JP5709657B2 - 有機・無機複合体の製造方法及び光学素子の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施形態に係る有機・無機複合体の製造方法は、以下の工程を有する。
(1)無機酸化物のゲルに、粒子が分散している重合性化合物を接触させて、前記無機酸化物のゲルの中に前記重合性化合物及び前記粒子を拡散させる工程
(2)(1)の拡散させる工程の後に前記重合性化合物を重合して高分子化合物を得る工程
このように本実施形態に係る製造方法は、無機酸化物のゲルを用いているため、液状のマトリックス相を用いる場合に比べて、粒子の濃度分布を形成することが容易である。
(1)及び(2)の工程を行うことによって、粒子と無機酸化物と高分子化合物を含有し、前記粒子の濃度分布を有する有機・無機複合体が得られる。
本発明の第2の実施形態に係る有機・無機複合体の製造方法は、以下の工程を有する。
(ii)(i)の拡散させる工程の後に前記重合性化合物を重合して高分子化合物を得る工程
このように本実施形態に係る製造方法は、第1の実施形態と同様、無機酸化物のゲルを用いているため、液状のマトリックス相を用いる場合に比べて、粒子の濃度分布を形成することが容易である。
本発明の第3の実施形態では、光学素子の製造方法について説明する。
本実施形態において、ゾルゲル法によって作製されるゲルを構成する無機酸化物としては、一般的な金属・非金属の無機酸化物を用いることができる。本実施形態に用いることができる無機酸化物は光学部材として好適な光学特性を有することが好ましく、前駆体よりゾルゲル反応によってゲル化し得る無機酸化物であれば構わない。
本実施形態に用いられる粒子は、無機酸化物や金属等の無機ナノ粒子、ポリマーや、フラーレンなど炭素化合物等の有機ナノ粒子等が用いられるが、好ましくは無機ナノ粒子である。無機ナノ粒子は大きさがナノスケールの粒子を指す。具体的には、平均粒径100nm以下、好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm以下である。平均粒径は、通常、動的光散乱法などの手段で測定することができる。平均粒径が100nmより大きくなると、粒子の散乱により複合体のヘイズ値が大きくなり、透明性を損なう場合があるため、好ましくない。
本実施形態において、無機酸化物のゲルの溶媒には、公知のゾルゲル反応時に用いられる、水やアルコール、有機溶媒などの各種溶媒の他に、それらを置換させることであらゆる公知の有機溶剤、またはそれらの複数種類の混合物を用いることができる。これに加えて、溶媒中に粘度や揮発性を調整する目的で高分子化合物、その他低分子化合物等の添加剤を添加することもできる。
本実施形態に用いられる重合性化合物とは一般的な高分子化合物の前駆体である重合性単量体(モノマー)の事を指す。重合性化合物として、例えば、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、環状ポリオレフィン系モノマーといったビニル系重合性化合物が挙げられる。さらに、エポキシ系モノマー、ポリカーボネート系モノマー、ポリエステル系モノマー、ポリエーテル系モノマー、ポリアミド系モノマーなどといった化合物例が挙げられるが、これらに限定されない。
本実施形態により得られる有機・無機複合体は、無機酸化物のゲル中に無機ナノ粒子が分布していることを特徴としており、その結果として屈折率やアッベ数などの光学特性分布を有していることを特徴とする。
以下の実施例において行った線膨張率の測定は、熱機械測定装置((株)リガク製Thermo plus EVO/TMA8310)を用い、20℃から60℃の温度範囲で行った。なお、以下の実施例における線膨張率は、プラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法((JIS−K7197)を参考にして測定した。具体的には、有機・無機複合体のサンプルを5mm立方の大きさとなるように切り出し、JIS−K7197と同様の測定手法を用いて線膨張率を測定した。
ベースとなるゲルは次のように作製した。テトラメトキシシラン(TMOS)100質量部、エタノール200質量部、1N塩酸100質量部の混合液を加えてよく混合する。この溶液を円盤状の型(20mmφ、厚さ5mm)に入れ、60℃でゲル化するまで加熱することでゲル状物質を得た。
ベースとなるゲルを、テトラメトキシシラン(TMOS)100質量部、ジルコニア/テトラヒドロフラン(THF)分散液(前記の住友大阪セメント社製ナノジルコニア/MMA分散液を濃縮乾固し、THFに再分散して30wt%に調整したもの)200質量部、THF50質量部、0.1Nアンモニア水50質量部の混合液を加えてよくかき混ぜる。この溶液を円盤状の型(20mmφ、厚さ5mm)に入れ、40℃でゲル化するまで加熱することでゲル状物質を得た。
ベースとなるゲルは次のように作製した。まず、オキソブタン酸エチル50質量部、2−エチルブタノール200質量部を混ぜ、これにアルミニウムsecブトキシドを100質量部を加え、よくかき混ぜる。この溶液に2−エチルブタノール135質量部、1−エトキシ−2−プロパノール15質量部、0.01N塩酸1質量部を混合した溶液を少しずつ滴下し、よくかき混ぜる。その後、110℃で2時間加熱し、0.45μmのフィルターでろ過することでアルミナゾルを得た。このゾル液を円盤状の型(20mmφ、厚さ5mm)に入れ、室温(23℃)で溶媒をゆっくり揮発させることでゲル状物質を得た。
ベースとなるゲルは実施例1と同様の手法により作製した。その後、得られたゲルを型から出し、オキセタン(OXT)反応液(2−エチルヘキシルオキセタン(EHOX:東亞合成(株)社製OXT−212)90質量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(DOX:東亞合成(株)社製OXT−221)10質量部、IRGACURE250(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.1質量部の混合液)に浸漬し、ゲル中の溶媒を完全に置換した。
2 重合性化合物
3 溶媒を重合性化合物で置換した無機酸化物
5 粒子
4 重合性化合物
6 高分子化合物
7 有機・無機複合体
11 無機酸化物のゲル
12 重合性化合物
15 粒子
16 高分子化合物
17 有機・無機複合体
Claims (6)
- 粒子と無機酸化物と高分子化合物を含有し、前記粒子の濃度分布を有する有機・無機複合体の製造方法において、
前記無機酸化物のゲルに、前記粒子が分散している重合性化合物を接触させて、前記無機酸化物のゲルの中に前記重合性化合物及び前記粒子を拡散させる工程と、
前記拡散させる工程の後に前記重合性化合物を重合して高分子化合物を得る工程と、
を有し、前記粒子が無機ナノ粒子であることを特徴とする粒子の濃度分布を有する有機・無機複合体の製造方法。 - 粒子と無機酸化物と高分子化合物を含有し、前記粒子の濃度分布を有する有機・無機複合体の製造方法において、
前記粒子が分散した前記無機酸化物のゲルに、重合性化合物を接触させて、前記無機酸化物のゲルの中に前記重合性化合物を拡散させる工程と、
前記拡散させる工程の後に前記重合性化合物を重合して高分子化合物を得る工程と、
を有し、前記粒子が無機ナノ粒子であることを特徴とする粒子の濃度分布を有する有機・無機複合体の製造方法。 - 前記無機酸化物がSiO2、TiO2、Al2O3、ZrO2のいずれか一つまたは複数であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機・無機複合体の製造方法。
- 前記重合性化合物がビニル系重合性化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機・無機複合体の製造方法。
- 前記重合性化合物を重合して高分子化合物とする工程の後に、得られた材料の外周部を除去する工程を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の有機・無機複合体の製造方法。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法によって得られた有機・無機複合体を用意する工程と、
前記有機・無機複合体の表面に、反射防止膜を設ける工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
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