JP2011154126A - サウンドマスキングを行うための装置およびプログラム - Google Patents

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【課題】サウンドマスキング装置において、マスキングが必要なエリアにおけるターゲット音とマスカ音の明瞭度を近づけ、マスカ音が耳触りになるのを防止する。
【手段】 不揮発性メモリ13は、ターゲット音の音源位置から衝立100を迂回してマスキングエリア221の受音点220に至る迂回経路Ch1のエコーダイヤグラムから得られたフィルタ係数列をフィルタ用パラメータとして記憶する。明瞭度調整フィルタ32は、マスカ音信号発生部31が出力するマスカ音にこのフィルタ係数列を畳み込み、D/A変換部11、位相調整部12を介してスピーカ40Lおよび40Rに供給する。スピーカ40Lおよび40Rから受音点220に到達するマスカ音の明瞭度は、迂回経路Ch1を経由して受音点220に到達するターゲット音の明瞭度に近いものとなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、マスキング効果を利用して音の漏れ聴こえを防ぐ技術に関する。
マスキング効果は、例えば2種類の音を同じ空間内に放射した場合に、一方の音の存在によって他方の音の聴き取りが妨げられる現象である。このマスキング効果を利用して、例えば会議の話声が会議室から隣室へ、あるいはパーティションで区切られた会議スペースから外部へ漏れ聴こえるのを防止するサウンドマスキング装置が各種提案されている。このサウンドマスキング装置は、例えば会議室または会議スペースにおいて会議が行われる場合に、会議室の隣室または会議スペースの外に、人の話声の聴き取りを妨げるマスカ音を放射するものである。この場合のマスカ音は、広い帯域にスペクトルを有するノイズ音でもよいが、聴き取りを妨げる対象となる音(以下、ターゲット音という)と類似したスペクトルエンベロープを持った音の方が高いマスキング効果を得られることが知られている。特許文献1は、このような人の声をターゲット音とするサウンドマスキング装置に用いるマスカ音の生成方法を開示している。この特許文献1に開示の方法では、人の話声の音声波形を一音節分の各区間に区切り、区切った各区間を並べ替えるスクランブル処理を施すことによりマスカ音を生成する。この方法により得られるマスカ音は、人の声のような音質ではあるが、話の内容を聴き取って理解することは困難である。従って、このマスカ音をサウンドマスキング装置により放射することにより高いマスキング効果が得られる。
特開2008−233671号公報
しかしながら、上述したサウンドマスキング装置では、例えばターゲット音が聴者に到達するまでの伝送経路が長いのに対して、マスカ音が聴者に到達するまでの伝送経路が短いような場合に、ターゲット音に比較してマスカ音の音の響きが明瞭になる。このため、聴者にとってマスカ音が耳障りになるという問題があった。
この発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、マスカ音が耳障りになるのを防止することができる技術的手段を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明は、第1の領域において発生したターゲット音が第2の領域に漏れ聞こえるのを防止するサウンドマスキング装置において、前記ターゲット音の聴き取りを妨げるマスカ音の発生に用いるマスカ音信号を発生するマスカ音信号発生部と、前記マスカ音信号発生部と前記第2の領域にマスカ音を放音するためのスピーカとの間に介挿され、前記ターゲット音が前記第1の領域から前記第2の領域に漏れる過程において生じる前記ターゲット音の明瞭度の低下に応じた程度だけ前記マスカ音信号の明瞭度を低下させるフィルタ処理を実行する明瞭度調整フィルタとを具備することを特徴とするサウンドマスキング装置を提供する。また、この発明は、コンピュータを、第1の領域において発生したターゲット音の第2の領域での聴き取りを妨げるマスカ音の発生に用いるマスカ音信号を発生するマスカ音信号発生部と、前記マスカ音信号発生部と前記第2の領域にマスカ音を放音するためのスピーカとの間に介挿され、前記ターゲット音が前記第1の領域から前記第2の領域に漏れる過程において生じる前記ターゲット音の明瞭度の低下に応じた程度だけ前記マスカ音信号の明瞭度を低下させるフィルタ処理を実行する明瞭度調整フィルタとして機能させるプログラムを提供する。
かかる発明によれば、第2の領域に放音されるマスカ音の明瞭度がターゲット音の明瞭度に近づくので、聴者にとってマスカ音が耳障りなものでなくなる。
この発明の第1実施形態であるサウンドマスキング装置を含むサウンドマスキングシステムの構成を示す図である。 同サウンドマスキング装置の構成を示すブロック図である。 同実施形態においてターゲット音の経路の伝達関数とマスカ音の経路の伝達関数を同じにすることを可能にする明瞭度調整フィルタの伝達関数を説明する図である。 同実施形態において用いるターゲット音の迂回経路のエコーダイアグラムの一例を示す図である。 同実施形態における明瞭度調整フィルタの構成例を示すブロック図である。 インパルス応答波形に現れる初期反射音成分と残響音成分を例示する図である。 この発明の第2実施形態において用いる明瞭度フィルタの構成例を示すブロック図である。 この発明の第3実施形態によるサウンドマスキング装置が設置される空間のモデルを示す図である。
<第1実施形態>
図1(a)および(b)は、この発明の第1実施形態であるサウンドマスキング装置10を含むサウンドマスキングシステムの構成を示す図である。このサウンドマスキングシステムは、衝立100により仕切られた会議スペース110および通路120からなる空間に適用される。図1(a)は同サウンドマスキングシステムが設置された会議スペース110、衝立100および通路120からなる空間を水平方向から見た図であり、図1(b)は同空間を鉛直方向上から見た図である。
このサウンドマスキングシステムは、会議スペース110における話者210の話声をターゲット音とし、このターゲット音が通路120内のマスキングエリア221において聴き取られるのを妨害する装置である。本実施形態では、通路120内において通行人の頭部が頻繁に通過する領域をマスキングエリア221としている。
衝立100の通路120側の面には、このマスキングエリア221の方向にスピーカ軸を向けて、左右2チャネルのスピーカ40Lおよび40Rが固定されている。これらのスピーカ40Lおよび40Rは、ターゲット音の聴き取りを妨げるマスカ音をマスキングエリア221に向けて放音するためのスピーカである。衝立100の会議スペース110側の面には、本実施形態によるサウンドマスキング装置10が固定されている。このサウンドマスキング装置10は、スピーカ40Lおよび40Rにマスカ音を放音させるためのマスカ音信号を生成する装置である。サウンドマスキング装置10が衝立100の会議スペース110側の面に固定されているのは、会議スペース110内の者がサウンドマスキング装置10を操作し易くするためである。
図2は、本実施形態によるサウンドマスキング装置10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、サウンドマスキング装置10は、D/A変換部11と、位相調整部12と、EEPROM(Electronic Erasable Programmable Read Only Memory;電気的に書き込みおよび消去が可能な読み出し専用メモリ)等による不揮発性メモリ13と、メモリI/F14と、CPU20と、RAM21と、ROM22と、操作表示部50とを有する。
CPU20は、サウンドマスキング装置10の制御中枢をなすものであり、RAM21をワークエリアとして利用しつつ、ROM22に記憶されたプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。操作表示部50は、ボタン、ボリューム摘み等の各種の操作子と、LCD(Liquid Crystal Display;液晶表示器)やランプ等の各種の表示器を備えており、操作子に対して行われるユーザの操作の内容を示す情報をCPU20に供給するとともに、CPU20からの指示に従い、各種の表示器に情報の表示を行わせる。
ROM22に記憶されたプログラムとして、CPU20をマスカ音信号発生部31および明瞭度調整フィルタ32として機能させるプログラムがある。ここで、マスカ音信号発生部31は、ターゲット音の聴き取りを妨げるマスカ音の放音に用いるマスカ音信号を発生する手段である。また、明瞭度調整フィルタ32は、マスカ音信号発生部31によって発生されたマスカ音信号にフィルタ処理を施し、D/A変換器11および位相調整部12を介してスピーカ40Lおよび40Rに供給する手段である。この明瞭度調整フィルタ32は、スピーカ40Lおよび40Rから通路120に放音されるマスカ音の明瞭度が会議スペース110から通路120に漏れるターゲット音の明瞭度に近づくように、マスカ音信号の明瞭度を調整するフィルタ処理を実行する。より具体的には、明瞭度調整フィルタ32は、ターゲット音が会議スペース110から通路120に漏れる過程において生じるターゲット音の明瞭度の低下に応じた程度だけマスカ音信号の明瞭度を低下させるフィルタ処理を実行する。
不揮発性メモリ13は、マスカ音信号発生部31がマスカ音信号を発生するのに用いるマスカ音データと、明瞭度調整フィルタ32がフィルタ処理を実行するのに用いるフィルタ用パラメータを記憶する。
ここで、マスカ音データは、特許文献1に開示されている手法により生成されたデータ、具体的には、人の話声の音声波形を一音節分の各区間に区切り、区切った各区間を並べ替えるスクランブル処理を施すことにより得られたマスカ音の波形のサンプルデータ列である。本実施形態では、性別、年齢、使用言語等の異なった各種の人物の話声から得られた複数種類のマスカ音データが不揮発性メモリ13に記憶されている。このように、複数種類のマスカ音データを不揮発性メモリ13に記憶させているのは、会議スペース110の利用者の性別、年齢、使用言語等に合わせて、十分なマスキング効果を期待することができるマスカ音データを選択できるようにするためである。マスカ音信号発生部31は、この不揮発性メモリ13に記憶された複数種類のマスカ音データの中から操作表示部50の操作により指定されたものを読み出して、マスカ音信号として明瞭度調整フィルタ32に引き渡す。
本実施形態における明瞭度調整フィルタ32は、FIR(Finite Impulse Response;有限インパルス応答)フィルタである。不揮発性メモリ13に記憶されたフィルタ用パラメータは、このFIRフィルタである明瞭度調整フィルタ32がマスカ音信号のサンプル列に畳み込むフィルタ係数列である。なお、このフィルタ係数列の詳細については後述する。メモリI/F14は、不揮発性メモリ13に記憶させるマスカ音データやフィルタ用パラメータが外部から与えられた場合にその書き込みの制御を行うインタフェースである。
明瞭度調整フィルタ32の処理を経たマスカ音信号は、CPU20からD/A変換部11に出力される。D/A変換部11は、このCPU20から順次出力されるデジタル形式のマスカ音信号をアナログ信号に変換し、位相調整部12に出力する。位相調整部12は、このアナログ形式のマスカ音信号からLチャネルおよびRチャネルのマスカ音信号を発生してスピーカ40Lおよび40Rに出力する。その際に位相調整部12は、スピーカ40Lおよび40Rから放音されるマスカ音が無定位の音となるように、LチャネルおよびRチャネルの各マスカ音信号間にπの位相差を生じさせる。
次に本実施形態における明瞭度調整フィルタ32の詳細について説明する。図1(a)および(b)に示すように、マスキングエリア221内に代表的な受音点220を想定する。この受音点220は、例えばマスキングエリア221内において、通行人の頭部がもっとも通過し易い位置である。図1(a)および(b)に示すように、会議スペース110において話者210が発するターゲット音は、衝立100と天井230との間を通る迂回経路Ch1を経由してマスキングエリア221内の受音点220に到来する。ここで、迂回経路Ch1は、経路長が長く、かつ、迂回経路Ch1にはターゲット音を反射させる天井230などの反射面がある。このため、受音点220に届くターゲット音は、会議スペース110内において発生した時点のものに比べて、天井230からの反射音などを含み、明瞭度の低下したものとなる。これに対し、マスカ音は、スピーカ40Lおよび40Rから水平方向の短い経路Ch2を経由して受音点220に到来する。このため、何ら策を施さないとすると、マスキングエリア221において、ターゲット音に比べて、マスカ音の明瞭度が高くなり、明瞭なマスカ音が耳障りになる。このような不都合を回避するため、明瞭度調整フィルタ32は、ターゲット音が会議スペース110から通路120に漏れる過程において生じるターゲット音の明瞭度の低下に応じた程度だけマスカ音信号の明瞭度を低下させるフィルタ処理を実行する。より詳細には次の通りである。
図3に示すように、受音点220に到達するまでにターゲット音が辿る迂回経路Ch1の伝達関数をH1(jω)、マスカ音が辿る経路Ch2の伝達関数をH2(jω)とする。ここで、明瞭度調整フィルタ32の伝達関数が式(1)を満たすようなH3(jω)であれば、マスカ音信号発生部31によって発生されたマスカ音信号がマスカ音となって受音点220に到達するまでの全経路の伝達関数は、H3(jω)H2(jω)=H1(jω)となり、迂回経路Ch1のものと同じになる。従って、受音点220におけるマスカ音の明瞭度がターゲット音の明瞭度と同じになるものと期待することができる。
H3(jω)=H1(jω)/H2(jω) ……(1)
このような伝達関数H3(jω)を持った明瞭度調整フィルタ32を実現するためには、次のようにして明瞭度調整フィルタ32の畳み込み演算に用いるフィルタ係数列を求めればよい。
(1)会議スペース110内のターゲット音の音源位置(例えば会議スペース110における話者の口の位置の代表点)においてインパルス音を発生させ、受音点220においてインパルス応答波形を採取する。
(2)上記(1)のインパルス応答波形にフーリエ変換を施し、迂回経路Ch1の伝達関数H1(jω)を求める。
(3)スピーカ40Lおよび40Rの各位置においてインパルス音を同時に発生させ、受音点220において経路Ch2のインパルス応答波形を採取する。
(4)上記(3)のインパルス応答波形にフーリエ変換を施し、経路Ch2の伝達関数H2(jω)を求める。
(5)上記(2)の伝達関数H1(jω)および上記(4)の伝達関数H2(jω)を用いて、前掲式(1)の演算を行い、明瞭度調整フィルタ32の伝達関数H3(jω)を求める。
(6)上記(5)の伝達関数H3(jω)に逆フーリエ変換を施し、明瞭度調整フィルタ32の畳み込み演算に用いるフィルタ係数列を求める。
ところで、本実施形態における明瞭度調整フィルタ32は、マスカ音の明瞭度をターゲット音の明瞭度に近づけることができるものであればよいのであり、そのような伝達関数であれば、必ずしも上記式(1)を精度良く満たしている必要はない。そこで、必要な明瞭度調整フィルタ32の伝達関数H3(jω)をターゲット音が辿る迂回経路Ch1の伝達関数H1(jω)により近似する方法が考えられる。すなわち、迂回経路Ch1のインパルス応答波形をサンプリングすることにより得られたフィルタ係数列をフィルタ用パラメータとして不揮発性メモリ13に格納しておき、明瞭度調整フィルタ32に利用させるのである。しかし、この方法を採用した場合、畳み込み演算に用いるフィルタ係数が膨大な数となり、畳み込み演算の演算量が膨大なものとなる。そこで、本実施形態では、迂回経路Ch1のインパルス応答波形が有する全情報のうちターゲット音の明瞭度に影響を与える情報のみを明瞭度フィルタ32の処理に利用する。具体的には、迂回経路Ch1のインパルス応答波形のエンベロープであるエコーダイアグラムを求め、このエコーダイアグラムから明瞭度調整フィルタ32の畳み込み演算に用いるフィルタ係数列を求める。
図4は、迂回経路Ch1のエコーダイアグラムの一例を示すものである。この図に示すように、インパルス音の発生時刻を0とした場合において、各時刻T0+kT(k=0〜n−1)におけるエコーダイアグラムのサンプルg(k)(k=0〜n−1)を求める。ここで、T0は、インパルス音の発生時刻からエコーダイアグラムにおける音量の立ち上がりまでの遅延時間であり、話者210→衝立100の上端部→受音点220という最短経路におけるインパルス音の伝搬時間に相当する。そして、このサンプルg(k)(k=0〜n−1)を明瞭度調整フィルタ32の畳み込み演算に用いるフィルタ係数列とするのである。
図5は、本実施形態における明瞭度調整フィルタ32の一例である明瞭度調整フィルタ32Aの構成を示すブロック図である。この明瞭度調整フィルタ32Aは、遅延部321と、n個の乗算部322と、加算部323とを有する。遅延部321は、マスカ音信号発生部31より供給されるマスカ音信号を遅延時間T0+kT(k=0〜n−1)だけ各々遅延させたn個の遅延マスカ音信号を生成する。n個の乗算部322は、n個の遅延マスカ音信号に対し、フィルタ係数g(k)(k=0〜n−1)を各々乗算する。加算部323は、n個の乗算部322の各乗算結果を加算し、明瞭度調整を経たマスカ音信号としてD/A変換部11へ出力する。
本実施形態によれば、このような明瞭度調整フィルタ32Aを採用したため、受音点220におけるマスカ音の明瞭度をターゲット音の明瞭度に近づけることができる。従って、マスカ音が耳障りになるのを防止することができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、ターゲット音の明瞭度に影響を与える情報として、迂回経路Ch1のインパルス応答波形が有する全情報のうちD値を選択し、明瞭度調整フィルタ32の演算処理に利用する。図6は、迂回経路Ch1のインパルス応答波形の一例を示す図である。図6に示すように、インパルス応答波形において、残響音成分は初期反射成分の後に現れる。この残響音成分の音量レベルは図示のように指数関数的に減衰する。そして、D値は、インパルス応答波形の初期の50ms以内の区間のエネルギーのインパルス応答波形全体のエネルギーに対する比であり、話声の明瞭度の指標としてよく用いられる情報である。
図7は、本実施形態による明瞭度調整フィルタ32の一例である明瞭度調整フィルタ32Bの構成を示すブロック図である。図7に示すように、この明瞭度調整フィルタ32Bは、初期反射音発生部330と、残響音発生部340と、乗算部351および352と、加算部353とを有する。
初期反射音発生部330は、上述した明瞭度調整フィルタ32Aと同様なFIRフィルタであり、遅延部331と、複数の乗算部332と、加算部333とにより構成される。この初期反射音発生部330は、マスカ音信号発生部31からマスカ音信号を受け取り、このマスカ音信号から50ms以内の遅延を持った初期反射音信号を発生する回路である。
残響音発生部340は、マスカ音信号を50ms以上遅延させた信号を初期反射音発生部330の遅延部331から受け取り、この遅延されたマスカ音信号に基づいて残響音信号を発生する回路である。この残響音発生部340は、加算部341と、遅延部342と、LPF(Low Pass Filter)343と、乗算部344とからなるIIR(Infinite
Impulse Response;無限インパルス応答)フィルタである。加算部341は、初期反射音発生部330の遅延部331から供給されるマスカ音信号のサンプルと乗算部344の出力サンプルとを加算し、遅延部342に供給する回路である。遅延部342は、加算部341から供給されるサンプルを一定時間TRTだけ遅延させ、LPF343に供給する回路である。LPF343は、遅延部342から供給されるサンプルから不要な高域成分を除去し、乗算部344に供給する回路である。乗算部344は、LPF343を通過したサンプルに減衰係数KRTを乗算し、加算部341に供給する。ここで、この減衰係数KRTは0<KRT<1の条件を満たす範囲内の係数である。そして、LPF343の出力信号が残響音成分を示す信号として乗算部352に供給される。
この残響音発生部340において、初期反射音発生部331を介して加算部324に入力されたマスカ音信号のサンプル(50msの遅延を経たマスカ音信号のサンプル)は、以後、加算部341→遅延部342→LPF343→乗算部344→加算部341という閉ループの巡回を繰り返す。そして、マスカ音信号のサンプルには、閉ループを一巡する都度、減衰係数KRTを乗算される。このため、LPF343が出力するサンプルのうちマスカ音信号の1サンプルに対応した残響音成分のサンプルのレベルは、指数関数的に減少してゆく。そして、LPF343の出力信号に現れる残響音成分が所定の減衰量だけ減衰するための所要時間を残響時間とした場合、この残響時間は、減衰係数KRTに依存し、減衰係数KRTを大きくすれば残響時間が短くなり、減衰係数KRTを小さくすれば残響時間は長くなる。また、残響時間は、遅延部342の遅延時間TRTに依存し、遅延時間TRTを大きくすれば残響時間が長くなり、遅延時間TRTを小さくすれば残響時間は短くなる。そこで、本実施形態では、迂回経路Ch1のインパルス応答波形に現れる残響音成分と同程度の残響時間を実現することができる減衰係数KRTおよび遅延時間TRTを求めて、フィルタ用パラメータとして不揮発性メモリ13に記憶させ、明瞭度調整フィルタ32Bのフィルタ処理(図7参照)に利用させる。
乗算部351および352と加算部353は、初期反射音発生部330の出力信号と残響音発生部340の出力信号をミキシングしてD/A変換部11へ出力するミキサを構成している。すなわち、乗算部351は、初期反射音発生部330が出力する初期反射音信号に係数Kを乗算し、乗算部352は、残響音発生部340が出力する残響音信号に係数1−Kを乗算し、加算部353は、乗算部351の乗算結果と乗算部352の乗算結果を加算し、加算結果である信号をD/A変換部11へ出力する。ここで、係数Kは、迂回経路Ch1のインパルス応答波形から求めたD値に応じた係数であり、D値が大きくなる程、係数Kは大きくなる。この係数Kは、初期反射音発生部330および残響音発生部340の演算処理に使用される他のパラメータとともに、フィルタ用パラメータとして、不揮発性メモリ13に記憶され、この不揮発性メモリ13から明瞭度調整フィルタ32Cに引き渡される。
本実施形態によれば、マスカ音に初期反射音と残響音とを付与し、かつ、受音点220におけるマスカ音のD値をターゲット音のD値と同程度にすることができる。従って、受音点220におけるマスカ音の明瞭度をターゲット音の明瞭度に近づけることができ、マスカ音が耳障りになるのを防止することができる。また、本実施形態では、受音点220におけるマスカ音の残響音成分の残響時間をターゲット音の残響音成分の残響時間と同程度にしている。従って、受音点220におけるマスカ音の明瞭度をターゲット音の明瞭度にさらに近づけることができ、マスカ音が耳障りになるのを防止することができる。
なお、本実施形態において、初期反射音発生部330は、必ずしも迂回経路Ch1のインパルス応答波形に現れる初期反射音成分を正確に再現するものである必要はなく、残響音発生部340も、迂回経路Ch1のインパルス応答波形に現れる残響音成分を正確に再現するものである必要はない。本実施形態では、迂回経路Ch1のインパルス応答波形から求めたD値を初期反射音信号と残響音信号とのミキシングに用いるミキシング比Kに反映できればよいのである。
本実施形態において、操作表示部50にキャリブレーション摘みを設け、このキャリブレーション摘みの操作により、残響音発生部340における減衰係数KRTや遅延時間TRTの増減を行えるように構成してもよい。この態様によれば、不揮発性メモリ13に記憶された減衰係数KRTや遅延時間TRTを決定する際に想定した会議スペース110内のターゲット音の音源位置およびマスキングエリア221の受音点220と、実際のターゲット音の音源位置および受音点220との間にずれが生じ、減衰係数KRTや遅延時間TRTが最適な値でなくなった場合に最適な値に補正することができる。
<第3実施形態>
本実施形態では、会議スペース110、衝立100および通路120のレイアウトを各種想定し、想定した各レイアウト毎に、明瞭度調整フィルタ32の演算処理に用いるフィルタ用パラメータを求めて不揮発性メモリ13に記憶させる。具体的には、図8(a)および(b)に示すように、会議スペース110および通路120の床240から天井230までの高さH1、会議スペース110を囲む衝立の高さH2、会議スペース110の床面積Sを各種異ならせた複数種類のレイアウトを想定し、想定した各レイアウト毎に、フィルタ用パラメータを求めて不揮発性メモリ13に記憶させる。なお、図8(a)は会議スペース110等を水平方向から見た図、図8(b)は鉛直方向上から見た図である。そして、本実施形態では、操作表示部50の操作により、いずれのレイアウトに対応したフィルタ用パラメータを明瞭度調整フィルタ32の演算処理に用いるかを選択させる。なお、明瞭度調整フィルタ32は、上記各実施形態のいずれのものでもよい。
本実施形態によれば、1台のサウンドマスキング装置10を各種のレイアウトにおいて使用することができる。本実施形態においても、操作表示部50にキャリブレーション摘みを設け、このキャリブレーション摘みの操作により、明瞭度調整フィルタにおける演算処理のためのパラメータの増減を行えるように構成してもよい。
<他の実施形態>
以上、この発明の第1〜第3実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)会議スペース110内のターゲット音の音源位置を各種想定し、想定した各音源位置毎に、明瞭度調整フィルタ32の演算処理に用いるフィルタ用パラメータを求めて不揮発性メモリ13に記憶させる。また、サウンドマスキング装置10にターゲット音の音源位置測定機能を持たせる。そして、この音源位置測定機能により測定した音源位置に対応したフィルタ用パラメータを不揮発性メモリ13から読み出し、明瞭度調整フィルタ32に与えるようにサウンドマスキング装置10を構成する。音源位置測定機能を実現する態様としては、各種のものが考えられるが、例えば、圧力センサを会議スペース110の各椅子に取り付ける態様が考えられる。この態様において、サウンドマスキング装置10のCPU20は、会議スペース110の各椅子に取り付けられた各圧力センサの出力信号を監視する。そして、話者がいずれかの椅子に着席したとき、CPU20は、その椅子に取り付けられた圧力センサの出力信号の変化に基づき、話者が着席した椅子を検知し、ターゲット音の音源位置である話者の口の位置を求めるのである。音源位置測定機能を実現するための他の態様として、いわゆるアレイマイクを用いる態様も考えられる。この態様では、各マイクロホンの収音タイミングの時間差から会議スペース110内におけるターゲット音の音源位置を求める。音源位置測定機能を実現するための他の態様として、特定の位置に人感センサを設置する態様も考えられる。
(2)迂回経路Ch1のインパルス応答測定機能をサウンドマスキング装置10に持たせる。具体的にはインパルス音を発生する音源およびスピーカと、インパルス応答波形を採取するマイクをサウンドマスキング装置10に追加する。また、このインパルス応答測定機能により得られた迂回経路Ch1のインパルス応答波形から明瞭度調整フィルタ32の演算処理に用いるフィルタ用パラメータを算出して不揮発性メモリ13に書き込む機能をサウンドマスキング装置10に持たせる。この場合の明瞭度調整フィルタ32は、上記各実施形態のいずれのものでもよい。本実施形態によれば、サウンドマスキング装置10を様々なレイアウトの会議スペース110、衝立100および通路120に適用する場合に、適用対象に応じた最適なフィルタ用パラメータを取得して、明瞭度調整フィルタ32の演算処理に利用することができる。従って、サウンドマスキング装置10の用途を広げることができるという利点がある。
(3)上記各実施形態では、会議スペースから衝立を迂回して通路に漏れるターゲット音の聴き取りを妨げるマスカ音を発生するサウンドマスキング装置を説明したが、この発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば背の低い衝立を間に挟んで複数の会議スペースが隣り合っているような状況において、各会議スペースから隣の会議スペースに漏れるターゲット音の聴き取りを妨げるサウンドマスキング装置を構成してもよい。この場合、各会議スペースの椅子の位置に基づいてターゲット音の音源位置およびターゲット音の受音点が定まるので、ターゲット音およびマスカ音の各経路が定まり、明瞭度フィルタの設計が容易になるという利点がある。また、上記各実施形態では、衝立を迂回して到来するターゲット音のマスキングを行ったが、この発明によるサウンドマスキング装置は、ターゲット音の音源とターゲット音を受音する聴者の耳との間に衝立がない状況においてターゲット音のマスキングを行うのに利用してもよい。さらに詳述すると、ターゲット音は音源である話者の口から聴者の耳まで伝達されるのに対し、マスカ音は話者の口から隔たったところにあるスピーカから聴者の耳まで伝達される。このように、衝立がない状況でも、ターゲット音の伝達経路とマスカ音の伝達経路は異なるため、何ら策を講じないと、ターゲット音の明瞭度よりもマスカ音の明瞭度が高くなるという事態が生じる。そこで、この発明によるサウンドマスキング装置により、ターゲット音に近い明瞭度を持ったマスカ音を発生し、ターゲット音のマスキングを行うのである。
(4)上記第2実施形態では、マスカ音信号から初期反射音信号と残響音信号を発生し、マスカ音信号および初期反射音信号の総和と残響音信号とのミキシング比であるD値を調整することによりマスカ音の明瞭度の調整を行った。しかし、このようにする代わりに、マスカ音信号から残響音信号のみを発生し、マスカ音信号と残響音信号のミキシングを行って、マスカ音として出力してもよい。この場合、ミキシング後の信号におけるマスカ音信号のエネルギーと残響音信号のエネルギーの比(直接音成分と残響音成分のエネルギー比)を調整することによりマスカ音の明瞭度の調整を行えばよい。すなわち、マスカ音の明瞭度を上げる場合には、ミキシング後の信号においてマスカ音信号のエネルギーに対する残響音信号のエネルギーの比を小さくし、マスカ音の明瞭度を下げる場合には、ミキシング後の信号においてマスカ音信号のエネルギーに対する残響音信号のエネルギーの比を大きくするのである。この態様は、初期反射音信号を生成しないので、上記第2実施形態と比べて演算量が少なくて済むという利点がある。
(5)例えばビル内に多数存在する会議スペース等の各拠点にサウンドマスキング装置10を配置する状況が考えられる。このような状況において、会議スペース等の各拠点においてサウンドマスキングを行うためには、各拠点のサウンドマスキング装置10が当該拠点に対して最適化されたマスカ音信号発生部31と明瞭度調整フィルタ32を持った状態になる必要がある。そこで、コンピュータを上記マスカ音信号発生部31および上記明瞭度フィルタ32として機能させる各種のプログラムを管理サーバに各種記憶させておき、サウンドマスキング装置10が操作表示部50の操作に応じて所望のプログラムをダウンロードして実行する構成としてもよい。
(6)上記(5)の管理システムにおいて、各拠点のサウンドマスキング装置10に明瞭度調整フィルタ32のフィルタ用パラメータの算出に必要な情報(例えば上記第1実施形態における迂回経路Ch1のエコーダイアグラム)を収集して管理サーバに送信する機能を設ける。また、管理サーバには、サウンドマスキング装置10から受信したエコーダイアグラム等の情報に基づいて、明瞭度調整フィルタ32のフィルタ用パラメータを算出し、当該サウンドマスキング装置10に送信する機能を設ける。そして、サウンドマスキング装置10では、管理サーバから受信したフィルタ用パラメータを不揮発性メモリ13に格納し、明瞭度調整フィルタ32の実行に使用するのである。
(7)上記(5)および(6)の態様では、マスカ音信号を生成するための機能(上記実施形態におけるCPU20、CPU20をマスカ音信号発生部31および明瞭度調整フィルタ32として機能させるプログラム等)をビル内の各拠点のサウンドマスキング装置10に設け、各拠点においてマスカ音信号を生成した。しかし、ビル内の例えば集中管理室に各拠点のサウンドマスキング装置10に宛ててマスカ音信号を配信する管理サーバを設け、各拠点に配置するサウンドマスキング装置10は、管理サーバから受信したマスキング音信号をマスカ音として放音するだけの簡素な構成の装置にしてもよい。この場合において、管理サーバに各拠点のサウンドマスキング装置10の動作を集中制御する機能を持たせてもよい。例えば、そのビルの就業時間内だけ全サウンドマスキング装置10を稼動させる、という制御態様が考えられる。また、別の態様として、各拠点での就業形態(2交替/3交替勤務等)に合わせて、就業中である1または複数の拠点のサウンドマスキング装置10を稼動させる、という態様も考えられる。また、管理サーバが例えば会議予約システムと連係する態様も考えられる。具体的には、各会議室の開催時間と共に会議の機密性の度合いを会議予約システムに登録することができるようにしておき、管理サーバは、各会議室における会議の開催時間に合わせて各会議室のサウンドマスキング装置10を稼動させ、かつ、そのマスキングの程度を当該会議について登録された機密性の度合いに応じた程度にするための制御を行う、といった態様が考えられる。このように、本発明の実施の形態には、複数のサウンドマスキング装置10を1台の管理サーバが集中管理する形態もあり得る。
10…サウンドマスキング装置、11…D/A変換部、12…位相調整部、13…不揮発性メモリ、14…メモリI/F、20…CPU、21…RAM、22…ROM、31…マスカ音信号発生部、32,32A,32B…明瞭度調整フィルタ、40…スピーカ、50…操作出力部、100…衝立、110…会議スペース、210…話者、120…通路、220…受音点、221…マスキングエリア、230…天井、240…床、321,331,342…遅延部、322,332,344,351,352…乗算部、323,333,341,353…加算部、343…LPF、330…初期反射発生部、340…残響音発生部。

Claims (6)

  1. 第1の領域において発生したターゲット音が第2の領域に漏れ聞こえるのを防止するサウンドマスキング装置において、
    前記ターゲット音の聴き取りを妨げるマスカ音の発生に用いるマスカ音信号を発生するマスカ音信号発生部と、
    前記マスカ音信号発生部と前記第2の領域にマスカ音を放音するためのスピーカとの間に介挿され、前記ターゲット音が前記第1の領域から前記第2の領域に漏れる過程において生じる前記ターゲット音の明瞭度の低下に応じた程度だけ前記マスカ音信号の明瞭度を低下させるフィルタ処理を実行する明瞭度調整フィルタと
    を具備することを特徴とするサウンドマスキング装置。
  2. 前記明瞭度調整フィルタは、前記マスカ音信号の明瞭度を低下させるフィルタ処理を実行するための手段として、前記第1の領域から前記第2の領域に至るターゲット音の伝達経路のインパルス応答のエンベロープ波形をサンプリングすることにより生成されたフィルタ係数列を前記マスカ音信号に畳み込む手段を具備することを特徴とする請求項1に記載のサウンドマスキング装置。
  3. 前記明瞭度調整フィルタは、前記マスカ音信号の明瞭度を低下させるフィルタ処理を実行するための手段として、前記マスカ音信号に初期反射音成分を付与し、初期反射音信号として出力する初期反射音生成手段と、前記マスカ音信号に基づいて残響音信号を生成する残響音生成手段と、前記反射音生成手段が生成した初期反射音信号と前記残響音生成手段が生成した残響音信号をミキシングして出力するミキサとを有し、前記ミキサは、前記第1の領域から前記第2の領域に漏れるターゲット音の明瞭度に応じて決定されたミキシング比で、前記初期反射音信号と前記残響音信号のミキシングを行うことを特徴とする請求項1に記載のサウンドマスキング装置。
  4. 前記明瞭度調整フィルタは、前記マスカ音信号の明瞭度を低下させるフィルタ処理を実行するための手段として、前記マスカ音信号に基づいて残響音信号を生成する残響音生成手段と、前記マスカ音信号と前記残響音生成手段が生成した残響音信号をミキシングして出力するミキサとを有し、前記ミキサは、前記第1の領域から前記第2の領域に漏れるターゲット音の明瞭度に応じて決定されたミキシング比で、前記マスカ音信号と前記残響音信号のミキシングを行うことを特徴とする請求項1に記載のサウンドマスキング装置。
  5. 操作手段に対する操作に応じて、前記明瞭度調整フィルタによるフィルタ処理が制御されるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載のサウンドマスキング装置。
  6. コンピュータを、
    第1の領域において発生したターゲット音の第2の領域での聴き取りを妨げるマスカ音の発生に用いるマスカ音信号を発生するマスカ音信号発生部と、
    前記マスカ音信号発生部と前記第2の領域にマスカ音を放音するためのスピーカとの間に介挿され、前記ターゲット音が前記第1の領域から前記第2の領域に漏れる過程において生じる前記ターゲット音の明瞭度の低下に応じた程度だけ前記マスカ音信号の明瞭度を低下させるフィルタ処理を実行する明瞭度調整フィルタと
    して機能させるプログラム。
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