JP6511775B2 - 残響音付加装置 - Google Patents

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Description

この発明は、入力された音響信号に残響音を示す信号を付加する装置に関する。
所定の空間の音響特性をシミュレートして、入力された音響信号(入力信号)に当該空間の残響音を示す信号(残響信号)を付加する技術がある。この技術では、入力信号に残響信号を付加して得られた出力信号がスピーカに供給され、残響音を伴った音が当該スピーカから放音される。
残響音の聴感的な印象に影響を与える物理的な要素の1つとして、残響音を構成する音の時間的な密度(以下、音密度という)がある。この残響音の音密度に対応する聴感的な印象を、残響音の密度感と呼ぶこととする。例えば、残響音の音密度が高ければ密で詰まった感じがある残響音となり、残響音の音密度が低ければ疎でまばらな感じがある残響音となる。
特開2000−069598号公報 特開2004−212797号公報
残響音の音密度は、入力信号の種類や内容、空間の音響特性などによって異なる。このため、好まれる残響音の音密度は異なる。例えば、ドラムなどのアタックの強い短音を出す楽器の音に付加する残響音としては、音密度が比較的に高い残響音が好まれる一方、残響の長いコンサートホールでのクラシック演奏などの音に付加する残響音としては、音密度が比較的に低い残響音が好まれる。このため、残響音の音密度を、入力信号の種類や内容、空間の音響特性などに応じて適切な大きさに制御したい、という要求がある。
残響音の音密度を制御する技術の一例として、全域通過フィルタを用いて残響信号の発生密度を増大させる技術が特許文献1に開示されている(特許文献1の段落0008参照)。特許文献1に開示される櫛形フィルタと全域通過フィルタからなる残響音付加回路では、残響音の音密度を増大させつつ、残響音を生成することはできるものの、インパルスレスポンス(所定の空間の音響特性である時間応答を表す物理量。以下、IRと表記する。)を用いた畳み込み方式ではないために、所定の空間の音響特性を再現することができない。
この発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、所定の空間の音響特性をシミュレートしつつ、残響音の音密度を制御することが可能な残響音付加装置を提供することを目的とする。
この発明は、所定のノイズを生成するノイズ生成手段と、ランダムな時間間隔を有するインパルス列からなるインパルスノイズを生成するインパルスノイズ生成手段と、前記ノイズと前記インパルスノイズとを加算して加算ノイズを生成する加算ノイズ生成手段と、前記加算ノイズと、空間の音響特性を表すインパルスレスポンスの振幅特性とを乗算して修正インパルスレスポンスを生成するインパルスレスポンス生成手段と、入力される音響信号に前記修正インパルスレスポンスを畳み込んで出力するインパルスレスポンス畳み込み手段と、を有することを特徴とする残響音付加装置を提供する。
この発明によれば、ランダムな時間間隔を有するインパルス列からなるインパルスノイズを加算した加算ノイズから修正インパルスレスポンスが生成され、この修正インパルスレスポンスが音響信号に畳み込まれる。これにより、畳み込まれた後の信号は、インパルスノイズに対応するランダムな時間間隔を有する。このため、畳み込まれた後の信号の音密度は変化する。従って、本残響音付加装置によれば、残響音の音密度を制御することができる。
この発明の一実施形態である残響音付加装置1の構成を示すブロック図である。 同残響音付加装置1のインパルスノイズ生成部60のインパルスノイズ生成処理の概念を示す図である。 同残響音付加装置1の信号処理部30の構成を示す図である。 同信号処理部30の直接音計算部101、初期反射音計算部102および後部残響音計算部103の基本構成である音響計算部100の構成を示す図である。 同信号処理部30の無相関IR畳み込みフィルタ105の構成を示す図である。 同無相関IR畳み込みフィルタ105の無相関IR生成部310が行う処理の内容を示す概念図である。 同無相関IR生成部310が行う処理の内容を示すフローチャートである。 同無相関IR生成部310が帯域別時間伸縮処理部450により行う時間伸縮処理の例を示す図である。 同帯域別時間伸縮処理の例を示す図である。 この発明の変形例(1)を説明する図である。 この発明の変形例(3)を説明する図である。 この発明の変形例(5)を説明する図である。 この発明の変形例(6)の信号処理部30Bの構成を示す図である。
以下、図面を参照し、この発明の実施形態について説明する。
<実施形態>
図1は、この発明の一実施形態による残響音付加装置1の構成を示すブロック図である。残響音付加装置1は、制御部10、入出力インタフェース(以下、入出力I/Fと表記する)20、信号処理部30、記憶部40、ノイズ生成部50、インパルスノイズ生成部60およびこれら構成要素間のデータ授受を仲介するバス70を含んでいる。残響音付加装置1は、音響信号が入力される入力系統を一つ有し、出力信号が出力される出力系統を複数(本実施形態ではN個)有している。残響音付加装置1には、この出力系統の数だけスピーカ80が接続されている。残響音付加装置1は、入力された音響信号(入力信号)に残響音を示す信号(残響信号)を付加してスピーカ80に出力する装置である。残響音付加装置1は、例えば、劇場や映画館などに用いられる。残響音付加装置1に接続された複数のスピーカ80は、例えば、劇場や映画館の壁などに設置される。
制御部10は、例えば、CPU(中央演算装置)である。制御部10は、記憶部40に記憶されているプログラム(図示略)を実行することにより、残響音付加装置1の制御中枢として機能する。記憶部40は、フラッシュROMなどの不揮発性記憶部やRAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶部を含む記憶装置である。不揮発性記憶部には、制御装置10によって実行されるプログラムが記憶されている。このプログラムは、例えば、入力信号を加工するための各種のパラメータを信号処理部30に対して指示するプログラムなどである。また、不揮発性記憶部には、インパルスレスポンス(IR)が記憶されている。IRは、例えば、所定の空間(例えば劇場や映画館など)において測定することによって得られたインパルスレスポンスである。また、IRは、所定の空間について反射音の伝搬特性をシミュレート(計算)することによって得られたインパルスレスポンスでも良い。あるいは、実測または、シミュレート(計算)により得られたIRを適宜、組み合わせたり、編集、加工したりして得られたインパルスレスポンスでも良い。要は、所定の空間の音響特性を表すインパルスレスポンスであれば良い。本実施形態では、空間内の代表的な音源および受音点において測定されたIRが不揮発性記憶部に記憶されている。揮発性記憶部は、不揮発性記憶部内のプログラムを実行するためのワークエリアとして使用される。
入出力I/F20は、マウスなどの操作子やディスプレイなどの表示装置を含んでいる。入出力I/F20の操作子は、ユーザによる操作に応じた信号を制御部10に送る。また、入出力I/F20の表示装置は、制御部10の制御に応じた情報を画面に表示する。ユーザは、入出力I/F20によって空間の態様などを指定することができる。例えば、ユーザは、操作子を操作して空間の壁面の位置情報を指定する、という具合である。
ノイズ生成部50は、所定のノイズを生成するノイズ生成手段である。所定のノイズとは定常雑音であり、例えば、ホワイトノイズのように、レベルが一定であって広帯域の周波数成分を有する雑音である。本実施形態のノイズ生成部50は、出力系統毎に独立した異なる複数(N個)のノイズを生成する。より詳細には、ノイズ生成部50は、互いに無相関な(あるいは、互いに相関が低い)複数(N個)のノイズを生成する。ノイズ生成部50によって生成されるノイズは、IRの時間長さと同程度の時間長さを有し、例えば、10秒程度である。生成されたノイズは、信号処理部30に引き渡される。
インパルスノイズ生成部60は、ランダムな時間間隔で発生するインパルスの列で構成されるインパルスノイズを生成する手段である。本実施形態におけるランダムな時間間隔は、具体的には、所定の確率に応じた制御の下に決定される。すなわち、このインパルスノイズは、所定の確率の時間間隔を有するインパルス列からなるインパルスノイズである。図2は、インパルスノイズ生成部60のインパルスノイズ生成処理の概念を示す図である。図2(A)は、インパルス列における各インパルスが発生する時間間隔の確率密度を表す確率密度関数を示している。インパルスノイズ生成部60は、図2(A)に示す確率密度関数に従って各インパルスを発生してインパルス列を生成する。ここで、図2(A)の横軸のインパルスの時間間隔は、次のインパルスが発生するまでの時間間隔であり、縦軸の確率密度は、その時間間隔のインパルスを発生する確率である。具体的には、一例として、5ミリ秒の時間間隔で次のインパルスを発生する確率は1/8、10ミリ秒の時間間隔で次のインパルスを発生する確率は1/4、15ミリ秒の時間間隔で次のインパルスを発生する確率は1/8、などと設定される。
図2(B)は、図2(A)の確率密度関数を用いてインパルス列を生成する方法を例示する図である。図2(B)は、図2(A)の確率密度関数を、時間間隔が0から所定値までの区間を積分した関数値を示している。図2(B)に例示するインパルス列生成方法では、インパルスノイズ生成部60は、クロックなどに従って0から1までの間の乱数(具体的には疑似乱数)を一様に順次発生する乱数発生部を含んでいる。乱数発生部が発生する乱数の値は、図2(B)の確率密度の積分値に対応させる。インパルスノイズ生成部60は、発生した乱数の値に対応する確率密度の積分値から、時間間隔の値を決定する。そして、決定した時間間隔に基づいて、インパルス列発生部でインパルスを生成する。これにより、当初設定した時間間隔の確率密度関数に対応したインパルスを、所定の確率の時間間隔で順次発生していくことができる。ここで、発生したインパルスの時間間隔は時々刻々と変化するが、前述の確率密度関数に支配されており、インパルスの平均時間間隔は所定の値(確率密度関数で決定される値)に保たれる。実際には、例えば0.1秒から20秒程度の時間で1000個程度のインパルスをインパルス列内に含むようにインパルスの発生処理が実行される。従って、インパルスの平均時間間隔は0.1ミリ秒から20ミリ秒程度に設定される。生成されたインパルスノイズは、信号処理部30に引き渡される。
図1に示す信号処理部30は、例えば、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)である。信号処理部30は、入力信号に残響信号を付加する処理を行う手段である。信号処理部30は、複数(本実施例ではN個)の出力端を有している。信号処理部30の複数の出力端の各々は、N個のスピーカ80に接続されている。なお、スピーカ80を駆動する電力増幅器は、図示を省略する。
図3は、信号処理部30の全体の構成を示す図である。図3に示すように、信号処理部30は、直接音計算部101と、初期反射音計算部102と、後部残響音計算部103と、音響特性近似フィルタ104と、無相関IR畳み込みフィルタ105と、乗算器106、107および108と、加算器109および110とを含んでいる。信号処理部30には、入力端115を介して一の入力信号が入力され、N個の出力系統を介して異なるN個の信号が出力される。
一般に、ある空間において楽器などの音源から、受聴者が位置する受音点へ到達する音は、直接音と残響音とから構成される。また、残響音は、初期反射音と、後部残響音とから構成される。本明細書において、直接音とは、音源から受音点へ直接に到達する音のことを言う。残響音とは、直接音に続き、空間内の境界(壁面、天井等)で反射して受音点に到達する音のことをいう。初期反射音とは、空間内の境界で反射して受音点へ到達する音のうち、反射回数の少ない初期の反射音を言い、特に1次〜2次程度の反射音のことを言う。後部反射音とは、音響空間の壁面などで反射して受音点へ到達する音のうち、反射回数が初期反射音よりも多い反射音を言い、特に3次〜6次程度の反射音のことを言う。なお、n次(nは1、2、3・・・)反射音とは、空間内の境界において、n回反射した後に受音点へ到達する音のことを言う。また、上記で、2次、3次、6次などと示した次数は一例にすぎず、他の次数でも良い。
図3に示す音響特性近似フィルタ104は、シミュレートの対象とする空間の音色を付与する手段である。具体的には、音響特性近似フィルタ104は、初期反射音の伝搬経路の距離に応じた音の減衰特性を示すフィルタや、初期反射音が空間の壁面などで反射するときの壁面の音響特性に応じた減衰特性を示すフィルタなどである。
直接音計算部101、初期反射音計算部102および後部残響音計算部103は、各々、直接音、初期反射音および後部残響音に関する伝搬特性を計算する手段である。より詳細には、直接音計算部101は、入力端115から入力される入力信号に対して空間の直接音の伝搬経路に対応する伝搬特性をシミュレートした結果を施して、乗算器106の接続された複数の出力ラインに振り分ける手段である。初期反射音計算部102は、入力端115から音響特性近似フィルタ104を介して入力される入力信号に対して初期反射音の各伝搬経路に対応する伝搬特性をシミュレートした結果を施して、乗算器107の接続された複数の出力ラインに振り分ける手段である。後部残響音計算部103は、入力端115から入力される入力信号に対して後部残響音の各伝搬経路に対応する伝搬特性をシミュレートした結果を施して、無相関IR畳み込みフィルタ105の接続された複数の出力ラインに振り分ける手段である。直接音計算部101の出力ライン数と初期反射音計算部102の出力ライン数と後部残響音計算部103の出力ライン数は、同数である。なお、直接音計算部101、初期反射音計算部102および後部残響音計算部103の各々の出力ラインは、残響音付加装置1の出力系統に対応している。
直接音計算部101、初期反射音計算部102および後部残響音計算部103の基本的な構成は同じである。以下、これらの基本的な計算部を音響計算部100と表記する。音響計算部100は、例えば、鏡像法や音線法などの計算手法により、反射音の伝搬特性を計算する処理と、例えば、VBAP(Vector Base Amplitude Panning)法などの3次元パニング処理とを含んだ音場計算処理を行うものである。図4は、音響計算部100の構成を示す図である。音響計算部100は、ディレイライン210、フィルタ220、およびマトリクス部230を有する。これらの各部は、入力端201を介して入力された音響信号に対して制御部10から指示されたパラメータに応じた補正を施すための手段である。
ディレイライン210は、いわゆるマルチタップディレイである。ディレイライン210は、入力端201を介して入力された音響信号を伝送し、それぞれ異なる時間だけ遅延された信号を途中の複数のタップTi(i=1、2、3・・・)の各々から出力する手段であり、各タップから出力される信号は、それぞれ直接音および各反射音に対応する。このため、直接音計算部101、初期反射音計算部102および後部残響音計算部103の各々は、このタップTiの数が異なる。ディレイライン210における複数のタップTi(i=1、2、3・・・)の位置(すなわち、各タップから出力される信号の遅延時間)は、制御部10によって制御され、各遅延時間は、それぞれ直接音および各反射音の遅延時間に対応する。
複数のタップTi(i=1、2、3・・・)の各々の後段には、乗算器220が設けられている。乗算器220は、ディレイライン210から出力された音信号に制御部10によって指示された特定の係数を乗算する手段である。乗算器220は、音源から発せられた音の音圧レベルが伝搬経路の経路長に応じて減衰する特性を反映するための手段である。例えば、タップT1に接続されている乗算器220は、タップT1に対応付けられた伝搬経路をたどって受音点へ到達する音(この場合は直接音)の減衰特性を反映する乗算処理を実行する。具体的には、乗算器220は、当該乗算器220に対応付けられた伝搬経路の経路長が長ければ比較的小さい数値を乗算する一方、同経路長が短ければ比較的大きい数値を乗算する、という具合である。
マトリクス部230は、乗算器220から出力された音響信号を複数(本実施形態ではN個)の出力ライン242に振り分ける手段であり、入力する乗算器220の数(直接音計算部101は1、初期反射音計算部102は2、後部残響音計算部103は4)×出力ラインの数(N)の入出力数を有する。出力ライン242の数は、信号処理部30の出力系統数(すなわち、スピーカ80の数)と同じである。以下、マトリクス部230をより詳細に説明する。マトリクス部230は、乗算器220から出力された信号が接続される各入力ライン241と各出力ライン242とが交差する各位置に、乗算器231と加算器232を有している。乗算器231は、入力ライン241を介して入力された信号に対して、制御部10によって指示された所定の係数を乗算して加算器232に出力する。乗算器231が実行する所定の係数を乗算する処理は、いわゆる3次元パニング処理である。すなわち、乗算器231には、各入力ライン241に入力される信号の示す音(直接音または反射音)が所定の位置に定位されるように出力系統毎に適切な係数が制御部10によって与えられる。この乗算器231による処理により、直接音および各反射音は、音源から受音点への伝搬方向を適切にシミュレートされることとなる。加算器232は、乗算器231から出力された音信号を出力ライン242に供給する。
このように、音響計算部100は、所定の空間における想定される伝搬経路ごとに音響信号への処理を行う構成となっている。以下では、ひとつの伝搬経路をシミュレートするために音響信号を処理する要素の集合を「特性制御系250」と表記する。図4の例では、ひとつの特性制御系250は、ひとつの入力ライン241に連なるディレイライン210(より詳細にはひとつのタップTi部分)とひとつの乗算器220とN個の乗算器231とからなる。以上が、音響計算部100の構成である。なお、この音響計算部100に関しては特許文献2に開示されている。
従って、特性制御系250をひとつの処理単位とすると、本実施形態における直接音計算部101、初期反射音計算部102および後部残響音計算部103は、前述した基本的な音響計算部100において、特性制御系250の数が異なるものといえる。すなわち、直接音計算部101は、直接音の伝搬経路の数だけ、すなわち、ひとつだけ特性制御系250を有している。初期反射音計算部102は、初期反射音のすべての伝搬経路の数だけ、すなわち、1次反射音のすべての伝搬経路の数と2次反射音のすべての伝搬経路の数を足し合わせた数だけ特性制御系250を有している。例えば、直方体の3次元空間では、1次反射音の伝搬経路の数は6個有り、2次反射音の伝搬経路の数は18個有るため、初期反射音計算部102の特性制御系250の個数は24個となる。後部残響音計算部103は、後部残響音のすべての伝搬経路の数だけ、すなわち、3次反射音のすべての伝搬経路の数と4次反射音のすべての伝搬経路の数と5次反射音のすべての伝搬経路の数と6次反射音のすべての伝搬経路の数とを足し合わせた数だけ特性制御系250を有している。
次に、無相関IR畳み込みフィルタ105について説明する。無相関IR畳み込みフィルタ105は、後部残響音計算部103(より正確には、後部残響音計算部103のマトリクス部230)の出力段に設けられている。図5は、無相関IR畳み込みフィルタ105の構成を示す図である。無相関IR畳み込みフィルタ105は、後部残響音計算部103の出力ライン242毎にリバーブ300を有する。リバーブ300は、無相関IR生成部310と畳み込み処理部320とを含んでいる。
無相関IR生成部310は、各リバーブ300間で互いに無相関な無相関IRを生成する手段である。無相関IR生成部310には、インパルスノイズ生成部60からインパルスノイズが供給され、ノイズ生成部50からノイズが供給され、記憶部40からIRが供給される。無相関IR生成部310が実行する無相関IR生成処理については、後に詳述する。畳み込み処理部320は、後部残響音計算部103から出力される音響信号に無相関IR生成部310が生成した無相関IRを畳み込む処理を行う手段である。畳み込み処理部320は、畳み込み処理により生成した音響信号を後部残響音を示す音響信号として出力する。
次に、図3に戻って説明する。直接音計算部101の出力段には、出力ライン242毎に乗算器106が設けられている。乗算器106は、直接音計算部101の出力端から出力される音響信号(直接音を示す音響信号)に制御部10によって指示された特定の係数を乗算する手段である。初期反射音計算部102の出力段には、出力ライン242毎に乗算器107が設けられている。乗算器107は、初期反射音計算部102の出力端から出力される音響信号(初期反射音を示す音響信号)に制御部10によって指示された特定の係数を乗算する手段である。無相関IR畳み込みフィルタ105の出力段には、後部残響音計算部103の出力ライン242毎に乗算器108が設けられている。乗算器108は、無相関IR畳み込みフィルタ105によるフィルタ処理のなされた音響信号(後部残響音を示す音響信号)に制御部10によって指示された特定の係数を乗算する手段である。乗算器106、107および108は、制御部10から指示される係数に応じて、直接音、初期反射音、後部残響音の各音量バランスを調整する役割を果たす。
加算器109は、乗算器106から出力される音響信号と乗算器107から出力される音響信号とを出力ライン242毎に加算する手段である。すなわち、加算器109は、出力系統毎に直接音と初期反射音とを加算する役割を果たす。加算器110は、加算器109から出力される音響信号と乗算器108から出力される音響信号とを出力ライン242毎に加算する手段である。すなわち、加算器110は、出力系統毎に直接音と初期反射音と後部残響音とを加算する役割を果たす。複数の加算器110の各々は、入力信号に残響信号を付加した出力信号を出力段のスピーカ80に出力する。
次に、無相関IR畳み込みフィルタ105の無相関IR生成部310が実行する無相関IR生成処理について詳述する。図6は、無相関IR生成部310が実行する無相関IR生成処理の内容を示す概念図である。図7は、同無相関IR処理の内容を示すフローチャートである。まず、制御部10は、インパルスノイズ生成部60が生成したインパルスノイズを各リバーブ300の無相関IR生成部310に各々送信する。並行して、制御部10は、ノイズ生成部50が生成した互いに無相関な複数(本実施例ではN個)のノイズを、各リバーブ300の無相関IR生成部310にそれぞれ送信する。さらに並行して、制御部10は、記憶部40に記憶されているIRを読み出して各リバーブの無相関IR生成部310に各々送信する。以降、リバーブ300毎の各無相関IR生成部310のうちの一の無相関IR生成部310を例に、図6および図7に基づいて説明する。
インパルスノイズが入力された無相関IR生成部310は、図6に示す乗算器401により当該インパルスノイズに係数g1を乗算する乗算処理を行う(図7:SA110)。同様に、ノイズを受信した無相関IR生成部310は、当該ノイズに係数g2を乗算する乗算処理を行う(SA120)。その後、各無相関IR生成部310は、係数g1を乗算したインパルスノイズと係数g2を乗算したノイズとを、加算器403により加算する加算処理を行う(SA130)。これにより、加算ノイズが生成される。すなわち、係数g1およびg2の乗算処理を担う乗算器401および402と、それら乗算処理後の信号の加算処理を担う加算器403とは、複数のノイズの各々にインパルスノイズを加算して複数の加算ノイズを生成する加算ノイズ生成手段である。生成された加算ノイズは、インパルスノイズを含むものであるため、インパルスノイズのインパルス列に対応する信号密度を有している。また、加算ノイズは、無相関なノイズを含むものであるため、各リバーブ300で生成された加算ノイズは、互いに無相関な信号となる。
係数g1および係数g2は、制御部10の指示により、それぞれ任意の値に設定される。係数g1および係数g2の値により、インパルスノイズとノイズの大きさおよびその加算比率が決定される。例えば、係数g1よりも係数g2を大きくするとインパルスノイズよりもノイズの比率が高くなり、残響音の音密度が高くなる。この場合、スピーカ80から放音される音は、残響音の密度感が高い音となる。一方、係数g2よりも係数g1を大きくするとノイズよりもインパルスノイズの比率が高くなり、残響音の音密度が低くなる。この場合、スピーカ80から放音される音は、残響音の密度感が低い音となる。すなわち、本実施形態では、係数g1と係数g2の値をそれぞれ独立して、制御部10が制御することで残響音の密度感を変えることができる。
次に、無相関IR生成部310は、区間分割部410により加算ノイズをその時間軸に沿って複数(図5では5個)の区間に分割する(SA140)。なお、図6では、ノイズとインパルスノイズの各々をそれらの時間軸に沿って複数の区間に分割しているように示しているが、これは直感的に分かり易くしているためであり、実際には、ノイズとインパルスノイズとを加算器403によって加算した後に複数の区間に分割される。
次に、無相関IR生成部310は、区間分割部430によりIRを複数の区間に分割する(SA150)。区間分割部430の処理は、区間分割部410と同様の処理である。具体的には、区間分割部430では、IRをその時間軸に沿って複数の区間に分割する。IRの区間数は、加算ノイズの区間数と同じである。
次に、無相関IR生成部310は、高速フーリエ変換(FFT)部420により窓関数処理および高速フーリエ変換を行う(SA160)。より詳細に説明する。無相関IR生成部310は、区間分割部410により分割された加算ノイズにおける連続する2区間の加算ノイズを抽出する。この際、無相関IR生成部310は、加算ノイズの先頭から時間軸に沿った順に2区間ずつ抽出することとなる。無相関IR生成部310は、抽出した2区間の加算ノイズに窓関数を乗算する。窓関数は、例えば、ハニング窓関数である。無相関IR生成部310は、窓関数が乗算された加算ノイズに高速フーリエ変換を行う。これにより、当該抽出された2区間ごとの加算ノイズを周波数変換した信号Hnoiseが順次生成される。
次に、無相関IR生成部310は、高速フーリエ変換(FFT)部440により窓関数処理および高速フーリエ変換を行う(SA170)。高速フーリエ変換部440の処理は、高速フーリエ変換部420と同様の処理である。より詳細には、無相関IR生成部310は、区間分割部430により分割されたIRにおける連続する2区間のIRを抽出する。この際、無相関IR生成部310は、IRの先頭から時間軸に沿った順に2区間ずつ抽出することとなる。無相関IR生成部310は、抽出した2区間のIRに窓関数を乗算する。窓関数は、例えば、ハニング窓関数である。無相関IR生成部310は、窓関数が乗算されたIRに高速フーリエ変換を行う。これにより、当該抽出された2区間ごとのIRを周波数変換した信号が順次生成される。
次に、無相関IR生成部310は、高速フーリエ変換部440による高速フーリエ変換後の音響信号に、帯域別時間伸縮処理部450による帯域別時間伸縮処理を行う(SA180)。帯域別時間伸縮処理は、時間伸縮処理を周波数帯域別に行う処理である。この時間伸縮処理は、後部残響音の残響時間を伸長(あるいは圧縮)する処理である。図8は、帯域別時間伸縮処理部450における時間伸縮処理の例を示す図である。図8(A)は、時間伸縮前を示している。図8(B)は、時間伸縮後を示しており、図8(A)を時間軸に沿った方向に1.5倍に時間伸長したものである。図8(A)および(B)の横軸は時間であり、縦軸は振幅である。例えば、1.5倍に時間伸長することにより、時間伸長前(図8(A))の一番左の時間位置(基準位置(m=0))から2番目(m=2)の時間位置の振幅は、時間伸長後(図8(B))の基準位置(m=0)から3番目(m=3)の時間位置において対応し、時間伸長前(図8(A))の基準位置(m=0)から4番目(m=4)の時間位置の振幅は、時間伸長後(図8(B))の基準位置(m=0)から6番目(m=6)の時間位置において対応する、という具合である。このような時間軸に沿った方向の伸縮は、例えば、単純な線形補間や多項式補間等によって実現することができる。このように、帯域別時間伸縮処理部450の時間伸縮処理は、高速フーリエ変換後の音響信号における周波数ビン毎の振幅の時間推移を時間軸に沿った方向に伸縮させる処理である。
図9は、時間伸縮処理を帯域別に行った例を示す図である。図9の横軸は周波数であり、縦軸は残響時間に対する時間伸縮の倍率である。図9の例では、周波数f2〜f3の帯域では、時間伸縮の倍率が1である。すなわち、周波数f2〜f3の帯域では、時間伸縮処理の前後で残響時間が変わらない。一方、周波数f2よりも低い周波数(特に周波数f1よりも低い周波数)では、時間伸縮の倍率が1よりも低くなっており、周波数f3よりも高い周波数(特に周波数f4よりも高い周波数)では、時間伸縮の倍率が1よりも高くなっている。すなわち、周波数f2よりも低い周波数では、時間伸縮処理によって時間が圧縮されて残響時間が短くなっており、周波数f3よりも高い周波数では、時間伸縮処理によって時間が伸長されて残響時間が長くなっている。従って、帯域別時間伸縮処理を行うことにより、例えば、中域の残響時間を変えずに低域と高域の残響時間を変える(ローダンプおよびハイダンプ)というように、帯域ごとに残響時間を個別に変更することができる。
次に、図6に示すように、無相関IR生成部310は、合成処理部460により、高速フーリエ変換部420により得られた信号Hnoiseに、帯域別時間伸縮処理部450により得られた信号Hirの絶対値を乗算する合成処理を行い、合成処理の結果である信号Hを出力する(SA190)。なお、合成処理部460による乗算する合成処理は、区間分割部410および区間分割部430によって加算ノイズおよびIRの各々の前述の2区間が出力されるごとに行われる。上述の合成処理により、IRの周波数応答の振幅(いわゆる周波数特性)に、加算ノイズの時間応答の特性を反映させることができる。ここで加算ノイズには、広帯域の定常ノイズとインパルス列で構成されるインパルスノイズとが加算されているため、合成処理により得られた信号Hを畳み込んだ残響音には、加算ノイズに応じた音密度が反映されている。また、合成処理により得られた信号Hには、加算ノイズの位相特性が保存されているので、各リバーブ300の信号Hも互いに無相関な信号となる。
次に、無相関IR生成部310は、合成処理部460によって得られた信号Hに対して逆フーリエ変換(IFFT)部470により順次逆フーリエ変換(IFFT)を行う(SA200)。次に、無相関IR生成部310は、IRのすべての時間範囲について高速フーリエ変換を行ったか否かを判別する(SA210)。ステップSA210の判別結果がNoの場合、無相関IR生成部310は、抽出する連続する2区間の範囲を1区間後方へシフトして(SA220)、ステップSA160に戻る。そして、無相関IR生成部310は、ステップSA160からSA210の処理を繰り返す。この繰り返しの際、ステップSA160では、1区間後方へシフトした加算ノイズを抽出して窓関数処理および高速フーリエ変換を行い、ステップSA170では、1区間後方へシフトしたIRを抽出して窓関数処理および高速フーリエ変換を行う。このように、無相関IR生成部310は、ステップSA160からSA210の繰り返し毎に1区間を重複させつつIRおよび加算ノイズの全範囲に亙って短時間フーリエ変換を行う。
そして、ステップSA210の判別結果がYesの場合、無相関IR生成部310は、ステップSA160からSA210までの繰り返しによって得られた複数の逆フーリエ変換結果を合成して終了する(SA230)。このようにして、無相関IR生成部310は、後部残響音計算部103の出力ライン242毎に互いに無相関な無相関IRを生成する。以上のような無相関IR生成部310の処理内容を考慮すれば、無相関IRは、空間の音響特性を表すIRを加算ノイズによって修正したインパルスレスポンスであり、無相関IR生成部310の合成処理部460は、加算ノイズと空間の音響特性を表すIRの振幅特性とを乗算して修正したインパルスレスポンスを生成する手段であるといえる。
以上のように、本実施形態の残響音付加装置1は、直接音を示す音響信号を生成する手段(具体的には直接音計算部101)と、初期反射音を示す音響信号を生成する手段(具体的には初期反射音計算部102および音響特性近似フィルタ104)と、後部反射音を示す音響信号を生成する手段(具体的には後部残響音計算部103および無相関IR畳み込みフィルタ105)と、を別個に有している。直接音を示す音響信号を生成する手段では、音響特性近似フィルタ104のようなフィルタ処理は行わない。これにより、音質劣化の少ない直接音が得られる。初期反射音を示す音響信号を生成する手段では、ディレイと3次元パニングに加え音響特性近似フィルタ104によるフィルタ処理を行う。これにより、方向感が保たれた初期反射音であり、空間の音色が再現された初期反射音が得られる。後部残響音を示す音響信号を生成する手段では、ディレイと3次元パニングに加え無相関IRを畳み込むフィルタ処理を行う。このため、後部残響音を示す音響信号は、複数のスピーカの各々に接続される出力ライン毎に無相関となる。この無相関IRは、IRの周波数応答の振幅(いわゆる周波数特性)に加算ノイズの時間応答の特性が反映されて修正されたインパルスレスポンスである。加算ノイズは、所定の確率の時間間隔を有するインパルス列からなるインパルスノイズを加算することによって生成される。このため、後部残響音を示す音響信号は、加算ノイズの音密度に対応した音密度を有する。従って、残響音付加装置1では、加算ノイズの加算比率を変えて加算ノイズの音密度を制御することにより、後部残響音を示す音響信号の音密度を制御することができる。これらより、残響音付加装置1では、方向感およびIRの音色が保たれ、拡がり感があり、適切な残響音の密度感を有する後部残響音が得られる。従って、残響音付加装置1によれば、所定の空間の音響特性をシミュレートして当該空間の音響特性を再現しつつ、残響音の音密度を制御することができる。また、無相関IRは一のIRから生成されるため、所定の空間の音響特性を反映する残響音を生成することができる。
<他の実施形態>
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)残響音付加装置は、無指向性の音源から放音されて受音した音に空間の音響特性をシミュレートした残響音を付加する態様に限られず、指向性を有する音源から放音されて受音した音に空間の音響特性をシミュレートした残響音を付加する態様であっても良い。例えば、図10に示すように、音源の正面方向の軸と受音点とのなす角度θdや鏡像法による仮想音源の正面方向の軸と受音点とのなす角度θrに応じて各伝搬経路における減衰パラメータなどに重み係数を掛ける、という具合である。この態様では、音源の指向性(例えば、楽器の指向性)を考慮した残響音を付加することができる。
(2)残響音付加装置は、位置が固定された音源から放音されて受音した音に空間の音響特性をシミュレートした残響音を付加する態様に限られず、移動する音源から放音されて受音した音に空間の音響特性をシミュレートした残響音を付加する態様であっても良い。この態様では、制御部10が、音源の位置と受音点の位置の情報を逐次取得し、音響計算部の各要素のパラメータを逐次決定することで実現することができる。この態様では、音源の位置がリアルタイムに変化しても残響音を付加することができる。
(3)残響音付加装置は、移動するとともに指向方向が変わる音源から放音されて受音した音に空間の音響特性をシミュレートした残響音を付加する態様であっても良い。例えば、図11に示すように、指向性を有する音源が正面方向に向かって進行しつつ90度左折する、という場合が挙げられる。この態様では、前述の音源の移動の態様と指向性を有する音源の態様を組み合わせることにより実現することができる。この態様では、例えば、正面方向に向かって歩行しつつ90度左折しながら話をする人の話声に空間の残響音を付加することができる。
(4)残響音付加装置は、位置が固定された受音点に到達した音に空間の音響特性をシミュレートした残響音を付加する態様に限られず、移動する受音点に到達した音に空間の音響特性をシミュレートした残響音を付加する態様であっても良い。この態様においても、前述の音源の移動の態様と同様にして実現することができる。この態様では、受音点の位置がリアルタイムに変化しても残響音を付加することができる。また、音源と受音点の両方が移動する場合をシミュレートする態様であっても勿論良い。また、受音点が移動する態様の音源は、無指向性であっても良いし指向性を有していても良い。
(5)上記実施形態の残響音付加装置1では、音響特性近似フィルタ104を初期反射音計算部102の前段に設けていた。しかし、図12に示すように、初期反射音計算部102の後段に音響特性近似フィルタ104Aを設けても良い。この態様では、初期反射音計算部102の出力ライン242毎に音響特性近似フィルタ104Aを設ける。このようにすると、制御部10は、出力ライン242毎の各音響特性近似フィルタ104Aに異なったパラメータを指示することができる。従って、この態様では、空間の音色がより詳細に再現された初期反射音が得られる。
(6)上記実施形態による信号処理部30は、入力信号が入力される入力端を1つだけ有していた。しかし、信号処理部は、入力端を複数有し、その複数の入力端の各々に異なる入力信号が供給されても良い。図13は、2個の入力端201aおよび201bを有する信号処理部30Bの構成例を示す図である。図13の信号処理部30Bは、入力端201aに接続される初期反射音計算部102aおよび後部残響音計算部103aと、入力端201bに接続される初期反射音計算部102bおよび後部残響音計算部103bとを含んでいる。信号処理部30Bは、初期反射音計算部102aにおいて入力端201aから供給される第1の入力信号に対して1次〜2次反射音(初期反射音)のシミュレーションを行い、初期反射音計算部102bにおいて入力端201bから供給される第2の入力信号に対して1次〜2次反射音(初期反射音)のシミュレーションを行う。次いで、信号処理部30Bは、初期反射音計算部102aから出力される音響信号と初期反射音計算部102bから出力される音響信号とを加え合わせた後に、音響特性近似フィルタ104Bのフィルタ処理を行う。また、これらの処理に並行して、信号処理部30Bは、後部残響音計算部103aにおいて入力端201aから供給される第1の入力信号に対して3次〜6次反射音(後部残響音)のシミュレーションを行い、後部残響音計算部103bにおいて入力端201bから供給される第2の入力信号に対して3次〜6次反射音(後部残響音)のシミュレーションを行う。次いで、信号処理部30Bは、後部残響音計算部103aから出力される音響信号と後部残響音計算部103bから出力される音響信号とを加え合わせた後に、無相関IR畳み込みフィルタ105Bのフィルタ処理を行う。このような構成により、第1の入力信号と第2の入力信号の各々に残響信号を付加することができる。
(7)上記実施形態の残響音付加装置1では出力系統が複数あった。しかし、残響音付加装置は、出力系統がひとつであっても良い。この態様では、ノイズ生成部は、ノイズを一つだけ生成し、無相関IR生成部は、修正されたインパルスレスポンスを一つだけ生成することとなる。この態様においても、加算ノイズとIRとから修正されたインパルスレスポンスが生成される点において上記実施形態と同様であるため、上記実施形態と同様に、残響音の音密度を制御することができる。
(8)上記実施形態の残響音付加装置1では、インパルスノイズとノイズの加算比率を調整することで加算ノイズの音密度を変化させていた。しかし、残響音付加装置は、インパルスノイズ生成部60におけるインパルス列の時間間隔を変えることで加算ノイズの音密度を変えても良い。例えば、制御部10の指示に応じて確率密度関数を変えてインパルス列の時間間隔を変える、という具合である。この態様は、例えば、異なる空間を移動する場合など(具体例としては、トンネルの中から外に出る場合など)に適用可能である。また、残響音付加装置は、インパルス列の時間間隔の変化の態様を音源毎に異なるようにしても良い。また、残響音付加装置は、インパルスノイズとノイズの加算比率の態様を音源毎に異なるようにしても良い。これらの態様では、音源の種類に応じて適切な残響音を付加することができる。
(9)上記実施形態の残響音付加装置1では、制御部10が加算ノイズの音密度を変化させていた。しかし、ユーザによって操作される加算ノイズの音密度を調整するノブのような操作子をインパルスノイズ生成部60に有し、その操作子の操作に応じて加算ノイズの音密度が変化するようになっていても良い。この際、操作子の操作によって、インパルスノイズとノイズの加算比率を変化させても良いし、インパルス列の時間間隔を変化させても良いし、加算比率と時間間隔の両方を変化させても良い。
(10)上記実施形態の無相関IR生成部310は、複数の加算ノイズの各々の振幅特性および位相特性と、IRの振幅特性とを各々合成して互いに無相関な複数の無相関IRを生成していた。しかし、無相関IR生成部は、複数の加算ノイズの各々の少なくとも位相特性と、IRの振幅特性とを各々合成して互いに無相関な複数の無相関IRを生成しても良い。加算ノイズの少なくとも位相特性を用いることで、生成される複数のインパルス応答が互いに無相関になるからである。
(11)上記実施形態の無相関IR生成部310は、帯域別時間伸縮処理450を行っていたが、帯域別時間伸縮処理450を省略しても良い。
(12)上記実施形態におけるノイズ生成部50が生成するノイズ(定常雑音)は、ホワイトノイズ以外のノイズ、例えば、ガウシアンノイズやピンクノイズなどであっても良い。
(13)上記実施形態の残響音付加装置1では、3次〜6次反射音をシミュレートして後部残響音を示す音響信号を生成していた。しかし、後部残響音についてのシミュレートは、3次〜6次反射音に限られない。例えば、3次〜5次反射音をシミュレートして後部残響音を示す音響信号を生成しても良いし、3次〜7次反射音をシミュレートして後部残響音を示す音響信号を生成しても良い。後部残響音を示す音響信号を生成するための反射音の次数は、シミュレートする所定の空間の音響特性や、制御する残響音の音密度を考慮して決定すれば良い。
(14)上記実施形態では、加算ノイズ生成手段、インパルスレスポンス生成手段およびインパルスレスポンス畳み込み手段を電子回路(具体的には信号処理部30)により実現していた。しかし、例えば、制御部に残響音付加プログラムを実行させることによりコンピュータを、加算ノイズ生成手段、インパルスレスポンス生成手段およびインパルスレスポンス畳み込み手段として機能させても良い。また、制御部に残響音付加プログラムを実行させることによりコンピュータを、ノイズ生成手段およびインパルスノイズ生成手段として機能させても良い。この場合、残響音付加プログラムは、残響音付加装置にインストールされた状態で取引されても良いし、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で別個に取引されても良いし、ネットワークを介したダウンロードにより取引されても良い。
1…残響音付加装置、10…制御部、20…入出力I/F、30…信号処理部、40…記憶部、50…ノイズ生成部、60…インパルスノイズ生成部、70…バス、80…スピーカ、100…音響計算部、101…直接音計算部、102…初期反射音計算部、103…後部残響音計算部、104…音響特性フィルタ、105…無相関IR畳み込みフィルタ、106,107,108…乗算器、109,110…加算器、115,201…入力端、116…出力端、210…ディレイライン、220…乗算器、230…マトリクス部、231…乗算器、232…加算器、241…入力ライン、242…出力ライン、250…特性制御系、T…タップ、300…リバーブ、310…無相関IR生成部、320…畳み込み処理部、401,402…乗算器、403…加算器、410,430…区間分割部、420,450…高速フーリエ変換部、450…帯域別時間伸縮処理部、460…合成処理部、470…逆高速フーリエ変換部。

Claims (5)

  1. 所定のノイズを生成するノイズ生成手段と、
    ランダムな時間間隔を有するインパルス列からなるインパルスノイズを生成するインパルスノイズ生成手段と、
    前記ノイズと前記インパルスノイズとを加算して加算ノイズを生成する加算ノイズ生成手段と、
    前記加算ノイズと、空間の音響特性を表すインパルスレスポンスの振幅特性とを乗算して修正インパルスレスポンスを生成するインパルスレスポンス生成手段と、
    入力される音響信号に前記修正インパルスレスポンスを畳み込んで出力するインパルスレスポンス畳み込み手段と、
    を有することを特徴とする残響音付加装置。
  2. 前記加算ノイズ生成手段は、
    前記インパルスノイズに第1の係数を乗算する第1の乗算手段と、
    前記ノイズに第2の係数を乗算する第2の乗算手段と、
    前記第1の乗算手段の出力と前記第2の乗算手段の出力とを加算して前記加算ノイズを生成する加算手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の残響音付加装置。
  3. 前記インパルスノイズ生成手段は、所定の確率密度関数に従った時間間隔でインパルスを発生して前記インパルス列を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の残響音付加装置。
  4. 前記ノイズ生成手段は、互いに無相関な複数のノイズを生成し、
    前記加算ノイズ生成手段は、前記複数のノイズの各々に前記インパルスノイズを加算して複数の加算ノイズを生成し、
    前記インパルスレスポンス生成手段は、前記複数の加算ノイズの各々と前記インパルスレスポンスの振幅特性とを乗算して、互いに無相関な複数の修正インパルスレスポンスを生成し、
    前記インパルスレスポンス畳み込み手段は、前記入力される音響信号に、前記インパルスレスポンス生成手段が生成する前記複数の修正インパルスレスポンスの各々を畳み込んで出力する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載の残響音付加装置。
  5. コンピュータを、
    所定のノイズを生成するノイズ生成手段と、
    ランダムな時間間隔を有するインパルス列からなるインパルスノイズを生成するインパルスノイズ生成手段と、
    前記ノイズと前記インパルスノイズとを加算して加算ノイズを生成する加算ノイズ生成手段と、
    前記加算ノイズと、空間の音響特性を表すインパルスレスポンスの振幅特性とを乗算して修正インパルスレスポンスを生成するインパルスレスポンス生成手段と、
    入力される音響信号に前記修正インパルスレスポンスを畳み込んで出力するインパルスレスポンス畳み込み手段、
    として機能させることを特徴とする残響音付加プログラム。
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