本発明に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図5は、本発明に係るシート給送装置を備えた画像形成装置としてのプリンタを示す概略断面図である。
図5に示すように、プリンタ100はプリンタ本体101を備えている。このプリンタ本体101の上部には、原稿載置台としてのプラテンガラス120aに載置された原稿Dを自動原稿搬送装置120によって読み取る画像読取部130が設けられている。また、画像読取部130の下方には、シートトレイ12から給送されるシート35に画像を形成する画像形成部102と、画像形成部102にシート35を給送するシート給送装置103とが設けられている。本実施形態におけるプリンタ100は、このシート給送装置103を備えることで高信頼性を達成可能な画像形成装置として構成されている。
ここで、画像形成部102には、感光体ドラム112、現像器113、レーザスキャナユニット111等が設けられている。またシート給送装置103は、シート35を収容してプリンタ本体101に着脱自在に構成された複数(本実施形態では4個)のシート収納部11、及びシート収納部11に収納されたシート35を送り出す吸着搬送ベルト21等を備えている。この吸着搬送ベルト21を含むシートを吸着して送り出す構成はユニット化されている。なお、図中の符号42は引き抜きローラ、114は定着部、116は排出ローラ、119は排紙トレイ、を示している。
次に、上記構成を備えたプリンタ100の画像形成動作について説明する。即ち、プリンタ本体101に配設された制御装置から画像読取部130に画像読取信号が出力されると、自動原稿搬送装置120により原稿Dが読取位置まで自動的に送られ、画像読取部130によって画像情報が読み取られる。
読み取られた画像情報は、不図示のコントローラによって処理され、その処理結果に基づいた信号によって、レーザスキャナユニット111から電気信号に対応したレーザ光が発せられ、感光体ドラム112上に照射される。この際、感光体ドラム112は、予め帯電されており、レーザ光の照射によって静電潜像が形成され、次いで静電潜像を現像器113によって現像することにより、感光体ドラム112上にトナー像が形成される。
一方、プリンタ本体101内のCPU301(図7参照)から給送信号がシート給送装置103に出力されると、シート収納部11に収納された紙やOHT等のシート35が、吸着搬送ベルト21等を備えた給送装置によって送り出される。この後、給送されたシート35は、レジストローラ117により感光体ドラム112上のトナー画像(トナー像)と同期を取られ、感光体ドラム112と転写帯電器118とを備えた転写部に送られる。次に、このように転写部に送られたシート35は、トナー像を転写された後、定着部114に搬送される。さらにこの後、定着部114により加熱及び加圧されることにより、シート35に画像が定着される。そして、このように画像を定着されたシート35は、排出ローラ116によってプリンタ本体101から排紙トレイ119に排出される。
次に、本発明に係るシート給送装置103の詳細に関して、図1及び図7を参照して説明する。図1は、本シート給送装置103の正常動作時の状態を示す概略断面図、図7は、本シート給送装置103の回路構成を説明するブロック図である。
図1に示すように、シート給送装置103は、シート35を積載する昇降可能なシート積載部であるシートトレイ12と、シートトレイ12を昇降駆動させる駆動部であるリフタモータ305(図7に図示)とを備えている。シート給送装置103は、捌き・分離エア供給部31と、捌き・分離エア供給部31により捌かれたシート35を吸着して搬送する吸着搬送部である給送ユニット29とを備えている。捌き・分離エア供給部31は、シートトレイ12に積載されたシート35にシート給送方向の前側(シートの先端側)からエアを吹き付けてシート35を捌くエア吹き付け部を構成している。
給送ユニット29は、吸着搬送ベルト21と、吸着搬送ベルト21の内側に配置されているダクト38と、ダクト38内を負圧にするための吸着ファン36と、ダクト38内に配置された吸着シャッタ37とを有している。給送ユニット29には、シートトレイ12に積載されたシート35の最上位のシート35Bの搬送方向先端側の位置を検知する先端紙面検知部としての先端紙面検知センサ141が配設されている。各シート収納部11は、それぞれの後方部分に、シート積載部であるシートトレイ12に積載されたシート35の搬送方向後端の位置を規制する後端規制部材13を備えている。後端規制部材13には、シートトレイ12に積載されたシート35の最上位のシート35Bの搬送方向後端側(上部後端)を検知する後端紙面検知部としての後端紙面検知センサ140が配置されている。さらに、後端紙面検知センサ140と先端紙面検知センサ141との間には、シートトレイ12に積載されたシート35の最上位のシート35Bを検知する中間紙面検知部としての中間紙面検知センサ142(図6に図示)が配設されている。なお、後述するが、中間紙面検知センサ142を配設しない構成も可能である。後端紙面検知センサ140、先端紙面検知センサ141及び中間紙面検知センサ142は、反射型のセンサや遮光式のセンサで構成することが一般的であるが、検知方式はこれらに限定されない。
また、捌き・分離エア供給部31は、シートトレイ12に積載したシート35の束の端部に対向する捌きノズル33及び分離ノズル34を有し、これらの各ノズル33、34にエアを送る分離ダクト32を有している。
図7に示すように、シート給送装置103を制御する制御部としてのCPU301には、Memory303と、シート給送装置103におけるモータ等の各種負荷を駆動する専用のASIC302と、表示部321とが接続されている。CPU301は、駆動部であるリフタモータ305を制御してシートトレイ12を給送ユニット29に向けて上昇させ最上位のシート35Bが所定位置となった位置で停止させる。このシートトレイ12を停止させる所定位置は、最上位のシート35Bが捌き・分離エア供給部31から吹き出されたエアにより適正に吹き上げられることができる位置(吸着搬送ベルト21と最上位のシート35との距離がBの位置)である。CPU301は、リフタモータ305によるシートトレイ12を上昇(上昇作動)させ、中間紙面検知センサ142がシートトレイ12に積載されたシート35の最上位のシート35Bを検知した時点で停止させる。これにより、シートトレイ12上のシート35の最上位のシート35Bが所定位置となる。
Memory303は、図8に示すようなアラーム表示内容や、モータの駆動速度、ファンの回転デューティ、シートトレイ12の移動量など様々な情報を記憶している。Memory303には入力部320が接続されており、この入力部320により、シートのサイズやマテリアルなどの情報が入力される。
ASIC302は、シート給送装置103の各負荷を駆動する駆動回路へと駆動開始指令を出す。ASIC302には、シートトレイ12を昇降させる駆動部であるリフタモータ305が、このリフタモータ305を制御するドライバ304を介して接続されている。ASIC302には、吸着シャッタ37の駆動を制御する吸着シャッタ駆動モータ307が、この吸着シャッタ駆動モータ307を制御するドライバ306を介して接続されている。ASIC302には、吸着搬送ベルト21を制御するベルト駆動モータ309が、このベルト駆動モータ309の駆動を制御するドライバ308を介して接続されている。ASIC302には、引き抜きローラ42を駆動する引き抜きモータ311が、引き抜きモータ311の駆動を制御するドライバ310を介して接続されている。
ASIC302には、シート収納部(収納庫)11の開閉状態を検知する収納庫開閉検知センサ331と、シートトレイ12に載置されたシート35の後端紙面を検知する後端紙面検知センサ140とが接続されている。さらにASIC302には、シートトレイ12に載置されたシート35の先端紙面を検知する先端紙面検知センサ141と、中間紙面検知センサ142とが接続されている。
収納庫開閉検知センサ331によって、シート収納部11が閉じられたことが検知されると、ASIC302は、リフタモータ305を上昇方向に駆動させる信号を出力する。この信号は、リフタモータ305を制御するドライバ304への入力となり、これにより、リフタモータ305はシートトレイ12を上昇させるように駆動制御される。そして、シートトレイ12は、シートトレイ12上のシート35の最上位のシート35Bと吸着搬送ベルト21との距離が所定位置となると停止される。中間紙面検知センサ142がオンしたときに、シートトレイ12を停止するようにリフタモータ305を駆動制御している。なお、シートトレイ12上のシート35の最上位のシート35Bを所定位置となるようにシートトレイ12を停止させる制御は中間紙面検知センサ142の検知に基づいて制御しているが、これに限定されるものではない。例えば、シートトレイ12に積載されたシート35の高さが予め分かれば、シートトレイ12の移動量からシートトレイ12の停止位置のカウント数を算出し、カウンタ等によって算出されたカウント数をカウントして停止させることができる。また、後端紙面検知センサ140及び先端紙面検知センサ141のいずれか一方の検知に基づいて最上位のシート35Bを所定位置となるようにシートトレイ12を停止させるようにしてもよい。
シートトレイ12上のシート35の最上位のシート35Bが所定位置で停止させられたときに、シート35が正常な状態であれば、後端紙面検知センサ140及び先端紙面検知センサ141はともにシート面(紙面)を検知する。そのため、後端紙面検知センサ140及び先端紙面検知センサ141の両方がシート検知をしない場合は、正常な状態でないと判断することができる。つまり、後端規制部材13が正しくセットされていないか、シートトレイ12に載置されたシート35に大きな上カールが形成されていると考えられる。そして、先端紙面検知センサ141は最上位のシート35Bのシート面(上面)を検出しているが、後端紙面検知センサ140はシート面を検出していない場合には、Memory303に記憶されているアラーム内容を表示部321に表示するように制御される。なお、同時にASIC302は、シートトレイ12が所定量下降するようにリフタモータ305のドライバ304に信号を入力してもよい。
また、シートトレイ12に載置されたシート35に大きな下カールが形成されている場合には、後端紙面検知センサ140は最上位のシート35Bのシート面を検出するが、先端紙面検知センサ141はシート面を検出しない。そのような場合には、Memory303に記憶されているアラーム内容を表示部321に表示するように制御される。なお、同時にASIC302は、シートトレイ12が所定量下降するようにリフタモータ305のドライバ304に信号を入力してもよい。
また、シートトレイ12に載置されたシート35が大きな前後下カールを持っている場合、中間紙面検知センサ142は最上位のシート35Bのシート面を検出するが、後端紙面検知センサ140及び先端紙面検知センサ141はシート面を検出しない。そのような場合には、Memory303に記憶されているアラーム内容を表示部321に表示するように制御され。なお、同時にASIC302は、シートトレイ12が所定量下降するようにリフタモータ305のドライバ304に信号を入力してもよい。
本実施の形態のシート給送装置103では、シート給送装置103におけるモータ等の各種負荷を専用のASIC302で制御しているが、これに限らず、ASIC302を介さずにCPU301により直接的に制御してもよい。
次に、図1を参照して、後端規制部材13が正常にセットされている状態について説明する。図1において、ユーザがシート収納部(収納庫)11を引き出し、シートをセットしてシート収納部11を格納すると、リフタモータ305(図7参照)の作動でシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始める。すると、制御部であるCPU301は、吸着搬送ベルト21と最上位のシート35との距離がBとなる位置(所定位置)でシートトレイ12を停止して、給送信号に備える(図1(a))。
そして、給送信号を検知すると、CPU301は、シートトレイ12の先端近傍に配設されている捌き・分離エア供給部31が作動し、図中の矢印C方向にエアを吸い込む(図1(b))。吸い込まれたエアは、捌き・分離エア供給部31の分離ダクト32を介して捌きノズル33、分離ノズル34から、シート束35に対し図中の矢印D,E方向に吹き付けられ、シート束35のうちの上部の数枚(35A)は図のように浮上する。
一方で、CPU301は、シート35を吸着搬送ベルト21に吸着させるための負圧を発生する吸着ファン36を作動させ、図中の矢印F方向にエアを吹き出す。この際、吸着シャッタ37は閉じられている(図1(b))。この場合、後端紙面検知センサ140と先端紙面検知センサ141とは最上位のシート面を検知しており、ここでは後端紙面検知センサ140と吸着搬送ベルト21の垂直方向(鉛直方向)の距離がVとなるように、シートトレイ12の位置が制御される。
さらに、図1(c)において、給送信号を検知してから所定時間が経過し、シート35Aの浮上が安定した時点で、吸着シャッタ37を図中の矢印G方向に回転させる。吸着シャッタ37を回転することにより吸着ファン36によりダクト38が負圧となり、吸着搬送ベルト21にあけられた不図示の吸引穴から図中の矢印H方向への吸引力が発生し、最上位のシート35Bが吸着搬送ベルト21に吸着される。そして、図1(d)において、吸着搬送ベルト21を前後端で支持しているベルト駆動ローラ41,41を図中の矢印J方向に回転させることにより、シート35Bは図中の矢印K方向に搬送される。さらに、引き抜きローラ42が回転することによって、シート35Bは下流側の搬送路へ送られ、画像形成部に送られる。
次に、後端規制部材13が正常にセットされていない場合について、図2を参照して説明する。図2においてユーザがシート収納部11を引き出し、シートをセットして格納すると、リフタモータ305の駆動でシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始める。そして、吸着搬送ベルト21と最上位のシート35との距離がBになる位置でシートトレイ12が停止する(図2(a))。
この場合、先端紙面検知センサ141はシート35の最上位のシート35Bのシート面を検出しているが、後端紙面検知センサ140はシート35Bのシート面を検出していない状態となる。このような状態でシート35Bの給送を開始しても、前述したような給送不良が起こることが想定されるので、給送開始を許可しないように捌き・分離エア供給部31及び給送ユニット29が制御される。すなわち、シートの給送動作を制限する。なお、このような場合、後端規制部材13がセットし易いように、シートトレイ(リフタ台)12は、所定量(ここでは吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がS(S>B))となるまで、図中の矢印R方向に下降させるように制御してもよい(図2(b))。
次に、後端規制部材13は正常にセットされているが後端紙面検知センサ140が検知していない場合について、図3を参照して説明する。このような場合は、図3(a)に示すように、シートトレイ12に載置されたシート35が大きな先端上カールとなっていることが考えられる。図3(a)において、ユーザがシート収納部11を引き出し、シート類をセットして格納すると、リフタモータ305によってシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始める。そして、吸着搬送ベルト21と最上位のシート35との距離がBになる位置でシートトレイ12が停止される。
この場合も、先端紙面検知センサ141はシート35の紙面を検出し、後端紙面検知センサ140はシート35の紙面を検出していない状態となる。このような状態でシート35の給送を開始しても、前述したような給送不良が起こることが想定されるので、給送開始を許可しないように捌き・分離エア供給部31及び給送ユニット29が制御される。また、このような場合、シート収納部11内のシート35の状態を確認し易いように、シートトレイ12は所定量(ここでは吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がS)となるまで、図中の矢印R方向に下降させるように制御してもよい(図3(b))。
図2及び図3において、先端紙面検知センサ141がシート35のシート面を検知し、後端紙面検知センサ140がシート35のシート面を検知していない場合、CPU301は、給送開始を許可しないように制御する。これと共に、プリンタ100の操作画面(図7の表示部321)上に、図8のようなアラーム表示(後端規制部材13が正しい位置に無いか、シートトレイ12上に積載されたシートが正常な状態でない旨の表示)を出すように制御する。即ち、制御部であるCPU301は、シート給送動作の開始を制限する際には、所定の内容のアラームを発するように制御する。なお、所定の内容のアラームを発する場合、上記のようなアラーム表示ではなく、音声的にアナウンスを発するように構成することも可能である。
そして、後端規制部材13が正しくセットされるか、シートトレイ12上のシート束35が交換または表裏逆にセットされて、シート収納部11が所定の位置に格納されると、リフタモータ305でシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始める。そして、吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がBになる位置でシートトレイ12が停止され、状態の良否を判断するように制御される。なお、図8(a)のアラーム表示は一例であり、ユーザに分かりやすい表示であればこれに限定されない。
次に、後端規制部材13は正常にセットされているが先端紙面検知センサ141が検知していない場合について、図4を参照して説明する。このような場合は、図4(a)に示すように、シートトレイ12に載置されたシート35が大きな先端下カールとなっていることが考えられる。図4(a)において、ユーザがシート収納部(収納庫)11を引き出し、シート類をセットしてシート収納部11を格納すると、リフタモータ305によってシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始める。そして、シートトレイ12は、吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がBになる位置で停止される。
このような状態でシート35の給送を開始しても、前述したような給送不良が起こることが想定されるので、給送開始を許可しないように捌き・分離エア供給部31及び給送ユニット29が制御される。このような場合、シート収納部11内(庫内)のシート35の状態を確認し易いように、シートトレイ12は所定量(ここでは吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がSとなるまで)、図中の矢印R方向に下降するように制御してもよい(図4(b))。
図4において、後端紙面検知センサ140がシート35のシート面を検出し、先端紙面検知センサ141がシート35のシート面を検出していない場合、CPU301は、給送開始を許可しないように制御する。これと共に、プリンタ100の表示部321上に、図8(b)に示すようなアラーム表示を出すように制御する。そして、シートトレイ12に載置されたシート35が交換または表裏逆にセットされ、シート収納部11が所定の位置に格納されると、リフタモータ305によってシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始める。そして、吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がBとなる位置でシートトレイ12が停止され、状態の良否を判断するように制御される。なお、図8(b)のアラーム表示は一例であり、ユーザに分かりやすい表示であればこれに限定されない。
次に、後端規制部材13は正常にセットされているが、後端紙面検知センサ140及び先端紙面検知センサ141が共に検知していない場合について、図6を参照して説明する。このような場合は、図6(a)に示すように、シートトレイ12に載置されたシート35が大きな前後下カールとなっていることが考えられる。図6(a)において、ユーザがシート収納部11を引き出し、シート類をセットして格納すると、リフタモータ305によってシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始める。そして、中間紙面検知センサ142でシート35が検出されると、CPU301に制御によって、シートトレイ12は停止される。
このような状態でシートの給送を開始しても、前述したような給送不良が起こることが想定されるので、給送開始を許可しないように捌き・分離エア供給部31及び給送ユニット29が制御される。またこのとき、シート収納部11内のシート35の状態を確認しやすいように、シートトレイ12を所定量(ここでは、吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がSとなるまで)、図中の矢印R方向に下降させるように制御してもよい(図6(b))。
図6において、後端紙面検知センサ140及び先端紙面検知センサ141がシート35のシート面を検出していない場合、CPU301は、給送開始を許可しないように制御する。これと共に、プリンタ100の表示部321上に、図8(b)に示すようなアラーム表示を出すように制御する。
そして、シートトレイ12に載置されたシート35が交換または表裏逆にセットされて、シート収納部11が所定の位置に格納されると、リフタモータ305によってシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始める。そして、吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がBとなる位置でシートトレイ12が停止され、状態の良否が判断されるように制御される。
また、シートトレイ12に載置されたシート35のカール状態は、シートトレイ12に長時間放置されている間にさらに損なわれていく場合もある。従って、スタンバイ中も、後端紙面検知センサ140及び先端紙面検知センサ141の状態を常にモニタして、前述の制御を行ってもよい。
ここで、後端規制部材13が正しくセットされ、シートトレイ12に載置されたシート35にカールが無い場合の信号のタイミングに関して、図10(a)のタイミングチャートを参照して説明する。
シート収納部11が閉じられたことが収納庫開閉検知センサ331で検知されると(t1)、シートトレイ12が上昇するように制御され(t2)る。そして、最上位のシート35Bと吸着搬送ベルト21との距離がBの位置となるとシートトレイ12が停止される(t3)。この際、後端紙面検知センサ140及び先端紙面検知センサ141は同時にシート面を検知している(t4,t5)。なお、後端紙面検知センサ140及び先端紙面検知センサ141は、シート面を検知する位置(水平レベル)に差があるように配置されても、同じ位置(水平レベル)になるように配置されていても良い。
次に、後端規制部材13が正しくセットされていないか、シートトレイ12に載置されたシートが大きな上カールを持っている場合の信号のタイミングに関して、図10(b)のタイミングチャートを参照して説明する。
シート収納部11が閉じられたことが収納庫開閉検知センサ331で検知されると(t11)、シートトレイ12が上昇するように制御される(t12)。さらに、最上位シートと吸着搬送ベルト21との距離がBの位置となるとシートトレイ12が停止される(t13)。この際、先端紙面検知センサ141はシート面を検知しているが(t14)、後端紙面検知センサ140はシート面を検知していない。
このようにシートトレイ12が所定位置で停止した際に、両センサ140,141が同時にシート検知をしない場合、CPU301は、給送ユニット29によるシート給送動作の開始を制限する。これと共に、リフタモータ305の上昇駆動動作を停止した際に図8(a)のアラーム表示を出すように制御する(t15)。また、リフタモータ305の上昇動作が停止して所定時間後に、リフタモータ305の下降駆動動作を行うようにしてもよい(t16)。
次に、後端規制部材13が正しくセットされているが、シートトレイ12に載置されたシート35が大きな下カールを持っている場合の信号のタイミングに関して、図11(a)のタイミングチャートを参照して説明する。
シート収納部11が閉じられたことが収納庫開閉検知センサ331で検知されると(t21)、シートトレイ12が上昇するように制御される(t22)。さらに、最上位シートと吸着搬送ベルト21との距離がBの位置となるとシートトレイ12が停止される(t23)。この際、後端紙面検知センサ140はシート面を検知しているが(t24)、先端紙面検知センサ141はシート面を検知していない。
このようにシートトレイ12が所定位置で停止した際に、両センサ140,141が同時にシート検知をしない場合、CPU301は、給送ユニット29によるシート給送動作の開始を制限する。これと共に、リフタモータ305の上昇駆動動作を停止した際に図8(b)のアラーム表示を出すように制御する(t25)。また、リフタモータ305の上昇動作が停止して所定時間後に、リフタモータ305の下降駆動動作を行うようにしてもよい(t26)。
次に、後端規制部材13が正しくセットされているが、シートトレイ12に載置されたシート35が大きな前後下カールを持っている場合の信号のタイミングに関して、図11(b)のタイミングチャートを参照して説明する。なお図10(a),(b)、図11(a)では後端紙面検知センサ140と先端紙面検知センサ141がハイ(H)でオンしてシート面を検知していたのに対し、この制御例では図11(b)に示すように中間紙面検知センサ142はハイ(H)でシート面を検知する。そして、後端紙面検知センサ140及び先端紙面検知センサ141はロー(L)でシート面を検知するように構成されている。
シート収納部11が閉じられたことが収納庫開閉検知センサ331で検知されると(t31)、シートトレイ12がリフタモータ305の駆動で上昇するように制御される(t32)。さらに、中間紙面検知センサ142がオン(t33)した位置(所定位置)で停止する。この際、後端紙面検知センサ140及び先端紙面検知センサ141は、ともにLであり、シート面を検知していない。
このようにシートトレイ12が所定位置で停止した際に、両センサ140,141が同時にシート検知をしない場合、CPU301は、給送ユニット29によるシート給送動作の開始を制限する。これと共に、リフタモータ305の上昇駆動動作を停止した際に図9のアラーム表示を出すように制御する(t34)。また、リフタモータ305の上昇動作が停止して所定時間後に、リフタモータ305の下降駆動動作を行うようにしてもよい(t35)。
次に、本実施形態における作用について、図9のフローチャートを参照して説明する。収納庫開閉検知センサ331によって、シート収納部(収納庫)11が閉じられたことが検知されると(S101)、CPU301は、リフタモータ305を制御してシートトレイ(シート台)12を上昇させるように制御する(S102)。そして、ステップS101でシート収納部11が閉じられたことが検知されなければ、シート収納部11が閉じられるまで待機する。
リフタモータ305は、シートトレイ12が上昇するように制御されて、ステップS203において吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離が所定値(即ち、所定位置)となったか否かを判断する。その結果、所定値になっていれば、シートトレイ12を停止するために、リフタモータ305の駆動を停止する(S104)。この際、ステップS105で、先端紙面検知センサ141がオンしてシート面を検知していれば、ステップS106へと遷移する。そして、ステップS106で後端紙面検知センサ140もオンしていれば(後端紙面検知センサ140と先端紙面検知センサ141が同時にシート検知)、その後の動作継続(給送ユニット29によるシート給送動作の開始)を許可する制御を行う(S107)。
一方、ステップS106において、後端紙面検知センサ140がシート面を検知していなければ、その後の動作継続、給送ユニット29によるシート給送動作の開始を制限するように制御する(S108)。さらに、ステップS109へと遷移し、図8(a)に示したアラーム表示を行うように制御する。ここでは示していないが、ステップS109と共にシートトレイ12を所定量下降させるように制御してもよい。
また、ステップS105において、先端紙面検知センサ141がシート面を検知していなければ、ステップS110へと遷移し、ここで後端紙面検知センサ140がシート面を検知していれば、その後の動作継続を制限するように制御する(S111)。さらに、ステップS112へと遷移し、図8(b)に示したアラーム表示を行うように制御する。ここでは示していないが、ステップS112と共にシートトレイ12を所定量下降させるように制御してもよい。
一方、ステップS110において、後端紙面検知センサ140がシート面を検知していなければ、その後の動作継続を制限するように制御する(S113)。さらに、ステップS114へと遷移し、図8(b)に示したアラーム表示を行うように制御する。ここでは示していないが、ステップS114と共にシートトレイ12を所定量下降させるように制御してもよい。
またここでは、ステップS103において、吸着搬送ベルト21までの距離が所定値となっているか否かを判断しているが、中間紙面検知センサ142がオンしているか否かの判断に基づいて、シートトレイ12の上昇を停止するように構成してもよい。
(第2の実施の形態)
つづいて、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、後端規制部材が正規の規制位置に無い場合に生じる課題を解決するための例を説明したが、第2の実施の形態では、側端規制部材が正規の規制位置に無いときの課題を解決するための例である。なお、第1の実施の形態と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
各シート収納部11は、シート搬送方向(図5における左右方向)の前部(図5における右部)に側端規制部材14を備えている。側端規制部材14は、図13に示すように、第1、第2の側端規制部材14a,14bを有している。第1の側端規制部材14aは、シート積載部であるシートトレイ12に積載されたシート35のシート搬送方向前側における一側端(図5における手前側)の位置を規制する。また、第2の側端規制部材14bは、シートトレイ12に積載されたシート35のシート搬送方向前側における他側端(図5における奥側)の位置を規制する。
図12及び図13に示すように、シートトレイ12に積載されたシート35の最上位のシート35の前側一側端(図5における手前側)を検知する第1の側端紙面検知部としての第1の側端紙面検知センサ150が第1の側端規制部材14aに配設されている。また、シートトレイ12に積載されたシート35の最上位のシート35の前側他側端(図5における奥側)を検知する第2の側端紙面検知部としての第2の側端紙面検知センサ151が第2の側端規制部材14bに配設されている。第1の側端紙面検知センサ150は、第1の側端規制部材14aにおけるシートトレイ12側に向いた側面上部側に配設されている。第2の側端紙面検知センサ151は、第2の側端規制部材14bにおけるシートトレイ12側に向いた側面上部側に配設されている。
図13に示すように、給送ユニット29(図12参照)には、第1の側端紙面検知センサ150と第2の側端紙面検知センサ151との間に、中間紙面検知部としての中間紙面検知センサ152が配設されている。中間紙面検知センサ152は、シートトレイ12に積載されたシート35の最上位のシート35の前側中央部(図5における手前−奥方向の中間部分)を検知する。なお、第1の側端紙面検知センサ150、第2の側端紙面検知センサ151、及び中間紙面検知センサ152は、反射型のセンサや遮光式のセンサで構成することが一般的であるが、検知方式はこれらに限定されない。
なお、シート給送装置103を制御する制御部としてのCPU30の構成は第1の実施の形態で図7を用いて説明した構成と同じであるため、詳細な説明は省略する。
収納庫開閉検知センサ331によって、シート収納部(収納庫)11が閉じられたことが検知されると、ASIC302は、リフタモータ305を上昇方向に駆動させる信号を出力する。この信号は、リフタモータ305を制御するドライバ304への入力となり、これにより、リフタモータ305はシートトレイ12を上昇させるように駆動制御される。そして、シートトレイ12は、吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がBとなる位置で停止される。
この際、正常な状態であれば、第1の側端紙面検知センサ150及び第2の側端紙面検知センサ151はともにシート面(紙面)を検知しているはずである。正常な状態でない場合、つまり、第1、第2の側端規制部材14a,14bが正しくセットされていないか、シートトレイ12に載置されたシート35が大きなサイド下カールを持っている場合には、以下のようになる。即ち、中間紙面検知センサ152はシート面を検出しているが、第1の側端紙面検知センサ150及び第2の側端紙面検知センサ151のうち少なくとも一方はシート面を検出していない。このような場合には、Memory303に記憶されているアラーム内容を表示部321に表示するように制御されると共に、ASIC302は、シートトレイ12が所定量下降するようにリフタモータ305のドライバ304に信号を入力してもよい。
また、シートトレイ12に載置されたシート35が大きなサイド上カールを持っている場合、第1の側端紙面検知センサ150及び第2の側端紙面検知センサ151はシート面を検出しているが、中間紙面検知センサ152はシート面を検出していないことがある。そのような場合には、Memory303に記憶されているアラーム内容を表示部321に表示するように制御されると共に、ASIC302は、シートトレイ12が所定量下降するようにリフタモータ305のドライバ304に信号を入力してもよい。本実施の形態のシート給送装置103では、シート給送装置103におけるモータ等の各種負荷を専用のASIC302で制御しているが、これに限らず、ASIC302を介さずにCPU301により直接的に制御しても良い。
次に、本実施形態におけるシート給送装置103の詳細に関して、図12〜図15を用いて説明する。なお、図12は装置前方から見た図、図13〜図15はシート搬送方向(正面)から見た図を示している。まず、図12を用いて、第1、第2の側端規制部材14a,14bが正常にセットされている状態について説明する。
図12において、ユーザがシート収納部(収納庫)11を引き出し、シートをセットして格納すると、リフタモータ305の駆動でシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始める。すると、制御部であるCPU301は、吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がBになる位置でシートトレイ12を停止して、給送信号に備える(図12(a))。これは、中間紙面検知センサ152で検出するようにしても良いし、シートトレイ12の移動量から算出するようにしてもよい。正常な場合では、第1の側端紙面検知センサ150、第2の側端紙面検知センサ151及び中間紙面検知センサ152は全てシート面(紙面)を検出している。
そして、給送信号を検知すると、CPU301は、シートトレイ12の先端近傍に配設されている捌き・分離エア供給部31を作動させ、図中の矢印C方向にエアを吸い込む(図12(b))。このエアは、捌き・分離エア供給部31の分離ダクト32を介して捌きノズル33、分離ノズル34から、シート束35に対し図中の矢印D,E方向に吹き付けられる。すると、シート束35のうちの上部数枚(35A)は図12(b)のように浮上する。
一方で、CPU301は、シート35を吸着搬送ベルト21に吸着させるための負圧を発生する吸着ファン36を作動させ、図中の矢印F方向にエアを吐き出す。この際、吸着シャッタ37はまだ閉じられている(図12(b))。この場合、第1、第2の側端紙面検知センサ150,151は最上位のシート面を検知しており、ここでは第1の側端紙面検知センサ150と吸着搬送ベルト21との垂直方向(鉛直方向)の距離がVとなるように、シートトレイ12の位置が制御される。
さらに、図12(c)において、給送信号を検知してから所定時間が経過し、シート35Aの浮上が安定した時点で、吸着シャッタ37を図中の矢印G方向に回転させる。すると、吸着搬送ベルト21にあけられた不図示の吸引穴から図中の矢印H方向への吸引力が発生し、これにより、最上位のシート35Bが吸着搬送ベルト21に吸着される。そして、図12(d)において、吸着搬送ベルト21を前後端で支持しているベルト駆動ローラ41を図中の矢印J方向に回転させることにより、シート35Bは図中の矢印K方向に搬送される。さらに、引き抜きローラ42が回転することによって、シート35Bは次の搬送路へ送られる。
次に、第1、第2の側端規制部材14a,14bが適正な位置にセットされていない場合について、図13を参照して説明する。
即ち、図13において、ユーザがシート収納部11を引き出し、シート類をセットして所定の位置に格納すると、リフタモータ305の駆動でシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始める。そして、吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がBになる位置で停止する(図13(a))。
この場合、中間紙面検知センサ152はシート35のシート面を検出しているが、第1の側端紙面検知センサ150及び第2の側端紙面検知センサ151はシート面を検出していない状態となる。このような状態でシート35の給送を開始しても、前述したような給送不良が起こることが容易に想定されるので、給送開始を許可しない(制限する)ように制御される。このような場合、側端規制部材14a,14bがセットし易いように、シートトレイ12は、所定量(ここでは吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がS(S>B))となるまで、図中の矢印R方向に下降させるように制御してもよい(図13(b))。
次に、第1、第2の側端規制部材14a,14bは正常にセットされているが、第1の側端紙面検知センサ150及び第2の側端紙面検知センサ151がともにシートを検知していない場合について、図14(a),(b)を参照して説明する。このような場合は、図14(a)に示すように、シートトレイ12に載置されたシート35がサイド上カールとなっていることが考えられる。図14(a)において、ユーザがシート収納部11を引き出し、シートをセットして所定の位置に格納すると、リフタモータ305の駆動でシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始める。そして、吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がBになる位置でシートトレイ12が停止される(図14(a))。
このような状態でシート35の給送を開始しても、前述したような給送不良が起こることが容易に想定されるので、給送開始を許可しない(制限する)ように制御される。またこのような場合、シート収納部11内のシート35の状態を確認し易いように、シートトレイ12は所定量(ここでは吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がS)となるまで、図中の矢印R方向に下降させるように制御してもよい(図14(b))。
図13、図14では、中間紙面検知センサ152がシート35の最上位のシート35Bのシート面(上面)を検出し、第1の側端紙面検知センサ150及び第2の側端紙面検知センサ151のうちの少なくとも一方がシートの紙面を検出していない場合を示す。この場合には、CPU301は、給送開始を許可しないように制御する。これと共に、プリンタ100の操作画面上に、図8のアラーム表示を出すように制御する。図8(a)のアラーム表示の内容は、第1、第2の側端規制部材14a,14bが正しいセット状態にないか、シートトレイ12に載置されたシート束35が表裏逆にセットされていないか、シート自体を交換した方がよいか、等である。即ち、制御部であるCPU301は、シート給送動作の開始を制限する際には、所定の内容のアラームを発するように制御する。なお、図8(a)は後端規制について示す図であるが、本実施の形態では、これを側端規制に読み替えるものとする。また、所定の内容のアラームを発する場合、上記のようなアラーム表示ではなく、音声的にアナウンスを発するように構成することも可能である。
さらに、シート収納部11を所定の位置に格納すると、リフタモータ305の駆動でシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始め、吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がBになる位置で停止して、状態の良否が判断されるように制御される。なお、図8(a)のアラーム表示は一例であり、ユーザに分かりやすい表示であればこれに限定されない。
次に、第1、第2の側端規制部材14a,14bが正常にセットされているが、中間紙面検知センサ152、第1の側端紙面検知センサ150、第2の側端紙面検知センサ151うちいずれか1つでもシート面を検出していない場合を、図15を参照して説明する。このような場合は、図15(a)に示すように、シートトレイ12に載置されたシート35にカールが発生していると考えられる。図15(a)において、ユーザがシート収納部11を引き出し、シート類をセットして所定の位置に格納すると、リフタモータ305の駆動でシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始める。そして、シートトレイ12は、吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がBになる位置で停止される(図15(a))。
この場合、第1の側端紙面検知センサ150及び第2の側端紙面検知センサ151はシート面を検出し、中間紙面検知センサ152はシート面を検出していない状態となる。このような状態でシートの給送を開始しても、前述したような給送不良が起こることが容易に想定されるので、CPU301は、給送開始を許可しない(制限する)ように制御する。このような場合、シート収納部11内のシート35の状態を確認し易いように、シートトレイ12は所定量(吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がS(S>B))となるまで、図中の矢印R方向に下降するように制御してもよい(図15(b))。
図15において、第1の側端紙面検知センサ150及び第2の側端紙面検知センサ151がシート35の紙面を検出し、中間紙面検知センサ152がシート35の紙面を検出していない場合、CPU301は、給送開始を許可しないように制御する。これと共に、プリンタ100の操作画面(図7の表示部321)上に、図8(b)に示すようなアラーム表示を出すように制御される。そして、シートトレイ12に載置されたシート35が交換または表裏逆にセットされ、シート収納部11が所定の位置に格納されると、リフタモータ305によってシートトレイ12が図中の矢印A方向に上昇し始める。そして、吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離がBとなる位置でシートトレイ12が停止され、状態の良否が判断されるように制御される。なお、図8(b)のアラーム表示は一例であり、ユーザに分かりやすい表示であればこれに限定されない。
また、シートトレイ12に載置されたシート35のカール状態は、シートトレイ12に長時間放置されている場合に徐々に損なわれていく場合もある。よって、スタンバイ中も第1の側端紙面検知センサ150と第2の側端紙面検知センサ151の状態を常にモニタして、前述したような制御を行ってもよい。
ここで、第1、第2の側端規制部材14a,14bが正しくセットされ、シートトレイ12に載置されたシート35にカールが無い場合の信号のタイミングに関して、図17(a)のタイミングチャートを参照して説明する。
即ち、シート収納部11が閉じられたことが収納庫開閉検知センサ331で検知されると(t41)、シートトレイ12が上昇するように制御され(t42)、最上位シートと吸着搬送ベルト21との距離が所定値となる位置(所定位置)で停止される(t43)。これは、中間紙面検知センサ152で検出するようにしても良いし、シートトレイ12の移動量から算出してもよい。この際、第1の側端紙面検知センサ150、第2の側端紙面検知センサ151、中間紙面検知センサ152は、全てシート面(紙面)を検知している(t44,t45,t46)。この場合、この後の給送ユニット29によるシート給送動作の開始を許可するように制御される。また、第1の側端紙面検知センサ150及び中間紙面検知センサ152は、シート面を検知する位置(水平レベル)に差があるように配置されても、同じ位置(水平レベル)になるように配置されていても良い。
次に、第1、第2の側端規制部材14a,14bが正しくセットされていないか、シートトレイ12に載置されたシート35が大きな下カールを持っている場合の信号のタイミングに関して、図17(b)のタイミングチャートを参照して説明する。
即ち、シート収納部11が閉じられたことが収納庫開閉検知センサ331で検知されると(t51)、リフタモータ305が上昇するように制御される(t52)。そして、最上位シートと吸着搬送ベルト21との距離が所定値となる位置(所定位置)で停止される(t53)。この際、中間紙面検知センサ152は紙面を検知しているが(t54)、第1の側端紙面検知センサ150及び第2の側端紙面検知センサ151はともに紙面を検知していない。このような場合、リフタモータ305の上昇駆動動作を停止したときに、図8(a)に示したようなアラーム表示を出すように制御する(t55)。また、リフタモータ305の上昇動作停止の所定時間後にリフタモータ305の下降駆動動作を行うようにしてもよい。
次に、第1、第2の側端規制部材14a,14bが正しくセットされているが、シートトレイ12に載置されたシート35が大きなカールを持っている場合の信号のタイミングに関して、図17(c)のタイミングチャートを用いて説明する。
即ち、シート収納部11が閉じられたことが収納庫開閉検知センサ331で検知されると(t61)、リフタモータ305が上昇するように制御される(t62)。そして、最上位シートと吸着搬送ベルト21との距離が所定値となる位置(所定位置)で停止される(t63)。この際、第1の側端紙面検知センサ150及び第2の側端紙面検知センサ151は紙面を検知しているが(t64,t65)、中間紙面検知センサ152は紙面を検知していない。このような場合、リフタモータ305の上昇駆動動作が停止した時に、図8(b)で説明したようなアラーム表示を行うように制御する(t66)。また、リフタモータ305の上昇動作停止の所定時間後にリフタモータ305の下降駆動動作を行うようにしてもよい。
次に、本実施形態における作用について、図16のフローチャートを参照して説明する。なお、本フローチャートの制御はCPU301によって制御される。
即ち、シート収納部(収納庫)11が閉じられたことが収納庫開閉検知センサ331で検知されると(S201)、CPU301は、リフタモータ305を制御してシートトレイ(シート台)12を上昇させるように制御する(S202)。そして、ステップS201でシート収納部11が閉じられたことが検知されなければ、シート収納部11が閉じられるまで待機する。
リフタモータ305は、シートトレイ12が上昇するように制御されて、ステップS203において吸着搬送ベルト21と最上位シートとの距離が所定値(即ち、所定位置)となったか否かを判断する。その結果、所定値になっていれば、シートトレイ12を停止するために、リフタモータ305の駆動を停止する(S204)。この際、ステップS205で、中間紙面検知センサ152がオンしてシート面を検知していれば、ステップS206へと遷移する。そして、ステップS206で第1の側端紙面検知センサ150もオンしていれば、ステップS207へと遷移する。さらに、ステップS207で、第2の側端紙面検知センサ151もオンしていれば、その後の動作継続(シート給送動作の開始)を許可するように制御する(S208)。
一方、ステップS205において、中間紙面検知センサ152が紙面を検知していなければ、その後の動作継続を許可しないように制御される(S214)。さらに、ステップS215へと遷移し、図8(b)に示したアラーム表示を行うように制御する。ここでは示していないが、ステップS215と共にシートトレイ12を所定量下降させるように制御してもよい。
また、ステップS206において第1の側端紙面検知センサ150が紙面を検知していなければ、ステップS209へと遷移し、第2の側端紙面検知センサ151も紙面を検知していなければ、その後の動作継続を許可しないように制御する(S212)。さらに、ステップS213へと遷移し、図8(a)に示したアラーム表示を行うように制御する。ここでは示していないが、ステップS213と共にシートトレイ12を所定量下降させるように制御してもよい。
また、ステップS207で第2の側端紙面検知センサ151が紙面を検出しない場合及びステップS209で第2の側端紙面検知センサ151が紙面を検出した場合には、ステップS210へと遷移して、その後の動作継続を許可しないように制御する。さらに、ステップS211へと遷移し、図8(b)に示したアラーム表示を行うように制御する。ここでは示していないが、ステップS211と共にシートトレイ12を所定量下降させるように制御してもよい。なお、ステップS203において、最上位シートと吸着搬送ベルト21との間の距離が所定値となっているか否かを判断しているが、この判断を、不図示のセンサがオンしているか否かで行ってもよい。