JP5461772B2 - 研磨液組成物 - Google Patents

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本発明は、研磨液組成物及び基板の製造方法に関する。
コンピューターの急速な普及やデジタル放送等の開始等に伴い、ハードディスクドライブの高容量・小径化が求められている。例えば、ハードディスクドライブに使用されるメモリーハードディスクの記録密度を上げる方法として、磁気ヘッドの浮上量を低下させて、単位記録面積を小さくすることが提案されている。しかしながら、ヘッドの低浮上化に対応するためには、ハードディスク基板の表面の表面粗さ、うねり、ロールオフなどを低減する必要がある。かかる要求を満たすために、研磨後の基板のスクラッチを低減し得る研磨材スラリー(特許文献1〜4)や、ロールオフを低減できる研磨液組成物(特許文献5)が知られている。また、半導体分野においても、高集積化と高速化が進んでおり、特に高集積化では配線の微細化が要求されている(特許文献6)。
特開2000−15560号公報 特開2000−458号公報 特開2001−155332号公報 特開平5−177554号公報 特開2002−167575号公報 特開2003−249469号公報
メモリーハードディスク基板の高密度化に必要な表面品質を達成するためには、磁気ヘッドの浮上量低減の観点から、うねりの低減は重要な課題である。また、半導体装置の製造プロセスにおいては、フォトレジストに露光する際の焦点深度が浅くなりつつあるため、うねりの低減を含むより一層の表面平滑性が望まれている。
本発明は、基板表面のうねりを低減できる研磨液組成物及びうねり等の表面品質が向上した基板を製造できる基板の製造方法を提供する。
本発明の研磨液組成物は、研磨材及び水を含有する研磨液組成物であって、研磨材が粒子の丸さの度合いを示す形状係数SF−1が140〜250である第一研磨粒子と形状係数SF−1が100〜130である第二研磨粒子とを含有し、第一研磨粒子は平均粒径0.01〜0.45μmのアルミナ粒子であり、第二研磨粒子の平均粒径が第一研磨粒子の平均粒径よりも大きい研磨液組成物である。なお、後述するとおり、形状係数SF−1は電子顕微鏡観察で得られる研磨粒子の最大径を直径とする円の面積を電子顕微鏡観察で得られる該研磨粒子の投影面積で除して100を乗じた値である。また、本発明の基板の製造方法は(以下、本発明の製造方法ともいう)、前記研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を有する、基板の製造方法である。
本発明によれば、基板のうねりが低減され、高記録密度に適したハードディスク基板や高集積化された半導体装置を製造できるという効果が好ましくは奏される。また、本発明によれば、経済的な研磨速度で生産性を損なうことなく基板を研磨することができるという効果が好ましくは奏される。
本発明において基板の「うねり」とは、粗さよりも波長の長い基板表面の凹凸をいい、本明細書においては特に言及しない限り波長0.5〜5mmのうねりを含む。この基板のうねりが低減されることにより、磁気ヘッドの浮上量が低減でき、磁気ディスク基板の記録密度向上が可能となる。本発明は、粒径が小さく研磨力の高い研磨粒子(以下、第一研磨粒子ともいう)と粒径が大きく研磨力が低い研磨粒子(以下、第二研磨粒子ともいう)とを併用する研磨液組成物であれば研磨後の基板のうねりを低減できるという知見に基づく。なお、本発明では、粒子の丸さの度合いを示す形状係数SF−1(後述)を使用する。本発明のうねり低減効果が奏されるメカニズムについては、未だ不明であるが、平均粒径が大きく研磨力の低い研磨粒子が基板−研磨パッド間の距離を広げ、平均粒径が小さく研磨力の高い研磨粒子が基板表面の凸部を研磨するため、基板表面のうねりが低減されると推定される。ただし、これらの推測は、本発明を限定するものではない。
本発明の研磨液組成物は、上述したように、研磨材及び水を含有する研磨液組成物であって、研磨材が粒子の丸さの度合いを示す形状係数SF−1が140〜250である第一研磨粒子と形状係数SF−1が100〜130である第二研磨粒子とを含有し、第一研磨粒子は平均粒径0.01〜0.45μmのアルミナ粒子であり、第二研磨粒子の平均粒径が第一研磨粒子の平均粒径よりも大きいことを技術的特徴の1つする。このような技術的特徴を備えることにより、本発明は、経済的な研磨速度で生産性を損なうことのない基板の研磨と研磨後の基板のうねり低減とが可能となり、高記録密度に適したハードディスク基板や高集積化された半導体装置を製造できるという効果を好ましくは奏する。
[研磨材]
本発明の研磨液組成物における研磨材は、後述する第一研磨粒子及び第二研磨粒子を含み、必要に応じて第一研磨粒子及び第二研磨粒子以外の研磨粒子も含みうる。第一研磨粒子として使用する研磨粒子は、α−アルミナ、アルミナゾル等のアルミナ粒子であり、研磨速度向上、表面欠陥防止、及びうねり低減の観点から、α−アルミナ粒子がより好ましい。第二研磨粒子として使用する研磨粒子の具体例としては、アルミナ、炭化ケイ素、ダイアモンド、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等の粒子が挙げられる。Ni−Pめっきされたアルミニウム合金基板が被研磨基板である場合の粗研磨には、第二研磨粒子としてはα−アルミナ、アルミナゾル等のアルミナ粒子が好ましく、α−アルミナ粒子が、研磨速度向上、表面欠陥防止、及びうねり低減の観点からより好ましい。第一研磨粒子及び第二研磨粒子以外の研磨粒子としては、中間アルミナが好ましく、中間アルミナとしては、θ−アルミナが好ましい。
本発明における第一研磨粒子は、丸さの度合いを示す形状係数SF−1が140〜250である研磨粒子をいう。SF−1が前記範囲である第一研磨粒子は、研磨速度の向上に寄与することができる。研磨速度向上の観点から、第一研磨粒子のSF−1は、150〜250の範囲であることが好ましく、150〜200の範囲であることがより好ましく、150〜175の範囲であることがさらに好ましく、150〜160の範囲であることがさらにより好ましい。本発明における第二研磨粒子は、SF−1が100〜130である研磨粒子をいう。SF−1が前記範囲である第二研磨粒子は、うねり低減に寄与することができる。うねり低減の観点から、第二研磨粒子のSF−1は、100〜125の範囲であることが好ましく、100〜120の範囲であることがより好ましく、100〜115の範囲であることがさらに好ましく、100〜110の範囲であることがさらにより好ましい。
本発明において形状係数SF−1とは、丸さの度合いを示すものであって、電子顕微鏡観察で得られる研磨粒子の最大径を直径とする円の面積を電子顕微鏡観察で得られる該研磨粒子の投影面積で除して100を乗じた値をいう(特許第3253228号参照)。また、SF−1は、100に近いほど球状に近い形状であることを表わす。前記電子顕微鏡としては、特に制限されないが、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型電気顕微鏡(SEM)が使用できる。SF−1の測定は、実施例に記載のように行えるが、測定方法はこれに限定されない。
第一研磨粒子の平均粒径は、研磨速度向上及びうねり低減の観点から、0.01〜0.45μmであり、0.05〜0.45μmがより好ましく、0.1〜0.45μmがさらに好ましい。また、第二研磨粒子の平均粒径は、うねり低減の観点から、第一研磨粒子の平均粒径より大きい。第二研磨粒子の平均粒径は、うねりを低減させる観点から、0.4〜1μmが好ましく、0.4〜0.8μmがより好ましく、0.4〜0.7μmがさらに好ましく、0.4〜0.6μmがさらにより好ましい。これらの研磨粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(好適には3000〜30000倍)又は透過型電子顕微鏡(好適には10000〜300000倍)で観察して画像解析を行い、個数基準の平均粒径として求めることができる。具体的には後述の実施例のようにして求めることができる。
第二研磨粒子の平均粒径と第一研磨粒子の平均粒径との比(第二研磨粒子の平均粒径/第一研磨粒子の平均粒径)は、研磨速度向上及びうねり低減の観点から、好ましくは1.1〜5、より好ましくは1.2〜3、さらに好ましくは1.3〜2である。
研磨液組成物中の研磨材の含有量は、研磨速度の向上及びうねり低減の観点から、0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.5重量%以上がさらに好ましく、1重量%以上がさらにより好ましい。また、ロールオフ低減及び表面品質向上の観点から、40重量%以下が好ましく、35重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましく、25重量%以下がさらにより好ましい。従って、研磨液組成物中の研磨材の含有量は、0.05〜40重量%が好ましく、0.1〜35重量%がより好ましく、0.5〜30重量%がさらに好ましく、1〜25重量%がさらにより好ましい。なお、第一研磨粒子の第二研磨粒子に対する重量比(第一研磨粒子の重量/第二研磨粒子の重量)としては、研磨速度の向上及びうねり低減の観点から、0.1〜4の範囲であることが好ましく、0.2〜3がより好ましく、0.3〜2がさらに好ましく、0.4〜1.5がさらにより好ましい。
研磨材における粒子径が1μm以上の粗大粒子の含有量は、基板への研磨粒子の突き刺さり低減の観点から、0.2重量%以下であり、好ましくは0.15重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以下である。また、研磨材における粒子径が3μm以上の粗大粒子の含有量は、同様の観点から、0.05重量%以下が好ましく、より好ましくは0.04重量%以下、さらに好ましくは0.03重量%以下、さらにより好ましくは0.02重量%以下、さらにより好ましくは0.01重量%以下である。なお、前記「粒子径が1μm以上の粗大粒子」又は「粒子径が3μm以上の粗大粒子」は、一次粒子のみならず、二次粒子も含むものとする。
研磨材における粗大粒子の含有量の測定には、個数カウント方式(Sizing Particle Optical Sensing法)が使用できる。具体的には、米国パーティクルサイジングシステムズ(Particle Sizing Systems)社製「アキュサイザー(Accusizer)780」によって、研磨粒子の粒子径を測定することにより該含有量を求めることができる。研磨材における粗大粒子の含有量を制御する方法としては、特に限定はなく、研磨液組成物の製造の際あるいは製造後に行う一般的な分散方法あるいは粒子除去方法を採用できる。具体的には、湿式の循環式ビーズミルにより均一に解砕した研磨粒子スラリーを、静置沈殿法や遠心分離装置等による沈降又は濾過材による精密濾過などにより粗大粒子を除去して粗大粒子の含有量を制御できる。粗大粒子の除去処理は、単独又は2種以上の方法で処理しても良く、その処理条件や処理回数、2種以上の方法の組合せの処理順序については、適宜選択して設定できる。
[水]
本発明の研磨液組成物における水は、媒体として使用されるものであり、蒸留水、イオン交換水、又は超純水等が使用され得る。研磨液組成物中の水の含有量は、研磨液組成物の取り扱い性(粘度)の観点から、55重量%以上が好ましく、75%重量%以上がより好ましく、85重量%以上がさらに好ましく、90重量%以上がさらにより好ましい。また、研磨速度の向上、並びに突き刺さり及びうねり低減の観点から、99.8重量%以下が好ましく、99.3重量%以下がより好ましく、98.8重量%以下がさらに好ましい。従って、研磨液組成物中の水の含有量は55〜99.8重量%が好ましく、75〜99.8重量%がより好ましく、85〜99.3重量%がさらに好ましく、90〜98.8重量%がさらにより好ましい。
[酸及び/又はその塩]
本発明の研磨液組成物は、研磨速度向上及びうねり低減の観点から、酸及び/又はその塩を含有することが好ましい。本発明に用いられ得る酸は、研磨速度の向上、並びに突き刺さり及びうねり低減の観点から、そのpK1が好ましくは7以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下、さらにより好ましくは2以下の酸である。ここで、pK1とは、第1酸解離定数(25℃)の逆数の対数値である。各化合物のpK1は、例えば化学便覧改訂4版(基礎編)II、p316〜325(日本化学会編)等に記載されている。
本発明に用いられ得る酸の具体例を以下に示す。無機酸としては硝酸、塩酸、過塩素酸、アミド硫酸等の一価の鉱酸と、硫酸、亜硫酸、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等の多価鉱酸が挙げられる。また、有機酸としてはギ酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、プロパン酸、ヒドロキシプロパン酸、酪酸、安息香酸、グリシン等のモノカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、フタル酸、ニトロトリ酢酸、エチレンジアミン四酢酸等の多価カルボン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のアルキルスルホン酸、エチルリン酸、ブチルリン酸等のアルキルリン酸、ホスホノヒドロキシ酢酸、ヒドロキリエチリデンジホスホン酸、ホスホノブタントリカルボン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸等の有機ホスホン酸等が挙げられる。この中でも、研磨速度の向上、並びに突き刺さり及びうねり低減の観点から、多価酸が好ましく、より好ましくは多価鉱酸、多価カルボン酸、及び有機ホスホン酸、さらに好ましくは多価鉱酸及び多価カルボン酸である。ここで多価酸とは分子内に2つ以上の水素イオンを発生させ得る水素を持つ酸をいう。また、被研磨物の表面汚れ防止の観点からは、硝酸、硫酸、アルキルスルホン酸及び多価カルボン酸が好ましい。
前記酸は単独で用いても良いが、2種以上を混合して使用することが好ましい。特に、Ni−Pメッキ基板のような金属表面を研磨する場合で、研磨中に被研磨物の金属イオンが溶出して研磨液組成物のpHが上昇し、高い研磨速度が得られないとき、pH変化を小さくするためにpK1が2.5未満の酸とpK1が2.5以上の酸とを組み合わせて使用することが好ましく、pK1が1.5以下の酸とpK1が2.5以上の酸とを組み合わせて使用することがより好ましい。このような2種以上の酸を含有する場合、研磨速度向上及びうねり低減、かつ入手性を考慮すると、pK1が2.5未満の酸としては、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等の鉱酸や有機ホスホン酸を用いることが好ましい。一方、pK1が2.5以上の酸としては、同様な観点から、酢酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イタコン酸、マレイン酸等の有機カルボン酸が好ましく、中でも、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イタコン酸、マレイン酸が好ましく、クエン酸がより好ましい。また、研磨速度向上及びうねり低減の観点から、pK1が2.5以上の有機カルボン酸を使用する場合は、オキシカルボン酸と2価以上の多価カルボン酸とを組み合わせて使用することがより好ましい。例えば、オキシカルボン酸としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられ、多価カルボン酸としては、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。従って、これらをそれぞれ1種以上組み合わせて使用することが好ましく、中でも、クエン酸と多価カルボン酸を組み合わせることが好ましい。
研磨液組成物中における前記酸及び/又はその塩の含有量は、研磨速度向上及びうねり低減の観点から、好ましくは0.002重量%以上、より好ましくは0.005重量%以上、さらに好ましくは0.007重量%以上、さらにより好ましくは0.01重量%以上である。また、該含有量は、表面品質及び経済性の観点から、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、さらにより好ましくは5重量%以下である。即ち、研磨液組成物中における酸及び/又はその塩の含有量は、好ましくは0.002〜20重量%、より好ましくは0.005〜15重量%、さらに好ましくは0.007〜10重量%、さらにより好ましくは0.01〜5重量%である。また、研磨速度向上の観点から、pK1が2.5未満の酸のpK1が2.5以上の酸に対する重量比〔(pK1が2.5未満の酸)/(pK1が2.5以上の酸)〕は、9/1〜1/9が好ましく、7/1〜1/7がより好ましく、5/1〜1/5がさらに好ましい。
[酸化剤]
本発明における研磨液組成物は、研磨速度の向上、並びに突き刺さり及びうねり低減の観点から、酸化剤を含有することが好ましい。本発明に用いられる酸化剤としては、例えば、過酸化物、金属のペルオキソ酸若しくはその塩、又は酸素(オキソ)酸若しくはその塩等が挙げられる。酸化剤はその構造から無機系酸化剤と有機系酸化剤に大別される。無機系酸化剤としては、過酸化水素; 過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化カルシウム、過酸化バリウム、過酸化マグネシウムのようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過酸化物; ペルオキソ炭酸ナトリウム、ペルオキソ炭酸カリウム等のペルオキソ炭酸塩; ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ一硫酸等のペルオキソ硫酸又はその塩; ペルオキソリン酸ナトリウム、ペルオキソリン酸カリウム、ペルオキソリン酸アンモニウム等のペルオキソリン酸又はその塩; ペルオキソホウ酸ナトリウム、ペルオキソホウ酸カリウム等のペルオキソホウ酸塩; ペルオキソクロム酸ナトリウム、ペルオキソクロム酸カリウム等のペルオキソクロム酸塩; 過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩; 過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過沃素酸ナトリウム、過沃素酸カリウム、沃素酸ナトリウム、沃素酸カリウム等の含ハロゲン酸素酸塩;及び塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硝酸アルミニウム等の無機酸金属塩等が挙げられる。有機系酸化剤としては、過酢酸、過蟻酸、過安息香酸等の過カルボン酸類; t−ブチルパーオキサイト、クメンパーオキサイト等のパーオキサイト; 及びクエン酸鉄(III)等の有機酸鉄(III)塩等が挙げられる。これらの内、研磨速度の向上、入手性、及び水への溶解度等の取り扱い性の観点から、無機系酸化剤が好ましい。中でも、過酸化水素、ペルオキソホウ酸ナトリウム、沃素酸ナトリウム及び沃素酸カリウムが好ましい。また、これらの酸化剤は一種でもよいが、二種以上を混合して用いてもよい。
酸化剤の研磨液組成物中の含有量は、研磨速度の向上、並びにうねり及び基板汚れの低減の観点から、0.002重量%以上が好ましく、0.005重量%以上がより好ましく、0.007重量%以上がさらに好ましく、0.01重量%以上がさらにより好ましい。また、ロールオフ低減及び表面品質の観点から、20重量%以下が好ましく、15重量%以上がより好ましく、10重量%以下がさらに好ましく、5重量%以下がさらにより好ましい。即ち、研磨液組成物中の酸化剤の含有量は、0.002〜20重量%が好ましく、0.005〜15重量%がより好ましく、0.007〜10重量%がさらに好ましく、0.01〜5重量%がさらにより好ましい。
[研磨液組成物のpH]
本発明の研磨液組成物のpHは、被研磨物の種類や要求品質等に応じて適宜決定することが好ましい。例えば、研磨液組成物のpHは、研磨速度向上及びうねり低減の観点と、加工機械の腐食防止性及び作業者の安全性の観点とから7未満が好ましく、0.1〜6がより好ましく、さらに好ましくは0.5〜5であり、さらにより好ましくは1〜5、さらにより好ましくは1〜4、さらにより好ましくは1〜3である。該pHは、必要により、硝酸、硫酸等の無機酸、オキシカルボン酸、多価カルボン酸、アミノポリカルボン酸、アミノ酸等の有機酸、及びそれらの金属塩やアンモニウム塩、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン等の塩基性物質を適宜、所望量で配合することで調整することができる。
[界面活性剤]
界面活性剤は、研磨液組成物の研磨パッドに対する濡れ性を向上させ、基板表面のうねり及び基板外周部の端面だれ(以下、「ロールオフ」ということがある。)を低減するのに有効な化合物である。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤等が挙げられる。うねり低減の観点から、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤が好ましく、非イオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤がより好ましく、非イオン性界面活性剤がさらに好ましい。界面活性剤として非イオン性界面活性剤を用いる場合には、例えば、親油基のアルキル鎖数又は親水基のオキシエチレン基及びオキシプロピレン基の平均付加モル数で親油性の調節を行う。またそれ以外の界面活性剤においては、親油基のアルキル鎖数を多くすることにより調節することが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、下記の一般式(I)で表されるものが好ましく使用され得る。
Y−(EO)l(PO)m−Z (I)
[式(I)中、EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、l及びmはそれぞれの平均付加モル数を示し、l+mは8〜100であり、Yは−OR1基、−OH基、又は−OCOR2基(R1及びR2は炭化水素基)であり、Zは−R3基、水素原子、又は−COR4基(R3及びR4は炭化水素基)である。]
上記以外の非イオン性界面活性剤としては、下記式(II)で表される構成単位と20℃の水100gに対する溶解度が2g以下の疎水性モノマーに由来する構成単位とを有する共重合体が挙げられる。前記共重合体において、下記式(II)で表される構成単位と前記疎水性モノマーに由来する構成単位との付加は、ランダム、ブロック又はグラフトのいずれであってもよく、これらの組合せであってもよい。
Figure 0005461772
上記式(II)において、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、AOは炭素数1〜8のオキシアルキレン基であり、pは0又は1であり、nはAOの全平均付加モル数であって6〜300の数であり、(AO)nにおけるオキシエチレン基の占める割合は80モル%以上である。
前記疎水性モノマーは、20℃の水100gに対する溶解度が2g以下、すなわち水難溶性を示す。前記疎水性モノマーに由来する構成単位は、ロールオフ低減の観点から、下記式(III)〜(V)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1つの構成単位であることが好ましく、下記式(III)で表される構成単位であることがより好ましい。また、共重合体の安定性の観点からは、前記疎水性モノマーに由来する構成単位は、下記式(V)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0005461772
上記式(III)において、R3は水素原子又はメチル基であり、Xは酸素原子又はNH基であり、R4は炭素数4〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール基であり、上記式(IV)において、R5は水素原子又はメチル基であり、R6は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、mはAOの全平均付加モル数であって3〜150の数であり、(AO)mにおけるオキシプロピレン基及びオキシブチレン基の占める割合は80モル%以上であり、上記式(V)において、R7は水素原子又はメチル基であり、R8は水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基である。
前記共重合体は、上記式(II)で表される構成単位を形成するためのモノマー及び前記疎水性モノマーに加えて、その他のモノマーを含んでもよい。
本発明の研磨液組成物中における界面活性剤の含有量は、研磨速度向上の観点から、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1重量%以下がさらに好ましい。また、研磨液組成物の濡れ性向上の観点から、0.001重量%以上が好ましく、0.01重量以上がより好ましく、0.05重量%以上がさらに好ましい。即ち、界面活性剤の研磨液組成物中の含有量は、0.001〜5重量%が好ましく、0.01〜3重量%がより好ましく、0.05〜1重量%がさらに好ましい。
[その他の成分]
本発明の研磨液組成物には、さらに研磨速度の向上及びうねりの低減、その他の目的に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、例えば、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、コロイダル酸化チタン等の金属酸化物砥粒、無機塩、増粘剤、防錆剤、塩基性物質等が挙げられる。無機塩の例としては、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸ニッケル、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、スルファミン酸アンモニウム等が挙げられる。無機塩は、研磨速度の向上、ロールオフの改良、研磨液組成物のケーキング防止等の目的で使用され得る。前記他の成分は単独で用いても良いし、2種類以上混合して用いても良い。研磨液組成物中における前記他の成分の含有量は、経済性の観点から、好ましくは0.05〜20重量%、より好ましくは0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜5重量%である。本発明の研磨液組成物には、さらなる他の成分として必要に応じて殺菌剤や抗菌剤等を配合することができる。研磨液組成物中におけるこれらの殺菌剤及び抗菌剤等の含有量は、機能を発揮する観点、並びに研磨性能への影響及び経済性の観点から、好ましくは0.0001〜0.1重量%、より好ましくは0.001〜0.05重量%、さらに好ましくは0.002〜0.02重量%である。
[研磨液組成物の調製方法]
本発明における研磨液組成物の調製方法は、何ら制限されず、少なくとも、前記研磨材、水、及び必要に応じて界面活性剤を混合することによって調製できる。調製の簡便さからは、本発明の研磨液組成物は、第一研磨粒子と第二研磨粒子とを混合して調製することが好ましい。前記研磨粒子の分散は、特に制限されず、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の撹拌機等を用いて行うことができる。研磨液組成物中における前記の各成分濃度は、研磨する際の好ましい濃度であるが、研磨液組成物が濃縮液として製造される場合は、これを使用前あるいは使用時において、上述した濃度となるように希釈することが好ましい。また、研磨液組成物は目的成分を任意の方法で添加、混合して製造することができる。
[基板の製造方法]
本発明の製造方法は、本発明の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程(以下、「本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程」と称することがある。)を含む基板の製造方法である。前記本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程を含むことにより、本発明の基板の製造方法によれば、経済的な研磨速度の研磨と、うねりが低減された基板の製造が可能となる。なお、本発明の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含むことが特徴であり、それ以外の条件及び工程等については何ら制限されない。本発明の基板の製造方法の態様としては、ハードディスク基板の製造方法や後述する半導体装置の製造方法が挙げられる。
「本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程」は、被研磨基板の研磨面に本発明の研磨液組成物を供給し、前記研磨面に研磨パッドを接触させ、所定の圧力(研磨荷重)をかけながら、研磨パッドや被研磨基板を動かすこと等によって行うことができる。なお、前記研磨は、従来公知の研磨装置により行うことができる。研磨液組成物は、そのまま使用してもよいし、濃縮液であれば希釈して使用すればよい。前記濃縮液を希釈する場合、その希釈倍率は、特に制限されず、前記濃縮液における各成分の濃度(研磨材の含有量等)や研磨条件等に応じて適宜決定できる。
前記被研磨基板としては、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク等の磁気ディスク基板、フォトマスク基板、光学レンズ、光学ミラー、光学プリズム、半導体装置などの精密部品用の基板が挙げられる。本発明の研磨液組成物が好適な被研磨基板の材質としては、例えばシリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属若しくは半金属、又はこれらの合金、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属及びこれらの金属を主成分とする合金を含有する被研磨物に好適である。例えば、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板や結晶化ガラス、強化ガラス等のガラス基板により適しており、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板がさらに適している。被研磨物の形状には特に制限は無く、例えばディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状のものに本発明の研磨液組成物は用いられる。中でも、ディスク状の被研磨物の研磨に優れている。
本発明で使用される研磨パッドとしては、特に限定はなく、例えば、不織布状あるいは多孔質の有機高分子からなる研磨パッドが使用され得る。研磨パッドの形状、大きさ等には特に限定はない。また、研磨パッドの材料としては、特に限定はないが、例えば、ウレタン等の有機高分子、有機高分子にカーボン、セリア等の種々の添加剤を含有させたもの等が挙げられる。研磨パッドの構成成分の1つであるウレタン化合物としては、原料であるイソシアネートと反応させる化合物の種類に応じて、主としてポリエーテル系ウレタン又はポリエステル系ウレタンの2つが挙げられる。一般的に、ポリエーテル系ウレタンは親油性が強く、ポリエステル系ウレタンは親水性が強い傾向がある。一般に、ポリエステル系ウレタンのパッドを用いた方が研磨後の基板のうねりが低くなる傾向にあり、ポリエーテル系ウレタンのパッドを用いると、研磨速度が高く、また、パッド寿命(使用可能時間)が長くなる傾向にある。従って、実生産においては、うねり低減の観点から、ポリエーテル系ウレタンの研磨パッドを用いることが好ましい。また、ポリエーテル系ウレタンとポリエステル系ウレタンが混合されている研磨パッドでは、研磨速度向上及びうねり低減の両立の観点から、ポリエーテル系ウレタンの含有量が多い方が好ましい。
前記研磨荷重は、研磨時に被研磨基板の研磨面に加えられる定盤の圧力を意味する。本発明の製造方法における研磨荷重は、研磨粒子の基板への突き刺さり低減及び研磨後の基板のうねりの低減の観点から、好ましくは50kPa以下、より好ましくは40kPa以下、さらに好ましくは30kPa以下である。また、前記研磨荷重は、生産性(研磨速度)の観点から、好ましくは3kPa以上、より好ましくは5kPa以上、さらに好ましくは7kPa以上である。したがって、前記研磨荷重は、3〜50kPaが好ましく、より好ましくは5〜40kPa、さらに好ましくは7〜30kPaである。前記研磨荷重の調整は、定盤や基板等への空気圧や重りの負荷によって行うことができる。その他の研磨条件(研磨機の種類、研磨温度、研磨速度、研磨液組成物の供給量等)については特に限定はない。
本発明の研磨液組成物の供給速度は、低コストの面から、被研磨基板1cm2あたり0.25mL/分以下が好ましく、より好ましくは0.2mL/分以下である。また、前記供給速度は、研磨速度をさらに向上できることから、被研磨基板1cm2あたり0.01mL/分以上が好ましく、より好ましくは0.025mL/分以上、さらに好ましくは0.05mL/分以上である。また、したがって、前記供給速度は、被研磨基板1cm2あたり0.01〜0.25mL/分が好ましく、より好ましくは0.025〜0.2mL/分、さらに好ましくは0.05〜0.15mL/分である。
本発明の製造方法によれば、経済的な研磨速度による被研磨基板の研磨が可能であり、研磨後の基板のうねりを低減することができる。なお、うねりは後述の実施例のようにして測定することができる。
[ハードディスク基板の製造方法]
上述のとおり、本発明の研磨液組成物を用いた研磨によりハードディスク基板を製造できるから、本発明はその一態様として、ハードディスク基板の製造方法に関する。本発明の研磨液組成物は、ポリッシング工程において一層効果があるが、これ以外の研磨工程、例えばラッピング工程等にも同様に適用することができる。この場合、被研磨基板としては、アルミニウム合金、ガラス、ガラス状カーボン等にNi−Pメッキを施した基板等が挙げられ、また、前記Ni−Pメッキに代えて各種金属化合物をメッキや蒸着等により被覆した基板等であってもよい。
本発明のハードディスク製造方法においては、2段階以上の研磨工程を有する多段研磨方式であることが好ましく、最終工程である仕上げ研磨工程よりも前の工程で、「本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程」を行なうことが好ましい。仕上げ研磨工程で使用する研磨液組成物においては、ハードディスク基板の表面品質の観点、例えば、うねりの低減、表面粗さの低減、スクラッチ等の表面欠陥低減の観点から、研磨粒子(砥粒)の一次粒子の平均粒子径が0.1μm以下であることが好ましく、0.08μm以下であることがより好ましく、0.05μm以下であることがさらに好ましく、0.03μm以下であることがさらにより好ましい。また、研磨速度向上の観点から、該平均粒子径が0.005μm以上であることが好ましく、0.01μm以上であることがより好ましい。
仕上げ研磨工程で使用される研磨液組成物中の研磨粒子としては、フュームドシリカ、コロイダルシリカ等が挙げられ、表面粗さの低減、及びスクラッチ等表面欠陥の低減の観点から、コロイダルシリカが好ましい。コロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径としては、0.005〜0.08μmが好ましく、0.005〜0.05μmがより好ましく、0.01〜0.03μmがさらに好ましい。仕上げ研磨工程において、一次粒子の平均粒子径が0.005〜0.1μmの研磨粒子を使用する場合、表面粗さの低減、研磨粒子の突き刺さりの低減の観点、及び生産性(研磨時間)の観点から、研磨量は、0.05〜0.5μmが好ましく、0.1〜0.4μmがより好ましく、0.2〜0.4μmがさらに好ましい。
仕上げ研磨を行なう際の他の条件(研磨機の種類、研磨温度、研磨速度、研磨液の供給量等)については特に限定はなく、研磨荷重としては、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程に例示される研磨荷重と同様であればよい。なお、研磨量は、後述の実施例のようにして求めることができる。本発明のハードディスク基板の製造方法により得られたハードディスク基板は、基板のうねりが顕著に低減されて表面品位が向上していることから、例えば、高記録密度化に適したものである。
[半導体基板の研磨方法、半導体装置の製造方法]
本発明の研磨液組成物は、半導体基板の研磨に使用した場合でもうねりの低減ができる。したがって、本発明はその一態様として、半導体基板の研磨方法に関する。前記半導体基板としては、例えば、シリコンウエハなどが挙げられ、その他、Si、またはGe等の元素半導体、GaAs,InP、またはCdS等の化合物半導体、InGaAs,HgCdTe等の混晶半導体等を材料とした基板が挙げられる。
また、「本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程」を、半導体装置の製造過程で行われる研磨工程、例えば、シリコンウエハ(ベアウエハ)のポリッシング工程、埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程、化学的機械的研磨(CMP)工程等に適用すると研磨後のうねりを低減できる。したがって、本発明はその他の態様として、「本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程」を含む半導体装置の製造方法に関する。
前記半導体装置の製造方法は、半導体基板上の一方の主面がわに薄膜を形成する薄膜形成工程と、薄膜の半導体基板がわの面の反対面に凹凸パターンを形成する凹凸面形成工程と、凹凸面を、本発明の研磨液組成物を用いて研磨する研磨工程とを含むことができる。薄膜形成工程は必要に応じて複数回行ってもよい。薄膜形成工程において形成される薄膜としては、例えば、絶縁層や、金属層、半導体層などの導体層などが挙げられる。上記絶縁層に含まれる材料としては、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、またはポリシリコン等が挙げられる。凹凸面の形成方法は、従来公知のリソグラフィー法等が挙げられる。リソグラフィー法では、フォトレジストの塗布、露光、現像、エッチングおよびフォトレジスト除去等がこの順に行われる。発明の半導体装置の製造方法により得られた半導体装置は、製造時における研磨後の表面のうねりが顕著に低減されて表面品位が向上していることから、例えば、高集積化が可能である。
1.研磨液組成物の調製
下記表1に示す研磨粒子、及び、硫酸(98重量%品)0.5重量%、クエン酸0.6重量%、硫酸アンモニウム0.5重量%、過酸化水素(35重量%品、旭電化社製)0.6重量%及びイオン交換水(残部)を配合して攪拌した。得られたスラリーをバックフィルター(ヘイワードジャパン株式会社製、型番:PE1−P03H−403)で濾過し、下記表1に示す実施例1〜10及び比較例1〜6の研磨液組成物を得た。なお、実施例3〜7には、界面活性剤として、ステアリルメタクリレートとメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(EO平均付加モル数23モル)との共重合体(SMA/PEGMA(EO:23)、SMAとPEGMAの重量比は20/80)、ラウリルメタクリレートとメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(EO平均付加モル数は120モル)との共重合体(LMA/PEGMA(EO:120)、LMAとPEGMAの重量比は10/90)、スチレンとメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(EO平均付加モル数は23モル)との共重合体(St/PEGMA(EO:23)、StとPEGMAの重量比は20/80)、ベヘニルメタクリレートとメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(EO平均付加モル数は90モル)との共重合体(BMA/PEGMA(EO:90)、BMAとPEGMAの重量比は30/70)、及びポリオキシエチレン基を140モル付加したステアリルアルコール(C18−O−(EO)140−H)をそれぞれ添加した。下記表1に示す研磨粒子の形状係数(SF−1)は、下記の方法に従い求めた。
研磨粒子の形状係数SF−1の測定方法
日本電子製透過型電子顕微鏡「JEM−2000FX」(80kV、1〜5万倍)により、当該顕微鏡のメーカーが添付した説明書に従って試料を観察し、TEM(Transmission Electron Microscope)像を写真撮影した。この写真をスキャナで画像データとしてパソコンに取り込み、解析ソフト「WinROOF ver.3.6」(販売元:三谷商事)を用いて、粒子一個の最大径と投影面積を計測し、前記最大径を直径とする円の面積を前記投影面積で除して100を乗じてSF−1を算出した。
研磨粒子の平均粒径の測定方法
上記と同様の方法により、試料のTEM像を写真撮影し、この写真をスキャナで画像データとしてパソコンに取り込み、解析ソフト「WinROOF ver.3.6」(販売元:三谷商事)を用いて、1個1個の研磨粒子の円相当径を求め、それを直径とし、1000個以上の研磨粒子データを解析した後、それをもとに表計算ソフト「EXCEL」(マイクロソフト社製)にて、研磨粒子の個数基準の平均粒径を得た。
2.研磨方法
厚さ1.27mm、直径3.5インチのNi−Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板の表面を両面加工機により、以下の設定条件でポリッシングし、磁気記録媒体用基板として用いられるNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板の研磨物を得た。なお、研磨用に用いた上記基板は、「Zygo社製 NewView5032」を用いた測定におけるうねり(波長:0.5〜5mm)の振幅が1.6nmであった。
両面加工機の設定条件
両面加工機:スピードファム(株)製、9B型両面加工機
研磨荷重:7.8kPa
定盤回転数:45r/min
研磨液組成物供給流量:100mL/min
研磨時間:4min
投入した基板の枚数:10枚
研磨パッド:エステル系ポリウレタンパッド、平均孔径43μm
3.評価方法
うねりの評価
研磨後の10枚の基板から任意に2枚を選択し、選択した各基板の両面を180°おきに2点(計8点)について、下記の条件で測定した。その8点の測定値の平均値を基板のうねりとして算出した。その結果を下記表1に示す。
機器 :Zygo NewView5032
レンズ :2.5倍 Michelson
ズーム比 :0.5
リムーブ :Cylinder
フィルター :FFT Fixed Band Pass
測定波長 :0.5〜5mm
エリア :4.33mm×5.77mm
研磨速度の測定方法
研磨前後の各基板の重さを重量計(Sartorius社製「BP−210S」)を用いて測定し、各基板の重量変化を求め、10枚の平均値を重量減少量とし、それを研磨時間で割った値を重量減少速度とした。この重量減少速度を下記の式に導入し、研磨速度(μm/min)に変換した。その結果を下記表1に示す。
研磨速度(μm/min)=重量減少速度(g/min)/基板片面面積(mm2)/Ni−Pメッキ密度(g/cm3)×106
(基板片面面積:6597mm2、Ni−Pメッキ密度:7.9g/cm3として算出)
Figure 0005461772
上記表に示される通り、実施例1〜10の研磨液組成物を用いた場合、比較例1〜6の研磨液組成物に比べ、被研磨基板の表面のうねりが低減されることが分かる。また、実施例1〜7の研磨液組成物を用いた場合、研磨速度を低下させることなく基板表面のうねりが低減できることが分かる。さらに、界面活性剤をさらに添加した実施例3〜7の研磨液組成物を用いた場合、界面活性剤を使用していない実施例2の研磨液組成物に比べて、うねりがさらに低減されることが分かる。
本発明を用いることにより、例えば、高記録密度化に適したハードディスク基板や高集積化された半導体装置を提供できる。

Claims (6)

  1. 研磨材及び水を含有する研磨液組成物であって、
    研磨材が、粒子の丸さの度合いを示す形状係数SF−1が140〜250である第一研磨粒子と、形状係数SF−1が100〜130である第二研磨粒子とを含有し、第一研磨粒子は、平均粒径0.01〜0.45μmのアルミナ粒子であり、第二研磨粒子は、平均粒径0.4〜1μmのアルミナ粒子であり、第二研磨粒子の平均粒径が、第一研磨粒子の平均粒径よりも大きい、研磨液組成物。
  2. 第一研磨粒子の第二研磨粒子に対する重量比(第一研磨粒子の重量/第二研磨粒子の重量)が、0.1〜4である、請求項1記載の研磨液組成物。
  3. 酸化剤をさらに含有する、請求項1又は2に記載の研磨液組成物。
  4. 酸及び/又はその塩をさらに含有する、請求項1からのいずれか一項に記載の研磨液組成物。
  5. 請求項1からのいずれか一項に記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を有する、基板の製造方法。
  6. 前記基板が、ハードディスク基板である、請求項記載の基板の製造方法。
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