以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る位置検出装置を備える重ね合わせ装置100の全体構造を概略的に示す平面図である。平面方向をXY軸方向、重力方向をZ軸方向としている。重ね合わせ装置100は、回路パターンが形成された2枚の基板を、接合すべき電極同士が接触するように重ね合わせて加熱加圧することにより接合する装置である。重ね合わせ装置100は、共通の筐体101の内部に形成された大気環境部102及び真空環境部202を含む。
大気環境部102は、筐体101の外部に面して、制御部110及びEFEM(Equipment Front End Module)112を有する。重ね合わせ装置100に含まれる各装置の各要素は、重ね合わせ装置100全体の制御及び演算を司る制御部110、または要素ごとに設けられた制御演算部が、統合制御、協調制御をすることにより動作する。制御部110は、重ね合わせ装置100を制御するための情報を記憶する記憶部111及び重ね合わせ装置100の電源投入、各種設定等をする場合にユーザが外部から操作する操作部を有する。更に制御部110は、配備された他の機器と接続する接続部を含む場合もある。
EFEM112は、3つのロードポート113、114、115及びロボットアーム116を備える。そして各ロードポートには密閉型の基板格納用ポッドであるFOUP(Front Opening Unified Pod)が装着される。ロードポート113、114に装着されたFOUPには複数の基板120が格納されており、ロボットアーム116によって大気環境部102に搬入される。大気環境部102及び真空環境部202において接合された基板120は、ロードポート115に装着されたFOUPに格納される。
なお、ここでいう基板120は、既に回路パターンが複数周期的に形成されている単体のシリコンウェハ、化合物半導体ウェハ等である。また、装填された基板120が、既に複数のウェハを積層して形成された積層基板の場合もある。
大気環境部102は、筐体101の内側にそれぞれ配置された、プリアライナ130、位置検出装置を包含するアライナ140、ホルダラック150、分離機構160及び搬送機構170を備える。プリアライナ130は、ターンテーブル131、ホルダテーブル132及び検出器133を備える。ターンテーブル131には、EFEM112のロボットアーム116によって基板120が載置される。そして、ターンテーブル131によって、基板120の回転方向の位置が調整される。ホルダテーブル132には、ホルダラック150から搬送された基板ホルダ190が載置される。
検出器133は、ホルダテーブル132上に載置された基板ホルダ190及びその上方に位置する基板120を俯瞰してその一部の像を撮像素子に結像させる光学系を有する撮像部を備える。撮像部は、例えばプリアライナ130の天井フレームなど、振動の影響を受けにくい場所に固定されている。基板ホルダ190の外周には切欠が設けられており、プリアライナ130は、検出器133でこの切欠を検出することで、基板ホルダ190の姿勢を同定する。
基板ホルダ190の基板保持面には複数の挿通孔が設けられており、基板ホルダ190の表裏を貫通する。またホルダテーブル132には複数の貫通孔が設けられており、複数のリフトピンが、この貫通孔及び基板ホルダ190の挿通孔を突き抜けて、そのリフトピン上に基板120を載置できるよう構成されている。
基板スライダによってターンテーブル131からホルダテーブル132へと搬送された基板120は、複数のリフトピン上に載置される。そして、撮像部によって基板ホルダ190とともに撮像され、切欠を基準として精確に位置合わせされる。位置合わせされた後、基板120は基板ホルダ190に載置される。
ホルダテーブル132には電力供給ピンが設けられており、基板ホルダ190の裏面に設けられた電力供給端子と接続して、基板ホルダ190に電力を供給する。電力供給端子から電力を供給された基板ホルダ190は、その内部に設けられた静電チャックにより基板保持面に電位差を生じさせ、基板120を静電吸着する。このようにして一体化された基板120及び基板ホルダ190を、ワークと呼ぶ。
アライナ140は、下ステージ141、上ステージ142及び干渉計143を備える。また、アライナ140を包囲して断熱壁144及びシャッタ145が設けられる。断熱壁144及びシャッタ145に包囲された空間は空調機等に連通して温度管理され、アライナ140における位置合わせ精度を維持する。
下ステージ141は、ワークを載置する載置面方向に移動可能に構成されており、基板ホルダ190に保持された基板120を上向きに保持する。また上ステージ142は、アライナ140の天井部に設置されており、基板ホルダ190に保持された基板120を下向きに保持する。
2つの基板120を重ね合わせるときに、下ステージ141に載置されるワークを下ワーク、上ステージ142に載置されるワークを上ワークと呼ぶ。また下ワークを構成する基板ホルダ190を下基板ホルダ191、基板120を下基板121と呼び、上ワークを構成する基板ホルダ190を上基板ホルダ192、基板120を上基板122と呼ぶ。基板120、上基板ホルダ192及び下基板ホルダ191の具体的な構成については後述する。
アライナ140は、下ステージ141を、干渉計143によりその位置を監視しつつ精密に移動させることで、上ステージ142に保持された上基板122と、下ステージ141に保持された下基板121とを位置合わせする。そして、位置合わせした状態で下ステージ141を上昇させることにより、上基板122と下基板121の接合面同士を接触させて仮接合する。仮接合された2つのワークをまとめてワーク対と呼ぶ。アライナ140の具体的な構成については後述する。
ホルダラック150は、基板ホルダ190を収納する棚を複数備える。各棚には、基板ホルダ190を載せるための支持凸部が少なくとも3箇所設けられており、ロボットアーム175によって出し入れされる。分離機構160は、後述する加熱加圧装置240で加熱加圧された後のワーク対を受け取り、下基板ホルダ191及び上基板ホルダ192から、接合された2つの基板である下基板121と上基板122を分離する。
搬送機構170は、第1搬送ユニット171、第2搬送ユニット172、第1受け渡しポート173、第2受け渡しポート174、ロボットアーム175、176を備える。第1搬送ユニット171及び第2搬送ユニット172は、プリアライナ130、第1受け渡しポート173及び第2受け渡しポート174の間で基板120、基板ホルダ190、ワーク及びワーク対の搬送をする。
第1搬送ユニット171と第2搬送ユニット172は、上下方向に並行して設けられたレール上をそれぞれ独立して走行する。そして第1搬送ユニット171は第2搬送ユニット172よりも上側に位置して、基板120、基板ホルダ190、ワーク及びワーク対を保持したままでもすれ違うことができる構造になっている。
第1受け渡しポート173は、分離機構160の上部に設けられ、基板ホルダ190及びワーク対を載置するためのプッシュアップピンを備える。第2受け渡しポート174もプッシュアップピンを備え、ロボットアーム175と、第1搬送ユニット171及び第2搬送ユニット172の間での基板ホルダ190、ワーク及びワーク対の受け渡しを仲介する役割を担う。
ロボットアーム175は、第1受け渡しポート173、分離機構160及び後述するロードロックチャンバ220の間でワーク対を搬送する。またロボットアーム175は、ホルダラック150、第1受け渡しポート173及び分離機構160の間で基板ホルダ190を搬送する。ロボットアーム176は、第2受け渡しポート174及びアライナ140の間でワーク及びワーク対の搬送をする。
真空環境部202は、断熱壁210、ロードロックチャンバ220、ロボットアーム230及び複数の加熱加圧装置240を有する。断熱壁210は、真空環境部202を包囲して真空環境部202の内部温度を維持すると共に、真空環境部202の外部への熱輻射を遮断する。これにより、真空環境部202の熱が大気環境部102に及ぼす影響を抑制できる。ロボットアーム230は、ワーク対を搬送する搬送装置であり、保持したワーク対を、ロードロックチャンバ220と加熱加圧装置240の間で搬送する。
ロードロックチャンバ220は、大気環境部102側と真空環境部202側とに、交互に開閉するシャッタ222、224を有する。ワーク対が大気環境部102から真空環境部202に搬入される場合、まず、大気環境部102側のシャッタ222が開かれ、ロボットアーム175がワーク対をロードロックチャンバ220に搬入する。次に大気環境部102側のシャッタ222を閉じ、ロードロックチャンバ220内の空気を排出することで、真空状態にする。
ロードロックチャンバ220内が真空状態になった後、真空環境部202側のシャッタ224が開かれ、ロボットアーム230がワーク対を搬出する。このような真空環境部202への搬入動作により、大気環境部102の内部雰囲気を真空環境部202側に漏らすことなく、ワーク対を真空環境部202に搬入できる。
次にロボットアーム230は、搬出したワーク対を複数の加熱加圧装置240のいずれかに搬入する。そして加熱加圧装置240は、ワーク対を加熱加圧する。これにより2つの基板ホルダ190に挟まれた状態で搬入された2つの基板である下基板121と上基板122は恒久的に接合される。
真空環境部202から大気環境部102にワーク対を搬出する場合は、まず真空環境部202側のシャッタ224が開かれ、ロボットアーム230がワーク対をロードロックチャンバ220に搬入する。次に、真空環境部202側のシャッタ224が閉じられ、大気環境部102側のシャッタ222が開かれる。そして、ロボットアーム175が、ワーク対を分離機構160に搬入する。分離機構160で基板ホルダ190から分離された下基板121および上基板122は、搬送機構170によって、ロードポート115に装着されたFOUPに格納される。
図2は基板120の構造を概略的に示す平面図である。平面方向をXY軸方向、重力方向をZ軸方向としており、図の座標系は、基板120がアライナ140の下ステージ141に載置された場合に図1の座標系と一致する。
基板120は、その周囲の一部に基板120の結晶方向性を示すノッチ123が形成されている。また、基板120には数十ショット〜数百ショット程度に半導体チップ領域124が形成されている。半導体チップ領域124の周辺には、フォトリソグラフィ工程にてアライメントマーク125が複数形成されている。ここでは、アライメントマーク125は十字形状で形成されている。基板120は、アライナ140の下ステージ141に載置されたときに、ノッチ123が−Y方向の端に位置するように、プリアライナ130によって向きが調整される。
図3は、下基板ホルダ191を概略的に示す平面図である。下基板ホルダ191は、ホルダ本体911及び吸着ユニット912を有しており、全体としては基板120よりも径がひとまわり大きな円板状をなす。ホルダ本体921は、セラミックス、金属等の高剛性材料により一体成形される。
ホルダ本体911は、基板120を保持する領域をその表面に備える。この保持領域は研磨されて高い平坦性を有する。基板120の保持は、静電力を利用した吸着により行われる。具体的には、ホルダ本体921に埋め込まれた静電チャックに、ホルダ本体921の裏面に設けられた電圧印加端子を介して電圧を加えることにより、下基板ホルダ191と基板120との間に電位差を生じさせて、基板120を下基板ホルダ191に吸着させる。なお、基板120の吸着面は、回路領域が設けられた面とは反対の面である。
またホルダ本体911は、上述した挿通孔913及び切欠914を備える。切欠914は、プリアライナ130において、基板ホルダ190に基板120を予備的に位置合わせするときの基準として用いられる。吸着ユニット912は、基板120を保持する表面において、保持した基板120よりも外側である外周領域に複数配置される。図の場合、2個を一組として120度毎に合計6個の吸着ユニット912が配されている。吸着ユニット912は、例えば鉄等の磁性体で構成されている。
図4は上基板ホルダ192を概略的に示す平面図である。上基板ホルダ192は、ホルダ本体921及びマグネットユニット922を有しており、全体としては基板120よりも径がひとまわり大きな円板状をなす。ホルダ本体911は、セラミックス、金属等の高剛性材料により一体成形される。
ホルダ本体921は、基板120を保持する領域をその表面に備える。この保持領域は研磨されて高い平坦性を有する。基板120の保持は、静電力を利用した吸着により行われる。具体的には、ホルダ本体921に埋め込まれた静電チャックに、ホルダ本体921の裏面に設けられた電圧印加端子を介して電圧を加えることにより、上基板ホルダ192と基板120との間に電位差を生じさせて、基板120を上基板ホルダ192に吸着させる。なお、基板120の吸着面は、回路領域が設けられた面とは反対の面である。
マグネットユニット922は、基板120を保持する表面において、保持した基板120よりも外側である外周領域に複数配置される。図の場合、2個を一組として120度毎に合計6個のマグネットユニット922が配されている。マグネットユニット922は、吸着ユニット912と対応するように配置されており、上ワークと下ワークを、互いに向かいあわせて吸着ユニット912とマグネットユニット922を作用させると、2つの基板120を重ね合わせた状態で挟持して固定することができる。
また上基板ホルダ192は、上基板ホルダ192の外周形状のうち、下基板ホルダ191の外周形状と一致しない部分であるつば部925を含む。分離機構160が接合後の基板120から下基板ホルダ191を引き離すときに、上基板ホルダ192は、つば部925を含む領域において、下基板ホルダ191側からの押圧力を受ける。このとき、上基板ホルダ192の静電吸着を有効に、下基板ホルダ191の静電吸着を無効にしておくことによって、基板120は上基板ホルダ192と共に持ち上げられ、下基板ホルダ191から分離される。
図5はアライナ140の構造を概略的に示す断面図である。図では、縦方向をZ軸方向、横方向をY軸方向、奥行きX軸方向としている。アライナ140は、下ステージ141、上ステージ142、干渉計143、第1取得部401、第2取得部402、調整機構403、制御演算部404及び移動機構406を備える。
下ステージ141には、ロボットアーム176によって、下基板ホルダ191に保持された状態で下基板121が載置される。また下ステージ141は、移動機構406によって下基板121を載置する載置面方向であるXY方向に移動される。移動機構406は、干渉計143によってその位置を監視しつつ精密に下ステージ141を移動する。上ステージ142は、下ステージ141に対向して配置されており、上ステージ142には、上基板ホルダ192に保持された状態で上基板122が載置される。
第1取得部401は上ステージ142に隣接して設置されており、下ステージ141に載置された下基板121の画像を取得する複数の上観察器411によって構成される。下ステージ141が移動機構406によって第1取得部401に対向する位置に移動することによって、上観察器411は下基板121の画像を取得する。なお本実施形態では第1取得部401が5つの上観察器411によって構成される例を挙げて説明するが、この数に限らず、複数であれば異なる数としてもかまわない。
第2取得部402は、下ステージ141に隣接して配置されており、移動機構406によって下ステージ141が移動された場合、下ステージ141とともに移動する。また第2取得部402は、上ステージ142に載置された上基板122の画像を取得する複数の下観察器412によって構成される。第2取得部402が上基板122に対向する位置に配置されるように、移動機構406によって下ステージ141を移動することで、下観察器412は上基板122の画像を取得する。なお本実施形態では、第2取得部402が5つの下観察器412によって構成される例を挙げて説明しているが、この数に限らず、1つ又異なる数としてもかまわない。
調整機構403は、5つの上観察器411それぞれに対して備えられており、上観察器411を精密に移動させて、複数の上観察器411の互いの間隔を調整する。ここで、5つの上観察器411の少なくとも1つが、基準となる上基準観察器413として設定される。上基準観察器413は、上観察器411と下観察器412の光軸調整を行う場合には、調整機構403によって調整されないように制御される。
5つの上観察器411のうちどの上観察器411を上基準観察器413とするかは、ユーザによって予め設定される。ここでは、5つの上観察器411のうち真ん中に位置する上観察器411が上基準観察器413として設定されている。また、5つの下観察器412のうち真ん中に位置する下観察器412が、上基準観察器413に対応する下基準観察器414として設定されている。
ここで本実施形態では、上基準観察器413として設定された上観察器411を調整しないように制御しているが、これに限らず、調整しない上観察器411には調整機構403を備えないように構成しても良い。例えば5つの上観察器411のうち1つを専用の上基準観察器413とする場合には、その上基準観察器413に対して調整機構403を備えないように構成することができる。
制御演算部404は、第1取得部401によって取得した画像情報に基づいて、下基板121に形成された指標である複数のアライメントマーク125の位置を算出する。また制御演算部404は、第2取得部402によって取得した画像情報に基づいて、上基板122に形成された複数のアライメントマーク125の位置を算出する。
そして制御演算部404は、下基板121のアライメントマーク125の位置情報と上基板122のアライメントマーク125の位置情報に基づいて、移動機構406を制御することで下ステージ141を精密に移動して下基板121と上基板122を位置合わせする。このとき制御演算部404は、例えば、下基板121の複数のアライメントマーク125と、これに対応する上基板122の複数のアライメントマーク125が重ね合わされたときに、相互の位置ずれ量が最も小さくなるように統計的に決定されるグローバルアライメント法等を用いて計算を行う。
ここで、アライナ140の制御手順を、図を参照しながら説明する。各手順は、アライナ140の制御演算部404が主体となり、アライナ140が備える他の構成要素の制御部と協調制御、統合制御により実行される。まずアライナ140は、第1取得部401と第2取得部402を対向させて、対向する上観察器411と下観察器412との間の光軸調整を行う。
図6は、上観察器411と下観察器412の光軸を調整するときのアライナ140の動作を概略的に示す断面図である。図6に示す通り、アライナ140は、ロボットアーム408によって、第1取得部401と第2取得部402の間であって上観察器411の焦点面又は下観察器412の焦点面に、光軸の調整用指標である透明板407を挿入する。透明板407は、ロボットアーム408によって、上観察器411の観察視野又は下観察器412の観察視野に対して進退する。
透明板407には、第1取得部401側及び第2取得部402側の両側から観察できるマークが5つ設けられている。ここでは、5つのマークのうち真ん中に位置するマークを基準マークとする。制御演算部404はまず、上基準観察器413が取得する画像の中心位置に、透明板407の基準マークが位置するように、ロボットアーム408によって透明板407の位置を調整する。その後、基準マークが、下基準観察器414が取得する画像の中心位置に位置するように、移動機構406によって下ステージ141を移動する。
このように制御することで、上基準観察器413と下基準観察器414の光軸を一致させることができる。更にここでは、調整機構403が、上基準観察器413以外の4つの上観察器411が取得する画像の中心位置に、基準マーク以外の4つのマークがそれぞれ位置するように、上観察器411を移動させる。
基準マーク以外の4つのマークは、下基準観察器414が取得する画像の中心位置に基準マークが位置した場合に、他の下観察器412が取得する画像の中心位置に位置するように透明板407に配置されており、このように制御することで、他の4つの上観察器411及び下観察器412についても光軸を一致させることができる。
なおここでは透明板407が、上観察器411及び下観察器412の数と一致する5つのマークを備える例を挙げて説明したが、これに限らない。5つよりも少なくして、光軸調整する上観察器411及び下観察器412の数を少なくしても良いし、5つよりも多くして、光軸調整に使用するマークを選択して使用するように構成しても良い。
また、基準マークを1つとして、上基準観察器413と下基準観察器414のみを光軸調整するように構成しても良い。この場合、下基準観察器414と他の下観察器412の配置関係を示す配置情報を記憶部405に記憶しておき、その配置情報に基づいて、調整機構403が上観察器411を移動させることによって、他の4つの上観察器411と他の4つの下観察器412の光軸を一致させる。
図7は、下ステージ141に下ワークが載置されたアライナ140の状態を概略的に示す断面図である。ロボットアーム176が第2受け渡しポート174に載置されている上ワークをアライナ140内に搬入して、下ステージ141の載置面に備えられたプッシュアップピン146上に載置する。その後、下ステージ141がプッシュアップピン146を降下させることで、上ワークが下ステージ141の載置面上に載置される。
図8は、下ステージ141が第1取得部401に対向する位置に配置された状態のアライナ140を概略的に示す断面図である。下ステージ141の移動は、移動機構406によって行われる。移動機構406は、上基板122に設けられた複数のアライメントマーク125のうち−X方向の端の中央に設けられたアライメントマーク125が、上基準観察器413の直下に位置するように、下ステージ141を移動させる。上基板122は、プリアライナ130によって、ノッチ123が−Y方向の端に位置するように位置が調整されており、各アライメントマーク125は、X方向に5つの列を構成するように設けられている。
その後制御演算部404は、上基準観察器413によって取得された上基板122の画像情報に基づいて、上基準観察器413が、直下に位置するアライメントマーク125を精確に光軸中心で取得できるように、移動機構406によって下ステージ141を移動する。その後、他の上観察器411が取得した画像情報に基づいて、他の上観察器411が、画像に含まれるアライメントマーク125を光軸中心で取得できるように、調整機構403によって、上観察器411の位置を調整する。図2によれば、上基板122には−X方向の端に3つのアライメントマーク125が設けられているので、ここでは上基準観察器413の両隣の上観察器411が、それぞれアライメントマーク125を光軸中心で取得できるように調整される。
そして、上観察器411で上基板122を観察しながら、下ステージ141を+X方向に移動させる。上基板122の5つの列を構成するアライメントマーク125は、5つの上観察器411にそれぞれ対応しているので、このように移動させることで、各アライメントマーク125を順に撮像することができる。ここで、上基板122の各アライメントマーク125は、その中心が、上観察器411が撮像する画像の中心に位置するように設計されているので、設計上は、上観察器411によってアライメントマーク125を光軸中心で取得できることになる。
しかしながら、アライメントマーク125の実際の位置は、プロセスを行う装置間の誤差、上基板122の膨張及び歪み等により設計位置とはずれている。このずれの向きや大きさは、上基板122ごとに異なり、更には、同一の上基板122内においてもアライメントマーク125ごとに異なる。そのために上観察器411は、光軸中心からずれた位置でアライメントマーク125を取得する場合がある。
そこで本実施形態では、上観察器411によって取得した上基板122の画像情報に基づいて、調整機構403により上観察器411の位置を調整することで、各上観察器411がアライメントマーク125を光軸中心で取得できるように制御する。なおこの調整は、下ステージ141の+X方向への移動と協調して実行される。このように制御することで、各上観察器411がアライメントマーク125を光軸中心で取得できるので、上観察器411を構成するレンズの収差の影響を軽減することができ、アライメントマーク125の位置を高い精度で検出できる効果が得られる。
また、アライメントマーク125の位置を算出する場合に、撮像したアライメントマーク125が光軸中心とずれている場合は、画像処理によってそのずれ量を算出することになるが、光軸中心で取得することによって、干渉計143による計測結果と、調整機構403による移動量から、位置を算出することができ、計算量を軽減することができる。このようにして取得された複数のアライメントマーク125の位置情報は、記憶部405に記憶される。
図9は、ロボットアーム176が上ワークを反転しているときのアライナ140の状態を概略的に示す断面図である。まず移動機構406によって、下ステージ141が上ステージ142に対向する位置に移動される。そして、下ステージ141がプッシュアップピン146を上昇させ、ロボットアーム176がアームを伸ばして上ワークを持ち上げ、吸着して保持する。その後、ロボットアーム176が上ワークを下ステージ141上から搬出して反転させる。
図10は、反転された上ワークが下ステージ141に載置されたときのアライナ140の状態を概略的に示す断面図である。反転された上ワークは、まずロボットアーム176によって下ステージ141のプッシュアップピン146上に載置される。プッシュアップピン146は基板ホルダ190の基板載置面よりも外側を支持するように配置されているので、ワークを下向きでも保持できる。そしてロボットアーム176が退避した後でプッシュアップピン146を上昇させることで、上ステージ142に上ワークを押し当てる。上ステージ142は上ワークを吸着して保持する。このようにして上ワークが下ステージ141から上ステージ142に移載されるが、移載によって上ワークの位置ずれが生じないように、ロボットアーム176は上ワークを精密に取り扱う。
図11は、上ワークが第2取得部402に対向する位置に配置された状態のアライナ140を概略的に示す断面図である。制御演算部404が、記憶部405に記憶された位置情報を参照して、移動機構406に下ステージ141を移動させることによって、上ワークと第2取得部402が対向する。ここで、制御演算部404は、上基板122の複数のアライメントマーク125のうち少なくとも3つを下観察器412によって観察し、その位置を算出する。
そして、算出した位置情報と、記憶部405に記憶されている位置情報とを比較することで、上基板122を反転させることによって位置ずれが生じていないかを確認する。上基板122は、ロボットアーム176による機械的誤差、下ステージ141又は上ステージ142の傾き等によって位置ずれが生じる可能性があるが、上基板122の少なくとも3つのアライメントマーク125の位置を算出して、記憶部に記憶された位置情報と比較することで、この位置ずれを検出することができる。
確認の結果、位置ずれが生じていると判断された場合は、位置ずれ量を算出して、移動機構406によってその位置ずれ量の分下ステージ141を移動させる。このように、上ワークを一度下ステージ141に載置して、調整機構403を備える第1取得部401で上基板122のアライメントマーク125の位置を算出した後で、上ワークを上ステージ142に移載する構成をとることにより、位置検出精度を向上することができる。
図12は、下ステージ141に載置された下ワークが、第1取得部401に対向する位置に配置された状態のアライナ140を概略的に示す断面図である。移動機構406が、ロボットアーム176によって下ワークが載置された下ステージ141上を移動することによって、下基板121に設けられた複数のアライメントマーク125のうち−X方向の端の中央に設けられたアライメントマーク125が、上基準観察器413の直下に位置するように、下ステージ141が配置される。
その後制御演算部404は、上基準観察器413によって取得された下基板121の画像情報に基づいて、上基準観察器413が、直下に位置するアライメントマーク125を精確に光軸中心で取得できるように、移動機構406によって下ステージ141を移動する。その後、他の下観察器412が取得した画像情報に基づいて、下観察器412が、画像に含まれるアライメントマーク125を光軸中心で取得できるように、調整機構403によって、下観察器412の位置を調整する。
そして、上観察器411で下基板121を観察しながら、下ステージ141を+X方向に移動させることで、アライメントマーク125を順に撮像していく。このとき、上観察器411によって取得した下基板121の画像情報に基づいて、各上観察器411がアライメントマーク125を精確に光軸中心で取得できるように、調整機構403により上観察器411の位置を調整する。そして、制御演算部404は、アライメントマーク125の位置を算出し、算出した位置情報を記憶部405に記憶する。
図13は、下基板121と上基板122が仮接合されることでワーク対が形成されたときのアライナ140の状態を概略的に示す断面図である。制御演算部404は、下基板121と上基板122を精密に位置合わせした後、下ステージ141を上昇させることにより、下基板121と上基板122を接触させて、ワーク対を形成する。具体的にはまず、制御演算部404が、記憶部405に記憶された下基板121のアライメントマーク125の位置情報と、上基板122のアライメントマーク125の位置情報に基づいて下ステージ141を精密に移動して、下基板121と上基板122を位置合わせする。
このとき、制御演算部404は、下基板121のアライメントマーク125と、上基板122のアライメントマーク125の位置誤差が最小になるようにグローバルアライメント法を用いて計算し、位置合わせを行う。このように制御することで、下基板121と上基板122を半導体チップ領域124に設けられた回路パターンの線幅精度で位置合わせする。
位置合わせ完了後、下ステージ141を上昇させることによりワーク対を形成する。以上の手順で形成されたワーク対は、ロボットアーム176によってアライナ140から搬出されて、第2受け渡しポートに載置される。
なお本実施形態では、上観察器411の数と、基板120のアライメントマーク125が構成する列の数が一致する場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、アライメントマーク125が構成する列の数が上観察器411の数よりも少なくなるように構成してもかまわない。この場合、複数の上観察器411の中から、アライメントマーク125を観察する上観察器411を選択して位置検出の処理を実行する。また、アライメントマーク125が構成する列の数が上観察器411の数よりも多くなるように構成してもかまわない。この場合、上観察器411の位置を調整機構403で調整することによって、1つの上観察器411で複数の列を観察するように制御する。
また、複数の列が近接して配置されていて、1つの上観察器411の撮像視野に複数の別の列に属するアライメントマーク125が入る場合、片方のアライメントマーク125については、調整機構403によって画像中心で捉えるように調整し、もう片方のアライメントマーク125については画像処理で位置を算出するよう制御しても良い。なお、上観察器411の数を超えるアライメントマーク125の列については観察しないように制御することもできる。
また、アライメントマーク125がX方向に列を構成しないように備えられていてもかまわない。この場合、複数の上観察器411で基板120を観察し、上観察器411の撮像視野内にいずれかのアライメントマーク125が現れたら、そのアライメントマーク125を画像中心で取得できるように、調整機構403が上観察器411の位置を調整する。上述したように構成することで、アライメントマーク125の配置に関わらず、高い精度で位置検出をすることができる。
図14は、調整機構403の構造を概略的に示す模式図である。図は、5つの上観察器411のうちの1つを直下から見上げた状態を表している。上観察器411は、X可動枠560に固定されており、X可動枠560の四隅には、Xロッド摺動部501、502、503、504が設けられている。Xロッド摺動部501、502は、Y可動枠520に対して固定されているXロッド511に摺動嵌合し、Xロッド摺動部503、504は、同様にY可動枠520に対して固定されているXロッド512に摺動嵌合する。
Y可動枠520の四隅には、Yロッド摺動部531、532、533、534が設けられている。Yロッド摺動部531、532は、固定枠550に対して固定されているYロッド541に摺動嵌合し、Yロッド摺動部533、534は、同様に固定枠550に対して固定されているYロッド542に摺動嵌合する。
このように構成することで、上観察器411は、光軸に直交する平面であるxy平面内において、滑らかに移動することができる。また、X可動枠560の裏面には、Yマグネット581およびXマグネット591が固定されている。Yマグネット581に対向する位置にはYマグネット581と離間してYコイル582が配置されており、Xマグネット591に対向する位置にはXマグネット591と離間してXコイル592が配置されている。すなわち、Yマグネット581とYコイル582はY−VCMを形成し、Xマグネット591とXコイル592はX−VCMを形成する。制御演算部404は、Yコイル582およびXコイル592に流す電流の向きおよび電流値を制御することにより、上観察器411をx方向およびy方向へ目標とする移動量だけ移動することができる。
Yコイル582およびXコイル592の中心付近には、それぞれホール素子571、572が設けられている。そして、ホール素子571、572によって、対向して相対移動するYマグネット581およびXマグネット591の磁場の変化を検出することで、上観察器411の位置を検出する。
上記実施形態では、第1取得部401と第2取得部402の間に透明板407を挿入することにより、上観察器411と下観察器412の光軸調整を行う例を挙げて説明したが、これに限らない。図15は、光軸調整の別実施形態を示す図であり、下基準観察器610と上基準観察器620の構造を概略的に示す断面図である。下基準観察器610と上基準観察器620は、投影部640を備える点以外は、上記実施形態おける上基準観察器413と下基準観察器414と同じ構成である。以下、投影部640の動作を説明するために、上基準観察器413と下基準観察器414と構造が同じ部分についても説明する。
下基準観察器610は、第1対物光学部611、第1落射照明部650及び第1撮像部612から構成される。上基準観察器620は、第2対物光学部621、投影部640、第2落射照明部655及び第2撮像部622とから構成される。第1撮像部612と第2撮像部622には、制御演算部404が接続されている。
下基準観察器610の第1対物光学部611は、上基準観察器620側の第1対物レンズ613と、第1撮像部612側の第1結像レンズ614とを有している。第1対物レンズ613と第1結像レンズ614との間には第1落射照明部650からの光を反射する第1ハーフミラー615とが配置されている。
下基準観察器610の第1落射照明部650は照明光源651と、レンズ652と、レンズ653とから構成されている。照明光源651は可視光であり、レンズ652及びレンズ653を通過して平行光となり、第1対物光学部611内の第1ハーフミラー615に反射してZ方向に進む。
上基準観察器620の第2対物光学部621は、第2対物レンズ623と、第2結像レンズ624とを有している。第2対物レンズ623と第2結像レンズ624との間には、投影部640からの光を反射する第2ハーフミラー625と、第2落射照明部655からの光を反射する第3ハーフミラー626が配置されている。
上基準観察器620の第2落射照明部655は、照明光源656と、レンズ657とレンズ658とから構成されている。照明光源656は可視光であり、レンズ657及びレンズ658を通過して平行光となり、第2対物光学部621内の第3ハーフミラー626に反射してZ方向に進む。
投影部640は、光源641、レンズ642、ファイバ643、レンズ644、コリメータレンズ645、ピンホールなどの視野絞り647及び開口絞り648とから構成されている。光源641からの光は可視光又は可視光波長内の単波長の光である。
光軸調整を行う場合、下基準観察器610と上基準観察器620の間であって、下基準観察器610の焦点面又は上基準観察器620の焦点面に拡散板409が設置される。そしてまず、投影部640の光源641が点灯され、視野絞り647を通過することで形成された調整用指標が第2ハーフミラー625に反射して、第3ハーフミラー626、第2対物レンズ623の順に通過して、挿入した拡散板409に投影される。拡散板409に投影された調整用指標は第2撮像部622側によって撮像される。
制御演算部404は、第2撮像部622によって撮像した画像情報に基づいて、調整用指標が光軸中心で取得できているかを確認する。光軸中心で取得できていない場合、制御演算部404は、第2対物光学部621の第2ハーフミラー625の角度を調整する。なお、第2ハーフミラー625の角度を調整するのではなく、視野絞り647を光源641からの光路に交差する方向に移動させて調整することもできる。
一方、下基準観察器610は、第1撮像部612によって、拡散板409に投影された調整用指標を撮像する。そして、制御演算部404は、第1撮像部612が撮像した画像情報に基づいて、調整用指標が光軸中心で取得できているかを確認する。光軸中心で取得できていない場合、制御演算部404は、移動機構406によって下ステージ141を移動させることで位置を調整する。以上のように制御することで、拡散板409を用いることにより、下基準観察器610と上基準観察器620の光軸を一致させることができる。
上記実施形態では、複数のアライメントマーク125の全てを位置検出対象とする例を挙げて説明したが、これに限らず、複数のアライメントマーク125から位置検出対象とするアライメントマーク125を選択するように構成しても良い。この場合例えば、複数のアライメントマーク125から、アライメントマーク125間の距離が離れている等グローバルアライメント法を用いるのに適した位置に配置されているアライメントマーク125を優先して選択するように構成できる。
また、基板120上により鮮明に形成されているもの、上観察器411の光軸とアライメントマーク125の中心との一致度が高いもの等を条件に加えても良いし、これらを組み合わせて判断するように構成しても良い。このように、予め定められた基準に基づいてアライメントマーク125を選択して位置検出対象とすることで、より質の高いアライメントマーク125を位置検出対象として使用することができる。
また、次のように制御することで処理負荷を軽減することができる。まず、上観察器411が上基板122を観察して、複数のアライメントマーク125から予め定められた基準に基づいてアライメントマーク125を選択する。そして、上基板122上に構成されるアライメントマーク125の複数の列のうち、その選択された指標であるアライメントマーク125を含まない列がある場合に、その列に対応する上観察器411を認識して、その情報を記憶部405に記憶する。
その後、上観察器411によって下基板121を観察する場合に、記憶部405に記憶された上観察器411に対応する下観察器412については、その下観察器412が観察するアライメントマーク125は位置検出対象としないので、その下基板121の観察を実行しないように制御する。このように、位置検出を実行するために観察を行う下観察器412を特定して処理を行うことで、処理負荷を軽減することができる。
また上記実施形態では、第1取得部401が調整機構403を備える例を挙げて説明したが、第1取得部401及び第2取得部402の両方が備えるように構成しても良い。そのように構成することで、上ワークを下ステージ141から上ステージ142に移載した後に、下観察器412が上ワークを撮像するときに、対象となるアライメントマーク125を光軸中心で取得できるように調整できるので、位置検出精度を向上することができる。
また上記実施形態では、上基板122を一度下ステージ141に載置した後で、上ステージ142に移載する例を挙げて説明したが、これに限らず、上基板122を下向きにした状態で搬入して、上ステージ142に載置するよう構成しても良い。この場合、次のように制御する。なお、上記実施例と異なる部分を中心に説明し、共通する部分については説明を省略する。
まず、ロボットアーム176が下ワークを下ステージ141に載置する。次に、移動機構406が、下基板121に設けられた複数のアライメントマーク125のうち−X方向の端の中央に設けられたアライメントマーク125が、上基準観察器413の直下に位置するように、下ステージ141を移動させる。その後制御演算部404は、上基準観察器413によって取得された下基板121の画像情報に基づいて、上基準観察器413が、直下に位置するアライメントマーク125を精確に光軸中心で取得できるように、移動機構406によって下ステージ141を移動する。
その後、移動機構406が下ステージ141を+X方向に移動させながら、下基板121のスキャンを実行する。このとき、各上観察器411が取得する画像の中心位置にアライメントマーク125が位置するように、調整機構403が各上観察器411の位置を調整して、調整後に下基板121の画像情報を取得する。制御演算部404は、その画像情報に基づいてアライメントマーク125の位置を算出し、算出した位置情報が制御演算部404の記憶部405に記憶される。
次にロボットアーム176が、下向きに保持した上ワークを搬入して上ステージに載置する。その後、移動機構406が、上基板122に設けられた複数のアライメントマーク125のうち−X方向の端の中央に設けられたアライメントマーク125が、上基準観察器413の直下に位置するように、下ステージ141を移動させる。そして、制御演算部404が、記憶部405に記憶された下基板121のアライメントマークの位置情報を参照して、移動機構406が下ステージ141を+X方向に移動させながら、アライメントマーク125の画像情報を取得する。
このとき、各上観察器411が取得する画像の中心位置にアライメントマーク125が位置するように、移動機構406が下ステージ141を±Y方向に移動させる。制御演算部404は、取得した画像情報に基づいてアライメントマーク125の位置を算出し、算出した位置情報を記憶部405に記憶する。
その後、制御演算部404が記憶部405に記憶された下基板121のアライメントマーク125の位置情報と、上基板122のアライメントマーク125の位置情報に基づいて、移動機構406を制御することにより下ステージ141を精密に移動させて、下基板121と上基板122を位置合わせする。そして、位置合わせ完了後、下ステージ141を上昇させることによって、下基板121と上基板122を積層する。
このように、上観察器411については調整機構403によって位置を調整し、下観察器412については移動機構406によって位置を調整するように構成することで、上観察器411および下観察器412が、それぞれアライメントマーク125を光軸中心で捉えることができ、位置検出精度を向上することができる。なお、下観察器412を1つとして、上基板122の複数のアライメントマーク125の観察をその1つの下観察器412で行うように構成しても良い。その場合、移動機構406によって、複数のアライメントマーク125のそれぞれを観察できる位置に、下観察器412を移動させる。このように構成することで、装置を簡略化することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。