JP2011161599A - 磁気ディスク基板用研磨液組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミナ粒子、シリカ粒子、オキシアルキレン基を有する化合物、及び水を含有する磁気ディスク基板用研磨液組成物であって、前記シリカ粒子が透過型電子顕微鏡観察による測定で得られた前記シリカ粒子の粒径(nm)に対して小粒径側からの累積体積頻度(%)をプロットして得られた前記シリカ粒子の粒径対累積体積頻度グラフにおいて粒径10nmにおける累積体積頻度が0〜40%でありかつ粒径40nmにおける累積体積頻度が55〜100%である、磁気ディスク基板用研磨液組成物。
【選択図】図1
Description
本発明の研磨液組成物は、砥粒としてアルミナ粒子を含有する。本発明に用いられるアルミナ粒子としては、突き刺さり低減、うねり低減、表面粗さ低減、研磨速度向上及び表面欠陥防止の観点から、アルミナとしての純度が95%以上のアルミナが好ましく、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは99%以上のアルミナである。また、研磨速度向上の観点からは、α−アルミナが好ましく、基板の表面性状及びうねり低減の観点からは、中間アルミナ及びアモルファスアルミナが好ましい。中間アルミナとは、α−アルミナ以外の結晶性アルミナ粒子の総称であり、具体的にはγ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、η−アルミナ、κ−アルミナ、及びこれらの混合物等が挙げられる。その中間アルミナの中でも、研磨速度向上及びうねり低減の観点から、γ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ及びこれらの混合物が好ましく、より好ましくはγ−アルミナ及びθ−アルミナである。研磨速度向上及びうねり低減の観点からは、α−アルミナと、中間アルミナ及び/又はアモルファスアルミナとを混合して使用することが好ましく、α−アルミナと中間アルミナとを混合して使用することがより好ましく、α−アルミナとθ−アルミナとを混合して使用することがさらに好ましい。また、アルミナ粒子中のα−アルミナの含有量は、研磨速度向上及びうねり低減の観点から、20〜100重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましく、20〜75重量%がさらに好ましい。本発明において、アルミナ粒子中のα−アルミナの含有量は、WA−1000(昭和電工(株)製 アルミナ粒子)の104面のピーク面積を100%として、X線回折におけるα−アルミナの対応ピーク面積を相対比較することにより求める。
本発明の研磨液組成物は、砥粒として、アルミナ粒子とともにシリカ粒子を含有する。シリカ粒子としては、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、表面修飾したシリカ等が挙げられ、中でも、基板のうねり低減及び経済性の観点から、コロイダルシリカが好ましい。なお、コロイダルシリカ粒子は、例えば、ケイ酸水溶液から生成させる製法により得ることができる。
本発明の研磨液組成物は、研磨速度及びロールオフ特性の向上の観点から、オキシアルキレン化合物を含有する。オキシアルキレン化合物は、オキシアルキレン基を有していれば特に限定されない。オキシアルキレン化合物は、研磨速度及びロールオフ特性の向上、並びに、基板のうねり低減の観点から、ノニオン性又はアニオン性の化合物であることが好ましく、ノニオン性の化合物であることがさらに好ましい。
カラム:α+α−M+α−M(東ソー社製)
溶離液:60mmol/L H3PO4、50mmol/L LiBr/DMF
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
標準物質:ポリスチレン
分子量Mw=590 (A−500) 東ソー社製
分子量Mw=3,600 西尾工業社製
分子量Mw=30,000 西尾工業社製
分子量Mw=96,400 (F−10) 東ソー社製
分子量Mw=929,000 (80323) ケムコ社製
分子量Mw=8,420,000 (F−850) 東ソー社製
本発明の研磨液組成物は水を含み、前記水は媒体として機能しうる。前記水としては、蒸留水、イオン交換水、超純水等が挙げられる。被研磨基板の表面清浄性の観点からイオン交換水及び超純水が好ましく、超純水がより好ましい。研磨液組成物中の水の含有量は、60〜99.4重量%が好ましく、70〜98.9重量%がより好ましい。また、本発明の効果を阻害しない範囲内でアルコール等の有機溶剤を配合してもよい。
本発明の研磨液組成物は、研磨速度及びロールオフ特性の向上の観点から、酸を含むことが好ましい。本明細書において、本発明の研磨液組成物における酸の使用は、酸及び又はその塩の使用を含む。本発明の研磨液組成物に使用される酸としては、研磨速度の向上の観点から、その酸のpK1が2以下の化合物が好ましく、スクラッチを低減する観点から、好ましくはpK1が1.5以下、より好ましくは1以下、さらに好ましくはpK1で表せない程の強い酸性を示す化合物である。好ましい酸は、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等の有機ホスホン酸、グルタミン酸、ピコリン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、ニトロ酢酸、マレイン酸、オキサロ酢酸等のカルボン酸等が挙げられる。中でも、研磨速度及びロールオフ特性の向上の観点から、無機酸、カルボン酸、有機ホスホン酸が好ましい。また、無機酸の中では、硝酸、硫酸、塩酸、過塩素酸がより好ましく、リン酸、硫酸がさらに好ましい。カルボン酸の中では、クエン酸、酒石酸、マレイン酸がより好ましく、クエン酸がさらに好ましい。有機ホスホン酸の中では、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びそれらの塩がより好ましく、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)がさらに好ましい。これらの酸及びその塩は単独で又は2種以上を混合して用いてもよいが、研磨速度及びロールオフ特性の向上並びに基板の洗浄性向上の観点から、2種以上を混合して用いることが好ましく、リン酸、硫酸、クエン酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸からなる群から選択される2種以上の酸を混合して用いることがさらに好ましい。ここで、pK1とは有機化合物または無機化合物の第一酸解離定数(25℃)の逆数の対数値である。各化合物のpK1は例えば改訂4版化学便覧(基礎編)II、pp316−325(日本化学会編)等に記載されている。
本発明の研磨液組成物は、研磨速度及びロールオフ特性の向上の観点から、酸化剤を含むことが好ましい。本発明の研磨液組成物に使用できる酸化剤としては、研磨速度及びロールオフ特性の向上の観点から、過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩、金属塩類、硝酸類、硫酸類等が挙げられる。
本発明の研磨液組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤等が挙げられる。研磨液組成物中のこれら他の任意成分の含有量は、0〜10重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましい。
本発明の研磨液組成物のpHは、研磨速度及びロールオフ特性の向上の観点から、上記の酸を用いてpH1〜6に調整することが好ましく、pH1〜4がより好ましく、pH1〜3がさらに好ましく、pH1〜2がさらにより好ましい。オキシアルキレン化合物がシリカ粒子を凝集させ、アルミナ粒子に吸着した小径のシリカ粒子を取り除き研磨速度を向上させていると推定されることから、オキシアルキレン化合物がシリカ粒子と凝集しやすいpH2以下の強酸性領域においてオキシアルキレン化合物による研磨速度向上能が大きく発現される。従って、研磨速度向上の観点からpH1〜2が好ましい。
本発明の研磨液組成物は、例えば、アルミナ粒子、シリカ粒子、オキシアルキレン化合物、及び水と、さらに所望により、酸、酸化剤、及び他の成分とを公知の方法で混合することにより調製できる。この際、シリカ粒子は、濃縮されたスラリーの状態で混合されてもよいし、水等で希釈してから混合されてもよい。本発明の研磨液組成物中における各成分の含有量や濃度は、上述した範囲であるが、その他の態様として、本発明の研磨液組成物を濃縮物として調製してもよい。前記混合は、特に制限されず、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の撹拌機等を用いて行うことができる。
本発明は、その他の態様として、磁気ディスク基板の製造方法(以下、本発明の製造方法ともいう。)に関する。本発明の製造方法は、上述した本発明の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程(以下、「本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程」ともいう。)を含む磁気ディスク基板の製造方法である。これにより、研磨速度が向上した研磨工程を介して、研磨後の基板のロールオフが低減された磁気ディスク基板を提供しうる。本発明の製造方法は、とりわけ、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造方法に適している。よって、本発明の製造方法は、その他の態様として、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程を含む垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造方法である。
本発明で使用される研磨パッドとしては、特に制限はなく、スエードタイプ、不織布タイプ、ポリウレタン独立発泡タイプ、又はこれらを積層した二層タイプ等の研磨パッドを使用することができるが、研磨速度の観点から、スエードタイプの研磨パッドが好ましい。
研磨荷重は、研磨時に被研磨基板の研磨面に加えられる定盤の圧力を意味する。本発明の製造方法における研磨荷重は、ロールオフをさらに向上できるため、50kPa以下が好ましく、40kPa以下がより好ましく、30kPa以下がさらに好ましい。また、前記研磨荷重は、生産性をさらに向上できるため、3kPa以上が好ましく、5kPa以上がより好ましく、7kPa以上がさらに好ましい。したがって、前記研磨荷重は、3〜50kPaが好ましく、5〜40kPaがより好ましく、7〜30kPaがさらに好ましい。前記研磨荷重の調整は、定盤や基板等への空気圧や重りの負荷によって行うことができる。
本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程における本発明の研磨液組成物の供給速度は、コスト低減の観点から、被研磨基板1cm2あたり0.25mL/分以下が好ましく、0.2mL/分以下がより好ましい。また、前記供給速度は、研磨速度をさらに向上できることから、被研磨基板1cm2あたり0.01mL/分以上が好ましく、0.025mL/分以上がより好ましく、0.05mL/分以上がさらに好ましい。したがって、前記供給速度は、被研磨基板1cm2あたり0.01〜0.25mL/分が好ましく、0.025〜0.2mL/分がより好ましく、0.05〜0.15mL/分がさらに好ましい。
本発明において好適に使用される被研磨基板の材質としては、例えばシリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属若しくは半金属、又はこれらの合金や、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質や、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料や、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。中でも、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属や、これらの金属を主成分とする合金を含有する被研磨基板が好適である。特にNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板や、結晶化ガラス、強化ガラス等のガラス基板に適しており、中でもNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板が適している。
本発明は、その他の態様として、上述した研磨液組成物を研磨パッドに接触させながら被研磨基板を研磨することを含む被研磨基板の研磨方法に関する。本発明の研磨方法を使用することにより、研磨速度が向上した研磨、及び、研磨後の基板のロールオフが低減された磁気ディスク基板、特に垂直磁気記録方式の磁気ディスク基板が好ましくは提供される。本発明の研磨方法における前記被研磨基板としては、上述のとおり、磁気ディスク基板や磁気記録用媒体の基板の製造に使用されるものが挙げられ、なかでも、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造に用いる基板が好ましい。なお、具体的な研磨の方法及び条件は、上述のとおりとすることができる。
α−アルミナ(二次粒子の体積中位粒径:0.3μm、バイコウスキージャパン製)、θ−アルミナ(二次粒子の体積中位粒径:0.16μm、バイコウスキージャパン製)、コロイダルシリカ、オキシアルキレン化合物、クエン酸、硫酸、過酸化水素及び水を用い、実施例1〜4、及び比較例1〜8の研磨液組成物を調製した。すべての研磨液組成物に、アルミナ砥粒として前記α−アルミナ(0.72重量%)及び前記θ−アルミナ(0.24重量%)を使用し(アルミナ合計0.96重量%)、酸として硫酸(0.4重量%)及びクエン酸(0.5重量%)を使用し、酸化剤として過酸化水素(1.2重量%)を使用した。研磨液組成物のpHはすべて1.4であった。また、オキシアルキレン化合物は実施例1〜4、比較例6、8に使用した。比較例2及び3においてはオキシアルキレン化合物に換えてそれぞれジメチルアミン/アリルクロライド共重合体(PAS-H-5L、日東紡社製)及びポリアクリル酸(DL453、日本触媒社製)を使用した。
オキシアルキレン化合物a:スチレン/ポリエチレングリコール(EO23モル)メタクリレート共重合体(下記の製造方法により合成)、分子量:58000
オキシアルキレン化合物b:ポリオキシエチレン(EO12モル)アルキルエーテル(エマルゲン320P、花王社製)、分子量:800
オキシアルキレン化合物c:メタクリル酸/ポリエチレングリコール(EO25モル)メタクリレート共重合体(FC−900、日本触媒社製)、分子量:48000
シリカ粒子としては、下記表1及び図1に示すシリカA〜D(シリカA、B及びD:日揮触媒化成社製、シリカC:ナルコカンパニー社製)を使用し、下記表2に示す組成で使用した(含有量3wt%)。
オキシアルキレン化合物aは、以下の方法により製造した。式(I)で表される構成単位を形成するためのモノマーとしてメトキシポリエチレングリコール(23モル)メタクリレート(PEGMA(EO23))を用い、式(II)で表される構成単位を形成するためのモノマーとしてスチレン(St)を用いて合成した。具体的には、(PEGMA(EO23))80g、St 20g、重合溶媒であるメチルエチルケトン100g及び重合開始剤(商品名V−65、和光純薬(株)製)1.0gを、撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素導入管が配置された反応器に入れて、65℃で6時間重合反応を行った後、乾燥させて共重合体を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は、12.5万であった。また、共重合体における(PEGMA(EO23))の割合は、80重量%(モル%)であり、Stの割合は、20重量%(モル%)であった。なお、共重合体の重量平均分子量、及び、共重合体における各構成単位の割合は、以下のようにして測定した。
共重合体をクロロホルムに溶解し、以下の条件で重量平均分子量を測定した。
〔GPC条件〕
カラム:α+α−M+α−M(東ソー社製)
溶離液:60mmol/L H3PO4、50mmol/L LiBr/DMF
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
標準物質:ポリスチレン
分子量Mw=590 (A−500) 東ソー社製
分子量Mw=3,600 西尾工業社製
分子量Mw=30,000 西尾工業社製
分子量Mw=96,400 (F−10) 東ソー社製
分子量Mw=929,000 (80323) ケムコ社製
分子量Mw=8,420,000 (F−850) 東ソー社製
共重合体を重水素置換ジメチルスルホキシドに溶解し(共重合体の濃度:1重量%)、プロトン核磁気共鳴スペクトルを用いて測定した。
以下の測定条件で二次粒子の粒径(D10、D50及びD90)を測定した。なお、D10、D50及びD90とは、小粒径側からの積算粒径分布(体積基準)がそれぞれ10%、50%及び90%となる粒径であり、このうち、D50を体積中位粒径とする。
〔サンプルの調整と測定方法〕
0.5%ポイズ530(花王社製)水溶液を分散媒として、下記測定装置内に投入し、続いて透過率が75〜95%になるようにサンプルを投入し、その後、5分間超音波を掛けた後、粒径を測定した。
測定機器 :堀場製作所製 レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA920
循環強度 :4
超音波強度:4
研磨液組成物20gを105℃で5時間乾燥させて粉末とした。そして、得られた粉末について、X線回折装置(理学電機製、型番:RINT2500VPC)にて管電圧40kW、管電流120mAの条件で104面のピーク面積を測定し、同様に測定した昭和電工製アルミナ粒子WA−1000のピーク面積から下記式のとおりに算出することによって求めた。
α−アルミナ含有量(重量%)=(試験試料ピーク面積)÷(WA−1000のピーク面積)×99.9
調製した実施例1〜4及び比較例1〜8の研磨液組成物を用いて、下記の研磨条件で前記基板を研磨した。
被研磨基板は、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板を用いた。なお、この被研磨基板は、厚み1.27mm、直径95mm、「Zygo社製 NewView5032」を用いた測定におけるうねり(波長:0.5〜5mm)の振幅が1.6nmであった。
研磨試験機 :両面研磨機(9B型両面研磨機、スピードファム(株)製)
研磨パッド :厚み1.04mm、平均開孔径43μm(FILWEL製)
定盤回転数 :45rpm
研磨荷重 :12.3kPa(設定値)
研磨液供給量 :100mL/min(0.076mL/(cm2・min))
研磨量(片面) :130mg
投入した基板の枚数:10枚
[研磨速度の評価]
実施例1〜4及び比較例1〜8の研磨液組成物の研磨速度は、以下の方法で評価した。まず、研磨前後の各基板の重さを計り(Sartorius社製「BP−210S」)を用いて測定し、各基板の重量変化を求め、10枚の平均値を重量減少量とし、それを研磨時間で割った値を重量減少速度とした。この重量減少速度を下記の式に導入し、研磨速度(μm/min)に変換した。その結果を下記表2に示す。
研磨速度(μm/min)=重量減少速度(g/min)/基板片面面積(mm2)/Ni−Pメッキ密度(g/cm3)×106
(基板片面面積:6597mm2、Ni−Pメッキ密度:7.9g/cm3として算出)
研磨後の10枚の基板から任意に1枚を選択し、選択した各基板の両面を90°おきに4点(計8点)について、下記の条件で測定した。その8点の測定値の平均値を基板のうねりとして算出した。得られた結果を下記表2に示す。
機器 :Zygo NewView5032
レンズ :2.5倍 Michelson
ズーム比 :0.5
リムーブ :Cylinder
フィルター :FFT Fixed Band Pass(0.5〜5mm)
エリア :4.33mm×5.77mm
実施例1〜4及び比較例1〜8の研磨液組成物を用いて研磨した後の基板について、下記の条件で、ロールオフを測定した。得られた結果を下記表2に示す。この値が正に大きいほどロールオフ特性は良好であることを示す。
〔測定条件〕
測定機器 :商品名New View 5032(Zygo社製)
レンズ :2.5倍
ズーム :0.5倍
解析ソフト:商品名Zygo Metro Pro(Zygo社製)
図2に示すように、基板最端部から3.0mm及び4.0mmの基板表面をそれぞれA点及びB点とし、A点とB点を結ぶ延長線を第1基準線とする。この第1基準線と、基板最端部から0.5mmの基板表面C点との距離を測定し、最も短いものをロールオフ(nm)とした。
Claims (7)
- アルミナ粒子、シリカ粒子、オキシアルキレン基を有する化合物、及び水を含有する磁気ディスク基板用研磨液組成物であって、前記シリカ粒子は、透過型電子顕微鏡観察による測定で得られた前記シリカ粒子の粒径(nm)に対して小粒径側からの累積体積頻度(%)をプロットして得られた前記シリカ粒子の粒径対累積体積頻度グラフにおいて、粒径10nmにおける累積体積頻度が0〜40%であり、かつ粒径40nmにおける累積体積頻度が55〜100%である、磁気ディスク基板用研磨液組成物。
- pHが1〜4の範囲である、請求項1又は2に記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
- オキシアルキレン基を有する化合物の含有量が、研磨液組成物中10〜10000ppmである、請求項1から3のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
- アルミナ粒子がα−アルミナ及び中間アルミナを含有する、請求項1から4のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
- 前記アルミナ粒子と前記シリカ粒子の重量比(アルミナ粒子重量/シリカ粒子重量)が、10/90〜60/40の範囲である、請求項1から5のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
- 請求項1から6のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法。
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