JP2003157090A - 残響音生成方法及び残響音シミュレータ - Google Patents

残響音生成方法及び残響音シミュレータ

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JP2003157090A
JP2003157090A JP2001354527A JP2001354527A JP2003157090A JP 2003157090 A JP2003157090 A JP 2003157090A JP 2001354527 A JP2001354527 A JP 2001354527A JP 2001354527 A JP2001354527 A JP 2001354527A JP 2003157090 A JP2003157090 A JP 2003157090A
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reverberation
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reverberant
direct
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JP2001354527A
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Kuniaki Osawa
邦昭 大澤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K15/00Acoustics not otherwise provided for
    • G10K15/08Arrangements for producing a reverberation or echo sound
    • G10K15/12Arrangements for producing a reverberation or echo sound using electronic time-delay networks

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  • Acoustics & Sound (AREA)
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  • Reverberation, Karaoke And Other Acoustics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際に即した残響音を生成し違和感の無い残
響音を出力する。 【解決手段】 音場空間の直接音の初期エネルギの大き
さを周波数帯域毎に求め(ステップS10、S11)、
周波数帯域毎の直接音の初期エネルギの大きさと音場空
間の残響時間と残響音減衰式とから残響音を求めるに際
し、前記残響時間を前記周波数帯域毎に求めると共に前
記残響音減衰式から周波数帯域毎の残響音を求め、求め
た周波数帯域毎の残響音を合成して出力する。このよう
に、周波数帯域毎に残響音を求めることで、音場空間の
周波数特性に応じた残響音が生成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は残響音生成方法及び
残響音シミュレータに係り、特に、コンサートホールや
教室等の音場空間に応じた残響感、臨場感を実際に即し
て模擬するのに好適な残響音生成方法及び残響音シミュ
レータに関する。
【0002】
【従来の技術】コンサートホール等の音場空間で発生さ
れた音(直接音)の響きをシミュレートする場合、例え
ば特開平10―254469号公報に記載されている様
に、音場空間の音響環境条件に基づいて直接音の初期反
射音を求め、次に、初期反射音の後部残響音を求め、初
期反射音と後部残響音とを接続することで残響音を生成
している。
【0003】また、例えば特開平9―258761号公
報記載の従来技術では、オーディオ信号の残響音を人工
的に作り出してオーディオ再生や楽器演奏の臨場感を高
めるために、初期反射音群に続く後部残響音の1つの反
射音から次の反射音までの時間間隔を、音源での音の発
生タイミングを基準とした反射音の発生時刻の自乗に或
る比例定数をもって反比例させ、この比例定数を初期反
射音群の各反射音から次の初期反射音までの時間間隔に
関して得られる比例定数のゆらぎを反映した漸化式写像
に基づいて定めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平10―
254469号公報記載の従来技術では、後部残響音を
音線数の時間変化率から求めているが、後部残響音の周
波数特性について考慮していないため、残響音に不自然
さが残るという問題がある。
【0005】また、特開平9―258761号公報記載
の従来技術も、残響音の周波数特性について考慮してお
らず、更に、この従来技術は、楽器演奏の臨場感などを
高めるために人工的に残響音を付加する技術に過ぎず、
実際の音場空間に即した残響音を生成するものではな
い。従って、生成した残響音をコンサートホール等の音
場空間の設計に利用することができない。
【0006】本発明の目的は、コンサートホールや教室
等の音場空間に応じた残響感、臨場感を実際に即して模
擬する残響音生成方法及び残響音シミュレータを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する残響
音生成方法は、音場空間の直接音及び初期反射音の初期
エネルギの大きさを周波数帯域毎に求め、前記直接音及
び初期反射音に応じた残響音を残響音減衰式により求め
るに際し前記周波数帯毎に前記残響音を求め、前記周波
数帯域毎の残響音を合成して出力することを特徴とす
る。この構成により、音場空間の周波数特性に応じた残
響音が生成でき、実際に即した音響効果を得ることがで
きる。
【0008】上記目的を達成する残響音生成方法は、音
場空間の直接音及び初期反射音の初期エネルギの大きさ
と前記音場空間の残響時間と残響音減衰式とから残響音
を求めるに際し、前記残響時間を周波数帯域毎に求め、
前記残響音減衰式から前記周波数帯域毎の残響音を求
め、前記周波数帯域毎の残響音を合成して出力すること
を特徴とする。この構成により、音場空間の周波数特性
に応じた残響音が生成でき、実際に即した音響効果を得
ることができる。
【0009】上記目的を達成する残響音生成方法は、音
場空間の直接音及び初期反射音の初期エネルギの大きさ
を周波数帯域毎に求め、前記周波数帯域毎の直接音及び
初期反射音の初期エネルギの大きさと前記音場空間の残
響時間と残響音減衰式とから残響音を求めるに際し、前
記残響時間を前記周波数帯域毎に求めると共に前記残響
音減衰式から前記周波数帯域毎の残響音を求め、前記周
波数帯域毎の残響音を合成して出力することを特徴とす
る。この構成により、この構成により、音場空間の周波
数特性に応じた残響音が生成でき、実際に即した音響効
果を得ることができる。
【0010】上記目的を達成する残響音シミュレータ
は、直接音の音源データベースと、音場空間の音響条件
入力手段と、前記直接音及び初期反射音の周波数帯域毎
の初期エネルギを算出する手段と、前記直接音及び初期
反射音に応じた残響音を前記周波数帯域毎に残響音減衰
式から算出する手段と、前記周波数帯域毎の残響音を合
成する手段と、前記残響音に周波数位相情報を畳み込む
畳み込み演算手段とを備えたことを特徴とする。この構
成により、音場空間の周波数特性に応じた残響音が生成
でき、実際に即した音響効果を得ることができ、音場空
間の設計に利用することが可能となる。
【0011】上記目的を達成する残響音シミュレータ
は、直接音の音源データベースと、音場空間の音響条件
入力手段と、前記音場空間の前記音響条件に応じた残響
時間を周波数帯域毎に算出する手段と、前記直接音及び
初期反射音の初期エネルギの大きさと前記周波数毎の前
記残響時間と残響音減衰式とから前記周波数帯域毎の残
響音を算出する手段と、前記周波数帯域毎の残響音を合
成する手段と、前記残響音に周波数位相情報を畳み込む
畳み込み演算手段とを備えたことを特徴とする。この構
成により、音場空間の周波数特性に応じた残響音が生成
でき、実際に即した音響効果を得ることができ、音場空
間の設計に利用することが可能となる。
【0012】上記目的を達成する残響音シミュレータ
は、直接音の音源データベースと、音場空間の音響条件
入力手段と、前記直接音の周波数帯域毎の初期エネルギ
を算出する手段と、前記音場空間の前記音響条件に応じ
た残響時間を前記周波数帯域毎に算出する手段と、前記
周波数帯域毎の初期エネルギと前記周波数帯域毎の残響
時間と残響音減衰式とから前記周波数帯域毎の残響音を
算出する手段と、前記周波数帯域毎の残響音を合成する
手段と、前記残響音に周波数位相情報を畳み込む畳み込
み演算手段とを備えたことを特徴とする。この構成によ
り、音場空間の周波数特性に応じた残響音が生成でき、
実際に即した音響効果を得ることができ、音場空間の設
計に利用することが可能となる。
【0013】好適には、上記において、前記残響音を算
出する手段は、算出した残響音の時間軸上の配置位置を
乱数によって決めたことを特徴とし、また、前記残響音
を算出する手段は、算出した残響音レベルの大きさを前
記残響音減衰式で定まるレベル以下の任意レベルにする
と共に前記任意レベルを乱数によって決定したことを特
徴とし、更に、前記残響音を算出する手段と、残響音の
到来方向を乱数によって決定したことを特徴とする。こ
の構成により、音場空間で完全に拡散状態となった残響
音が生成可能となる。
【0014】更に好適には、前記直接音に対する前記音
場空間の初期反射音を幾何音響理論により算出する手段
と、前記合成した残響音と前記初期反射音と前記直接音
とを合成して出力する手段とを備えたことを特徴とす
る。これにより、残響音を可聴化したとき自然な音を出
力することができる。
【0015】更に好適には、上記において、前記合成し
た残響音のうち、音の拡散状態が所定状態となる残響音
付加スタート時間以後の残響音を前記初期反射音及び前
記直接音に合成して出力することを特徴とする。これに
より、更に実際に即した音を出力することができる。
【0016】更に好適には、上記において、前記拡散状
態が所定状態となる残響音付加スタート時間のデータを
音場空間毎に格納したデータベースを備えたことを特徴
とする。これにより、様々な音場空間に最適な残響音の
出力が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施形態に係る残響音
シミュレータの構成図である。この残響音シミュレータ
は、無響室などで録音した楽音ソース等の音源信号デー
タベース1と、この音源信号データベース1から任意に
取り出したアナログの音源信号(以下、直接音とい
う。)をデジタル信号に変換するA/D変換器2と、直
接音から残響音をインパルス応答として算出する(詳細
は後述する)インパルス応答算出部3と、デジタルの直
接音(A/D変換器2の出力)と残響音(インパルス応
答算出部3の出力)とを畳み込み演算する畳み込み演算
手段4と、この畳み込み演算結果をアナログ信号に変換
するD/A変換器5と、このD/A変換器5から出力さ
れるアナログ信号にアナログの直接音を混合して増幅す
るアンプ6と、アンプ6の出力を音波として出力するス
ピーカ7とを備えて構成される。
【0019】この図1に示す実施形態は、残響音をモノ
ラル信号として直接音に付加するものであるが、ステレ
オ信号として付加することも可能である。図2は、残響
音をステレオで付加する残響音シミュレータの構成図で
あり、基本構成は図1と同じである。この残響音シミュ
レータでは、右耳用と左耳用のインパルス応答算出部3
R、3Lを別々に設け、同様に、畳み込み演算手段4
R、4L、アンプ6R、6L、スピーカ7R、7Lを別
々に設けている。
【0020】次に、本発明の一実施形態に係る残響音生
成方法の原理を説明する。図3は、幾何音響理論に基づ
く反射音を示す図である。直線音がスピーカから出力さ
れると、その直接音は、音場空間の様々な壁面で反射さ
れる。反射音は、直接音を1回反射した1回反射音と、
1回反射音を更に1回反射した2回反射音と、2回反射
音を更に1回反射した3回反射音と、…に分けることが
できる。何回までの反射音を採用するかは任意である
が、この例では3回反射音まで採用することとする。
【0021】音場空間の体積をV、表面積をSとした場
合、音波の平均自由行路は4V/Sとして算出される。
直接音発生時点から、1回反射の平均自由行路L1を音
波が速度cで通過する時刻T1は、4V/(Sc)とし
て算出される。1回反射音は、時刻T1を中心に分布
し、2回反射音は、2回反射の平均自由行路L2を音波
が通る時刻T2を中心に分布し、3回反射音は、3回反
射の平均自由行路L3を音波が通過する時刻T3を中心に
分布する。
【0022】1回反射音は、音場空間の様々な壁面から
反射する音であるため、直接音1つに対して複数発生
し、また、1回反射音の各々に対して、夫々複数の2回
反射音が発生するため、反射音の音線数は、図4に示す
様に、指数関数的に増大することになる。
【0023】1回反射音、2回反射音、3回反射音は、
幾何音響理論に基づいて算出された音であり、各音の全
てが反射の方向を持っている。このため、これらをスピ
ーカから出力しても、真の意味での残響音すなわち後部
残響音としての効果はない。そこで、本実施形態では、
図3に示す時刻T1から時刻T2までに付加する残響音を
1回反射音から生成し、時刻T2から時刻T3に付加する
残響音を2回反射音から生成し、時刻T3から時刻T4に
付加する残響音を3回反射音から生成する。
【0024】図5は、残響音のエンベロープを示すグラ
フである。残響音の大きさEは、直接音及び初期反射音
の大きさ(初期エネルギ)をE0とした場合、次の残響
音減衰式 E=E0・exp(−cAt/4V) …(式1) ここで、c:音速 A:音場空間の吸音力(音の周波数によって異なる) V:音場空間の体積 t:残響時間 で算出される。
【0025】残響時刻tは、音場空間の表面積S、体積
V、壁面の吸音率(壁面の吸音率は音の周波数によって
異なる。)によって周知の算出式から求められる。この
残響時間tを式1に代入し、直接音の大きさE0を代入
することにより、残響音エンベロープの形状が求められ
る。本実施形態では、残響時間tや室内(音場空間)の
吸音力Aを周波数帯域毎(帯域をどの様に分けるかは任
意である)に求め、また、直接音の大きさE0も周波数
帯毎の平均音圧レベルとして算出するため、残響音を求
めるエンベロープの形状は周波数帯域毎に少しずつ変化
することになる。
【0026】残響音は、式1の残響音エンベロープを満
たす他、その密度(残響音を構成する音場密度)の変化
も考慮する必要がある。残響音も直接音に対するインパ
ルス応答として求めるものであるが、反射音線数と同様
に、時間的に遅れてくる残響音ほど、その残響音も間隔
が密になる。このため、本実施形態では、時刻T1から
時刻T2までの間に付加する残響音の音線数は1回反射
音の音線数と同数とし、時刻T2から時刻T3までの間に
付加する残響音の音線数は2回反射音の音線数と同数と
し、時刻T3から時刻T4までの間に付加する残響音の音
線数は3回反射音の音線数と同数とする。即ち、残響音
の音線数は、本実施形態では、図4のグラフと同様とな
る。
【0027】更に、個々の残響音が反射音と異なるの
は、発生時刻が不定であることと、レベルの大きさが不
定(勿論、式1のエンベロープは満たす必要がある。)
であることと、到来方向が不定であることにある。そこ
で、本実施形態では、例えば、時刻T1から時刻T2まで
の間に付加する残響音の各々の発生時刻を乱数で決める
こととする。また、各残響音の大きさも、式1を満たす
エンベロープ関数以下の乱数で決めた任意レベルとし、
到来方向も乱数で決めた方向とする。
【0028】到来方向を乱数制御する場合、具体的に
は、ダミーヘッドによって取得した方向別の頭部伝達関
数をデータベース化しておき、乱数によって得られた方
向に対する頭部伝達関数を畳み込み演算することで、方
向の情報を各残響音に付加することができる。
【0029】時刻T2から時刻T3、時刻T3から時刻T4
までの残響音についても同様に乱数を用いて発生時刻、
発生レベル、到来方向を決める。このようにして求めた
残響音を時間軸上に並べた音列を図6に示す。
【0030】図6に示す残響音は、発生時刻、発生レベ
ル、到来方向を乱数で決め、エンベロープを式1で決め
た残響音であるため、完全拡散状態に近い残響音という
ことができる。この残響音を、音場空間に関わらず、常
に時刻T1から実際に出力すると、音場空間によっては
違和感が生じてしまう。音場空間で音源を設定し過渡応
答を測定した場合、音が完全拡散状態になるまでの時間
は、音場空間の容積や平均吸音力、平均自由行路等によ
って異なってくる。
【0031】このため、本実施形態では、音場空間毎
に、完全拡散状態を“1.0”としたとき、直接音発生
時点から拡散状態が“0.8”(80%)になるまでの
時間を予め計測してデータベース化しておき、図7に示
す様に、設計対象とする音場空間の拡散度が80%とな
る時間(付加スタート時間)をデータベースから読み出
し、この付加スタート時間以後の残響音を、実際に付加
することとする。即ち、この付加スタート時間以後の残
響音を、図3に示す直接音及び幾何音響による初期反射
音の後部残響音としてスピーカから出力する。
【0032】図8から図10は、上述した原理に基づい
て本実施形態の残響音シミュレータが実行する処理手順
を示すフローチャートである。
【0033】先ず、音場空間の音響条件を入力する。即
ち、ステップ1で、室形すなわち音場空間の形状を入力
する。例えば、設計中の音場空間のCAD情報を入力す
る。次に、ステップS2で、壁面材料を入力する。そし
て、周知の残響時間算出式に基づき、周波数帯域毎の残
響時間RTiを算出する(ステップS3)。次のステッ
プS4では、ステップS3で求めた周波数帯域毎の残響
時間RTiや、吸音力Ai、音場空間の体積V、表面積S
などを記憶装置に格納する。
【0034】次のステップS5では、音源信号データベ
ースの中から音源(直接音)を選び、設定する。そし
て、直接音に対する初期反射音(この例では、上述した
1回反射音、2回反射音、3回反射音)のインパルス応
答を、幾何音響理論に基づいて算出し(ステップS
6)、このインパルス応答の結果を記憶装置に保存する
(ステップS7)。
【0035】次のステップS8では、反射回数に対応し
た音線数の予測関数を算出する。即ち、図4で説明した
反射音線数を求め、次のステップS9で、反射回数毎の
音線数Niを記憶装置に保存する。
【0036】ステップS10(図9)では、周波数帯域
ループ数を設定し、以下のステップS20までの処理を
周波数帯域数nだけ繰り返し実行する。この周波数帯域
ループでは、先ず、ステップS11で、初期エネルギE
0を算出し、次のステップS12で、図5に示す残響音
エンベロープ関数を生成する。即ち、このステップS1
1とステップS12により、残響エンベロープの形状が
決定される。そして、ステップS13で、残響時間と平
均自由行路の関係より反射回数を決定する。
【0037】次のステップS14では、反射回数のルー
プ処理を開始する。即ち、以下のステップS17までの
処理を、ステップS13で求めた反射回数だけ繰り返
す。この反射回数ループ処理では、ステップS15で、
各反射回数に対応した時間帯域内(図3の時刻T1から
時刻T2、時刻T2から時刻T3、時刻T3から時刻T4)
に残響音が入射するように、乱数制御により、発生時
刻、発生レベル等を決定する。そして、発生時刻、発生
レベル等が決定された残響音を、時間軸上に配置する
(ステップS16)。
【0038】このステップS15とステップS16の処
理を反射回数だけ繰り返し、ステップS17で反射回数
ループが終了したと判断された場合には、この周波数帯
域ループ処理における残響音の音列(図6)が完成す
る。
【0039】次のステップS18では、周波数帯域毎に
周波数位相情報を残響音に付加するため、バンドパスフ
ィルタやトーンバースト波形などを畳み込み演算し、演
算結果を記憶装置に保存する(ステップS19)。そし
て、次のステップS20で周波数帯域ループ処理が全帯
域で終了したか否かを判断し、終了していない場合には
ステップS10に戻り、終了したと判断された場合には
ステップS21に進む。
【0040】ステップS21に進む場合には、図6に示
す残響音の音列が周波数帯域毎に完成されているため、
このステップS21では、周波数帯域毎の図6に示す残
響音の音列を1つの時間軸上に合成する。そして、次の
ステップS22で、図7で説明した付加スタート時間T
sを算出し、ステップS23で、付加スタート時間Ts以
降の残響音の音列を、図3に示す直接音及び初期反射音
のインパルス応答に時間軸上で合成し、この処理を終了
する。
【0041】以上述べたように、本実施形態による残響
音シミュレータは、音場空間の周波数特性に応じた残響
音を生成するため、実際に即した残響感、臨場感を模擬
することができ、音場設計に利用することが可能とな
る。
【0042】また、上述した残響音シミュレータは、パ
ーソナルコンピュータ上で実現するが、音場の予測に関
しては高い精度の予測が可能となり、また、可聴化を実
施するためにスピーカから直接音、初期反射音、残響音
を出力した場合、より自然な音が出力される。このた
め、コンサートホール等の音場空間の設計段階でスピー
カの機種選定や、材料の選定などを含めた音響設計ツー
ルとして使用できる。更に、各種効果音用(風呂場、教
室など様々な音場の残響感、臨場感)の生成装置として
適用することもできる。例えば、スタジオ等の何らかの
制作現場において様々なシーンに最適な残響感を持った
音を制作可能となる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、音場空間に応じた残響
感、臨場感を実際に即して模擬することができる残響音
シミュレータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る残響音シミュレータ
の構成図
【図2】本発明の別実施形態に係る残響音シミュレータ
の構成図
【図3】本発明の一実施形態に係る残響音生成方法の原
理説明で用いる初期反射音を示す図
【図4】本発明の一実施形態に係る残響音生成方法の原
理説明で用いる反射音線数を示す図
【図5】本発明の一実施形態に係る残響音生成方法の原
理説明で用いる残響音エンベロープを示す図
【図6】本発明の一実施形態に係る残響音生成方法の原
理説明で用いる残響音の音列を示す図
【図7】本発明の一実施形態に係る残響音生成方法の原
理説明で用いる残響音の付加スタート時間の説明図
【図8】本発明の一実施形態に係る残響音シミュレータ
の処理手順を示すフローチャート
【図9】本発明の一実施形態に係る残響音シミュレータ
の処理手順を示すフローチャート
【図10】本発明の一実施形態に係る残響音シミュレー
タの処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1 音源信号(直接音)データベース 3、3R、3L インパルス応答算出部 4、4R、4L 畳み込み演算手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音場空間の直接音及び初期反射音の初期
    エネルギの大きさを周波数帯域毎に求め、前記直接音及
    び初期反射音に応じた残響音を残響音減衰式により求め
    るに際し前記周波数帯毎に前記残響音を求め、前記周波
    数帯域毎の残響音を合成して出力することを特徴とする
    残響音生成方法。
  2. 【請求項2】 音場空間の直接音及び初期反射音の初期
    エネルギの大きさと前記音場空間の残響時間と残響音減
    衰式とから残響音を求めるに際し、前記残響時間を周波
    数帯域毎に求め、前記残響音減衰式から前記周波数帯域
    毎の残響音を求め、前記周波数帯域毎の残響音を合成し
    て出力することを特徴とする残響音生成方法。
  3. 【請求項3】 音場空間の直接音及び初期反射音の初期
    エネルギの大きさを周波数帯域毎に求め、前記周波数帯
    域毎の直接音及び初期反射音の初期エネルギの大きさと
    前記音場空間の残響時間と残響音減衰式とから残響音を
    求めるに際し、前記残響時間を前記周波数帯域毎に求め
    ると共に前記残響音減衰式から前記周波数帯域毎の残響
    音を求め、前記周波数帯域毎の残響音を合成して出力す
    ることを特徴とする残響音生成方法。
  4. 【請求項4】 直接音の音源データベースと、音場空間
    の音響条件入力手段と、前記直接音及び初期反射音の周
    波数帯域毎の初期エネルギを算出する手段と、前記直接
    音及び初期反射音に応じた残響音を前記周波数帯域毎に
    残響音減衰式から算出する手段と、前記周波数帯域毎の
    残響音を合成する手段と、前記残響音に周波数位相情報
    を畳み込む畳み込み演算手段とを備えたことを特徴とす
    る残響音シミュレータ。
  5. 【請求項5】 直接音の音源データベースと、音場空間
    の音響条件入力手段と、前記音場空間の前記音響条件に
    応じた残響時間を周波数帯域毎に算出する手段と、前記
    直接音及び初期反射音の初期エネルギの大きさと前記周
    波数毎の前記残響時間と残響音減衰式とから前記周波数
    帯域毎の残響音を算出する手段と、前記周波数帯域毎の
    残響音を合成する手段と、前記残響音に周波数位相情報
    を畳み込む畳み込み演算手段とを備えたことを特徴とす
    る残響音シミュレータ。
  6. 【請求項6】 直接音の音源データベースと、音場空間
    の音響条件入力手段と、前記直接音の周波数帯域毎の初
    期エネルギを算出する手段と、前記音場空間の前記音響
    条件に応じた残響時間を前記周波数帯域毎に算出する手
    段と、前記周波数帯域毎の初期エネルギと前記周波数帯
    域毎の残響時間と残響音減衰式とから前記周波数帯域毎
    の残響音を算出する手段と、前記周波数帯域毎の残響音
    を合成する手段と、前記残響音に周波数位相情報を畳み
    込む畳み込み演算手段とを備えたことを特徴とする残響
    音シミュレータ。
  7. 【請求項7】 前記残響音を算出する手段は、算出した
    残響音の時間軸上の配置位置を乱数によって決めたこと
    を特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の
    残響音シミュレータ。
  8. 【請求項8】 前記残響音を算出する手段は、算出した
    残響音レベルの大きさを前記残響音減衰式で定まるレベ
    ル以下の任意レベルにすると共に前記任意レベルを乱数
    によって決定したことを特徴とする請求項4乃至請求項
    7のいずれかに記載の残響音シミュレータ。
  9. 【請求項9】 前記残響音を算出する手段と、残響音の
    到来方向を乱数によって決定したことを特徴とする請求
    項4乃至請求項8のいずれかに記載の残響音シミュレー
    タ。
  10. 【請求項10】 前記直接音に対する前記音場空間の初
    期反射音を幾何音響理論により算出する手段と、前記合
    成した残響音と前記初期反射音と前記直接音とを合成し
    て出力する手段とを備えたことを特徴とする請求項4乃
    至請求項9のいずれかに記載の残響音シミュレータ。
  11. 【請求項11】 前記合成した残響音のうち、音の拡散
    状態が所定状態となる残響音付加スタート時間以後の残
    響音を前記初期反射音及び前記直接音に合成して出力す
    ることを特徴とする請求項10に記載の残響音シミュレ
    ータ。
  12. 【請求項12】 前記拡散状態が所定状態となる残響音
    付加スタート時間のデータを音場空間毎に格納したデー
    タベースを備えたことを特徴とする請求項11記載の残
    響音シミュレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010181824A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Yamaha Corp 音響シミュレーション装置および音響シミュレーションプログラム
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CN115426595A (zh) * 2022-07-31 2022-12-02 苏州声学产业技术研究院有限公司 一种狭小空间内部声场调控方法

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