JP6053311B2 - シリコン貫通電極構造を有する半導体基板の研磨に使用する研磨用組成物及びその研磨用組成物を用いる研磨方法 - Google Patents

シリコン貫通電極構造を有する半導体基板の研磨に使用する研磨用組成物及びその研磨用組成物を用いる研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコン貫通電極構造を有する半導体基板、例えば、シリコンと、電極を構成する材料である銅又は銅合金が表面に露出したウェーハの研磨に使用する研磨用組成物及びその研磨用組成物を用いる研磨方法に関する。
半導体装置の製造工程において近年、半導体を三次元に実装するための技術として、シリコン貫通電極(TSV)構造を有する半導体基板が用いられるようになった。シリコン貫通電極構造を有する半導体基板を研磨する場合、シリコン貫通電極材料と半導体材料であるシリコンを同時に研磨するため、シリコン貫通電極材料とシリコンとの研磨のされ方の違い、特に研磨速度や研磨後の表面精度の違いが問題となる場合がある。
従来から、シリコン貫通電極構造を有する半導体基板の研磨方法については検討がなされており、例えば特許文献1には、酸化剤としての過酸化水素と、錯化剤とを含有する研磨用組成物が記載されており、この研磨用組成物を用いた場合には、シリコンウェーハの銅汚染が低減されたことが記載されている。
一方、特許文献2に記載の研磨用組成物を用いた場合には、シリコン構成の研磨速度と、銅からなる導電材構成の研磨速度を、同時に6000Å/minの研磨速度で研磨できることが記載されている。特許文献2に記載の研磨用組成物は、有機アルカリ化合物と、酸化剤として亜塩素酸ナトリウム又は臭素酸カリウムを含有することが記載されており、有機アルカリ化合物として、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン及び1,2−ジアミノプロパンのようなアミン類を用いることが記載されている。
特許文献2に記載の研磨用組成物は、上記のようにシリコン構成と銅からなる導電材構成を、ほぼ同程度の研磨速度で研磨することを目的として組成されている。
特開2011−222715号公報 特開2011−66383号公報
特許文献1に記載されている研磨用組成物を用いて、シリコン貫通電極構造を有する半導体基板を研磨すると、酸化剤として含まれている過酸化水素が作用し、電極材料である銅又は銅合金の研磨速度は向上するが、過酸化水素はシリコン表面に酸化膜を生じさせる作用が大きいため、好適なシリコンの研磨速度を得ることはできないことがあった。一方、特許文献2には、当該文献に記載の研磨方法や研磨用組成物を用いて、シリコン及び銅の研磨速度を共に増加させることについての記載はあるものの、シリコンの研磨速度としてある一定以上の範囲を確保しつつ、銅の研磨速度についてはシリコンの研磨速度よりも低い研磨速度に抑えた上で一定以上の範囲を得ることについて記載はない。そして、特許文献2に記載の研磨方法では、研磨された銅により生じうるウェーハのシリコンの汚染に関しても記載がない。
このような状況下、本発明の目的は、シリコン貫通電極構造を有する半導体基板を研磨
する時に、シリコンの研磨速度を低下させない一方で、銅又は銅合金の研磨速度については、ある一定以上の研磨速度を維持しつつ、シリコンの研磨速度よりも低い研磨速度に抑えるとともに、ウェーハの研磨により生じうる、銅によるシリコンの汚染を防止することができる研磨用組成物及びその研磨用組成物を用いる研磨方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、標準電極電位が350〜740mVの酸化剤、シリコンの研磨促進剤、シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤、シリコンの汚染防止剤及び水を含有した研磨用組成物と、その研磨用組成物を用いて、銅又は銅合金面のようなシリコン貫通電極材料とシリコン面が露出したウェーハを研磨する研磨方法が提供される。
研磨用組成物は、砥粒をさらに含有してもよい。また、研磨用組成物のpHは9以上であることが好ましい。
本発明によれば、銅又は銅合金面のようなシリコン貫通電極材料とシリコン面が露出したウェーハの研磨時に起こりうる、シリコンの研磨速度の低下を抑えるとともに、銅又は銅合金のある一定以上の研磨速度を維持しつつ、ウェーハの研磨により生じうる、銅によるシリコンの汚染を防止することができる研磨用組成物及びその研磨用組成物を用いる研磨方法が提供される。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る研磨方法で研磨する前のウェーハの表面の断面図、図1(b)は、本発明の一実施形態に係る研磨方法で研磨した後のウェーハの表面の一例を示す断面図。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
本実施形態の研磨用組成物は、標準電極電位が350mV以上740mV以下の酸化剤、シリコンの研磨促進剤、シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤、シリコンの汚染防止剤及び水を含有する。
<標準電極電位が350〜740mVの酸化剤>
ウェーハを化学機械研磨する際に使用される研磨用組成物は、標準電極電位が350〜740mVの酸化剤を含有する。ここで言う酸化剤の標準電極電位は、標準水素電極(NHE)を基準にしたものであり、標準生成ギブズ自由エネルギーから求めることができる。一般的な物質の標準電極電位は、例えば日本化学会 著「化学便覧 基礎編」より読み取ることが出来る。
研磨用組成物中の酸化剤の標準電極電位が740mVを超える場合には、実用的なレベルのシリコンの研磨速度を得ることが困難である。実用上特に好適なレベルのシリコンの研磨速度を得るためには、研磨用組成物中の酸化剤の標準電極電位が740mV以下であり、より好ましくは720mV以下である。
一方、研磨用組成物中の酸化剤の標準電極電位が350mV未満である場合には、銅又は銅合金の研磨速度が低くなりすぎるため、銅又は銅合金の表面精度を悪化させる可能性がある。銅又は銅合金の研磨速度を実用上特に好適なレベルに維持するためには、研磨用組成物中の酸化剤の標準電極電位は350mV以上であり、より好ましくは370mV以上である。
研磨用組成物に含まれる前記酸化剤の含有量は、0.001〜5質量%であることが好ましい。研磨用組成物中の酸化剤の含有量が5質量%を超える場合には、実用的なレベル
の銅又は銅合金の研磨速度を得られない場合がある。実用上特に好適なレベルの銅又は銅合金の研磨速度を得るためには、研磨用組成物中の酸化剤の含有量が5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下である。
一方、研磨用組成物中の酸化剤の含有量が0.001質量%未満である場合には、銅又は銅合金の研磨速度が低くなりすぎるため、銅又は銅合金の表面精度を悪化させる場合がある。銅又は銅合金の研磨速度を実用上特に好適なレベルに維持するためには、研磨用組成物中の酸化剤の含有量は0.001質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.005質量%以上である。
研磨用組成物に含まれる酸化剤の種類は、標準電極電位が350〜740mVであれば、構成元素、構造等は特に限定されない。好ましい酸化剤としては、例えば、過ヨウ素酸、過塩素酸、亜塩素酸、臭素酸、過硫酸およびこれらの塩などが挙げられるがこれに限定されない。また、これらと形成する塩としては、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属塩やアンモニウム塩が挙げられる。
<シリコンの研磨促進剤>
本実施形態の研磨用組成物は、シリコンの研磨促進剤を含有する。シリコンの研磨促進剤とは、シリコンを化学的にエッチングし、シリコンを化学的に研磨する働きを有する。かかるシリコンの研磨促進剤は、シリコンの研磨速度を好適に保つばかりでなく、銅又は銅合金によるシリコンの汚染を防止する効果も有するものである。本発明におけるシリコンの研磨促進剤は、塩基性化合物であって、酸化銅を溶解しにくい化合物であり、かつ、エチレンジアミン、ジエチレンアミン、トリエチレンテトラミン、1,2−プロパンジアミンのようなアミン類以外の化合物が挙げられる。また、前述の効果をさらに効率良く発現させるためには、pKaが8以上のものであることがより好ましい。ここで、酸化銅を溶解しにくいとは、具体的には塩基性化合物の中でも、銅イオンと配位する元素、例えば窒素を有していないか、有していてもその窒素の周囲に他の基が存在し、立体障害となるため銅イオンと配位しにくい性質を有するものをいう。
具体的には、塩基性化合物であって、窒素を有している場合には、その元素と直接共有結合で結合し、立体障害となる基、例えば、ヒドロキシ基、カルボニル基、アルデヒド基、チオール基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アルキル基、アリール基、ベンジル基及びアルコキシ基などのような基を複数有しているものが挙げられる。
上記のシリコンの研磨促進剤としては、水酸化テトラメチルアンモニウムのような第四級アンモニウム及びその塩や、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムのようなアンモニウム塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属の水酸化物、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムのような炭酸塩、複素環式アミン化合物が挙げられる。
なお、上記の化合物はいずれもpKaが8以上である。
上記複素環式アミン化合物としては、ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン等のピペラジン類、ピリジン、ピペリジン、3−ピリジノール、イソニコチン酸、ピコリン酸、アセチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ニトロピリジン、2,4,6−トリス(2−ピリジル)−1,3,5−トリアジン[略称TPTZ]、3−(2−ピリジル)−5,6−ビス(4−スルフォニル)−1,2,4−トリアジン[略称PDTS]、syn−フェニル−2−ピリジルケトキシム[略称PPKS]等のピリジン類、ピラゾール、5−ピラロゾン等のピラゾール類、イミダゾール、メチルイミダゾール等のイミダゾール類、ベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール類が挙げられる。
上記の中でも、水酸化テトラメチルアンモニウム、アルカリ金属の水酸化物及びその塩をシリコンの研磨促進剤として用いることが好ましく、水酸化テトラメチルアンモニウムを用いることが特に好ましい。
前記のシリコンの研磨促進剤を研磨用組成物に含有させることで、シリコンと銅の研磨速度を所望のものに調整することができる。
また、シリコンの研磨促進剤として、エチレンジアミン、ジエチレンアミン、トリエチレンテトラミン、1,2−プロパンジアミンのようなアミン類(銅イオンと配位する窒素原子を有し、かつその窒素原子に立体障害となりうる基が結合していないもの)以外のものを用いることが、銅又は銅合金によるシリコンの汚染を防止する上で重要である。
前記シリコンの研磨促進剤を用いることで、研磨用組成物のpHを、9以上に調整することが好ましく、10以上に調整することがより好ましい。研磨用組成物のpHを9以上に調整した場合、実用上特に好適なレベルのシリコンの研磨速度を得ることが容易である。また、研磨用組成物のpHを、12以下に調整することが好ましく、11.5以下に調整することがより好ましい。研磨用組成物のpHが12を超えると、研磨用組成物の安定性が低下する場合がある。
研磨用組成物に含まれるシリコンの研磨促進剤の含有量は、0.01〜5質量%であることが好ましい。研磨用組成物中のシリコンの研磨促進剤の含有量が0.01質量%未満の場合には、実用的なレベルのシリコンの研磨速度を得られない場合がある。実用上特に好適なレベルのシリコンの研磨速度を得るためには、研磨用組成物中のシリコンの研磨促進剤の含有量が0.01質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以上である。
一方、研磨用組成物中のシリコンの研磨促進剤の含有量が5質量%を超える場合には、後述する砥粒がゲル化しやすくなるため研磨用組成物の安定性が低くなり、シリコンの研磨速度を悪化させる場合がある。シリコンの研磨速度を実用上特に好適なレベルに維持するためには、研磨用組成物中のシリコンの研磨促進剤の含有量は5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1質量%以下である。
<シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤>
本実施形態の研磨用組成物は、シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤を含有する。
本発明におけるシリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤(以下、単に増加剤ともいう)とは、銅及び酸化銅に対して錯化作用を有し、シリコンに対して実質的に溶解性を示さず、銅イオンと形成する錯体の安定化作用が小さいものである。より具体的には、銅イオンと錯体を形成する配位子としての酸素原子を少なくとも1つ以上、より好ましくは2つ以上含み、また、銅イオンと形成する錯体の錯安定度定数が10未満、より好ましくは8未満であるものが好ましい。
銅との錯体を形成する配位子としての酸素原子を少なくとも1つ以上含むことで、増加剤と銅イオンとが錯体を形成した状態でシリコン表面へ作用しないので、シリコンを溶解せず、銅イオンと形成する錯体の錯安定度定数が10未満であることで、研磨中の研磨用組成物中で錯体が銅イオンを遊離しやすくなり、銅又は銅合金の好適な研磨速度を得られる。ここで、銅イオンと形成する錯体の錯安定度定数は、Stability Constants of Metal-Ion Complexes, Part B: Organic Ligands (IUPAC Publications)に記載された数値を採用することにより求めることができる。
前記研磨速度増加剤の具体例としては、アルギニン、ヒスチジン、グリシン、アラニン、アスパラギン等のアミノ酸及びその塩、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、デカン酸、ドデカン酸、安息香酸、フェニル酢酸等のモノカルボン酸及びその塩、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸等のポリカルボン酸及びその塩、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸及びその塩、フェノール、クレゾール、カテコール、レゾルシノール等のフェノール類、グリオキサール、マロンアルデヒド、ジアセチル、アセチルアセトン、ピルビンアルデヒド等のポリオキソ化合物が挙げられる。
また、塩を形成するカウンターイオンとしては、カリウムイオン、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンなどの非金属イオンが挙げられる。
上記の中でも、モノカルボン酸及びその塩、ポリカルボン酸及びその塩、ヒドロキシカルボン酸及びその塩、アミノ酸及びその塩、ポリオキソ化合物を用いることが好ましく、モノカルボン酸及びその塩、ポリカルボン酸及びその塩、ヒドロキシカルボン酸及びその塩を用いることが特に好ましい。
このような化合物を用いた場合には、銅及び銅合金の一定以上の研磨速度を確保しつつ、シリコンの研磨速度を一定以下の範囲に抑えることができる。
研磨用組成物中のシリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤の含有量は、使用される増加剤の種類に応じて適宜に設定されるが、通常、5質量%以下であり、一方、通常0.005質量%以上であり、好ましくは0.005質量%以上0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以上0.3質量%以下であり、特に好ましくは0.01質量%以上0.1質量%以下である。このような含有量とすることで、シリコン貫通電極材料である銅及び銅合金の研磨速度を一定以上に保ちつつ、シリコンの研磨速度よりも一定以上小さくすることができるので好ましい。
<シリコンの汚染防止剤>
本実施形態の研磨用組成物には、ウェーハ上のシリコンの汚染を防止するためのシリコン汚染防止剤(以下、単に汚染防止剤ともいう)が含まれる。
このようなシリコン汚染防止剤が含まれることで、研磨された銅及び銅合金によるウェーハ上のシリコンの汚染が防止される。
本発明におけるシリコンの汚染防止剤は、研磨によって生じる遊離した銅に対して錯化作用を示すのに対して、遊離していない銅や酸化銅を溶解せず、またシリコンに対して実質的に溶解性を示さないものであって、銅イオンと形成する錯体の安定化作用が、上述したシリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤よりも大きいものである。また、本発明のシリコンの研磨促進剤との併用によって、シリコンの汚染防止効果を相乗的に高めることができる。即ち、シリコンの研磨促進剤として銅又は酸化銅を溶解しにくい物質を用いることで汚染物質の絶対量を抑える上、さらにシリコンの汚染防止剤によりその汚染物質を捕捉することにより、汚染防止効果を相乗的に発現する。
より具体的には、銅との錯体を形成する配位子としての酸素原子を少なくとも2つ以上、より好ましくは4つ以上含み、また、銅イオンと形成する錯体の錯安定度定数が10以上であるものが好ましい。銅イオンと形成する錯体の錯安定度定数は15以上であるものがより好ましく、18以上であるものが特に好ましい。
前記シリコンの汚染防止剤の具体例としては、イミノ2酢酸[略称IDA]、ニトリロ3酢酸[略称NTA]、エチレンジアミン2酢酸[略称EDDA]、エチレンジアミン4酢酸[略称EDTA]、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン4酢酸[略称CyDTA]、ジエチレントリアミン5酢酸[略称DTPA]、トリエチレンテトラミン6酢酸[略称TTHA]、1,6−ヘキサメチレンジアミン4酢酸[略称HDTA]、エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢酸[略称EDDHA]、エチレンジアミン−N,N’−ビス〔(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)酢酸〕[略称EDDHMA]、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N−2酢酸[略称HBED]等のイミノカルボン酸類、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)[略称NTMP]、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸[略称HEDP]、メタンヒドロキシホスホン酸、α−メチルホスホノコハク酸等のホスホン酸類、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)[略称EDTPO]、エチレンジアミン−N,N’−ビス〔(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ホスホン酸〕、エチレンジアミン−N,N’−ビス〔(2−ヒドロキシ−5−ホスホフェニル)ホスホン酸〕等のイミノホスホン酸類が
挙げられる。
上記の中でもイミノカルボン酸類及びイミノホスホン酸から選ばれるものを用いることが好ましく、イミノカルボン酸の中でもトリエチレンテトラミン6酢酸が特に好ましく、イミノホスホン酸の中でもエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)が特に好ましい。
研磨用組成物中のシリコンの汚染防止剤の含有量は、使用される汚染防止剤の種類により適宜に設定されるが、汚染防止効果を確保する観点から通常0.01質量%以上であり、一方、コストの観点から通常10質量%以下である。また、汚染防止剤の含有量は、0.05質量%以上であることが好ましい。
本実施形態の研磨用組成物は、水を含む。水は、分散媒及び溶媒として作用し、研磨用組成物中の構成成分を混合、溶解、希釈する働きを有する。使用する水は、不純物の含有量が少ないものが好ましく、具体的にはイオン交換水をフィルターろ過したもの、あるいは蒸留水が好ましい。研磨用組成物中の水の含有量は、研磨用組成物中の水以外の構成成分の含有量によって適宜調整される。
研磨用組成物は、ウェーハを機械的に研磨する働きをする砥粒をさらに含有することが好ましい。砥粒の具体例としては、コロイダルシリカ、フュームド法シリカ、ゾルゲル法シリカ等のシリカのほか、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア等が挙げられる。これらの砥粒のうちコロイダルシリカが好ましい。
研磨用組成物中の砥粒の平均一次粒子径は、5〜1,000nmであることが好ましく、より好ましくは5〜500nm、さらに好ましくは10〜200nmである。
なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、BET法により測定した比表面積から求められるものである。
研磨用組成物中の砥粒の含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上である。砥粒の含有量を上記の範囲とした場合、実用上特に好適なレベルのシリコンの研磨速度を得ることが容易である。
研磨用組成物中の砥粒の含有量はまた、20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以下である。砥粒の含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物中の砥粒の分散性が向上する。
研磨用組成物によるシリコンの研磨速度は、3,500Å/min以上であることが好ましく、4,400Å/min.以上であることがより好ましく、特に好ましくは4,500Å/min.以上である。研磨用組成物によるシリコンの研磨速度が3,500Å/min.以上である場合、特にシリコン貫通ビア(TSV)構造を有するウェーハの研磨などにおいて、実用的な研磨速度となる。
また、研磨用組成物による銅又は銅合金の研磨速度は、銅又は銅合金の表面精度を維持するためには一般的に400Å/min.以上であることが好ましく、より好ましくは500Å/min.以上である。特にシリコン貫通ビア(TSV)構造を有するウェーハの研磨などの場合、シリコン貫通ビア(TSV)の構造によって、銅又は銅合金の研磨速度を調整してもよい。
特に、シリコン貫通ビア(TSV)構造を有する半導体基板の研磨などにおいて、配線材料である銅又は銅合金の研磨速度を低く抑えて、半導体材料であるシリコンの研磨速度を低下させず、維持又は向上させることにより、特定のシリコン貫通ビア(TSV)の構造、例えば、銅又は銅合金からなる凸部をウェーハの表面に形成することを目的とした場合には、研磨用組成物による銅又は銅合金の研磨速度をシリコンの研磨速度で除することにより得られる値である研磨速度比は、0.08以上0.585未満であることが好まし
く、より好ましくは0.09以上0.30以下である。
本実施形態の研磨方法では、前記実施形態の研磨用組成物を用いて、シリコン貫通ビア構造を有する半導体基板を化学機械研磨する。図1(a)に示すウェーハ10は、ビア11を有するシリコン基板12と、ビア11に充填された銅又は銅合金からなる導体13とを備え、露出した銅又は銅合金面とシリコン面を有する。ビア11の壁面にはバリアメタル膜14が設けられており、導体13の銅原子がシリコン基板12に拡散するのを防止する。バリアメタル膜14は、例えば、タンタル、窒化タンタル又は窒化チタンから形成される。
ウェーハの化学機械研磨は、例えば、ウェーハの銅又は銅合金面とシリコン面の両方を研磨してウェーハの表面を平坦化する目的やストレスリリーフを行う目的、あるいはシリコン面を主に研磨して、例えば図1(b)に示すように、主に銅又は銅合金からなる凸部をウェーハの表面に形成する目的で行なわれる。ただし、研磨後のウェーハの表面の形状は図1(b)に示すものに限定されない。
ウェーハの化学機械研磨は、研磨パッドが貼り付けられた研磨定盤を有する一般的な研磨装置を用いて行なうことができる。
ウェーハを化学機械研磨する際の研磨圧力、すなわちウェーハに対する研磨パッドの接触圧力は、3〜100kPaであることが好ましく、より好ましくは10〜40kPaである。
ウェーハを化学機械研磨する際の研磨定盤の回転数は、20〜1000rpmであることが好ましく、より好ましくは30〜600rpmである。
ウェーハを化学機械研磨する際に研磨パッドに供給される研磨用組成物の量、すなわち供給速度は、50〜2000mL/分であることが好ましく、より好ましくは100〜500mL/分である。
本実施形態によれば以下の利点が得られる。
・ 本実施形態の研磨方法では、銅又は銅合金面のようなシリコン貫通電極材料とシリコン面が露出したウェーハを研磨するのに、標準電極電位が350〜740mVの酸化剤と、シリコン研磨促進剤と、シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤と、シリコンの汚染防止剤と、水とを含有した本実施形態の研磨用組成物が用いられる。この場合、実用上好適なシリコンの研磨速度と銅又は銅合金の研磨速度が得られる。標準電極電位が上記範囲よりも大きい酸化剤を用いた場合、シリコン表面に酸化膜が生成し、化学的研磨作用による研磨が起こりにくくなるためと推測される。
一方、標準電極電位が上記範囲よりも小さい酸化剤を用いた場合、銅又は銅合金を十分に酸化することができず、実用上必要となる銅又は銅合金の研磨速度を得ることが難しくなる。
特に、シリコンと銅又は銅合金のようなシリコン貫通電極材料を同時に研磨することを前提とする本実施形態の研磨方法において、前記本実施形態の研磨用組成物を用いることで、シリコンの研磨速度と、銅又は銅合金の研磨速度が前記した所望の比になるようにコントロールできるようになった。すなわち、従来には達成が困難であった、シリコンの研磨速度を一定以上に保ちつつ、銅又は銅合金の研磨速度については、一定以上の研磨速度を得つつも、シリコンの研磨速度よりも一定以下に小さくするということが可能になった。
さらに、シリコンと銅又は銅合金のようなシリコン貫通電極材料を同時に研磨することを前提とする研磨方法においては従来では意識されていなかった、ウェーハ上のシリコンの汚染に関しても、前記本実施形態の研磨用組成物を用いることで十分に汚染を防止することが可能になった。
特に、本実施形態の研磨用組成物に、シリコンの汚染防止剤を含有させるだけではなく、エチレンジアミン、ジエチレンアミン、トリエチレンテトラミン、1,2−プロパンジ
アミンのようなアミン類を実質的に含有させないことが、ウェーハ上のシリコンの汚染の防止に効果的であることが見出された。なお、本発明でいう、「実質的に含有させない」とは、研磨用組成物における、これらのアミン類の含有量が、0.0001質量%未満の場合をいう。
前記実施形態は次のようにして変更されてもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物は、二種類以上の砥粒を含有してもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物は、二種類以上のシリコンの研磨促進剤を含有してもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物は、二種類以上の無機電解質を含有してもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物は、二種類以上のシリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤を含有してもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物は、二種類以上の酸化剤を含有してもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物には、必要に応じて、水溶性高分子、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤などの添加剤を添加してもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物は、研磨用組成物の原液を水で希釈することにより調製されてもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、研磨用組成物は、標準電極電位が350〜740mVの酸化剤を少なくとも含んだ第1剤と、シリコンの研磨促進剤及びシリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤を含み、他の添加剤を必要に応じて含んだ第2剤とを混合することにより調製されてもよい。
・ 前記実施形態の研磨用組成物は、研磨パッドが貼り付けられた研磨定盤を有する一般的な研磨装置に用いることができる。研磨用組成物は、いったん研磨に使用したら使い捨てにするいわゆるかけ流しで使用されてもよいし、あるいは循環して繰り返し使用されてもよい。研磨用組成物を循環使用する方法の一例として、研磨装置から排出される使用済みの研磨用組成物をタンク内に回収し、回収した研磨用組成物を再度研磨装置に供給する方法がある。研磨用組成物を循環使用した場合には、かけ流しで使用した場合に比べて、廃液として処理される使用済みの研磨用組成物の量が減ることにより環境負荷を低減できるのに加え、研磨用組成物の使用量が減ることによりコストを抑えることができる。
・ 前記実施形態の研磨方法における化学機械研磨は、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂等の砥粒を含んだ研磨パッド上に研磨用組成物を供給して行われてもよい。この場合、使用される研磨用組成物には砥粒が含まれていなくてもよい。
・ 前記実施形態の研磨方法が対象とするシリコン貫通電極構造を有する半導体基板には、電極の材料として銅又は銅合金を用いたものだけでなく、それに替えて一般的に半導体基板の配線材料として用いられる材料、例えばアルミニウムやタングステンを用いたものも含まれる。つまり、前記実施形態の研磨用組成物は、アルミニウムやタングステン等の半導体基板に用いられる一般的な配線材料をシリコン貫通電極の材料として用いた半導体基板の研磨にも適用可能である。
次に、本発明の実施例及び比較例を説明する。
砥粒としてのコロイダルシリカ、酸化剤、シリコンの研磨促進剤、シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤及びシリコンの汚染防止剤について表1に記載のものを用いて水に混合し、実施例1〜23及び比較例1〜16の研磨用組成物を調製した。実施例1〜23及び比較例1〜16の各研磨用組成物中の酸化剤の標準電極電位及び各構成成分の含有量も表1に示す。
表2の“シリコンの研磨速度”欄には、32mm四方に裁断したシリコンウェーハの表面を、各例の研磨用組成物を用いて表3に記載の条件で研磨したときのシリコンの研磨速度を示す。シリコンの研磨速度の値は、METTLER TOLEDO社の精密天秤“AG−285”を使用して測定される研磨前後の各ウェーハの重量の差を研磨時間(15分)で除すること
により求めた。表2中、シリコンの研磨速度欄における○と×は、研磨速度が3500Å/min以上を○、それより小さい速度の場合を×としたものである。
表2の“銅の研磨速度”欄には、32mm四方に裁断した5000Å銅ブランケットウェーハの表面を、各例の研磨用組成物を用いて表3に記載の条件で研磨したときの銅の研磨速度を示す。銅の研磨速度の値は、METTLER TOLEDO社の精密天秤“AG−285”を使用して測定される研磨前後の各ウェーハの重量の差を研磨時間(1分)で除することにより求めた。表2中、銅の研磨速度欄における○と×は、研磨速度が400Å/min以上を○、それより小さい速度の場合を×としたものである。
表2の“汚染”欄には、6インチのシリコンウェーハ4枚と12インチの5000A Cu膜つきウェーハの表面を、各例の研磨用組成物を用いて表4に記載の条件で研磨し、研磨後のシリコンウェーハの表面の金属を表5に記載の処理方法で回収して、その回収液中の銅原子濃度をアジレントテクノロジー社製のICP−MS“Agilent 4500”で測定した。測定された銅原子濃度をウェーハ面積あたりの原子数(atoms/cm2)に換算し、汚染濃度を求めた。表2中、汚染欄における○と×は、汚染濃度が1E+11 atoms/cm2以下を○、それより高い濃度の場合を×としたものである。
Figure 0006053311
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表2に示すように、標準電極電位が350〜740mVの範囲にある酸化剤と、シリコンの研磨促進剤と、シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤と水とを含む、実施例1〜23の研磨用組成物を使用した場合には、シリコンの研磨速度がいずれも約3,670Å/min.以上という高いレベルの値が得られ、銅の研磨速度については、約430〜2630Å/min.であり、シリコンの研磨速度と銅の研磨速度の比(銅の研磨速度/シリコンの研磨速度)は0.094〜0.532であった。また、いずれの実施例においても良好な汚染防止効果が得られた。これに対し、比較例3〜5の研磨用組成物を使用した場合には、実用的なレベルのシリコンの研磨速度が得られなかった。一方、比較例1、4、6、7、12〜16の研磨用組成物を使用した場合には、実用的なレベルの銅の研磨速度が得られなかった。また、比較例2、8〜11の研磨用組成物を用いた場合には、ウェーハ上でシリコンの汚染が確認された。これらのことから、比較例1〜16の研磨用組成物は、いずれも実用的な研磨用組成物ではなかった。

Claims (16)

  1. シリコン貫通電極構造を有する半導体基板の研磨に使用する研磨用組成物であって、標準電極電位が350mV以上740mV以下の酸化剤、シリコンの研磨促進剤、シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤、シリコンの汚染防止剤及び水を含有する研磨用組成物であって、
    前記シリコンの研磨促進剤が、第四級アンモニウム及びその塩、アンモニウム塩、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、および複素環式アミン化合物から選ばれる1種以上であり、
    銅イオンと配位する窒素原子を有し、かつその窒素原子に立体障害となりうる基が結合していないアミンを含まない、研磨用組成物
  2. 前記シリコンの研磨促進剤が、pKaが8以上の塩基性化合物である、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記シリコンの研磨促進剤が、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及びピペラジンから選ばれる1以上である、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. 前記シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤が、銅イオンと錯体を形成する配位子となる化合物であって、配位子としての酸素原子を少なくとも1つ以上含み、また、銅イオンと形成する錯体の錯安定度定数が10未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  5. 前記シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤が、モノカルボン酸及びその塩、ポリカルボン酸及びその塩、ヒドロキシカルボン酸及びその塩、アミノ酸及びその塩及びポリオキソ化合物から選ばれる1以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  6. 前記シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤の含有量が0.005質量%以上0.5質量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  7. 前記シリコンの汚染防止剤が、銅との錯体を形成する配位子としての酸素原子を少なくとも2つ以上含み、また、銅イオンと形成する錯体の錯安定度定数が10以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  8. 前記シリコンの汚染防止剤が、イミノカルボン酸類及びイミノホスホン酸から選ばれるものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  9. 標準電極電位が350mV以上740mV以下の酸化剤、シリコンの研磨促進剤、シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤、シリコンの汚染防止剤及び水を含有した研磨用組成物を用いて、シリコン貫通電極構造を有する半導体基板を研磨する研磨方法であって、
    前記シリコン貫通電極を構成する電極の材料が銅又は銅合金であり、
    前記シリコンの研磨促進剤が、第四級アンモニウム及びその塩、アンモニウム塩、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、および複素環式アミン化合物から選ばれる1種以上であり、
    前記研磨用組成物が、銅イオンと配位する窒素原子を有し、かつその窒素原子に立体障害となりうる基が結合していないアミンを含まず、
    研磨用組成物による銅又は銅合金の研磨速度をシリコンの研磨速度で除することにより得られる値である研磨速度比は、0.09以上0.30以下である、研磨方法
  10. 前記シリコンの研磨促進剤が、pKaが8以上の塩基性化合物である、請求項9に記載の研磨方法。
  11. 前記シリコンの研磨促進剤が、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及びピペラジンから選ばれる1以上である、請求項9または10に記載の研磨方法。
  12. 前記シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤が、銅イオンと錯体を形成する配位子となる化合物であって、配位子としての酸素原子を少なくとも1つ以上含み、また、銅イオンと形成する錯体の錯安定度定数が10未満である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の研磨方法。
  13. 前記シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤が、モノカルボン酸及びその塩、ポリカルボン酸及びその塩、ヒドロキシカルボン酸及びその塩、アミノ酸及びその塩及びポリオキソ化合物から選ばれる1以上である、請求項9〜12のいずれか一項に記載の研磨方法。
  14. 前記シリコン貫通電極材料の研磨速度増加剤の含有量が0.005質量%以上0.5質量%以下である、請求項9〜13のいずれか一項に記載の研磨方法。
  15. 前記シリコンの汚染防止剤が、銅との錯体を形成する配位子としての酸素原子を少なくとも2つ以上含み、また、銅イオンと形成する錯体の錯安定度定数が10以上である、請求項9〜14のいずれか一項に記載の研磨方法。
  16. 前記シリコンの汚染防止剤が、イミノカルボン酸類及びイミノホスホン酸から選ばれるものである、請求項9〜15のいずれか一項に記載の研磨方法。
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