JP2004126511A - 光学要素ユニットおよび光学系 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数個の光学要素が一体にされた光学要素ユニットにおいて、光学要素の積層面の少なくとも一つ、もしくは光学要素の少なくとも一つは有機無機複合材料から形成された光学要素ユニット、およびそれらを用いた光学系である。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の光学要素が一体にされた光学要素ユニット、およびそのような光学要素ユニットを構成要素とした光学系、例えばカメラ撮像光学系、表示デバイスの投影光学系、画像表示装置の観察光学系、光磁気ディスクドライブのレーザ光学系など、複数の光学要素の相対的位置関係の精度が重要である光学系に関するものである。
【0002】
【従来技術】
複数の光学要素から構成される光学系においては、特開2000−171610号公報に記載されているように、あらかじめそれぞれの光学面を加工した光学要素同士を接合層を用いて貼り合わして作られるいわゆる接合レンズとか、あるいは特開2001−301053号公報に記載されているように、非球面形状の光学面を形成した金型の上に一方の光学要素を構成するための液状の組成物を滴下しその上からもう一方の光学要素を載置して組成物を金型の非球面で賦形するとともに、組成物を硬化させて光学面を有する非球面複合層を形成した複数の光学要素が積層された複合レンズがある。
また、銀塩カメラやデジタルカメラに用いられる撮像用光学系では、固定焦点距離のものでは3〜6枚程度、ズーム機能付のものでは5〜10枚程度のレンズから構成されているものが一般的である。
【0003】
図8に、デジタルカメラに用いられる固定焦点距離の光学系の一例を示す。
接合レンズ1組を含めレンズ4枚(L1〜L4)と、モアレを消すためのローパスフィルターF1と赤外力ットフィルターF2のフィルター類2枚および固体撮像素子S1を1枚の合計7個の光学要素からなる光学系である。
このような光学系では接合レンズL3,L4を除きレンズなどの光学要素は間隔をおいて配置されており、それぞれの光学要素は、それぞれの間隔、偏心および傾き等の相対的位置関係を調整しながら1個ずつ鏡枠に組み立てられ、接着あるいはカシメで鏡枠(図示せず)に固定されている。
【0004】
また、画像表示装置の観察用光学系の例を図9に示す。
接合レンズとして機能するように接合された自由曲面を有するプリズムP1、P2の2個と、非球面効果を出すための回折格子K1を1個、モアレを消すためのローパスフィルターF3を1個、および表示デバイスS2を1枚の合計5個の光学要素からなる光学系である。このような光学系は軸対照の光学系よりもさらにそれぞれの光学要素の相対的位置関係の精度が高く要求される。それぞれの光学要素は、光学測定器と治具を駆使して相対的位置関係を調整しながら1個ずつ鏡枠(図示せず)に組み立てられ、接着あるいはかしめで固定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の複数の光学要素が光軸上に配置されて積層された光学要素ユニットにおいて、接合レンズでは接合に用いられる接着剤が、あるいは複合レンズでは一方の光学要素を構成する液状の組成物がそれぞれ有機高分子物質から構成されている。しかしながら、有機高分子物質は、加工性等においてガラスなどの無機材料に比べて優れるが、耐熱性、耐環境性、表面硬度の面では劣っているため、接合レンズあるいは複合レンズからなる光学要素ユニットを用いた光学系では、例えば80℃以上の高温度環境では接合レンズの位置関係がずれたり、複合レンズの光学面形状が変形したりする危倶があって使用しにくい。あるいは温湿度変化による膨張─収縮によって接合面あるい光学面が変形したり、吸水による光学特性の変化によって光学系の性能が劣化する問題、レンズ等の光学面表面に成膜した反射防止膜などの光学薄膜にしわ、あるいはクラックが発生しやすい問題、あるいは有機高分子物質からなる光学面を光学系の最表面に適用した場合には使用者が触れて光学面に傷が付きやすいことから光学系の最表面に配置する上での問題がある。
【0006】
また、従来の撮像用レンズ光学系あるいは観察用光学系では、レンズ、フィルターなど光学要素の数が多く、前記各光学要素を個別に固定するための鏡枠構造も複雑なものとなり、組立時にそれぞれの光学要素の相対的位置関係を調整することが困難である。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、耐熱性、耐環境性に優れ表面硬度が高いことによって光学系の最表面に適用しても問題が生じることがない光学要素ユニットおよび光学系を提供することを目的とする。
また本発明は、複数の光学要素からなる光学系の各光学要素の相対的位置関係を高精度に保つことができ、かつ鏡枠への組み立てが簡単である光学要素ユニットおよび光学系を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、複数個の光学要素が一体にされた光学要素ユニットにおいて、光学要素の積層面の少なくとも一つは有機無機複合材料からなる層が形成されたものである光学要素ユニットにより解決することができる。
複数個の光学要素が一体にされた光学要素ユニットにおいて、光学要素の少なくとも一つは有機無機複合材料から形成されたものである光学要素ユニットである。
【0008】
また、有機無機複合材料が無機成分として、下記の一般式(1)または一般式(2)で示すポリシルセスキオキサンおよびその加水分解生成物の少なくともいずれか1種を含有することを特徴とする前記の光学要素ユニットである。
一般式(1) R1 aR2 bSi(OR3)4−a−b
ただし、R1 およびR2 は同一あるいは異なる有機基で、R3は炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基あるいはハロゲン化アリール基で、aおよびbは0から2の整数でかつa+bは0から2の整数である。
一般式(2) −(RxSiO1.5)m−
ただし、Rx は、少なくとも一種の有機基で、mは繰り返し単位である。
また、有機無機複合材料が無機成分として、下記の一般式(3)で表される金属アルコキシド化合物およびその加水分解生成物の少なくともいずれか1種を含有することを特徴とする前記の光学要素ユニットである。
一般式(3) M(OR6)n
ただし、Mは、Al、Ti、Ta、Zr、Zn、Ge、Ta、La、Vの少なくともいずれか1種の金属元素で、R6 は炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基あるいはハロゲン化アリール基、あるいはシクロアルキル基でnは金属元素Mの価数で正の整数である。
有機無機複合材料がエネルギー線によって硬化したものである前記のユニットである。
また、光学要素が、固体撮像素子、ミラー、レンズの少なくともいずれか一つである前記の光学要素ユニットである。
複数の光学要素が光軸上に配置された光学系において、少なくとも一部の光学要素は、光学要素ユニットとして一体化されたものであり、光学要素ユニットは前記のものである光学系である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、レンズ、プリズム、ミラー、フィルター、受光素子、撮像素子、表示デバイスあるいは光源等の光学要素を構成要素として一体化した光学要素ユニットにおいて、これらの光学要素のうち隣り合う光学要素の少なくとも一つの界面に有機成分と無機成分とからなる有機無機複合材料を介して一体化したもの、あるいは一体化される光学要素の少なくとも一つを有機無機複合材料で形成したものである。
【0010】
また、光学要素を光軸上に配置した光学系において、光学要素のうち、少なくとも一部は光学要素が光学要素ユニットとして一体化されたものであり、光学要素ユニットは光学要素を有機成分と無機成分とを複合化した有機無機複合材料によって一体化されたものである光学系である。
【0011】
例えば2枚あるいはそれ以上のレンズを光学要素として積層したいわゆる接合レンズや複合レンズからなる光学要素ユニット、プリズムとレンズを一体化した光学要素ユニット、フィルターと撮像素子を一体化した光学要素ユニット、あるいは光学系を構成するすべての光学要素が一体化された光学要素ユニット、およびそれらを光軸上に配置した光学系に適用される。
【0012】
本発明に用いる有機無機複合材料は、有機成分中に微細化された無機成分が均質に分散されて複合化されたものであり、有機成分と無機成分とが分散し、いわゆる分子レベルもしくはナノスケールレベルで混合されて複合化されたものであり、両者に作用する相互作用によって単に有機高分子中に無機粒子を分散した組成物には見られない性質を有している。
【0013】
図1に有機無機複合材料を説明する図を示すように、有機無機複合材料1は、有機高分子鎖2の存在下に金属アルコキシドのゾルゲル反応によって生成した無機成分鎖3が、有機高分子鎖2と相互に絡み合い、互いのマトリックスへ貫入したIPN型(貫入型)のもの(図1(A))、有機高分子成分4中に、ナノスケールの無機微粒子5が分散したコンポジット構造のもの(図1(B))、有機成分のモノマーもしくはオリゴマーと、無機成分を形成する無機元素を有するモノマーもしくはオリゴマーとが共重合し、有機成分6と無機成分7の共重合体(図1(C))、およびこれらの複数成分を含有した複合材料を挙げることができる。
【0014】
以下に、IPN型(貫入型)の有機無機複合材料とコンポジット型の有機無機複合材料について詳細に説明する。
IPN型(貫入型)の有機無機複合材料の有機高分子材料としては、鎖状もしくは架橋された高分子物質であり、メチルメタクリレート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂およびこれらの共重合体からなる熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、不飽和エステル樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、アリール樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂およびこれらの官能基の一部が変性された樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。
【0015】
無機成分としては、Si、Ti、Zr、Al、Ba、Ta、Ge、Ga、Cu、Sc、Bi、Sr、ランタノイド、Vなどを含有する金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、あるいは金属カルボキシレートから選ばれる有機金属化合物のゾル−ゲル反応で得られたメタロキサン骨格をもつ無機高分子やZn、Sn、In、Ge、Pbなどの金属元素を骨格に有する無機高分子などが挙げられる。また、分子鎖中には、イオウ、リン、ホウ素、セレン、テルルなどを含むものであっても良い。
【0016】
本発明の光学要素ユニットに用いられる有機無機複合材料では、無機成分の金属元素として特に好ましいものとして、合成の容易性、加工性など点から、Si、Al、Ti、Ta、Zr、Zn、Ge、La、Vを挙げることができる。具体的には、先に一般式(1)〜(3)で示したポリシルセスキオキサンあるいはその加水分解生成物、あるいは金属アルコキシド化合物あるいはその加水分解生成物を挙げることができる。これらの中でもより好ましいものとしてSi、Al、Ti、Zrを挙げることができる。
【0017】
すなわち、
一般式(1) R1 aR2 bSi(OR3)4−a−b
ただし、R1 およびR2 は同一あるいは異なる有機基で、R3は炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基あるいはハロゲン化アリール基で、aおよびbは0から2の整数でかつa+bは0から2の整数である。
また、R1 およびR2 の有機基は、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アルキレン基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基である。具体的には、メチル基、トリフルオロメチル基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、フェニル基、エポキシプロピル基、オキセタニル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。また、R3 は、具体的にはメチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、シクロヘキシル基等である。
【0018】
また、一般式(2) −(RxSiO1.5)m −
ただし、Rx は、有機基で、mは繰り返し単位である。
一般式(2)で表されるポリシルセスキオキサンは、重量平均分子量が300ないし50000の化合物を挙げることができ、有機成分との相溶性、耐環境性、硬度などを考慮すると、好ましくは500ないし20000であり、より好ましくは500ないし10000である。
具体的には、一般式(2)で表される化合物としては、一般式(4)で示される化合物を挙げることができる。
【0019】
【化1】
【0020】
ただし、R4 、R5 は同一あるいは異なる有機基で、mは繰り返し単位である。
R4 、R5 の有機基は、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アルキレン基、アシル基、アルコキシ基、メルカプト基あるいはエポキシ基含有有機基である。具体的には、メチル基、イソブチル基、トリフルオロメチル基、ビニル基、アクリロイル基、エポキシプロピル基、オキセタニル基、フェニル基、スチリル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基等を挙げることができる。
特に好ましくは、R4 としては、メチル基、エチル基、イソブチル基、フェニル基、シクロフェニル基、シクロペンチル基が挙げられ、R5 としては、メチル基、エチル基、フェニル基、エポキシプロピル基、グリシジル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基等が挙げられる。
【0021】
また、ポリシルセスキオキサンとしては、一般式(4)で示されるラダー型の構造を有するものに限らず、一般式(5)で示されるかご型構造を有するものも挙げることができる。
ただし、R7 、R8 は、一般式(4)におけるR4、R5 と同様の同一あるいは異なる有機基である。
【0022】
【化2】
【0023】
また、一般式(3) M(OR6)n
において、Mは、Al、Ti、Ta、Zr、Zn、Ge、Ta、La、Vの少なくともいずれか1種から選ばれる金属元素であり、R6 は炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基で、nは金属元素Mの価数で正の整数である。
また、R6 としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、好ましくは、イソプロピル基、イソブチル基、フェニル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0024】
有機成分としては特に好ましいものとして、光透過性、低吸水性、耐熱性などの点から熱可塑性樹脂ではメチルメタクリレート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート樹脂を挙げることができる。これらのなかでもノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート樹脂が更に好ましいものである。また熱硬化性樹脂ではアクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アリレート樹脂、シリコーン樹脂を挙げることができる。より好ましいものとしてアクリレート樹脂、ウレタン樹脂を挙げることができる。
【0025】
IPN型(貫入型)の有機無機複合材料の合成方法としては、有機成分としての熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂のモノマーあるいはオリゴマーと無機成分としての金属アルコキシドを溶剤、触媒、硬化剤等を混合し、樹脂モノマーの重合反応と金属アルコキシドのゾル−ゲル反応を同時進行させることにより有機成分と無機成分が相互にネットワーク構造を絡ませた有機無機複合材料の硬化体を得る方法が挙げられる。
【0026】
この方法では溶剤と触媒の種類と添加量によって反応速度の調整ができ、溶剤の種類と添加量によって、光学要素ユニットの製造時に行う有機無機複合材料の成形や光学要素表面への塗布などの作業を容易に進めることができる。また、硬化剤の種類と添加量によって、加熱、電子線や紫外線等のエネルギー線等による硬化方法や硬化速度、硬化温度、照射するエネルギー線量等の硬化条件の調整が可能である。
【0027】
コンポジット構造型の有機無機複合材料の有機成分としては、IPN型(貫入型)の有機無機複合材料の有機高分子材料で挙げた熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が挙げられる。無機成分としては、無機微粒子の大きさが光の波長より十分小さな100nm以下、より好ましくは30nm以下の金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ハロゲン化物、あるいは金属単体などであり、これらに含有されている金属元素としては、Si、Ti、Zr、Al、Ba、Ta、Ge、ランタノイド、Zn、Sn、In、Y、Ni、Co、Cr、Au、Ag、Cu、Ca、Mg、Wなどの各種金属元素を挙げることができる。具体的には、ケイ素酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、アルミニウム酸化物、硫化亜鉛、チタン酸バリウム、フッ化マグネシウム、酸化インジウム、酸化スズ、炭化ケイ素、c−BN等の微粒子を挙げることができる。
コンポジット構造の有機無機複合材料の製造は、これら無機成分の金属酸化物微粒子、金属微粒子を光の波長より十分小さな大きさを保ちながら有機成分と混合し混練して有機成分へ均一に分散させることによって製造することができる。
【0028】
また、有機成分中で金属アルコキシドのゾル−ゲル反応を起こして無機成分の金属酸化物微粒子を生成させつつ有機無機複合材料を合成させる方法、有機成分のモノマーと金属錯体を混合した後に金属錯体を還元して金属微粒子の生成を行わせるとともにこの金属微粒子と有機成分の重合を同時に行って有機無機複合材料を合成させる方法、あるいは前もって微粒子表面を表面処理して有機成分との親和性を高めて分散しやすくした後にそれぞれの合成方法を実施するなどを挙げることができる。
【0029】
共重合型の有機無機複合材料を得るための有機成分としては、アクリレートモノマー、エポキシオリゴマーなど貫入構造で挙げた熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の各種有機成分があげられる。無機成分としては、Si、Ti、Al、Ge,Se,Teなどの元素を含有する無機成分含有有機モノマーあるいはオリゴマーが挙げられる。共重合型の合成方法としては、前記有機成分と前記無機成分含有有機モノマーあるいはオリゴマー、さらには溶剤、触媒、硬化剤等を混合して両者を共重合させることで得られる。
【0030】
このようにして得られたIPN(貫入型)、コンポジット型及び共重合型の有機無機複合材料は、無機成分の作用により有機成分を補強した結果、弾性率や表面硬度など、機械的特性の向上、耐熱性の向上、熱膨張率の低下などの熱的特性の向上が得られるようになる。有機無機複合材料では、有機成分と無機成分が分子レベルもしくはナノスケールレベルで相互作用を及ぼしながら構成されているため、有機成分の主鎖骨格の分子振動を押さえることができて、特性の向上が得られるものと考えられる。また、構造が緻密になるため、吸水率が低下する効果も得られる。
【0031】
本発明の光学要素ユニット、光学系においては、光軸上に有機無機複合材料を配置しているが、無機成分は使用する光の波長よりの十分な小さなものが使用されているので、光の散乱に対する影響がほとんどなくなっており、既存の光学ガラスや光学用プラスチックと同等の透明な均一体を得ることできる。
さらに本発明の有機無機複合材料にあっては、有機成分と無機成分の比率、あるいは有機成分と無機成分の種類により有機無機複合材料の屈折率および波長分散性(アッベ数)を任意に調整することが可能となるという、光学的にも好ましい特性を得ることができる。
【0032】
従来から用いられている光学ガラスや光学用プラスチックのd線における屈折率ndと可視光域の波長分散を示すアッベ数νdの分布は、物質の原子、分子構成によって種々の光学特性が得られているものの無機成分のみからなる光学ガラスあるいは有機成分のみからなる光学用プラスチックでは得られない屈折率とアッベ数の領域がある。
【0033】
媒質中を伝搬する光は、電磁気学のマックスウェルの4つの微分方程式から導き出され、空間的に分布のある屈折率を有する不均一媒質中での光は、物質の屈折率nと物質の分極率χ1 の関係は式(1)のように表せる。
n2 =1+χ1 式(1)
微粒子の大きさが可視光波長より小さい2〜100nmの無機微粒子を有機成分中に分散されたような構造であるコンポジット構造型の有機無機複合材料では、微粒子は明確に有機成分に対し界面を有しているので、その分極特性はバルク的な特性を示す。しかし、波長400〜750nmの可視波長域の光への分極特性は、光学的に不均一性を無視できる水準の大きさである。したがって、式(2)のDrude理論に近い光学特性を示す。
n2 =1+χ1=1+T(n1 2−1) 式(2)
(n1 :微粒子の屈折率、T:微粒子の含有率で 0<T<1)
ここで、アッベ数は、式(3)のように示される。
νd=(nd−1)/(nF−nc) 式(3)
(nd:波長587nmでの屈折率、nF:波長486nmでの屈折率、 nc:波長656nmでの屈折率)
【0034】
有機成分への無機微粒子の分散を考えた場合には、式(4)により、混合物の屈折率が与えられる。
n2 =1+Tχ1+(1−T)χ2=1+T(n1 2−1)+(1−T)(n2 2−1) 式(4)
(n1 :微粒子の屈折率、n2:有機成分の屈折率、χ2:有機成分の分散率、T:微粒子の含有率で 0<T<1)
式(2)、(3)および(4)より、有機成分へ無機成分の微粒子を分散させた有機無機複合材料では、無機成分の添加により全体の屈折率および波長分散性(アッベ数)を任意に調整することが可能となる。ここで複数種類の無機微粒子を分散させた場合は、その割合いに応じた加重平均の屈折率を、微粒子の屈折率:n1として計算できる。
【0035】
また、無機系微粒子が2nm以下の分子レベルに近い状態やIPN型の有機無機複合材料のように分子レベルでの混合、あるいは共重合構造型の有機無機複合材料のように分子レベルで一体化するようになると、無機成分はバルクとしての状態からかけ離れていくため、式(2)のDrude理論よりも局所電界を考慮したLorentz−Lorentz理論に従う傾向がみられる。複数の成分が混合した場合を考慮すると、
(n2−1)/(n2+2)=ΣjXj(nj 2−1)/(nj 2+2) 式(5)
(Xj:各成分の占める割合、nj:各成分の屈折率)
のように表される。よって、この状態の有機無機複合材でも、屈折率を任意に調整することができるといえる。
以上のように、本発明に用いる有機無機複合材料は有機成分と無機成分の比率、あるいは有機成分と無機成分の種類により屈折率および波長分散性(アッベ数)を任意に調整することが可能となる。
【0036】
本発明の光学要素ユニットあるいは光学系では、例えば接合レンズでは従来の方法で用いられている有機高分子のみからなる接合層の代わりに熱硬化型あるいはエネルギー線硬化型である本発明の有機無機複合材料をそのまま適用できる。
また、複合レンズにおいても従来の方法で用いられている一方の光学要素を構成するために用いた有機高分子のみからなる液状の合成樹脂の代わりにエネルギー線硬化型の本発明の有機無機複合材料により形成される成形体層を一方の光学要素としてそのまま適用できる。
【0037】
したがって、有機高分子のみからなる接合層あるいは成形体層の光学要素に比べて有機無機複合材料の耐熱性、耐環境性、被覆性という優れた特性を有する光学要素ユニットを有する光学系を作ることができる。
【0038】
さらに、この複合レンズを用いることで有機無機複合材料からなる光学面を光学系の最表面に適用できるので光学設計の自由度が確保される。さらに光学設計の自由度に関して、複合レンズでは無機成分である下記の一般式(1)、(2)、(3)、および(4)で表される有機ケイ素化合物、金属アルコシドおよびその加水分解生成物を組み合わせて調整することで、光学要素を形成する有機無機複合材料の屈折率を調節することが可能であるので、複合レンズを構成する成形体層のもう片方の光学要素の屈折率に合わせることで両光学要素の界面の反射を減少させたり、より小型の光学要素ユニットを得るために高屈折率に調整することができるので高性能な光学系を得ることができる。
【0039】
一般式(1) R1 aR2 bSi(OR3)4−a−b
ただし、R1 およびR2 は同一あるいは異なる有機基で、R3は炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基あるいはハロゲン化アリール基で、aおよびbは0から2の整数でかつa+bは0から2の整数である。
また、R1 およびR2 の有機基は、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アルキレン基、アシル基、あるいはエポキシ基含有有機基である。具体的には、メチル基、トリフルオロメチル基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、フェニル基、エポキシプロピル基、オキタセニル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。また、R3 は、具体的にはメチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、シクロヘキシル基等である。
【0040】
また、一般式(2) −(RxSiO1.5)m−
ただし、Rx は、有機基で、mは繰り返し単位である。
一般式(2)で表されるポリシルセスキオキサンは、重量平均分子量が300ないし50000の化合物を挙げることができ、有機成分との相溶性、耐環境性、硬度などを考慮すると、好ましくは500ないし20000であり、より好ましくは500ないし10000である。
具体的には、一般式(2)で表される化合物としては、一般式(4)で示される化合物を挙げることができる。
【0041】
【化3】
【0042】
ただし、R4 、R5 は同一あるいは異なる有機基で、mは繰り返し単位である。
R4 、R5 の有機基は、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アルキレン基、アシル基、アルコキシ基、メルカプト基あるいはエポキシ基含有有機基である。具体的には、メチル基、イソブチル基、トリフルオロメチル基、ビニル基、アクリロイル基、エポキシプロピル基、オキセタニル基、フェニル基、スチリル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基等を挙げることができる。
特に好ましくは、R4 としては、メチル基、エチル基、イソブチル基、フェニル基、シクロフェニル基、シクロペンチル基が挙げられ、R5 としては、メチル基、エチル基、フェニル基、エポキシプロピル基、グリシジル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基が挙げられる。
【0043】
また、ポリシルセスキオキサンとしては、一般式(4)で示されるラダー型の構造を有するものに限らず、一般式(5)で示されるかご型構造を有するものも挙げることができる。
ただし、R7 、R8 は、一般式(4)におけるR4、R5 と同様の同一あるいは異なる有機基である。
【0044】
【化4】
【0045】
また、一般式(3) M(OR6)n
において、Mは、Al、Ti、Ta、Zr、Zn、Ge、Ta、La、Vの少なくともいずれか1種から選ばれる金属元素であり、R6 は炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基で、nは金属元素Mの価数で正の整数である。
また、R6 としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、好ましくは、イソプロピル基、イソブチル基、フェニル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0046】
例えば、有機成分としてはペルフルオロブテニルビニルエーテルを主成分とするフッ素樹脂を、無機成分としては一般式(1)においてa=0、b=0でR3 のアルキル基がエチル基であるテトラエトキシシランを加水分解させて調製した大きさが20nm以下の酸化ケイ素粒子を挙げることができる。
【0047】
また、液状の未硬化フッ素樹脂と酸化ケイ素粒子の混合比率は、フッ素樹脂80重量部に対して、酸化ケイ素粒子をSiO2 換算で20重量部添加したものが挙げられる。また、有機成分と無機成分は、均一になるまで混練してコンポジット構造の液状の未硬化有機無機複合材料を調製することができる。
例えば、この未硬化有機無機複合材料を硬化させると屈折率nd=1.378、アッベ数νd=81、光透過率90%以上の有機無機複合材料が得られる。
【0048】
フッ素樹脂と酸化ケイ素成分とを混合する方法としては、無機成分のテトラエトキシシランに、溶媒としてメタノールあるいはエタノールなどの低級アルコール、および水を混合させて加水分解反応と重縮合反応させて大きさが20nm以下の酸化ケイ素粒子が生成させる工程と、次に酸化ケイ素粒子の溶液を液状の未硬化フッ素樹脂に添加する混練工程と不要な溶媒、水、未反応のテトラエトキシシランなどを取り除く溶媒除去工程を経て未硬化有機無機複合材料を調製することができる。
【0049】
また、有機無機複合材料としては、フッ素樹脂ではペルフルオロビニルエーテル、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどを含む非晶性のホモポリマーあるいはコポリマーや、比較的屈折率の小さいメチルペンテン、シクロペンタジエン誘導体ノルボルネン誘導体などを含むオレフィン系樹脂あるいはオルガノポリシロキサンなどを含むシリコーン樹脂を有機成分として用いることができる。
【0050】
一方、無機成分としてはフッ化カルシウムあるいはフッ化マグネシウムなどのナノメートル程度の大きさの粒子、あるいは粒子の分散した溶液を用いることができる。またこれら粒子を有機成分に均一に分散させやすいようにSiO2、TiO2、フッ素樹脂などの表面処理を施した粒子を用いても良い。
有機成分と無機成分の混合比は、無機成分の金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ハロゲン化物、あるいは金属元素の換算で有機無機複合体の全体に対して5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%が良い。少なすぎると耐熱性、耐環境性の向上の効果が小さすぎてしまうし、多すぎると有機成分として用いた樹脂中に粒子を均一に分散させることが難しくなってしまう。
【0051】
また、本発明の光学要素ユニット、あるいは光学系では、例えば図6のように複数の光学要素が間隔をおいて配置される光学系において、これら光学要素、例えばレンズL1とレンズL2の間を本発明の有機無機複合材料で充填し積層して光学ユニットとして形成される。この場合レンズL1とレンズL2の間に限定されるわけではなく、2枚のフィルターF1、F2同士あるいはフィルターF2と固体撮像素子S1の間、更にはレンズL1から固体撮像素子S1の間にあるすべての空間に本発明の有機無機複合体を充填して一体化した光学要素ユニットとしても良い。この光学系では、光学要素は有機無機複合材料によって結合されて、光学要素の個数より少ない数のいくつかの光学要素ユニットとして一体化されるので、光学系の鏡枠への組立時にそれぞれの光学要素同士の相対的位置関係を調整する必要はなく、少ない数の光学要素ユニット同士の相対的位置関係を調整するのみでよく、調整作業が容易になり高精度に調整することが可能になる。さらに光学要素が光学要素ユニットとして一体化されていると、鏡枠への組み立て後に個々の光学要素が、環境変化、応力あるいは振動などで移動して相対的位置関係のずれることが抑制され、光学系の特性の劣化が減少する。このような本発明による光学系の特性への効果は、図9のようなそれぞれの光学要素の相対的位置関係の精度がより高く要求される光学系で顕著である。
【0052】
図2は、本発明の画像表示装置の観察用光学系の光軸を含む断面図である。
この光学系は観察者の頭部あるいは顔面に保持する画像表示装置に用いる観察用光学系であり、光学要素としての表示デバイス11、4枚のレンズ12、13、14、15、プリズム17、体積ホログラム16、18からなる光学系である。
光学要素としての4枚のレンズ12〜15の空間の3個所は以下に示す有機無機複合材料が充填され、各レンズ12〜15が一体化したレンズユニット19である光学要素ユニットとして形成されている。
【0053】
光学要素ユニットを用いたことによって光学系の組み立ての容易性および組み立て後のレンズの位置ずれの防止が可能である。また、有機無機複合材料にはレンズを保持できる剛性と接着性、空気に近い低屈折率、高い光透過性が求められる。
光学要素ユニットは、まず治具を用いて4枚のレンズ12、13、14、15をそれぞれの間隔、偏心および傾きなどの相対的位置関係を調整および位置だしを行い、3箇所ある空間に液状の未硬化有機無機複合材料にて充填して第1連結部C1、第2連結部C2、第3連結部C3を形成する。次いで、治具ごと加熱炉に入れて、液状の未硬化有機無機複合材料を硬化させる。これにより4枚のレンズが有機無機複合材料からなる第1〜第3連結部C1、C2、C3を介して一体化したレンズユニット19である光学要素ユニットが得られる。
【0054】
次に体積ホログラム16、18と、プリズム17、レンズユニット19を相対的位置関係を調整して鏡枠(図示せず)に固定することによって観察光学系が完成する。
レンズユニット19を用いたことによって光学系の組み立てにおいて4枚のレンズを1枚ずつ位置調整をしながら鏡枠内に固定する場合に比較して、治具を用いて4枚のレンズをあらかじめレンズユニット19と一体化したので、位置調整を高精度でかつ簡単に行うことができる。
【0055】
また、体積ホログラム16と18およびプリズム16を別の有機無機複合体を用いて第2の光学要素ユニットとしてのリレー光学系ユニットとして一体化しておき、このリレー光学系ユニットと前記光学ユニットとしてのレンズユニットの2つを相対的位置関係を調整して鏡枠に固定して観察用光学系を完成させることにより、さらに光学系の組み立てが簡単になるとともに、位置精度等の安定性が大きな光学ユニットを作製することができる。
【0056】
図3は、デジタルカメラの撮像用光学系に適用した例を説明する図であり、光軸を含む断面図である。
この光学系は電子的な撮像を行うためのカメラに用いる固定焦点距離の撮像用光学系であり、光学要素としての固体撮像素子20、2枚のレンズ21および22が光軸上に配置されてなる光学系である。固体撮像素子20とレンズ21の空間23、およびレンズ21とレンズ22の空間24は、それぞれ異なる有機無機複合体が充填されて、第1連結部D1、第2連結部D2が形成されている。そして、固体撮像素子20からレンズ22まで一体化した光学要素ユニットを構成している。また空間24に充填された第2連結部D2を形成する有機無機複合体は凸レンズの作用を果たしている。
【0057】
レンズ等の光学素子の間に形成される空間に単に光学素子を連結して、光学系の組み立ての容易性および組み立て後のレンズの位置ずれ防止の作用を果たすのみではなく、光学素子の間に形成される空間に所定の光学特性を有する有機無機複合材料を配置することによって、光学性能の向上、光学系の小型化等の作用を果たすことができる。このためには、有機無機複合材料には単なる連結部の空間を埋める機能に加えて、レンズを保持できる剛性と接着性、高い屈折率と光透過性が求められる。
【0058】
例えば、レンズ機能を有する第2連結部D2を形成する材料としては、有機成分としてはジイソシアネート化合物とチオール類とラジカル重合開始剤からなるチオウレタン樹脂と、上記した一般式(2)において、R4 およびR5 がメチル基であるポリメチルシルセスキオキサンと、一般式(3)においてMがZrで、R6 がエチル基であるZr(OC2H5)4の加水分解生成物から形成されるIPN構造型の有機無機複合材料を挙げることができる。
このような物質を用いることによって、有機無機複合材料の硬化によって屈折率nd=1.63、アッベ数νd=35、光透過率90%以上のレンズとしての作用を果たす有機無機複合材料を得ることができる。
【0059】
この光学系は、治具を用いてレンズ21とレンズ22をそれぞれの間隔、偏心および傾きなどの相対的位置関係を調整し位置だしを行った後に、空間24に有機無機複合材料にて充填し、治具ごと加熱炉に入れて、有機無機複合材料を硬化させ凸レンズとして機能する第2連結部D2を形成する。これによりレンズ21と、有機無機複合材料からなる凸レンズすなわち第2連結部D2とレンズ22とが一体化されたレンズユニットが形成される。
【0060】
次いで、レンズユニットと固体撮像素子20とを治具を用いてそれぞれの間隔、偏心および傾きなどの相対的位置関係を調整し位置だしを行い、空間23に有機無機複合材料を充填し、治具ごと加熱炉に入れて有機無機複合体を硬化させて第1連結部D1を形成し、固体撮像素子20からレンズ22まで一体化してユニット化された光学系が形成される。
【0061】
図4は、有機無機複合材料を用いた複合レンズを説明する図であり、断面図である。
複合レンズは、直径30mmで中心肉厚2mmの、光学機能面が両面とも球面形状であるガラス(オハラ製ガラスS−LAL54(屈折率nd=1.651)をレンズ基材としてた球面レンズ25と、膜厚0.2mmである有機無機複合材料の成形層を形成した非球面レンズ26からなっている。
この複合レンズにおいては、有機無機複合材料の非球面レンズ26とレンズ基材として用いた球面レンズ25との両光学要素の界面の反射を抑えることと、環境による光学特性の変化を抑えることが必要であり、有機無機複合材料には他方のレンズ基材の屈折率に近い屈折率を有することと、低吸水率で熱線膨脹が小さいことが求められる。
【0062】
このような目的に用いることが可能な有機無機複合材料はIPN構造型の有機無機複合材料であり、有機成分としては、一例を挙げればウレタン変性ポリエステル(メタ)アタリレートと、分子中に重合性不飽和結合を3個以上有する多官能ポリエステルアクリレート、単官能(メタ)アクリレートを有機成分とするとともに、無機成分としては一般式(1)で表される化合物と、一般式(3)においてMがTiで、R6 がエチル基であるテトラエトキシチタンとの加水分解物生成物を挙げることができ、チタンとケイ素のモル比が3:1であるように調製したものを挙げることができ、無機成分が二酸化ケイ素と二酸化チタンに換算して、有機無機複合材料の30質量%とした場合には、屈折率nd=1.645、アッベ数νd=35、光透過率90%以上の有機無機複合材料を得ることができる。
【0063】
複合レンズの成形は、研削、研磨等によって作製したガラス球面レンズを複合レンズ成形装置(図示せず)のガラスレンズ載置部に載置し、この載置部の上方に配設された金型成形面の軸心(光軸)と位置合わせして、未硬化の有機無機複合材料をガラス球面レンズの成形体層を形成する成形面上に必要量供給し、成形面が非球面形状に形成された金型を降下させて未硬化有機無機複合材料に押しあて所望の非球面形状を光学面とした成形体層を形成して、紫外線照射等の方法によって硬化させて非球面レンズを形成することができる。
【0064】
図5に、本発明の有機無機複合材料で作製した接合レンズおよびその製造方法を説明する図である。
図5(A)は、接合レンズの断面図であり、図5(B)は、レンズ接合装置をを説明する図である。
接合レンズ27は、第1の光学要素と第2の光学要素を接合したものである。第1の光学要素は、両面とも球面形状を有するガラスレンズ28から構成されており、第2の光学要素はガラスレンズ29から構成されており、ガラスレンズ29の一面のみが、ガラスレンズ28の一方の球面形状と曲率が同一の球面形状を有している。そして、ガラスレンズ28とガラスレンズ29は、屈折率は異なっているが、これらのガラスレンズの屈折率に近似した屈折率を有する有機無機複合材料層30によって結合されたものである。
【0065】
有機無機複合材料としては、ガラスレンズ28とガラスレンズ29とに屈折率の値が近似し、かつ両者と接着性が良く、低粘度で膜厚を薄くできることが求められ、これによりガラスレンズ28とガラスレンズ29の各接合面での反射が小さくなって、該接合レンズの使用環境の温度、湿度等の変化があっても光の透過性の変化が少なくなる。
【0066】
このような目的で用いることができる有機無機複合材料としては、例えば、有機無機複合体の無機成分が、テトラブトキシチタン、およびメチルトリメトキシランからなり、有機成分がメタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルからなる組成物を硬化剤を用いて形成した有機無機複合材料を挙げることができる。
次に、接合レンズの作製方法について説明する。
ガラス材料の研削、研磨等によって作製した、ガラスレンズ28を図5(B)に示すレンズ接合装置31の本体32に設けた下レンズホルダ33に凸面を上向きにして載置し、下レンズホルダ33の内部を減圧して吸着固定する。
一方、ガラスレンズ29を凹面を下向きにして、上レンズホルダ34内部を減圧吸引して吸着して保持させる。
下レンズホルダ33と、上レンズホルダ34は、同一軸線上で対向配置され、上レンズホルダ34は本体32のアーム35に取り付けたエアシリンダ36のシリンダロッド37によって上下動して所望の位置に保持される。
【0067】
また、下レンズホルダ33の中心に穿設された中空孔を介して、本体32に設けた光学的偏心測定装置38によって軸線との偏心量を測定し、下レンズホルダ33による吸着を一時的に解除した後に、周囲に配置したレンズ偏心調整装置39によってガラスレンズ28の位置決めを行った後に、下レンズホルダ33によって再度吸着をおこなってガラスレンズを固定保持する。
ガラスレンズ28の凸面の中央へ、有機無機複合材料の供給シリンジ40の先端部を移動装置41によって移動して有機無機複合材料を供給した後に、供給シリンジ40を移動装置41によって後退させる。
【0068】
次いで、上レンズホルダ34を下降させ、有機無機複合材料とガラスレンズ29が接触する時点から、下降速度を低下して、有機無機複合材料の内部で気泡が生じないようにしてレンズ面の全面に広がるように加圧する。
【0069】
次いで、上レンズホルダ34による吸着を解除した状態で、ガラスレンズ29の偏心測定および偏心調整を行った後に、再度吸着して両レンズの偏心測定を行って位置精度を確認後、側方に配置した紫外線照射ランプ42によって紫外線を照射して、レンズ接合面の有機無機複合材料を硬化させた後に、上レンズホルダの吸着を解除して上レンズホルダを上昇させた後に、下レンズホルダから接合レンズを取り出すことによって接合レンズを製造することができる。
【0070】
【実施例】
以下に実施例、比較例を示し、本発明を説明する。
実施例1
図6に示す、光学ガラスレンズと有機無機複合材料からなる光学要素ユニットを作製した。
図6は、光学要素ユニットの断面図であり、光学要素ユニット43は、屈折率1.816、分散46.6の同じガラス硝材からなるレンズ44およびレンズ45と、これらのレンズの間に設けた有機無機複合材料からなるレンズ46から成っている。
また、各面の形状、すなわち曲率半径は、R1=5.376mm、R2=−3.929mm、R3=2.446mm、R4=∞、各面の間隔は、d1=3.720mm、d2=2.891mm、d3=2.799mmである。
【0071】
レンズ46を形成する有機無機複合材料は、無機成分がCH2C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3 24.8g、テトラn−ブトキシジルコニウム38.3g、およびメチルトリメトキシシランを27.2gからなり、有機成分がメタクリル酸メチル44.0gおよびメタクリル酸2−ヒドロキシエチル7.8gからなり、硬化剤(長瀬産業製 イルガキュア500)0.5gによって硬化させて製造した。
【0072】
光学要素ユニット43は、レンズ44およびレンズ45を位置出しした後、これらレンズの間にある空隙に有機無機複合材料を注入して紫外線を照射してレンズ46を硬化させることによって作製できる。
得られた光学要素ユニット43を40℃90%RHおよび60℃0%RHの耐性試験槽にそれぞれ1週間投入した後に、試験前後での焦点距離の変化量を測定した。試験前の焦点距離を基準にした試験後の焦点距離の変化量を表1に示す。。
なお、レンズ44およびレンズ45はそれぞれガラスレンズであり、この耐環境試験条件では変形しないものであるので、光学ユニットの焦点距離の変化は、有機無機複合材料の変形およびそれにともなうレンズ44およびレンズ45の相対的位置関係の変化を示すことになる。焦点距離の変化量が小さいということは、温度湿度変化に対して寸法的にも物性的にも安定であるといえる。
【0073】
実施例2
有機無機複合材料として、無機成分が3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの9.83gからなり、有機成分がビスフェノールA型エポキシ樹脂モノマー(ジャパンエポキシレジン製 エピコート828)の20.0gを、テトラペンタミン3.96gを硬化剤として硬化させた点を除き、実施例1と同様にして有機無機複合材料を調製した後に、実施例1と同様にして光学要素ユニットを製造して評価を行い、その結果を表1に示す。この光学要素ユニットも温度、湿度変化に対して安定なものであると言える。
【0074】
比較例1
実施例1の有機無機複合材料から無機成分を除いた点を除き、実施例1と同様に光学要素ユニットを作製し、実施例1と同様に焦点距離の変化の評価を行い、その結果を表1に示す。この光学要素ユニットは、温度、湿度変化に対して不安定なものである。
【0075】
【表1】
【0076】
実施例3
図7に示す、光学ガラスレンズと有機無機複合材料からなる光学要素ユニットを作製した。
光学要素ユニット47は、屈折率1.773、分散49.6のガラス硝材からなるレンズ48、および有機無機複合材料からなるレンズ49から構成されている。
また、各面の形状、すなわち曲率半径は、R1=47.495mm、R2=47.495mm、R3=非球面、各面の間隔は、d1=1.30mm、d2=0.250mmである。
【0077】
レンズ49の有機無機複合材料は、無機成分がテトラエトキシタンタル4.1g、メチルトリメトキシシラン1.4gからなり、有機成分がペンタエリスリトールトリアクリレート7.0g、およびメタクリル酸メチル20.0gからなり、硬化剤(長瀬産業製 イルガキュア500)0.3gによって硬化させて有機無機複合材料によって作製した。
光学要素ユニット47は、所定の光学特性のガラスレンズ48をレンズ成形装置のガラスレンズ載置部に載置した後、未硬化の有機無機複合材料を成形面に供給し、非球面形状に加工された金型を押し当てながら紫外線を照射し有機無機複合材料を硬化させ、非球面形状のレンズ49の形成とガラスレンズ48との一体化を同時に行うことによって光学要素ユニット47を作製した。
耐環境性試験として、得られた光学要素ユニット47を、20℃、次いで−20℃、次いで20℃、次いで80℃とするサイクルを1サイクルとし、各温度においてそれぞれ2時間保持させたヒートサイクル試験を10サイクル行い、試験前後でのR3面の形状を測定し、試験前のR3面の形状を基準にした試験後のR3面の形状のずれ量をPV値として表2に示した。PV値が小さいということは温度湿度変化に対して寸法安定性が優れていると言える。
【0078】
比較例2
実施例3の有機無機複合材料の組成から無機成分を除いた組成物によって、実施例3と同様に光学要素ユニットを作製し、実施例3と同様に評価を行い、その結果を表2に示す。この光学要素ユニットの場合には、温度、湿度の変化に対して不安定である。
【0079】
【表2】
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、隣り合う光学要素が有機無機複合材料を介して積層されているので、有機高分子のみからなる接合層に対して、耐熱性、耐環境性に優れているので、得られる光学要素ユニットを用いた光学系は、より大きな耐熱性、耐環境性を有するものとすることができる。また、有機無機複合材料は、耐熱性、耐環境性に優れるとともに、高い表面硬度を有しており、耐傷性等にも優れるので、光学要素と組み合わせて光学系の最表面にも適用することができる。
更に、光学ユニットの製造に有機無機複合材料を用いた場合には、耐熱性、耐環境性に優れているので、積層する各光学要素の相対的位置関係を高精度に保持することができるので、鏡枠への組み立て前に、予め複数の光学要素を光学ユニットとして組み立てることができるので鏡枠への組み立て時には組み立て個数が少なくなるので、組み立てが簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、有機無機複合材料を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の画像表示装置の観察用光学系を説明する図である。
【図3】図3は、デジタルカメラの撮像用光学系に適用した例を説明する図である。
【図4】図4は、有機無機複合材料を用いた複合レンズを説明する図である。
【図5】図5は、本発明の有機無機複合材料で作製した接合レンズおよびその製造方法を説明する図である。
【図6】図6は、本発明の実施例1を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の実施例3を説明する図である。
【図8】図8は、デジタルカメラに用いられる固定焦点距離の光学系の一例を説明する図である。
【図9】図9は、画像表示装置の観察用光学系の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1…有機無機複合材料、2…有機高分子鎖、3…無機成分鎖、4…有機高分子成分、5…無機微粒子、6…有機成分、7…無機成分、8…光学材料、9…第1の材料、10…第2の材料、11…表示デバイス、12〜15…レンズ、16,18…体積ホログラム、17…プリズム、19…レンズユニット、C1…第1連結部、C2…第2連結部、C3…第3連結部、20…固体撮像素子、21,22…レンズ、23,24…空間、D1…第1連結部、D2…第2連結部、25…球面レンズ、26…非球面レンズ、27…接合レンズ、28,29…ガラスレンズ、30…有機無機複合材料層、31…レンズ接合装置、32…本体、33…下レンズホルダ、34…上レンズホルダ、35…アーム、36…エアシリンダ、37…シリンダロッド、38…光学的偏心測定装置、39…レンズ偏心調整装置、40…供給シリンジ、41…移動装置、42…紫外線照射ランプ、43…光学要素ユニット、44…レンズ、45…レンズ、46…レンズ、47…光学要素ユニット、48…レンズ、49…レンズ
Claims (6)
- 複数個の光学要素が一体にされた光学要素ユニットにおいて、光学要素の積層面の少なくとも一つは有機無機複合材料からなる層が形成されたものであることを特徴とする光学要素ユニット。
- 複数個の光学要素が一体にされた光学要素ユニットにおいて、光学要素の少なくとも一つは有機無機複合材料から形成されたものであることを特徴とする光学要素ユニット。
- 有機無機複合材料が無機成分として、下記の一般式(1)または一般式(2)で示すポリシルセスキオキサンおよびその加水分解生成物の少なくともいずれか1種を含有することを特徴とする請求項1または2記載の光学要素ユニット。
一般式(1) R1 aR2 bSi(OR3)4−a−b
ただし、R1 およびR2 は同一あるいは異なる有機基で、R3は炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基あるいはハロゲン化アリール基で、aおよびbは0から2の整数でかつa+bは0から2の整数である。
一般式(2) −(RxSiO1.5)m−
ただし、Rx は、少なくとも一種の有機基で、mは繰り返し単位である。 - 有機無機複合材料が無機成分として、下記の一般式(3)で表される金属アルコキシド化合物およびその加水分解生成物の少なくともいずれか1種を含有することを特徴とする請求項1または2記載の光学要素ユニット。
一般式(3) M(OR6)n
ただし、Mは、Al、Ti、Ta、Zr、Zn、Ge、Ta、La、Vの少なくともいずれか1種の金属元素であり、R6 は炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基あるいはハロゲン化アリール基、あるいはシクロアルキル基で、nは金属元素Mの価数で正の整数である。 - 有機無機複合材料がエネルギー線によって硬化したものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学要素ユニット。
- 複数の光学要素が光軸上に配置された光学系において、少なくとも一部の光学要素は、光学要素ユニットとして一体化されたものであり、光学要素ユニットは請求項1ないし請求項5記載のいずれか1項に記載のものであることを特徴とする光学系。
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