピンコーターを使用して100±15μmの厚みで塗膜形成した後、0.1〜3J/cm2の放射線を照射して硬化させた後に際に生じる凹反りが0.05mm以下であることを特徴とする放射線硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、放射線硬化性樹脂組成物に関する。詳しくは、透明性、密着性、表面硬度が高い特性を有し、かつ硬化収縮が低く保存安定性が優れている等の特性を有する放射線硬化性樹脂組成物に関する。
硬化性樹脂組成物は、各種被覆材料や接着材料や光学用途に広く使用されている。例えば、硬化性樹脂組成物の光学用途の具体例として、情報記録媒体、特に光記録媒体における情報記録層の保護層が挙げられる。特に、ブルーレーザーを用いる次世代高密度光ディスクに関する検討が近年なされている。
例えば、光硬化性樹脂組成物をディスク基盤上の保護層およびハードコート層に硬化させることにより、耐摩耗性、透明性、スリップ性および機械的強度等を有し、反り返りのない情報記録媒体用保護膜層およびハードコート層を特徴とする光ディスクが開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の光ディスクでは、ウレタン(メタ)アクリレートを保護層に用いているが、保護層を従来のものより厚膜化するために、ウレタン(メタ)アクリレートのみでは硬度が不十分であり、さらにコロイダルシリカ微粒子とエチレン性不飽和化合物の硬化物をハードコート層としてその上に積層することで強度と硬化収縮のバランスを取らなくてはいけなかった。しかしながら、このような積層タイプの保護膜は、コスト及び操作性の点等で未だ実用的に不十分であった。
一方、厚膜化した場合でも従来の保護膜が有するような透明性、高密着性を有しつつ、十分な強度と低硬化収縮性とを有する放射線硬化性樹脂組成物を得る方法が開示されている(特許文献参照2)
特開2002−245672号公報 国際公開第2004/41888号パンフレット
前述した特許文献2に記載の高密度光ディスク用保護膜では、表面硬度が低い、または組成物の保存安定性が悪いという問題があった。本発明者らが検討した結果、表面硬度を向上するためにシリカ粒子とシランカップリング剤からなる無機物の量を増加させると、硬化収縮が大きくなる傾向が見られ、保存安定性も不十分であった。
本発明は、これらの問題点を克服した放射性硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。具体的には、表面硬度を上げるためにシリカ粒子およびシランカップリング剤を含む無機成分量を増大させた場合でも、従来の情報記録媒体用保護膜が有するような透明性、密着性、表面硬度が高い特性を有しつつ、かつ硬化収縮性が低く、保存安定性が優れている等の特性を有する放射性硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、シリカ粒子およびシランカップリング剤を含む無機成分と親水性官能基を有する親水性モノマーを含有する放射線硬化性樹脂組成物を構成する各成分を調整することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の要旨は、アルコキシシランのオリゴマーの加水分解物からなるシリカ粒子(a1)の表面をシランカップリング剤(a2)で表面処理してなる表面処理シリカ粒子
(A)および親水性モノマー(B)を含有する組成物であって、(A)の量が、組成物全体に対して25重量%以上であり、該組成物をポリカーボネート板(直径130mm、厚さ1.2±0.2mm)に、スピンコーターを使用して100±15μmの厚みで塗膜形成した後、0.1〜3J/cm2の放射線を照射して硬化させた後に生じる凹反りが、0
.05mm以下であることを特徴とする放射線硬化性樹脂組成物、に存する。
本発明の放射性硬化性樹脂組成物は、表面硬度を上げるために無機成分量を増大させつつ、従来の情報記録媒体用保護膜が有するような透明性、密着性、表面硬度が高い特性を維持し、かつ硬化収縮性が低く、保存安定性が優れているという特性を有する。
以下、発明の実施の形態につき詳細に説明する。
<組成物の構成>
本発明の放射線硬化性樹脂組成物中には、アルコキシシランのオリゴマーの加水分解物からなるシリカ粒子(a1)の表面を シランカップリング剤(a2)で表面処理してなる表面処理シリカ粒子(A)および親水性モノマー(B)を含有する。
本発明における無機成分量とは、組成物中におけるアルコキシシランのオリゴマーの加水分解物からなるシリカ粒子(a1)の表面をシランカップリング剤(a2)で表面処理した表面処理シリカ粒子(A)の量を示す。
本発明における放射線硬化性樹脂組成物中における無機成分量は、硬化物の寸法安定性や表面硬度を高めるために、含有可能な範囲で多量に含ませることが好ましく、放射線硬化性組成物全体に対して25重量%以上含むことが必要である。好ましくは28重量%以上が好ましい。但し、含有量が多すぎると、組成物の透明性や保存安定性が悪くなり、硬化物の硬化収縮が大きくなるため、上限としては60重量%以下、より好ましくは50重量%以下とする。
このうち、無機成分中のシランカップリング剤(a2)に由来する部分の含有量は、アルコキシシランのオリゴマーの加水分解物からなるシリカ粒子(a1)に由来する部分100重量部に対して、200重量部以上が好ましく、より好ましくは230重量部以上である。シランカップリング剤の使用量が少なすぎると、シリカ粒子表面が十分に疎水性化されず、モノマーおよび/またはそのオリゴマーとの均一な混合に支障をきたす場合があり、組成物の保存安定性が悪くなる。逆に多すぎるとシリカ粒子と結合しないシランカップリング成分が多数混入することになり、得られる硬化物の透明性、機械物性等に悪影響を及ぼしやすくなる傾向がある。上限としては、好ましくは700重量部以下、より好ましくは500重量部以下である。
更に本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、親水性モノマーを含有することを特徴とする。
親水性モノマーの含有量としては、アルコキシシランのオリゴマーの加水分解物からなるシリカ粒子(A)に由来する部分100重量部に対して、370重量部以上が好ましく、さらに好ましくは400重量部以上である。上限としては、2500重量部以下であることが好ましく、より好ましくは1500重量部以下、更に好ましくは1000以下である。また少なすぎると、放射線硬化性樹脂組成物の透明性や保存安定性が低下する傾向がある。一方多すぎると脆くなりやすく機械強度を低下させる傾向があり、また硬化収縮も大きくなる傾向がある。
本願発明の放射線硬化物は硬化収縮が小さい事が特徴である。一般的には、基板上に放射線樹脂組成物を塗布し、硬化後に発生する凹反りを測定する方法が用いられる。具体的
な測定方法は、組成物を直径130mm、厚さ1.2±0.2mmの円形ポリカーボネート板上に、スピンコーターを使用して100±15μmの厚みで塗膜形成し、規定量の放射線を照射した後、定盤の上に1時間静置する。静置後、組成物の硬化収縮によって生じたポリカーボネート板の凹反りを測定する。凹反りは、0.5mm以下が好ましく、より好ましくは0.1mm以下、更に好ましくは0.05mm以下である。硬化収縮が大きすぎると、寸法安定性が求められる光学部材等の用途では使用が困難となる傾向がある。
更に本願発明の放射線硬化物は、JIS K5400に準拠した鉛筆硬度試験による表面硬度が、2B以上が好ましい。さらにはHB以上であるのが好ましく、より好ましくはH以上であり、さらに好ましくは2H以上である。又、7H以下であるのが好ましい。この場合、硬化物が、ガラスや金属等の無機基板上や樹脂基板で硬化された硬化物においても上記硬度を満たすのが好ましく、さらに好ましくは、ポリカーボネート等のプラスチック基板上で硬化された硬化物においても上記硬度を満たすのが好ましい。硬度が小さすぎると、表面に傷が付きやすくなる傾向がある。硬度が大きすぎること自体の問題はないが、硬化物が脆くなる傾向となり、クラックや剥離が生じやすく好ましいことではない。
<アルコキシシランのオリゴマーの加水分解物からなるシリカ粒子(a1)>
本発明において、シリカ粒子は超微粒子である事が好ましく、数平均粒径の下限値は好ましくは0.5nm以上、より好ましくは1nm以上である。数平均粒径が小さすぎると、超微粒子の凝集性が極端に増大して、硬化物の透明性や機械的強度が極端に低下したり、量子効果による特性が顕著でなくなる場合がある。又、上限値は好ましくは50nm以下、より好ましくは40nm以下、さらに好ましくは30nm以下、特に好ましくは15nm以下、最も好ましくは12nm以下である。
又、本発明の組成物は、粒径30nmより大きいシリカ粒子中、好ましくは粒径15nmより大きいシリカ粒子の含有量が、組成物中、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下である。または硬化物に対して好ましくは1体積%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下である。多く含有していると、光の散乱が大きくなるので、透過率が低下する傾向がある。
上記数平均粒径の決定には、透過型電子顕微鏡(TEM)観察像より測定される数値を用いる。即ち、観察される超微粒子像と同面積の円の直径を粒子像の粒径と定義する。こうして決定される粒径を用い、例えば公知の画像データの統計処理手法により数平均粒径を算出するが、かかる統計処理に使用する超微粒子像の数(統計処理データ数)はできるだけ多いことが望ましい。例えば、再現性の点で、無作為に選ばれた粒子像の個数として最低でも50個以上、好ましくは80個以上、更に好ましくは100個以上とする。硬化物中の体積%の計算は、上記により決定される粒径を直径とする球の体積で換算する。
従来からある通常のシリカ粒子は、一般にその粒径分布がブロードで、例えば50nmより大きな粒径の粒子を含んでいるために、透明性が不良となることが多く、また粒子が沈降しやすい問題もある。大きな粒径の粒子を分離したもの(いわゆるカット品)も知られているが、2次凝集しやすい傾向があり、透明性が損なわれるものがほとんどである。その点、アルコキシシランのオリゴマーの加水分解という特定の合成法によれば、非常に小さな粒径のシリカ粒子が安定して得られ、かつそのシリカ粒子は凝集しにくい性質を有しているので、高い透明性を得ることができる利点がある。
ここで、加水分解物とは、少なくとも加水分解反応を含む反応により得られる生成物を指し、脱水縮合などを伴っていてもよい。また、加水分解反応は脱アルコール反応も含む。
アルコキシシランは、珪素原子にアルコキシ基が結合した化合物であって、これらは、
また加水分解反応および脱水縮合反応(或いは脱アルコール縮合)によりアルコキシシラン多量体(オリゴマー)を生成する。後述する水や溶媒に対してアルコキシシランオリゴマーが相溶性を持つために、本発明に用いるアルコキシシランのアルキル鎖は長すぎないことが好ましく、通常炭素数1〜5程度であり、好ましくは炭素数1〜3程度である。具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。
本発明のシリカ粒子は、このアルコキシシランオリゴマーを出発原料とする。アルコキシシラン単量体(モノマー)を出発原料としないのは、粒径の制御が難しいこと、粒径の分布がブロードになりやすく、粒径が揃いにくいこと、等の傾向があるため、透明な組成物を得にくくなること、およびモノマーに毒性を有する種類のものがあり、安全衛生上好ましくないこと、等の理由による。オリゴマーの製造は、例えば特開平7−48454号公報に記載の方法等公知の方法によって行うことができる。
アルコキシシランオリゴマーの加水分解は、特定の溶媒中にてアルコキシシランオリゴマーに一定量の水を加え、触媒を作用させることによって行う。この加水分解反応により、シリカ超微粒子を得ることができる。
溶媒としてはアルコール類、グリコール誘導体、炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類等のうち1種類ないし2種類以上を組み合わせて使用することができるが、中でもアルコール類およびケトン類が特に好ましい。
アルコール類の具体例としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール,nブチルアルコール、イソブチルアルコール、オクタノール、nプロピルアルコール、アセチルアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン類の具体例としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
親水性であるシリカ粒子を安定に存在させるためには、これらアルコール類やケトン類のアルキル鎖は短いほうが好ましい。特に好ましくはメタノール、エタノール、アセトンである。中でもアセトンは沸点が低く溶媒を除去する工程に要する時間が比較的短くてすむ利点がある。
アルコキシシランオリゴマーの加水分解反応に必要な水の量は、アルコキシシランオリゴマーの有するアルコキシ基のモル数の、通常0.05倍以上、より好ましくは0.3倍以上である。水の量が少なすぎると、シリカ粒子が十分な大きさに成長せず、従って所期の特性を発現できない傾向がある。但し、上限値は通常1倍以下である。逆に多すぎるとアルコキシシランオリゴマーがゲルを形成しやすくなる傾向がある。
本発明のアルコキシシランオリゴマーは上記溶媒や水に対して相溶性があることが好ましい。
加水分解に際して用いる触媒としては、金属キレート化合物、有機酸、金属アルコキシド、ホウ素化合物等のうち1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができるが、とりわけ金属キレート化合物および有機酸が好ましい。
金属キレート化合物の具体例としてはアルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトナート)およびジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトナート)等が挙げられ、これらの中から1種類ないし2種類以上を組み合わせて用いることができるが、とりわけアルミニウムトリス(アセチルアセトナート)が好ましく用いられる。
また、有機酸の具体例としては蟻酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸等が挙げられ、
これらの中から1種類ないし2種類以上を組み合わせて用いることができるが、とりわけマレイン酸が好ましく用いられる。マレイン酸を用いた場合は、放射線硬化を行って得た硬化物の色相が良好で、黄色みが小さい傾向があるという利点があり、好ましい。
これら触媒成分の添加量は、その作用を十分に発揮する範囲であれば特に制限はないが、通常アルコキシシランオリゴマー100重量部に対して0.1重量部以上が好ましく、より好ましくは0.5重量部以上である。但しあまり多量でも作用は変わらないため、通常、10重量部以下が好ましく、より好ましくは5重量部以下である。
本発明においては、アルコキシシランのオリゴマーの加水分解物からなるシリカ粒子を用いることで、従来一般に充填成分として用いられているシリカ粒子に比べて、遙かに粒径の揃った微細な超微粒子を放射線硬化性樹脂組成物または放射線硬化物に添加できる利点がある。また、本シリカ粒子は凝集しにくい性質もあるため、放射線硬化性樹脂組成物または放射線硬化物に均一に分散できる利点もある。これによれば、シリカ粒子を大量に添加しても放射線透過性を損なうことがないので、寸法安定性や機械的強度を高めるために十分な量のシリカ粒子を添加できる。さらに、このような特定の製法により得られるシリカ粒子と、後述するシランカップリング剤等のシリカ粒子の表面保護を併用し、これに樹脂モノマーおよび/またはそのオリゴマーを添加することで、より大量のシリカ粒子を凝集させずに分散させられる利点がある。
従って、本発明により得られる放射線硬化物は、透明性と寸法安定性、機械的強度、密着性等を兼ね備えた優れた性質を持つ利点がある。
本発明においては、アルコキシシランのオリゴマーの加水分解物からなるシリカ粒子以外のその他の無機成分を含有することもできる。その他の無機成分には特に制限はないが、例えば無色の金属または、無色の金属酸化物が用いられる。具体的には銀、パラジウム、アルミナ、ジルコニア、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、アルコキシシランのオリゴマーの加水分解物由来以外のシリカ粒子、炭酸カルシウム、粘土鉱物粉末等が挙げられる。好ましくは、アルミナ、酸化亜鉛、アルコキシシランのオリゴマーの加水分解物由来以外のシリカ粒子または酸化チタンである。
その他の無機成分の製造法としては特に限定はないが、市販品をボールミル等の粉砕機で粉砕する;ゾルゲル法で製造する等の方法が粒径を小さくできるので好ましい。さらに好ましくは、ゾルゲル法で製造するものである。
本発明において、無機成分は超微粒子である事が好ましく、数平均粒径の下限値は好ましくは0.5nm以上、より好ましくは1nm以上である。数平均粒径が小さすぎると、超微粒子の凝集性が極端に増大して、硬化物の透明性や機械的強度が極端に低下したり、量子効果による特性が顕著でなくなる場合がある。又、上限値は好ましくは50nm以下、より好ましくは40nm以下、さらに好ましくは30nm以下、特に好ましくは15nm未満、最も好ましくは12nm以下である。
又、無機成分は、好ましくは粒径30nmより大きい無機成分が、さらに好ましくは粒径15nmより大きい無機成分が、放射性硬化性樹脂組成物に対して、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下である。または硬化物に対して好ましくは1体積%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下である。多く含有していると、光の散乱が大きくなるので、透過率が低下する傾向がある。これらの数平均粒径の決定方法としては、前述と同様の方法が挙げられる。
<シランカップリング剤(a2)>
本発明のアルコキシシランのオリゴマーの加水分解物からなるシリカ粒子(a1)は、シランカップリング剤(a2)で表面処理する。シランカップリング剤は、珪素原子にアルコキシ基および官能基を有するアルキル基が結合した構造の化合物で、シリカ粒子の表
面を疎水性化する役割を持つ。
特に上述のように形成したシリカ粒子は極性が強く水やアルコール等に対して相溶性を有し、モノマーおよび/またはそのオリゴマーには相溶性を有しない場合が多い。このため、モノマーおよび/またはそのオリゴマーを添加した際に凝集を起こしたり白濁を起こしたりする虞がある。
そこで親水性官能基および疎水性官能基を有するシランカップリング剤を添加し、シリカ粒子表面を疎水性化することにより、モノマーおよび/またはそのオリゴマーに対する相溶性を持たせ凝集や白濁を防ぐものである。
本発明のシランカップリング剤としては、その目的を達成するものであれば特に限定されないが、放射線硬化性官能基を有するトリアルコキシシランが特に好ましい。その具体例としては、エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
この表面処理ではシランカップリング剤のアルコキシ基とシリカ粒子表面上のヒドロキシ基との間で脱アルコール反応を経てSi−O−Si結合を生じることとなる。
シランカップリング剤は、シリカ粒子の表面処理時に部分的に加水分解される場合がある。従って、シリカ粒子をシランカップリング剤で表面処理した後の組成物としては、シランカップリング剤、シランカップリング剤の加水分解生成物、および、それらの縮合物からなる群より選ばれる化合物により表面処理されている、アルコキシシランのオリゴマーの加水分解物からなるシリカ粒子を含む。この他、シランカップリング剤同士および/またはシランカップリング剤とその加水分解生成物との縮合物も存在する場合がある。シランカップリング剤の加水分解生成物とは、シランカップリング剤が含有するアルコキシシラン基の一部または全部が加水分解反応を経てヒドロキシシランすなわちシラノール基になったものを指す。例えば、シランカップリング剤がエポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランの場合は、エポキシシクロヘキシルエチルヒドロキシジメトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルジヒドロキシメトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリヒドロキシシランが挙げられる。
シランカップリング剤同士および/またはシランカップリング剤とその加水分解生成物との縮合物とは、アルコキシ基がシラノール基と脱アルコール反応を経てSi−O−Si結合を生じたもの、あるいはシラノール基が他のシラノール基と脱水反応を経てSi−O−Si結合を生じたものを指す。
その他、表面処理の方法として、分散剤や界面活性剤の添加によりシリカ表面を修飾する方法を用いてもよい。
分散剤としては、各種インク、塗料、電子写真用トナーなどの微粒子分散液に使用される、高分子分散剤から選択して使用することもできる。このような高分子分散剤としては、アクリル系高分子分散剤、ウレタン系高分子分散剤等から適宜選択して使用される。具体例としては、商品名で、例えば、EFKA(エフカ アディティブス社製)、Disperbyk(ビックケミー(BYK)社製)、ディスパロン(楠本化成(株)社製)等が挙げられる。分散剤の使用量は、無機成分に対して10〜500重量%が好ましく、さらに好ましくは20〜300重量%である。
また、界面活性剤としては特に限定はないが、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、または両性系の高分子或いは低分子の各種非水系用界面活性剤から選択して用いることが
できる。具体的には、スルホン酸アミド系(アベシアピグメンツ&アジティブス社製「ソルスパース3000」)、ハイドロステアリン酸系(アベシアピグメンツ&アジティブス社製「ソルスパース17000」)、脂肪酸アミン系、ε−カプロラクトン系(アベシアピグメンツ&アジティブス社製「ソルスパース24000」)、1,2−ヒドロキシステアリン酸多量体、牛脂ジアミンオレイン酸塩(ライオンアクゾ社製「デュオミンTDO」)などが挙げられる。界面活性剤の使用量は、無機成分に対して10〜500重量%が好ましく、さらに好ましくは20〜300重量%である。
<親水性モノマー(B)>
本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、親水性モノマーを含有する。
モノマーは、親水性官能基を有するモノマーのことを示し、例えばヒドロキシル基、モルフォリン骨格、カルボキシル基、スルホン基、ホルミル基、アミド基等が挙げられるが、好ましくは、ヒドロキシル基、モルフォリン骨格を有するモノマーであり、これらは上述したシランカップリング剤で表面処理されたシリカ粒子と、モノマーおよび/またはそのオリゴマーとの相溶性をより向上させ、シランカップリング剤と共に、組成物の透明性や保存安定性を向上させる効果がある。
更にモノマーは、通常、放射線硬化性官能基を有する。放射線硬化性官能基としては、放射線による重合性を有する基であれば特に制限はないが、ラジカル反応性を有する基、光カチオン硬化型グリシジル基のような光カチオン反応性を有する基、光アニオン反応性を有する基、およびチオール基のような光チオール・エン反応性を有する基が挙げられ、このなかでもラジカル反応性を有する基が好ましい。
このようなラジカル反応性を有する官能基としては、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基などが挙げられるが、そのなかでも重合反応速度、透明性、塗布性の点から(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。ただしここで「(メタ)アクリレート」なる表記は、アクリレートまたはメタクリレートのいずれか、という意味である。
本発明における親水性モノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリロイルモルフォリン等のモルフォリン骨格を有する(メタ)アクレリートモノマー、および(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸等のカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマーが例示される。
前述に例示の(メタ)アクレレートのうち、相溶性や透明性や保存安定性の面から、分子量は小さいものがより好ましく、分子量が200以下、より好ましくは180以下の化合物が用いられ、とりわけ、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリンが好ましく用いられる。
<その他のモノマーおよび/またはオリゴマ−>
本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、上記親水性モノマーとは異なる他のモノマー/またはそのオリゴマーを含有するのが好ましい。
その他のモノマー/またはそのオリゴマーとしては、通常、ビニル基または(メタ)アクリロイル基などの放射線硬化性官能基を含有する。
さらにモノマーおよび/またはそのオリゴマーは、1分子中に、放射線硬化性官能基を2個以上有する化合物を主体とするのが好ましい。ここで「主体とする」とは、その他の全モノマーおよび/またはそのオリゴマーの50重量%以上を占めることを言う。この場合、放射線による重合反応により3次元の網目構造を形成し、不溶不融の樹脂硬化物を与えることができる。
本発明においては、放射線硬化性官能基を、活性エネルギー線(例えば紫外線)、電子線などの放射線で重合させることにより、超微粒子が高度に分散された状態のまま高速で硬化させることができる。放射線硬化は一般に秒単位の非常に高速で進む。従って、超微粒子がその硬化過程において移動したり凝集したりといった好ましくない現象を防ぐことが可能となり、従って高度な透明性を有する樹脂硬化物を得ることができる。これに対して熱重合は数十分〜数時間単位と時間がかかるため、重合中に超微粒子が移動し凝集したりして白濁してしまう傾向がある。
本発明においては、その他のモノマーのみを用いてもよいし、その他のオリゴマーのみを用いてもよいし、両者を混合して用いても良い。モノマーは、オリゴマーと比較して低粘度な液状であるものが多いので、他の成分と混合する場合に有利である。また、コーティングや注型成形等の成形がしやすい利点がある。ただし、中には毒性を有するものがあり、注意が必要である。一方、オリゴマーは、概して粘度が高く、取り扱いが難しい場合がある。しかしながら、表面硬化度に優れ、硬化収縮が小さい傾向があり、また硬化物の機械的特性、特に引っ張り特性や曲げ特性が良好であるものが多い利点がある。
その他のモノマーおよび/またはそのオリゴマーとしては、なかでも分子量が比較的高いオリゴマーを用いるのが好ましい。好ましくは分子量が1000以上であり、より好ましくは分子量2000以上である。オリゴマーの分子量の上限は特にないが、通常、5万以下、好ましくは3万以下、さらに好ましくは2万以下、より好ましくは1万以下、特に好ましくは5000以下である。
このような比較的高分子量のオリゴマーを用いることにより、硬化物の表面硬化度、密着性が向上する傾向がある。その理由は明らかではないが、オリゴマーを含む組成物は、硬化収縮も小さくなる傾向があることから、官能基密度が比較的小さく硬化反応が効率的に行われること、硬化収縮による密着界面における残留歪みが小さいこと等が、表面硬化度および密着性向上に関係していると推定される。なお、このような高分子量のオリゴマーは1種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いても良い。また、より低分子量の他のモノマーやオリゴマーと併用しても良い。
分子量が著しく高いオリゴマーを用いる場合には、組成物の粘度が上昇し、成形性や作業性が悪化することがあるが、この場合は低分子量のオリゴマーやモノマー、反応性希釈剤の添加量を増加させることにより改善できる。
モノマーおよび/またはそのオリゴマーの含有量としては、通常、硬化性樹脂組成物中に10重量%以上が好ましく、さらに好ましくは20重量%以上であり、又、上限としては、70重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは50重量%以下である。また少なすぎると硬化物を形成するときの成形性や機械強度が低下し、クラックが生じやすくなる傾向がある。逆に多すぎると、硬化物の表面硬度が低下する傾向がある。
(1)ウレタン結合を含有するモノマーおよび/またはオリゴマ−
モノマーおよび/またはそのオリゴマーとしては、分子内水素結合または分子間水素結合を形成し得る基を有するモノマーおよび/またはそのオリゴマーであることが好ましい。分子内水素結合または分子間水素結合が形成し得る基を有するモノマーおよび/またはそのオリゴマーとは、モノマーおよび/またはそのオリゴマー分子内に遊離しやすい水素原子を含む基を有し、その水素原子により分子内または分子間の水素結合を形成し得るモノマーおよび/またはそのオリゴマーである。遊離しやすい水素原子を含む基としては、ヒドロキシル基、ホルミル基、カルボキシル基、メルカプト基、チオホルミル基、チオカルボキシル基、スルフィル基、スルホ基、スルファモイル基、スルフォアミノ基、アミノ基、イミノ基、カルバモイル基、アミド基等が挙げられる。さらに好ましくは、ヒドロキシル基、アミド基である。これらの基により生じる分子内または分子間の水素結合により有機分子の凝集性が高められ、酸素の組成物中における自由な移動を阻害し、ラジカル重合阻害が抑制され、表面硬化度が向上する。
上記例示のうち、特に好ましくは、ウレタン結合を有するモノマーおよび/またはそのオリゴマーであり、本発明の放射線硬化性樹脂組成物にウレタン結合を有するモノマーおよび/またはそのオリゴマーを用いた場合、得られる樹脂硬化物の密着性や表面硬化度が増すという利点があり好ましい。
ウレタン結合を有するモノマーおよび/またはそのオリゴマーを用いたときに密着性が向上する現象は、ウレタン結合の電気的極性によって、被着体との相互作用が強められることに由来すると考えられる。
また、ウレタン結合を有するモノマーおよび/またはそのオリゴマーを用いたときに表面硬化度が向上する理由は明らかではないが、ウレタン結合またはヒドロキシアルキレン基を有するモノマーおよび/またはそのオリゴマーを一定量以上含有する組成物中においては、ウレタン結合の電気的極性に由来する分子内水素結合や分子間水素結合が形成され易いために、有機分子の凝集性が高められ、結果として酸素の組成物中における自由な移動を阻害し、ラジカル重合阻害が抑制されていること等が、その主な理由であると推定される。
本発明においては、ウレタン結合を有するモノマーおよび/またはそのオリゴマー自体が放射線硬化性官能基も有するのが好ましい。これにより、ウレタン結合を有するモノマーやオリゴマーが放射線硬化網目構造に組み込まれて一体となるため、凝集性が増し、結果として凝集破壊が起きにくく、密着性が向上する利点がある。また、酸素の自由な移動を制限する効果も高まるので、表面硬化度も向上する利点がある。
ウレタン結合を有するモノマーの製造方法としては、クロロギ酸エステルとアンモニアまたはアミンとを反応させる方法、イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物とを反応させる方法、尿素とヒドロキシル基含有化合物とを反応させる方法等、公知の方法に準じて行えばよく、又、モノマーが反応性基を有する場合はそれをオリゴマー化することができる。このうち、一般的にはウレタンオリゴマーを用いるのが簡便であり、ウレタンオリゴマーは、通常、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、ヒドロキシル基を含有する化合物とを常法により付加反応させることにより製造される。
分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等のポリイソシアネート類が挙げられる。
これらのうち、得られる組成物の色相が良好である点で、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネートの1種類または2種類以上を組み合わせて用いるのが好ましい。
ヒドロキシル基を含有する化合物としては、2個以上のヒドロキシル基を含有するポリオール類が好ましく用いられ、その具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン等のアルキルポリオールおよびこれらの多量体であるポリエーテルポリオール、およびこれらのポリオールや多価
アルコールと多塩基酸から合成されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリエステルポリオール等が挙げられる。
これらにより得られるウレタンオリゴマーは、ヒドロキシル基を含有する化合物としてポリエーテルポリオールを含有するものであるのが好ましく、ウレタンオリゴマー1分子中のポリエーテルポリオールに由来する構成単位の平均含有量が、20重量%以上であるのが好ましく、25重量%以上であるのが更に好ましく、30重量%以上であるのが特に好ましい。また、上限は特に限定しないが、90重量%以下であるのが好ましく、80重量%以下であるのが更に好ましく、70重量%以下であるのが特に好ましい。
このポリエーテルポリオールの含有割合が小さすぎると、硬化物として脆くなり、また弾性率が高過ぎて内部応力を生じ易く、変形の原因になる傾向となり、逆に大きすぎると、硬化物として表面硬度が低下し、傷が付き易くなる等の問題を生じ易い傾向となる。
イソシアネート化合物とヒドロキシル化合物との付加反応は、公知の方法、例えばイソシアネート化合物存在下にヒドロキシル化合物と付加反応触媒、例えばジブチルスズラウレートとの混合物を50〜90℃の条件下で滴下することにより行うことができる。
特に、ウレタンアクリレートオリゴマーを合成するに際しては、上記ヒドロキシル基を含有する化合物の一部を、ヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物とすることで製造することができる。その使用量としては、通常、全ヒドロキシル基含有化合物中の30〜70%であり、その割合に応じて、得られるオリゴマーの分子量を制御することができる。
ヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジルエーテル化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応物、グリコール化合物のモノ(メタ)アクリレート体等が挙げられる。
分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物1分子と、ヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物2分子とを付加反応させることにより、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する、ウレタンオリゴマーを製造することができる。
特に、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンオリゴマーは、得られる樹脂硬化物の密着性や表面硬化度がさらに増すという利点がある。
上述のようなモノマーおよび/またはそのオリゴマーとしては、透明性の高い材料が好ましく、例えば、芳香環を有していない化合物であるのが好ましい。芳香環を含有するモノマーおよび/またはそのオリゴマーを用いた樹脂組成物および硬化物は、得られるものが着色物であったり、最初は着色していなくても保存中に着色したり着色が強まってしまうこと、いわゆる黄変、がある。これは芳香環を形成する二重結合部分が、エネルギー線によってその構造を不可逆的に変化させることがこれらの原因であると考えられている。
このため、モノマーおよび/またはそのオリゴマーは、芳香環を有しない構造を持つことで、色相の悪化が無く、かつ光線透過性も低下することなく、オプトエレクトロニクス用途など、無色透明が要求される用途への応用に特に適する利点がある。
ウレタン結合を有するモノマーおよび/またはそのオリゴマーにおいて、芳香環を有しないモノマーおよび/またはそのオリゴマーは、上記製造法において、芳香環を含まないイソシアネート基含有化合物と芳香環を含まないヒドロキシル基含有化合物とを付加反応することにより製造できる。
例えば、イソシアネート化合物として、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、イソホ
ロンジイソシアネートの1種類または2種類以上を組み合わせて用いるのが好ましい。
(2)その他の放射線硬化性モノマーおよび/またはそのオリゴマー
その他のモノマーおよび/またはそのオリゴマーとして上記、ウレタン結合を有するモノマーおよび/またはそのオリゴマーを用いる場合に、その他の放射線硬化性モノマーおよび/またはそのオリゴマー、好ましくは2官能または3官能の(メタ)アクリレート化合物を混合しても良い。
その他の放射線硬化性モノマーおよび/またはそのオリゴマーの使用量は、無機成分以外の組成物に対して50重量%以下が好ましく、さらに好ましくは30重量%以下である。
2官能または3官能の(メタ)アクリレート化合物としては、脂鎖式ポリ(メタ)アクリレート、脂環式ポリ(メタ)アクリレート、芳香族ポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.026]デカン=ジメタクリレート、p−ビス[β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ]キシリレン、4,4′−ビス[β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ]ジフェニルスルホン等の2価の(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパントリス(メタ)アクリレート、グリセリントリス(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリス(メタ)アクリレート等の3価の(メタ)アクリレート類、ペンタエリスリトールテトラキス(メタ)アクリレート等の4価の(メタ)アクリレート類、エポキシアクリレート等の不定多価の(メタ)アクリレート類等が例示される。これらのうち、架橋生成反応の制御性から上記2価の(メタ)アクリレート類は好ましく用いられる。
また、硬化物の架橋構造の耐熱性、表面硬度の向上等を目的として、3官能以上の(メタ)アクリレート類が好ましく添加される。その具体例としては、上記に例示されたトリメチロールプロパントリス(メタ)アクリレート等の他、イソシアヌレート骨格を有する3官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
更に、接着性、密着性を向上させる目的で、水酸基を含有した(メタ)アクリレート化合物が好ましく添加される。具体的な化合物の例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記に例示の(メタ)アクリレート類のうち、得られる重合体の透明性と低光学歪み性をバランスよく実現する点で特に好ましいのは、下記成分Aおよび下記成分Bを添加使用することである。
成分Aは、下記一般式(1)で示される脂環骨格を有するビス(メタ)アクリレートである。
Figure 2006188659
ただし上記一般式(1)において、RaおよびRbはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を、RcおよびRdはそれぞれ独立して炭素数6以下のアルキレン基を、xは1また
は2を、yは0または1を、それぞれ表す。
上記一般式(1)で示される成分Aの具体例としては、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)ト
リシクロ[5.2.1.02,6]デカン=アクリレートメタクリレートおよびこれらの混
合物、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=アクリレートメタクリレートおよびこれらの混混合物等が挙げられる。これらのトリシクロデカン化合物およびペンタシクロデカン化合物は、複数種を併用してもよい。
成分Bは下記一般式(2)で表される硫黄原子を有するビス(メタ)アクリレートである。
Figure 2006188659
ただし上記一般式(2)において、RaおよびRbは上記一般式(1)におけるRaおよ
びRbと同じものが用い得、各Reはそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を表す。各Arはそれぞれ炭素数が6〜30であるアリーレン基またはアラルキレン基を表し、これらの水素原子はフッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい。各Xはそれぞれ酸素原子または硫黄原子を表し、各Xが全て酸素原子の場合、各Yのうち少なくとも一つは硫黄原子またはスルホン基(−SO2−)を、各Xのうち少なくとも1つが硫黄原子の場合
、各Yはそれぞれ硫黄原子、スルホン基、カルボニル基(−CO−)、並びにそれぞれ炭素数1〜12のアルキレン基、アラルキレン基、アルキレンエーテル基、アラルキレンエーテル基、アルキレンチオエーテル基およびアラルキレンチオエーテル基のいずれかを表し、jおよびpはそれぞれ独立して1〜5の整数を、kは0〜10の整数を表す。またkが0の時は、Xは硫黄原子を表す。
上記一般式(2)で示される成分Bを具体的に例示すれば、α,α’−ビス[β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ]−p−キシレン、α,α’−ビス[β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ]−m−キシレン、α,α’−ビス[β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ]−2,3,5,6−テトラクロロ−p−キシレン、4,4′−ビス[β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]ジフェニルスルフィド、4,4′−ビス[β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]ジフェニルスルホン、4,4′−ビス[β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ]ジフェニルスルフィド、4,4′−ビス[β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ]ジフェニルスルホン、4,4′−ビス[β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ]ジフェニルケトン、2,4′−ビス[β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ]ジフェニルケトン、5,5′−テトラブロモジフェニルケトン、β,β′−ビス[p−(メタ)アクリロイルオキシフェニルチオ]ジエチル
エーテル、β,β′−ビス[p−(メタ)アクリロイルオキシフェニルチオ]ジエチルチオエーテル等が挙げられ、これらは複数種を併用してもよい。
上記各成分の中でもビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ
ン=ジメタクリレートは優れた透明性および耐熱性を有し、特に好適に用いられる。
(3)反応性希釈剤
本発明の放射線硬化性樹脂組成物には、組成物粘度の調整などの目的で、反応性希釈剤を添加しても良い。反応性希釈剤の使用量は、無機成分以外の組成物に対して通常0.5〜80重量%、好ましくは1〜50重量%である。少なすぎると希釈効果が小さく、一方多すぎると脆くなりやすく機械強度を低下させる傾向があり、また硬化収縮も大きくなる傾向がある。本発明において反応性希釈剤とは、低粘度の液状化合物であって、通常、単官能の低分子化合物である。例えば、ビニル基または(メタ)アクリロイル基を有する化合物や、メルカプタン類などが挙げられる。
本発明において好ましくは、反応性希釈剤が放射線硬化性、例えばビニル基または(メタ)アクリロイル基を有する化合物などが挙げられる。そのような化合物の具体例としては、芳香族ビニル系モノマー類、ビニルエステルモノマー類、ビニルエーテル類、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸エステル類、ジ(メタ)アクリレート類が挙げられるが、色相や光線透過性の点で好ましいのは芳香環を有しない構造を持つ化合物である。中でもテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン骨格を有する(メタ)アクリレート等の脂環骨格を有する(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレートが、良好な色相および粘度を有する点で、特に好ましく用いられる。
<重合開始剤>
本発明の放射線硬化性樹脂組成物においては、活性エネルギー線(例えば紫外線)によって進行する重合反応を開始させるために、通常、重合開始剤を添加することが好ましい。かかる重合開始剤としては、光によりラジカルを発生する性質を有する化合物であるラジカル発生剤が一般的であり、公知のかかる化合物が使用可能である。かかるラジカル発生剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が例示され、これらの複数種を併用してもよい。これらのうち好ましいのは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドおよびベンゾフェノンである。かかる重合開始剤の添加量は、放射線硬化性官能基を含有するモノマーおよび/またはそのオリゴマーの総和100重量部に対し通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上、更に好ましくは0.05重量部以上である。但し通常10重量部以下、好ましくは8重量部以下である。この添加量が多すぎると重合反応が急激に進行して光学歪みの増大をもたらすだけでなく色相も悪化する場合があり、また少なすぎると組成物を十分に硬化させることができなくなる場合がある。
又、電子線によって重合反応を開始させる場合には、上記重合開始剤を用いることも出来るが、重合開始剤を使用しない方が好ましい。
<表面張力調整剤>
本発明の表面張力調整剤は、組成物の表面張力を低下させ、基材への塗布性を向上する目的で使用される。
その具体例としては、低分子および高分子界面活性剤やシリコーン化合物およびその各種変性物(ポリエーテル変性、フッ素変性等)、ソルビタンエステル、その他各種レベリング剤、消泡剤、レオロジーコントロール剤、離型剤などが挙げられる。これらのうち、特にポリフローKL510(共栄社化学社製)等のシリコーン化合物が好ましく、さらにはKF351A(信越化学社製)等のポリエーテル変性シリコーン化合物、フッ素変性界面活性剤が、表面張力を好ましく低下させることが出来るのみならず、塗布欠陥を生じにくい性質を示し、かつ防汚性、滑り性、耐環境性にも優れるため、好ましい。
表面張力調整剤の添加量は、種類にもよるが、組成物に対して通常5重量%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは0.01〜1重量%の範囲である。
<溶媒>
硬化性樹脂組成物には、溶媒を使用しても良い。溶媒は、無色透明なものが好ましい。具体的にはアルコール類、グリコール誘導体、炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類等のうち1種類または2種類以上を組み合わせて使用することができる。アルコール類の具体例としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、nブチルアルコール、イソブチルアルコール、オクタノール、nプロピルアルコール、アセチルアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン類の具体例としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらの中でも、メタノール、エタノール、または、アセトンが特に好ましい。但し、溶媒の使用量は、硬化反応時の操作性などの点から考えると少ない方が好ましく、組成物に対して、95%以下であることが好ましく、さらに好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下、とりわけ好ましくは5%以下、最も好ましくは無溶媒である。
<補助成分>
本発明の硬化性樹脂組成物には、製造される樹脂硬化物が本発明の目的を著しく逸脱しない限りにおいて、必要に応じて添加剤など補助成分を加えてもよい。
その他の補助成分としては、例えば酸化防止剤、熱安定剤、あるいは光吸収剤等の安定剤類;ガラス繊維、ガラスビーズ、マイカ、タルク、カオリン、金属繊維、金属粉等のフィラー類;炭素繊維、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、C60等のフラーレン類等の炭素材料(フィラー類、フラーレン類などを総称して無機充填成分と称する。);帯電防止剤、可塑剤、離型剤、消泡剤、レベリング剤、沈降防止剤、界面活性剤、チクソトロピー付与剤等の改質剤類;顔料、染料、色相調整剤等の着色剤;モノマーおよび/またはそのオリゴマーまたは無機成分の合成に必要な硬化剤、触媒、硬化促進剤類等が例示される。これら補助成分の添加量は、製造される樹脂硬化物が本発明の目的を著しく逸脱しない限り制限されないが、通常、放射線硬化性樹脂組成物の20重量%以下である。
また、本発明の放射線硬化性樹脂組成物には、機械的特性や耐熱性を向上させたり、各種特性のバランスをとるためなどの目的で、放射線硬化性以外のモノマーおよび/またはそのオリゴマーを更に混合してもよい。モノマーおよび/またはそのオリゴマーの種類は特に限定されないが、具体的には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂モノマーおよび/またはそのオリゴマー等が使用される。
熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン;ポリメチルメタクリレート;ポリアリレート、O−PET(カネボウ社製)等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリエーテルスルホン;ゼオネックス(日本ゼオン社製)、アートン(JSR社製)等の脂環式熱可塑性樹脂;アペル(三井化学社製)等の環状ポリオレフィン等が挙げられ、透明性および寸法安定性の観点からポリカーボネートまたはポリエーテルスルホンが好ましい。熱可塑性樹脂は、無機成分以外の組成物に対して20重量%以下が好ましい。
熱硬化性樹脂モノマーおよび/またはそのオリゴマーとしては、エポキシ系樹脂;リゴラ
イト(昭和電工社製)等が用いられ、透明性および寸法安定性の観点から高純度のエポキシ系樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂は、無機成分以外の組成物に対して50重量%以下が好ましい。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、25℃における粘度が1000センチポイズ以上であることを特徴とする。好ましくは2000ポイズ以上である。また、10000センチポイズ以下であることを特徴とする。好ましくは5000センチポイズ以下である。1000センチポイズより小さすぎると厚みが50μm以上の硬化物を形成するのが困難となるので、そのような厚い硬化物を必要とする情報記録媒体等の用途に対しては用いることができない傾向がある。逆に5000センチポイズより大きすぎると平滑な表面の硬化物を形成しにくくなる傾向がある。粘度は、E型粘度計、B型粘度計または振動型粘度計によって測定すればよい。粘度を調整する方法としては、希釈剤の添加、溶媒除去、放射線硬化性オリゴマーの分子量制御、増粘剤の添加またはレオロジー制御剤の添加などの手法があり、好ましくは、希釈剤の添加、放射線硬化性オリゴマーの分子量制御、増粘剤の添加が用いられ、さらに好ましくは希釈剤の添加が用いられる。
放射線硬化性樹脂組成物の透明性は、組成物が硬化して得られる硬化物がその用途に応じて透明であればよく、組成物自体の透明性について特に限定はないが、好ましくは550nmにおける光路長0.1mmの光線透過率が80%以上、より好ましくは85%以上である。さらに好ましくは、400nmにおける光路長0.1mmの光線透過率が80%以上、より好ましくは85%以上である。この光線透過率が低すぎると、硬化時の透明性が大きく損なわれる傾向があり、硬化物が光学記録媒体に用いられる場合、記録された情報の読み出し時に読み出しエラーが増加する傾向がある。
放射線硬化性樹脂組成物は、25℃における表面張力が40mN/m以下、好ましくは35mN/m以下、より好ましくは30mN/m以下である。表面張力が高すぎると、コーティング時の組成物の塗れ広がり性が悪化し、コーティング時に必要な組成物量が多くなるばかりでなく、欠陥が生じる原因となる傾向がある。表面張力は小さければ小さいほどよいが、通常10mN/m以上である。表面張力は表面張力計(例えば、協和界面科学(株)社製CBVP−A3型)を用いて測定すれば良い。表面張力を調整する方法としては、前記表面張力調整剤の添加が挙げられる。
放射線硬化性樹脂組成物としては実質的に溶媒を含有しないことが好ましい。実質的に溶媒を含有しないとは、揮発性を有するかもしくは低沸点のいわゆる有機溶剤の含有量が非常に少ない状態を言い、組成物中の溶媒含有量が通常5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下、とりわけ好ましくは0.1%以下である。簡易的には有機溶剤の臭気が観測されない状態をいう。又、別の方法としては、放射線硬化性樹脂組成物を100±15ミクロンの膜厚でスピンコートし、70℃、1分加熱後、3J/cm2の紫外線照射または5Mradの電子線照射、あるいは後述の表面
硬化度評価方法による評価が○になる状態まで硬化した後に、硬化物中に残存した溶媒の揮発による、泡ないし白濁を生じない事である。
<放射線硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、モノマーおよび/またはそのオリゴマー中に、無機成分が均一に分散混合する方法であれば特に限定はないが、具体的には、(1)無機粒子粉末を調製し、適当な表面処理を施した後、適当に液状状態にしたモノマーおよび/またはそのオリゴマーに直接分散させる方法、(2)適当に液状状態にしたモノマーおよび/またはそのオリゴマー中で無機粒子を合成する方法、(3)液体媒体中において無機粒子を調製し、液体媒体にモノマーおよび/またはそのオリゴマーを溶解させた後、溶媒を除去する方法、(4)液体媒体中にモノマーおよび/またはそのオリゴマーを溶解させ、
液体媒体中において無機粒子を調製したのち溶媒を除去する方法、(5)液体媒体中において無機粒子およびモノマーおよび/またはそのオリゴマーを調整した後、溶媒を除去する方法等が挙げられる。このうち(3)が、透明性が高く保存安定性の良好なものが得られやすいので最も好ましい。
上記(3)の方法として具体的には、(i)溶媒、表面処理剤または希釈剤等の液体媒体中において、アルコキシシランのオリゴマーを10〜100℃の温度下で加水分解しシリカ粒子を合成する工程、(ii)シリカ粒子を表面保護する工程、(iii)モノマーおよび/ま
たはそのオリゴマーを混合させる工程、および(iv)10〜75℃の温度下で溶媒を除去する工程、を順次行うことにより行うことが好ましい。この製造方法によれば、粒径が揃ったシリカ超微粒子が高度に分散された放射線硬化性樹脂組成物をより容易に得ることができる。
上記(i)の工程では、液体媒体中で、アルコキシシランのオリゴマー、触媒および水を加えてアルコキシシランのオリゴマー加水分解を行い、シリカ粒子を合成する。液体媒体は特に限定はないが、モノマーおよび/またはそのオリゴマーと相溶性があるものが好ましい。具体的には、溶媒、表面処理剤または希釈剤等が用いられる。表面処理剤および希釈剤は前述と同様である。溶媒としては、好ましくはアルコール類またはケトン類が用いられ、特に好ましくはC1〜C4のアルコール、アセトン、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトンが用いられる。液体媒体の量は、アルコシシシランのオリゴマーに対して0.3〜10倍用いるのが好ましい。
触媒としては、蟻酸、マレイン酸等の有機酸;塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;およびアセチルアセトンアルミニウム、ジブチルスズジラウレート、ジズチルスズジオクタエート等の金属錯体化合物等の加水分解触媒が使用される。使用量は、アルコシシシランのオリゴマーに対して0.1〜3重量%が好ましい。
水はアルコシシシランのオリゴマーに対して10〜50重量%が好ましく添加される。
加水分解温度は、10〜100℃で行い、この温度が低すぎると、シリカ粒子が形成される反応が十分に進行しない傾向がある。逆に高すぎるとオリゴマーのゲル化反応が起こりやすくなる。加水分解時間は30分〜1週間が好ましい。
上記(ii)の反応は、シリカ粒子を表面保護する工程で、表面保護剤としては、界面活性剤、分散剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
界面活性剤または分散剤を用いる場合には、表面保護剤を添加して、室温〜60℃の温度にて30分〜2時間程度攪拌して反応させる方法、添加して反応させたあと、室温にて数日間熟成させる方法、等が挙げられる。添加する際は、表面保護剤の溶解性が非常に高い溶媒を選択しないことが重要である。表面保護剤の溶解性が非常に高い溶媒を用いた場合、無機成分への保護が十分に行われないか、もしくは保護プロセスに多大な時間を要する傾向がある。表面保護剤の溶解性が非常に高い溶媒の場合には、例えば、溶媒と表面処理剤の溶解度値(SP値)の差が0.5以上になる溶媒を用いると、無機成分への保護が十分に行われることが多い。
シランカップリング剤を用いる場合には、表面保護反応は室温(25℃)にて進行する。通常は0.5〜24時間撹拌操作を行い、反応を進行させるが、100℃以下の温度で加熱してもよい。加熱すると反応速度が増し、より短時間で反応を行わせることができる。シランカップリング剤を用いる場合には、水を添加しても良い。水はシランカップリング剤由来のアルコキシ基およびアルコキシシラン由来の残存アルコキシ基が加水分解に必要な量の範囲で、通常添加する。
シランカップリング剤は、複数回に分割して添加してもよい。その際には水も複数回に分割して添加してもよく、その量は上記シランカップリング剤への水の添加量に記載した説明と同様である。
上記(iii)の工程は、上記(ii)の反応が十分に終了してから行う必要がある。その
確認は、反応液中のシランカップリング剤の残存量を測定することで行える。通常、反応液中のシランカップリング剤の残存量が、仕込み量に対して10%以下になったときである。上記(ii)の反応が十分に進行する以前に(iii)の操作を行うと、モノマーやオリ
ゴマーが均一に混ざらなかったり、後工程において組成物が白濁したりする傾向がある。(iii)の工程は室温(25℃)にて行うことができるが、モノマーやオリゴマーの粘度
が高い場合や、モノマーやオリゴマーの融点が室温(25℃)以上の場合は、30〜90℃に加熱して行ってもよい。混合時間は30分〜5時間が好ましい。
上記(iv)の工程においては、主として液体媒体として用いた溶媒やアルコキシシランオリゴマーの加水分解により生成したアルコールなどの溶媒の除去が行われる。ただし必要な範囲で除去されれば良く、必ずしも完全に除去されなくても良い。前述の実質的に溶媒を含有しない組成物程度に除去されていることが好ましい。なお、温度が記載された範囲よりも低いと、溶媒の除去が十分に行われない傾向がある。逆に高すぎると、組成物がゲル化しやすくなる傾向がある。温度は段階的にコントロールしてもかまわない。除去時間は、1〜12時間が好ましい。又、20kPa以下、さらに好ましくは10kPa以下の減圧化で除去することが好ましい。又0.1kPa以上で除去することが好ましい。圧力は徐々に減圧にしても構わない。
以上に説明した好ましい製造方法によれば、樹脂組成物に後から充填材(シリカ粒子など)やシランカップリング剤等の表面処理剤を添加し充填材を分散させる方法に比べて、より粒径が小さい超微粒子を、しかも大量に、凝集させることなく分散させられる利点がある。従って得られる放射線硬化性樹脂組成物は、放射線透過性を損なうことなく、樹脂の寸法安定性や機械的強度を高めるために十分な量のシリカ粒子が分散されたものとなる。そして、それを硬化させて得られる放射線硬化物は、透明性、高表面硬度および低硬化収縮性を有する。好ましくは加えて、寸法安定性および密着性を兼ね備え、さらに好ましくは表面硬化度を併せ持つ利点がある。
<放射線硬化条件>
上記放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、組成物に放射線(活性エネルギー線や電子線)を照射して重合反応を開始させるいわゆる「放射線硬化」によって得られる。
重合反応の形式に制限はなく、例えばラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合などの公知の重合形式を用いることができる。これら重合形式の例示のうち、最も好ましい重合形式はラジカル重合である。その理由は定かではないが、重合反応の開始が重合系内で均質かつ短時間に進行することによる生成物の均質性によるものと推定される。
上記放射線とは、必要とする重合反応を開始する重合開始剤に作用して重合反応を開始する化学種を発生させる働きを有する電磁波(ガンマ線、エックス線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波等)または粒子線(電子線、α線、中性子線、各種原子線等)である。
本発明において好ましく用いられる放射線の一例は、エネルギーと汎用光源を使用可能であることから紫外線、可視光線、および電子線が好ましく、最も好ましくは紫外線および電子線である。
紫外線を用いる場合、紫外線によりラジカルを発生する光ラジカル発生剤(前記例示参照)を重合開始剤とし紫外線を放射線として使用する方法が採用される。この時、必要に
応じて増感剤を併用してもよい。上記紫外線は、波長が通常200〜400nmの範囲であり、この波長範囲は好ましくは250〜400nmである。紫外線を照射する装置としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、マイクロ波によって紫外線を発生させる構造の紫外線ランプ等、公知の装置を好ましく用いることができる。好ましくは高圧水銀ランプである。装置の出力は通常10〜200W/cmであり、装置は、被照射体に対して5〜80cmの距離に設置するようにすると、被照射体の光劣化や熱劣化、熱変形等が少なく、好ましい。
本発明の組成物は、また電子線によっても好ましく硬化することができ、機械特性、特に引っ張り伸び特性に優れた硬化物を得ることができる。電子線を用いる場合、その光源および照射装置は高価であるものの、開始剤の添加を省略可能であること、および酸素による重合阻害を受けず、従って表面硬化度が良好となるため、好ましく用いられる場合がある。
電子線照射に用いられる電子線照射装置としては、特にその方式に制限はないが、例えばカーテン型、エリアビーム型、ブロードビーム型、パルスビーム型等が挙げられる。電子線照射の際の加速電圧は10〜1000kVが好ましい。
放射線の強度は通常0.1J/cm2以上、好ましくは0.2J/cm2以上のエネルギーで照射する。又、通常20J/cm2以下のエネルギー範囲で照射し、好ましくは10J/cm2以下、さらに好ましくは5J/cm2以下、より好ましくは3J/cm2以下、特に好ましくは2J/cm2以下で照射する。
放射線強度はこの範囲内であれば、放射線硬化性樹脂組成物の種類によって適宜選択可能である。例えば、ウレタン結合またはヒドロキシアルキレン基を有するモノマーおよび/またはそのオリゴマーを含む放射線硬化性樹脂組成物の場合、放射線照射強度は2J/cm2以下が好ましい。又、縮合脂環式アクリレートからなるモノマーおよび/またはそ
のオリゴマーを含む放射線硬化性樹脂組成物の場合、放射線照射強度は3J/cm2以下
が好ましい。
かかる放射線の照射エネルギーや照射時間が極端に少ない場合は重合が不完全なため架橋樹脂組成物の耐熱性、機械特性が十分に発現されない場合がある。照射時間は通常1秒以上とし、好ましくは10秒以上とする。ただし、逆に極端に過剰な場合は黄変等光による色相悪化に代表される劣化を生ずる場合がある。従って照射時間は通常3時間以下とし、反応促進と生産性の点で好ましくは1時間程度以下とする。
放射線の照射は、一段階でも、あるいは複数段階で照射してもよく、その線源として通常は放射線が全方向に広がる拡散線源を用い、通常、型内に賦形された前記重合性液体組成物を固定静置した状態またはコンベアで搬送された状態とし、放射線源を固定静置した状態で照射する。
また、前記重合性液体組成物を適当な基板(例えば樹脂、金属、半導体、ガラス、紙等)上の塗布液膜とし、次いで放射線を照射して塗布液膜を硬化させることも可能である。
<放射線硬化物>
本発明の放射線硬化物は、通常、溶剤等に不溶不融の性質を示し、厚膜化した際であっても光学部材の用途に有利な性質を備え、密着性、表面硬化度に優れていることが好ましい。具体的には、低い光学歪み性(低複屈折性)、高い光線透過率、寸法安定性、高密着性、高表面硬化度および一定以上の耐熱性を示すことが好ましい。また、硬化収縮が小さいほど好ましい。
本発明の放射線硬化物の膜の厚さは、上限は通常5cm以下、好ましくは1cm以下、
さらに好ましくは1mm以下、より好ましくは500μm以下である。また、下限は通常1μm以上、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、特に好ましくは70μm以上、最も好ましくは85μm以上の膜厚を有する。
上記樹脂硬化物の透明性については、550nmにおける光路長0.1mm当たりの光線透過率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上、更に好ましくは89%以上である。さらに好ましくは、400nmにおける光路長0.1mm当たりの光線透過率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上、更に好ましくは89%以上である。特に好ましくは、光路長1mm当たりで上記光線透過率を有するものが好ましい。光線透過率は、例えば、ヒューレットパッカード社製HP8453型紫外・可視吸光光度計にて室温で測定すればよい。
さらに、放射線硬化物の熱膨張が小さいほど、より良好な寸法安定性を有していることを意味し、好ましい。例えば、熱膨張の具体的指標の一つである線膨張係数が小さいほど好ましく、13×10-5/℃以下が好ましく、より好ましくは12×10-5/℃以下、更に好ましくは10×10-5/℃以下、特に好ましくは8×10-5/℃以下である。線膨張係数は、例えば、5mm×5mm×1mmの板状試験片を用いて、圧縮法熱機械測定(TMA;SSC/5200型;セイコーインスツルメント社製)にて加重1g、昇温速度10℃/分で測定し、40℃から100℃までの範囲を10℃刻みで線膨張係数を評価し、その平均値を代表値とすることができる。
加えて、密着性は高いほうが好ましい。測定方法は、例えば、10cm角の光学研磨ガラス板上に、塗膜ができる量の組成物を垂らし、規定量の放射線を照射した後、室温で1時間放置する。硬化した組成物部分の中央にカッターナイフでガラス表面に到達するように切り込みを入れ、室温で更に14日間放置後、切り込み部の組成物硬化物とガラス表面との界面の剥離が目視で観察されるかどうかにて評価できる。サンプル数を5とし、すべてのサンプルについて剥離が観察されなかった場合を◎、2以上のサンプルについて剥離が観察されなかった場合を○、1のサンプルのみ剥離が観察されなかった場合を△、すべてのサンプルについて剥離が目視で観察された場合を×として評価できる。密着度として好ましいのは○または◎、さらに好ましくは◎である。又、光学研磨ガラス板上よりも、ポリカーボネート等のプラスチック基板で上記密着性を有するものがさらに好ましい。
さらに加えて表面硬化度は、硬い方が好ましく、測定法は規定量の紫外線を照射後、ゴム手袋を装着した右手人差し指と親指で、親指が塗布面側になるようにサンプルを軽くはさみ、親指を塗布面から離したとき、その跡が目視にて観察されない場合を○、薄く観察される場合を△、濃く観察される場合を×として測定する。表面硬度としては○が好ましい。
また、耐熱性については、樹脂硬化物の示差熱分析(DSC)、熱機械測定(TMA)または動的粘弾性測定により測定されるガラス転移温度が120℃以上であることが好ましく、より好ましくは150℃以上、更に好ましくは170℃以上である。
また、本発明の樹脂硬化物は、各種溶剤に対して溶解しないことが好ましい。代表的にはトルエン、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフランといった溶剤に対して溶解しないことが好ましい。
本発明の樹脂硬化物はアルコキシシランのオリゴマーの加水分解物からなるシリカ粒子などの無機物質超微粒子を含有するが、微粒子は、有機物である樹脂マトリクスと異なる光学特性を有する物質であるため、樹脂硬化物が総体として有機物単独では実現し得ない特異な屈折率とアッベ数とのバランスを有するという特徴を有する場合がある。かかる特
異な屈折率とアッベ数とのバランスは、レンズやプリズム等光の屈折を利用し、複屈折が小さいことが望ましい用途において有用である場合があり、具体的にはナトリウムD線波長において23℃で測定される屈折率nDとアッベ数νDとの関係を表す下記数式の定数項Cが1.70〜1.82の範囲を逸脱するような場合をいう。
Figure 2006188659
樹脂材料の成形体では、一般に厚みが大きくなるに従って複屈折も大きくなる。本発明において、上記シリカ粒子を使用することにより、本発明の樹脂硬化物は厚みの増大の割には従来になく複屈折の増加率が小さくなるという特徴を獲得する場合がある。従って、後述する本発明の光学部材のように、厚み0.1mm以上という比較的厚い成形体として本発明の樹脂硬化物を使用する場合、低複屈折率化の点で有利である。
本発明の放射線硬化物は、複屈折で代表される光学歪みが小さく、良好な透明性を有し、優れた寸法安定性や表面硬度等の機能特性を有するため、光学材料として優れる。
ここでいう光学材料とは、それを構成する材料の光学特性、例えば透明性、吸発光特性、外界との屈折率差、複屈折の小ささ、前記の特異な屈折率とアッベ数とのバランス等を利用する用途に用いられる成形体一般を指す。具体例としては、ディスプレイパネル、タッチパネル、レンズ、プリズム、導波路、光増幅器等のオプティクス、オプトエレクトロニクス用部材が挙げられる。
本発明の光学材料は2種類に大別される。第1の光学材料は前記樹脂硬化物の成形体である光学材料であり、第2の光学材料は前記樹脂硬化物の薄膜を一部の層として有する成形体である光学材料である。つまり、前者は光学材料の主体が前記樹脂硬化物でありその他に樹脂硬化物でない材質の任意の薄膜(コート層)を有していてもよいものであり、一方、後者は光学材料の主体は前記樹脂硬化物でなくてもよい材質で構成され、一部の層として樹脂硬化物の薄膜を有するものである。いずれの光学材料も、樹脂、ガラス、セラミクス、無機物結晶、金属、半導体、ダイヤモンド、有機物結晶、紙パルプ、木材等の任意の固体素材基板上に密着して成形されたものであってもよい。
上記第1の光学材料の寸法に制限はないが、前記樹脂硬化物の部分の光路長は、光学材料の機械的強度の点で下限値は通常0.01mmであり、好ましくは0.1mm、更に好ましくは0.2mmである。一方、光線強度の減衰の点で上限値は通常10000mmであり、好ましくは5000mm、更に好ましくは1000mmである。
上記第1の光学材料の形状に制限はないが、例えば平板状、曲板状、レンズ状(凹レンズ、凸レンズ、凹凸レンズ、片凹レンズ、片凸レンズ等)、プリズム状、ファイバー状等の形状が例示される。
上記第2の光学材料の寸法に制限はないが、前記樹脂硬化物薄膜の膜厚は、機械的強度や光学特性の点で下限値は通常0.05μmであり、好ましくは0.1μm、更に好ましくは0.5μmである。一方、膜厚の上限値は、薄膜の成形加工性や費用対効果バランスの点で通常3000μmであり、好ましくは2000μm、更に好ましくは1000μmである。
かかる薄膜の形状に制限はないが、必ずしも平面状でなくてもよく、例えば球面状、非球面曲面状、円柱状、円錐状、あるいはボトル状等の任意形状の基板上に成形されていて
もよい。
本発明の光学材料には、必要に応じて任意の被覆層、例えば摩擦や摩耗による塗布面の機械的損傷を防止する保護層、半導体結晶粒子や基材等の劣化原因となる望ましくない波長の光線を吸収する光線吸収層、水分や酸素ガス等の反応性低分子の透過を抑制あるいは防止する透過遮蔽層、防眩層、反射防止層、低屈折率層等や、基材と塗布面との接着性を改善する下引き層、電極層等、任意の付加機能層を設けて多層構造としてもよい。かかる任意の被覆層の具体例としては、無機酸化物コーティング層からなる透明導電膜やガスバリア膜、有機物コーティング層からなるガスバリア膜やハードコート等が挙げられ、そのコーティング法としては真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、ディップコート法、スピンコート法等公知のコーティング法を用いることができる。
本発明の光学材料の具体例を更に詳細に例示すると、眼鏡用レンズ、光コネクタ用マイクロレンズ、発光ダイオード用集光レンズ等の各種レンズ、光スイッチ、光ファイバー、光回路における光分岐、接合回路、光多重分岐回路、光度調器等の光通信用部品、液晶基板、タッチパネル、導光板、位相差板等各種ディスプレイ用部材、光ディスク基板や光ディスク用フィルム・コーティングを初めとする記憶・記録用途、更には光学接着剤等各種光通信用材料、機能性フィルム、反射防止膜、光学多層膜(選択反射膜、選択透過膜等)、超解像膜、紫外線吸収膜、反射制御膜、光導波路、および識別機能印刷面等各種光学フィルム・コーティング用途等が挙げられる。
<光学記録媒体>
本発明でいう光記録媒体とは特に限定はされないが、好ましくはブルーレーザーを用いる次世代高密度光記録媒体が好ましい。上記光記録媒体としては、基板において誘電体膜、記録膜、反射膜など(以下、これらの層を総称して記録再生機能層という。)を形成した面に保護膜が形成される光記録媒体であって、波長380〜800nmのレーザー光、好ましくは波長450〜350nmのレーザー光を用いる光記録媒体を意味する。
次に、基板について説明する。基板の一主面上には、光情報の記録・再生に使用するための凹凸の溝が設けられており、例えば、スタンパを用いた光透過性樹脂の射出成形によって形成される。基板の材料は、光透過性材料であれば特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂およびガラスを用いることができる。なかでもポリカーボネート樹脂は、CD−ROM等において最も広く用いられ、安価であるので最も好ましい。基板の厚さは、通常0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上、一方、20mm以下、好ましくは15mm以下、より好ましくは3mm以下であるが、通常は、1.2±0.2mm程度とされる。基板の外径は、一般的には120mm程度である。
記録再生機能層は、情報信号を記録再生可能または再生可能な機能を発揮されるように構成された層であり、単層であっても複数の層からなってもよい。記録再生機能層は、光学記録媒体が、再生専用の媒体(ROM媒体)である場合と、一度の記録のみ可能な追記型の媒体(Write Once媒体)である場合と、記録消去を繰り返し行える書き換え可能型の媒体(Rewritable媒体)である場合とによって、それぞれの目的に応じた層構成を採用することができる。
例えば、再生専用の媒体においては、記録再生機能層は、通常、Al、Ag、Au等の金属を含有する単層で構成され、例えば、記録再生機能層は、スパッタ法によりAl、Ag、Au反射層を基板上に成膜することによって形成される。
追記型の媒体においては、記録再生機能層は、通常、Al、Ag、Au等の金属を含有する反射層と有機色素を含有する記録層とをこの順に基板上に設けることによって構成される。このような追記型の媒体としては、スパッタ法により反射層を設けた後、スピンコ
ート法により有機色素層を基板上に形成するものを挙げることができる。また、追記型の媒体としての他の具体例としては、記録再生機能層が、Al、Ag、Au等の金属を含有する反射層と、誘電体層と、記録層と、誘電体層とをこの順に基板上に設けることによって構成され、誘電体層と記録層とが無機材料を含有するものも挙げることができる。このような追記型の媒体においては、通常、スパッタ法により反射層と、誘電体層と、記録層および誘電体層とが形成される。
書き換え可能型の媒体においては、記録再生機能層は、通常、Al、Ag、Au等の金属を含有する反射層と、誘電体層と、記録層と、誘電体層とをこの順に基板上に設けることによって構成され、誘電体層と記録層とが無機材料を含有するのが一般的である。このような書き換え可能型の媒体においては、通常、スパッタ法により反射層、誘電体層、記録層、および誘電体層が形成される。また、書き換え可能型の媒体としての他の具体例としては、光磁気記録媒体を挙げることができる。記録再生機能層には、記録再生領域が設定されている。記録再生領域は、通常、記録再生機能層の内径よりも大きい内径と、記録再生機能層の外径よりも小さい外径との領域に設けられる。
図1は、書き換え可能型の光学記録媒体における記録再生機能層の一例を説明するための図である。
記録再生機能層5は、基板1上に直接設けられた金属材料から形成された反射層51と、相変化型材料により形成された記録層53と、記録層53を上下から挟むように設けられた2つの誘電体層52および誘電体層54とで構成される。
反射層51に使用する材料は、反射率の大きい物質が好ましく、特に放熱効果が期待できるAu、AgまたはAl等の金属が好ましい。また、反射層自体の熱伝導度制御や、耐腐蝕性の改善のため、Ta、Ti、Cr、Mo、Mg、V、Nb、Zr,Si等の金属を少量加えてもよい。少量加える金属の添加量は、通常、0.01原子%以上20原子%以下である。なかでも、Taおよび/またはTiを15原子%以下含有するアルミニウム合金、特に、AlαTa1-α(0≦α≦0.15)なる合金は、耐腐蝕性に優れており、光学記録媒体の信頼性を向上させる上で特に好ましい反射層材料である。また、Agに、Mg,Ti,Au,Cu,Pd,Pt,Zn,Cr,Si,Ge、希土類元素のいずれか一種を、0.01原子%以上10原子%以下含むAg合金は、反射率、熱伝導率が高く、耐熱性も優れていて好ましい。
反射層51の厚さは、通常、40nm以上、好ましくは50nm以上、一方、通常300nm以下、好ましくは200nm以下である。反射層51の厚さが過度に大きいと、基板1に形成されたトラッキング用溝の形状が変化し、さらに、成膜に時間がかかり、材料費も増える傾向にある。また、反射層51の厚さが過度に小さいと、光透過が起こり反射層として機能しないのみならず、反射層51の一部分に、膜成長初期に形成される島状構造の影響が出やすく、反射率や熱伝導率が低下することがある。
2つの誘電体層52および誘電体層54に使用する材料は、記録層53の相変化に伴う蒸発・変形を防止し、その際の熱拡散を制御するために用いられる。誘電体層の材料は、屈折率、熱伝導率、化学的安定性、機械的強度、密着性等に留意して決定される。一般的には透明性が高く高融点である金属や半導体の酸化物、硫化物、窒化物、炭化物やCa、Mg、Li等のフッ化物等の誘電体材料を用いることができる。これらの酸化物、硫化物、窒化物、炭化物、フッ化物は必ずしも化学量論的組成をとる必要はなく、屈折率等の制御のために組成を制御したり、混合して用いることも有効である。
このような誘電体材料の具体例としては、例えば、Sc、Y、Ce、La、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Zn、Al、Cr、In、Si、Ge、Sn、Sb、およびTe等の金属の酸化物;Ti、Zr,Hf、V、Nb,Ta、Cr、Mo、W、Zn,B、Al、Ga、In、Si,Ge、Sn、Sb、およびPb等の金属の窒化物;Ti、Zr,Hf、V,Nb、Ta、Cr、Mo、W、Zn、B、Al、Ga,In、およびSi等の金属の炭化物、またはこれらの混合物を挙げることができる。また、Zn、Y、Cd、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、およびBi等の金属の硫化物;セレン化物もしくはテルル化物;Mg、Ca等のフッ化物、またはこれらの混合物を挙げることができる。
繰り返し記録特性を考慮すると誘電体の混合物が好ましい。例えば、ZnSや希土類硫化物等のカルコゲン化合物と酸化物、窒化物、炭化物、弗化物等の耐熱化合物の混合物が挙げられる。例えば、ZnSを主成分とする耐熱化合物の混合物や、希土類の硫酸化物、特にY22Sを主成分とする耐熱化合物の混合物は好ましい誘電体層組成の一例である。より具体的には、ZnS−SiO2、SiN、SiO2、TiO2、CrN、TaS2、Y22S等を挙げることができる。これら材料の中でも、ZnS−SiO2は、成膜速度の速さ、膜応力の小ささ、温度変化による体積変化率の小ささおよび優れた耐候性から広く利用される。誘電体層52または誘電体層54の厚さは、通常、1nm以上、500nm以下である。1nm以上とすることで、基板や記録層の変形防止効果を十分確保することができ、誘電体層としての役目を十分果たすことができる。また、500nm以下とすれば、誘電体層としての役目を十分果たしつつ、誘電体層自体の内部応力や基板との弾性特性の差等が顕著になって、クラックが発生するということを防止することができる。
記録層53を形成するための材料としては、例えば、GeSbTe、InSbTe、AgSbTe、AgInSbTe等の組成の化合物が挙げられる。なかでも、{(Sb2T e31-x(GeTe)x1-ySby(0.2≦x≦0.9、0≦y≦0.1)合金または
(SbxTe1-xy1-y(ただし、0.6≦x≦0.9、0.7≦y≦1、MはGe、Ag、In、Ga、Zn、Sn、Si、Cu、Au、Pd、Pt、Pb、Cr、Co、O、S、Se、V、Nb、Taより選ばれる少なくとも1種)合金を主成分とする薄膜は、結晶・非晶質いずれの状態も安定でかつ、両状態間の高速の相転移が可能である。さらに、繰り返しオーバーライトを行った時に偏析が生じにくいといった利点があり、最も実用的な材料である。
記録層53の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上である。このような範囲とすれば、アモルファス状態と結晶状態との十分な光学的コントラストを得ることができる。また、記録層53の膜厚は、通常30nm以下、好ましくは20nm以下である。このような範囲とすれば、記録層53を透過した光が反射層で反射することによる光学的なコントラストの増加を得ることができ、また熱容量を適当な値に制御することができるので高速記録を行うことも可能となる。特に、記録層53の膜厚を10nm以上、20nm以下とすれば、より高速での記録およびより高い光学的コントラストを両立することができるようになる。記録層53の厚さをこのような範囲にすることにより、相変化に伴う体積変化を小さくし、記録層53自身および記録層53の上下と接する他の層に対して、繰り返しオーバーライトによる繰り返し体積変化の影響を小さくすることができる。さらに、記録層53の不可逆な微視的変形の蓄積が抑えられ、ノイズが低減され、繰り返しオーバーライト耐久性が向上する。
反射層51、記録層53、誘電体層52および誘電体層54は、通常スパッタリング法などによって形成される。記録層用ターゲット、誘電体層用ターゲット、必要な場合には反射層材料用ターゲットを同一真空チャンバー内に設置したインライン装置で膜形成を行うことが各層間の酸化や汚染を防ぐ点で望ましい。また、生産性の面からも優れている。
保護層3は、前述の放射線硬化性樹脂組成物をスピンコートし、これを硬化させた硬化物からなり、記録再生機能層5に接して設けられ、平面円環形状を有している。保護層3
は、記録再生に用いられるレーザー光を透過可能な材料により形成されている。保護層3の透過率は、記録・再生に用いられる光の波長において、通常、80%以上、好ましくは、85%以上、より好ましくは、89%以上であることが必要である。このような範囲であれば、記録再生光の吸収による損失を最小限にすることができる。一方、透過率は、100%になることが最も好ましいが、用いる材料の性能上、通常、99%以下となる。
このような光硬化性樹脂は、光ディスクの記録再生に用いる波長405nm付近の青色レーザー光に対して十分に透明性が高く、かつ基板1上に形成された記録層53を、水や塵埃から保護するような性質を持つことが望ましい。
加えて、保護層3の表面硬度は、JIS K5400に準拠した鉛筆硬度試験による表面硬度がHB以上であるのが好ましく、F以上であるのがさらに好ましく、H以上であるのが特に好ましく、7H以下であるのが好ましい。硬度が小さすぎると、表面に傷が付きやすくなる傾向がある。硬度が大きすぎること自体の問題はないが、硬化物が脆くなる傾向となり、クラックや剥離が生じやすく好ましいことではない。
さらに、保護層3と記録再生機能層5との密着性は高いほうが好ましい。
保護層3の膜厚は、通常、10μm以上、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは70μm以上、特に好ましくは85μm以上である。膜厚をこのような範囲とすれば、保護層3表面に付着したゴミや傷の影響を低減することができ、また記録再生機能層5を外気の水分等から保護するのに十分な厚さとすることができる。一方、通常、300μm以下、好ましくは、130μm以下、より好ましくは、115μm以下である。膜厚をこの範囲とすれば、スピンコートなどで用いられる一般的な塗布方法で均一な膜厚を容易に形成することができる。保護層3は記録再生機能層5をカバーする範囲に均一な膜厚で形成されることが好ましい。
上記のようにして得られた光記録媒体は、単板で用いてもよく、2枚以上を貼り合わせて用いてもよい。そして、必要に応じてハブを付け、カートリッジへ組み込めばよい。
<放射線硬化性樹脂組成物の用途>
本発明で得られる放射線硬化性樹脂組成物は、従来の情報記録媒体用保護膜が有するような透明性、密着性、表面硬度が高い特性を有しつつ、かつ、厚膜化した場合でも十分な強度と低硬化収縮性とを有する放射線硬化性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。但し、その要旨の範囲を越えない限り、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<評価方法>
(1)透明性および保存安定性:10mlのガラスねじ口瓶に組成物約5ml入れ、25℃で保管して経時観察し、調製後から濁り始めるまでの期間を調べた。
(2)硬化収縮:組成物を直径130mm、厚さ1.2mmの円形ポリカーボネート板上に、スピンコーター(スピンコーターIH−D7;ミカサ(株)社製)を使用して100±15ミクロンの厚みで塗膜形成し、組成物膜より距離15cmの位置に設置された出力80W/cmの高圧水銀ランプにて、30秒間紫外線を照射した後(照射強度は1J/cm2)、定盤の上に1時間静置する。静置後、生じたポリカーボネート板の凹ソリをレー
ザー測定器(ダブルスキャン 高精度レーザー測定器 LT−9000;(株)キーエン
ス社製)を使用し測定した。
(3)表面硬度:JIS K5400に準拠した鉛筆硬度試験により測定した。
(4)塗れ広がり性:直径130mm、厚さ1.2mmの円形ポリカーボネート板上に、窒化ケイ素をスパッタしたもの(以下 基板と称する)に組成液を2g垂らしてスピンコートを行ったとき、塗れ残りやハジキがない場合を○、塗れ残りまたはハジキが生じた場合を×とした。
(5)表面硬化度:規定量の紫外線を照射後、ゴム手袋を装着した右手人差し指と親指で、親指が塗布面側になるようにサンプルを軽くはさみ、親指を塗布面から離したとき、その跡が目視にて観察されない場合を○、薄く観察される場合を△、濃く観察される場合を×とした。
(6)残存溶媒:溶剤臭(アルコール臭)が観測されるか否かによって判断した。溶剤臭が観測された場合を×、溶剤臭が観測されなかった場合を○とした。
(7)密着性:10cm角の光学研磨ガラス板上に、スポイトを用いて組成物を15滴垂らし、室温で1分間放置後、これに距離40cmで上下に設置された出力80W/cmのメタルハライドランプの間にて、5分間紫外線を照射し組成物を硬化させ(照射強度は1.5J/cm2)、室温で1時間放置する。硬化した組成物部分の中央にカッターナイフでガラス表面に到達するように切り込みを入れ、室温で更に14日間放置後、切り込み部の組成物硬化物とガラス表面との界面の剥離が目視で観察されるかどうかにて評価した。サンプル数を5とし、すべてのサンプルについて剥離が観察されなかった場合を◎、2以上のサンプルについて剥離が観察されなかった場合を○、1のサンプルのみ剥離が観察されなかった場合を△、すべてのサンプルについて剥離が目視で観察された場合を×とした。
(8)透過型電子顕微鏡(TEM)観察:日立製作所(株)社製H−9000UHR型透過型電子顕微鏡(加速電圧300kV、観察時の真空度約7.6×10-9Torr)にて行った。
(9)光線透過率:ヒューレットパッカード社製HP8453型紫外・可視吸光光度計にて室温で測定した。波長550nmにおける光路長1mmの透過率を代表値とした。本実施例では光路長1mmで測定を行っているが、光路長0.1mmの参考例として考えることができる。
(10)粘度:25℃においてE型粘度計または振動型粘度計によって測定した。
(11)表面張力:自動表面張力計(CBVP−A3型;協和界面科学(株)社製)を用いて、温度25℃において測定した。評価用プレートとしては白金プレートを用いた。
(11)線膨張係数:5mm×5mm×1mmの板状試験片を用いて、圧縮法熱機械測定器(TMA;SSC/5200型;セイコーインスツルメント社製)にて加重1g、昇温速度10℃/分で測定した。線膨張係数は、40℃から100℃までの範囲を10℃刻みで評価し、その平均値を代表値とした。
実施例1
(a)テトラメトキシシランオリゴマーの調製
テトラメトキシシラン234gとメタノール74gを混合した後、0.05%塩酸22.2gを加え、65℃で2時間加水分解反応を行った。次いで系内温度を130℃に昇温し、生成したメタノールを除去した後、窒素ガスを吹き込みながら温度を徐々に150℃まで上昇させ、そのまま3時間保ってテトラメトキシシランモノマーを除去した。
(b)シリカ粒子の調製
上記操作によって得られたテトラメトキシシランオリゴマー30.8gにメタノール62.4gを加えて均一に撹拌した後、触媒としてアセチルアセトンアルミニウムを0.31g溶解させた。この溶液に6.5gの脱塩水を撹拌しながら徐々に滴下させ、そのまま60℃で2時間撹拌し、シリカ粒子を成長させた。生成したシリカ粒子の直径は、TEM電子顕微鏡(H−9000UHR型;日立製作所(株)社製)を用いた形態観察により、2〜5nmと見積られた。
(c)シランカップリング剤によるシリカ粒子表面の疎水化処理
上記の操作によって得られたシリカ粒子のアルコール溶液100gにシランカップリング剤としてアクリロキシプロピルトリメトキシシラン20gを加え、60℃にて2時間撹拌した。その後、室温まで除冷した後、脱塩水11.12gを攪拌しながら徐々に滴下させ、そのまま60℃で2時間攪拌した。更に、この溶液を室温まで除冷し、アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン20gを加え、60℃にて2時間撹拌し、シリカ粒子表面にシランカップリング剤を反応させ、シラン処理シリカ粒子溶液Aを調製した。
(d)ウレタンアクリレートオリゴマーの合成
4つ口フラスコにポリテトラメチレングリコール440.8gとジメチロールブタン酸39.5gをはかりとり、オイルバスにて90℃に加熱し、ジメチロールブタン酸を溶解させた。その後40℃以下に冷却し、イソホロンジイソシアネート357.0gを攪拌しながら滴下した。滴下終了後、40℃で30分間攪拌後、ジブチルスズジオクトエート52mgを添加し、65〜75℃に保ちながら、3時間攪拌した。次にヒドロキシエチルアクリレート246.6gとハイドトキノンモノメチルエーテル0.42gの混合物を滴下ロートにて滴下し、滴下終了後、70〜80℃に保ちながら、12時間反応させ、ウレタンアクリレートオリゴマーを合成した。
(e)放射線重合性官能基を含有する樹脂モノマーの混合と溶媒除去
上記シラン処理シリカ粒子溶液A57.1gに、ウレタンアクリレートオリゴマー20.4g、アクリロイルモルフォリン20.4g、光ラジカル発生剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2.0gを添加し、室温にて30分間撹拌して透明な硬化性樹脂組成物を得た。この硬化性樹脂組成物に含まれる低沸点成分を、減圧下40℃で1時間エバポレーションによって除去し、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物は、無機成分量が組成物全体に対して30重量%、シランカップリング剤(a2)に由来する部分の量および親水性モノマーの量(B)は、シリカ粒子に由来する部分(a1)100重量部に対して各々250重量部、408重量部含有するものであった。
さらにこの樹脂組成物の透明性や保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
(f)硬化性樹脂組成物の硬化と成形
上記の硬化性樹脂組成物2mlを直径130mm、厚さ1.2mmの円形ポリカーボネート板上に、スピンコーターを使用して100±15ミクロンの厚みで塗膜形成し、組成物膜より距離15cmの位置に設置された出力80W/cmの高圧水銀ランプにて、30秒間紫外線を照射し(照射強度は1J/cm2)、樹脂硬化物を得た。この硬化物について、硬化収縮、表面硬度を評価した。樹脂硬化物の諸物性を表1に示す。
実施例2
実施例1において、(e)工程で、ウレタンアクリレートオリゴマーの量を16.4gに変更し、さらにアクリロイルモルフォリン20.4gの代わりに、アクリロイルモルホフォリン16.4gとヒドロキシエチルアクリレート8.2gとを用いた以外は、合成例と同様に行い、樹脂組成物および樹脂硬化物を得た。
この樹脂組成物は、無機成分量が組成物全体に対して30重量%、シランカップリング剤、親水性モノマーは、シリカ粒子100重量部に対して各々250重量部、490重量部含有するものであった。
樹脂組成物および樹脂硬化物の諸物性を表1に示す。樹脂組成物の透明性や保存安定性は優れており、また樹脂硬化物は硬化収縮が小さく、かつ表面硬度が高く、優れた性質を示した。
比較例1
実施例1において、(e)工程で、シラン処理シリカ粒子溶液Aの量を48.8g、ウレタンアクリレートオリゴマーの量を24.4g、アクリロイルモルフォリンの量を24.4g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの量を2.4gに変更した以外は、合成例と同様に樹脂組成物および樹脂硬化物を得た。
この樹脂組成物は、無機成分量が組成物全体に対して23.5重量%、シランカップリング剤(a2)、親水性モノマー(B)の量は、シリカ粒子(a1)の部分100重量部に対して各々250重量部、570重量部含有するものであった。
樹脂組成物および樹脂硬化物の諸物性を表1に示す。樹脂組成物の透明性や保存安定性、樹脂硬化物の硬化収縮は優れているものの、表面硬度が低いことを示している。
比較例2
実施例1において、(e)工程で、ウレタンアクリレートオリゴマーの量を30.7gに変更し、さらにアクリロイルモルフォリンの量を10.2gに変更した以外は、合成例と同様に樹脂組成物および樹脂硬化物を得た。
この樹脂組成物は、無機成分量が組成物全体に対して30重量%、シランカップリング剤(a2)、親水性モノマー(B)の量は、シリカ粒子(a1)部分100重量部に対して各々250重量部、204重量部含有するものであった。
樹脂組成物および樹脂硬化物の諸物性を表1に示す。樹脂硬化物の表面硬度は高いものの、硬化収縮が大きく、さらにこの樹脂組成物の透明性や保存安定性が悪いことを示している。
比較例3
実施例1において、(c)工程で、アクリロキシプロピルトリメトキシシランの2回の添加量をともに、12.5gに変更し、脱塩水の量を9.4gに変更した以外は、合成例と同様にシラン処理シリカ粒子溶液Bを調製した。
また(e)工程では、シラン処理シリカ粒子溶液Bを61.3g使用し、ウレタンアクリレートオリゴマーの量を10.5g、アクリロイルモルフォリンの量を26.3g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの量を1.8gに変更した以外は、合成例と同様に樹脂組成物および樹脂硬化物を得た。
この樹脂組成物は、無機成分量が組成物全体に対して30重量%、シランカップリング剤(a2)、親水性モノマー(B)の量は、シリカ粒子(a1)部分100重量部に対して各々156重量部、427重量部含有するものであった。
樹脂組成物および樹脂硬化物の諸物性を表1に示す。樹脂硬化物の表面硬度、硬化収縮は良好ではあるが、樹脂組成物の透明性や保存安定性が悪いことを示している。
比較例4
実施例1において、(c)工程では、比較例3と同様の方法で、シラン処理シリカ粒子溶液Bを調製した。
また(e)工程では、シラン処理シリカ粒子溶液Bを61.3g使用し、ウレタンアクリレートオリゴマーの量を24.6g、アクリロイルモルフォリンの量を12.3g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの量を1.8gに変更した以外は、合成例と同様に樹脂組成物および樹脂硬化物を得た。
この樹脂組成物は、無機成分量が組成物全体に対して30重量%、シランカップリング剤(a2)、親水性モノマー(B)の量は、シリカ粒子(a1)部分100重量部に対して各々156重量部、320重量部含有するものであった。
樹脂組成物および樹脂硬化物の諸物性を表1に示す。樹脂硬化物の表面硬度は良好ではあるが、硬化収縮率は大きく、樹脂組成物の透明性や保存安定性が劣っていることを示している。
比較例5
(e)工程で、シラン処理シリカ粒子溶液Aを43.7g使用し、ウレタンアクリレートウレタンアクリレートオリゴマーの量を40.2g、アクリロイルモルフォリンの量を13.4g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの量を2.7gに変更した以外は、合成例と同様に樹脂組成物および樹脂硬化物を得た。
この樹脂組成物は、無機成分量が組成物全体に対して20重量%、シランカップリング剤、親水性モノマーは、シリカ粒子100重量部に対して各々250重量部、350重量部含有するものであった。
樹脂組成物および樹脂硬化物の諸物性を表1に示す。樹脂硬化物の硬化収縮率は小さいものの、鉛筆硬度が低く、また樹脂組成物の透明性や保存安定性が劣っていることを示している。
Figure 2006188659
実施例では、樹脂組成物の透明性や保存安定性が優れており、この組成物を硬化して得られる樹脂硬化物では、低硬化収縮率および表面高硬度に優れた性質を示した。
比較例1のように、無機成分量が少なくすると表面硬度は低下する。比較例2のように、無機成分量を増やしても親水性モノマー量が少ないと、表面硬度は高くなるが、硬化収縮が大きく、透明性や保存安定性が悪くなる。比較例3にように、無機成分量、親水性モノマー量を増やしても、シランカップリング剤の量が少ないと、透明性や保存安定性が悪くなる。
書き換え可能型の光学記録媒体における記録再生機能層の一例を表す略図である。
符号の説明
1 基板
3 保護層
5 記録再生機能層
51 反射層
52 誘電体層
53 記録層
54 誘電体層

Claims (8)

  1. アルコキシシランのオリゴマーの加水分解物からなるシリカ粒子(a1)の表面をシランカップリング剤(a2)で表面処理してなる表面処理シリカ粒子(A)および親水性モノマー(B)を含有する組成物であって、(A)の量が、組成物全体に対して25重量%以上であり、該組成物をポリカーボネート板(直径130mm、厚さ1.2±0.2mm)に、スピンコーターを使用して100±15μmの厚みで塗膜形成した後、0.1〜3J/cm2の放射線を照射して硬化させた後に生じる凹反りが、0.05mm以下である
    ことを特徴とする放射線硬化性樹脂組成物。
  2. 表面処理シリカ粒子(A)のうち、シランカップリング剤(a2)に由来する部分の量が、シリカ粒子である(a1)に由来する部分100重量部に対して200重量部以上である請求項1に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
  3. 親水性モノマー(B)の量が、シリカ粒子(a1)に由来する部分100重量部に対して370重量部以上である請求項1または2に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
  4. 組成物中の親水性モノマー(B)が、(メタ)アクリロイル基、ならびにモルフォリン骨格またはヒドロキシル基を含有し、分子量200以下の化合物である、請求項1〜3いずれか1項に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
  5. 組成物中の親水性モノマー(B)が、(メタ)アクリロイル基を含有するトリアルコキシシランである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
  6. 組成物中に、さらにウレタン結合を含有するモノマー−および/またはオリゴマ−を含
    む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射線硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
  8. 請求項7に記載の硬化物からなる層を有する光記録媒体。
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